JP2000234730A - 流動床発電プラントの制御装置及び制御方法 - Google Patents

流動床発電プラントの制御装置及び制御方法

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JP2000234730A
JP2000234730A JP11032970A JP3297099A JP2000234730A JP 2000234730 A JP2000234730 A JP 2000234730A JP 11032970 A JP11032970 A JP 11032970A JP 3297099 A JP3297099 A JP 3297099A JP 2000234730 A JP2000234730 A JP 2000234730A
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Tetsuo Itami
哲郎 伊丹
Manabu Yamamoto
学 山本
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Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発電プラントに供給される燃料の性状を将来
に亘って推算し、推算結果に基づいて流動床温度の温度
条件を制御することで環境への有害物質排出を抑制する
こと。 【解決手段】流動床を具備する発電プラントの制御装置
において、現時点における供給ごみ量、供給空気量、流
動床温度、流動床表面酸素濃度からなる計測値を用いて
燃料性状の現時点の値を推算し、前記推算値を現時点か
ら過去に亘って集積する燃料性状の時間的トレンドの計
算・記憶装置(部分A))と、燃料性状の過去のトレン
ドに基づき将来の燃料性状を予測する燃料性状予測装置
(部分B)と、現時点の計測値と将来の燃料性状とを用
いて、将来の燃料性状に関連した状態量を予測する状態
量予測装置(部分C)と、前記燃料性状に関する状態量
が設定値に合致するように燃料供給量を制御する設定値
制御装置(部分D)と、を備えたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電プラントに供
給される燃料の性状を将来に亘って推算し、推算結果に
基づいて流動床温度の温度条件を制御することで環境へ
の有害物質排出を抑制する制御方式に関わり、特に、ご
み焼却あるいは化石燃料による流動床発電プラントの制
御に好適な制御装置に関わる技術である。
【0002】また、化石燃料による流動床発電プラント
の場合では常圧、加圧によらず適用でき、その場合の起
動運用、制御方式に対して好適な制御装置に関する装置
である。
【0003】
【従来の技術】本発明の適用例の一例となる制御装置を
具備する流動床式発電プラントとして、ごみ焼却プラン
トを例にとり、その概念を図3に示す。供給ごみ1は供
給コンベア、せん断破砕機、給塵機(いずれも図示せ
ず)を経て流動床炉2に燃料として投入される。流動床
炉2は珪砂を媒体とし空気により流動化された流動床3
からなる。流動化用の空気4は1次FDF(押し込み通
風機、図示せず)から散気管5に導入されるが、ガス冷
却室6内で熱交換機7により昇温されている。流動床3
では水分を多量に含む供給ごみ1が「蒸し焼き」にされ
る。
【0004】流動床3での未燃ガス成分は空塔部8にて
燃え切る。ここで空塔部8とは、空間部と後燃焼室を総
称する。これにより均一燃焼が図れるとともに難燃物の
焼却も可能となる。空塔部8には2次FDF(図示せ
ず)を経て2次空気9が送られ、空塔部8での未燃ガス
成分の燃え切りをよくし、ダイオキシン等の有害物質成
分を大幅に抑制できる。空塔部8の後流にはガス冷却室
6を経てバグフィルタ11に有害ガス除去装置、脱硝触
媒(いずれも図示せず)が設置され、排ガス中の有害成
分が除去された後煙突12に至る。
【0005】また、バグフィルタ11に至るラインにて
消石灰10、活性炭13を投入する。バグフィルタ11
では160°Cから250°Cの温度条件があり、この
ためにガス冷却室6には前記熱交換器7に加えて水スプ
レー14が設置されている。さらに、供給燃料1の燃焼
による発熱で発電するためにドラム17、水冷壁15、
過熱器16が設置される。
【0006】前記有害物質の抑制のためには前記後燃焼
室にて燃焼ガス温度を800°C以上として未燃CO等
のガスを燃え切らせる必要があり、逆に過熱器16のメ
タル温度の制限(たとえば550°C上限)から燃焼ガ
ス温度(過熱器16の部位のガス温度はたとえば高々6
50°C)は過度に高く設定できない。流動床3はでき
れば条件次第で600°Cないし900°Cを保持する
ことが望ましい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
では、ごみ1の燃料としての性状(低位発熱量、水分含
有率さらに燃焼の速さについての性状)の変動が大き
く、この変動を吸収して流動床温度の保持ひいては空塔
部でのガス温度条件を保持することが難しく、CO等の
燃え切りと伝熱管メタル温度の制限を同時に満足しさら
に発電量を一定保持することが難しい場合があった。
【0008】また流動床の層温等の現時点での計測値を
用いて制御する方法では、上記のような流動床の層温や
ガス温度を保持するには限界がある。すなわち、現時点
での計測出力値は、数分前に流動床に供給された燃料が
着火し、流動床を昇温しさらに未燃分が空塔部に飛散し
着火した結果であって、これらのプロセスには時間遅れ
があるので、現時点の計測出力値を用いて、たとえばフ
ィードバック制御しても、その結果は数分後にはじめて
現れるものであり、当然ながら現時点の流動床温度やガ
ス温度を制御することにならない。このような現時点の
計測値を用いると流動床温度、ガス温度等がハンチング
してしまうこともあり得る。
【0009】これを避けるため、ごみ燃料性状のうち低
位発熱量を排ガス組成あるいは酸素消費量から推算する
方法がある(特開昭55−160219号公報「ごみ焼
却炉におけるごみ質推定方法」、特開昭57−4311
4号公報「ごみの低位発熱量の推定方法」)。しかし、
ここでは同時にごみにふくまれる水分含有率が推算され
ておらず、ごみの適正な燃焼が期待できない。
【0010】これを避けるために燃焼特性(CO発生量
等)の予測値を用いる制御方法も知られている(計測自
動制御学会論文集vol32.No2.1996「流動
床ごみ焼却炉の動特性解析と燃焼制御」)。しかし、こ
のようなごみ燃焼の予測制御においては、ごみ供給装置
の駆動用モータ電流とCO濃度の相関データから燃焼特
性を予測する等の、必ずしも物理的に必然性がなく、ま
た運転前に膨大な試運転データを蓄積しておく等の作業
を要するものである。
【0011】このため、どのようなスケールの炉、すな
わち試験炉でも実機ででも成立するような物理法則(質
量収支、エネルギ収支、運動量収支)に基づき、試験炉
等で得られた知見を実機に適用出来ることに基づく予測
制御方法も考えられる。この予測制御方法においてはご
みの燃料性状のうち低位発熱量と水分含有率を同時に推
算するものとしている。
【0012】従って、燃料の低位発熱量、水分含有率が
独立に大きく変動する場合にあっても適正に流動床温
度、空塔部ガス温度を適正に設定値に保持できるもので
ある。しかも、実験データに基づく相関式等に依存しな
い方法であって予測の精度が高いと考えられ、また実験
データでの相関性を実機に拡張するに際しての試運転で
の膨大な検証作業も不要である。
【0013】しかし、このように低位発熱量、水分含有
率を同時に推定したとしても、燃焼速度の大小を把握し
ていない場合には、次のような課題が生じる。これを図
4で説明する。たとえば、ごみ燃料中の燃料の低位発熱
量Hu401とごみの水分含有率Wck402を推定で
きたとすると、低位発熱量を水分蒸発潜熱による流動床
の冷却効果を含めて補正することができる。水分含有率
が高く補正されたHu*403が低めに見積もられたと
すると、対応して燃料流量GsldW*404を高めに
設定して流動床温度が保持される方向に操作することに
なる。
【0014】しかし、燃焼速度が予想より低い場合、高
めの燃料流量GsldW*は逆に水分を過度に流動床中
に投入する結果となり、流動床温度が低下する場合もあ
る。このとき、いったん流動床温度が低下して着火温度
Tignite405を下回ったとすると、引き続いて
投入される過度の水分の蒸発による冷却効果がきいて、
流動床での燃焼が続かなくなる(失火する、トレンド4
06)おそれもある。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は主として次のような構成を採用する。
【0016】流動床を具備する発電プラントの制御装置
において、前記流動床への供給燃料における燃料と水分
量の含有比率及び前記供給燃料の低位発熱量とともに、
前記供給燃料の燃焼速度定数の関数形を与える複数のパ
ラメータ値の推定値を求め、前記推定値と現時点の流動
床温度の計測値に基づいて流動床温度の予測値を計算
し、前記計算された予測値が所定の設定値に追従するよ
うに前記供給燃料の流量を制御する流動床発電プラント
の制御装置。
【0017】また、前記流動床発電プラントの制御装置
において、流動床温度の関数である燃料燃焼速度定数
は、その関数形を与える2個のパラメ−タを有し、その
一つが燃焼速度定数の比例定数で「頻度因子」と呼ばれ
る量であり、もう一つが燃料の着火に関するエネルギで
「活性化エネルギ」と呼ばれる量であり、その関数形が
アレニウス方式と呼ばれる関数形、すなわち、燃焼速度
定数が次の関数形、 燃焼速度定数=(「頻度因子」)×(−(「活性化エネ
ルギ」/流動床の保有エネルギ)の指数関数) である
流動床発電プラントの制御装置。
【0018】また、流動床を具備する発電プラントの制
御装置において、現時点における供給ごみ量、供給空気
量、流動床温度、流動床表面酸素濃度からなる計測値を
用いて燃料性状の現時点の値を推算し、前記推算値を現
時点から過去に亘って集積する燃料性状の時間的トレン
ドの計算・記憶装置と、燃料性状の過去のトレンドに基
づき将来の燃料性状を予測する燃料性状予測装置と、現
時点の計測値と将来の燃料性状とを用いて、将来の燃料
性状に関連した状態量を予測する状態量予測装置と、前
記燃料性状に関する状態量が設定値に合致するように燃
料供給量を制御する設定値制御装置と、を備えた流動床
発電プラントの制御装置。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態に係る流動床式
発電プラント制御装置について、図面及び数式を用いて
以下説明する。図1には前記流動床式発電プラントの制
御装置の構成を示す。ここにおいて、1はごみ、2は焼
却炉、3は流動床、4は流動化用空気、5は散気管、6
はガス冷却室、7は熱交換器、8は空塔部、9は2次空
気、10は消石灰、11はバグフィルタ、12は煙突、
13は活性炭、14は水スプレ、15は水冷壁、16は
過熱器、17はドラム、101は流動床表面酸素濃度、
102は流動床温度、103はトレンド計算記憶装置、
104はトレンド記憶出力値、105はトレンド予測装
置、106はn分後トレンド予測値、202はn分後流
動床温度予測値、203は流動床温度設定値、205は
調節器、207は供給量計画値、208は供給量デマン
ド、をそれぞれ示す。
【0020】前記流動床式発電プラントは、図1に示す
ように、 a.過去から現実に亘るごみ性状のトレンドを計算・記
憶する性状計算・記憶装置(部分A)、 b.将来のごみ性状を予測する性状予測装置(部分
B)、 c.将来の流動床温度を予測する状態量予測装置(部分
C)、 d.流動床の予測温度が設定値になるようにごみ供給量
を制御する設定値制御装置(部分D)、から構成され
る。
【0021】すなわち、ごみ性状計算・記憶装置(部分
A)は、現時点の計測値を用いて供給燃料中燃料の低位
発熱量、水分含有率のみならず、燃焼速度定数を与える
関数形の複数個のパラメ−タ、本実施形態の場合は2個
のパラメータすなわち頻度因子(燃焼反応における反応
の進み方の速さを評価するための指標である)、活性化
エネルギ(燃焼反応が進むためのエネルギーの閾値を評
価するための指標である)の現時点の値を推算し、この
推算値を現時点から過去に亘って集積する部分である。
【0022】部分Aでは、トレンド計算記憶装置103
に、現時点での計測値を入力し、トレンドすなわち燃料
の低位発熱量、水分含有率、頻度因子、活性化エネルギ
の過去の特定時点まで遡った時点から現時点までの変動
を出力する(トレンド記憶出力値104)。ここで10
5への入力は、流動床表面酸素濃度101と流動床温度
102の2個である。
【0023】前記トレンド記憶出力値104とは、供給
ごみ中燃料の低位発熱量Hu(t’)、水分含有率W
(t’)、頻度因子すなわちF(t’)、活性化エネル
ギすなわちE(t’)の4個である。
【0024】ここでt’は過去にTだけ遡った時点から
現時点tまでに亘る、t−T<t’<tである。
【0025】前記部分Aの具体的構成につき詳細に図面
と数式を用いて、以下説明する。部分Aで時点tでの性
状すなわち、{供給燃料の低位発熱量Hu(t)、水分
含有率W(t)、頻度因子すなわちF(t)、活性化エ
ネルギすなわちE(t)}を算定する方法を図面と数式
とで説明する。
【0026】図2は、本発明を適用する流動床部分の質
量収支とエネルギ収支を説明する図である。流動床内の
供給ごみの嵩密度ρsldW307、燃料の密度ρfu
el、流動床表面酸素濃度ρo2(305)は、供給ご
み量GsldW302,空気量Gair303を運転条
件として、質量収支から決まる。
【0027】すなわち、供給ごみ量は、供給ごみ中の水
分が蒸発して燃料に転化する量とごみ流出量の質量収支
で決まる。
【0028】 (供給ごみ量)=(燃料転化量)+(流出量) …(1) 供給ごみ中の燃料の密度ρfuelは、供給ごみ中の水
分が蒸発して燃料に転化する量、燃焼量、の質量収支で
決まる。
【0029】 (供給燃料密度)=(燃焼量)+(蒸発による燃料転化量) …(2) 流動床表面酸素濃度ρo2は、供給空気量、燃焼量の質
量収支で決まる (供給空気量)=(燃焼量)+(表面酸素濃度(流出量)) …(3) 流動床温度は、供給ごみ中の燃料の燃焼発熱量、水分蒸
発による潜熱量、空気及びごみ自身の持ち込み顕熱量、
燃焼ガスの持ち出し顕熱量、のエネルギ収支で決まる (持ち込み顕熱量)+(燃料発熱量)=(蒸発潜熱量)+(持ち込み顕熱量) …(4) これら式(1)から式(4)の質量収支式及びエネルギ
収支式は、供給ごみ中の燃料の低位発熱量Hu、水分含
有率W、頻度因子すなわちF、活性化エネルギすなわち
E、の4個のパラメータに依存している。すなわち、式
(1)から式(4)において運転条件すなわち供給燃料
流量、空気流量、入り口酸素濃度の条件と、計測値すな
わち流動床温度と流動床表面酸素濃度を代入すれば、こ
れら4式を連立方程式として用いて上記4個のパラメー
タを決定できる。
【0030】流動床温度の関数である燃料燃焼速度定数
は、その関数形を与える2個のパラメ−タを有し、その
一つが燃焼速度定数の比例定数で「頻度因子」と呼ばれ
る量であり、もう一つが燃料の着火に関するエネルギで
「活性化エネルギ」と呼ばれる量であり、その関数形が
アレニウス方式と呼ばれる関数形、すなわち、燃焼速度
定数が次の関数形、 燃焼速度定数=(「頻度因子」)×(−(「活性化エネ
ルギ」/流動床の保有エネルギ)の指数関数) であ
る。
【0031】引き続いて、部分B,C及びDの内容を説
明する。性状予測装置である部分Bは、上記の燃料性状
に関わる量を現時点から過去に亘って集積して得られ
た、過去のトレンド(供給燃料中燃料の低位発熱量、水
分含有率、頻度因子、活性化エネルギ及びこれにかかわ
る状態量の時間的変動データ)に基づく将来(n分後)
のこれら低位発熱量、水分含有率、頻度因子、活性化エ
ネルギの値を予測する部分である。
【0032】予測の方法としては、例えばARモデルを
使う。ここで、ARモデルとは、操作量と現時点から将
来に亘る状態量の因果関係を統計的に表現したモデルで
ある。すなわち部分Bでは、トレンド記憶出力値104
すなわち、{供給ごみ中燃料の低位発熱量Hu
(t’)、供給ごみの水分含有率W(t’)、頻度因子
すなわちF(t’)、活性化エネルギすなわちE
(t’);t−T<t’<t}をトレンド予測装置10
5に入力して、これらのn分後のトレンド予測値106
を出力する。すなわち出力は、{供給燃料の低位発熱量
Hu(t+n)、水分含有率W(t+n)、頻度因子す
なわちF(t+n)、活性化エネルギすなわちE(t+
n)}である。
【0033】次に、状態量予測装置である部分Cは、現
時点の計算値とn分後の燃料の低位発熱量、水分含有
率、パラメータ1、パラメータ2の推算値を用いてn分
後の流動床温度を予測する部分である。すなわち、部分
Cでは、n分後トレンド予測値106すなわち、{供給
燃料の低位発熱量Hu(t+n)、水分含有率W(t+
n)、頻度因子すなわちF(t+n)、活性化エネルギ
すなわちE(t+n)}と、現時点での流動床温度TB
ed(t)を状態量予測装置201に入力して、n分後
の流動床温度TBed(t+n)202を予測計算す
る。状態量予測の方法としては、例えば計算に必要な操
作量、ごみ量GsldW、空気量Gairを適用した、
エネルギ収支の動特性モデルを使う。
【0034】次に、設定値制御装置である部分Dは、部
分Cで計算した流動床温度の予測値が設定値になるよう
に供給燃料流量を操作する部分である。すなわち、部分
Dでは、この予測値TBed(t+n)が設定値203
に追従するように偏差をとり、調節器205を介して供
給燃料流量のフィードバック調節量を作り、これを計画
値207と加算して供給流量デマンド208とする。こ
こで調節器205は、たとえば通常のPI(比例積分)
調節器である。
【0035】以上説明した構成とアルゴリズムを図6に
纏める。図6に示した図示構造並びに図示手順が本発明
の概要を表すものである。図6は図1に示した図示構造
を機能的に文章形式で表にしたものであり、この表の記
載は明細書の記載をなすものである。
【0036】このように、本発明では燃焼速度の大小
を、低位発熱量、水分含有率とともに推定している。従
って図5で説明するように、燃焼速度が予想より低すぎ
る場合であっても、流動床で燃焼が持続し流動床温度も
設定値に維持できる。たとえば、ごみ燃焼中の燃料の低
位発熱量Hu401とごみの水分含有率Wck402を
推定できたとすると、低位発熱量を水分蒸発潜熱による
流動床の冷却効果を含めて補正することができる。
【0037】水分含有率が高く補正されたHu*403
が低めに見積もられたとする。この場合でも、燃料流量
GsldW*404は一概に高め設定、とはしない。燃
焼速度も同時に推定されているので、GsldW*の増
分は最適値に設定され、過度の蒸発潜熱除去による失火
を回避し、流動床温度が保持される方向に操作すること
になる。
【0038】以上説明したように、本発明の実施形態
は、次のような構成、機能並びに作用を奏するものを含
むものである。
【0039】供給燃料中の燃料の低位発熱量、水分含有
率と同時に燃焼速度定数の関数形を与える複数個のパラ
メータの変動を同時に予測し、この予測性状、予測パラ
メータ値に基づいて供給燃料流量を先行的に操作するも
のである。すなわち、流動床温度と流動床表面酸素濃度
の計測値を使って、流動床内にて現時点で燃焼している
燃料の低位発熱量、水分含有率のみならず燃焼速度定数
の関数形を与える複数個のパラメータについても同時に
推算し、この推算結果に基づき将来の低位発熱量、水分
含有率のみならず燃焼速度定数の関数形を与える複数個
のパラメータ値を推算する。
【0040】この結果における供給燃料の低位発熱量、
水分含有率のみならず、燃焼速度定数の関数形を与える
複数個のパラメータ(頻度因子F、活性化エネルギE)
に基づき、流動床温度の現時点の計測値を使って、n分
後の流動床温度の予測値を計算する。この計算値が所定
の設定値に追従するように供給燃料流量を操作するもの
である。
【0041】
【発明の効果】本発明では、頻度因子F、活性化エネル
ギE、の時間的変動、すなわちごみ中燃料の燃焼速度の
時間的変動を、低位発熱量Hu、水分含有率Wと同時に
予測する。この予測に際して、流動床温度と流動床表面
酸素濃度との計測信号のみを用いる。
【0042】供給燃料中燃料の低位発熱量Hu、水分含
有率W、頻度因子すなわちF及び活性化エネルギすなわ
ちE、の予測値に基づき燃料供給量を操作する。これに
より、供給燃料中燃料の低位発熱量Hu、水分含有率
W、頻度因子すなわちF、及び活性化エネルギすなわち
E、がともに独立に、大幅に変化する場合であっても、
流動床の温度条件を保持できる。
【0043】特に、水分過多と考えられるごみを供給す
るに際して、本発明の方法によれば推定された燃焼速度
に応じたごみ供給量のデマンドを適正に設定でき、流動
床が失火にいたることはなくなる。従って、エミッショ
ン(有害物質)抑制、伝熱管メタル温度保護、さらに発
電量の一定化を実現できる、との効果がある。
【0044】この際、供給燃料中燃料の低位発熱量H
u,水分含有率W,頻度因子すなわちF,及び活性化エ
ネルギすなわちEのいずれをも、流動床内に関わる質量
及びエネルギ収支を適用して予測する。この予測値を使
って、所定の設定値に追従させるべきn分後の流動床温
度を計算予測するが、ここでも適用されるのはエネルギ
収支式である。
【0045】すなわち、本発明においては、各種の予測
に際して、統計モデルあるいは相関式等でなく、確立さ
れた物理法則、質量収支、エネルギ収支、のみを使って
いるので、どのような型式の炉においてもそのアルゴリ
ズムが適用できる、との効果がある。
【0046】実験炉データから得た燃焼特性の相関デー
タを使う場合であれば、実機では炉の大規模であること
の特有の効果もあると予想され、実験炉と同様の相関が
成立するか否かが必ずしも明確でない。この際、限られ
た試運転期間中にデータ作りから検証まで含めて行う必
要が生じる。しかし、本発明の場合では、物理法則のみ
を用いているので、このような実験ベースの相関データ
は使わなくて済むという効果がある。
【0047】従来の予測制御では、制御系設計者の経験
と直感とを必要とする燃焼特性の相関データを、限られ
た試運転期間中にデータ作りから検証まで含めて行わな
ければならなかったが、そのような試運転データによる
直観的な相関評価の作業が不要である、という効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る流動床式発電プラント
制御装置に関する構成を示す図である。
【図2】流動床部分の質量収支とエネルギ収支を説明す
る図である。
【図3】流動床式発電プラントとしてのごみ焼却プラン
トの概念を示す図である。
【図4】ごみ燃料中の燃料の低位発熱量とごみの水分含
有量の推定に基づく燃料流量による流動床温度の低下を
示す図である。
【図5】ごみの低位発熱量及び水分含有率の外に、燃焼
速度の大小を推定することにより流動床温度が設定値に
維持されることを示す図である。
【図6】供給燃料中燃料の低位発熱量、水分含有率、頻
度因子す及び活性化エネルギの予測値に基づき燃料供給
量を操作する処理フローを示す図である。
【符号の説明】
1 ごみ 2 焼却炉 3 流動床 4 流動化用空気 5 散気管 6 ガス冷却室 7 熱交換器 8 空塔部 9 2次空気 10 消石灰 11 バグフィルタ 12 煙突 13 活性炭 14 水スプレ 15 水冷壁 16 過熱器 17 ドラム 101 流動床表面酸素濃度 102 流動床温度 103 トレンド計算記憶装置 104 トレンド記憶出力値 105 トレンド予測装置 106 n分後トレンド予測値 202 n分後流動床温度予測値 203 流動床温度設定値 205 調節器 207 供給量計画値 208 供給量デマンド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K064 AA04 AA08 AB07 AC01 AC07 AC12 AC15 AD01 AD05 AD08 AE13 AF01 BA15 BA17 3K068 FA03 FB13 FC02 FC03 FC06 FD04 GA07 HA00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動床を具備する発電プラントの制御装
    置において、 前記流動床への供給燃料における燃料と水分量の含有比
    率及び前記供給燃料の低位発熱量とともに、前記供給燃
    料の燃焼速度定数の関数形を与える複数のパラメータ値
    の推定値を求め、 前記推定値と現時点の流動床温度の計測値に基づいて流
    動床温度の予測値を計算し、 前記計算された予測値が所定の設定値に追従するように
    前記供給燃料の流量を制御することを特徴とする流動床
    発電プラントの制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の流動床発電プラントの
    制御装置において、 流動床温度の関数である燃料燃焼速度定数は、その関数
    形を与える2個のパラメ−タを有し、 その一つが燃焼速度定数の比例定数で「頻度因子」と呼
    ばれる量であり、もう一つが燃料の着火に関するエネル
    ギで「活性化エネルギ」と呼ばれる量であり、 その関数形がアレニウス方式と呼ばれる関数形、すなわ
    ち、燃焼速度定数が次の関数形、 燃焼速度定数=(「頻度因子」)×(−(「活性化エネ
    ルギ」/流動床の保有エネルギ)の指数関数) である
    ことを特徴とする流動床発電プラントの制御装置。
  3. 【請求項3】 流動床を具備する発電プラントの制御装
    置において、 現時点における供給ごみ量、供給空気量、流動床温度、
    流動床表面酸素濃度からなる計測値を用いて燃料性状の
    現時点の値を推算し、前記推算値を現時点から過去に亘
    って集積する燃料性状の時間的トレンドの計算・記憶装
    置と、 燃料性状の過去のトレンドに基づき将来の燃料性状を予
    測する燃料性状予測装置と、 現時点の計測値と将来の燃料性状とを用いて、将来の燃
    料性状に関連した状態量を予測する状態量予測装置と、 前記燃料性状に関する状態量が設定値に合致するように
    燃料供給量を制御する設定値制御装置と、を備えたこと
    を特徴とする流動床発電プラントの制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の流動床発電プラントの
    制御装置において、 前記燃焼性状の時間的トレンドの計算・記憶装置は、現
    時点の流動床温度と流動床表面酸素濃度とを計測するこ
    とにより、燃料の低位発熱量、供給燃料中の水分含有
    率、及び燃焼速度定数を決める頻度因子と活性化エネル
    ギとの現時点での値を推算し、その推算値の現時点から
    T分前の時点に遡った値を記憶し、出力するものである
    ことを特徴とする流動床発電プラントの制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の流動床発電プラントの
    制御装置において、 前記燃焼性状の時間的トレンドの燃焼性状予測装置は、
    燃料の低位発熱量、供給燃料中の水分含有率、及び燃焼
    速度定数を決める頻度因子と活性化エネルギとの現時点
    からT分前から現時点までの時間的変化を入力して、現
    時点からn分後での、燃料の低位発熱量、供給燃料中の
    水分含有率、及び燃焼速度定数を決める頻度因子と活性
    化エネルギを予測するものであることを特徴とする流動
    床発電プラントの制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の流動床発電プラントの
    制御装置において、 前記将来の燃料性状に関する状態量予測装置は、燃料の
    低位発熱量、供給燃料中の水分含有率、及び燃焼速度定
    数を決める頻度因子と活性化エネルギの現時点からn分
    後の予測値を用いて、n分後の流動床温度を予測するも
    のであることを特徴とする流動床発電プラントの制御装
    置。
  7. 【請求項7】 流動床を具備する発電プラントの制御方
    法において、 前記流動床への供給燃料における燃料と水分量の含有比
    率及び前記供給燃料の低位発熱量とともに、前記供給燃
    料の燃焼速度定数の関数形を与える複数のパラメータ値
    の推定値を求め、 前記推定値と現時点の流動床温度の計測値に基づいて流
    動床温度の予測値を計算し、 前記計算された予測値が所定の設定値に追従するように
    前記供給燃料の流量を制御することを特徴とする流動床
    発電プラントの制御方法。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の流動床発電プラントの
    制御方法において、 前記燃焼速度定数が、流動床温度と、複数2個の、その
    一つが燃焼速度定数の比例定数で「頻度因子」と呼ばれ
    る量であり、もう一つが燃料の着火に関するエネルギで
    「活性化エネルギ」と呼ばれる量であるパラメータと、
    をアレニウス式と呼ばれる関数に入力し、次の式、 燃焼速度定数=(「頻度因子」)×(−(「活性化エネ
    ルギ」/流動床の保有エネルギ)の指数関数) の出力
    として計算されるものであることを特徴とする流動床発
    電プラントの制御方法。
  9. 【請求項9】 請求項7の流動床発電プラントの制御方
    法において、 現時点の計測値を入力し燃料性状の現時点の推算値を出
    力し、前記推算値を現時点から過去に亘って集積する燃
    料性状の時間的トレンドの計算・記憶アルゴリズムと、 燃焼性状の過去のトレンドを入力して将来の燃料性状予
    測値を出力する燃料性状予測アルゴリズムと、 現時点の計算値と将来の燃料性状とを入力して、将来の
    燃料性状に関連した状態量を予測出力する状態量予測ア
    ルゴリズムと、 前記燃料性状に関連した状態量が設定値に合致するよう
    に燃料供給量を制御する設定値制御アルゴリズム、を用
    いて制御することを特徴とする流動床発電プラントの制
    御方法。
  10. 【請求項10】 請求項9の流動床発電プラントの制御
    方法において、 前記燃焼性状の時間的トレンドの計算・記憶アルゴリズ
    ムは、現時点の流動床温度と流動表面酸素濃度との計測
    値を入力することにより、燃料の低位発熱量、供給燃料
    中の水分含有率、及び燃焼速度定数を決める頻度因子と
    活性化エネルギとの現時点での値を推算し、その推算値
    の現時点からT分前の時点に遡った値を記憶し、出力す
    るアルゴリズムであることを特徴とする流動床発電プラ
    ントの制御方法。
  11. 【請求項11】 請求項9の流動床発電プラントの制御
    方法において、 前記燃料性状の時間的トレンドの燃料性状予測アルゴリ
    ズムは、燃料の低位発熱量、供給燃料中の水分含有率、
    及び燃焼速度定数を決める頻度因子と活性化エネルギと
    の現時点からT分前から現時点までの時間的変化を入力
    して、現時点からn分後での、燃料の低位発熱量、供給
    燃料中の水分含有率、及び燃焼速度定数を決める頻度因
    子と活性化エネルギを予測するアルゴリズムであること
    を特徴とする流動床発電プラントの制御方法。
  12. 【請求項12】 請求項9の流動床発電プラントの制御
    方法において、 前記将来の燃料性状に関連した状態量の予測アルゴリズ
    ムは、燃料の低位発熱量、供給燃料中の水分含有率、燃
    焼速度定数を決める頻度因子と活性化エネルギの現時点
    からn分後の予測値を入力して、n分後の流動床温度を
    予測出力するアルゴリズムであることを特徴とする流動
    床発電プラントの制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106369598A (zh) * 2016-08-31 2017-02-01 自贡华西能源工业有限公司 一种cfb烟气发生设备的监测系统

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