JP2000233413A - 光学部品用金型とその製造方法および光学部品用金型を用いた光学部品の製造方法、それらによる光ヘッド装置 - Google Patents

光学部品用金型とその製造方法および光学部品用金型を用いた光学部品の製造方法、それらによる光ヘッド装置

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JP2000233413A
JP2000233413A JP3808499A JP3808499A JP2000233413A JP 2000233413 A JP2000233413 A JP 2000233413A JP 3808499 A JP3808499 A JP 3808499A JP 3808499 A JP3808499 A JP 3808499A JP 2000233413 A JP2000233413 A JP 2000233413A
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Japan
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mold
fine shape
optical component
coating layer
optical
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Motoharu Ono
元治 大野
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続して2P法で成形する場合でも、金型の
微細形状部の劣化を防止でき、耐久性の高い高精度の金
型と、その金型の製造方法と、その金型を用いた光学部
品の製造方法を提供すること。 【解決手段】 被加工体を所定の微細形状に成形する光
学部品用金型で、金型1a、1b、1c、1dの微細形
状部3以外の加工面2には硬質金属のコーティング層4
を成形する被加工体に応じた膜厚で形成する。また、こ
の金型1a、1b、1c、1dを用いて光学部品を成形
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は情報機器等に用いら
れているプラスチック製のレンズや回折素子等の光学部
品を成形する金型と、その金型の製造方法と、その金型
を用いた光学部品の製造方法に関し、特に2P(Pho
topolymerization)法を用いる際に使
用する金型と、その金型の製造方法と、その金型を用い
て光学部品を製造する製造方法と、それらによる光ヘッ
ド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、プラスチックレンズ等の光学部
品を、金型を用いて成形する製造方法として2P法が広
く行なわれている。この2P法によるプラスチック光学
部品の製造方法について、以下に図面を参照して説明す
る。図13(a)〜(c)はその製造方法の概要を示す
工程図である。
【0003】すなわち、図13(a)に示すように金型
21は図示しない成形装置の上下動機構に連結して装着
され、また、金型21の加工面22には成形する光学部
品の仕様に対応した微細形状部23が形成されている。
【0004】一方、成形装置の金型21に対応する位置
には基台24が設けられている。この基台24の上面に
は被加工体が載置されている。この被加工体は活性エネ
ルギー線を透過する材質の基板25の表面に被加工部で
ある活性エネルギー線硬化樹脂26が所定位置に所定量
ずつディスペンサ等で供給されている。
【0005】金型21は、上下動機構によって下降し、
図13(b)に示すように基板25に密接して所定圧力
で基板25を押圧する。これに伴い金型21の微細形状
部23が基板25の表面上に供給されている活性エネル
ギー線硬化樹脂26を微細形状に成形する。この成形が
終了すると、基台24の裏面側に設けられた活性エネル
ギー線光源26が基台24の孔29を通過し、基板25
の裏面側から基板25を透過して紫外光を活性エネルギ
ー線硬化樹脂26に照射する。この照射を受けて活性エ
ネルギー線硬化樹脂26は微細形状部23で成形された
形状で硬化し形状が固定される。
【0006】活性エネルギー線硬化樹脂26が所定の形
状で硬化した後に、図13(c)に示すように金型21
は上下動機構によって上昇し基板25から離型する。同
時に活性エネルギー線硬化樹脂26も離型する。これに
より、基板25の表面上に所定形状に成形された活性エ
ネルギー線硬化樹脂26による所望の光学部品が製造さ
れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のような光学部品
の成形方法では、金型と基板との圧着状態を図14に示
すように、金型21には被加工体の基板25上の活性エ
ネルギー線硬化樹脂26を微細形状に成形する微細形状
部23を加工するための微細加工が可能な加工性と、成
形工程に応じてかかる負荷に耐える耐久性が必要であ
る。
【0008】微細形状の加工は金型材料を切削加工で行
う。この場合、材料としては加工上の制約から無酸素銅
のような軟らかい材料が適している。しかしながら、軟
らかな材料を用いた金型は、その表面が基板に圧着され
るため連続2P成形を繰返し行うと金型の表面が摩耗
し、金型の表面の平行度等の精度確保、と被加工体の膜
厚の管理が困難になる。そのため、2P成形法に用いる
金型は、成形時の型押圧応力と、離型時の型離型応力を
受け、繰返し使用に耐える耐久性が必要であるので、硬
質で耐摩耗性に優れた材料が求められる。
【0009】この相反条件を解決する手段として、無酸
素銅のような軟らかい材料の表面にコーティング処理を
施し、微細形状を有する金型の硬質化を行う場合があ
る。しかし、このコーティング処理は、コーティングに
よって微細形状の精度は劣化してしまい、精密な光学部
品の製造には不適である。
【0010】本発明はこれらの事情に基づいてなされた
もので、連続して2P法で成形する場合でも、金型の微
細形状部の劣化を防止でき、耐久性の高い高精度の金型
と、その金型の製造方法と、その金型を用いた光学部品
の製造方法とそれらによる光ヘッド装置を提供すること
を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明による手
段によれば、活性エネルギー線を透過する基板の表面に
供給されている活性エネルギー線硬化樹脂を、加工面に
形成された微細形状部によって被加工体を所定形状に成
形する光学部品用金型において、前記微細形状部以外の
前記加工面には、硬質金属のコーティング層が成形する
前記被加工体に応じた膜厚で形成されていることを特徴
とする光学部品用金型である。
【0012】また請求項2の発明による手段によれば、
活性エネルギー線を透過する基板の表面に供給されてい
る活性エネルギー線硬化樹脂を、加工面に形成された微
細形状部によって被加工体を所定形状に成形する光学部
品用金型において、前記加工面の前記微細形状部を含む
全面に硬質金属の第1コーティング層が形成され、さら
に前記微細形状部以外の前記第1コーティング層の上面
には硬質金属の第2コーティング層が形成されているこ
とを特徴とする光学部品用金型である。
【0013】また請求項3の発明による手段によれば、
前記活性エネルギー線は、紫外線であることを特徴とす
る光学部品用金型である。
【0014】また請求項4の発明による手段によれば、
前記微細形状部は、切削加工により形成されていること
を特徴とする光学部品用金型である。
【0015】また請求項5の発明による手段によれば、
前記各コーティング層は、クロームによって形成されて
いることを特徴とする光学部品用金型である。
【0016】また請求項6の発明による手段によれば、
前記微細形状部は、外周部に連続した樹脂を流動させる
溝が形成されていることを特徴とする光学部品用金型で
ある。
【0017】また請求項7の発明による手段によれば、
金型の加工面に被加工体の形状に応じた微細形状部を形
成し、この微細形状形成の後に少なくともこの微細形状
部をマスキングするマスキングし、このマスキングの後
に前記加工面に硬質金属を前記被加工体の所定厚さに合
わせたコーティング層を形成することを特徴とする光学
部品用金型の製造方法である。
【0018】また請求項8の発明による手段によれば、
金型の加工面に被加工体の形状に応じた微細形状部を形
成し、この微細形状形成の後にこの微細形状部を含む前
記加工面全体に硬質金属からなる第1コーティング層を
形成し、この第1コーティング層形成の後に少なくとも
この微細形状部をマスキングし、このマスキングの後に
前記加工面を前記第1コーティング層との膜厚の合計が
前記被加工体の所定部位の厚さに合わせた硬質金属から
なる第2コーティング層を形成することを特徴とする光
学部品用金型の製造方法である。
【0019】また請求項9の発明による手段によれば、
前記微細形状の形成では、前記微細形状の外周部に樹脂
流動溝を形成し、前記マスキングでは前記樹脂を流動さ
せる溝もマスキングすることを特徴とする光学部品用金
型の製造方法である。
【0020】また請求項10の発明による手段によれ
ば、上記金型を用いて製造することを特徴とする光学部
品の製造方法である。
【0021】また請求項11の発明による手段によれ
ば、光源と、この光源から出射される光ビームを光記録
媒体の記録面に照射し、かつ、前記記録面からの反射光
を通過させるための対物レンズと、前記反射光を検出す
るための光検出器と、前記光源と前記対物レンズとの間
に配置され、前記反射光を回折して前記光検出器へ導く
上記の光学部品の製造方法により成形されたホログラム
素子とを備えていることを特徴とする光ヘッド装置であ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。
【0023】図1は本発明の実施の形態にかかる光ディ
スク装置40の要部を示す平面図である。
【0024】光ディスク装置40のディスク回転駆動部
42には、基板厚みの異なる第1の光ディスク(DV
D)と第2の光ディスク(CD)とが選択的に搭載され
る。また、図1中43は光ヘッド装置を示している。
【0025】光ヘッド装置43は、搭載された光ディス
クの情報記録面に対して、レーザ光を照射する。光ヘッ
ド装置43は、搭載されたディスクの情報記録面に間隔
を置いて対向配置され、光ディスクのラジアル方向に沿
って往復移動自在(図示矢印W1、W2方向)に案内さ
れるようになっている。
【0026】光ヘッド装置43は、各光学部品を固定的
に保持しうるように光学ベース44を備えている。光学
ベース44には、半導体レーザ光(波長650nm)を
出力する光源、光検出器及びホログラム素子とが一体化
した光学モジュール45と、半導体レーザ光(波長78
0nm)を出力する光源、光検出器及びホログラム素子
とが一体化した光学モジュール46が設けられている。
さらに、光学ベース44上には、キューブ形のビームス
プリッタ47が設けられている。ビームスプリッタ47
は光学モジュール45からのレーザ光及び光学モジュー
ル46からのレーザ光を、往路の同一出力方向(対物レ
ンズ48)へ導き出力するものである。また、このビー
ムスプリッタ47は、同一出力方向から逆行してきた復
路の反射光を、波長選択性を有する膜からなるダイクロ
イックミラーで受けることによって、それぞれを射出し
た光学モジュール45、46側へ分岐して導くものであ
る。
【0027】このように構成された光ヘッド装置41
は、次のように動作する。すなわち、光学モジュール4
5から出力されたレーザ光は、ビームスプリッタ47を
通過し、コリメータレンズ(不図示)を通過し、反射ミ
ラー(不図示)により立ち上げられ、対物レンズ48を
通り、光ディスクの情報記録面にビームスポットを形成
する。また、光ディスクの情報記録面から反射された反
射光は、対物レンズ48、反射ミラー、コリメータレン
ズの復路を通り、ビームスプリッタ47に入射する。
【0028】ビームスプリッタ47では、逆行してきた
復路の反射光を、それぞれを射出した光学モジュール4
5又は光学モジュール46側へ導き、それぞれの光検出
器にレーザ光を導く。
【0029】図2は光学モジュール45の主たる構成を
示す斜視図である。レーザダイオード51から出射した
レーザ光は、ホログラム素子50を透過して進行する。
一方、光ディスクの情報記録面からの反射光は、ホログ
ラム素子50のホログラムパターン52により回折され
て光検出器53に入射する。ホログラムパターン52の
溝形状の形状精度によって、回折効率が大きく変わるの
で、これを高精度に成形することが、光ヘッド装置や光
ディスク装置の動作の安定性に大きく関わる。
【0030】次に本発明の光学部品用金型について図面
を参照して説明する。図3は本発明の第1の実施の形態
の例を示す金型の側面図である。
【0031】すなわち、無酸素銅が用いられている金型
1aの加工面2には、加工する部品の仕様に合わせた微
細形状部3が形成されている。また、加工面2の微細形
状部3以外の個所は、クローム等の硬質で耐磨耗性の優
れた金属によるコーティング層4が形成されている。ま
た、このコーティング層4の厚さは加工する光学部品の
所定個所の厚さと等しく設定されている。
【0032】したがって、金型1aは成形時に負荷のか
かる部分は硬質部材で強度と耐磨耗性が保たれており、
一方、成形時にあまり負荷はかからないが、加工精度が
要求される被加工体である活性エネルギー線硬化樹脂を
成形する微細形状部3は、精密な精度が保たれる。
【0033】図4は本発明の第2の実施の形態の例を示
す金型の側面図である。第1の実施の形態と同様に、無
酸素銅が用いられている金型1bは加工面2に加工する
部品の仕様に合わせた微細形状部3が形成されている。
また、微細形状部3を含む全面に0.05μm程度のク
ローム等の硬質で耐磨耗性の優れた金属による第1コー
ティング層5が形成されている。更に、加工面2の微細
形状部3以外の個所は、クローム等の硬質で耐磨耗性の
優れた金属による第2コーティング層6が形成されてい
る。この第1と第2コーティング層5、6の厚さを合わ
せた合計の厚さは、被加工体の仕様寸法である活性エネ
ルギー線硬化樹脂の厚さと等しく設定されている。
【0034】したがって、金型1bは活性エネルギー線
硬化樹脂を成形する微細形状部3は精密な精度が保た
れ、また、成形時に負荷のかかる部分は硬質部材で強度
と耐磨耗性が保たれており、成形時に第2コーティング
層6を基板に当接させて成形することにより、素子の厚
さを常に一定程度に保つようになるので成形が容易であ
る。
【0035】図5は本発明の上述の第1の実施の形態の
変形例を示す金型の平面図であり、図6は本発明の上述
の第2の実施の形態の変形例を示す金型の平面図であ
る。両図で共通して説明すると、金型1c、1dの中央
部には円形状の精密形状部が設けられ、この微細形状部
3の外周に沿って同心状の円形溝7が設けられている。
この円形溝7の外周側はそれぞれ外側へ延びた4本の直
線溝8が設けられている。
【0036】つまりこの形状の金型1c、1dによれ
ば、金型1c、1dの微細形状部3で活性エネルギー線
硬化樹脂を成形時に、活性エネルギー線硬化樹脂の量が
微細形状部3の容積よりも多い場合には、余分な活性エ
ネルギー線硬化樹脂が円形溝7から微細形状部3の外部
に流動するので、微細形状部3は常に適正な量の活性エ
ネルギー線硬化樹脂で満たされている。それにより、精
密な微細形状部3の成形が可能であるとともに、活性エ
ネルギー線硬化樹脂が載っている基板にかかる金型1
c、1dの押圧力が常に均一になり、良好な成形ができ
る。
【0037】次に上述の各金型1a、1b、1c、1d
の製造方法について説明する。
【0038】図7は本発明の第1の実施の形態で示した
金型1aの製造工程を説明する断面図で、まず、無酸素
材の中央部に加工する被加工体である光学部品の仕様に
合わせて微細形状部3を切削により形成する。次に、少
なくとも微細形状部3を覆うマスキング部材9を両面接
着テープ等により微細形状部3と中心を合わせ金型1に
貼付けてマスキングを行う。更に、マスキングが終了後
に、Cr等の硬質で耐摩耗性に優れた金属コーティング
施してコーティング層4を形成する。なお、コーテイン
グ層4の膜厚は被加工体である活性エネルギー線硬化樹
脂の膜厚と等しくするのが好ましいが、より薄くする場
合でも耐磨耗性には大きく影響しない。コーティング終
了後にマスキング部材9を除去し所定の金型1aを得
る。
【0039】図8は適正量の活性エネルギー線硬化樹脂
11を塗布した基板10に前述のコーティング層4を形
成した金型1aの圧着状態示す断面図で、基板10との
圧着面は金型1aのコーティング層4の面であり微細形
状部3は低粘性の活性エネルギー線硬化樹脂11が介在
するため圧着応力はコーティング層4の面に比べ非常に
小さく、圧着のダメージはほとんど受けないことから連
続の2P成形が可能となる。
【0040】次に、上述の第2の実施の形態で示した金
型1bの製造方法を図9に示す金型1bの断面図を参照
して説明する。まず、無酸素材の中央部に加工する光学
部品の仕様に合わせて微細形状部3を切削により形成す
る。次に、この微細形状部3を含む金型1bの全面に、
Cr等の硬質で耐摩耗性に優れた金属薄膜(膜厚が0.
05μm程)のコーテイングを行い第1コーティング層
5を形成する。この第1コーティング層5の形成後に少
なくとも微細形状部3以上を覆うマスキング部材9を両
面接着テープ等により微細形状部3と中心を合わせ金型
1に貼付ける。マスキングが終了後に、Cr等の硬質で
耐摩耗性に優れた金属をコーティングして第2コーティ
ング層6を形成する。ここで、第1と第2コーテイング
層5、6を合わせた全体の膜厚は活性エネルギー線硬化
樹脂11の膜厚と等し設定する。コーテイング終了後に
マスキング部材9を除去し所定の微細形状部3が形成さ
れた金型1bが製造できる。
【0041】この金型1bを、適正量の活性エネルギー
線硬化樹脂11を供給した基板10の表面に圧着し、活
性エネルギー線光源から紫外光を露光後に金型1bを基
板10から離型する2P成形を実施すると、前述のよう
に微細形状部3は圧着応力をほとんど受けなく、さらに
微細形状部3に第1コーティング層5が形成されている
ため離型応力による同部へのダメージも軽減できた、ま
た、第1コーティング層5は0.05μm程の薄膜であ
るため微細形状部3の精度劣化も実用上ほとんど支障の
ないレべルに押さえられることから、連続2P成形して
も良好な微細形状部3の転写精度を確保できる。
【0042】なお、金型1bの圧着応力の低減作用につ
いては第lの実施の形態に同じ作用が得られる 図10(a)、(b)は本発明の上述の第1の実施の形
態の変形例を示す金型1cの製造方法を説明する説明図
で、図10(a)はA−A′断面での断面図、図10
(b)は平面図である。
【0043】まず、無酸素材の中央部に加工する光学部
品の仕様に合わせて微細形状部3を切削により形成す
る。さらに、微細形状部3の外周部に樹脂逃げ用の円形
溝7とこの円形溝7に連通して金型1cの外周方向へ延
在する直線溝8を設ける。次に、微細形状部3以上と同
部の外側に設けたl個あるいは複数個の樹脂逃げ用の円
形溝7及び直線溝8を覆うマスキング部材9を両面接着
テープ等により微細形状部3と中心を合わせ金型1cに
貼付ける。マスキングが終了後にCr等の硬質で耐摩耗
性に優れた金属コーティングする。ここで、コーテイン
ク膜厚は被加工体である活性エネルギー線硬化樹脂11
の膜厚と等しくする。
【0044】コーティング終了後にマスキング部材9を
除去し所定の金型1cを得る。この金型1cを基板10
に圧着するときは、微細形状部3の円形溝7に加えてl
個あるいは複数個の樹脂逃げ用の直線溝8が形成されて
いるので、サブmm以下の樹脂11の供給量の管理が
不要になり、連続しての2P成形が可能となる。
【0045】図11(a)、(b)は本発明の上述の第
2の実施の形態の変形例を示す金型1dの製造方法を説
明する説明図で、図11(a)はA−A′断面での断面
図、図11(b)は平面図である。
【0046】まず、無酸素材の中央部に加工する光学部
品の仕様に合わせて微細形状部3を切削により形成す
る。次に、この微細形状部3を含む金型1dの全面にC
r等の硬質で耐摩耗性に優れた金属をコーティングして
第1コーティング層5を形成する。第1コーティング層
5の膜厚は0.05μm程度である。さらに、微細形状
部3の外周部に樹脂逃げ用の円形溝7とこの円形溝7に
連通して金型1dの外周方向へ延在する直線溝8を設け
る。次に、少なくとも微細形状部3以上と同部の外側に
設けたl個あるいは複数個の樹脂逃げ部を覆うマスキン
グ部材9を両面接着テープ等により微細形状部3中心を
合わせ金型1dに貼付ける。マスキングが終了後にCr
等の硬質で耐摩耗性に優れた金属をコーティングして第
2コーティング層6を形成する。ここで、コーテイング
層5、6の全体の膜厚は、被加工体である活性エネルギ
ー線硬化樹脂11の膜厚と等しくする。
【0047】コーテイング終了後にマスキング部材9を
除去し所定の金型1dを得る。この金型1dを用いて連
続の2P成形を行えば、微少量の塗布量管理が不要で良
好な微細形状部3の転写精度を確保できる。
【0048】次に、上述の実施の形態で製造された金型
1aを用いた光学部品の製造方法について、以下に図面
を参照して説明する。図12(a)〜(c)はその製造
方法の工程図である。
【0049】すなわち、図12(a)に示すように金型
1は図示しない成形装置の上下動機構に連結して装着さ
れ、また、金型1aには成形する光学部品の仕様に対応
した微細形状部3が形成されている、さらに、金型1a
の微細形状部3以外の個所にはCr等の硬質で耐摩耗性
に優れた金属をコーティング層4が形成されている。コ
ーテイング層4の膜厚は被加工体である活性エネルギー
線硬化樹脂11の膜厚と等しく設定されている。
【0050】一方、成形装置の金型1aに対応する位置
には基台12が設けられている。この基台12の上面に
は被加工体が載置されている。この被加工体は活性エネ
ルギー線を透光する材質の基板10の表面に被加工部で
ある活性エネルギー線硬化樹脂11が所定位置に所定量
ずつ図示しないディスペンサ等で供給されている。
【0051】金型1aは、図示しない成形装置の上下動
機構によって下降し、図12(b)で示すように基板1
0に密接して微細形状部3以外の個所のコーティング層
4が所定圧力で基板10を押圧する。同時に金型1aの
微細形状部3が基板10表面上に供給されている活性エ
ネルギー線硬化樹脂11を微細形状に合わせて成形す
る。この場合、コーティング層4の膜厚に合わせて、所
定仕様寸法通りの厚さに活性エネルギー線硬化樹脂11
も成形される。この成形が終了すると、基台12の裏面
側に設けられた活性エネルギー線光源13が基台12の
孔14を通過し、基板10の裏面側から基板10を透過
して紫外光を活性エネルギー線硬化樹脂11に照射す
る。この照射を受けて活性エネルギー線硬化樹脂11は
微細形状部3で成形された形状で硬化し形状が固定され
る。
【0052】活性エネルギー線硬化樹脂11が所定の形
状で硬化した後に、図12(c)に示すように金型1a
は上下動機構により上昇して基板10から離型し、同時
に活性エネルギー線硬化樹脂11も離型する。これによ
り、基板10表面上に所定形状に成形された活性エネル
ギー線硬化樹脂11による所望の光学部品が製造され
る。
【0053】なお、上述の実施の形態では金型1aとし
てコーティング層が1層のものを用いたが、図2に示す
ようにコーティング層が2層形成された金型1bを用い
たり、また、各々の金型1a、1bに図10(a)、
(b)又は図11(a)、(b)に示すように樹脂11
の逃げ部用の円形溝7や直線溝8が形成されている金型
1c、1dを用いても、同様な作用が得られる。
【0054】以上に述べたように本発明では、切削加工
により所定の微細形状部3を形成された金型1で、少な
くとも微細形状部3以上をマスキングし、その上から硬
質金属のコーティングの膜厚を被加工体である活性エネ
ルギー線硬化樹脂11の厚さ寸法と等しくなるようにコ
ーティング後、マスキングを除去した金型1aを用いる
ことにより、金型1aの圧着による微細形状部3への精
度劣化のない連続2P成形が可能になった。
【0055】また、同様に、切削加工より所定の微細形
状部3がされた金型1bで、硬質金属のコーティングに
より金型1b全面にごく薄い薄膜コーティングを施し、
微細形状部3以上をマスキングし硬質金属のコーティン
グにより第2層コーテイング層を形成し、これにより全
体膜厚を被加工体の仕様寸法に等しく設定しているの
で、活性エネルギー線硬化樹脂11は所定の寸法に成形
できる。マスキングを除去し完成して金型1bを用いる
ことにより、金型1bの圧着及び離型による微細形状部
3への精度劣化のない連続2P成形が可能になる。
【0056】また、上述の各金型1a、1bに、それぞ
れ、微細形状部3の外周に成形時の余分な樹脂11の逃
げ部として円形溝7や直線溝8を設ければ、基板10へ
の樹脂11の供給に際しての微少量の管理が不要で、金
型1c、1dの圧着による微細形状部3への精度劣化の
ない連続2P成形が可能になる。なお、この樹脂11に
逃げ部は、円形溝7や直線溝8に限らず、適宜、微細形
状部3の形状に合わせて樹脂11が流動しやすいように
設けることができる。
【0057】また、成形中に金型の表面状態が変動しな
いので、安定した品質のホログラム素子を提供すること
ができ、このようなホログラム素子を搭載した光ヘッド
装置は動作が安定している。
【0058】
【発明の効果】本発明の製造方法によるによるば高精度
で耐久性に優れた金型が得られる。また、本発明による
金型を用いて光学部品を製造すれば、光学部品の精度を
損なうことなく生産性の効率化、コスト低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる光ディスク装置の
要部を示す平面図。
【図2】光学モジュールの主たる構成を示す斜視図。
【図3】本発明の第1の実施の形態の例を示す金型の側
面図。
【図4】本発明の第2の実施の形態の例を示す金型の側
面図。
【図5】本発明の第1の実施の形態の変形例を示す金型
の平面図。
【図6】本発明の第2の実施の形態の変形例を示す金型
の平面図。
【図7】本発明の第1の実施の形態で示した金型の製造
工程を説明する断面図。
【図8】本発明の第1の実施の形態で示した金型の圧着
状態示す断面図。
【図9】本発明の第2の実施の形態で示した金型の断面
図。
【図10】本発明の第1の実施の形態の変形例を示す金
型の製造方法の説明図で、(a)はA−A′断面での断
面図、(b)はその平面図。
【図11】本発明の第2の実施の形態の変形例を示す金
型の製造方法の説明図で、(a)はA−A′断面での断
面図、(b)は平面図。
【図12】(a)〜(c)は本発明の金型を用いた光学
部品の製造方法の工程図。
【図13】(a)〜(c)は従来の金型を用いた光学部
品の製造方法の工程図。
【図14】従来の金型の側面図。
【符号の説明】
1a、1b、1c、1d、21…金型、2…加工面、3
…微細形状部、4…コーティング層、5…第1コーティ
ング層、6…第2コーティング層、7…円形溝、8…直
線溝、9…マスキング部材、10…基板、11…活性エ
ネルギー線硬化樹脂、43…光学ヘッド装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 11:00

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性エネルギー線を透過する基板の表面
    に供給されている活性エネルギー線硬化樹脂を、加工面
    に形成された微細形状部によって被加工体を所定形状に
    成形する光学部品用金型において、 前記微細形状部以外の前記加工面には、硬質金属のコー
    ティング層が成形する前記被加工体に応じた膜厚で形成
    されていることを特徴とする光学部品用金型。
  2. 【請求項2】 活性エネルギー線を透過する基板の表面
    に供給されている活性エネルギー線硬化樹脂を、加工面
    に形成された微細形状部によって被加工体を所定形状に
    成形する光学部品用金型において、 前記加工面の前記微細形状部を含む全面に硬質金属の第
    1コーティング層が形成され、さらに前記微細形状部以
    外の前記第1コーティング層の上面には硬質金属の第2
    コーティング層が形成されていることを特徴とする光学
    部品用金型。
  3. 【請求項3】 前記活性エネルギー線は、紫外線である
    ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の光
    学部品用金型。
  4. 【請求項4】 前記微細形状部は、切削加工により形成
    されていることを特徴とする請求項1又は請求項2のい
    ずれかに記載の光学部品用金型。
  5. 【請求項5】 前記各コーティング層は、クロームによ
    って形成されていることを特徴とする請求項1又は請求
    項2のいずれかに記載の光学部品用金型。
  6. 【請求項6】 前記微細形状部は、外周部に連続した樹
    脂を流動させる溝が形成されていることを特徴とする請
    求項1又は請求項2のいずれかに記載の光学部品用金
    型。
  7. 【請求項7】 金型の加工面に被加工体の形状に応じた
    微細形状部を形成し、この微細形状形成の後に少なくと
    もこの微細形状部をマスキングするマスキングし、この
    マスキングの後に前記加工面に硬質金属を前記被加工体
    の所定厚さに合わせたコーティング層を形成することを
    特徴とする光学部品用金型の製造方法。
  8. 【請求項8】 金型の加工面に被加工体の形状に応じた
    微細形状部を形成し、この微細形状形成の後にこの微細
    形状部を含む前記加工面全体に硬質金属からなる第1コ
    ーティング層を形成し、この第1コーティング層形成の
    後に少なくともこの微細形状部をマスキングし、このマ
    スキングの後に前記加工面を前記第1コーティング層と
    の膜厚の合計が前記被加工体の所定部位の厚さに合わせ
    た硬質金属からなる第2コーティング層を形成すること
    を特徴とする光学部品用金型の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記微細形状の形成では、前記微細形状
    の外周部に樹脂流動溝を形成し、前記マスキングでは前
    記樹脂を流動させる溝もマスキングすることを特徴とす
    る請求項7または請求項8のいずれかに記載の光学部品
    用金型の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項6に記載のいずれ
    かの金型を用いて製造することを特徴とする光学部品の
    製造方法。
  11. 【請求項11】 光源と、この光源から出射される光ビ
    ームを光記録媒体の記録面に照射し、かつ、前記記録面
    からの反射光を通過させるための対物レンズと、前記反
    射光を検出するための光検出器と、前記光源と前記対物
    レンズとの間に配置され、前記反射光を回折して前記光
    検出器へ導く請求項7乃至10のいずれかに記載の光学
    部品の製造方法により成形されたホログラム素子とを備
    えていることを特徴とする光ヘッド装置。
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