JP2000236612A - 止水材および止水工法 - Google Patents

止水材および止水工法

Info

Publication number
JP2000236612A
JP2000236612A JP11036546A JP3654699A JP2000236612A JP 2000236612 A JP2000236612 A JP 2000236612A JP 11036546 A JP11036546 A JP 11036546A JP 3654699 A JP3654699 A JP 3654699A JP 2000236612 A JP2000236612 A JP 2000236612A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
stopping
porous
bodies
conduit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11036546A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4053169B2 (ja
Inventor
Katsuhiko Kurihara
勝彦 栗原
Tamiichiro Omote
民一郎 面
Kenji Sawada
健司 澤田
Seiji Hamada
征次 濱田
Toshizo Tada
利三 多田
Kazuo Okumoto
和夫 奥本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
CLOVER TECHNOLOGIES KK
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
CLOVER TECHNOLOGIES KK
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by CLOVER TECHNOLOGIES KK, Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical CLOVER TECHNOLOGIES KK
Priority to JP03654699A priority Critical patent/JP4053169B2/ja
Publication of JP2000236612A publication Critical patent/JP2000236612A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4053169B2 publication Critical patent/JP4053169B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Installation Of Indoor Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い止水性を長期間にわたって維持すること
ができる止水材および止水工法を提供する。 【解決手段】 複数の単線条体3aを集合した多条線条
体3が挿通した管路2の管路口2aを止水する工法であ
って、線条体3を挿通する挿通孔12が設けられた第1
および第2の多孔質体11a、11bを、管路軸方向に
互いに離間するように管路2内に押し入れ、これら多孔
質体11a、11b間のスペース17に、親水性重合硬
化性液状止水剤を、液面高さが単線条体3a間の隙間の
高さ以上となるまで充填し、かつ前記多孔質体11a、
11bに含浸させた後、この止水剤を硬化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、躯体等に埋設され
た管路内に電気ケーブルなどの線状体が挿通し、この管
路に漏水が生じている構築物、例えば地下洞道、マンホ
ールなどに設けられた管路の管路口を止水するために用
いられる止水材および止水工法に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は、地下洞道やマンホールなどの壁
となる躯体に、電気ケーブルが挿通した構造を示すもの
である。図中符号1はコンクリートなどからなる躯体、
符号2は躯体1に埋設されたケーブル挿通用の管路、符
号3はこの管路に挿通した電気ケーブルである。電気ケ
ーブル3は、複数本の単ケーブル3aを撚り合わせた多
条ケーブルである。上記管路2の管路口2aを止水し、
管路内部の水が管路口2aから流出するのを防ぐために
は、通常次のような方法が用いられている。まず、ケー
ブル3を、止水用の板状の内側ゴムパッキン6の挿通孔
6aに通し、ケーブル3と内側ゴムパッキン6との隙間
に、ブチルゴムなどからなるコーキング材5を充填して
この隙間を塞ぐ。
【0003】次に、内側ゴムパッキン6の手前側のケー
ブル3に、挿通孔8aを有する外側ゴムパッキン8、お
よび挿通孔9aを有する金属板9を通した後、ケーブル
3と外側ゴムパッキン8との隙間をコーキング材5で塞
ぐ。またコーキング材5を単ケーブル3a間の隙間に充
填しこの隙間を塞ぐ。次に、この状態のケーブル3を、
内側ゴムパッキン6が管路2内に入るように管路2内に
押し込み、金属板9を、管路2の管路口2aに設けられ
た筒状の防水治具4に、外側ゴムパッキン8を介してネ
ジ止め等により止め付ける。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の止水工法では、コーキング材5の充填が不十分とな
りやすく、また長時間が経過すると、コーキング材5が
劣化し収縮することなどによりコーキング材5とケーブ
ル3との間に隙間ができやすく、その結果、漏水が生じ
ることがあった。また、通電による発熱や気温変化等に
よるケーブルの熱膨張等を原因として、ケーブル3の形
状変化、管路2に対するケーブル3の長さ方向移動、単
ケーブル3a同士の相対位置の変化等が生じた場合に
は、コーキング材5とケーブル3との間に隙間ができ、
この隙間からの漏水が発生することがあった。本発明
は、上記事情に鑑みてなされたもので、高い止水性を長
期間にわたって維持することができる止水材および止水
工法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、電気ケーブルなどの複数の単線条体を集
合した多条線条体が挿通した管路の管路口を止水する工
法であって、前記線条体を挿通する挿通孔が設けられた
第1および第2の多孔質体を、管路軸方向に互いに離間
するように管路内に押し入れ、これら多孔質体間のスペ
ースに、親水性重合硬化性液状止水剤を、液面高さが単
線条体間の隙間の高さ以上となるまで充填し、かつ前記
多孔質体に含浸させた後、この止水剤を硬化させること
を特徴とする止水工法を提供する。また、第1および第
2の多孔質体を管路内に押し入れるに際しては、第1お
よび第2の多孔質体の間に、これら多孔質体の相対位置
を定めるスペーサを介在させることもできる。また、本
発明の止水工法では、第1および第2の多孔質体のうち
いずれか一方として、管路内壁に全周にわたって当接す
る本体と、管路内壁に周方向の一部のみ当接しかつ多条
線条体が露出するように形成されたスペーサ部を備えた
ものを用い、この多孔質体のスペーサ部を他方の多孔質
体側に向けた状態で、これら第1および第2の多孔質体
を管路内に押し入れ、これら多孔質体間のスペースに、
親水性重合硬化性液状止水剤を、液面高さが単線条体間
の隙間の高さ以上となるまで充填し、かつ前記多孔質体
に含浸させた後、この止水剤を硬化させる方法を採るこ
ともできる。また、本発明の止水材は、前記線条体を挿
通する挿通孔が設けられた第1および第2の多孔質体
が、管路軸方向に互いに離間するように管路内に配置さ
れ、これら多孔質体間のスペースに、親水性重合硬化性
液状止水剤が、単線条体間の隙間の高さ以上となるまで
充填され、かつ前記多孔質体に含浸していることを特徴
とするものである。また、第1および第2の多孔質体の
間に、これら多孔質体の相対位置を定めるスペーサを配
置することもできる。また、本発明の止水材は、前記線
条体を挿通する挿通孔が設けられた第1および第2の多
孔質体を備え、これら多孔質体のうちいずれか一方が、
管路内壁に全周にわたって当接する本体と、管路内壁に
周方向の一部のみ当接しかつ多条線条体が露出するよう
に形成されたスペーサ部を備えたものとされ、この多孔
質体のスペーサ部が他の多孔質体側に向けられた状態
で、これら第1および第2の多孔質体が管路内に配置さ
れ、これら多孔質体間のスペースに、親水性重合硬化性
液状止水剤が、単線条体間の隙間の高さ以上となるまで
充填され、かつ前記多孔質体に含浸していることを特徴
とするものとすることもできる。
【0006】
【発明の実施の形態】図1ないし図3は、本発明の止水
材の第1の実施形態である止水材10を示すものであ
る。図1には、地下洞道やマンホールなどの壁となる躯
体1に形成された管路2に、複数の単線条体である単ケ
ーブル3aを撚り合わせて集合させた多条線条体である
多条ケーブル3が挿通し、この管路2の管路口2aが上
記止水材10によって止水された構造が示されている。
【0007】止水材10は、第1および第2の多孔質体
である円柱体11a、11bが、管路2内に、管路軸方
向に互いに離間して配置され、これら円柱体11a、1
1b間のスペース17に、親水性重合硬化性液状止水剤
Sが充填されたものである。第1の円柱体11aは管路
2の管路口2a付近に配置され、第2の円柱体11b
は、第1の円柱体11aよりも管路2の奥側に配置され
ている。
【0008】円柱体11a、11bの中心付近には、多
条ケーブル3を挿通する挿通孔12が設けられている。
挿通孔12の断面形状は、単ケーブル3aの本数分(本
実施形態の場合は3つ)の円が円柱体中心部で融合し複
数の円弧で周を形成したものとされている。これら円弧
をなす部分をそれぞれ単ケーブル挿通部12aと呼ぶ。
【0009】挿通孔12は、円柱体軸方向に沿って形成
されたものであってもよく、多条ケーブル3のねじれに
あわせて螺旋状になっていてもよい。単ケーブル挿通部
12aの外径Bは、この挿通部12aに通す単ケーブル
3aの外径よりも3mm程度小さく設計するのが好まし
い。これは、このようにすることで、止水材10を管路
に設置した際に、円柱体11a、11bの弾性により円
柱体11a、11bとケーブル3aが互いに隙間なく密
に接することができるようになるためである。
【0010】円柱体11a、11bには、円柱体11
a、11bをケーブル3に装着する作業を容易にするた
め、挿通孔12から円柱体外周に至る切り込み13を円
柱体軸方向に形成するのが好ましい。切り込み13を設
けることによって装着作業が容易となるのは、装着作業
時に、円柱体11a、11bを切り込み13から押し広
げることにより生じた隙間を通して多条ケーブル3を挿
通孔12内に位置させる方法を採ることができるためで
ある。
【0011】この切り込み13は、1以上の折曲部14
を有するものとするのが好ましい。この折曲部14はク
サビ型に形成するのが好ましい。折曲部14は、切り込
み13における端面同士の接触面積を大きくし、止水時
に水が切り込み13を伝わって流れるのを防ぎ、止水性
を向上させるためのものである。
【0012】管路2の管路口2a側(手前側)に位置す
る第1の円柱体11aの上部には、管路内部側から外部
側に向けて形成された注入孔15およびガス抜き孔16
が設けられている。注入孔15は、後述する止水剤を管
路2内部に注入するためのもので、上記挿通孔12より
も円柱体周縁側に近い位置に設けられている。注入孔1
5は、液状止水剤の注入作業時において注入した止水剤
が外部側に流出するのを防ぐため、水平方向に沿うよう
に、または管路外部側から内部側にかけて徐々に下降す
るように傾斜させて形成するのが好ましい。また、ガス
抜き孔16は、上記止水剤注入時に管路内のガスを外部
に逃がすためのもので、上記注入孔15よりも円柱体周
縁側に近い位置に形成されている。
【0013】円柱体11a、11bは、外径Aが管路口
2aの内径よりも若干大きくなるように設計するのが望
ましい。この外径Aは、管路口2aの内径よりも1〜3
mm程度、さらに好ましくは約3mm程度大きく形成す
るのが好ましい。円柱体11a、11bの外径を管路口
2a内径より大きく設計するのが好ましいとしたのは、
これによって、円柱体11a、11bの弾性により円柱
体11a、11bが管路口2a内壁部に密に接すること
ができ、止水性を高めることができるためである。この
ように円柱体11a、11bの外径を大きく形成したと
しても、円柱体11はある程度の伸縮性を有するため管
路内への挿入は可能である。また、円柱体11a、11
bの長さLは、止水効果の面から、30〜100mm程
度に設定するのが望ましい。
【0014】第1の円柱体11aと第2の円柱体11b
の間隔は、5〜10mmとするのが好ましい。
【0015】円柱体11a、11bを構成する材料とし
ては、多孔質材が用いられる。多孔質材としては、機械
強度(圧縮強度、引張強度など)に優れ、伸縮性、圧縮
弾性を有し、耐候性に優れ、しかも親水性重合硬化性液
状止水剤が容易に浸透するものが好ましく、例えば連続
気泡構造の発泡体、比較的硬質の繊維が絡み合ってでき
た繊維塊等が好適に用いられる。
【0016】具体例としては、ウレタン発泡体、スチー
ルウール等を挙げることができ、なかでも特に、セル膜
がないウレタン発泡体を用いるのが好ましい。この多孔
質材の特性としては、圧縮強度(JIS K6401準
拠)が5kg/cm2以上、引張強度(JIS K63
01準拠)が2kg/cm2以上、伸度(JIS K6
301準拠)が50%以上のものを用いることが望まし
い。これは、これら圧縮強度、引張強度、伸度が上記範
囲内にあると、多条ケーブル3の形状変化、管路2に対
する移動、単ケーブル3a同士の相対位置の変化等が起
きた場合でも確実に止水性を維持できるためである。
【0017】上記多孔質材からなる円柱体には、上記親
水性重合硬化型液状止水剤が含浸されている。親水性重
合硬化型液状止水剤は重合硬化型、即ち1種類以上のモ
ノマーを含み、未硬化状態においては可塑性に優れ粘度
が低く流動性を有し、モノマーの重合反応にともなって
硬化するものが用いられる。また、この止水剤は、硬化
した状態において水に対し不溶であり、かつ十分な伸縮
性を有し、水密性、即ち、吸水することで膨潤する性質
を有し、しかも耐薬品性、耐バクテリア性、耐ヒートサ
イクル(−70〜100℃)性、および耐酸、アルカリ
性に優れたものであることが望ましい。
【0018】このような親水性重合硬化型液状止水剤の
例としては、ビニルモノマーと架橋性モノマーに、重合
触媒を水と共に添加したものを挙げることができる。上
記ビニルモノマーとしては親水性ビニルモノマーが好ま
しく、親水性ビニルモノマーとしては、(メタ)アクリ
ル酸およびその金属塩、酢酸ビニル、ビニルアルコー
ル、マレイン酸及びその金属塩などを例示でき、これら
の中でも特に(メタ)アクリル酸金属塩が好ましい。
(メタ)アクリル酸金属塩としては、例えば(メタ)ア
クリル酸マグネシウム塩を用いることができる。
【0019】上記架橋性モノマーとしては、重合触媒お
よび水の存在下で上記ビニルモノマーと混合することに
より一定の硬化時間で重合し、含水ゲル状態となって硬
化する性質を有するものが用いられ、多官能性モノマ
ー、特に多官能性(メタ)アクリレートが好ましく、こ
のような(メタ)アクリレートの中でも比較的高い親水
性を示すものとして1つ以上のアルキレングリコールか
らなる主鎖の両末端に(メタ)アクリロイルオキシ基が
ついたものを挙げることができる。このような多官能性
モノマーの具体例としては、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等を挙げる
ことができる。
【0020】上記重合触媒としては、レドックス系触媒
を用いるのが好ましい。レドックス系触媒としては、例
えば酸化剤成分として過硫酸アンモニウム、過硫酸カリ
ウムなどを含み、還元剤成分としてチオ硫酸ナトリウ
ム、ロンガリット、亜硫酸ナトリウム、トリエタノール
アミンなどを含むものなどが挙げられる。また、この重
合触媒の添加量は、通常、上記2種のモノマー100重
量部に対して0.1〜100重量部とされる。
【0021】上記親水性重合硬化性液状止水剤の具体的
配合例としては、ビニルモノマー8〜16重量%、多官
能性モノマー12〜24重量%、水50〜70重量%、
レドックス触媒の中のアミン成分10重量%からなるA
剤と、エチレングリコールと水の等重量混合物98〜9
9.5重量%と過酸化物0.5〜2重量%からなるB剤
を使用直前に混合したもの等を挙げることができる。親
水性重合硬化性液状止水剤を上記のような組成にするこ
とにより、その硬化物は水と接触すると吸水して膨張す
る性質を有するものとなる。
【0022】また、この重合硬化性液状止水剤には微粒
子セメントを含有させてもよい。上記微粒子セメント
は、止水部分に耐圧縮性等の機械強度を付与するための
もので、水和することにより硬化する性質のものが用い
られる。この微粒子セメントとしては、ブレーン値が1
2000〜13000cm2/gであるものを用いるの
が好ましい。微粒子セメントとして好適な市販品として
は、三菱マテリアル(株)社製三菱ファインハードを例
示することができる。ブレーン値が12000cm2
g未満であると、水和反応速度が低くなり硬化までに長
時間を要し、しかも親水性止水剤と混合する際に均一混
合が難しく、混合物中微粒子セメント濃度の偏りが生じ
止水部分の機械強度が低下するおそれがあるため好まし
くない。またブレーン値が13000cm2/gを越え
ると、セメント粒子の沈殿により混合物が不均一化しや
すくなるため好ましくない。微粒子セメントの配合量
は、止水剤100重量部に対して好ましくは2〜10重
量部、さらに好ましくは4〜6重量部とするのが望まし
い。
【0023】止水剤の成分組成は、後述する注入作業時
に、未硬化状態の止水剤が単ケーブル3a間の隙間3b
等を伝って管路奥側または手前側に多量に流出する前に
流動性を失うように設定するのが好ましい。この成分組
成は、例えば、調製後、10秒〜1分程度でゲル化して
流動性を失うように定めるのが好ましい。
【0024】次に、上記止水材10を用いる場合を例と
して、本発明の止水工法の第1の実施形態を説明する。
円柱体11a、11bを、多条ケーブル3の所定の位置
に、多条ケーブル3を挿通孔12内に位置させて装着
し、管路2内に押し込む。この際、第2の円柱体11b
を管路2の奥側に位置させ、第1の円柱体11aを手前
側に位置させるとともに、第1の円柱体11aと第2の
円柱体11bを、互いに所定距離、好ましくは5〜10
mm離間させる。
【0025】また、第1の円柱体11aを管路2内に配
置するにあたっては、後述する止水剤注入作業時におい
て止水剤が外部に漏出するのを防ぐため、注入孔15、
ガス抜き孔16が多条ケーブル3よりも上方に位置する
ようにする。円柱体11a、11bは伸縮性を有する多
孔質材からなるものであるため、円柱体11a、11b
の外径を管路2の内径より大きく形成した場合でも、円
柱体11a、11bを圧縮させて無理バメにより管路2
内に押し込むことができる。
【0026】本実施形態の止水工法では、上記親水性重
合硬化性液状止水剤を、第1の円柱体11aに形成され
た注入孔15を通して第1の円柱体11aと第2の円柱
体11bの間のスペース17に注入する。上記止水剤を
注入する際には、止水剤の各成分のうち少なくとも一部
を他成分から分離して重合反応が進行しないようにして
おき、これらを使用直前に混合し、止水剤が未だ重合反
応が進行していない未硬化状態にあるうちに注入を行う
ようにする。また微粒子セメントを止水剤に含有させて
使用する場合には、微粒子セメントを止水剤に添加、混
合し、混合物を、未硬化状態、すなわち親水性止水剤の
重合反応、および微粒子セメントの水和反応が未だ十分
に進行しておらず、十分な流動性を有する状態にあるう
ちに注入を行う。
【0027】止水剤の注入量は、スペース17内におい
て止水剤の液面高さが単ケーブル3a間の隙間3bの高
さC以上となる量に設定される。これによって、スペー
ス17に注入された止水剤は、スペース17内の上記隙
間3b内に流入し、この隙間3bに充填される。
【0028】止水剤の注入は、スペース17において止
水剤の液面がガス抜き孔16に達し、止水剤がこのガス
抜き孔16から外部に流出するまで行うこともできる。
ガス抜き孔16から止水剤が流出した後には、更なる止
水剤の注入を行う必要はない。
【0029】注入された止水剤は円柱体11a、11b
の全体に浸透し管路2内壁に達し、内壁に対し全周にわ
たり隙間無く接した状態となる。また止水剤は挿通孔1
2内において多条ケーブル3に隙間無く接した状態とな
る。この状態で、止水剤は上記重合反応または微粒子セ
メントの水和反応により硬化する。最後に、注入孔1
5、ガス抜き孔16を、止水剤を含浸させた多孔質材な
どからなる閉止栓で塞ぐ。なお、止水剤の注入を、この
止水剤がガス抜き孔16から外部に流出するまで行い、
止水剤によって注入孔15、ガス抜き孔16が閉止され
た状態とする場合には、上記閉止栓を用いる必要はな
い。以上の操作により、管路2は止水材10によってシ
ールされた状態となる。
【0030】上記止水工法にあっては、複数の単ケーブ
ル3aからなる多条ケーブル3を挿通する挿通孔12が
設けられた第1および第2の円柱体11a、11bを、
管路軸方向に互いに離間させて管路2内に配置し、これ
ら円柱体11a、11bの間のスペース17に、親水性
重合硬化性液状止水剤を、単ケーブル3a間の隙間3b
の高さC以上となるまで充填した後、この止水剤を硬化
させるので、止水剤を隙間3b内に流入させ、隙間3b
を完全に塞いだ状態でこの止水剤を硬化させることがで
きる。このため、管路2内に生じた漏水が隙間3bを伝
って外部に流出するのを確実に防ぐことができる。
【0031】また、硬化後も伸縮性を示す親水性重合硬
化性液状止水剤を用いるので、通電による発熱や気温変
化などによる熱膨張などにより多条ケーブル3の形状変
化、管路2に対する移動、単ケーブル3a同士の相対位
置の変化等が起きた場合でも、スペース17内において
止水剤がこの変化に応じて変形し多条ケーブル3に対し
隙間無く接した状態を維持する。このため、高い止水性
を長期にわたって維持することが可能となる。
【0032】また、円柱体11a、11bを構成する多
孔質材が充分な伸縮性、圧縮弾性を有するものであり、
止水剤が伸縮性を有するものであるため、円柱体11
a、11bおよびこれに含浸した止水剤は、円柱体11
a、11bの外周面において管路2の内壁に隙間なく接
し、かつ挿通孔12内において多条ケーブル3に隙間無
く接した状態となる。また上記多条ケーブル3の形状変
化、管路2に対する移動、単ケーブル3a同士の相対位
置の変化等が起きた場合でも、円柱体11a、11bお
よび止水剤はこの変化に応じて変形し多条ケーブル3に
対し隙間無く接した状態を維持する。このため、いっそ
う長期にわたって高い止水性を維持することが可能とな
る。
【0033】また、止水剤は吸水により膨潤する性質を
有するため、止水材10は、漏水と接した場合に、これ
を吸収、膨潤し、管路2内壁面および多条ケーブル3に
いっそう密に接することとなり、止水性が高められる。
【0034】更には、多孔質材が圧縮強度に優れた材料
からなるものであるため、止水材10の封鎖性がより高
まるとともに、耐圧縮性等の特性に優れたものとなる。
従って、地震などによってこの止水材10に大きな力が
加わった場合においても破断することがなく、高い止水
性を維持することができる。特に、水和により硬化し一
種の充填材として機能する微粒子セメントを使用するこ
とによって、上記止水部分の耐圧縮性等の特性を向上さ
せ、上記破断防止効果をさらに高めることができる。
【0035】また、上記円柱体11a、11bをケーブ
ル3に装着し、管路2内に押し込み、液状止水剤を注入
する簡単な操作により止水を行うので、施工を容易化し
作業時間の短縮が可能となる。
【0036】また、上記止水材10にあっては、複数の
単ケーブル3aからなる多条ケーブル3を挿通する挿通
孔12が設けられた第1および第2の円柱体11a、1
1bが、管路軸方向に互いに離間して管路2内に配置さ
れ、これら円柱体11a、11bの間のスペース17
に、親水性重合硬化性液状止水剤が、単ケーブル3a間
の隙間3bの高さC以上となるまで充填されたものであ
るので、上記止水剤によって隙間3bを完全に塞いだ状
態とし、管路2内に生じた漏水が隙間3bを通して外部
に流出するのを確実に防ぐことができる。
【0037】また、硬化後も伸縮性を示す親水性重合硬
化性液状止水剤を用いるので、上述の多条ケーブル3の
形状変化、管路2に対する移動、単ケーブル3a同士の
相対位置の変化等が起きた場合でも、スペース17内に
おいて止水剤がこの変化に応じて変形し多条ケーブル3
に対し隙間無く接した状態を維持し、止水性を長期にわ
たって維持することが可能となる。
【0038】図4ないし図6は、本発明の止水材の第2
の実施形態を示すもので、ここに示す止水材20は、第
1および第2の円柱体11a、11bの間に、スペーサ
21が配置されている点で上記第1の実施形態の止水材
10と異なる。スペーサ21は、円柱体11a、11b
の相対位置を定めるためのもので、管路2の内面形状に
沿う外周部22と、平面部23を有し、この平面部23
に管路軸方向に沿うケーブル挿通溝25を形成した断面
U字状の部材であり、多条ケーブル3をケーブル挿通溝
25内にケーブル3が露出した状態で収容することがで
きるようになっている。
【0039】スペーサ21の高さDは、多条ケーブル3
をケーブル挿通溝25内に配置したときに、単ケーブル
3a間の隙間3bがケーブル挿通溝25の内部に位置す
るように設定するのが好ましい。これは、高さDをこの
ように設定することによって、注入作業の過程において
スペース17内に注入されケーブル挿通溝25内に溜ま
った止水剤の液面高さが隙間3bの位置よりも高くな
り、隙間3bへの止水剤充填がより確実になされるよう
になるためである。高さDは、例えば管路2の内径の6
0〜70%に設定することができる。
【0040】スペーサ21の長さL'は5〜10mm程
度とするのが望ましい。長さが10mmを越えるものも
用いることができるが、注入する止水剤量が多くなりコ
ストが嵩むため好ましくない。またスペーサ21は、両
端面21a、21aが管路2の軸方向に対し垂直となる
ように形成するのが好ましい。ケーブル挿通溝25の外
径は管路2の内径に応じて設定することができる。また
ケーブル挿通溝25内径は、例えば25〜125mmと
することができる。
【0041】スペーサ21の材質は、特に限定されず、
各種プラスチック、金属、上記多孔質材などを用いるこ
とができる。スペーサ21を多孔質材からなるものとす
る場合には、スペーサ21は上記止水剤や微粒子セメン
トを含浸したものとなる。
【0042】スペーサ21は、第1の円柱体11aに形
成された注入孔15、ガス抜き孔16に対応する部分の
スペース17を埋めることがないように、平面部23を
上方に向けて管路2内に配置されている。スペーサ21
は、両端面21a、21aがそれぞれ円柱体11a、1
1bに当接するように管路2内に配置されている。
【0043】次に、上記止水材20を用いて管路2を止
水する場合を例として、本発明の止水工法の第2の実施
形態を説明する。まず円柱体11a、11bおよびスペ
ーサ21を、円柱体11a、11b間にスペーサ21が
介在するように多条ケーブル3に装着し、これらを管路
2内に押し入れる。この際、円柱体11a、11bは、
スペーサ21に押し当てられた状態で管路2内に挿入さ
れるため、円柱体11a、11b間の間隔はスペーサ2
1の長さに等しくなる。また、スペーサ21は端面21
aが管路2軸方向に対し垂直に形成されているため、ス
ペーサ21に押し当てられた状態で管路2内に挿入され
る円柱体11a、11bは管路2の軸方向に対し垂直な
状態となる。
【0044】次いで、上述の過程に従って止水剤をスペ
ース17内に注入する。この注入過程においては、注入
された止水剤の一部がケーブル挿通溝25内に溜まり、
この止水剤がケーブル挿通溝25内の単ケーブル3a間
の隙間3bに流れ込むため隙間3bは確実に塞がれる。
また、スペース17内にはスペーサ21が設置されてい
るため、スペース17内に注入される止水剤量は、上記
第1の実施形態の工法に用いられる止水剤量に比べ、ス
ペーサ21の体積の分だけ少なくなる。
【0045】本実施形態の止水工法にあっては、円柱体
11a、11b間にスペーサ21を設置するので、円柱
体11a、11bを管路2内に設置するに際して、円柱
体11a、11bの向きや円柱体11a、11b間の間
隔を正確に設定することができる。このため、円柱体1
1a、11bの位置ずれによる止水性の低下を未然に防
ぎ、止水効果を確実なものとすることができる。また、
止水剤使用量を少なくし、施工コスト削減を図ることが
できる。
【0046】図7は、本発明の止水材の第3の実施形態
を示すもので、ここに示す止水材30は、第2の円柱体
11bに代えて、上記多孔質材からなる第2の円柱体3
3が用いられている点で上記第1の実施形態の止水材1
0と異なる。第2の円柱体33は、多条ケーブル3を挿
通する挿通孔34を有する円柱状の本体32と、本体3
2の一端側(円柱体11a側)に設けられたスペーサ部
31からなるものである。スペーサ部31は、上記スペ
ーサ21と同様に、管路2の内面形状に沿う外周部31
aと、平面部31bを有し、この平面部31bに管路軸
方向に沿うケーブル挿通溝31cを形成した断面U字状
に形成され、多条ケーブル3をケーブル挿通溝31c内
にケーブル3が露出した状態で収容することができるよ
うになっている。第2の円柱体33は、本体32におい
て管路2内壁に全周にわたって当接し、スペーサ部31
において、管路2内壁に周方向の一部のみで接してい
る。
【0047】本体32の長さは、30〜100mm程度
に設定するのが望ましい。スペーサ部31の長さは、5
〜10mmとするのが好ましく、高さは、例えば管路2
の内径の60〜70%に設定することができる。第2の
円柱体33は、スペーサ部31の平面部31bを上方に
向け、かつ端面が第1の円柱体11aに当接するように
管路2内に配置される。
【0048】上記止水材30を使用するには、第1の円
柱体11aおよび第2の円柱体33を、第2の円柱体3
3のスペーサ部31を第1の円柱体11a側に向けた状
態で多条ケーブル3に装着し、これらを管路2内に押し
入れ、上述の過程に従って止水剤を円柱体間のスペー
ス、すなわちスペーサ部31の上方空間内に注入する。
【0049】上記止水材30を用いて管路2の止水を行
う場合には、上記第2の実施形態の止水材20における
スペーサ21に相当するスペーサ部31を有する第2の
円柱体33を用いるので、上記第2の実施形態の止水工
法と同様に、円柱体11a、33を管路2内に設置する
に際して、円柱体11a、33の向きや円柱体11aと
本体32の間隔を正確に設定し、円柱体11a、33の
位置ずれによる止水性の低下を未然に防ぎ、止水効果を
確実なものとすることができる。さらに、この方法で
は、スペーサ21を使用しないため、上記止水材20を
用いた第2の実施形態の方法に比べ部品点数を少なく
し、施工を容易化することができる。
【0050】なお、上記第3の実施形態の止水材30で
は、管路奥側の第2の円柱体として、スペーサ部31を
有する円柱体33を用い、管路口側の第1の円柱体とし
てスペーサ部をもたない円柱体11aを用いたが、逆
に、管路口側の第1の円柱体として、円柱体33と同様
にスペーサ部をもつものを用い、管路奥側の第2の円柱
体として、スペーサ部をもたないものを用いることもで
きる。この場合には、第1の円柱体を、スペーサ部が管
路奥側に向くように管路内に配置する。また、第1およ
び第2の円柱体をいずれもスペーサ部をもつものとする
こともできる。この場合には、これら円柱体のうち少な
くとも一方を、スペーサ部が他方の円柱体に向くように
管路内に配置する。
【0051】また、上記各実施形態の止水工法では、注
入孔15、ガス抜き孔16を形成した第1の円柱体11
aを用いたが、図8に示すように、注入孔15、ガス抜
き孔16に代えて、止水剤注入とガス抜きの両者の機能
を併せ持つ貫通孔17を設けた第1の円柱体11a'を
用いることもできる。貫通孔17は、断面形状が円柱体
径方向に細長い形状となるように形成するのが好まし
い。この断面形状は、例えばこの図に示すように長径を
円柱体径方向に向けた長円形のほか、長辺を円柱体径方
向に向けた長方形などとすることができる。また、上記
各実施形態では、3本の単ケーブル3aからなる多条ケ
ーブル3を挿通した管路2を止水する方法を例示した
が、本発明の対象となる管路に挿通した多条線条体を構
成する単線条体の数はこれに限定されるものでない。
【0052】
【実施例】以下、具体例を示し、本発明の効果をさらに
明確にする。 (実施例)多孔質材としてウレタン発泡体(連続気泡)
を用い、外径128mm、長さ30mmの円柱体11
a、11bを作製した。これら円柱体11a、11b
は、径36mmの3つの円が中央で融合した断面形状を
有する挿通孔12を中央部に設けたものとした。円柱体
11a、11bには1つのくさび形折曲部14を有する
切り込み13を設けた。第1の円柱体11aの外周から
半径方向に17mmの位置には内径5mmの注入孔15
を設け、外周から7mmの位置には内径5mmのガス抜
き孔16を設けた。
【0053】また、上記円柱体11a、11bに用いた
ものと同様のウレタン発砲体を用い、外径128mm、
長さ10mmのスペーサ21を作製した。スペーサ21
の平面部23には、内径62mmのケーブル挿通溝25
を設けた。スペーサ21の高さDは、ケーブル挿通溝2
5の最底部から平面部23までの距離がケーブル挿通溝
25内径の約3分の2となるように設定した。
【0054】次に、親水性重合硬化性液状止水剤と微粒
子セメントとの混合物を調製した。止水剤としては、ポ
リエチレングリコールジメタクリレート25重量%、ア
クリル酸マグネシウム10重量%、水55重量%、およ
びトリエタノールアミン10重量%からなるA剤と、エ
チレングリコール49.5重量%、水49.5重量%、
および過硫酸アンモニウム1重量%からなるB剤を使用
直前に混合したものを用いた。また微粒子セメントとし
ては、ブレーン値13000cm2/gの三菱マテリア
ル(株)社製三菱ファインハードを用いた。混合物調製
の際には、上記止水剤に、止水剤100重量部に対して
4重量部の微粒子セメントを加え、十分に混合した。
【0055】図1に示すように、鉄筋コンクリート製の
躯体1を用いて構築された既設のマンホールの躯体1に
埋設された管路2からの漏水に対して、上記円柱体11
a、11b、スペーサ21、混合物を用いて止水を試み
た。上記躯体1に埋設された管路2は、FRPからなる
内径150mmのものであり、管路2内には、3本の単
ケーブル3aが撚り合わされた外径45mmの多条ケー
ブル3が挿通しており、この管路2では、管路奥部に生
じた漏水が管路口2aから流出していた。
【0056】まず、多条ケーブル3に、管路奥側から手
前側にかけて第2の円柱体11b、スペーサ21、第1
の円柱体11aを装着し、これらを管路2内に無理バメ
により挿入した。円柱体11a、11bを多条ケーブル
3に装着する際には、円柱体11a、11bを切り込み
13から押し広げ、挿通孔12内に多条ケーブル3を位
置させるようにした。また第1の円柱体11aは、注入
孔15、ガス抜き孔16が挿通孔12の上方に位置する
ようにその位置を設定した。またスペーサ21は平面部
23が上方を向くように配置した。
【0057】次いで、上記混合物を注入孔15を通して
スペース17内に注入し、円柱体11a、11bおよび
スペーサ21に含浸させた。止水剤注入は、止水剤がガ
ス抜き孔16から外部に流出するまで行い、止水剤によ
って注入孔15、ガス抜き孔16を閉止した。
【0058】このようにして止水した管路2を1年間放
置した後、漏水が発生したかどうかを調べた。その結
果、この管路ではまったく漏水が生じず、良好な止水性
が維持されたことがわかった。
【0059】(比較例)図9に示すように、管路2から
延出しているケーブル3を、内側および外側ゴムパッキ
ン6、8、金属板9の挿通孔6a、8a、9aに順次通
し、内側および外側ゴムパッキン6、8とケーブル3と
の間を、ブチルゴムからなるコーキング材5で塞いだ。
次いで、ケーブル3を、内側ゴムパッキン6が管路2内
に入るまで管路2内に押し込み、金属板9を、外側ゴム
パッキン8を介して防水治具4に止め付けて上記管路2
を止水し、この状態でこの管路2を1年間放置し、漏水
が発生したかどうかを調べた。その結果、比較例の工法
によって止水された管路では、コーキング材とケーブル
との間に隙間ができ、ここから漏水が発生したことがわ
かった。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、親水性重合硬化性液状
止水剤によって単線条体間の隙間を完全に塞いだ状態と
し、管路内に生じた漏水がこの隙間を伝って外部に流出
するのを確実に防ぐことができる。また、通電による発
熱や気温変化などによる熱膨張などにより多条線条体の
形状変化、管路に対する移動、単線条体同士の相対位置
の変化等が起きた場合でも、スペース内において止水
剤、多孔質体がこの変化に応じて変形し線条体に対し隙
間無く接した状態を維持する。このため、高い止水性を
長期にわたって維持することが可能となる。さらには、
止水部分に大きな力が加わった場合でも、これが破断す
ることがなく、高い止水性を維持することができる。ま
た施工が容易であり作業時間の短縮が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の止水材の第1の実施形態を示す断面
図である。
【図2】 図1に示す止水材の概略構成を示す斜視図で
ある。
【図3】 図1に示す止水材の第1の円柱体を示すもの
で、(a)は斜視図、(b)は正面図である。
【図4】 本発明の止水材の第2の実施形態を示す断面
図である。
【図5】 図4に示す止水材の概略構成を示す斜視図で
ある。
【図6】 図4に示す止水材のスペーサを示すもので、
(a)は斜視図、(b)は正面図である。
【図7】 本発明の止水材の第3の実施形態の概略構成
を示す斜視図である。
【図8】 第1の円柱体の変形例を示す正面図である。
【図9】 従来の止水工法によって止水された管路を示
す断面図である。
【符号の説明】
2・・・管路、2a・・・管路口、3・・・多条ケーブル(多条
線条体)、3a・・・単ケーブル(単線条体)、10、2
0、30・・・止水材、11a、11b、33、11a'・・
・円柱体(多孔質体)、17・・・スペース、21・・・スペ
ーサ、32・・・本体、31・・・スペーサ部、C・・・単ケー
ブル(単線条体)間の隙間の高さ、S・・・親水性重合硬
化性液状止水剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 面 民一郎 東京都港区港南一丁目6番41号 三菱レイ ヨン株式会社内 (72)発明者 澤田 健司 神奈川県横浜市鶴見区大黒町10番1号 三 菱レイヨン株式会社化学品開発研究所内 (72)発明者 濱田 征次 東京都江東区枝川2丁目1番13号 (72)発明者 多田 利三 神奈川県横浜市金沢区能見台3丁目51番1 号 (72)発明者 奥本 和夫 埼玉県所沢市小手指町3−16J611 Fターム(参考) 5G363 AA01 BA01 CA06 CA20 CB20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気ケーブルなどの複数の単線条体を集
    合した多条線条体が挿通した管路の管路口を止水する工
    法であって、 前記線条体を挿通する挿通孔が設けられた第1および第
    2の多孔質体を、管路軸方向に互いに離間するように管
    路内に押し入れ、これら多孔質体間のスペースに、親水
    性重合硬化性液状止水剤を、液面高さが単線条体間の隙
    間の高さ以上となるまで充填し、かつ前記多孔質体に含
    浸させた後、この止水剤を硬化させることを特徴とする
    止水工法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の止水工法において、第1
    および第2の多孔質体を管路内に押し入れるに際し、第
    1および第2の多孔質体の間に、これら多孔質体の相対
    位置を定めるスペーサを介在させることを特徴とする止
    水工法。
  3. 【請求項3】 電気ケーブルなどの複数の単線条体を集
    合した多条線条体が挿通した管路の管路口を、該多条線
    条体を挿通する挿通孔が設けられた第1および第2の多
    孔質体を用いて止水する工法であって、 第1および第2の多孔質体のうちいずれか一方が、管路
    内壁に全周にわたって当接する本体と、管路内壁に周方
    向の一部のみ当接しかつ多条線条体が露出するように形
    成されたスペーサ部を備えたものとされ、 この多孔質体のスペーサ部を他方の多孔質体側に向けた
    状態で、これら第1および第2の多孔質体を管路内に押
    し入れ、これら多孔質体間のスペースに、親水性重合硬
    化性液状止水剤を、液面高さが単線条体間の隙間の高さ
    以上となるまで充填し、かつ前記多孔質体に含浸させた
    後、この止水剤を硬化させることを特徴とする止水工
    法。
  4. 【請求項4】 電気ケーブルなどの複数の単線条体から
    なる多条線条体が挿通した管路の管路口を止水する止水
    材であって、 前記線条体を挿通する挿通孔が設けられた第1および第
    2の多孔質体が、管路軸方向に互いに離間するように管
    路内に配置され、これら多孔質体間のスペースに、親水
    性重合硬化性液状止水剤が、単線条体間の隙間の高さ以
    上となるまで充填され、かつ前記多孔質体に含浸してい
    ることを特徴とする止水材。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の止水材において、第1お
    よび第2の多孔質体の間に、これら多孔質体の相対位置
    を定めるスペーサが配置されていることを特徴とする止
    水材。
  6. 【請求項6】 電気ケーブルなどの複数の単線条体を集
    合した多条線条体が挿通した管路の管路口を止水する止
    水材であって、 前記線条体を挿通する挿通孔が設けられた第1および第
    2の多孔質体を備え、 これら多孔質体のうちいずれか一方が、管路内壁に全周
    にわたって当接する本体と、管路内壁に周方向の一部の
    み当接しかつ多条線条体が露出するように形成されたス
    ペーサ部を備えたものとされ、 この多孔質体のスペーサ部が他の多孔質体側に向けられ
    た状態で、これら第1および第2の多孔質体が管路内に
    配置され、 これら多孔質体間のスペースに、親水性重合硬化性液状
    止水剤が、単線条体間の隙間の高さ以上となるまで充填
    され、かつ前記多孔質体に含浸していることを特徴とす
    る止水材。
JP03654699A 1999-02-15 1999-02-15 止水材および止水工法 Expired - Fee Related JP4053169B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03654699A JP4053169B2 (ja) 1999-02-15 1999-02-15 止水材および止水工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03654699A JP4053169B2 (ja) 1999-02-15 1999-02-15 止水材および止水工法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007284952A Division JP2008086198A (ja) 2007-11-01 2007-11-01 止水材および止水工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000236612A true JP2000236612A (ja) 2000-08-29
JP4053169B2 JP4053169B2 (ja) 2008-02-27

Family

ID=12472778

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03654699A Expired - Fee Related JP4053169B2 (ja) 1999-02-15 1999-02-15 止水材および止水工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4053169B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013243888A (ja) * 2012-05-22 2013-12-05 Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk ケーブル固定部材
JP2016073125A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 東芝プラントシステム株式会社 ケーブルの止水ユニット、その製造方法およびケーブルの止水ユニットの設置構造
KR102153902B1 (ko) * 2020-03-25 2020-09-09 이주희 시공성이 향상된 지하 연속벽체, 지하 연속벽체 시공방법 및 이에 사용되는 선행철근망 조립체
JP2021059893A (ja) * 2019-10-07 2021-04-15 シバタ工業株式会社 吊足場

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102600510B1 (ko) * 2022-08-30 2023-11-08 재단법인한국조선해양기자재연구원 수밀성이 확보된 슬리브 실런트 시스템 및 이를 설치하는 방법

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013243888A (ja) * 2012-05-22 2013-12-05 Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk ケーブル固定部材
JP2016073125A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 東芝プラントシステム株式会社 ケーブルの止水ユニット、その製造方法およびケーブルの止水ユニットの設置構造
JP2021059893A (ja) * 2019-10-07 2021-04-15 シバタ工業株式会社 吊足場
JP7002140B2 (ja) 2019-10-07 2022-01-20 シバタ工業株式会社 吊足場
KR102153902B1 (ko) * 2020-03-25 2020-09-09 이주희 시공성이 향상된 지하 연속벽체, 지하 연속벽체 시공방법 및 이에 사용되는 선행철근망 조립체

Also Published As

Publication number Publication date
JP4053169B2 (ja) 2008-02-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000236612A (ja) 止水材および止水工法
KR100599586B1 (ko) 구조물의 균열보수제 및 이의 적용방법
JP4230616B2 (ja) 止水材および止水工法
JP3760011B2 (ja) 止水工法
JP2008086198A (ja) 止水材および止水工法
JPH11252766A (ja) 止水工法
JP4538825B1 (ja) 表面を被覆材として親水性高分子化合物にて覆われた吸水性樹脂を用いる薬液注入材及び薬液注入工法。
JPH11234860A (ja) 止水工法
JPH10178732A (ja) 止水工法
JP4351801B2 (ja) 止水工法
CN214301869U (zh) 一种用于应急堵漏的注浆枪
JPH11229795A (ja) 止水工法
JP4791947B2 (ja) 地中埋設管路への薬液浸入防護方法
CN110714786A (zh) 一种盾构隧道高聚物注浆方法及盾构隧道
JPH11247275A (ja) 止水材
JPH09102222A (ja) ワイヤーハーネスの止水方法及び止水材料
JPH11247274A (ja) 止水材
JP7507445B2 (ja) 大変形、定抵抗及び支持機能を有するグラウト注入用アンカーケーブル
CN219569209U (zh) 一种外墙横向接缝的防水结构
CN216899501U (zh) 预应力管道接口密封试验装置
CN106120557A (zh) 线股引导装置的改进
JPH11230474A (ja) 止水工法
JPH0633697A (ja) トンネル等の空隙充填方法
CN215367459U (zh) 一种地下混凝土结构渗漏快速止漏修复装置
CN214363654U (zh) 一种用于柔性垂直阻隔墙锁扣部件止水的注浆结构

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070723

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070904

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071101

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071205

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101214

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101214

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111214

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111214

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121214

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131214

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees