JP2000237300A - 細孔径の中空糸およびその中空糸束とその製造方法 - Google Patents

細孔径の中空糸およびその中空糸束とその製造方法

Info

Publication number
JP2000237300A
JP2000237300A JP11045190A JP4519099A JP2000237300A JP 2000237300 A JP2000237300 A JP 2000237300A JP 11045190 A JP11045190 A JP 11045190A JP 4519099 A JP4519099 A JP 4519099A JP 2000237300 A JP2000237300 A JP 2000237300A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
membrane
hollow fiber
fiber
core
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11045190A
Other languages
English (en)
Inventor
Tokuzo Nakagawa
徳三 中川
Norihiro Kikuchi
紀洋 菊地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DJK Research Center KK
Original Assignee
DJK Research Center KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DJK Research Center KK filed Critical DJK Research Center KK
Priority to JP11045190A priority Critical patent/JP2000237300A/ja
Priority to EP00103737A priority patent/EP1031356A2/en
Priority to CA 2299189 priority patent/CA2299189A1/en
Publication of JP2000237300A publication Critical patent/JP2000237300A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L27/00Materials for grafts or prostheses or for coating grafts or prostheses
    • A61L27/36Materials for grafts or prostheses or for coating grafts or prostheses containing ingredients of undetermined constitution or reaction products thereof, e.g. transplant tissue, natural bone, extracellular matrix
    • A61L27/3604Materials for grafts or prostheses or for coating grafts or prostheses containing ingredients of undetermined constitution or reaction products thereof, e.g. transplant tissue, natural bone, extracellular matrix characterised by the human or animal origin of the biological material, e.g. hair, fascia, fish scales, silk, shellac, pericardium, pleura, renal tissue, amniotic membrane, parenchymal tissue, fetal tissue, muscle tissue, fat tissue, enamel
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L27/00Materials for grafts or prostheses or for coating grafts or prostheses
    • A61L27/14Macromolecular materials
    • A61L27/22Polypeptides or derivatives thereof, e.g. degradation products
    • A61L27/24Collagen
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L31/00Materials for other surgical articles, e.g. stents, stent-grafts, shunts, surgical drapes, guide wires, materials for adhesion prevention, occluding devices, surgical gloves, tissue fixation devices
    • A61L31/005Ingredients of undetermined constitution or reaction products thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L31/00Materials for other surgical articles, e.g. stents, stent-grafts, shunts, surgical drapes, guide wires, materials for adhesion prevention, occluding devices, surgical gloves, tissue fixation devices
    • A61L31/04Macromolecular materials
    • A61L31/043Proteins; Polypeptides; Degradation products thereof
    • A61L31/044Collagen

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Transplantation (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Botany (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Prostheses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 実質的に無細胞の緻密層からなる膜状物を原
料として、主として人工神経鞘として有用な中空糸束を
得ること。 【解決手段】 哺乳動物由来の羊膜から物理処理、化学
処理を施して、上皮細胞層、繊維芽細胞層を除去し、実
質的に無細胞の緻密層からなる膜状物を得、該膜状物を
該膜状物と表面不活性である芯材繊維の周りに巻きつけ
た後、ゼラチンまたはコラーゲンの水溶液を塗布して、
硬化し、次いで芯材繊維を引き抜くことで目的とする中
空糸束を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、哺乳動物の膜状結
合組織を構成する無細胞質の緻密層・基底膜層のみから
なる膜状物を用いた中空糸およびその複数の中空糸より
なる中空糸束およびそれらの製造方法に関し、具体的に
は、創傷、挫傷およびその他の傷害に起因して発生する
末梢神経の切断による四肢麻痺を治療する神経外科手術
に用いられる中空糸およびその中空糸束に関する。すな
わち、手術の術創に伴う末梢神経の切断、交通事故、労
働作業事故、スポーツ事故等により切断した末梢神経を
修復する外科術技の技術分野で用いられる中空糸および
その中空糸束に係る発明である。さらに、人工神経鞘に
限らず、携帯用透析器、人工糸球体、人工靭帯、人工
腱、人工尿管およびステント等の埋植用生体内留置用の
医療用具類に生体適合性/血液適合性を向上付与するな
どの医療用途に用いられる。
【0002】さらに細胞、胚幹細胞、その他の生理活性
物質を中空糸の内側または外側に固定することにより、
人工肝臓、人工膵臓、その他の人工臓器・組織を再生す
る医用材料および環境ホルモンのアッセイ・キット、石
油を微生物を用いて分解するバイオ・リアクターのモジ
ュール用材料等の工業用途にも用いられる。以下、人工
神経鞘を代表例として本発明を説明する。
【0003】
【従来の技術】末梢神経を再生、修復する試みは種々行
われている。その一つとして屍体から採取した末梢神経
を移植する技術がある。この技術は免疫拒絶反応、採取
した末梢神経の保存方法等、解決しなければならない重
大な問題が数多くあり、まだ未解決の状態で実用化には
ほど遠い現状である。
【0004】また、哺乳動物の組織から抽出、精製して
テロペプチッドを除去したアテロペプチッド・コラーゲ
ンを用いる人工神経鞘を利用する末梢神経を再生させる
方法が提案されている。しかしながら、この技術は以下
のような問題点があり、これらの問題点はまだ解決され
ていないのが現状である。 哺乳動物が牛、羊の場合、病原体・プリオンの活性
が残存するおそれがあり、これを不活性化または/およ
び除去する方法が未解決である。 テロペプチッドを除去したコラーゲンは、生体に存
在しない異質のコラーゲンであるから、異質コラーゲン
に起因する神経の再生を阻害する各種の医科学に属する
未解決の問題がある。 微弱とされているが、神経の再生にとっては大問題
とする抗原性の残存に関する問題が未解決である。 内径が 0.1mm〜 0.2mmであることを必要とする細管
が多数の束となる神経鞘を成形する製造方法が未解決で
ある。 神経細胞の増殖に必要な細胞外マトリックスを欠如
するという問題が未解決である。
【0005】以上のように、末梢神経の再生を可能にす
る技術は種々提案されているが、それぞれ重大な未解決
の問題を抱えており、簡便で安定供給が可能な技術の出
現が待たれている現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記の現状に鑑み、従
来の技術が解決できなかった種々の問題点を解決し、安
価で容易に内径が1μm以上、5mm以下の中空糸が束に
なった形状の人工神経鞘を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記問題
点を解決するために鋭意研究した結果、ヒト羊膜から得
られる実質的に緻密層からなる膜状物のみ、またはその
膜状物と該膜状物と接着しない繊維状物とを組合せるこ
とにより、上記問題点をすべて解決できることを見いだ
し、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明の要旨とするところは、
ヒト結合組織を構成する無細胞質の基質からなり、実質
的に緻密層の膜状物とゼラチンまたはコラーゲンを組成
成分とする単数または複数本の中空糸からなる中空糸束
にある。該中空糸の層状物を1層または複数層重ね合わ
せた状態で渦巻状に巻くことにより中空糸束とすること
ができ、該中空糸束は人工神経鞘として有用に用いられ
る他、多くの用途に有用に用いられる。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
いうヒト・哺乳動物の膜状結合組織とは、脳硬膜、心
膜、胸膜、横隔膜、腹膜、大腿筋膜、腸間膜、皮膚、鼓
膜、その他の生体膜、および血管壁、食道壁、気管壁、
尿道・尿管壁、心臓壁、その他生体臓器の外壁、さらに
胎児膜およびそれを構成する羊膜、絨毛膜等を指称する
ものである。人工神経鞘には、ヒト羊膜を使用するのが
好ましい。ヒト羊膜は分娩後、医療廃棄物として取扱わ
れ、現在のところ全く用途がなく、そのうえ、出産のた
びごとに採取することができ、安価に大量に原料を入手
することが可能なためである。
【0010】結合組織は生理学領域では機能で分類さ
れ、上皮層、基底膜層、緻密層、繊維芽細胞層と4層に
区分して、その構成形態を取扱うが、光学顕微鏡学領域
では、視覚的に分類して、上皮層、基底膜層、繊維芽細
胞層の3層に区分している。すなわち、光学顕微鏡学は
生理学が分類区分する基底膜層と緻密層を一括統合して
基底膜層と呼称している。かつ、上皮層、繊維芽細胞層
は細胞質であり、基底膜層、緻密層は無細胞質である。
基底膜層の厚さはナノメートル(nm)単位で示される超薄
層であり、緻密層はマイクロメートル(μm)単位で示す
ことができる厚さである。
【0011】ヒト羊膜の厚みは、約12,000nmであり、基
底膜層(厚み50〜80nm)、緻密層(厚み 8,000〜10,000
nm)を境界層として上皮層と繊維芽細胞層を両外側に形
成しており、本発明でいう実質的に緻密層とは、光学顕
微鏡学領域でいう緻密層と基底膜層との総合体であっ
て、生理学領域でいう緻密層を実質的に指すものをい
う。
【0012】本発明で使用する実質的に緻密層の膜状物
は、一例として次のような手法で得ることができる。生
体結合組織膜は実質的に緻密層よりなる膜層の両面に上
皮層と繊維芽細胞層等の細胞質層が存在している。これ
らの細胞膜は、細菌の細胞膜と同様に実質的にタンパク
質である。採取された生体結合膜は、生理食塩水中で除
血、脱血された後、 0.1%の塩化ベンザルコニュウム液
中で24時間以上放置して細胞層の電位的変性を生じさせ
る。
【0013】次いで、pH値が中性付近の電位環境下、最
もタンパク分解能を発揮するプロテアーゼなどの酵素を
用い、pH7の条件で処理することにより、タンパク質層
が分解される。当然のことであるが、かかるタンパク質
の分解は、適当な条件で制御しなければ、コラーゲンか
らなる緻密層の形態をも破壊するので、適当な温度と時
間を制御条件として、緻密層の形態学的条件等の保全、
残存を図らなければならない。次の工程として、超音波
洗浄を施す。超音波洗浄により、緻密層に付着する上皮
層、繊維芽細胞層などの分解物が除去され、実質的に緻
密層からなる膜状の材料を得ることができる。
【0014】本発明において、芯材繊維として用いるの
は、直径が1μm以上、5mm以下の天然高分子または合
成高分子からなる繊維または糸である。また、これらの
繊維または糸は緻密層を中空のチューブ状に賦形した
後、除去しやすいように緻密層表面と親和性に乏しいも
のが好ましい。このような理由から、テフロン繊維のよ
うな疎水性合成繊維または糸が好ましく用いられる。通
常、天然高分子からなる繊維は親水性であるから好まし
くないが、繊維表面を撥水剤等で疎水化すれば使用する
ことができる。直径が1μm以下では、賦形される中空
糸の内径が小さくなりすぎ好ましくなく、また直径が5
mm以上では得られる中空糸の内径が大きくなりすぎ好ま
しくない。
【0015】本発明で使用する緻密層の膜強度が不足し
ている場合には、繊維状物で補強することが好ましい。
この場合、用いる繊維は、生体内で分解され、吸収され
る材料である必要があり、好ましくはポリグリコール
酸、ポリ乳酸、またはこれらの共重合体が挙げられる
が、これらに限定されることはない。
【0016】前述したように、本発明のヒト結合組織と
してはヒト羊膜が好ましく用いられる。現在まで分娩
後、医療廃棄物として扱われていたヒト羊膜の新しい用
途を提供するものであり、出産のたびごとに採取するこ
とができるため、安価で大量に原料を入手できる利点が
ある。また、ヒト由来の緻密層であるため、生体免疫反
応が生起するおそれもほとんどない。
【0017】以下、図面を使用し、本発明の中空糸束の
製造方法について詳細に説明する。[図1]は本発明の
実施態様の一例で、等間隔に立てた複数本の芯材繊維11
の1本交互のジグザグになるよう膜状物12を縫うように
通し(図1a)、余った膜状物を芯材繊維列の片側に折り
曲げて重ねる(図1b)。この際、芯材繊維は上下から張
力をかけておくとよい。膜状物と一体となった芯材繊維
を膜状物を重ね合わせた面を上にしてガラス板10上に置
き(図1c)、水を噴霧して形をなじませた後、風乾す
る。この上からゼラチン水溶液またはコラーゲン水溶液
を塗布し、十分になじませた後、 120℃で24時間、熱処
理してゼラチンまたはコラーゲン13を硬化させる(図1
d)。
【0018】ゼラチンまたはコラーゲンを硬化後、一体
物をガラス板より取り外し、芯材繊維を引き抜くことに
よって、中空部14が多数並んだスダレ状の中空糸15が得
られる(図1e)。
【0019】[図2]に別の実施態様を示す。断面が紡
錘形の支持体20の片面上に膜状物22を載置し(図2a)、
その上に別のボビン(図示していない)に巻いた芯材繊
維21を1周巻きつける(図2b)。膜状物を芯材繊維に沿
って折り曲げ(図2c)、さらに上層の膜状物の上から芯
材繊維を1周巻きつける(図2d)。次いで、上層の膜状
物を持ち上げ、下層の膜状物の上面に芯材繊維を1周巻
きつけ、上層の膜状物を芯材繊維に被せる(図2e)。こ
の操作を繰り返し、所定本数の芯材繊維を配置する(図
2f)。その後、風乾した後、ゼラチン水溶液またはコラ
ーゲン水溶液を塗布し、十分になじませた後、 120℃で
24時間熱処理し、ゼラチンまたはコラーゲン23を硬化さ
せる(図2g)。
【0020】セラチンまたはコラーゲンを硬化後、芯材
繊維のみの部分、すなわちX、X’の部分で芯材繊維を
切断して、一体物を支持体から取り外す(図2h)。芯材
繊維を引き抜くことで層状物から除去すると、同一の内
径を持つ中空部24が一列になったスダレ状の中空糸25が
得られる(図2i)。
【0021】また、一本または複数本の芯材の周りに膜
状物を巻きつけ、これを多数本平行に並べた上にゼラチ
ン水溶液またはコラーゲン水溶液を塗布し、硬化させた
後、芯材繊維を引き抜くことにより、中空糸層を得るこ
ともできる。
【0022】得られた中空糸層を渦巻状に巻くことによ
り、中空糸束とすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、実施例により、本発明をさ
らに詳細に説明する。
【0024】
【実施例1】(1) 膜状物の調製 ヒト由来の羊膜を室温で生理食塩水を用いて繰り返し洗
浄した。目視観察において除血、脱血が確認できるまで
手動で洗浄した。次いで、局方精製水の流水中で、周波
数 40KHz、室温で12時間超音波洗浄を行った。除血、脱
血後の羊膜を 0.1%局方塩化ベンザルコニウム水溶液中
に浸漬し、室温で24時間静置した。次いで、0.05%アジ
化ナトリウムを加えた0.01%フィシンの 0.2Mリン酸緩
衝液中に浸漬し、室温で24時間静置した。これらの操作
により、羊膜の上皮細胞層、繊維芽細胞層を溶解除去し
た。得られた膜状物を取り出し、局方精製水を流しなが
ら室温、周波数 40KHzで揺動しつつ超音波洗浄を行い、
実質的に無細胞の緻密層からなる膜状物を得た。得られ
た膜状物を無菌の減圧乾燥機中、35℃、12時間乾燥させ
て、目的とする膜状物を得た。
【0025】(2) 中空糸層の製造 長さが15cm、巾10cmの[図2]に示すような断面形状が
紡錘形の支持体上に5cm×10cmの上記方法により得られ
た膜状物を載置した。芯材繊維としては直径が0.2mmの
テフロン繊維を使用した。芯材繊維を膜状物の上に1回
巻きつけ、繊維に沿って膜状物を折り曲げた。次いで、
重なった2層の膜状物の上から芯材繊維を1回巻きつ
け、上層の膜状物を折り返した。この際、芯材繊維の間
隔は膜状物の厚み以上であれば適宜定めることができる
が、繊維直径以下が好ましく、本実施例では 0.5mmとし
た。
【0026】次いで、下層の膜状物の上に芯材繊維を1
回巻きつけ、上層の膜状物で芯材繊維を覆った。この操
作を順次繰り返し、芯材繊維を20回巻きつけた。
【0027】この状態で支持体ごと蒸留水中に浸漬し、
直ちに取り出し、膜状物の形を整えて風乾した。乾燥
後、2%ゼラチン水溶液を膜状物上に塗布し、25℃で3
時間、ゼラチンを浸透させながらゼラチンを乾燥させ
た。その後、 120℃で24時間加熱し、ゼラチンを架橋さ
せた。支持体上の膜状物外の芯材繊維を切断し、膜状物
を取り外し、芯材繊維を引き抜くことで20本の中空部を
持つ中空糸層状物を得た。
【0028】得られた中空糸層状物を1層で渦巻状に巻
くことにより中空糸束とすることができた。
【0029】
【実施例2】芯材繊維として直径 0.4mmのテフロン繊維
を5本束ねて使用した他は実施例1と同様にして内径1
mmの中空糸層を得た。芯材繊維を複数にすることによ
り、芯材繊維を引き抜く作業が容易になった。このこと
で、芯材繊維の本数により中空糸の内径を自在に設定で
きることもわかった。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、従来作製が困難であっ
た細径の人工神経鞘を簡単に得ることができ、また、内
径も自在に調節することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施態様の他の一例を示す図である。
【符号の説明】
10,20 ……… 支持体 11,21 ……… 芯材繊維 12,22 ……… 緻密層からなる膜状物 13,23 ……… ゼラチンまたはコラーゲン 14,24 ……… 中空部 15,25 ……… 中空糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C081 AB16 AB18 AB35 AC03 AC04 AC06 AC15 BA16 BA17 BB09 BC01 CC06 CD141 CD142 CD152 CD34 DA02 DA03 DA04 DA05 DB01 DC03 DC05 EA02 EA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 哺乳動物の膜状結合組織を構成する無細
    胞質の緻密層・基底膜層のみから成り、実質的にI型、
    III 型、IV型、V型およびXVI 型のコラーゲン繊維束を
    組成とし、その形態が、その膜状物の表・裏を非対称性
    とする膜状物を用いることを特徴とする内径が1μm以
    上、5mm以下の中空糸およびその中空糸束。
  2. 【請求項2】 哺乳動物の膜状結合組織がヒト結合組織
    であることを特徴とする請求項1記載の中空糸およびそ
    の中空糸束。
  3. 【請求項3】 生体内分解、吸収性の繊維で強化された
    膜状物であることを特徴とする請求項1〜請求項2記載
    の中空糸およびその中空糸束。
  4. 【請求項4】 前記中空糸束の膜管を形成する部位を物
    理的修飾または化学的修飾を施したゼラチンまたはコラ
    ーゲンで接着、固定することにより中空糸の形状を形成
    したこと、またはフィブリン糊、シアノアクリレート等
    の医用接着剤で接着、固定することにより中空糸の形状
    を形成することを特徴とする請求項1〜請求項3記載の
    中空糸およびそ中空糸束。
  5. 【請求項5】 ヒト結合組織がヒト羊膜であることを特
    徴とする請求項1〜請求項4記載の中空糸およびその中
    空糸束。
  6. 【請求項6】 断面が紡錘形の支持体の片面上に哺乳動
    物の膜状結合組織を構成する無細胞質の緻密層・基底膜
    層からのみなる膜状物を載置し、その上に芯材繊維を巻
    きつけ、膜状物を芯材繊維に沿って折り曲げ、さらに2
    層の膜状物の上から芯材繊維を1周巻き付け、次いで、
    上層の膜状物を持ち上げ、下層の膜状物の上面に芯材繊
    維を巻き付け、上層の膜状物を芯材繊維に被せるという
    操作を所定回繰り返し、所定本数の芯材繊維を配置し、
    風乾した後、ゼラチン水溶液またはコラーゲン水溶液を
    塗布し、十分になじませてから、熱処理してゼラチンま
    たはコラーゲンを硬化させた後、芯材繊維のみの部分で
    芯材繊維を切断して、膜状物と芯材繊維の一体物を支持
    体から取り外し、芯材繊維を引き抜くことを特徴とする
    中空糸およびその中空糸束の製造方法。
JP11045190A 1999-02-23 1999-02-23 細孔径の中空糸およびその中空糸束とその製造方法 Pending JP2000237300A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11045190A JP2000237300A (ja) 1999-02-23 1999-02-23 細孔径の中空糸およびその中空糸束とその製造方法
EP00103737A EP1031356A2 (en) 1999-02-23 2000-02-22 Manufacturing methods of hollow fiber of narrow diameter and hollow fiber bundles
CA 2299189 CA2299189A1 (en) 1999-02-23 2000-02-23 Small diameter hollow articles and their manufacturing method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11045190A JP2000237300A (ja) 1999-02-23 1999-02-23 細孔径の中空糸およびその中空糸束とその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000237300A true JP2000237300A (ja) 2000-09-05

Family

ID=12712358

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11045190A Pending JP2000237300A (ja) 1999-02-23 1999-02-23 細孔径の中空糸およびその中空糸束とその製造方法

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP1031356A2 (ja)
JP (1) JP2000237300A (ja)
CA (1) CA2299189A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004073221A (ja) * 2002-08-09 2004-03-11 Nipro Corp 生分解性筒状体およびそれを用いた生体組織または器官再生器具
JP2010115393A (ja) * 2008-11-14 2010-05-27 Nipro Corp 神経再生基材及び神経再生基材用部品
JP2010115410A (ja) * 2008-11-14 2010-05-27 Nipro Corp 神経再生基材

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB0121986D0 (en) * 2001-09-11 2001-10-31 Isis Innovation Method and structure for growing living organic tissue
DE102005054940A1 (de) * 2005-11-17 2007-05-24 Gelita Ag Verbundmaterial, insbesondere für die medizinische Anwendung , und Verfahren zu dessen Herstellung
US8105634B2 (en) 2006-08-15 2012-01-31 Anthrogenesis Corporation Umbilical cord biomaterial for medical use
US8071135B2 (en) 2006-10-04 2011-12-06 Anthrogenesis Corporation Placental tissue compositions
CN104623643A (zh) 2006-10-06 2015-05-20 人类起源公司 天然(端肽)胎盘胶原组合物

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004073221A (ja) * 2002-08-09 2004-03-11 Nipro Corp 生分解性筒状体およびそれを用いた生体組織または器官再生器具
JP4581318B2 (ja) * 2002-08-09 2010-11-17 ニプロ株式会社 生分解性筒状体およびそれを用いた生体組織または器官再生器具
JP2010115393A (ja) * 2008-11-14 2010-05-27 Nipro Corp 神経再生基材及び神経再生基材用部品
JP2010115410A (ja) * 2008-11-14 2010-05-27 Nipro Corp 神経再生基材

Also Published As

Publication number Publication date
CA2299189A1 (en) 2000-08-23
EP1031356A2 (en) 2000-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE69724275T2 (de) Biopolymerschäume zur gewebeerneurung und -rekonstruktion
Brown et al. Cell responses to biomimetic protein scaffolds used in tissue repair and engineering
US5723010A (en) Medical device and method for producing the same
WO2017148255A1 (zh) 一种修复区稳固的复合软组织修复材料
US5916266A (en) Raw membranous material for medical materials and manufacturing methods thereof
US10888638B2 (en) Method for producing a collagen membrane and uses thereof
CA2685225A1 (en) Reinforced biological mesh for surgical reinforcement
US20110262541A1 (en) Foam-formed collagen strand
CN102188747A (zh) 一种含有plga加强网的复合型组织工程支架及其制备方法和应用
JP4168740B2 (ja) コラーゲン製人工血管
JP2000237300A (ja) 細孔径の中空糸およびその中空糸束とその製造方法
JPH07213597A (ja) 精製コラーゲン様物質の撚り糸、この撚り糸から製造された成形体、及びこれらの製造方法
JP2003190192A (ja) 末梢神経再生方法
KR101182417B1 (ko) 나노섬유 인공양막 및 이의 제조방법
JP2007014562A (ja) コラーゲン基材
JP2000325463A (ja) 神経再建用基材
JP2011217964A (ja) 単離された、遊走性腱細胞から産生されたアモルファスなゲル状物質(tendongel)、それから作製される人工腱および接着剤、ならびに腱の再生方法