JP2000226350A - 多価アルコールの製造法 - Google Patents
多価アルコールの製造法Info
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Abstract
ドール縮合反応を行い、続いて交叉カニッツァロー反応
を行うことにより多価アルコールを製造するに際して、
脂肪族アルデヒドの理論モル量に対して僅かに過剰なホ
ルムアルデヒド量で、目的とする多価アルコールを高選
択率で得る方法を提供する。 【解決手段】アルドール縮合反応中に副生した2−置換
−2−アルケナールを分離し、水またはホルムアルデヒ
ド水溶液と反応させて2−置換アルカナール−1または
2−置換アルカナール−2として循環使用する。
Description
ホルムアルデヒドとを反応させて、ポリエステル樹脂、
アルキッド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート
樹脂、可塑剤、潤滑油、界面活性剤、化粧品の基剤、反
応性モノマーなどの原料として有用な多価アルコールの
製造方法に関する。
塩基触媒存在下、脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒド
とのアルドール縮合反応、引き続き交叉カニッツァロー
反応の二段反応で行う方法が、特開昭58−16253
8号、米国特許3975450号などに記載されてい
る。この二段反応で行う方法は多価アルコールとギ酸塩
の併産を前提としたプロセスである。この方法での塩基
触媒には、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸
化物および炭酸化物、またはアルキルアミン類で、例え
ば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、
トリエチルアミンなどが用いられる。
ルムアルデヒドとの反応による多価アルコールの製造方
法において、一般的には水酸化ナトリウムや水酸化カル
シウムからなる塩基触媒が用いられている。しかしなが
ら水酸化ナトリウムや水酸化カルシウムの存在下では、
目的とする多価アルコールを高選択率で得るために、脂
肪族アルデヒドに対して大過剰のホルムアルデヒドを用
いる必要がある。
反応、引き続いて交叉カニッツァロー反応を行い多価ア
ルコールを製造する方法も知られているが、この方法で
は脂肪族アルデヒドに対して10モル%近くの付加価値
の低い2−置換−2−アルケナールが副生する。この副
生を抑えるためにもやはり大過剰のホルムアルデヒドを
用いる必要がある。このような大過剰のホルムアルデヒ
ドを用いる製造法においては、経済的観点および廃棄物
等の環境に及ぼす影響の観点より、余剰分のホルムアル
デヒドの回収が求められ、プロセスが複雑になる等の問
題がある。本発明の目的は、脂肪族アルデヒドとホルム
アルデヒドとのアルドール縮合反応を行い、引き続き交
叉カニッツァロー反応を行うことにより多価アルコール
を製造するに際して、脂肪族アルデヒドの理論モル量に
対して僅かに過剰なホルムアルデヒド量で、目的とする
多価アルコールを高選択率で得る方法を提供することで
ある。
き課題を有する多価アルコールの製造方法について鋭意
検討した結果、炭酸塩を主成分とする塩基触媒存在下に
脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒドとのアルドール縮
合反応を行い、引き続き交叉カニッツァロー反応を行う
ことにより多価アルコールを製造するに際して、アルド
ール縮合反応中に副生した2−置換−2−アルケナール
が脂肪族アルデヒドに対して反応性が劣ることから、こ
れを水またはホルムアルデヒド水溶液と反応させた後、
循環使用することにより、ホルムアルデヒドの使用量を
低減することができ、また目的とする多価アルコールが
高選択率で得られることを見出し、本発明に到達した。
触媒存在下に (I)式で示される脂肪族アルデヒドとホル
ムアルデヒドとのアルドール縮合反応を行い、引き続き
交叉カニッツァロー反応を行うことにより多価アルコー
ルを製造するに際して、無触媒あるいは触媒存在下に、
副生した(II)式で示される2−置換−2−アルケナール
と水を反応させて得られた (III)式で示される2−置換
アルカナール−1含有液を、塩基触媒存在下にホルムア
ルデヒドと混合し、次いで (I)式で示される脂肪族アル
デヒドを反応させることを特徴とする多価アルコールの
製造法、および、炭酸塩を主成分とする塩基触媒存在下
に (I)式で示される脂肪族アルデヒドおよび(II)式で示
される2−置換−2−アルケナールとのアルドール縮合
反応を行い、引き続き交叉カニッツァロー反応を行うこ
とにより多価アルコールを製造するに際して、無触媒あ
るいは触媒存在下に、副生した(II)式で示される2−置
換−2−アルケナールとホルムアルデヒド水溶液を反応
させて得られた (III)式で示される2−置換アルカナー
ル−1および(IV)式で示される2−置換アルカナール−
2含有液を、塩基触媒存在下で (I)式で示される脂肪族
アルデヒドと反応させることを特徴とする多価アルコー
ルの製造法である。
は分岐鎖の脂肪族基)
製造するための脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒドの
反応は、アルドール縮合反応と交叉カニッツァロー反応
の2段の反応であり、塩基触媒として炭酸水素塩および
炭酸塩を用いる反応は主反応および副反応式を含めて次
の反応式で示される。なお下記反応式は、本発明の代表
的反応例として、n−ブチルアルデヒド(以下、NBA
Lと称す)からトリメチロールプロパン(以下、TMP
と称す)を製造する場合である。
であるので、該反応系でギ酸塩として消費される。
ルデヒドはα位に2つ以上の水素を有する化合物で、例
えばプロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、ア
セトアルデヒド、ペンタナール、ヘキサナール、オクタ
ナール、デカナール、ドデカナール、イコサナール、ド
コサナールなどが挙げられる。これらの化合物は2種以
上の混合物として原料に使用することもできる。
ルムアルデヒド水溶液でも固形のパラホルムアルデヒド
でも良く、目的とする多価アルコールによって適切なも
のが使用される。ホルムアルデヒドの使用量は、目的と
する多価アルコールによって理論モル量的にも異なる。
例えば (I)式のRがエチル基(CH3 CH2 )であるN
BALとホルムアルデヒドを反応させてTMPを製造す
る場合(理論モル比=3.0)には、NBALに対する
ホルムアルデヒドのモル量比は 3.0〜6.0 モル、好まし
くは3.05〜4.0である。また (I)式のRが水素(H)で
あるアセトアルデヒド(以下、AALと称す)とホルム
アルデヒドを反応させてペンタエリスリトール(以下、
PEと称す)を製造する場合(理論モル比=4.0)に
は、AALに対するホルムアルデヒドのモル量比は 4.0
〜6.0 モル、好ましくは 4.1〜5.0 である。
叉カニッツァロー反応における塩基触媒は炭酸塩を主成
分とするもので、前述の(VI)式で示す如く交叉カニッツ
ァロー反応で消費されるのは炭酸塩であり、(VII) 式に
より交叉カニッツァロー反応で生成した炭酸水素塩は炭
酸塩に変わる。この塩基触媒は、一般的に工業薬品とし
て出廻っている炭酸塩もしくは炭酸水素塩との混合物で
も良い。またギ酸塩を酸化または加水分解して生成され
た炭酸水素塩から出発したものでも良い。この塩は、ナ
トリウム、カリウム、リチウム、カルシウム塩の何れで
も良いが、工業的に実施するにはナトリウム塩が一般的
である。
肪族アルデヒドに対するモル比で、炭酸水素塩換算量で
1〜2 倍モル量である。副生物を抑えて高選択率に目的
の多価アルコールを得るためには、脂肪族アルデヒドの
種類に合わせて調整する必要がある。例えば、脂肪族ア
ルデヒドがNBALの場合、炭酸水素塩換算量で 1.0〜
1.2倍モルであり、また脂肪族アルデヒドがAALの場
合、炭酸水素塩換算量で 1.0〜1.3 倍モルである。
ヒドの反応温度は45〜120℃、好ましくは60〜1
10℃であり、脂肪族アルデヒドの種類によってその最
適温度は異なる。例えば、NBALからTMPを製造す
る場合は、65〜110℃である。またAALからPE
を製造する場合は、50〜105℃である。またこの場
合、系内を所定の反応温度に保つため、系内を窒素ガス
等の不活性ガスで加圧することもできる。
ナールは (V)式のアルドール縮合段階で脂肪族アルデヒ
ドに1モル量のホルムアルデヒドが付加したアルカナー
ル−1からの脱水反応により生成する。従って、副生す
る(II)式で示される2−置換−2−アルケナールは、原
料脂肪族アルデヒドにより決定され、アクロレイン、メ
チルアクロレイン、エチルアクロレイン、プロピルアク
ロレインなどが挙げられる。このような2−置換−2−
アルケナールは製品の多価アルコールの精製工程で分離
することもできるが、交叉カニッツァロー反応の工程で
分離することが好ましく、これを循環使用することによ
り多価アルコールの収率が向上する。
として炭酸塩を主成分とする塩基触媒を用い、反応途中
に主反応と並行させながら又は単独に反応系外に、副生
した2−置換−2−アルケナールを分離回収した後、交
叉カニッツァロー反応を完結させることが好ましい。こ
の2−置換−2−アルケナールの分離は、特に脂肪族ア
ルデヒドに対する塩基触媒の消費モル比が0.50から
0.95の間に行うことが好ましく、このように2−置
換−2−アルケナールの分離を交叉カニッツァロー反応
を完結させ前に行うことにより2−置換−2−アルケナ
ールの副反応による損失が避けられ、多価アルコールを
高選択率で得ることができる。
交叉カニッツァロー反応が完了しない段階に行うが、減
圧、常圧または加圧条件での蒸留により容易に行える。
このような条件で副生した2−置換−2−アルケナール
を反応系外に除去することにより2−置換−2−アルケ
ナールの副反応による損失を防ぐことができる。本発明
において、反応第1段階のアルドール縮合反応と第2段
階の交叉カニッツァロー反応を区分した反応条件で行な
ってもよい。回収した2−置換−2−アルケナールは、
反応形式が多段連続反応では2〜3段目反応缶から回収
した後1段目反応缶へ循環し、また回分式の場合は次回
の反応系へ循環させることができる。なお炭酸塩を主成
分とする塩基触媒は交叉カニッツァロー反応においてギ
酸塩となるので、塩基触媒の消費モル比はギ酸塩の生成
モル比に相当し、これより2−置換−2−アルケナール
の分離時期を決定することができる。
を主成分とする触媒であり、(VII)式の炭酸水素塩が炭
酸塩となる反応が同時に起こるため、反応第2段階の交
叉カニッツァロー反応時に炭酸ガスの発生を伴う。従っ
て低沸点物である(II)式で示される2−置換−2−アル
ケナールおよび水を炭酸ガスと系外に放出させながら非
連続的または連続的に行うことが好ましい。
た2−置換−2−アルケナールを、水またはホルムアル
デヒド水溶液と反応させた後、循環使用するものであ
る。これにより反応性の劣る2−置換−2−アルケナー
ルが、反応性の高い2−置換アルカナール−1や2−置
換アルカナール−2となるので、多価アルコール製造プ
ロセスのホルムアルデヒドの使用量を低減することがで
き、また目的とする多価アルコールが高選択率で得られ
るようになる。また、2−置換−2−アルケナールを、
原料の脂肪族アルデヒドを添加する前に水やホルムアル
デヒド水溶液と反応させてアルドール縮合反応系に循環
使用することによって、2−置換−2−アルケナールの
副反応による損失が避けられ、多価アルコールを高選択
率で得ることができる。
触媒を用いずに行うこともできる。従って一つの手段と
して例えば交叉カニッツァロー反応が完結する前に共沸
回収した2−置換−2−アルケナールと水との混合液そ
のものを沸騰温度以下に加熱攪拌し反応させることによ
って2−置換アルカナール−1含有液が得られる。これ
を塩基触媒存在下にホルムアルデヒド水溶液と混合し
て、次いで脂肪族アルデヒドを反応させることにより多
価アルコールが製造される。
ムアルデヒド水溶液を反応させる方法として、先ず2−
置換−2−アルケナールおよびホルムアルデヒド水溶液
と炭酸塩を主成分とする塩基触媒の水溶液とを混合し、
この中に続いて脂肪族アルデヒドを一定の速度で添加す
る方法や、あらかじめ無触媒あるいは触媒存在下に2−
置換−2−アルケナールと水を反応させ、得られた2−
置換アルカナール−1含有液にホルムアルデヒド水溶液
と塩基触媒を添加し、脂肪族アルデヒドと反応させるこ
とにより多価アルコールが製造される。
アルデヒド水溶液と反応させる際の反応温度は45〜120
℃とすることが好ましく、但し当該2−置換−2−アル
ケナールの共沸温度以下にすることが必要であり、その
ために系内を窒素ガス等の不活性ガスで加圧することも
できる。反応時間は当該2−置換−2−アルケナールに
よって異なるが、例えば5分から120分の間で適宜選
択することが多い。2−置換−2−アルケナールを水や
ホルムアルデヒド水溶液を反応させるには無触媒でも良
い。触媒を使用する場合は、例えば、ギ酸、硫酸、燐酸
等の酸類、またはアルドール縮合反応、交叉カニツアロ
ー反応に用いる塩基触媒が用いられる。
持つので重合して不純物を生じ易いが、このように予め
水やホルムアルデヒド水溶液と反応させることにより2
−置換−2−アルケナール同士の重合が回避され、多価
アルコールが高選択率で得られるようになる。多価アル
コールの選択率を高めるために、2−置換−2−アルケ
ナールと水やホルムアルデヒド水溶液との反応率をでき
るだけ高めた状態で脂肪族アルデヒドを導入することが
望ましい。従って脂肪族アルデヒドの導入前の状態で、
原料の脂肪族アルデヒドに対する残留2−置換−2−ア
ルケナールの比率を0.01未満、好ましくは0.00
1未満とする。
ールを得るには幾つかの方法があるが、先ず反応液中に
残存する過剰のアルカリをギ酸を用いて中和し、次に残
存するホルムアルデヒドを0.05〜0.40MPa(g)の加圧下で
蒸留して留去した後、一般的には溶媒で抽出する方法ま
たは再結晶法で多価アルコールを得る。但しこの多価ア
ルコールを得る方法は、目的の多価アルコールの物理的
性質、とりわけ水に対する溶解度の差などによって、そ
の処理法が異なる。
抽出によって目的のTMPとギ酸塩とが分離される。こ
こで使用する溶媒は、反応原料でもあるNBALでもよ
く、または、異種、例えば、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトンなどのケトン類、イソブチルアルコ
ール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、更
には酢酸ブチルエステルなどのエステル類の単品、また
はこれらの混合物を用いるのが有効である。またAAL
からPEを製造する場合では、反応生成液を濃縮、冷却
し、晶析、分離を繰り返してPEと水溶液中のギ酸塩と
を固液分離する。ケーキとして分離したPEは、水洗し
た後、乾燥して製品とする。
ま又は前処理として活性炭処理して、ギ酸塩以外の有機
不純物を除去した後、濃縮し常法によってギ酸塩を副製
品として回収するか、または酸素分子存在下または不存
在下に貴金属触媒またはニッケル触媒下で、このギ酸塩
を炭酸水素塩を主成分とした塩基化合物に転換した後に
回収する。
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお以下の実施例および比較例において、目的
とする多価アルコールの選択率(消費アルデヒド基準)
は、脂肪族アルデヒドおよび2−置換−2−アルケナー
ルの消費量に対する目的とする多価アルコール生成量の
モル比率である。
らTMPを製造) (初回反応)容量積30L反応槽に40重量%ホルムア
ルデヒド水溶液8200g(109.2モル)と炭酸水
素ナトリウム換算濃度で33重量%の塩基性水溶液(炭
酸水素ナトリウム/炭酸ナトリウムのモル比2/98)
9548g(37.5モル)を混合し、窒素ガスで0.10
MPa(g)まで昇圧した後、撹拌下に温度を80℃まで昇温
した。この中にNBAL2464g(34.1モル)を
一定速度45分間かけて添加した。この間の温度は80
℃から徐々に上昇させ最高温度90℃に制御した。その
後、圧力0.10MPa(g)、温度98℃に昇温して15分間反
応を継続した。反応によって発生するCO2 は随時系外
に放出させた。次に温度、圧力を徐々に昇温、降圧さ
せ、反応槽上部から発生するCO2 ガスと共に低沸留分
である2−エチルアクロレイン(以下、ECRと称す)
と一部共沸する水を蒸留法で回収留去させた。この回収
のタイミングは、NBALに対する塩基触媒の消費モル
比で0.5から0.95の間である。その間反応を10
分間継続した。その回収量は620gで、この内ECR
は水中の溶解分を含めて495.6g(5.90モル)
であった。ECR回収後98〜100℃で30分間反応
を継続した。また反応を通して放出されたCO2 ガス量
は770g(17.5モル)であった。残存した反応生
成液18822gを分析した結果、TMPを17.82
重量%含んでおり、TMP選択率(消費アルデヒド基
準)は88.8モル%であった。
させた場合)実施例1の初回反応で回収したECR相と
水相の全量620g(ECR:5.90モル)を水80
00gと混合し、窒素ガスで0.10MPa(g)まで昇圧した
後、撹拌下に温度を80℃まで昇温した。この温度で1
0分間反応を継続した。該反応液中のECR残量は2g
(原料NBALに対するモル比=0.0007) であった。こ
の中に40重量%ホルムアルデヒド水溶液8200g
(109.2モル)と炭酸水素ナトリウム換算濃度で3
3重量%の塩基性水溶液(炭酸水素ナトリウム/炭酸ナ
トリウムのモル比:2/98)9548g(37.5モ
ル)を添加した後、NBAL2464g(34.1モ
ル)を一定速度45分間かけて添加した。この間の温度
は80℃から徐々に上昇させ最高温度98℃に制御させ
た。NBAL添加後、圧力0.10MPa(g)、温度98℃を保
ちながら10分間反応を継続した。この間、反応によっ
て発生するCO2 ガスは随時系外に放出した。次に圧力
を徐々に降圧させながら反応槽上部から発生するCO2
ガスと共にECRおよび共沸する水を回収した。この回
収タイミングは前記初回反応と同様に行い、10分間反
応を継続した。この留出量は650gで、この内ECR
は水中に溶解した分を含めて499g(5.95モル)
であった。ECR回収後、更に98〜100℃で30分
間反応を継続した。残存した反応液27421gを分析
した結果、TMPを15.18重量%含んでおり、TM
P選択率(消費アルデヒド基準)は91.1モル%であ
った。
ド水溶液8200g(109.2モル)と炭酸水素ナト
リウム換算濃度で33重量%の塩基性水溶液(炭酸水素
ナトリウム/炭酸ナトリウムのモル比:2/98)95
48g(37.5モル)を混合し、窒素ガスで0.10MPa
(g)まで昇圧した後、撹拌下に温度を80℃まで昇温し
た。この中にNBAL2464g(34.1モル)を一
定速度45分間かけて添加した。この間の温度は80℃
から徐々に上昇させ最高温度98℃に制御させた。NB
AL添加後、圧力0.10MPa(g)、温度98℃の条件下で1
0分間反応を継続した。次に圧力を徐々に降圧させ、常
圧下温度98℃で30分間反応を継続した。この間、副
生したECRの回収は行わなかった。なお反応によって
発生するCO2 は随時系外に放出させた。反応を通して
放出されたCO2 ガス量は775gであった。残存した
反応生成後19437gを分析した結果、TMPを1
7.7重量%含んでおり、TMP選択率(消費アルデヒ
ド基準)は76.5モル%であった。
アルデヒド水溶液を反応させた場合) 40重量%ホルムアルデヒド水溶液6775g(90.
24モル)と33重量%(炭酸水素ナトリウム換算濃
度)の塩基性水溶液7896g(31.02モル)を混
合し、窒素ガスで0.10MPa(g)まで昇圧した後、撹拌下に
80℃に昇温し、実施例1の2回目反応で回収したEC
R相と水相の全量650gを添加し、10分間反応を継
続した。該反応液中のECRの残量は2g(原料NBA
Lに対するモル比=0.0008)であった。該反応液に、N
BAL2035g(28.2モル)を一定速度45分間
かけて添加した。この間の温度は80℃から徐々に上昇
させ最高温度98℃に制御させた。NBAL添加後、圧
力0.10MPa(g)、温度98℃を保ちながら10分間反応を
継続した。この間、反応によって発生するCO2 ガスは
随時系外に放出した。次に圧力を徐々に降圧させながら
反応槽上部から発生するCO2 ガスと共にECRおよび
共沸する水を回収した。この回収タイミングは前記の初
回反応と同様に行った。この留出量は654gでこの内
ECRは水中に溶解した分を含めて498.8g(5.
94モル)であった。ECR回収後更に98〜100℃
で30分間反応を継続した。残存した反応生成液160
52gを分析した結果、TMPを21.18重量%含ん
でおり、TMP選択率(消費アルデヒド基準)は90.
0モル%であった。
た場合) 実施例1の初回反応と同様に40重量%ホルムアルデヒ
ド水溶液6775g(90.24モル)と炭酸水素ナト
リウム換算濃度で33重量%の塩基性水溶液(炭酸水素
ナトリウム/炭酸ナトリウムのモル比:2/98)78
96g(31.02モル)を混合し、窒素ガスで0.10MP
a(g)まで昇圧した後、撹拌下に温度を80℃まで昇温し
た。これに実施例1の初回反応で回収した水相の全量を
添加し、ECR相の全量(ECR:5.94モル)とN
BAL2035g(28.2モル)を均一混合したもの
を、一定速度45分間かけて添加した。この間の温度は
80℃から徐々に上昇させ最高温度98℃に制御させ
た。この後、圧力0.10MPa(g)、温度98℃を保ちながら
10分間反応を継続した。この間、反応によって発生す
るCO2 ガスは随時系外に放出した。次に圧力を徐々に
降圧させながら反応槽上部から発生するCO2 ガスと共
にECRおよび共沸する水を回収した。この回収タイミ
ングは前記初回反応と同様に行い、10分間反応を継続
した。この留出量は654gで、この内ECRは水中に
溶解した分を含めて500.6g(5.96モル)であ
った。ECR回収後、更に98〜100℃で30分間反
応を継続した。残存した反応液16030gを分析した
結果、TMPを19.33重量%含んでおり、TMP選
択率(消費アルデヒド基準)は82.0モル%であっ
た。
デヒドからPEを製造) (初回反応)40重量%ホルムアルデヒド水溶液687
0g(91.5モル)と炭酸ナトリウム1314g(1
2.4モル)と水3066gを混合し、窒素ガスで0.10
MPa(g)まで昇圧した後、撹拌下に温度を60℃まで昇温
した。この中にアセトアルデヒド893.2g(20.
3モル)を一定速度30分間かけて添加した。この間の
温度は60℃から徐々に上昇させ最高温度75℃に制御
した。その後、圧力0.10MPa(g)、温度80℃に昇温して
15分間反応を継続した。反応によって発生するCO2
は随時系外に放出させた。次に温度、圧力を徐々に降
温、降圧させ、反応槽上部から発生するCO2 ガスと共
に低沸留分であるアクロレイン(以下、ACRと称す)
と一部共沸する水を蒸留法で回収留去させた。この回収
タイミングは、NBALに対する塩基触媒の消費モル比
で0.5から0.95の間である。その間反応を10分
間継続した。その回収量は320gで、この内ACRは
水中の溶解分を含めて147.8g(2.64モル)で
あった。ACR回収後98〜100℃で30分間反応を
継続した。また反応を通して放出されたCO2 ガス量は
536.8g(12.2モル)であった。残存した反応
生成液11286gを分析した結果、PEを16.94
重量%含んでおり、PE選択率(消費アルデヒド基準)
は90.2モル%であった。
ン(ACR)とホルムアルデヒド水溶液を反応させた場
合〕40重量%ホルムアルデヒド水溶液6870g(9
1.5モル)と炭酸ナトリウム1183g(11.2モ
ル)と水3197gを混合し、窒素ガスで0.10MPa(G)ま
で昇圧した後、撹拌下に60℃に昇温した。この中に初
回反応で回収したACR相と水相の全量320gを添加
し、10分間反応を継続した。該反応液中のACRの残
量は0.8g(原料アセトアルデヒドに対するモル比=
0.0009)であった。該反応液に、アセトアルデヒ
ド893.2g(20.3モル)を一定速度30分間か
けて添加した。この間の温度は60℃から徐々に上昇さ
せ最高温度75℃に制御させた。その後、圧力0.10MPa
(g)、温度80℃に昇温して15分間反応を継続した。
この間、反応によって発生するCO2 ガスは随時系外に
放出した。次に温度、圧力を徐々に昇温、降圧させ、反
応槽上部から発生するCO2 ガスと共にACRと一部共
沸する水を蒸留法で回収留去させた。この回収タイミン
グは前記の初回反応と同様に行った。その間反応を10
分間継続した。その回収量は322gで、この内ACR
は水中の溶解分を含めて148.2g(2.65モル)
であった。ACR回収後98〜100℃で30分間反応
を継続した。また反応を通して放出されたCO2 ガス量
は540g(12.3モル)であった。残存した反応生
成液11436gを分析した結果、PEを19.49重
量%含んでおり、PE選択率(消費アルデヒド基準)は
91.5モル%であった。
塩基触媒を用いた脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒド
との反応による多価アルコールの製造方法において、付
加価値の低い副生2−置換−2−アルケナールを水また
はホルムアルデヒド水溶液と反応させた後に循環使用す
ることにより新たに2−置換−2−アルケナールが実質
上副生することなく、目的とする多価アルコールを、高
選択率で効率良く、容易に製造することができる。従っ
て本発明の方法は、炭酸塩を主成分とする塩基触媒を用
いて、脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒドから多価ア
ルコールが、容易に高収率、且つ高品質で得られるの
で、工業的に極めて有利である。
Claims (2)
- 【請求項1】炭酸塩を主成分とする塩基触媒存在下に
(I)式で示される脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒド
とのアルドール縮合反応を行い、引き続き交叉カニッツ
ァロー反応を行うことにより多価アルコールを製造する
に際して、無触媒あるいは触媒存在下に、副生した(II)
式で示される2−置換−2−アルケナールと水を反応さ
せて得られた (III)式で示される2−置換アルカナール
−1含有液を、塩基触媒存在下にホルムアルデヒドと混
合し、次いで (I)式で示される脂肪族アルデヒドを反応
させることを特徴とする多価アルコールの製造法。 【化1】 【化2】 【化3】 (以上、Rは水素基、或いは炭素数1〜22の直鎖また
は分岐鎖の脂肪族基) - 【請求項2】炭酸塩を主成分とする塩基触媒存在下に
(I)式で示される脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒド
とのアルドール縮合反応を行い、引き続き交叉カニッツ
ァロー反応を行うことにより多価アルコールを製造する
に際して、無触媒あるいは触媒存在下に、副生した(II)
式で示される2−置換−2−アルケナールとホルムアル
デヒド水溶液を反応させて得られた (III)式で示される
2−置換アルカナール−1および(IV)式で示される2−
置換アルカナール−2含有液を、塩基触媒存在下で (I)
式で示される脂肪族アルデヒドと反応させることを特徴
とする多価アルコールの製造法。 【化4】 【化5】 【化6】 (以上、Rは水素基、或いは炭素数1〜22の直鎖また
は分岐鎖の脂肪族基)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007102637A1 (en) * | 2006-03-07 | 2007-09-13 | Lg Chem, Ltd. | Method for preparing trimethylolpropane |
JP2009143866A (ja) * | 2007-12-14 | 2009-07-02 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | ジトリメチロールプロパンの製造方法 |
JP2009143867A (ja) * | 2007-12-14 | 2009-07-02 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | ジトリメチロールプロパンの製造方法 |
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JPH08169856A (ja) * | 1994-10-20 | 1996-07-02 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 多価アルコールの製造方法 |
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-
1999
- 1999-02-04 JP JP02742599A patent/JP4561939B2/ja not_active Expired - Fee Related
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