JP2000237046A - 加熱皿および電波加熱装置 - Google Patents

加熱皿および電波加熱装置

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JP2000237046A
JP2000237046A JP4239999A JP4239999A JP2000237046A JP 2000237046 A JP2000237046 A JP 2000237046A JP 4239999 A JP4239999 A JP 4239999A JP 4239999 A JP4239999 A JP 4239999A JP 2000237046 A JP2000237046 A JP 2000237046A
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heating
radio wave
heating chamber
dish
microwave
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Tomoko Tani
谷  知子
Tomotaka Nobue
等隆 信江
Koji Yoshino
浩二 吉野
Akiyoshi Fukumoto
明美 福本
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の電波加熱装置は、加熱室内のマイクロ
波分布の均一性が悪かった。 【解決手段】 被加熱物を収容する加熱室と、所定の周
波数のマイクロ波を発生するマグネトロンと、加熱室の
壁に設けられ、マグネトロンによって発生されたマイク
ロ波を加熱室に放射するための給電口と、比誘電率が実
質上同一であって、厚さが異なる部分を有し、加熱室内
に配置されて被加熱物が載置される加熱皿15とを備え
る。上述した加熱皿15によって、マイクロ波の加熱室
内での伝搬経路が多重化され、加熱室内におけるマイク
ロ波分布の均一性は向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品等の被加熱物
を、マイクロ波等の電波を用いて加熱する電波加熱装置
の加熱皿、および電波加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の、食品等の被加熱物を、マイクロ
波を用いて加熱する電波加熱装置を、図7を用いて説明
する。図7は、従来の電波加熱装置の構成図である。1
は電波加熱装置本体、2はマイクロ波を発生するマグネ
トロン、3はマグネトロン2が発生したマイクロ波を加
熱室5に導く導波管、4はマイクロ波を導波管3から加
熱室5に放射するための給電口、5は食品等の被加熱物
を収容する加熱室、6は加熱室5に配置され被加熱物を
載置する加熱皿、7は加熱皿6を載せて回転駆動する加
熱皿受けである。図8は、図7の加熱皿6および加熱皿
受け7部分の拡大図である。
【0003】加熱皿6に載置された食品は、その食品中
の水分がマイクロ波を吸収し、自己発熱することで加熱
される。ところで、食品などの被加熱物を均一かつ効率
的に加熱するには、加熱室5内のマイクロ波の分布を均
一にしなければならない。しかし、電波加熱装置の加熱
室5内のマイクロ波の分布は、マイクロ波が定在波を発
生することから、均一になりにくい。そこで、食品等の
被加熱物の各部位がマイクロ波の電界の大きい場所と小
さい場所のいずれもに同じような割合で位置するよう
に、加熱皿6を回転させたり、図8に示すように、金属
製の加熱皿受け7に一定角度ごとに数カ所の空間を設け
て、マイクロ波を乱反射させ、加熱室5内のマイクロ波
の分布や食品に照射されるマイクロ波を均一にしたり変
化させるという工夫がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の電波加熱装置では、加熱室5内のマイクロ波分布は均
一になっていない。ところで、そのマイクロ波分布は、
マイクロ波の周波数、加熱室5の大きさや形状、および
給電口4の設置場所等によって決定されるものであり、
例えば加熱室5内に配置される加熱皿6や、給電口4の
設置場所が同じであっても、マイクロ波の周波数が変わ
ればマイクロ波分布のパターンは変わり、また加熱室5
の大きさが変わってもマイクロ波分布のパターンは変わ
るというものである。いいかえると、マイクロ波の周波
数、加熱室5の大きさや形状、および給電口4の設置場
所等が決まりさえすれば、マイクロ波分布のパターンは
決まるということである。しかしながら、決定されたマ
イクロ波分布は、マイクロ波が定在波を発生するという
特性を有することから均一にはならない。つまり、電界
の大きい部分と、小さい部分とが必然的に生じる。
【0005】例えば、加熱室5内の電界強度が加熱皿6
の中央付近は小さく、逆に周囲近辺は大きくなるような
場合であって、加熱皿6の中央部に食品をおいた場合、
加熱皿6を回転させても、食品に照射されるマイクロ波
の分布むらは改善されず、食品の中央が加熱されにくい
などの問題が生じている。
【0006】また、固定され不均一なマイクロ波分布の
パターンをやわらげる目的で、図8に示すような一定角
度ごとに空間を設けた加熱皿受け7を配置した場合であ
っても、その加熱皿受け7は、マイクロ波を乱反射し、
マイクロ波分布である定在波の発生を抑制させることは
できるが、マイクロ波分布のパターンを大きく変化さ
せ、マイクロ波分布を均一にすることはできない。
【0007】このように、いずれにしてもマイクロ波分
布が均一ではないので、その不均一なマイクロ波分布
は、例えばピザ等の平板状の食品を温めるときに適した
マイクロ波分布であったとしても、コップに入った牛乳
などの立体的な食品を温めるときに適したマイクロ波分
布にはなっていない。つまり、多様な食品の種類や形状
に適したマイクロ波分布にはならないので、それら多様
な食品に対して加熱の均一化を図ることは難しかった。
【0008】本発明は、従来の電波加熱装置では、加熱
室内のマイクロ波分布の均一性が悪かったという課題を
考慮し、加熱室内のマイクロ波分布の均一性を従来より
も良くするための加熱皿を提供することを目的とするも
のである。
【0009】また、本発明は、加熱室内のマイクロ波分
布の均一性を従来よりも良くする電波加熱装置を提供す
ることを目的とするものである。
【0010】さらに、本発明は、従来の電波加熱装置で
は、加熱室内のマイクロ波分布のパターンは1つであっ
たという課題を考慮し、加熱室内のマイクロ波分布のパ
ターンを複数有する電波加熱装置を提供することを目的
とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、第1の本発明(請求項1に対応)は、少なくとも
底部に厚さおよび/または比誘電率が異なる部分を有
し、電波加熱装置の加熱室内に配置されて被加熱物が載
置されることを特徴とする加熱皿である。
【0012】このように、加熱皿が、少なくとも底部に
厚さおよび/または比誘電率が異なる部分を有すること
により、加熱皿でのマイクロ波の反射および透過が部位
により変化し、マイクロ波の加熱室内での伝搬経路が多
重化され、電波加熱装置の加熱室内のマイクロ波の分布
を従来より均一性を良くするように変化させることがで
きる。これにより、様々な種類・形状の食品の加熱むら
をなくすことができる。
【0013】第2の本発明(請求項5に対応)は、被加
熱物を収容する加熱室と、所定の周波数の電波を発生す
る電波発生手段と、前記加熱室の内壁に設けられ、前記
電波発生手段によって発生された電波を前記加熱室に放
射するための放射口と、前記加熱室内に配置される第1
の本発明の加熱皿とを備えたことを特徴とする電波加熱
装置である。
【0014】第3の本発明(請求項6に対応)は、被加
熱物を収容する加熱室と、所定の周波数の電波を発生す
る電波発生手段と、前記加熱室の内壁に設けられ、前記
電波発生手段によって発生された電波を前記加熱室に放
射するための放射口と、前記加熱室内に配置されて被加
熱物が載置され、厚さおよび/または比誘電率が異な
る、脱着可能な複数の加熱皿とを備えたことを特徴とす
る電波加熱装置である。
【0015】上述した、厚さおよび/または比誘電率が
異なる、脱着可能な複数の加熱皿を備えるということ
は、異なるマイクロ波分布のパターンを生み出す加熱皿
を複数個備えるということを意味するので、ユーザは、
加熱しようとする食品の形状や、形態や、材質等に応じ
て、最適な加熱皿を選択すると、加熱むらを少なくして
食品を加熱することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。
【0017】(実施の形態1)先ず、本発明の実施の形
態1の加熱皿および電波加熱装置の構成を、図1および
2を用いて説明する。
【0018】図1は、本発明の実施の形態1の電波加熱
装置の構成図であり、図2(a)は、加熱皿の上面図で
あって、図2(b)は、その加熱皿の断面図である。図
1および図2において、10は電波加熱装置本体、11
はマイクロ波を発生するマグネトロン、12はマグネト
ロン11が発生したマイクロ波を加熱室13に導く導波
管、13は食品等の被加熱物を収容する加熱室であり、
金属板の壁面で囲まれている。14はマグネトロン11
からのマイクロ波を加熱室13内に放射するための給電
口である。なお、本実施の形態では、給電口14は、図
1における加熱室13の右側の内壁の奥行き方向の実質
上中央部に設けられているとする。15aは加熱室13
に配置され食品などの被加熱物が載置される加熱皿であ
る。その加熱皿15aは所定の比誘電率を有する誘電体
から形成される。16は支軸であって、加熱皿15aが
はめ込まれるものである。17は駆動モータであって、
支軸16にはめ込まれた加熱皿15aを回転駆動するも
のである。18は制御部であり、マグネトロン11や駆
動モータ17を制御するものである。
【0019】ところで、加熱皿15aの厚みは、図2
(b)に示すように、最外周部が最も厚く、その最外周
部の内側の周縁部および中心部がその次に厚く、その周
縁部と中心部との中間部が最も薄くなっており、1枚の
加熱皿15aの厚みは部位によって異なっている。な
お、加熱皿15aを形成している誘電体の比誘電率は、
部位によらず実質上一定である。
【0020】また、実施の形態では、請求項の本発明
の、電波発生手段としてマグネトロン11、放射口とし
て給電口14を用いる。
【0021】次に、上述した実施の形態1の電波加熱装
置の動作を説明する。
【0022】はじめに、ユーザは、食品などの被加熱物
を加熱皿15a上に載置する。そして、ユーザは、スタ
ートボタン(図なし)を押し、加熱皿15a上に載置し
た被加熱物を加熱するための信号を制御部18に受信さ
せる。その後、制御部18は、マグネトロン11にマイ
クロ波を発生させる。そのマイクロ波は導波管12を伝
搬し、給電口14から加熱室13内に放射される。
【0023】加熱室13内へ放射されたマイクロ波の一
部は加熱皿15aに向かい、一部は加熱室13の内壁へ
向かい、その内壁で1回または複数回反射して加熱皿1
5aに向かう。
【0024】いずれにしても加熱皿15aに向かうマイ
クロ波のうち一部は、加熱皿15aを透過し、一部は反
射する。加熱皿15aにて反射したマイクロ波は、加熱
皿15a上の被加熱物に吸収され、被加熱物を発熱させ
る。被加熱物に吸収されなかったマイクロ波は、被加熱
物、その被加熱物が入っている容器、および加熱皿15
aの全部または一部を透過し、加熱室13の内壁で反射
されて再度加熱皿15aへ向かい、同様にして被加熱物
に吸収されたり、再度透過、反射を繰り返す。
【0025】一方、加熱皿15aを透過したマイクロ波
は、加熱室13の内壁で1回または複数回反射して加熱
皿15aに向かう。加熱皿15aに向かうマイクロ波
は、上述したようにして再び透過と反射を繰り返す。
【0026】ところで、実施の形態1の加熱皿15a
は、図2に示すように、厚みが異なっている部分を有す
る。
【0027】ここで、図3に、加熱皿の厚さおよび/ま
たは比誘電率を変化させたときの、加熱室13内の加熱
室13の底面から1/4の高さの水平面におけるマイク
ロ波分布を示す。なお、この図3におけるマイクロ波分
布の各パターンが測定されたときの加熱皿それぞれは、
図2の加熱皿15aとは異なっており、部位によらず厚
さおよび比誘電率が一定であって、他のパターンが測定
されたときの加熱皿とは、厚さおよび/または比誘電率
が異なっている。なお、この図3のマイクロ波分布の各
パターンは、加熱室13の大きさが、幅158mm、奥
行き190mm、高さ100mm、かつマイクロ波の周
波数が2450MHzとしたときの測定結果であり、等
高線の密の部分は電界が大きいことを示している。
【0028】図3に示すように、加熱皿の厚さおよび/
または比誘電率が変化すると、加熱室13内のマイクロ
波分布は変化する。これは、加熱皿の厚さおよび/また
は比誘電率が異なれば、マイクロ波が加熱皿を透過した
り反射したりする割合等が異なり、マイクロ波の伝搬経
路が異なることによるものと考えられる。
【0029】そこで、図2に示す、厚さが異なる部分を
有する加熱皿15aを用いると、その加熱皿15aの部
位によりマイクロ波の反射および透過の割合等が異なる
ので、厚さの異なる部位毎にマイクロ波の伝搬経路が異
なり、マイクロ波の伝搬経路を多重化することができ
る。したがって、使用するマイクロ波の周波数、加熱室
13の大きさや形状、および給電口14の設置場所等に
応じて、適切に、加熱皿15aに厚さの異なる部位を設
けることにより、マイクロ波分布をより均一にすること
ができる。
【0030】つまり、例えば加熱皿15aの比誘電率が
6.0であって、加熱皿15aに厚さが2.54mmの
部位と3.81mmの部位とを適切に設けると、図3に
示すパターンのうちの、厚さが2.54mmのときのパ
ターンと厚さが3.81mmのときのパターンとを合成
したようなマイクロ波分布が形成され、そのマイクロ波
分布は、厚さが2.54mmのときのパターンや、厚さ
が3.81mmのときのパターンそれぞれに比べて均一
性がよくなるということである。
【0031】このように、加熱皿15aの厚みを部分的
に異なるように構成することにより、加熱室13内のマ
イクロ波の分布をより均一化することができ、被加熱物
の加熱むらをなくすことができる。
【0032】(実施の形態2)次に、本発明の実施の形
態2の加熱皿および電波加熱装置を、図4を用いて説明
する。
【0033】本発明の実施の形態2の電波加熱装置は、
図1を用いて説明した実施の形態1の電波加熱装置と、
加熱皿のみが異なるので、実施の形態2では、加熱皿に
ついてのみ説明する。
【0034】さて、図4は本発明の実施の形態2の加熱
皿15bの断面図である。図4に示すように、実施の形
態2の加熱皿15bは、盆状の形状をしており、底部は
外側の方が中央部より厚くなっている点が加熱皿15a
と異なる。
【0035】底部の外側の方が中央部より厚くなってい
る加熱皿15bにおいても、実施の形態1の加熱皿15
aと同様に、マイクロ波の伝搬経路を多重化することが
でき、マイクロ波分布をより均一にすることができる。
ただし、マイクロ波分布をより均一にするためには、使
用するマイクロ波の周波数、加熱室13の大きさや形
状、および給電口14の設置場所等に応じて、適切に、
厚さを変化させる必要がある。
【0036】なお、加熱皿15bの中心部は被加熱物を
置くため、平たい形状にしておいてもよい。
【0037】(実施の形態3)次に、本発明の実施の形
態3の加熱皿および電波加熱装置を、図5を用いて説明
する。
【0038】本発明の実施の形態3の電波加熱装置は、
上述した実施の形態1または2の電波加熱装置と、加熱
皿のみが異なるので、実施の形態3では、加熱皿につい
てのみ説明する。
【0039】さて、図5(a)は、本発明の実施の形態
3の加熱皿15cの上面図であり、図5(b)は、その
加熱皿15cの断面図である。
【0040】図5に示すように、実施の形態3の加熱皿
15cは、厚さが実質上一定で、比誘電率が異なる実質
上半円板状の誘電体を接合して円板状に形成されたもの
である。ただし、その円板状の外周部分の厚さは、他の
部分よりも厚くなっており、全体的には凹状に形成され
たものである。
【0041】上述した実施の形態1において、図3を用
いて説明したように、加熱皿の厚さが一定でも比誘電率
が変化すると、加熱室13内のマイクロ波分布は変化す
る。これは、比誘電率が異なれば、マイクロ波が加熱皿
を透過したり反射したりする割合等が異なり、マイクロ
波の伝搬経路が異なることによるものと考えられる。
【0042】したがって、比誘電率が異なる実質上半円
板状の誘電体を接合して円板状に形成された加熱皿15
cにおいても、マイクロ波の伝搬経路を多重化すること
ができ、マイクロ波分布をより均一にすることができ
る。ただし、マイクロ波分布をより均一にするために
は、使用するマイクロ波の周波数、加熱室13の大きさ
や形状、および給電口14の設置場所等に応じて、加熱
皿15cを形成する異なる誘電体の比誘電率を適切に選
択する必要がある。
【0043】なお、上述した実施の形態3では、加熱皿
15cは、厚さが実質上一定で、比誘電率が異なる実質
上半円板状の誘電体を接合して円板状に形成されたもの
であるとしたが、加熱皿は、複数の実質上扇状板、およ
び/または複数の実質上短冊状板によって形成され、そ
れら複数の実質上扇状板それぞれ、および/または複数
の実質上短冊状板それぞれの比誘電率が異なるとしても
よい。
【0044】(実施の形態4)次に、本発明の実施の形
態4の加熱皿および電波加熱装置を、図6を用いて説明
する。
【0045】本発明の実施の形態4の電波加熱装置は、
上述した実施の形態1から3の電波加熱装置と、加熱皿
のみが異なるので、実施の形態4では、加熱皿について
のみ説明する。
【0046】さて、図6は、本発明の実施の形態4の加
熱皿15dの断面図である。
【0047】図6に示すように、実施の形態4の加熱皿
15dは、比誘電率が異なる2種類の誘電体151およ
び152の積層体であり、例えば誘電体151を、図3
の厚さ2.54mmで比誘電率3.0の誘電体であると
し、誘電体152を、図3の厚さ2.54mmで比誘電
率6.0の誘電体であるとする。このとき、加熱皿15
dを加熱室13内に配置した場合、誘電体151および
152それぞれを別個に加熱室13内に配置したときの
マイクロ波分布のパターンを合成したようなマイクロ波
分布が形成され、そのマイクロ波分布は、誘電体151
および152それぞれを別個に加熱室13内に配置した
ときのマイクロ波分布のパターンに比べて均一性がよく
なる。
【0048】このように、比誘電率が異なる2種類の誘
電体を積層した加熱皿15dにおいても、マイクロ波の
伝搬経路を多重化することができ、マイクロ波分布をよ
り均一にすることができる。ただし、マイクロ波分布を
より均一にするためには、使用するマイクロ波の周波
数、加熱室13の大きさや形状、および給電口14の設
置場所等に応じて、加熱皿15dを形成する異なる誘電
体の比誘電率を適切に選択する必要がある。
【0049】なお、上述した実施の形態4では、加熱皿
15dは、比誘電率が異なる2種類の誘電体の積層体で
あるとしたが、加熱皿15dは、比誘電率が異なる3以
上の複数種類の誘電体の積層体であるとしてもよい。
【0050】(実施の形態5)次に、本発明の実施の形
態5の加熱皿および電波加熱装置を、図3を用いて説明
する。
【0051】本発明の実施の形態5の電波加熱装置は、
上述した実施の形態1から4の電波加熱装置と、加熱皿
のみが異なるので、実施の形態5では、加熱皿について
のみ説明する。
【0052】さて、上述した実施の形態1から4の電波
加熱装置は、いずれも1つの加熱皿15を備えており、
その1つの加熱皿15を加熱室13に配置することによ
って、マイクロ波分布を従来より均一にするとした。そ
れに対して、実施の形態5の電波加熱装置は、異なるマ
イクロ波分布のパターンを形成する複数の加熱皿を備え
ている点が、上述した実施の形態1から4の電波加熱装
置のいずれもと異なっている。
【0053】例えば、実施の形態5の電波加熱装置は、
図3に示す、厚さが実質上均一で2.54mmであっ
て、かつ比誘電率が実質上均一で3.0の誘電体から形
成される加熱皿15eと、厚さが実質上均一で2.54
mmであって、かつ比誘電率が実質上均一で6.0の誘
電体から形成される加熱皿15fとを備えるとする。加
熱皿15eが加熱室13内に配置されると、図3に示す
ように、中央部分の電界の大きさが、その中央部分と4
角との中間位置とに比べて小さくなるようなマイクロ波
分布のパターンが形成され、加熱皿15fが加熱室13
内に配置されると、図3に示すように、中央部分の電界
の大きさが、その他の部分に比べて大きくなるようなマ
イクロ波分布のパターンが形成される。
【0054】したがって、例えばユーザが、1個のコッ
プに入った牛乳を温めようとする場合には加熱皿15f
を選択し、コップが4個である場合には加熱皿15eを
選択すると、ユーザは効率よく加熱むらなく牛乳を温め
ることができる。
【0055】このように、どの加熱皿15を加熱室13
内に配置したときのマイクロ波分布のパターンがどのよ
うなパターンになるかということを、例えば加熱皿に番
号を付けたり、加熱皿15の色を変えて、パターンと加
熱皿15との対応関係を示す一覧表データを電波加熱装
置に格納しておき、ユーザに、電波加熱装置使用時にそ
の一覧表データを利用させて、好みのパターンが形成さ
れる加熱皿15を選択させると、加熱むらなく被加熱物
を加熱することができる。
【0056】さらにいうと、1つの加熱皿15ではマイ
クロ波分布のパターンは均一にはならないが、異なるパ
ターンを形成する加熱皿15を複数備えることにより、
それら複数の加熱皿15を使い分けると加熱むらは解消
される。
【0057】なお、上述した実施の形態5では、電波加
熱装置は、厚さが実質上均一であって、比誘電率が異な
る2種類の加熱皿を備えるとしたが、電波加熱装置は、
厚さおよび/または比誘電率が異なる、脱着可能な複数
の加熱皿を備えておりさえすればよい。
【0058】例えば、加熱室13内に配置されたとき
に、加熱皿の中心近傍にマイクロ波の強電界部分が生じ
るような加熱皿15を、複数の加熱皿の1つに含める
と、被加熱物の底面が比較的強く加熱される。これによ
り、酒かんや牛乳の温めなど、対流のおこる高さの高い
形状の食品の加熱むらを改善することができる。
【0059】また、例えば、図4に示すような、加熱皿
の厚みを周縁部から中心部にむけて傾斜させる構成によ
って、加熱室13の中央部に強電界部分が生じるような
加熱皿15を、複数の加熱皿の1つに含めると、立体的
な形状の食品、例えば、冷凍ご飯などの温めの加熱むら
をなくすことができる。
【0060】また、例えば、図5に示すような、加熱皿
の実質上の2等分線の、右半分に加熱室中央に強電界部
分が生じるような誘電体を配置し、左半分に加熱皿近傍
に強電界部分が生じるような誘電体を配置して、両者を
接合した加熱皿15を、複数の加熱皿の1つに含め、左
半分に対流のある汁物、右半分に立体的な形状のご飯な
どをそれぞれ載置すると、汁物もご飯もむらなく加熱す
ることができる。
【0061】なお、上述した実施の形態1から5におい
て、加熱皿15を構成する誘電体は、ガラス、コージラ
イト、ムライトなどを用いることができる。また、有機
物でも、例えばエポキシ樹脂などの耐熱性を有するもの
を用いることができる。
【0062】また、上述した実施の形態1から5では言
及しなかったが、制御部18からの信号をもとに、駆動
モータ17に加熱皿15を連続的あるいは断続的に回転
させてもよい。その回転速度は任意に変化させることが
できる。または、加熱皿15を停止させたままでもよ
い。
【0063】
【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、本発明は、加熱室内のマイクロ波分布の均一性を従
来よりも良くするための加熱皿を提供することができ
る。
【0064】また、本発明は、加熱室内のマイクロ波分
布の均一性を従来よりも良くする電波加熱装置を提供す
ることができる。
【0065】さらに、本発明は、加熱室内のマイクロ波
分布のパターンを複数有する電波加熱装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の電波加熱装置の構成図
【図2】本発明の実施の形態1の加熱皿の構成図
【図3】加熱皿の厚みおよび/または比誘電率を変化さ
せたときの、加熱室内の所定の水平面におけるマイクロ
波分布図
【図4】本発明の実施の形態2の加熱皿の断面図
【図5】本発明の実施の形態3の加熱皿の構成図
【図6】本発明の実施の形態4の加熱皿の構成図
【図7】従来の電波加熱装置の構成図
【図8】従来の電波加熱装置の加熱皿6および加熱皿受
け7部分の拡大図
【符号の説明】
10 電波加熱装置本体 11 マグネトロン 12 導波管 13 加熱室 14 給電口 15 加熱皿 16 支軸 17 駆動モータ 18 制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉野 浩二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 福本 明美 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3L086 AA01 BB13 BF01 BF02 DA12 4B055 AA10 BA63 CA02 CB03 CB16 CC54 CD58 FA01 FB23 FB25 FB45 FC09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも底部に厚さおよび/または比
    誘電率が異なる部分を有し、電波加熱装置の加熱室内に
    配置されて被加熱物が載置されることを特徴とする加熱
    皿。
  2. 【請求項2】 盆状の形状をしており、底部は外側の方
    が中央部より厚いことを特徴とする請求項1記載の加熱
    皿。
  3. 【請求項3】 複数の実質上扇状板、および/または複
    数の実質上短冊状板によって形成され、 前記複数の実質上扇状板それぞれ、および/または前記
    複数の実質上短冊状板それぞれは、比誘電率が異なるこ
    とを特徴とする請求項1記載の加熱皿。
  4. 【請求項4】 比誘電率の異なる複数の誘電体の積層体
    であることを特徴とする請求項1記載の加熱皿。
  5. 【請求項5】 被加熱物を収容する加熱室と、 所定の周波数の電波を発生する電波発生手段と、 前記加熱室の内壁に設けられ、前記電波発生手段によっ
    て発生された電波を前記加熱室に放射するための放射口
    と、 前記加熱室内に配置される請求項1から4のいずれかの
    加熱皿とを備えたことを特徴とする電波加熱装置。
  6. 【請求項6】 被加熱物を収容する加熱室と、 所定の周波数の電波を発生する電波発生手段と、 前記加熱室の内壁に設けられ、前記電波発生手段によっ
    て発生された電波を前記加熱室に放射するための放射口
    と、 前記加熱室内に配置されて被加熱物が載置され、厚さお
    よび/または比誘電率が異なる、脱着可能な複数の加熱
    皿とを備えたことを特徴とする電波加熱装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011163696A (ja) * 2010-02-12 2011-08-25 Panasonic Corp マイクロ波加熱調理器

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