JP3582956B2 - ゴミ焼却炉のゴミ燃焼量推定方法及び模擬焼却炉 - Google Patents

ゴミ焼却炉のゴミ燃焼量推定方法及び模擬焼却炉 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴミ焼却炉の可動式火床上のゴミ燃焼量推定方法に及び模擬焼却炉関し、詳しくは、投入されたゴミを乾燥する乾燥帯と、乾燥されたゴミを燃焼させる燃焼帯と、燃焼残渣を灰化させる後燃焼帯とがストーカ機構で構成された火床上に順次形成されたゴミ焼却炉の可動式火床上のゴミ燃焼量推定方法、及び投入されたゴミを乾燥する乾燥帯と、乾燥されたゴミを燃焼させる燃焼帯と、燃焼残渣を灰化させる後燃焼帯とがストーカ機構で構成された火床上に順次形成されたゴミ焼却炉について、操作量を入力可能な制御量入力手段を設け、ゴミ供給手段からのゴミ供給量と、供給された可動式火床上のゴミの燃焼と、前記ストーカ機構のゴミ搬送とを模擬演算して、前記ゴミ焼却炉のプロセスデータを出力可能に構成してある燃焼演算部とを備えるように演算手段を構成して、前記操作量入力手段からの入力データにより前記ゴミ焼却炉を模擬した前記演算手段の演算結果を出力可能な出力手段を設けてある模擬焼却炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、投入されたゴミを乾燥する乾燥帯26Aと、乾燥されたゴミを燃焼させる燃焼帯26Bと、燃焼残渣を灰化させる後燃焼帯26Cとがストーカ機構23で構成された火床26上に順次形成された可動式火床を備えるゴミ焼却炉における可動式火床上のゴミに対するゴミ燃焼量推定方法には、例えば図8に示すような、可動式火床を形成するストーカ上を搬送されながら燃焼するゴミを、夫々均質なゴミ素片Δmが空隙を有して積み重ねられた角柱素片ΔMの集まりとし、前記角柱素片ΔMは同質のゴミ素片Δmからなり、前記角柱素片ΔMが前記ストーカ上の上流側から下流側に向けて並んだ状態で移動するものとし、熱及びゴミの移動は前記角柱素片ΔM内のみで行われ、前記角柱素片ΔM相互間にはないものとして、ゴミの乾燥及び燃焼は、前記角柱素片ΔMが上方から減耗していくものとして捉えることが提案されている(例えば、五郎丸 剛志 他「ゴミ焼却炉におけるごみ層内の着火過程」福岡大学工学集報 第44号p47)。前記ゴミ素片Δmを形成するゴミのゴミ質は、燃えやすいゴミ、通常のゴミ、燃えにくいゴミに分けられ、異なるゴミ質の角柱素片ΔMが適宜配列される。このモデルにおいては、前記角柱素片ΔM内のゴミ素片Δmの温度が着火温度以下の特定の温度(例えば350℃)に達すると、直ちに燃焼温度(例えば1000℃)に達して、ゴミ素片Δmが燃焼を開始するものとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のゴミ焼却炉の可動式火床上のゴミ燃焼量推定方法においては、ゴミの攪拌が、ゴミ素片Δmの角柱素片ΔM内のみでの移動としているが、ゴミの燃焼は、その攪拌に伴ってゴミの下層から燃え始め、これが燃焼を促進する点の考慮が必要になり、取扱いが複雑になり、また、ゴミの分布に従って上述のように異なるゴミ質の角柱素片ΔMを配列する必要があり、ゴミ質の分布を予め決めなければならず、実際の炉内状況と掛け離れた状況で推定せざるを得ないという問題を有している。さらに、ストーカ上で上流側からゴミを受け入れ、下流側へゴミを排出する点を模擬することもできず、時間的なストーカの送り速度、空気供給量等の変化を模擬することもできないという問題も有している。しかも、前記角柱素片を構成するゴミ素片のサイズを実際の可燃性粗大物の粉砕されたものに合わせることから約15cm程度とすれば、この模擬計算に要する時間が長くなり、実際のゴミ焼却炉の挙動に近づけることが要求されるプラントシミュレータである模擬焼却炉には不向きであるという問題も有している。ところで、プラントシミュレータとしての模擬焼却炉は、実際のゴミ焼却炉と同様の制御応答を示す必要があり、殊に、応答が遅れるようなものは非常事態の訓練には適してはいない。そこで、その模擬計算に関しては、従来のように計算規模の大きい推定計算を用いると、プロセスデータは出力できるものの、実際のゴミ焼却炉の制御応答を体感できるほど速くには結果の出力が得られないので、運転訓練用プラントシミュレータとしての模擬焼却炉を組み立てることが困難であった。
そこで、本発明は、上記の問題点を解決し、ゴミ焼却炉の運転訓練に好適なゴミ燃焼量推定方法及模擬焼却炉を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
〔特徴構成〕
上記の目的のための本発明のゴミ焼却炉の可動式火床上のゴミ燃焼量推定方法の第1特徴構成は、請求項1に記載の如く、ストーカ機構上の火床は、搬送方向に前記ストーカ機構の下方に設けられた風箱を単位として領域分割され火床分割領域を形成し前記火床分割領域上の累積ゴミの平均燃焼量を、ゴミの炉内滞留時間によって決まるゴミの表面温度を用いたモデルから演算導出した平均燃焼量と、前記火床分割領域への供給空気量を用いたモデルから演算導出した平均燃焼量とを比較し、このうちの少ない方を選択することにより求め、ここで、前記平均燃焼量は、炉内滞留時間のうち所定時間あたりの、燃焼によってゴミが減少した量であり、予め前記平均燃焼量に対して、前記火床上のゴミの燃焼の限界として設定される上限燃焼量を設定して、求めたゴミの平均燃焼量が前記上限燃焼量を超える場合には、この上限燃焼量を前記火床分割領域上の累積ゴミの平均燃焼量として決定し、前記決定した火床分割領域上の累積ゴミの平均燃焼量から、前記ゴミ焼却炉におけるゴミ燃焼量を求める点にある。
尚、請求項2に記載の如く、上流側の火床分割領域からのゴミ供給量と、前記火床分割領域上の累積ゴミの平均燃焼量とから、所定の関係式に基づいて、前記火床分割領域から下流側に排出されるゴミ排出量を求め、
前記求めたゴミ排出量を、下流側の火床分割領域へのゴミ供給量とすることが好ましい。
【0005】
尚、本発明のゴミ燃焼量推定方法を、請求項に記載の如く、前記第1特徴構成におけるゴミの表面温度を用いたモデルが、前記火床分割領域上のゴミ平均燃焼量(D)が、前記火床分割領域上のゴミの表面温度(T)に対して、予め求められた定数(α,n)を用いた式
=αT
で表現される(第特徴構成)ようにしてあることが好ましく、また、請求項に記載の如く、前記第1特徴構成〜第3特徴構成の何れかにおける供給空気量を用いたモデルは、前記火床分割領域上のゴミ平均燃焼量(D)が、前記火床分割領域への供給空気量(Q)に対して、予め求められた定数(β,γ)を用いた式
=βQ+γ
で表現される(第特徴構成)ようにしてあることが好ましい。さらに、請求項に記載の如く、前記第1特徴構成〜第特徴構成の何れかにおいて、ストーカ機構の搬送方向上流側からの供給ゴミのゴミ質に対して夫々標準燃焼発熱量を設定して、平均燃焼量に対して、ゴミ質に対して設定した標準発熱量に基づいて、火床分割領域上のゴミの燃焼発熱量を求め、求めた燃焼発熱量が、予め火床上のゴミの燃焼の限界として設定した上限燃焼発熱量を超える場合には、求めた燃焼発熱量が前記上限燃焼発熱量であるものとして、前記燃焼発熱量に基づいて時間当たりのゴミの燃焼量を求める(第特徴構成)ようにすることはさら好ましい。
【0006】
ここに、本発明の模擬焼却炉の第特徴構成は、請求項に記載の如く、操作量入力手段を、火床への供給ゴミのゴミ質と、前記火床にゴミを供給するゴミ供給手段の目標給塵速度と、前記火床をストーカ機構の搬送方向に領域分割した火床分割領域夫々における前記ストーカ機構の目標搬送速度と、前記各火床分割領域に対する目標供給空気量とを夫々入力可能に構成し、燃焼演算部に、前記操作量入力手段に入力された操作量の夫々の目標値に基づいて、前記ゴミ供給手段からのゴミ供給量を演算導出する第一演算手段と、前記火床分割領域夫々のストーカ機構のゴミ搬送速度を演算導出する第二演算手段と、前記火床分割領域夫々への供給空気量を演算導出する第三演算手段とを設けるとともに、前記模擬演算手段に、前記第一演算手段と、前記第二演算手段と、前記第三演算手段の演算結果に基づいて、前記ゴミ質に対応する前記ゴミの表面温度を用いたモデルに従って前記火床分割領域上の累積ゴミの燃焼量を演算導出する第一モデル演算部と、前記ゴミ質に対応する前記供給空気量を用いたモデルに従って前記火床分割領域上の累積ゴミの燃焼量を演算導出する第二モデル演算部と、前記第一演算手段、前記第二演算手段、前記第三演算手段、前記第一モデル演算部、前記第二モデル演算部夫々の演算結果に基づき前記火床分割領域から前記ストーカ機構のゴミ搬送方向下流側への排出ゴミ量を演算導出する第四演算手段とを設けて、前記燃焼演算部を、前記演算導出したゴミ供給量とゴミ搬送速度と供給空気量と排出ゴミ量とから、請求項1記載のゴミ燃焼量推定方法によって前記各火床分割領域上のゴミの燃焼量を演算導出可能に構成してある点にある。
【0007】
尚、本発明の模擬焼却炉を、請求項に記載の如く、前記第特徴構成において、第一モデル演算部を、前記火床分割領域上のゴミ平均燃焼量(D)が、前記火床分割領域上のゴミの表面温度(T)に対して、予め求められた定数(α,n)を用いた式
=αT
に基づき、火床分割領域上の累積ゴミの燃焼量を演算導出するように構成するとともに、第二モデル演算部を、前記火床分割領域上のゴミ平均燃焼量(D)が、前記火床分割領域への供給空気量(Q)に対して、予め求められた定数(β,γ)を用いた式
=βQ+γ
に基づき、前記火床分割領域上の累積ゴミの燃焼量を演算導出するように構成(第特徴構成)してあればなおよく、請求項に記載の如く、前記第特徴構成又は第特徴構成における模擬演算手段に、ゴミ質に対して標準発熱量を設定する第一設定手段と、火床上のゴミの上限燃焼発熱量を設定する第二設定手段と、燃焼演算部からの演算結果と前記第一設定手段に設定された標準発熱量とから火床分割領域上のゴミの燃焼発熱量を求める燃焼発熱演算部と、前記燃焼発熱演算部で求めた燃焼発熱量と、前記第二設定手段に設定された上限燃焼発熱量とを比較する比較手段とを設けて、模擬演算手段を、前記第特徴構成のゴミ燃焼量推定方法によって、前記火床分割領域上のゴミの燃焼量を演算導出可能に構成(第7特徴構成)してあればさらによい。
【0008】
〔特徴構成の作用効果〕
上記第1特徴構成によれば、単純なモデルを用いながら、可動式火床への供給ゴミ量、下流側への排出ゴミ量の変化にも対応可能に、可動式火床上の累積ゴミの燃焼量を簡単に、且つ迅速の推定できるようになる。つまり、火床をストーカ機構の搬送方向に、風箱毎に領域分割して火床分割領域を形成し、夫々に燃焼条件は異なるが、夫々温度分布の均一な前記各火床分割領域毎に定速度で累積ゴミが燃焼するものと仮定してあるので、夫々の火床分割領域毎に時間経過とともに燃焼するゴミの平均燃焼量を把握でき、各風箱からの供給空気量の変化に応じて変化する累積ゴミの燃焼量の変化を推定することが容易となる。
従って、夫々の風箱に対応する火床分割領域上でのゴミの平均燃焼量を算出することから、各風箱単位の火床分割領域上でのゴミの燃焼量を簡単に、且つ迅速に求められるようになり、この第1特徴構成のゴミ燃焼量推定方法によりゴミの燃焼量を推定するように第特徴構成の模擬焼却炉を構成してあることによって、ゴミ焼却炉の燃焼状態を模擬演算する演算手段を備えた模擬焼却炉にも遅れなく状態表示することが可能となる。つまり、計算規模が従来のものほど大きくなく、エンジニアリングワークステーション程度の規模の計算機で模擬焼却炉を構成することができるようになり、燃焼制御の訓練にも適用可能な程度に応答の早い模擬焼却炉が形成できるようになる。
その結果、前記第1特徴構成、第特徴構成何れによっても実際のゴミ焼却炉の操業に即した訓練が可能になる。さらに、例えば、ゴミ焼却炉の制御室にシミュレータを設けて、そのシミュレータを前記第1特徴構成によってゴミの燃焼量を推定させるようにし、現状のゴミ焼却炉の状態量を入力するとともに、操作量を入力すれば、その操作量の変更による状態変化を予測するのにも利用できるようになる。
【0009】
なお、前記第特徴構成によって、ゴミの燃焼量を迅速に、且つより正確に推定できるようになる。つまり、火床分割領域毎の燃焼条件を、累積ゴミの温度条件によってゴミの表面温度を用いたモデルとして線形式で与えるので、前記ゴミの表面温度を用いたモデルの演算時間は極めて短くできる。また、前記第特徴構成によっても、ゴミの燃焼量を迅速に、且つより正確に推定できるようになる。つまり、火床分割領域毎の燃焼条件を、累積ゴミの温度条件によって供給空気量を用いたモデルとして線形式で与えるので、前記供給空気量を用いたモデルの演算時間も極めて短くできる。従って、前記第特徴構成によれば、推定精度を高めながら、応答速度の早い模擬焼却炉を構成できるようになる。また、前記第特徴構成によって、例えば付設される廃熱ボイラによる排ガス温度条件が制限されるような場合にも適合可能に、ゴミの燃焼量を迅速且つ性格に推定することができ、この第特徴構成のゴミ燃焼量推定方法によりゴミの燃焼量を推定するように第特徴構成の模擬焼却炉を構成してあることによって、実炉に即した運転訓練手段とすることが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
上記本発明のゴミ燃焼量推定方法及びそれを用いた模擬焼却炉の実施の形態の一例について、以下に、図面を参照しながら説明する。尚、前記従来の技術において説明した要素と同じ要素並びに同等の機能を有する要素に関しては、詳細の説明の一部は省略する。
【0011】
本発明の模擬焼却炉は、例えば図2に示すような、ホッパ21から投入され、ゴミ供給手段22で押し込まれたゴミを乾燥する乾燥帯26Aと、乾燥されたゴミを燃焼させる燃焼帯26Bと、燃焼残渣を灰化させる後燃焼帯26Cとが、分割されたストーカ機構23で構成された火床26上に順次形成されたゴミ焼却炉を対象として模擬するもので、ゴミ焼却炉の運転訓練に好適に構成されたものである。図示のゴミ焼却炉においては、前記火床26に、クレーン機構20により前記ホッパ21に投入されたゴミを前記火床26に供給するゴミ供給手段22と、夫々のストーカ機構23の下方から風箱25を経て空気を供給する空気供給手段24と、前記火床26の上方にゴミが燃焼して火炎を形成する燃焼空間27から燃焼ガスを誘導排出する煙道28と、前記煙道28に排出された燃焼排ガスの熱を回収する廃熱ボイラ29とを備えており、このゴミ焼却炉を制御するための焼却炉制御装置30を併設してある。
【0012】
前記ストーカ機構23は、前記乾燥帯26Aを第1乾燥帯と第2乾燥帯とに領域分割して、各分割領域毎に第1乾燥帯ストーカ23Aと第2乾燥帯ストーカ23Bとを連設し、前記燃焼帯26Bを第1燃焼帯と、第2燃焼帯と、第3燃焼帯とに領域分割して、各分割領域毎に第1燃焼帯ストーカ23Cと、第2燃焼帯ストーカ23Dと、第3燃焼帯ストーカ23Eとを連設し、前記後燃焼帯26Cには後燃焼帯ストーカ23Fを設けて、夫々に前記風箱25を設けてある。上記分割されたストーカ機構23は、各別に前記焼却炉制御装置30から制御される。また、前記空気供給手段24の前記各風箱25への空気供給路24aには、夫々ダンパ機構24bを備えており、前記焼却炉制御装置30から個々にダンパ機構24bを制御して、各風箱25への供給空気量を個別に制御するようにしてある。さらに、前記供給空気量の全量を、前記空気供給手段24の押込送風機24cの回転数を調節して制御できるように構成してある。
【0013】
以下に一例として説明する運転訓練装置1を構成する模擬焼却炉には、図1に示すように、模擬焼却炉10への操作量を入力可能な操作量入力手段2を備えて、前記模擬焼却炉10の本体を模擬する運転訓練用プラントシミュレータとしての、前記焼却炉制御装置30を模擬した模擬演算手段3の燃焼演算部4への入力手段としてあり、前記模擬演算手段3は、ゴミ焼却炉内への前記ゴミ供給手段22からのゴミの供給と、前記ストーカ機構23のゴミ搬送と、前記ゴミ供給手段22により供給された可動式火床上のゴミの燃焼とを模擬演算して、前記ゴミ焼却炉のプロセスデータを出力可能に前記燃焼演算部4を構成してある。さらに、前記模擬焼却炉10は、前記操作量入力手段2から入力される操作量に基づく前記模擬演算手段3の演算結果を表示可能な、前記焼却炉制御装置30を模擬する出力手段9を備えている。
【0014】
前記ストーカ機構23を模擬する模擬ストーカ機構12は、前記ストーカ機構23と同様に分割構成されて第1模擬ストーカ12A、第2模擬ストーカ12B、第3模擬ストーカ12C、第4模擬ストーカ12D、第5模擬ストーカ12E、第6模擬ストーカ12Fが順次連設され、前記火床26を模擬する模擬火床13は、前記各模擬ストーカ12A,12B,12C,12D,12E,12F上に領域分割した火床分割領域13Aが形成されている。前記乾燥帯26Aを形成する前記第1模擬ストーカ12A上及び前記第2模擬ストーカ12B上の火床分割領域13Aにおけるゴミの乾燥に伴う減少についても燃焼と同様の挙動に基づいて減少するものとして、前記各模擬ストーカ12A,12B,12C,12D,12E,12F上の模擬火床13上のゴミの減少に関しては、同一の燃焼モデルによって燃焼により減少するものとして取り扱う。前記各風箱25を模擬する各模擬風箱14も、前記風箱25と同様に、前記各模擬ストーカ毎に分割して設けてある。
【0015】
前記操作量入力手段2は、前記模擬火床13への供給ゴミのゴミ質(例えば、2800kcal/kg の燃焼発熱量を基準とする上質ゴミ、2200kcal/kg の燃焼発熱量を基準とする標準ゴミ、1300kcal/kg の燃焼発熱量を基準とする低質ゴミに区分される。)と、前記火床26にゴミを供給するゴミ供給手段22を模擬する模擬給塵手段11の目標給塵速度と、前記火床分割領域13A夫々に対応する模擬ストーカ機構12の目標搬送速度と、前記各模擬風箱14への目標供給空気量等の操作量を夫々入力可能に構成してある。
【0016】
前記燃焼演算部4には、前記操作量入力手段2に入力された操作量から設定される夫々の目標値に基づいて、前記模擬給塵手段11からのゴミ供給量を演算導出する第一演算手段4aと、前記火床分割領域13A夫々の模擬ストーカ機構12のゴミ搬送速度を演算導出する第二演算手段4bと、前記空気供給手段24を模擬する模擬空気供給手段15からの前記火床分割領域13A夫々への供給空気量を演算導出する第三演算手段4cと、前記火床分割領域13Aから前記模擬ストーカ機構12の搬送方向下流側への排出ゴミ量を演算導出する第四演算手段4dとを設けて、各火床分割領域13Aにおける累積ゴミの減量及び残量を求めるように構成してある。
【0017】
また、前記模擬演算手段3に、前記模擬給塵手段11からの供給ゴミのゴミ質に対して標準発熱量を設定する(例えば、上質ゴミについては2800kcal/kg、標準ゴミについては2200kcal/kg、低質ゴミについては1300kcal/kgを、夫々設定する。)第一設定手段3aを設けて、前記第一演算手段4aと、前記第二演算手段4bと、前記第三演算手段4cの演算結果に基づいて、前記火床分割領域13A上の平均燃焼量(D)を、前記火床分割領域13Aのゴミの表面温度(T)に対するゴミの表面温度を用いたモデル
=αT(但し、n=0.5〜1とし、実炉のデータから推定する。)に代えて、前記ゴミの表面温度(T)がゴミの炉内滞留時間(t)に比例するとの仮定の下に、前記平均燃焼量(D)の前記炉内滞留時間(t)に対する式
=δt
として表される前記ゴミ質に対応するゴミの表面温度を用いたモデルに基づいて演算導出する第一モデル演算部5と、前記火床分割領域13A上の累積ゴミの前記火床分割領域13A内の平均燃焼量(D)を、前記火床分割領域13Aへの供給空気量(Q)に対する式
=βQ+γ
で表される前記ゴミ質に対応する供給空気量を用いたモデルに基づいて演算導出する第二モデル演算部6とを設け、前記第一モデル演算部5で演算導出した前記火床分割領域13A内の累積ゴミの平均燃焼量と、前記第二モデル演算部6で演算導出した平均燃焼量とを比較し、これらの平均燃焼量の少ない方をゴミ燃焼量として求めるように構成してある。尚、上記各定数(n,β,γ,δ)は、実炉の運転に際して得られたプロセスデータを基に算出し、平均燃焼量の算出に当たっては前記火床分割領域13A上の累積ゴミが均一に燃焼するものとして取り扱う。ここに、前記乾燥帯26Aにおけるゴミについては、供給空気量を用いたモデルに従うものとして取り扱う。
【0018】
そして前記第四演算手段4dを、前記第一演算手段4a、前記第二演算手段4b、前記第三演算手段4c、前記第一モデル演算部5、前記第二モデル演算部6夫々による演算結果に基づき、前記火床分割領域13Aから前記模擬ストーカ機構12のゴミ搬送方向下流側への排出ゴミ量を演算導出するように構成してある。尚、前記排出ゴミ量を算出するに当たっては、前記火床分割領域13A上の累積ゴミの平均燃焼量について、前記累積ゴミが、図3に示すように、前記模擬ストーカ機構12の搬送方向下流に向けて炉内滞留時間(t)に関して所定の線形関係式にもとづき減少した分布を示すものとして、前記火床分割領域13Aの入口に到達するまでの炉内滞留時間〔t=t〕(つまり、前記火床分割領域13A上の滞留時間〔t=0〕)から、前記火床分割領域13A上の残留ゴミの通過所要時間〔t=t〕に相当する炉内滞留時間〔t=t〕について求めた下流側端部の火床上局所ゴミ量を求めて、前記下流側端部の火床上局所ゴミ量を基準に所定時間内の排出ゴミ量を求めるようにしてある。つまり、前記火床分割領域13Aの入口に供給される供給ゴミ量(F)から前記通過所要時間〔t=t〕のゴミ燃焼量(D)を減じた量から排出ゴミ量(F)を求める。これを、図4に示すように、前記下流側端部の平均残留ゴミ量から火床分割領域13A上の前記通過所要時間〔t=t〕経過後の炉内滞留時間〔t=t〕に相当するゴミ燃焼量(L)を減じて排出ゴミ量(F)を求めるようにすれば、前記第四演算手段4dによって求めた単位時間あたりの排出ゴミ量がゼロとなる火床分割領域13Aを検出して、ゴミの燃切り点が位置する火床分割領域13Aを推定できる。
【0019】
また、前記燃焼演算部4に備える燃切り位置推定手段4eは、前記燃切り点が位置すると推定できた火床分割領域13Aについて、累積ゴミ量から平均燃焼量と排出ゴミ量とを減じて求めたゴミ残量につき、図3(ロ)に示すように、前記搬送方向下流に向けて前記所定の線形関係式にもとづき減少する分布を示すものとした、前記火床分割領域13A上の搬送方向局部における火床上局所ゴミ量を、前記下流側端部の平均残留ゴミ量から火床分割領域13A上の前記滞留時間(t)経過後の炉内滞留時間(t)に相当する局所ゴミ燃焼量(L)を減じて火床上局所ゴミ量(F)を算出し、前記火床上局所ゴミ量(F)がゼロになる、つまり、前記局所ゴミ燃焼量(L)が前記供給ゴミ量(F)に等しくなる前記火床分割領域13A上の滞留時間〔t=t〕を求めて、その炉内滞留時間〔t=tBO〕に相当する模擬ストーカ上の位置を主燃焼の完了した燃切り位置として推定するように構成し、推定した燃切り位置を前記燃焼演算部4から前記出力手段9に出力するように構成してある。
【0020】
さらに、前記模擬演算手段3には、前記模擬火床13上のゴミの上限燃焼発熱量を設定する第二設定手段3bとを設けてあり、前記燃焼演算部4からの演算結果と、前記ゴミ質に対応して前記第一設定手段3aに設定された標準発熱量とから、前記火床分割領域13A上のゴミの燃焼発熱量を求める燃焼発熱演算部7と、前記燃焼発熱演算部7で求めた燃焼発熱量と、前記第二設定手段3bに設定された上限燃焼発熱量とを比較する比較手段8とを設けて、前記燃焼発熱演算部7で求めた燃焼発熱量を前記上限燃焼発熱量に制限するようにしてある。前記上限燃焼発熱量は、ゴミ焼却炉の燃焼ガスの炉出口温度、火格子の温度制限等に基づいて設定する。
【0021】
このように、前記燃焼演算部4は、前記第一演算手段4aで演算導出するゴミ供給量と、前記第二演算手段4bで演算導出するゴミ搬送速度と、前記第三演算手段4cで演算導出する供給空気量とから、前記燃焼発熱演算部7で演算した前記火床分割領域13A上のゴミの燃焼発熱量と、前記第一モデル演算部5、前記第二モデル演算部6夫々の演算結果によって前記各火床分割領域13A上の累積ゴミの平均燃焼量とを演算導出し、これに基づいて、所定時間間隔毎に、前記火床分割領域13A上の累積ゴミ量に所定時間内の前記ゴミ供給量を加え、所定時間内の前記平均燃焼量及び前記排出ゴミ量を減じて、前記火床分割領域13A上のゴミ残量と、所定時間内のゴミの燃焼量を演算導出可能に構成してある。
【0022】
前記第一演算手段4aにおいては、前記操作量入力手段2から入力された目標給塵速度から前記模擬給塵手段11に設定する押込速度と押込動作の時間間隔(プッシャサイクル)を算出して、ゴミの移動の遅れも考慮に入れてゴミ焼却炉のゴミ供給手段22を構成するプッシャ機構の押込サイクルに応じて火床26に投入されるゴミの量を経験式に合わせて算出するようにしてあり、前記第二演算手段4bにおいては、前記操作量入力手段2から入力された目標搬送速度から前記模擬ストーカ機構12の可動火格子の移動速度と移動時間間隔(ストーカサイクル)を算出して、同様にゴミの移動の遅れも考慮に入れて前記ストーカ機構23の火格子駆動サイクルに応じて搬送されるゴミの搬送方向の移動速度を経験式に合わせて算出するようにしてある。さらに、前記第三演算手段4cは、前記操作量入力手段2から入力された目標空気供給量から、前記模擬空気供給手段15から前記模擬風箱14への空気供給量を算出して、前記空気供給手段24の押込送風機24cを駆動する電源周波数に応じた前記風箱25への供給空気量を、前記ダンパ機構24bの開度との関係で実機に合わせるように算出するようにしてある。尚、何れの演算手段においても、実際のゴミ焼却炉における応答遅れを加味した計算式を用いている。
【0023】
前記第四演算手段4dにおいては、前記第一演算手段4aで求めた単位時間当たりの供給ゴミ量が、前記第二演算手段4bで求めたゴミの移動速度で搬送方向に移動するものとして所定時間内の累積ゴミ量を求めて、上流側からの供給ゴミが移動の結果その火床分割領域13Aの代表位置(例えば前記火床分割領域13Aの中央)に集積されるものとして扱い、集積したゴミの総量を前記火床分割領域13A上の平均累積ゴミ量として算出する。この平均累積ゴミ量から前記両モデル演算部5,6の演算結果から求められる前記ゴミ燃焼量を減じて、前記火床分割領域13A上の平均残留ゴミ量として求め、前記ゴミ燃焼量について単位時間内当たりの減少量を算出し、前記下流側端部の局所ゴミ量について、前記局所のゴミの前記火床分割領域13Aにおける滞留時間(t)を算出して、燃焼量(D)を単位時間当たりに換算した量に乗じた量が前記局所ゴミ減少量(L)であるとする、前記火床分割領域13Aの搬送方向の上流側端部からの距離に関する線形近似式を適用して、図4に示すように、前記火床分割領域13Aの入口に供給される供給ゴミ量(F)から、平均残留ゴミ量に基づいて求めた前記下流側端部の減少量(L)、即ち火床分割領域13A上の滞留時間(t)の最大時間〔t=t〕における減少量(L)を減じて排出ゴミ量(F)を求めるようにしてある。
【0024】
前記出力手段9には、実際のゴミ焼却炉の焼却炉制御装置30と同様に構成された表示画面が用意されており、操作画面、状態モニタ画面、プロセスデータのトレンド表示画面等の他に、炉内燃焼状況等の場内監視カメラの撮影する映像を表示するモニタ画面を模擬して、実際の画像を圧縮画像データに変換して記憶させてたサンプル画像の中から抽出して表示する模擬監視画面も用意されている。
【0025】
尚、前記供給空気量を用いたモデルは、ゴミを、形状を特定しないゴミ素片の集合であるとして捉え、各ゴミ素片が供給空気に均一に接触して燃焼するものとし、図5に示す燃焼速度とゴミの表面温度(T)との関係を簡素化して、火床分割領域13Aへの供給空気量中の全ての酸素がゴミの燃焼に消費されるものとして構成したもので、ゴミの温度を一定として、ゴミの燃焼量は、供給空気量のみに依存するものとしてある。そして、ゴミが完全に燃焼するのに要する酸素量(即ち理論空気量)は、ゴミ質毎に与えられる低位発熱量を基に、前記低位発熱量に関する線形近似式を導出して求め、前記理論空気量に模擬火床13上のゴミの総量を乗じて所要空気量を求めて、模擬風箱14から供給する一次空気供給量と燃焼帯側壁の空気冷却壁からの冷却用空気との総量を前記所要空気量で除した値を、模擬火床13上のゴミの燃焼した割合(即ちゴミ燃焼量)を求めるようにしてある。先述のように、火床分割領域13A上では、累積ゴミが代表位置に集積されて燃焼するとしているので、上記のようにゴミの温度を一定としてあるので、図5の横軸を炉内滞留時間(t)に置き換えて簡素化すれば図6に示すような関係線図が求められる。しかし、炉内滞留時間(t)に伴いゴミの温度は上昇するので、搬送方向に、前記火床分割領域13A毎に単位時間当たりのゴミ燃焼量は変化することになる。上記モデルによって求めた供給空気量支配下のゴミの燃焼量(D)は、炉内滞留時間(t)に対して図7に示すようになる。
【0026】
以上のように模擬焼却炉10を構成してあるので、模擬火床13(従って火床26)上のゴミ燃焼量を容易に知ることができるようになり、前記操作量入力手段2からの、模擬給塵手段11からの給塵速度、模擬ストーカ機構12の搬送速度、模擬火床13への供給空気量等の操作量入力に応じて、前記廃熱ボイラ29を模擬する模擬ボイラ16からの蒸気発生量、発生蒸気の蒸気温度、模擬火床13上のゴミ燃焼量と燃切り位置等の各プロセスデータを前記出力手段9に出力できるようになっている。従って、前記操作量入力手段2に特定の操作量を入力することにより、あたかも実際のゴミ焼却炉を制御しているかの如くにプロセスデータが前記出力手段9に出力されるので、運転訓練には好適な運転訓練用シミュレータを構成することができる。尚、上記模擬焼却炉10においては、先述のように、モデルを線径近似式で構成してあるので、計算量が少ないため、1秒間隔でプロセスデータを更新出力できるから、実際のゴミ焼却炉を制御操作しているのと異ならない応答が得られる。従って、異常状態の訓練の用に、実炉では経験することが困難な状態を現出して、異常対処の訓練をすることも可能になっている。
【0027】
次に、本発明の他の実施の形態について説明する。
〈1〉上記実施の形態に於いては、各ストーカ機構23に風箱25を設けたゴミ焼却炉を対象とした模擬焼却炉の例を示したが、前記風箱25は、ストーカ機構23毎に設けてあるものに限らず、ストーカ機構に対して複数の風箱が設けられていてもよく、逆に風箱に対して複数のストーカ機構を備えたゴミ焼却炉を対象とするものであってもよい。また、火床分割領域13Aを、前記風箱25を単位として形成するようにしたが、前記ストーカ機構23の搬送方向にさらに細分して形成するようにしてあってもよく、前記火床分割領域13Aを細分すれば、ゴミ燃焼量をさらに実炉に近づけて推定することが可能となる。
〈2〉上記実施の形態に於いては、模擬給塵手段11から供給されるゴミのゴミ質を、上質、標準、低質の3通りに分類して処理する例を示したが、前記ゴミ質の分類は任意であり、夫々のゴミの燃焼発熱量につき、標準発熱量を設定可能であればよい。
〈3〉上記実施の形態に於いては、模擬演算手段3に、燃焼演算部4と、第一モデル演算部5と、第二モデル演算部6と、燃焼発熱演算部7と、比較手段8とを夫々独立に備え、さらに、第一設定手段3aと、第二設定手段3bとを設けてある例を示したが、これらのうちの一部は併合されていてもよく、例えば、模擬ストーカ機構として前記燃焼演算部4と、前記第一モデル演算部5と、前記第二モデル演算部6と、前記燃焼発熱演算部7との機能を備えた手段を設けてあってもよく、要するに、これらの各手段、各部の機能を前記模擬演算手段3に備えるようにしてあればよい。また、これらのうちの一部又は全てが前記模擬演算手段3から独立して設けてあってもよい。尚、模擬演算手段3の機能を前記火床分割領域13A上のゴミの燃焼量を出力するのみに制限して、前記燃焼発熱演算部7を省略することも可能である。
〈4〉上記実施の形態に於いては、ゴミの表面温度を用いたモデルに、ゴミの表面温度(T)に代えてゴミの炉内滞留時間(t)に関する線形近似式を与えて構成した例を示したが、前記ゴミの表面温度(T)に関する線形近似式を与えて構成してあってもよく、また、前記炉内滞留時間(t)に関する非線形近似式を与えて構成してあってもよい。つまり、前記ゴミの表面温度(T)が前記炉内滞留時間(t)に関係すると同時に、炉内の環境温度の影響も考慮に入れた近似式を与えるようにしてあってもよい。
〈5〉上記実施の形態に於いては、供給空気量を用いたモデルを、供給空気量(Q)のみに関する線形近似式を与えて構成した例を示したが、前記供給空気量(Q)とゴミの炉内滞留時間(t)とに関する線形近似式を与えるようにしてあってもよい。
〈6〉上記実施の形態に於いては、累積ゴミが火床分割領域13A上の代表位置に集積されて燃焼するとして取り扱う例を示したが、前記火床分割領域13A上の全長にわたって分布するようにして累積ゴミの燃焼を取り扱うようにしてあってもよく、この場合、前記火床分割領域13A上のゴミの局部燃焼量を、例えばゴミの炉内滞留時間(t)に関する近似式で与えるように構成してあれば、ゴミが火床26上で移動しながら燃焼するとするモデルを構築することも可能で、排出ゴミ量を同時に求めることも可能となる。
〈7〉上記実施の形態に於いては、第四演算手段4dを、累積ゴミが、模擬ストーカ機構12の搬送方向下流に向けて炉内滞留時間(t)に関して所定の線形関係式にもとづき減少した分布を示すものとして、前記火床分割領域13Aの入口に到達するまでの炉内滞留時間〔t=t〕から、前記火床分割領域13A上の残留ゴミの通過所要時間〔t=t〕に相当する炉内滞留時間〔t=t〕について求めた下流側端部の火床上局所ゴミ量を求めて、前記下流側端部の火床上局所ゴミ量を基準に所定時間内の排出ゴミ量を求めるように構成してある例を示したが、上記〈6〉のように構成してあれば、所定時間内の累積ゴミの平均燃焼量を求めて、これに伴うゴミの減少量を、前記所定時間の累積ゴミ量の初期値から減じて排出ゴミ量を求めるようにしてもよく、上記第四演算手段4dにおける演算によらずに排出ゴミ量を求めることが可能である。尚、このように構成すれば、燃切り位置推定手段4eを省略可能である。
〈8〉上記実施の形態に於いては、模擬火床13上のゴミに上限燃焼発熱量を設定する例を示したが、前記上限燃焼発熱量を設定しないで累積ゴミの平均燃焼量を求めるように構成してあってもよい。また、前記上限燃焼発熱量をゴミの表面温度を用いたモデルに設定するように構成してもよい。
【0028】
尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の模擬焼却炉の一例に基づきゴミ燃焼量推定方法を説明する説明図
【図2】本発明のゴミ燃焼量推定方法を適用するゴミ焼却炉の一例の説明図
【図3】ゴミの減少量算出の説明図
【図4】ゴミ燃焼量算出の原理を説明する原理説明図
【図5】ゴミの燃焼過程の説明用線図
【図6】本発明のモデルによる炉内のゴミの燃焼量推定用線図
【図7】供給空気量を用いたモデルにより推定した炉内のゴミの燃焼量を示す説明用線図
【図8】従来のゴミの燃焼過程推定の説明図
【符号の説明】
2 操作量入力手段
3 模擬演算手段
3a 第一設定手段
3b 第二設定手段
4 燃焼演算部
4a 第一演算手段
4b 第二演算手段
4c 第三演算手段
4d 第四演算手段
5 第一モデル演算部
6 第二モデル演算部
7 燃焼発熱演算部
8 出力手段
13A 火床分割領域
22 ゴミ供給手段
23 ストーカ機構
26 火床
26A 乾燥帯
26B 燃焼帯
26C 後燃焼帯

Claims (8)

  1. 投入されたゴミを乾燥する乾燥帯(26A)と、乾燥されたゴミを燃焼させる燃焼帯(26B)と、燃焼残渣を灰化させる後燃焼帯(26C)とがストーカ機構(23)で構成された火床(26)上に順次形成されたゴミ焼却炉のゴミ燃焼量推定方法であって、
    前記ストーカ機構(23)上の火床(26)は、搬送方向に前記ストーカ機構(23)の下方に設けられた風箱を単位として領域分割され火床分割領域(13A)を形成し
    前記火床分割領域(13A)上の累積ゴミの平均燃焼量を、ゴミの炉内滞留時間によって決まるゴミの表面温度を用いたモデルから演算導出した平均燃焼量と、前記火床分割領域(13A)への供給空気量を用いたモデルから演算導出した平均燃焼量とを比較し、このうちの少ない方を選択することにより求め、ここで、前記平均燃焼量は、炉内滞留時間のうち所定時間あたりの、燃焼によってゴミが減少した量であり、
    予め前記平均燃焼量に対して、前記火床(26)上のゴミの燃焼の限界として設定される上限燃焼量を設定して、
    求めたゴミの平均燃焼量が前記上限燃焼量を超える場合には、この上限燃焼量を前記火床分割領域(13A)上の累積ゴミの平均燃焼量として決定し
    前記決定した火床分割領域(13A)上の累積ゴミの平均燃焼量から、前記ゴミ焼却炉におけるゴミ燃焼量を求めるゴミ燃焼量推定方法。
  2. 上流側の火床分割領域(13A)からのゴミ供給量と、前記火床分割領域(13A)上の累積ゴミの平均燃焼量とから、所定の関係式に基づいて、前記火床分割領域(13A)から下流側に排出されるゴミ排出量を求め、
    前記求めたゴミ排出量を、下流側の火床分割領域(13A)へのゴミ供給量とする請求項1に記載のゴミ燃焼量推定方法。
  3. 前記ゴミの表面温度を用いたモデルは、前記火床分割領域(13A)上のゴミ平均燃焼量(D)が、前記火床分割領域(13A)上のゴミの表面温度(T)に対して、予め求められた定数(α,n)を用いた式
    =αT
    で表現されるものである請求項1または2に記載のゴミ燃焼量推定方法。
  4. 前記供給空気量を用いたモデルは、前記火床分割領域(13A)上のゴミ平均燃焼量(D)が、前記火床分割領域(13A)への供給空気量(Q)に対して、予め求められた定数(β,γ)を用いた式
    =βQ+γ
    で表現されるものである請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴミ燃焼量推定方法。
  5. 前記搬送方向上流側からの供給ゴミのゴミ質に対して夫々標準燃焼発熱量を設定して、
    前記平均燃焼量に対して、前記ゴミ質に対して設定した標準発熱量に基づいて、前記火床分割領域(13A)上のゴミの燃焼発熱量を求め、
    前記求めた燃焼発熱量が、予め前記火床(26)上のゴミの燃焼の限界として設定した上限燃焼発熱量を超える場合には、この上限燃焼量を前記火床分割領域(13A)上の累積ゴミの平均燃焼量として決定し
    前記燃焼発熱量に基づいて時間当たりのゴミの燃焼量を求める請求項1〜4の何れか1項に記載のゴミ燃焼量推定方法。
  6. 投入されたゴミを乾燥する乾燥帯(26A)と、乾燥されたゴミを燃焼させる燃焼帯(26B)と、燃焼残渣を灰化させる後燃焼帯(26C)とが、分割されたストーカ機構(23)で構成された火床(26)上に順次形成されたゴミ焼却炉について、
    操作量を入力可能な操作量入力手段(2)と、
    供給された可動式火床上のゴミの燃焼と、前記ストーカ機構(23)のゴミ搬送とを模擬演算して、
    前記ゴミ焼却炉のプロセスデータを出力可能に構成してある燃焼演算部(4)とを備えるように構成した模擬演算手段(3)と、
    前記操作量入力手段(2)からの入力操作量により、前記模擬演算手段(3)の前記ゴミ焼却炉を模擬した演算結果を表示可能な出力手段(9)を設けてある模擬焼却炉であって、
    前記操作量入力手段(2)を、
    前記火床(26)への供給ゴミのゴミ質と、
    前記火床(26)にゴミを供給するゴミ供給手段(22)の目標給塵速度と、
    前記火床(26)を前記ストーカ機構(23)の搬送方向に領域分割した火床分割領域(13A)夫々における前記ストーカ機構(23)の目標搬送速度と、
    前記各火床分割領域(13A)に対する目標供給空気量とを夫々入力可能に構成し、
    前記燃焼演算部(4)に、
    前記操作量入力手段(2)に入力された操作量の夫々の目標値に基づいて、
    前記ゴミ供給手段(22)からのゴミ供給量を演算導出する第一演算手段(4a)と、
    前記火床分割領域(13A)夫々のストーカ機構(23)のゴミ搬送速度を演算導出する第二演算手段(4b)と、
    前記火床分割領域(13A)夫々への供給空気量を演算導出する第三演算手段(4c)とを設けるとともに、
    前記模擬演算手段(3)に、
    前記第一演算手段(4a)と、前記第二演算手段(4b)と、前記第三演算手段(4c)の演算結果に基づいて、
    前記ゴミ質に対応する前記ゴミの表面温度を用いたモデルに従って前記火床分割領域(13A)上の累積ゴミの燃焼量を演算導出する第一モデル演算部(5)と、
    前記ゴミ質に対応する前記供給空気量を用いたモデルに従って前記火床分割領域(13A)上の累積ゴミの燃焼量を演算導出する第二モデル演算部(6)と、
    前記第一演算手段(4a)、前記第二演算手段(4b)、前記第三演算手段(4c)、前記第一モデル演算部(5)、前記第二モデル演算部(6)夫々の演算結果に基づき前記火床分割領域(13A)から前記ストーカ機構(23)のゴミ搬送方向下流側への排出ゴミ量を演算導出する第四演算手段(4d)とを設けて、
    前記燃焼演算部(4)を、
    前記演算導出したゴミ供給量とゴミ搬送速度と供給空気量と排出ゴミ量とから、請求項1または2に記載のゴミ燃焼量推定方法によって前記各火床分割領域(13A)上のゴミの燃焼量を演算導出可能に構成してある模擬焼却炉。
  7. 前記第一モデル演算部(5)を、前記火床分割領域(13A)上のゴミ平均燃焼量(D)が、前記火床分割領域(13A)上のゴミの表面温度(T)に対して、予め求められた定数(α,n)を用いた式
    =αT
    に基づき、前記火床分割領域(13A)上の累積ゴミの燃焼量を演算導出するように構成するとともに、
    前記第二モデル演算部(6)を、前記火床分割領域(13A)上のゴミ平均燃焼量(D)が、前記火床分割領域(13A)への供給空気量(Q)に対して、予め求められた定数(β,γ)を用いた式
    =βQ+γ
    に基づき、前記火床分割領域(13A)上の累積ゴミの燃焼量を演算導出するように構成してある請求項6に記載の模擬焼却炉。
  8. 前記模擬演算手段(3)に、
    前記ゴミ質に対して標準発熱量を設定する第一設定手段(3a)と、
    前記火床(26)上のゴミの上限燃焼発熱量を設定する第二設定手段(3b)と、
    前記燃焼演算部(4)からの演算結果と前記第一設定手段(3a)に設定された標準発熱量とから前記火床分割領域(13A)上のゴミの燃焼発熱量を求める燃焼発熱演算部(7)と、
    前記燃焼発熱演算部(7)で求めた燃焼発熱量と、前記第二設定手段(3b)に設定された上限燃焼発熱量とを比較する比較手段(8)とを設けて、
    前記模擬演算手段(3)を、
    請求項5に記載のゴミ燃焼量推定方法によって、前記火床分割領域(13A)上のゴミの燃焼量を演算導出可能に構成してある請求項6または7に記載の模擬焼却炉。
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