JP2000233199A - 水浄化処理装置 - Google Patents

水浄化処理装置

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JP2000233199A
JP2000233199A JP11034744A JP3474499A JP2000233199A JP 2000233199 A JP2000233199 A JP 2000233199A JP 11034744 A JP11034744 A JP 11034744A JP 3474499 A JP3474499 A JP 3474499A JP 2000233199 A JP2000233199 A JP 2000233199A
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water
treatment tank
filled
tank
treated
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JP11034744A
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English (en)
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Yuri Kariya
由利 苅谷
Miyako Ikemoto
都 池本
Shingoro Nagamori
新五郎 永森
Yoshiko Nagamori
佳子 永森
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Toyo Giken Co Ltd
Kit KK
Original Assignee
Toyo Giken Co Ltd
Kit KK
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  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高負荷状態から低負荷状態までの処理対象水
に対し、比較的簡易な設備により適宜対応して浄化処理
が可能である水浄化処理装置を提供する。 【解決手段】 処理対象水中の浮遊物と沈殿物との分離
及びSS除去のための炭素系ろ材8が充填され、油脂成
分を吸収除去する木質材9が充填された前処理槽2と、
処理対象水中の窒素及び燐を除去するための植物13を
植生した植生処理槽4と、Ca、Fe、Al、Mgのう
ち少なくとも一種以上の元素と炭素とを含有してなる脱
燐材14が充填されるとともに電極15を備え、電極1
5を介して脱燐材14を通電するようにした燐化合物生
成室16及び、生成した燐化合物を除去するための燐除
去ろ材17が充填された燐化合物除去室19からなる脱
燐処理槽5と、を上流側から順に備えてなるものとし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川等の水質汚染
を引き起こす排水を浄化処理するための水浄化処理装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、生活排水、畜産排水、食品工
業排水をはじめとした有機物を多量に含む排水に対して
は、種々の浄化処理を行うことによって河川等の水質保
全が行われている。しかしながら、急速な技術開発や人
間活動の広範囲化の結果、これらの排水が、さらに河川
水質の富栄養化を促進し、依然として自然環境に大きな
影響を及ぼしており、我が国の河川水質汚染は止めども
なく進行している状態にあることは周知の事実である。
【0003】このような河川水質の汚染防止対策として
は、排水が河川等へ流入する前に、排水中の過剰な状態
で含まれている有機物、窒素、燐などを予め除去し、河
川等に流出させることで行われている。しかしながら、
この処理対象水となる排水は、その排水を生じる設備等
の種類に応じて、有機物の含有量などに関する質的な状
態や排水量等が異なり、その汚染状態は多種多様であ
る。また、特定箇所から定期的に流出する排水であって
も、その汚染状態が著しく変動することもあるため、一
様な浄化処理で、すべての排水に対応して浄化処理を行
うことは非常に困難なものである。例えば、畜産業関連
から生じるような排水は、非常に高い濃度の有機物を含
む高負荷排水であり、一般的な生活排水のような低負荷
排水と同様な浄化処理工程では対処できない。従って、
河川水質の汚染防止対策を行う場合には、処理対象水と
なる排水水質に個別的に対応して浄化処理を行わざるお
えないのが現状であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のような事情を背
景にして本発明はなされたものであり、比較的簡易な設
備により所定の浄化処理を行うことで高負荷状態から低
負荷状態までの処理対象水に対し、適宜対応して浄化処
理が可能である水浄化処理装置を提供せんとするもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明では、処理対象水中の浮遊物と沈殿物との
分離及びSS除去のための炭素系ろ材が充填されるとと
もに油脂成分を吸収除去する木質材が充填された前処理
槽と、処理対象水中の窒素及び燐を除去するための植物
を植生した植生処理槽と、Ca、Fe、Al、Mgのう
ち少なくとも一種以上の元素と炭素とを含有してなる脱
燐材が充填されるとともに電極を備え、そして、該電極
を介して脱燐材を通電するようにした燐化合物生成室及
び、生成した燐化合物を除去するための燐除去ろ材が充
填された燐化合物除去室からなる脱燐処理槽と、を上流
側から順に備えてなる水浄化処理装置とした。
【0006】この請求項1に記載する水浄化処理装置
は、比較的水量が少ない処理対象水に対して、高負荷状
態のものから低負荷状態のものに幅広く対応できるもの
である。請求項1に記載する水浄化処理装置は、前処理
槽、植生処理槽、脱燐処理槽という、比較的簡易な構成
による3つの処理槽を基本としており、それぞれ次のよ
うな浄化処理を行うものである。
【0007】まず、前処理槽では、処理対象水中の比較
的大きめな浮遊物の浮上分離及び土砂などの無機物を沈
降分離し、SS(懸濁物質)を濾過して除去するもの
で、さらに処理対象水中の油脂成分を除去するものであ
る。そのため、前処理槽には、炭素系ろ材と油脂成分吸
収除去用の木質材とが充填されている。
【0008】この前処理槽に充填される炭素系ろ材とし
ては、従来より使用されている木炭を用いてもよいが、
より好ましくは、炭素材と穀物廃材と固化材とから成形
したものを用いるほうがよい。炭素材と穀物廃材と固化
材とから成形した炭素系ろ材とは、炭素材としての木炭
と、穀物廃材としての籾殻、麦殻、籾殻燻炭、麦殻燻炭
のいずれか1つ以上とを含むように混合したものを、固
化材としてのセメント、アルギン酸、寒天、こんにゃ
く、CMC(カルボキシルメチルセルロース)などをよ
って、所定形状に成形して得られたものである。この炭
素材と穀物廃材と固化材とから成形した炭素系ろ材は、
SSの濾過除去のみならず、炭素系ろ材自体に住み着く
微生物によって有機物の分解や脱窒処理も行える。さら
に、穀物廃材に含まれる珪素が処理対象水中の燐酸と反
応して、不溶性の燐化合物を生成し脱燐処理も行うこと
ができるからである。
【0009】次に、植生処理槽は、自然界の物質循環を
応用して処理対象水中の窒素、燐等を除去するものであ
る。植物は、窒素、燐等を栄養分として、植物体内に吸
収するものであり、この植生処理槽では、植物による自
然浄化機能を利用したものである。この植物を利用して
浄化処理を行うことは、昆虫などの生物が植生植物に出
現するという、浄化地域の生物相を豊かにする働きがあ
り、また、人間の目にも安心感を与えるという好影響も
あり、人工的なろ材を充填した処理槽のみで構成される
水浄化処理装置と比較すると、自然環境的にも優しいも
のとなるからである。しかし、この植生処理槽での浄化
処理速度は、植物の代謝速度に制限されるので、比較的
水量の少ない処理対象水を浄化処理する場合に好ましい
ものといえる。
【0010】そして、脱燐処理槽は、処理対象水中から
燐の除去処理が確実に行われるよう、処理対象水中の燐
濃度が大きく変動しても対応して処理できるようにした
ものである。この脱燐処理槽におけるメカニズムは次の
ようになっている。まず、Ca、Fe、Al、Mgのう
ち少なくとも一種以上の元素と炭素とを含有してなる脱
燐材が通電されることにより、処理対象水中にCa、F
e、Al、Mgの元素をイオン化して供給する。そし
て、供給されたCa、Fe、Al、Mgのイオンは、処
理対象水中の燐酸イオンと反応し、不溶性の燐化合物を
生成する。その生成された燐化合物は燐除去ろ材により
処理対象水から濾過除去される。この脱燐処理槽は、脱
燐材への通電量を変えることで、Ca、Fe、Al、M
gのイオン供給量を制御できるので、処理対象水中の燐
濃度が変動しても、それに対応して脱燐処理が可能とな
る。従って、この脱燐処理槽を備える水浄化処理装置で
あれば、高負荷状態から低負荷状態の処理対象水に対し
て、十分に対応して脱燐処理を行うことが可能となる。
【0011】この脱燐処理槽で用いる燐除去ろ材として
は、木炭とゼオライトとを用いることが好ましい。特
に、木炭は針葉樹を処理した針葉樹木炭を使用すること
が好ましい。針葉樹木炭は、広葉樹木炭のものと比較す
ると、分子吸着能力が非常に高いうえ、木材繊維方向と
直交する断面で均一な大きさの細孔を有しているため生
成した燐化合物を濾過除去する能力も非常に高いもので
ある。その上、熱変換温度(炭化温度)によって細孔サ
イズが変化するため、生成される燐化合物を吸収しやす
い細孔が比較的容易に付与できるからである。また、ゼ
オライトはアンモニアの吸着能力を有するためアンモニ
ア態窒素を除去することができ、ゼオライトに含有され
る珪素は処理対象中の燐酸と反応して不溶性の燐化合物
を生成して脱燐処理に寄与するためである。さらに、木
炭とゼオライトとを組み合わせて燐除去ろ材として用い
る結果、双方の濾過能力が複合的に相乗効果を示すよう
になり、生物難分解性物質も除去できる。例えば、昨
今、環境問題の一つとして取り上げられている生物難分
解性物質といわれる、有機燐酸トリエステル類などを除
去することが可能となる。
【0012】上記する脱燐処理槽の燐化合物生成室は電
極を備えるものであるが、この電極は充填された脱燐材
中に電極を複数挿入して配置し、それらの電極を通電す
ることによって行ってもよく、燐化合物生成室を形成す
る壁が通電可能とされたものに、脱燐材を充填すること
で、電極となる壁を介して脱燐材を通電してもよい。こ
のような電極を備える場合、その電極の表面は、導電性
のある多孔質材により囲むようにすることが好ましい。
電極が充填された脱燐材に挿入される場合には、その電
極の周囲に導電性のある多孔質材を配置するか、燐化合
物生成室を形成する壁が通電可能とされている場合に
は、その内壁に沿って導電性のある多孔質材を配置する
ればよいものである。処理対象水中には様々なイオン物
質が存在するが、それらが電極表面に電着して、非導電
性膜を形成し脱燐材への通電を妨げるのを防止するため
である。このように、電極の表面を導電性のある多孔質
材により囲むようにすれば、処理対象水中のイオン物質
は多孔質材の表面及び細孔内に電着するので、電極表面
への直接電着を防止でき、長時間の通電処理が可能とな
る。このような導電性のある多孔質材としては、炭素系
の多孔質材、例えば木炭などを使用することができる。
木炭には、多数の細孔が存在し、吸着能力に優れている
からである。
【0013】また、脱燐処理槽で通電を行うにあたり留
意する点として、脱燐処理槽自体を形成する材料は絶縁
性のものを用いることが好ましい。例えば、絶縁処理の
なされていない通常のコンクリートで脱燐処理槽を形成
すると、コンクリート中の成分が電気分解されて、処理
対象水中に混入することが生じるからである。そのた
め、脱燐処理槽は、FRPなどの絶縁材で形成するか、
脱燐処理槽の内壁をFRPなどの絶縁材で被覆すること
が好ましい。
【0014】上記に説明した前処理槽、植生処理槽、脱
燐処理槽の3つの処理槽を、上流側から順次備えるよう
にすることで、比較的水量の少ない処理対象水であれ
ば、高負荷状態のものから低負荷状態のものにまで対応
して浄化処理が行えるものとなる。
【0015】この請求項1に係る水浄化処理装置におい
て、より効果的な浄化処理を行うには、植生処理槽は、
土壌を充填し、その土壌に植物を植生することが好まし
い。土壌には浄化能力があり、これを利用することで処
理対象水中の有機物、窒素、燐酸の除去、また、フニン
酸、タンニン酸の除去を行うことができるからである。
そして、土壌に植物を植生することにより、土壌中に濃
縮される過剰な窒素や燐を植物により吸収させ、土壌で
の浄化処理を長期継続することができる。
【0016】植生処理槽で土壌を使用する場合には、土
壌内を好気的な状態に保持すること、処理対象水を均等
に分散して土壌へ供給すること、土壌自体が濾過作用を
有し、無機物及び有機物を吸着する機能を有すること、
土壌微生物の繁殖に適した土壌であることが条件とさ
れ、このような条件を満たす場合に最も効率的な浄化処
理が行えるものとなる。そして、使用する土壌は、天然
土壌であってもよいし、通気性、通水性が良好で、高い
イオン交換能力を有した、人為的に作成した改良土壌を
使用してもよい。人為的に作成した改良土壌であれば、
土壌による浄化能力をさらに向上させることができ、処
理対象水の汚染状態にあわせた浄化処理も可能となる。
このような改良土壌としては、黒ボケ、まさ土、沸石、
真珠石、サンゴ、黒曜石、赤玉、木炭、竹炭、穀物廃材
の燻炭などを適宜配合して用いることができる。
【0017】また、植生処理槽については、藻類を植生
した炭素系ろ材を充填したものであっても、上記する土
壌を使用する場合と同様に効果的な浄化処理が可能とな
る。この植生処理槽での炭素系ろ材は、木炭或いは、前
処理槽で説明した、炭素材と穀物廃材と固化材とから成
形した炭素系ろ材を使用することが好ましい。このよう
な藻類を植生した炭素系ろ材では、炭素系ろ材に住み着
く微生物により有機物の分解や脱窒処理が行われ、SS
の除去等を行うと共に、炭素系ろ材に植生された藻類に
よって、窒素及び燐の吸収分解がなされることになる。
【0018】処理対象水の水量は比較的少ないが、非常
に高負荷状態のものである場合には、前処理槽と植生処
理槽との間に、主にBODの除去又は脱窒を行う微生物
の担持可能な炭素系ろ材が充填された生物処理槽を備え
るようにすることが好ましい。処理対象水に含有される
有機物等の濃度が非常に高い場合、水量が比較的少ない
ものであっても、植生処理槽での浄化処理能力では対応
できない状態が生じる。即ち、植生処理槽での浄化処理
は、植物の代謝速度に制約されるので、ある程度の浄化
処理時間を必要とするからである。そこで、前処理槽と
植生処理槽との間に生物処理槽を備えるようにして、あ
る程度の有機物を植生処理槽に流入する前に予め分解す
ることにすることによって、比較的水量が少なく、非常
に高負荷状態の処理対象水であっても、浄化処理を行う
ことができるものとなる。
【0019】この生物処理槽の炭素系ろ材については、
木炭或いは、前処理槽で説明した、炭素材と穀物廃材と
固化材とから成形した炭素系ろ材を使用することが好ま
しい。このような炭素系ろ材を使用することで、ろ材に
住み着く微生物の分解により、主にBODの除去と脱窒
とを行い、後工程の植生処理槽、脱燐処理槽の処理負荷
が軽減され、非常に高負荷状態の処理対象水であって
も、完全な浄化処理が実現できるものとなる。
【0020】処理対象水が比較的大量で、高負荷状態の
ものである場合、例えば、畜産関連から生じるような排
水を大量に処理する場合には、処理対象水中の浮遊物と
沈殿物との分離及びSS除去のための炭素系ろ材が充填
されるとともに油脂成分を吸収除去する木質材が充填さ
れた前処理槽と、BODの除去又は脱窒を主に行う微生
物の担持可能な炭素系ろ材が充填された生物処理槽と、
Ca、Fe、Al、Mgのうち少なくとも一種以上の元
素と炭素とを含有してなる脱燐材が充填され、該脱燐材
を通電するための電極が配置された燐化合物生成室及
び、生成した燐化合物を除去するための燐除去ろ材が充
填された燐化合物除去室からなる脱燐処理槽と、を上流
側から順に備えてなる水浄化処理装置とすることが好ま
しい。
【0021】請求項1から請求項4に記載する水浄化処
理装置は植生処理槽を備えているため、処理対象水が比
較的少量であれば、高負荷から低負荷状態までのものに
対応して、浄化処理が可能である。しかしながら、植生
処理槽では、植物の代謝速度に制約される上、植物で処
理できる水量も植生する植物量に比例するため、大量の
処理対象水を処理するには、処理速度的にも、設備規模
的にも、著しく不利なものとなる。そこで、高負荷状態
の処理対象水であって、比較的大量に処理する場合で
は、植生処理槽を備えないものとし、生物処理槽を備え
たものとすることで対応すれば、浄化処理が十分に行え
るものとなる。
【0022】本発明の水浄化処理装置では、土壌を充填
した植生処理槽以外の処理槽においては、浄化処理を継
続していくと各処理槽の底部に汚泥の沈降現象が生じや
すい。このように各処理槽の底部に沈殿する汚泥は有機
物及び無機物から構成されるもので、そのまま処理槽内
に滞留させると、各処理槽での浄化処理能力の低下を引
き起こす原因となる。そこで、各処理槽底部に沈降する
汚泥を回収し、その汚泥を嫌気分解するような汚泥処理
槽をさらに備えるようにすることが好ましい。このよう
な汚泥処理槽を備えることで、本発明の水浄化処理装置
の浄化処理能力を長く維持することが可能となり、ま
た、嫌気分解により汚泥量自体も減少するので後の汚泥
処理が容易となるものである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の水浄化処理装置に
ついて、最適と考える発明の一実施形態を説明する。図
1及び図2には、本発明における水浄化処理装置の断面
及び平面の概略を示したものである。この水浄化処理装
置1は、比較的水量が少なく、高負荷状態の処理対象水
を浄化処理するものであり、上流側から前処理槽2、生
物処理槽3、植生処理槽4、脱燐処理槽5の4つの処理
槽を順次連通して設けたものである。前処理槽2、生物
処理槽3、脱燐処理槽5は、直方体状にコンクリートで
形成したケーシング内部をほぼ均等に仕切り壁Wで区画
したもので、脱燐処理槽5の内壁面及び仕切り壁WはF
RP材で被覆して絶縁処理がされている。
【0024】前処理槽2は、SS除去室6と油脂除去室
7との2つに区画されており、SS除去室6には炭素系
ろ材8が充填され、油脂除去室7には炭素系ろ材8と木
質材9とが充填され、その木質材9は図1に示すように
油脂除去室7内の生物処理槽3側の一部上方に充填して
いる。
【0025】炭素系ろ材8は、針葉樹木炭を再度熱変換
処理し破砕したものと、籾殻燻炭とを1:1の重量比で
混合したものを、ポルトランドセメントを用いて、約3
〜50mm径程度の球形に成形固化したものを使用し
た。
【0026】続いて、生物処理槽3は、第一生物処理室
10及び第二生物処理室11との2つに区画されてお
り、第一生物処理室10及び第二生物処理室11とも
に、前処理槽と同じ炭素系ろ材8が充填されている。
【0027】植生処理槽4は、天然土壌12を充填し、
その土壌12に常緑樹13を植生したものである。土壌
12を充填した植生処理槽4では、通気性、通水性を考
慮して、充填する土壌12厚みが薄くなるよう処理槽高
さを小さくし、図2に示すように、平面積が広くなるよ
うな直方体形状としている。
【0028】脱燐処理槽5は、脱燐材14が充填される
と共に5本の電極15が配置された燐化合物生成室16
と、針葉樹木炭17の上にゼオライト18を積層して充
填した燐化合物除去室19とからなっている。脱燐材1
4は、炭素50wt%、Ca40wt%、Mg9wt
%、Al1wt%の材料組成からなるもので、粉末状の
各材料を混合した後に焼結して作成したものである。燐
化合物生成室16に配置された5本の電極15は板状の
もので、負極、正極が交互に配置してある。また、図示
していないが、各電極の周囲は、その周囲全体が木炭で
囲まれた状態としてある。
【0029】さらに、前処理槽2、生物処理槽3、脱燐
処理槽5の各処理槽底部には、図2に示すように汚泥回
収管20が配管されており、各処理槽底部に沈降した汚
泥は汚泥回収管20を通って汚泥処理槽21に回収され
るようにしている。汚泥処理槽21は、処理槽内が嫌気
状態となるようにされており、回収した汚泥を所定時間
滞留させることで、微生物の嫌気分解によって汚泥を分
解し、汚泥量を減少するようにしている。
【0030】処理対象水は、図1中の矢印で示すよう
に、各槽内を上昇流、下降流となりながら通過し、各処
理槽においてそれぞれの浄化処理がなされる。先ず、前
処理槽2のSS除去室6にて、処理対象水中の比較的大
きめの浮遊物やSSの除去がなされる。油脂除去室7に
おいては、主に、充填された木質材により、処理対象水
中の油脂成分が吸収除去される。生物処理槽3では、炭
素系ろ材8に住みつく微生物と炭素系ろ材8自体が有す
る吸着作用により、主にBODの除去、脱窒、その他有
機物の分解がなされ、処理対象水の浄化が進行する。
【0031】植生処理槽4では、処理対象水が生物処理
槽4の第二生物処理室から土壌12へ均等に分散して流
出するようにされており、土壌12中を通過する処理対
象水からは窒素、燐が吸収浄化される。そして、土壌1
2中に吸収された窒素、燐成分は植生された常緑樹13
によって養分として消費され、土壌中へ過剰に吸収され
る窒素、燐成分が減少される。
【0032】脱燐処理槽5では、燐化合物生成室16の
電極15により、電流値で約5mAを、断続的に脱燐材
14へ通電されるようにした。これにより、脱燐材14
に含まれるCa、Mg、Alをイオン化して処理対象水
中に供給し、処理対象水中の燐酸と供給されたイオンと
の反応させ、不溶性の燐化合物が生成するようにした。
そして、隣接した燐化合物除去室19の針葉樹木炭17
で、その生成した燐化合物が除去される。
【0033】処理対象水中の燐酸イオン(HP
2−)はPH4〜8で、Ca、Mg、Alイオンと
反応して化合物を作るが、その生成過程は、例えばCa
の場合、Ca 2+ + HPO 2− → CaHPO
となるものである。また、燐酸イオンの一部はアル
カリ領域でオルト燐酸(PO 3−)となるが、これ
も、例えばCaの場合では、3Ca2+ + PO
3− → 3CaPO となり不溶性の化合物とな
る。この燐化合物は、きわめて水に難容性のものであ
り、Mgイオン、Alイオンも同様な作用を有してお
り、このように生成される燐化合物を針葉樹木炭17に
より処理対象水中から除去することで、効率的に脱燐処
理が行われる。
【0034】次に、この水浄化処理装置1の評価結果に
ついて説明する。処理評価は、本実施形態の水浄化処理
装置1に流入する処理対象水のBOD、COD、全窒素
濃度(T-N)、全燐濃度(T-N)、SS濃度を、前処理槽
2、植生処理槽4、脱燐処理槽5の各処理槽から流出す
る部分でそれぞれ測定することによって行った。表1
に、その測定データを示す。
【0035】
【表1】
【0036】表1に示すように、処理対象水は比較的高
負荷状態のものであり、水浄化処理装置1に流入する前
の状態から最終処理工程の脱燐処理槽5を流出するまで
の間に、各処理槽を通過する毎に段階的に浄化処理され
ていることが確認され、最終的に脱燐処理槽5から流出
する処理対象水は、ほぼ完全に浄化処理がなされてい
た。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明の水浄化処理
装置によると、比較的簡易な設備により所定の浄化処理
を行うことで高負荷状態から低負荷状態までの処理対象
水に対し、十分に対応して浄化処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態による水浄化処理装置の断面概略
図。
【図2】本実施形態による水浄化処理装置の平面概略
図。
【符号の説明】
1 水浄化処理装置 2 前処理槽 3 生物処理槽 4 植生処理槽 5 脱燐処理槽 6 SS除去室 7 油脂除去室 8 炭素系ろ材 9 木質材 10 第一生物処理室 11 第二生物処理室 12 土壌 13 常緑樹 14 脱燐材 15 電極 16 燐化合物生成室 17 針葉樹木炭 18 ゼオライト 19 燐化合物除去室 20 汚泥回収管 21 汚泥処理槽 W 仕切り壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/465 C02F 3/34 101D 3/32 ZAB 1/46 102 3/34 101 (72)発明者 永森 新五郎 高知県南国市緑ヶ丘2丁目1612番地 (72)発明者 永森 佳子 高知県南国市緑ヶ丘2丁目1612番地 Fターム(参考) 4D024 AA04 AB01 AB12 BA03 BA07 BB01 BC01 DB09 DB14 4D040 CC01 CC09 4D061 DA08 DB18 DC13 EA02 EB01 EB04 EB18 EB20 EB22 EB24 FA06 FA15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理対象水中の浮遊物と沈殿物との分離
    及びSS除去のための炭素系ろ材が充填されるとともに
    油脂成分を吸収除去する木質材が充填された前処理槽
    と、 処理対象水中の窒素及び燐を除去するための植物を植生
    した植生処理槽と、 Ca、Fe、Al、Mgのうち少なくとも一種以上の元
    素と炭素とを含有してなる脱燐材が充填されるとともに
    電極を備え、そして、該電極を介して脱燐材を通電する
    ようにした燐化合物生成室及び、生成した燐化合物を除
    去するための燐除去ろ材が充填された燐化合物除去室か
    らなる脱燐処理槽と、 を上流側から順に備えてなる水浄化処理装置。
  2. 【請求項2】 植生処理槽は、土壌を充填して植物を植
    生したものである請求項1に記載の水浄化処理装置。
  3. 【請求項3】 植生処理槽は、藻類を植生した炭素系ろ
    材を充填したものである請求項1に記載の水浄化処理装
    置。
  4. 【請求項4】 前処理槽と植生処理槽との間に、BOD
    の除去又は脱窒を主に行う微生物の担持可能な炭素系ろ
    材が充填された生物処理槽を備えるものである請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の水浄化処理装置。
  5. 【請求項5】 処理対象水中の浮遊物と沈殿物との分離
    及びSS除去のための炭素系ろ材が充填されるとともに
    油脂成分を吸収除去する木質材が充填された前処理槽
    と、 BODの除去又は脱窒を主に行う微生物の担持可能な炭
    素系ろ材が充填された生物処理槽と、 Ca、Fe、Al、Mgのうち少なくとも一種以上の元
    素と炭素とを含有してなる脱燐材が充填されるとともに
    電極を備え、該電極を介して脱燐材を通電するようにし
    た燐化合物生成室及び、生成した燐化合物を除去するた
    めの燐除去ろ材が充填された燐化合物除去室からなる脱
    燐処理槽と、 を上流側から順に備えてなる水浄化処理装置。
  6. 【請求項6】 各処理槽底部に沈降する汚泥を回収し、
    該汚泥を嫌気分解するようになっている汚泥処理槽をさ
    らに備える請求項1〜5のいずれか1項に記載の水浄化
    処理装置。
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