JP2000232891A - 植物からの水素および/またはメタンの製造方法 - Google Patents

植物からの水素および/またはメタンの製造方法

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JP2000232891A JP11034642A JP3464299A JP2000232891A JP 2000232891 A JP2000232891 A JP 2000232891A JP 11034642 A JP11034642 A JP 11034642A JP 3464299 A JP3464299 A JP 3464299A JP 2000232891 A JP2000232891 A JP 2000232891A
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/30Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 容器に水を添加して採取植物を収容して
密封し、暗条件下または明条件下に維持することにより
水素を製造すると共に、その後の液体のpHを中性または
アルカリ性にすることにより、メタンを製造する方法。 【効果】 植物体を水と共に容器に密封することにより
水素および/またはメタンを回収する方法で、環境にや
さしい水素および/またはメタンの製造方法である。し
かも本方法は、通常の微生物を用いた発酵方法に比べ
て、工程が単純で培地が要らず、また予め微生物を培養
する必要がないことから低コストで水素および/または
メタンを製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物を原料として
エネルギー物質を得る新規な方法に関し、特に植物から
水素および/またはメタンを効率的に製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】産業革命以後の化石燃料大量消費の結
果、大気中の二酸化炭素濃度が上昇し続け地球温暖化現
象が引き起こされつつあり、大きな社会問題となってい
る。そこで化石燃料に代替するエネルギー物質として水
素が20年以上前から注目され、安価で、大量生産を目的
とした水素製造方法が研究されている。現時点で最も有
力な方法は、太陽電池を用いて水を電解し水素を得る方
法である。しかし、この方法では未だ太陽電池のエネル
ギー回収率が100%を越えるかが明確になっていない、
かつ水の電解セルの部分の製造エネルギーについても検
討されていない。
【0003】一方、近年下水汚泥やし尿等からメタンを
回収する技術が注目を浴びてきている(特開平2-78493
号、2-111498号および9-239397号)が、原料濃度の調製
や酸化還電位の調整や発酵槽の保温等、運転技術が難し
い問題点がある。微生物を用いた水素製造方法は、光合
成微生物を用いる場合と非光合成微生物を用いる場合と
に大別される。水素を製造する光合成微生物としては、
らん藻類、緑藻類、光合成細菌が主に挙げられる。らん
藻類と緑藻類はまず好気・明条件で培養し細胞内にデン
プン等のエネルギー物質を貯蔵させる。次に嫌気・暗条
件とし、水素を製造させる方法である。光合成細菌は資
化できる有機物の存在下、嫌気・明条件として水素を製
造させる方法である。水素を製造する非光合成微生物と
しては、大腸菌や嫌気性細菌があり、資化できる有機物
の存在下、嫌気・暗条件として水素を製造することがで
きる。一方微生物を用いたメタンの製造方法は、メタン
発酵に代表されるように、多くの嫌気性細菌の共同作用
による。
【0004】しかし、いずれの場合もまず微生物を人為
的に培養するという過程が含まれ、培地等培養に必要な
材料および基材が必要となり、かつ人為的に嫌気条件と
する必要もあったので、水素およびメタンの製造コスト
が高くなってしまっていた。また、発酵で水素の他に必
ず生成してくる二酸化炭素も地球温暖化が問題になって
いる現在ではその処理、利用方法についても検討する必
要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のとおり、従来の
微生物を用いた水素またはメタンの製造方法では、予め
あるいは常に微生物を培地を用いて培養する必要があ
り、かつ人為的に嫌気条件とする必要もあるため、水素
およびメタンの製造コストが高くなる欠点があった。そ
こで、本発明者等は、安価に水素製造ができ、かつ生成
してくる二酸化炭素についても考慮した優れた水素製造
方法および装置について発明を完成し、先に出願を行っ
た(特願平10-84273号および10-227159号)。本発明
は、先に出願した水素製造方法の改良に際し、水素製造
後の液体から、条件を整えることで更に水素および/ま
たはメタンを製造し、植物から更に多くのエネルギー物
質を取り出す方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、容器に水を添
加して採取植物を収容して密封し、暗条件下または明条
件下に維持することにより水素を製造すると共に、その
後の液体のpHを中性またはアルカリ性にすることによ
り、メタンを製造する方法を提供する。また、本発明
は、上記方法で水素およびメタンを製造した後、残った
液体を光合成細菌に供給し、光を照射することにより更
に水素を製造する方法を提供する。
【0007】更に本発明は、容器に水を添加して採取植
物を収容して密封し、暗条件下または明条件下に維持す
ることによって水素を製造した後の液体を光合成細菌に
供給し、光を照射することにより更に水素を製造する方
法である。更にまた本発明は、上記方法で水素を製造し
た後、残った液体のpHを中性またはアルカリ性にするこ
とにより、メタンを製造する方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、適当な容器に適当な大
きさにカットした採取植物を入れて水を加え、暗条件下
または明条件下に所望の時間維持して水素およびメタン
を製造する。上記容器は、その大きさ、形状は問わない
ものであり、採取植物および水が収容でき、且つ密封可
能なものであればいずれでも良い。使用する水として
は、蒸留水、水道水、河水、海水、廃水、雨水、工水あ
るいは培地液体が挙げられる。採取植物と水との混合比
率は重量比で1:0.1〜1:1,000である。
【0009】使用する採取植物としては、枯れていな
い、栄養分豊富な新鮮な植物が良い。これら新鮮な植物
には微生物の培養に必要な栄養素および水素発酵に必要
な基質が多く含まれており、培地を用いる必要がなく低
コストで水素を製造することができる。さらに本発明者
らの研究でわかったことであるが、ほとんどすべての植
物には水素生成能のある微生物が付着あるいは共生して
いるもので、そのまま植物体を用いれば水素を製造する
ことができる。
【0010】具体的な採取植物としては、例えば雑草の
範疇に属する植物等が用いられ、カゼクサ、スギナ、ベ
ントグラス、芝等が挙げられるが、これらに限定される
ものではない。また、その植物としては、加熱処理ある
いは低温処理により光合成機能を喪失させた植物;土着
の水素生成能力を有する微生物、例えばクロストリジウ
ム属に属する微生物、バチルス属に属する微生物、エン
テロバクター属に属する微生物、シトロバクター属に属
する微生物、光合成細菌等が付着している植物;または
土着の水素生成能力を有する微生物が付着し、かつ植物
あるいは有機酸や糖質等の有機性廃棄物を前記微生物が
資化できる程度まで分解することができる土着の他の微
生物、例えばクロストリジウム属に属する微生物、シュ
ードモナス属に属する微生物、ルーメン細菌に属する微
生物、放線菌に属する微生物、ペニシリウム属に属する
糸状菌、カビ属に属する菌類等が付着している植物等も
用いられる。
【0011】加熱処理および低温処理としては、-80℃
〜160℃の温度環境に、0.1 〜24時間放置することであ
る。これにより植物の光合成機能が失われ、明条件にお
いて酸素生成が進行せずその結果、生成した水素の酸素
による酸化反応が抑えられ、結果として水素生成の総量
を向上させることができる。
【0012】本発明においては、採取植物と別個に微生
物を含有する土壌を添加することができる。添加する土
壌としては、水素生成能力を有する微生物、例えばクロ
ストリジウム属に属する微生物、バチルス属に属する微
生物、エンテロバクター属に属する微生物、光合成細菌
等を含んでいる土壌、または水素生成能力を有する微生
物および採取植物、栄養源あるいは有機性廃棄物を前記
微生物が資化できる程度まで分解することができる他の
微生物、例えばクロストリジウム属に属する微生物、バ
チルス属に属する微生物、エンテロバクター属に属する
微生物、シュードモナス属に属する微生物、ルーメン細
菌に属する微生物、放線菌に属する微生物、ペニシリウ
ム属に属する糸状菌、カビ属に属する菌類、光合成細菌
等を含む土壌が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。そして、この土壌の使用量は、使用植物10
0部に対して0.01〜100 部である。土壌を添加すること
により、水素生成開始までの誘導期間を短くすることが
できる。
【0013】本発明においては、採取植物の酸素生成を
阻害する化合物(以下、阻害剤という)を添加すること
ができる。阻害剤としては、例えば、メチルビオローゲ
ン等のビオローゲン誘導体、塩化白金酸、ニッケルイオ
ン、鉄イオン、コバルトイオン、亜鉛イオン、クロムイ
オン、ルテニウムイオン、ジサリチリデンプロパンジア
ミン、ポリリジン、アンチマイシンA等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。この阻害剤の使
用量は、使用植物100部に対して0.001 〜1部であ
る。これら阻害剤を添加することにより、明条件におけ
る植物の光合成による酸素生成を抑えることができ、結
果的に水素生成開始までの誘導期間を短くすることがで
き、かつ生成した水素の酸素による酸化反応が抑えられ
水素生成の総量を向上させることができる。さらに植物
の酸素生成を阻害する方法としては、水銀処理、ヘキサ
ン抽出、トリス処理、アルカリ処理等の方法も有効であ
る。
【0014】また、本発明においては、栄養源および有
機性廃棄物を更に添加することができる。栄養源として
は水素生産能力を有する微生物の生育を促進する物質、
あるいは植物あるいは有機性廃棄物を前記微生物が資化
できる物質にまで分解できる他の微生物の生育を促進す
る物質であって、その例としては、アラビノース、キシ
ロース、リボース、ラムノース、ガラクトース、フルク
トース、グルコース、セロビオース、ソルボース、マン
ノース、ラクトース、スクロース、マルトース、トレハ
ロース、メリビオース、デンプン、インスクリン、イノ
シトール、マンニトール、ソルビトール、セルロース、
ペプチドグリカン等の糖質、グルコン酸、クエン酸、コ
ハク酸、フタル酸、フマル酸、乳酸、ピルビン酸、リン
ゴ酸、マロン酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、ペプ
トン、酵母エキス、肉エキス等が挙げられるがこれらに
限定されるものではない。この栄養源の使用量は、使用
植物100部に対して0.001 〜100 部である。栄養源を
添加することにより、水素生成開始までの誘導期間を短
くすることができる。
【0015】また、有機性廃棄物としては、有機物を含
む廃棄物であればどのような廃棄物でもよく、その例と
しては例えばセルロースを含む廃棄物、デンプンを含む
廃棄物、有機酸を含む廃棄物または糖質を含む廃棄物等
が挙げられる。この有機性廃棄物の使用量は、使用植物
100部に対して0.01〜1000000 部である。有機性廃棄
物を添加することにより、水素生成の総量を向上させる
ことができる。
【0016】本発明の方法は暗条件下および明条件下の
いずれにおいても実施しうる。明条件は、自然光あるい
は蛍光灯等の人工光のいずれでもよく、また、暗条件ま
たは明条件での維持期間はバッチ式においては5〜80℃
で1〜480時間である。明条件とすることにより、水素
生成開始までの誘導期間を短くすることができ、かつ水
素生成の総量も向上させることができるので好ましい。
【0017】嫌気条件は、容器を密封した後気相部分を
アルゴンガス、窒素ガス、ヘリウムガス等で置換し、脱
酸素することにより設定することができる。脱酸素する
ことにより、生成した水素の酸素による酸化反応が抑え
られ、結果として水素生成の総量を向上させることがで
きる。 本発明は上記のごとく、密封可能な容器内で反
応させるものであり、容器内の内圧を高めた状態に保持
すれば、発生する水素量が増大することがわかってい
る。容器を密封した状態のままでも生成するガスのため
に内圧が高くなるが、容器内圧を高める方法としては、
この他外部から二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム等のガ
スを注入する方法等があり、特に限定するものではな
い。
【0018】本発明は上記のようにしてまず水素を製造
するものであるが、その後の液体のpHを中性またはア
ルカリ性にすることによって、次にメタンを製造するこ
とができる。水素製造後の液体は、採取植物残さの他、
微生物、栄養分等の種々の有機物が溶解または分散した
状態であり、そのpHはおよそ4〜6である。これに下
記アルカリを適宜使用して6〜12、好ましくは7〜9
に調整することにより、更にメタンを製造できることが
明らかになったのである。pHを調製する化合物として
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ム等の金属水酸化物や、炭酸ナトリウム、アンモニア等
のアルカリが挙げられるが、これに限定されるものでは
ない。pHを調整する方法は当該技術分野において良く
知られている。
【0019】メタンを生成する微生物としては、メタノ
バクテリウム属、メタノコッカス属、メタノサルシナ
属、メタノブレビバクター属、メタノミクロビウム属、
メタノジェニウム属、メタノスピリラム属、メタノシリ
ック属の微生物が挙げられる。これらの微生物は水素製
造後の液体に適宜添加しても良いが、水素生成能のある
微生物と同様、これら微生物もほとんど全ての植物に付
着あるいは共生しているため、特に添加しなくてもメタ
ンを製造することができる。メタンの製造は静置あるい
は撹拌のいずれの方法を用いても良い。このときの容器
の温度は、5〜80℃が好ましいが、これに限定されるも
のではない。また、メタン製造のための時間は1〜2,00
0時間が好ましいが、これに限定されるものではない。
メタンの製造の際、ここに挙げた条件以外は水素製造の
条件と同じで良い。
【0020】更に、上記のような条件でメタンを製造し
た後、残った液体を光合成細菌に供給し、光を照射する
ことにより更に水素を製造することができる。このと
き、液体のpHを6〜9に再調整すると水素製造のため
には好ましい。本発明において使用しうる光合成細菌と
しては、ロドバクター属、ロドシュードモナス属、ロド
スピルラム属等が挙げられるが、これらに特に限定され
るものではない。光合成細菌は水素製造後の液体に適宜
添加しても良いが、先の水素製造の際に既に採取植物ま
たは土壌に含まれている場合が多いことから、特に添加
しなくても更なる水素製造を行うことができる。
【0021】更なる水素の製造のためには光を照射する
ことが必要である。ここで光源としては自然光あるいは
蛍光灯等の人工光のいずれでも良く、1,000〜30,000ル
クス程度の照度が供給できるものであれば特に限定され
ない。光照射の時間は1〜2,000時間が好ましいが、こ
れに限定されるものではない。更なる水素製造の際、こ
こに挙げた条件以外は最初の水素製造の条件と同じで良
い。
【0022】あるいは、上記のようにしてまず水素を製
造した後、残った液体をそのまま、すなわちメタン製造
用に供することなく光合成細菌に供給し、光を照射する
ことにより更に水素を製造することができる。ここで、
使用しうる光合成細菌の種類、光照射の条件等は上記し
たものと同じである。更なる水素製造の際、ここに挙げ
た条件以外は最初の水素製造の条件と同じで良い。さら
に、光合成細菌に供給し、光を照射することによって製
造した後の液体のpHを中性またはアルカリ性にするこ
とにより、次にメタンを製造することもできる。pHを
調整するために使用しうる化合物の種類、反応のために
好ましいpHの範囲等は上記したものと同じである。
【0023】容器から回収されるガスには水素、メタン
の他、二酸化炭素およびその他の微量ガスが含まれる
が、これらは容易に分離することができる。まず、ガス
を水洗し、活性炭やゼオライトのような細孔材料に通す
ことにより、水素、メタン、二酸化炭素以外の微量ガス
は除去される。水素の捕獲は水素吸蔵合金や水素分離膜
を用いて行い、また二酸化炭素の捕獲はアルカリ性物質
を主体とした二酸化炭素吸収液あるいは固体を用いた
り、二酸化炭素分離膜を用いて行うことができる。ただ
し、水素、メタン、および二酸化炭素の分離方法はこれ
らに限定されるものではない。
【0024】上記の如く、本発明において、反応のため
の条件を整えることにより、採取植物を原料として水素
製造を行った後、残った液体から更に水素および/また
はメタンを製造することが可能となった。また、上記の
ように、本発明においては、同じ採取植物を原料とし
て、水素製造→メタン製造→水素製造、あるいは水素製
造→水素製造→メタン製造と、三段階で水素および/ま
たはメタンを製造・回収することができ、エネルギー物
質として使用しうるガスの収量を非常に多くすることが
可能となった。本発明によって分離獲得できた水素およ
びメタンは、燃料電池や化学合成の原料等既存の多くの
利用方法に適用できる。
【0025】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
する。ただし、本発明はこれら実施例にその技術的範囲
を限定するものではない。尚、生成した水素およびメタ
ンの量は常温および常圧における体積で表す。 〔参考例1〕コウライシバを20g採取し、これを容量
1,200mlのガラス容器に蒸留水1,000mlと共に入れて、ガ
ラス容器の出口からチューブをつなぎ、生成するガスを
大気圧開放で回収した。この反応系から69時間では水
素が73ml生成した。
【0026】〔参考例2〕コウライシバを20g採取
し、これを容量1,200mlのガラス容器に蒸留水1,000mlと
共に入れて、1気圧の圧力がかかると開放する圧力弁を
付けて密封した。この反応系から69時間で水素が97
ml生成した。参考例1および2から明らかなように、容
器の内圧を高めた状態に保持した場合、生成する水素の
量が増大することが確認された。従って、以下反応系に
おいては容器を密封して実施した。
【0027】〔実施例1〕ベントグラスを519g採取
し、これを容量12リットルのガラス容器に入れ、さらに
蒸留水を10リットル入れて密封した。気相部分をアルゴ
ンガスで置換して嫌気条件とした後、明条件下で水素発
酵を行い、生成するガスを水上置換で回収したところ、
10日間で46mlの水素が生成した。残った液体のpHを水酸
化ナトリウムで7.1に調製し、pH以外は同じ条件下に更
に維持した。pH調製後77日間でメタンが16,000ml生成し
た。
【0028】〔実施例2〕芝を200 g採取し、これを容
量12リットルのガラス容器に入れ、さらに蒸留水を10リ
ットル、阻害剤として1mMメチルビオローゲンを40ml
入れて密封した。気相部分をアルゴンガスで置換して嫌
気条件とした後、明条件で水素発酵を行い、生成するガ
スを水上置換で回収したところ、3日間で1,640mlの水素
が生成した。残った液体のpHを水酸化ナトリウムで9.6
に調製し、pH以外は同じ条件下に更に維持した。pH調
製後41日間でメタンが1,900ml生成した。
【0029】〔実施例3〕芝を200 g採取し、これを容
量12リットルのガラス容器に入れ、さらに蒸留水を10リ
ットル入れて密封した。気相部分をアルゴンガスで置換
して嫌気条件とした後、明条件で水素発酵を行い、生成
するガスを水上置換で回収したところ、3日間で1,260ml
の水素が生成した。残った液体のpHを水酸化ナトリウム
で7.6に調製し、pH以外は同じ条件下に更に維持した。
pH調製後32日間でメタンが1,460ml生成した。さらに残
った液体をOD660nm=2の菌体濃度まで生育させた光合
成細菌(ロドバクター)4,000mlに供給し、10,000 lux
の光を120時間照射したところ、2,000mlの水素が生成し
た。
【0030】〔実施例4〕道端に生育しているカゼクサ
を100g採取し、これを容量2リットルのガラス容器に
入れ、さらに水を1.8リットル入れて密封した。気相部
分をアルゴンガスで置換して嫌気条件とした後、明条件
で水素発酵を行い、生成するガスを水上置換で回収した
ところ、9日間で1,100mlの水素が生成した。残った液
体をOD660nm=2の菌体濃度まで生育させた光合成細菌
(ロドバクター)800mlに供給し、10,000 luxの光を90
時間照射したところ、300mlの水素が生成した。
【0031】〔実施例5〕道端に生育しているカゼクサ
を100g採取し、これを容量2リットルのガラス容器に
入れ、さらに水を1.8リットル、阻害剤として1mMメチ
ルビオローゲンを5ml入れて密封した。気相部分をアル
ゴンガスで置換して嫌気条件とした後、明条件で水素発
酵を行い、生成するガスを水上置換で回収したところ、
4日間で1,600mlの水素が生成した。残った液体をOD6
60nm=2の菌体濃度まで生育させた光合成細菌(ロドバ
クター)800mlに供給し、10,000 luxの光を90時間照射
したところ、200mlの水素が生成した。
【0032】〔実施例6〕道端に生育しているカゼクサ
を100g採取し、これを容量2リットルのガラス容器に
入れ、水を1.8リットル、阻害剤として1mMメチルビオ
ローゲンを5ml入れて密封した。気相部分をアルゴンガ
スで置換して嫌気条件とした後、明条件で水素発酵を行
い、生成するガスを水上置換で回収したところ、4日間
で1,600mlの水素が生成した。残った液体をOD660nm=
2の菌体濃度まで生育させた光合成細菌(ロドバクタ
ー)800mlに供給し、10,000 luxの光を90時間照射した
ところ、200mlの水素が生成した。さらに残った液体のp
Hを水酸化ナトリウムで7.5に調製し、pH以外は同じ条
件下に更に維持した。pH調製後40日間でメタンが800ml
生成した。
【0033】
【発明の効果】通常、不要になった植物体は燃やして処
理するか、腐敗させて堆肥として使用されてきた。しか
しながら、この方法では大気中に二酸化炭素を放出した
り、腐敗臭を漂わせる問題点があった。本発明は、植物
体を水と共に容器に密封することにより水素および/ま
たはメタンを回収する方法で、環境にやさしい水素およ
び/またはメタンの製造方法である。しかも本方法は、
通常の微生物を用いた発酵方法に比べて、工程が単純で
培地が要らず、また予め微生物を培養する必要がないこ
とから低コストで水素および/またはメタンを製造でき
る。 本発明において、反応のための条件を整えること
により、採取植物を原料として水素製造を行った後、残
った液体から更に水素および/またはメタンを製造する
ことが可能となった。また、上記のように、本発明にお
いては、同じ採取植物を原料として、水素製造→メタン
製造→水素製造、あるいは水素製造→水素製造→メタン
製造と、三段階で水素および/またはメタンを製造・回
収することができ、エネルギー物質として使用しうるガ
スの収量を非常に多くすることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】水素を製造した後にメタンを製造する方法を示
すフロー図。
【図2】水素を製造した後にメタンを製造し、更に水素
を製造する方法を示すフロー図。
【図3】水素を製造した後に更に水素を製造する方法を
示すフロー図。
【図4】水素を製造した後に更に水素を製造し、更にメ
タンを製造する方法を示すフロー図。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器に水を添加して採取植物を収容して
    密封し、暗条件下または明条件下に維持することにより
    水素を製造すると共に、その後の液体のpHを中性または
    アルカリ性にすることにより、メタンを製造する方法。
  2. 【請求項2】 容器に水を添加して採取植物を収容して
    密封し、暗条件下または明条件下に維持することにより
    水素を製造すると共に、その後の液体のpHを中性または
    アルカリ性にすることにより、メタンを製造した後、残
    った液体を光合成細菌に供給し、光を照射することによ
    り更に水素を製造する方法。
  3. 【請求項3】 容器に水を添加し採取植物を収容して密
    封し、暗条件下または明条件下に維持することによって
    水素を製造した後の液体を光合成細菌に供給し、光を照
    射することにより更に水素を製造する方法。
  4. 【請求項4】 容器に水を添加し採取植物を収容して密
    封し、暗条件下または明条件下に維持することによって
    水素を製造した後の液体を光合成細菌に供給し、光を照
    射することにより更に水素を製造し、残った液体のpHを
    中性またはアルカリ性にすることにより、メタンを製造
    する方法。
  5. 【請求項5】 嫌気条件下で水素を製造することを特徴
    とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 容器に更に植物の酸素生成を阻害する化
    合物を添加することを特徴とする、請求項1から5のい
    ずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 容器の内圧を高めた状態を保持して水素
    および/またはメタンを製造することを特徴とする、請
    求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
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