JP2000227092A - 立型水中電動ポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】部品点数および組立工数を削減しポンプ全高を
低く構成し得ると共に潤滑油の冷却効果が高められて軸
封装置を長寿命化し得られ、かつ、給油時に横倒しとす
る必要のない立型水中電動ポンプを提供する。 【構成】内筒１１Ａと外筒１１Ｂとの対向面間に縦設さ
れた水路１４と隣接してオイル室１５および電装室１６
を円周方向へ並列状に配設した態様に一体成型されたモ
ータフレーム１１をポンプケーシング１上に立設させ、
水路１４は下端部がポンプケーシング１内の渦巻室２と
通じ上端部がポンプ吐出口１９と通じ、オイル室１５は
下端部がメカニカルシール２１の周辺部と通じ上端部が
モータフレーム１１上方部の給油口と通じ、電装室１６
は内側部で内筒１１Ａ内と通じ上端部がモータフレーム
１１上方部の電源ケーブル挿通口２６と通じるよう構成
した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の技術分野】本発明は、立型水中電動ポンプに関
するものである。

【０００２】

【従来技術とその問題点】立型水中電動ポンプは従来、
図１０に示すよう下から上へオイル室１２２、モータ室
１１１、電装室１１６の順に積層状に配置されており、
縦方向での必要空間を短縮することが困難である。そし
て全面水路を構成する場合には、吐出口の空間確保のた
めモータ単体完成状態品にアウトカバー１１１Ｂを被せ
る構造であり、その分部品点数と組立工数が増加するこ
になる。特に単相モータ使用時においては電装品スペー
スを確保するための部材も必要となる。また、潤滑油の
冷却は揚水で行われるが、耐摩耗性を保有させるためオ
イル室１２２と接する後面ライナ１０８等にゴム被覆１
０９等を施した場合は、オイルの冷却機能が損なわれる
ことになる。更にまた、給油口１２３の開設位置がオイ
ル室１２２の側面に限定されるため、給油時にはポンプ
を横倒しにしなければならないという不便さがある。

【０００３】

【発明の目的】本発明の目的は、筒状モータフレームの
外周面空間を利用した構成により、縦方向での必要空間
を削減してポンプ全高を低く構成し得ると共にアウトカ
バーを別途に必要とすることなく部品点数と組立工数を
少なくし、また、潤滑油の冷却効果が高められて軸封装
置を長寿命化し得られ、かつ、給油時に横倒しとする必
要のない立型水中電動ポンプを提供することにある。

【０００４】

【発明の構成】本発明に係る立型水中電動ポンプでは、
内筒と外筒との対向面間においてその筒軸方向へ伸延さ
れる水路、オイル室および電装室が並列状に配設される
よう隔壁を縦設させた態様で、アウトカバーと一体成型
されたモータフレームをポンプケーシング上に立設さ
せ、水路は下端部がポンプケーシング内の渦巻室と通じ
上端部がポンプ吐出口と通じ、オイル室は下端部がメカ
ニカルシールの周辺部と通じ上端部がモータフレーム上
方部の給油口と通じ、電装室は内側部で内筒内と通じ上
端部がモータフレーム上方部の電源ケーブル挿通口と通
じるよう構成した。また、内筒と外筒との対向面間に複
数の水路を縦設した場合には、各水路の上端部がモータ
フレームの上方部側周で合流してポンプ吐出口へ通じる
よう構成する。

【０００５】

【実施例】以下本発明実施例の図面により説明をする。

【０００６】１はゴム等の耐摩耗性材料で作られたポン
プケーシングであって、内部は渦巻室２に形成されてい
る。３はモータ軸４の導下部に嵌着されてポンプケーシ
ング１内に収容された羽根車、５はポンプケーシング１
の下縁部に定着せられ中央にポンプ吸込口６を開口させ
たサクションカバー、７はストレーナ、８はポンプケー
シング１の背部に定着されたシールプレート、９は耐摩
耗性材料で作られてシールプレート８の下面に添着され
た保護シート、１０はポンプケーシング１が水圧によっ
て外側へ変形することを阻止するための補強壁であり、
シールプレート８の周辺部から導下されてポンプケーシ
ング１の巻の外周へ当接する。１１はアウトカバーと一
体成型された二重構造のモータフレームであって、内筒
１１Ａと外筒１１Ｂとの対向面間においてその筒軸方向
へ伸延される水路１４と隣接してオイル室１５およびお
よび電装室１６が円周方向へ並列状に配設されている。
17・・・・１７は上記各室を区画するため縦設された隔
壁である。モータフレーム１１の上端面はヘッドカバー
１２を装着するなどにより閉塞せられ、内筒１１Ａ内に
はモータ１３が収容されている。前記渦巻室２における
巻の終端部２Ｅは水路１４の下端部と通じ、水路１４の
上端部はヘッドカバー１２の内周部に形成される誘導路
１８を経てポンプ吐出口１９へ通じている。実施例の図
面に示すよう、２個の水路１４，１４が対向状に配設せ
られ、それぞれの下端部が二重渦巻室２の巻の終端部２
Ｅ，２Ｅとそれぞれ各別に導通させてある場合には、各
水路１４，１４の上端部がヘッドカバー１２内の誘導路
１８で合流してポンプ吐出口１９へ通じるのである。オ
イル室１５は隔壁１７を介して水路１４，１４間に狭ま
れるようにして縦設されており、その下端部はモータフ
レーム１１の下方部に穿設された通油孔２０を介して、
メカニカルシール２１の周辺部に形成された環状空所２
２へ通じ、上端部はヘッドカバー１２の上面から開設さ
れた給油口２３へ通じている。２４は給油口２３に施さ
れる給油プラグである。電装室１６はその内側面に設け
られたリード線引出孔２５を介して内筒１１Ａ内へ通じ
上端面がモータフレーム１１上方部の電源ケーブル挿通
口２６へ通じている。

【０００７】

【作用】ポンプ駆動時には、ポンプ吸込口６から渦巻室
２内へ吸込まれた水は、巻の終端部２Ｅから水路１４内
を上昇する過程でモータフレーム１１内のモータ１３お
よびオイル室１５内の潤滑油を冷却しつつ誘導路１８を
経てポンプ吐出口１９から吐出される。

【０００８】

【発明の効果】本発明立型水中電動ポンプにおいては、
モータフレームの外周面空間を利用してオイル室および
電装室を水路に隣接させた態様で並列状に縦設させるの
であるから、ポンプ全高を低く構成し得ると共に潤滑油
の冷却効果が高められ、シールプレート下面に耐摩耗性
保護シートが添着されてある場合でもオイルの冷却機能
は何ら損なわれることがなく、軸封装置を長寿命化し得
られるのである。また、給油口がモータフレームの上方
部から開設されるので、給油時にポンプを横倒しにする
ことを要しない。更にまた、モータフレーム自体が二重
構造に構成されていてアウトカバーの蓋装を必要としな
いため、部品点数および組立工数を削減し得るという利
点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明立型水中電動ポンプのオイル室および電
装室が表示される部位での縦断側面図である。

【図２】本発明立型水中電動ポンプの水路が表示される
部位での縦断側面図である。

【図３】本発明立型水中電動ポンプにおけるモータフレ
ームの平面図である。

【図４】本発明立型水中電動ポンプにおけるモータフレ
ームの底面図である。

【図５】図３のＡ−Ａ線における縦断側面図である。

【図６】図３のＢ−Ｂ線における縦断側面図である。

【図７】図３ないし図６に示されたモータフレームの上
端面を閉塞するためのヘッドカバーの底面図である。

【図８】図１のＣ−Ｃ線における横断平面図である。

【図９】本発明立型水中電動ポンプの構成の要約を示す
説明図である。

【図１０】従来における立型水中電動ポンプの縦断側面
図である。

【符号の説明】

１ ポンプケーシング ２ 渦巻室 １１ モータフレーム １１Ａ 内筒 １１Ｂ 外筒 １４ 水路 １５ オイル室 １６ 電装室 １９ ポンプ吐出口 ２１ メカニカルシール ２３ 給油口 ２６ 電源ケーブル挿通口

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内筒と外筒との対向面間においてその筒
   軸方向へ伸延される水路、オイル室および電装室が並列
   状に配設されるよう隔壁を縦設させた態様で、アウトカ
   バーと一体成型されたモータフレームをポンプケーシン
   グ上に立設させ、水路は下端部がポンプケーシング内の
   渦巻室と通じ上端部がポンプ吐出口と通じ、オイル室は
   下端部がメカニカルシールの周辺部と通じ上端部がモー
   タフレーム上方部の給油口と通じ、電装室は内側部で内
   筒内と通じ上端部がモータフレーム上方部の電源ケーブ
   ル挿通口と通じるよう構成したことを特徴とする、立型
   水中電動ポンプ。
2. 【請求項２】 内筒と外筒との対向面間には複数の水路
   が縦設されており、各水路の上端部がモータフレームの
   上方部側周で合流してポンプ吐出口へ通じるよう構成し
   たことを特徴とする、請求項１記載の立型水中電動ポン
   プ。