JP2000225996A - アンチ・ブローチング操舵装置 - Google Patents

アンチ・ブローチング操舵装置

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JP2000225996A
JP2000225996A JP11029430A JP2943099A JP2000225996A JP 2000225996 A JP2000225996 A JP 2000225996A JP 11029430 A JP11029430 A JP 11029430A JP 2943099 A JP2943099 A JP 2943099A JP 2000225996 A JP2000225996 A JP 2000225996A
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JP
Japan
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steering
steering angle
wave
rudder
broaching
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Application number
JP11029430A
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English (en)
Inventor
Naoya Umeda
直哉 梅田
Matao Takagi
又男 高木
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SUISANCHIYOU SUISAN KOGAKU KEN
SUISANCHIYOU SUISAN KOGAKU KENKYUSHO
Japan Hamworthy and Co Ltd
Original Assignee
SUISANCHIYOU SUISAN KOGAKU KEN
SUISANCHIYOU SUISAN KOGAKU KENKYUSHO
Japan Hamworthy and Co Ltd
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Publication date
Application filed by SUISANCHIYOU SUISAN KOGAKU KEN, SUISANCHIYOU SUISAN KOGAKU KENKYUSHO, Japan Hamworthy and Co Ltd filed Critical SUISANCHIYOU SUISAN KOGAKU KEN
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな舵角を与える操舵操作によってブロー
チングを防止する。 【解決手段】 大舵角の操作と迅速な転舵操作を行なう
舵取機12と、舵取機12を制御する制御装置13と、
船体の揺れの周期を検出する動揺計測手段14とを有
し、制御装置13は、動揺計測手段14が追波を検出し
たときに舵取機12に大舵角の操舵を高速で行なうこと
を指示する機能回路を有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船舶が波浪中にお
いてブローチング現象を起こさず、安全に航行すること
ができるアンチ・ブローチング操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】船舶が転覆する原因の一つに、ブローチ
ングによる転覆がある。ブローチングは、追波中で船が
波によって本来の速度以上に加速され、船が波の下り波
面に捕捉される波乗り状態となり、その状態での波と船
体形状の関係から方向性を失い、通常の操作によっては
針路が維持できなくなる現象である。
【0003】図5に示すように、船体1が波の山と波の
谷の間に位置し、船尾に波の山を斜めに受けると、波の
力Fで船尾が横に振られる。ある程度までは舵の作用で
旋回を防ぐことができるが、限界を越えると船体1が急
激な旋回をはじめて操縦不能となる。これは波による旋
回モーメントが働くためである。つまり、波の山と波の
谷の間においては、船尾の右舷側は左舷側よりも水位が
高く、船尾を左舷に押し出す力が働く。船首は波の谷に
あって力が作用しない。このために、船体1を右旋回さ
せる波のモーメントが作用する。
【0004】図6に示すように、船体1が一定値以上の
スピードをもって右旋回すると、水面上に位置する船体
1の重心に遠心力Faが左舷方向へ作用するとともに、
水面下において船体に水の力(流体力)Fbが右舷方向
へ作用し、船体1が大傾斜し、転覆する。
【0005】このブローチングを防ぐ従来の方法として
は、以下に示すものがある。 (1)追波中において速力を低下させる。 (2)船尾からロープを曳航する。 (3)船尾からシーアンカーまたは剛体パラシュートを
曳航する。 (4)自動操舵装置を使用しない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したよ
うな方法では以下のような問題があり、実用に用いられ
ることは少ない。 (1)追波中において速力を低下させると、風により横
流れを起こすために、ブローチングが発生しやすくな
り、入港時においての実施は困難である。 (2)ロープを曳航する方法では、使用後のロープの引
き上げが容易ではなく、プロペラとロープが荒天下で絡
まった場合には、船舶が航行の自由を失うことになる。 (3)シーアンカーや剛体パラシュートの曳航により、
抵抗を人為的に増加させる場合には、方向性を損なって
船の針路がしばしば振り回されるようになり、結果とし
てブローチングがむしろ起こり易くなる場合がある。 (4)自動操舵装置を用いないことは熟練した操舵手の
存在を前提としているが、しばしばその条件は満たされ
ない。
【0007】本発明は上記した課題を解決するものであ
り、大きな舵角を与える操舵操作によってブローチング
を防止することができるアンチ・ブローチング操舵装置
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題解決するための手段】上記した課題を解決するた
めに、本発明のアンチ・ブローチング操舵装置は、大舵
角の操作と迅速な転舵操作を行なう舵取機と、舵取機を
制御する制御装置と、船体の揺れの周期を検出する動揺
計測手段とを有し、制御装置は、動揺計測手段が追波を
検出したときに舵取機に大舵角の操舵を高速で行なうこ
とを指示する機能回路を有するものである。
【0009】上記した構成により、船舶が波浪中を航行
すると、縦揺れ、横揺れなど周期的な動揺が起こる。こ
の動揺の周期は、波の周期ではなく、ドップラー効果に
起因するものであり、向波では短く、追波では長くな
る。
【0010】動揺計測手段は、縦揺れの角度を連続的に
検出し、得られた縦揺れ周期が予め設定する閾値Aより
大きい場合は、追波を航走している追波モードと判断
し、閾値Aより小さい場合は向波を航走している向波モ
ードと判断する。この場合に、向波、追波において縦揺
れの振幅が最も大きくなるので、横揺れではなく縦揺れ
の周期に着目することが信頼性を向上させる。閾値A
は、本来波の周期とすべきであるが、波のない平水中に
おける航走を追波モードと誤判断することを防ぐため
に、平水中の縦揺れの周期にあたる固有周期よりもある
程度大きな値に設定する。
【0011】制御装置は、動揺計測手段が向波モードと
判断する場合には、通常のアルゴリズムにおいて算出す
る舵角を舵取機に指示する。つまり、制御装置は、目標
針路と実針路の角度偏差、およびその微分、積分に比例
する操舵角を、ローパスフィルターによる不感帯を加味
して算出し、その値を舵取機に指示する。このときの角
度比例ゲインは通常1程度である。向波モードにおい
て、制御装置は、予め設定する許容最大舵角Bの範囲内
で舵角を算出し、算出した舵角を舵角指令として舵取機
に指示し、これ以上の指令舵角の入力を受けても舵角指
令の値を許容最大舵角Bとする。この操舵角を許容最大
舵角B内に制限することの理由は、大舵角の操舵による
舵の作用によって予期せね横揺れを起こさないためであ
る。許容最大舵角Bとしては、操舵手が広い水域を保針
操舵するときに合わせて15度ほどとする。
【0012】制御装置は、動揺計測手段が追波モードと
判断する場合には、角度比例ゲイン2以上として舵角を
算出し、算出する指令舵角が設定上限値Cを越えた場合
に、予め設定する一定値の非常大舵角を指令舵角として
指示する。このとき設定上限値Cとしては例えば35度
であり、非常大舵角としては例えば65度以上の値であ
る。
【0013】この操舵によって、ブローチングによる針
路のずれが発生すると、直ちに舵が大舵角に操舵され、
その作用により船の針路を戻そうとするとともに、舵に
よる抵抗が増加して波乗り現象の継続を防ぎ、舵の作用
で針路を戻しながら後続する波に追い抜かれて危険な状
況から抜け出す。つまり、35度以上で65度未満とい
う中間的な舵角では、船の横揺れが増すために危険であ
るが、一挙に65度以上の大舵角とすることにより、舵
に大きな抵抗を確実に作用させるとともに、横揺れの発
生が起こり難い幾何学的関係を構成できる。
【0014】舵の最大操舵速度は毎秒8度以上とするこ
とが適当であるが、この操舵速度の最適値は、波による
不安定度と船の変針能力の関係から今後求められなけれ
ばならないが、模型実験では毎秒8度という値で操舵す
ることにより、少なくともブローチングを防ぐことが確
認できた。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明に係るアンチ・ブロ
ーチング操舵装置の側面図、図2は同平面図、図3はア
ンチ・ブローチング操舵装置のブロック図、図4は同操
舵装置における方位角偏差と指令舵角の関係を示すグラ
フ図である。
【0016】図1〜図4において、アンチ・ブローチン
グ操舵装置は、船体10の船尾に配置する舵11と、舵
11を大舵角に、かつ迅速に転舵操作する舵取機12
と、舵取機12に舵角を指令する自動操舵装置13と、
船体10の揺れの周期を検出する動揺計測手段としての
慣性計測装置14とからなる。
【0017】図2に示すように、舵11は最大舵角とし
て65度以上の舵角αを取ることができる構造を有して
いる。舵取機12は、65度以上までの舵角を、最大操
舵速度が毎秒8度以上となる操舵速度をもって迅速に操
作することができる機能を有する。
【0018】慣性計測装置14は、縦揺れの角度を連続
的に検出し、得られた縦揺れ周期が予め設定する閾値A
より大きい場合は、追波を航走している追波モードと判
断し、閾値Aより小さい場合は向波を航走している向波
モードと判断する。
【0019】図3に示すように、自動操舵装置13は、
指令針路S1と実針路S2との偏差に対して所定の舵角
を指令して所定の船体運動S3を行なわせる機能を有す
るものであり、向波モードと追波モードとの二つの制御
モードを慣性計測装置14の指示を受けて切換える機能
を有し、慣性計測装置14が追波を検出したときに、追
波モードに切換えて舵取機12に大舵角の操舵を高速で
行なうことを指示するものである。
【0020】以下、上記した構成における作用を説明す
る。自動操舵装置13は、向波モードにおいて、目標針
路と実針路の角度偏差、およびその微分、積分に比例す
る操舵角を、ローパスフィルターによる不感帯を加味し
て算出し、その値を舵取機12に指示する。このときの
角度比例ゲインは通常1程度である。
【0021】図4に示すように、向波モードにおいて、
自動操舵装置13は、予め設定する許容最大舵角15度
の範囲内で舵角を算出し、算出した舵角を舵角指令とし
て舵取機12に指示し、操舵者が許容最大舵角15度を
越える指令舵角を入力しても、舵角指令の値を許容最大
舵角15度とする(ラインa)。このことにより、大舵
角の操舵による予期せぬ横揺れを防止する。
【0022】追波モードにおいて、自動操舵装置13
は、角度比例ゲイン2以上として舵角を算出し、算出す
る指令舵角が設定上限値35度を越えた場合に、一挙に
最大舵角65度を指令舵角として指示する(ライン
b)。
【0023】この操舵によって、舵11による抵抗を増
加させて波乗り現象の継続を防ぎ、舵11の作用で針路
を戻しながら後続する波に追い抜かれて危険な状況から
抜け出す。つまり、一挙に65度以上の大舵角とするこ
とにより、舵に大きな抵抗を確実に作用させるととも
に、横揺れの発生が起こり難い幾何学的関係を構成す
る。
【0024】このような機能により、ブローチング現象
が発生するような荒天下では使用しないように勧告され
ている自動操舵装置を、ブローチング現象を防ぐための
手段として積極的に利用することができる。
【0025】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、動
揺計測手段で追波モードを検出した場合に、角度比例ゲ
イン2以上として操舵し、指令舵角が設定上限値として
35度を越えた場合に、予め設定する65度以上の一定
値の大舵角を指令舵角として指示することにより、舵に
よる抵抗を増加させて波乗り現象の継続を防ぎ、舵の作
用で針路を戻しながら後続する波に追い抜かれて危険な
状況から抜け出し、結果として過大な横揺れの発生を防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるアンチ・ブローチ
ング操舵装置の側面図である。
【図2】同アンチ・ブローチング操舵装置の平面図であ
る。
【図3】同アンチ・ブローチング操舵装置のブロック図
である。
【図4】同操舵装置における方位角偏差と指令舵角の関
係を示すグラフ図である。
【図5】ブローチング現象を示す説明図である。
【図6】ブローチングによる横揺れを示す説明図であ
る。
【符号の説明】
10 船体 11 舵 12 舵取機 13 自動操舵装置 14 慣性計測装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅田 直哉 茨城県鹿島郡波崎町土合中央3丁目9−24 −404 (72)発明者 高木 又男 大阪府大阪市城東区鴫野西1丁目15番1号 パーク沢瀉ジャパン・ハムワージ株式会社 内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大舵角の操作と迅速な転舵操作を行なう
    舵取機と、舵取機を制御する制御装置と、船体の揺れの
    周期を検出する動揺計測手段とを有し、制御装置は、動
    揺計測手段が追波を検出したときに舵取機に大舵角の操
    舵を高速で行なうことを指示する機能回路を有すること
    を特徴とするアンチ・ブローチング操舵装置。
JP11029430A 1999-02-08 1999-02-08 アンチ・ブローチング操舵装置 Pending JP2000225996A (ja)

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JP11029430A JP2000225996A (ja) 1999-02-08 1999-02-08 アンチ・ブローチング操舵装置

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007050823A (ja) * 2005-08-19 2007-03-01 Yamaha Marine Co Ltd 小型船舶の挙動制御装置
KR101422499B1 (ko) * 2012-07-13 2014-07-25 삼성중공업 주식회사 조타 장치 및 그 제어방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007050823A (ja) * 2005-08-19 2007-03-01 Yamaha Marine Co Ltd 小型船舶の挙動制御装置
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