JP2000225104A - Rfコイルおよびmri装置 - Google Patents
Rfコイルおよびmri装置Info
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- G01R—MEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
- G01R33/00—Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
- G01R33/20—Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
- G01R33/28—Details of apparatus provided for in groups G01R33/44 - G01R33/64
- G01R33/32—Excitation or detection systems, e.g. using radio frequency signals
- G01R33/36—Electrical details, e.g. matching or coupling of the coil to the receiver
- G01R33/3642—Mutual coupling or decoupling of multiple coils, e.g. decoupling of a receive coil from a transmission coil, or intentional coupling of RF coils, e.g. for RF magnetic field amplification
- G01R33/365—Decoupling of multiple RF coils wherein the multiple RF coils have the same function in MR, e.g. decoupling of a receive coil from another receive coil in a receive coil array, decoupling of a transmission coil from another transmission coil in a transmission coil array
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Abstract
(57)【要約】
【課題】多素子型RFコイルにおいて、使用する度にコ
イル素子間の相対的な位置関係が変わる場合であって
も、良好な除去能を発揮させる。 【解決手段】複数個のコイル素子A,Bの近傍に閉ルー
プCを配置する。複数個のコイル素子A,Bはそれらの
空間的位置関係が可変の状態で備えられる。閉ループC
を、複数個のコイル素子A,B相互間の磁気的干渉を除
去または減少させるように形成する。具体的には、閉ル
ープCは、コイル素子A,B相互間の空間的位置関係の
変化に伴い生じる一方のコイル素子Aから他方のコイル
素子Bへ鎖交する磁束の変化量と、その一方のコイル素
子Aから閉ループCを経由して他方のコイル素子Bへ鎖
交する磁束の変化量とを相殺させるように、その配置位
置と形状を設定する。巻き付け型のフェーズドアレイコ
イルや、QDコイルとして使用される。
イル素子間の相対的な位置関係が変わる場合であって
も、良好な除去能を発揮させる。 【解決手段】複数個のコイル素子A,Bの近傍に閉ルー
プCを配置する。複数個のコイル素子A,Bはそれらの
空間的位置関係が可変の状態で備えられる。閉ループC
を、複数個のコイル素子A,B相互間の磁気的干渉を除
去または減少させるように形成する。具体的には、閉ル
ープCは、コイル素子A,B相互間の空間的位置関係の
変化に伴い生じる一方のコイル素子Aから他方のコイル
素子Bへ鎖交する磁束の変化量と、その一方のコイル素
子Aから閉ループCを経由して他方のコイル素子Bへ鎖
交する磁束の変化量とを相殺させるように、その配置位
置と形状を設定する。巻き付け型のフェーズドアレイコ
イルや、QDコイルとして使用される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、RFコイル装置お
よびMRI(磁気共鳴イメージング)装置に係り、とく
に、コイル部分が複数のコイル素子から成り且つ使用時
におけるその複数のコイル素子間の空間的位置関係が可
変であって、コイル素子相互間の磁気的干渉を除去する
機能を有するアセンブリ構造のRFコイル装置、およ
び、この装置を搭載したMRI装置に関する。
よびMRI(磁気共鳴イメージング)装置に係り、とく
に、コイル部分が複数のコイル素子から成り且つ使用時
におけるその複数のコイル素子間の空間的位置関係が可
変であって、コイル素子相互間の磁気的干渉を除去する
機能を有するアセンブリ構造のRFコイル装置、およ
び、この装置を搭載したMRI装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴イメージングは、静磁場の中に
置かれた被検体の原子核スピンをそのラーモア周波数の
高周波信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生す
るMR信号から画像を再構成する手法である。
置かれた被検体の原子核スピンをそのラーモア周波数の
高周波信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生す
るMR信号から画像を再構成する手法である。
【0003】このイメージングを行なうMRI装置にお
いて、高周波磁場の送信および受信を司る要素がRFコ
イルである。このRFコイルには、微弱な信号を扱うた
め、高い信号雑音比(SNR)が求められている。これ
に応えるため、複数のコイル素子を配置して1つのRF
コイルを形成して、その複数のコイル素子を同時に駆動
させる多素子型RFコイルがある。この多素子型RFコ
イルにも、種々のタイプがある。
いて、高周波磁場の送信および受信を司る要素がRFコ
イルである。このRFコイルには、微弱な信号を扱うた
め、高い信号雑音比(SNR)が求められている。これ
に応えるため、複数のコイル素子を配置して1つのRF
コイルを形成して、その複数のコイル素子を同時に駆動
させる多素子型RFコイルがある。この多素子型RFコ
イルにも、種々のタイプがある。
【0004】その1つは、直交する2つの高周波磁場を
作る2対のコイル素子を組み合わせるQDコイルであ
り、また別の1つは、多数のコイル素子を併設して同時
に受信するフェーズド・アレイ・コイル(Phased Array
Coil)である。これらの多素子型RFコイルを搭載する
場合、コイル素子間に、主として磁気的な相互誘導に因
って干渉が発生するという問題がある。この磁気的な干
渉は画像アーチファクトなどを引き起こすので、これを
除去または抑制する必要がある。
作る2対のコイル素子を組み合わせるQDコイルであ
り、また別の1つは、多数のコイル素子を併設して同時
に受信するフェーズド・アレイ・コイル(Phased Array
Coil)である。これらの多素子型RFコイルを搭載する
場合、コイル素子間に、主として磁気的な相互誘導に因
って干渉が発生するという問題がある。この磁気的な干
渉は画像アーチファクトなどを引き起こすので、これを
除去または抑制する必要がある。
【0005】この干渉除去または抑制(以下、干渉除去
という)の手法には、種々のものがある。第1の干渉除
去手法は、T.R.Foxの提案に係るコンデンサブリ
ッジによる中和回路である。この回路は、2個のコイル
素子の間をコンデンサブリッジで橋絡し、相互誘導によ
って発生する誘導起電力と逆相となる電圧をコンデンサ
ブリッジで供給して干渉を相殺させるものである。
という)の手法には、種々のものがある。第1の干渉除
去手法は、T.R.Foxの提案に係るコンデンサブリ
ッジによる中和回路である。この回路は、2個のコイル
素子の間をコンデンサブリッジで橋絡し、相互誘導によ
って発生する誘導起電力と逆相となる電圧をコンデンサ
ブリッジで供給して干渉を相殺させるものである。
【0006】第2の干渉除去手法として、Roemer
の論文により提案されている、複数のコイル素子の一部
を互いにオーバーラップさせて配置する手法が知られて
いる。このオーバーラップさせる部分を適宜に調整する
ことで、2個のコイル素子間の磁気的な相互誘導を除去
させることができる。
の論文により提案されている、複数のコイル素子の一部
を互いにオーバーラップさせて配置する手法が知られて
いる。このオーバーラップさせる部分を適宜に調整する
ことで、2個のコイル素子間の磁気的な相互誘導を除去
させることができる。
【0007】さらに第3の干渉除去手法として、Roe
merの別の論文により提案されている、低入力インピ
ーダンスの前置増幅器を用いる手法がある。この手法
は、低入力インピーダンスの前置増幅器とRFコイルの
間を結ぶインダクタンスと、RFコイルの出力コンデン
サとがラーモア周波数で共振する条件に設定するもので
ある。これにより、RFコイルに流れるラーモア周波数
の電流が低減し、コイル素子間の磁気的な相互誘導を除
去することができる。
merの別の論文により提案されている、低入力インピ
ーダンスの前置増幅器を用いる手法がある。この手法
は、低入力インピーダンスの前置増幅器とRFコイルの
間を結ぶインダクタンスと、RFコイルの出力コンデン
サとがラーモア周波数で共振する条件に設定するもので
ある。これにより、RFコイルに流れるラーモア周波数
の電流が低減し、コイル素子間の磁気的な相互誘導を除
去することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た第1〜第3の干渉除去手法には以下ような問題または
不都合があった。
た第1〜第3の干渉除去手法には以下ような問題または
不都合があった。
【0009】(1) まず、第1の干渉除去手法による
コンデンサブリッジの場合、RFコイルを形成するコイ
ル素子の数が増えるにつれて配線が錯綜し、複雑化及び
大形化した配線構造となる。同時に、コンデンサブリッ
ジを経由した閉ループが新たに形成され、コイル素子に
流れる高周波電流によって形成される磁束が当該閉ルー
プと錯綜するので、これにより新たな干渉問題を発生し
てしまう可能性があった。
コンデンサブリッジの場合、RFコイルを形成するコイ
ル素子の数が増えるにつれて配線が錯綜し、複雑化及び
大形化した配線構造となる。同時に、コンデンサブリッ
ジを経由した閉ループが新たに形成され、コイル素子に
流れる高周波電流によって形成される磁束が当該閉ルー
プと錯綜するので、これにより新たな干渉問題を発生し
てしまう可能性があった。
【0010】(2) また第2の干渉除去手法に係るオ
ーバーラップ配置の場合、コイル素子の配置に自由度が
低く抑えられ、RFコイルの感度分布や信号雑音比にと
って必ずしも最適な配置を採ることができないという不
都合があった。
ーバーラップ配置の場合、コイル素子の配置に自由度が
低く抑えられ、RFコイルの感度分布や信号雑音比にと
って必ずしも最適な配置を採ることができないという不
都合があった。
【0011】(3) さらに第3の干渉除去手法である
低入力インピーダンスの前置増幅器を用いるものは、磁
気的干渉がそれほど強くない場合にはこの手法を用いる
ことで足りる。しかし、近傍の例えば隣接したコイル素
子間のように強い磁気的干渉が生じている場合、かかる
前置増幅器による干渉除去手法は除去機能が十分ではな
く、他の干渉除去手法を補完する手法としてしか使える
ものではなかった。
低入力インピーダンスの前置増幅器を用いるものは、磁
気的干渉がそれほど強くない場合にはこの手法を用いる
ことで足りる。しかし、近傍の例えば隣接したコイル素
子間のように強い磁気的干渉が生じている場合、かかる
前置増幅器による干渉除去手法は除去機能が十分ではな
く、他の干渉除去手法を補完する手法としてしか使える
ものではなかった。
【0012】(4) さらにまた、この第1、第2の干
渉除去手法に関して、コイル素子間の干渉状態が変化す
るような状態でRFコイルを用いた場合、最適な調整状
態からずれてしまうため、当初、見込んでいた干渉除去
機能が低下してしまうという問題があった。
渉除去手法に関して、コイル素子間の干渉状態が変化す
るような状態でRFコイルを用いた場合、最適な調整状
態からずれてしまうため、当初、見込んでいた干渉除去
機能が低下してしまうという問題があった。
【0013】このため、例えば隣接したコイル素子で強
い干渉を示す配置構造をとりつつ、使用する度に、この
配置状態が少しずつ変わる場合、干渉抑制機能がその変
化分、劣化してしまうことになる。この状況を具体的に
以下に示す。
い干渉を示す配置構造をとりつつ、使用する度に、この
配置状態が少しずつ変わる場合、干渉抑制機能がその変
化分、劣化してしまうことになる。この状況を具体的に
以下に示す。
【0014】図14に示すRFコイルは、フレキシブル
プリント基板などのフレキシブルな部材Bの上面および
/または下面に合計4個のコイル素子1〜4が取り付け
た構造を有し、コイル素子1−2間、2−3間、および
3−4間は適度なオーバーラップ量をもってオーバーラ
ップ配置されており、それらのコイル素子間の磁気的干
渉は十分に抑制されているとする。そして、イメージン
グ時には、このRFコイル(アセンブリ)を被検体の周
りに巻き付けて、フェーズドアレイコイルとして用い
る。つまり、4個のコイル素子から同時にエコーデータ
を収集し、高SNRで且つ広視野の画像を得るという使
い方である。
プリント基板などのフレキシブルな部材Bの上面および
/または下面に合計4個のコイル素子1〜4が取り付け
た構造を有し、コイル素子1−2間、2−3間、および
3−4間は適度なオーバーラップ量をもってオーバーラ
ップ配置されており、それらのコイル素子間の磁気的干
渉は十分に抑制されているとする。そして、イメージン
グ時には、このRFコイル(アセンブリ)を被検体の周
りに巻き付けて、フェーズドアレイコイルとして用い
る。つまり、4個のコイル素子から同時にエコーデータ
を収集し、高SNRで且つ広視野の画像を得るという使
い方である。
【0015】このRFコイルの典型的な使用は、図15
示す如く、被検体の例えば頭部に巻き付けて頭部をイメ
ージングする場合である。RFコイルのオーバーラップ
量は予め、標準サイズの頭部を想定して設定されてい
る。このため、被検体頭部が標準サイズの場合、RFコ
イルを巻き付けたときの始端側および終端側に位置する
コイル素子1−4間のオーバーラップ量も適切な量にな
り、それらのコイル素子間の磁気的干渉も確実に抑制さ
れる。オーバーラップ量のばらつきなどに因って多少の
干渉が残る場合、この干渉は例えば低入力インピーダン
スの前置増幅器を併用して抑制される。
示す如く、被検体の例えば頭部に巻き付けて頭部をイメ
ージングする場合である。RFコイルのオーバーラップ
量は予め、標準サイズの頭部を想定して設定されてい
る。このため、被検体頭部が標準サイズの場合、RFコ
イルを巻き付けたときの始端側および終端側に位置する
コイル素子1−4間のオーバーラップ量も適切な量にな
り、それらのコイル素子間の磁気的干渉も確実に抑制さ
れる。オーバーラップ量のばらつきなどに因って多少の
干渉が残る場合、この干渉は例えば低入力インピーダン
スの前置増幅器を併用して抑制される。
【0016】このRFコイルを、図16に示す如く、例
えば幼少児などの小さい頭部に巻き付ける場合、図15
と同一のオーバーラップ量で巻くと、コイル素子1−4
間のオーバーラップ量は変わらないから、そこでの相互
干渉の除去能には変化がない。しかし、かかる頭部のサ
イズが小さいことによってRFコイルとの間に隙間がで
きる。つまり、被検体とRFコイルとの間が遠くなっ
て、受信感度が低下し、画像SNRも下がる。RFコイ
ルの損失が完全に零であれば、かかる感度低下は生じな
いが、実際にはそのようなRFコイルの制作は無理であ
り、RFコイルには必ず損失がある(換言すれば、雑音
を発生する)。
えば幼少児などの小さい頭部に巻き付ける場合、図15
と同一のオーバーラップ量で巻くと、コイル素子1−4
間のオーバーラップ量は変わらないから、そこでの相互
干渉の除去能には変化がない。しかし、かかる頭部のサ
イズが小さいことによってRFコイルとの間に隙間がで
きる。つまり、被検体とRFコイルとの間が遠くなっ
て、受信感度が低下し、画像SNRも下がる。RFコイ
ルの損失が完全に零であれば、かかる感度低下は生じな
いが、実際にはそのようなRFコイルの制作は無理であ
り、RFコイルには必ず損失がある(換言すれば、雑音
を発生する)。
【0017】そこで、このRFコイルを図17の模式図
の如く、標準として定めた範囲よりも小さいサイズの頭
部に、体表との間に適度な隙間(空隙)を残して巻き付
けたとする(適度な隙間を残したのは、RFコイルを体
表に過度に密着させると、SNRは反って低下するとい
う周知の問題を回避するため)。この場合、コイル素子
1、4間でオーバーラップ量がその標準状態での量から
変わってしまう。低入力インピーダンスの前置増幅器を
併用してはいるが、この増幅器はもともと補助的に設け
ているだけであって、かかるオーバーラップ量の変化に
伴う除去能の低下をカバーできることは殆どない。した
がって、コイル素子1−4間の相互干渉が大きくなり、
最終的な画像SNRは殆どの場合、低下する。また、コ
イル素子1や4の近傍では異常な感度ムラが観測される
ことにもなる。コイル素子1−4の間に例えばコンデン
サブリッジに拠る中和回路を設けることも考えられる
が、このRFコイルを使用する度に干渉状態が変わるこ
とから、この変化に対応して中和回路の諸量を調整する
ことは非現実的である。
の如く、標準として定めた範囲よりも小さいサイズの頭
部に、体表との間に適度な隙間(空隙)を残して巻き付
けたとする(適度な隙間を残したのは、RFコイルを体
表に過度に密着させると、SNRは反って低下するとい
う周知の問題を回避するため)。この場合、コイル素子
1、4間でオーバーラップ量がその標準状態での量から
変わってしまう。低入力インピーダンスの前置増幅器を
併用してはいるが、この増幅器はもともと補助的に設け
ているだけであって、かかるオーバーラップ量の変化に
伴う除去能の低下をカバーできることは殆どない。した
がって、コイル素子1−4間の相互干渉が大きくなり、
最終的な画像SNRは殆どの場合、低下する。また、コ
イル素子1や4の近傍では異常な感度ムラが観測される
ことにもなる。コイル素子1−4の間に例えばコンデン
サブリッジに拠る中和回路を設けることも考えられる
が、このRFコイルを使用する度に干渉状態が変わるこ
とから、この変化に対応して中和回路の諸量を調整する
ことは非現実的である。
【0018】被検体頭部が図15の標準状態よりも大き
い場合、今度は反対に、コイル素子1−4間のオーバー
ラップ量が不足し、干渉除去能が低下し、かかる問題が
顕在化する。
い場合、今度は反対に、コイル素子1−4間のオーバー
ラップ量が不足し、干渉除去能が低下し、かかる問題が
顕在化する。
【0019】ところで、上記(1)項〜(3)項に記載
の干渉除去手法の問題を解消または改善するため、本発
明者は特開平8−229019号公報において、可変リ
アクタンスループを用いた第4の干渉除去手法を提案し
ている。詳しくは、少なくとも2個のコイル素子を有す
るRFコイルにおいて、それらのコイル素子に対して電
気的に非接触な状態で磁気的に結合し、良導体による閉
ループから成り、かつ、この閉ループのリアクタンスを
調整できるようにしたものである。
の干渉除去手法の問題を解消または改善するため、本発
明者は特開平8−229019号公報において、可変リ
アクタンスループを用いた第4の干渉除去手法を提案し
ている。詳しくは、少なくとも2個のコイル素子を有す
るRFコイルにおいて、それらのコイル素子に対して電
気的に非接触な状態で磁気的に結合し、良導体による閉
ループから成り、かつ、この閉ループのリアクタンスを
調整できるようにしたものである。
【0020】しかし、この第4の干渉除去手法を用いて
も、やはり、コイル素子間の干渉状態が変化するような
状態でRFコイルを用いた場合、最適な調整状態からず
れてしまうため、当初、見込んでいた干渉除去機能が低
下してしまうという状況は依然として改善できていなか
った。このずれの度に、リアクタンスを調整する方法も
採りうるが、これも同様に非現実的である。
も、やはり、コイル素子間の干渉状態が変化するような
状態でRFコイルを用いた場合、最適な調整状態からず
れてしまうため、当初、見込んでいた干渉除去機能が低
下してしまうという状況は依然として改善できていなか
った。このずれの度に、リアクタンスを調整する方法も
採りうるが、これも同様に非現実的である。
【0021】本発明は、このような従来のMRI用多素
子型RFコイルの問題に鑑みてなされたもので、使用す
る度にコイル素子間の相対的な位置関係が変わる場合で
あっても、その都度、干渉除去能の調整ファクタを調整
しなくても、良好な除去能を発揮できるRFコイルおよ
びこれを搭載したMRI装置を提供することを、その目
的とする。
子型RFコイルの問題に鑑みてなされたもので、使用す
る度にコイル素子間の相対的な位置関係が変わる場合で
あっても、その都度、干渉除去能の調整ファクタを調整
しなくても、良好な除去能を発揮できるRFコイルおよ
びこれを搭載したMRI装置を提供することを、その目
的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るRFコイルは、高周波信号の送受信の
少なとも一方を担う複数個のコイル素子を備え、この複
数個のコイル素子の近傍に閉ループを配置した構造と
し、前記複数個のコイル素子をその素子相互間の空間的
位置関係が可変の状態で備えるとともに、前記閉ループ
を、前記複数個のコイル素子相互間の磁気的干渉を除去
または減少させるように形成したことを特徴とする。
め、本発明に係るRFコイルは、高周波信号の送受信の
少なとも一方を担う複数個のコイル素子を備え、この複
数個のコイル素子の近傍に閉ループを配置した構造と
し、前記複数個のコイル素子をその素子相互間の空間的
位置関係が可変の状態で備えるとともに、前記閉ループ
を、前記複数個のコイル素子相互間の磁気的干渉を除去
または減少させるように形成したことを特徴とする。
【0023】好適には、その具体的構成例として、前記
閉ループは、前記複数個のコイル素子においてコイル素
子相互間の前記空間的位置関係の変化に伴い生じる一方
のコイル素子から他方のコイル素子へ鎖交する磁束の変
化量と、その一方のコイル素子から前記閉ループを経由
して前記他方のコイル素子へ鎖交する磁束の変化量とを
相殺させるように、当該閉ループの配置位置と形状を設
定することである。
閉ループは、前記複数個のコイル素子においてコイル素
子相互間の前記空間的位置関係の変化に伴い生じる一方
のコイル素子から他方のコイル素子へ鎖交する磁束の変
化量と、その一方のコイル素子から前記閉ループを経由
して前記他方のコイル素子へ鎖交する磁束の変化量とを
相殺させるように、当該閉ループの配置位置と形状を設
定することである。
【0024】この場合、例えば、前記閉ループが前記磁
束の変化量の相殺を担う前記コイル素子は、隣接する2
個のコイル素子であることが望ましい。一例として、前
記複数のコイル素子は、QDコイルを成す2個のコイル
素子対を形成するコイル素子である。ほかの例として、
前記複数のコイル素子は、フェーズド・アレイ・コイル
を形成する2個以上のコイル素子である。さらに、ほか
の例として、前記複数のコイル素子は、フェーズド・ア
レイ・コイルを形成する2個以上のコイル素子であり、
かつ、被検体の撮像部位の周囲に巻き付けて配置するラ
ップアラウンド型を成す。さらに、前記複数のコイル素
子は、被検体の撮像部位を挟むように対向配置された2
個のコイル素子であってもよい。
束の変化量の相殺を担う前記コイル素子は、隣接する2
個のコイル素子であることが望ましい。一例として、前
記複数のコイル素子は、QDコイルを成す2個のコイル
素子対を形成するコイル素子である。ほかの例として、
前記複数のコイル素子は、フェーズド・アレイ・コイル
を形成する2個以上のコイル素子である。さらに、ほか
の例として、前記複数のコイル素子は、フェーズド・ア
レイ・コイルを形成する2個以上のコイル素子であり、
かつ、被検体の撮像部位の周囲に巻き付けて配置するラ
ップアラウンド型を成す。さらに、前記複数のコイル素
子は、被検体の撮像部位を挟むように対向配置された2
個のコイル素子であってもよい。
【0025】さらに好適には、前記複数のコイル素子
は、互いにオーバーラップして配置されていることを特
徴とするRFコイル。この構成において、前記オーバー
ラップ配置のオーバーラップ量は少なくとも1個所のコ
イル相互間で可変になっていることも1つの特徴であ
る。
は、互いにオーバーラップして配置されていることを特
徴とするRFコイル。この構成において、前記オーバー
ラップ配置のオーバーラップ量は少なくとも1個所のコ
イル相互間で可変になっていることも1つの特徴であ
る。
【0026】さらに、前述した好適な具体例の構成にお
いて、前記閉ループを導体で形成するとともに、その導
体途中にリアクタンス素子を介挿し、この閉ループの総
合リアクタンスの絶対値が当該閉ループにそのリアクタ
ンス素子を介挿しない状態に比べて小さくなるように前
記リアクタンス素子のリアクタンスを設定してある、こ
とが望ましい。
いて、前記閉ループを導体で形成するとともに、その導
体途中にリアクタンス素子を介挿し、この閉ループの総
合リアクタンスの絶対値が当該閉ループにそのリアクタ
ンス素子を介挿しない状態に比べて小さくなるように前
記リアクタンス素子のリアクタンスを設定してある、こ
とが望ましい。
【0027】この構成において、好適には、前記リアク
タンス素子はそのリアクタンス可変タイプの素子である
ことである。また例えば、前記閉ループは、前記導体を
略短冊状に形成したループ体であり、かつ相互に隣接す
る2個のコイル素子に磁気的に結合するように配置され
る。この閉ループは、そのループ途中位置で誘導磁束の
向きが反対となるように前記導体を互いに交差させた形
状を成していてもよい。また、前記閉ループは、前記複
数個のコイル素子が形成するコイル素子群の内側であっ
て一方の側端近傍に配置していてもよいし、このコイル
素子群の外側近傍に配置していてもよい。
タンス素子はそのリアクタンス可変タイプの素子である
ことである。また例えば、前記閉ループは、前記導体を
略短冊状に形成したループ体であり、かつ相互に隣接す
る2個のコイル素子に磁気的に結合するように配置され
る。この閉ループは、そのループ途中位置で誘導磁束の
向きが反対となるように前記導体を互いに交差させた形
状を成していてもよい。また、前記閉ループは、前記複
数個のコイル素子が形成するコイル素子群の内側であっ
て一方の側端近傍に配置していてもよいし、このコイル
素子群の外側近傍に配置していてもよい。
【0028】さらに、上述した各構成において、前記複
数のコイル素子の出力端に低入力インピーダンスの前置
増幅器を備えた干渉抑制回路を補助的に接続していても
よい。
数のコイル素子の出力端に低入力インピーダンスの前置
増幅器を備えた干渉抑制回路を補助的に接続していても
よい。
【0029】一方、本発明は、上述した目的を達成する
MRI(磁気共鳴イメージング)装置を提供することが
できる。その構成は、被検体に高周波磁場信号を送信す
る機能およびその被検体に生じた高周波のMR信号を受
信する機能の内の少なくとも一方を担うRFコイルを備
えたMRI装置において、前記RFコイルは、複数個の
コイル素子と、この複数個のコイル素子の近傍に配置し
た閉ループとを備え、前記複数個のコイル素子をその素
子相互間の空間的位置関係が可変の状態で備えるととも
に、前記閉ループを、前記複数個のコイル素子の相互間
の磁気的干渉を除去または減少させるように形成したこ
とを特徴とする。
MRI(磁気共鳴イメージング)装置を提供することが
できる。その構成は、被検体に高周波磁場信号を送信す
る機能およびその被検体に生じた高周波のMR信号を受
信する機能の内の少なくとも一方を担うRFコイルを備
えたMRI装置において、前記RFコイルは、複数個の
コイル素子と、この複数個のコイル素子の近傍に配置し
た閉ループとを備え、前記複数個のコイル素子をその素
子相互間の空間的位置関係が可変の状態で備えるととも
に、前記閉ループを、前記複数個のコイル素子の相互間
の磁気的干渉を除去または減少させるように形成したこ
とを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に基づき説明する。
面に基づき説明する。
【0031】最初に、以下の実施形態で共通に用いられ
るMRI(磁気共鳴イメージング)装置の概略構成およ
びその動作を、図1を参照して説明する。
るMRI(磁気共鳴イメージング)装置の概略構成およ
びその動作を、図1を参照して説明する。
【0032】このMRI装置は、被検体としての患者P
を載せる寝台部と、静磁場を発生させる静磁場発生部
と、静磁場に位置情報を付加するための傾斜磁場発生部
と、高周波信号を送受信する送受信部と、システム全体
のコントロール及び画像再構成を担う制御・演算部とを
備えている。
を載せる寝台部と、静磁場を発生させる静磁場発生部
と、静磁場に位置情報を付加するための傾斜磁場発生部
と、高周波信号を送受信する送受信部と、システム全体
のコントロール及び画像再構成を担う制御・演算部とを
備えている。
【0033】静磁場発生部は、例えば超電導方式の磁石
1と、この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備
え、被検体Pが遊挿される円筒状の開口部(診断用空
間)の軸方向(Z軸方向)に静磁場H0 を発生させる。
なお、この磁石部にはシムコイル14が設けられてい
る。このシムコイル14には、後述するホスト計算機の
制御下で、シムコイル電源15から静磁場均一化のため
の電流が供給される。寝台部は、被検体Pを載せた天板
を磁石1の開口部に退避可能に挿入できる。
1と、この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備
え、被検体Pが遊挿される円筒状の開口部(診断用空
間)の軸方向(Z軸方向)に静磁場H0 を発生させる。
なお、この磁石部にはシムコイル14が設けられてい
る。このシムコイル14には、後述するホスト計算機の
制御下で、シムコイル電源15から静磁場均一化のため
の電流が供給される。寝台部は、被検体Pを載せた天板
を磁石1の開口部に退避可能に挿入できる。
【0034】傾斜磁場発生部は、磁石1に組み込まれた
傾斜磁場コイルユニット3を備える。この傾斜磁場コイ
ルユニット3は、互いに直交するX、Y及びZ軸方向の
傾斜磁場を発生させるための3組(種類)のx,y,z
コイル3x〜3zを備える。傾斜磁場部はまた、x,
y,zコイル3x〜3zに電流を供給する傾斜磁場電源
4を備える。この傾斜磁場電源4は、後述するシーケン
サ5の制御のもと、x,y,zコイル3x〜3zに傾斜
磁場を発生させるためのパルス電流を供給する。
傾斜磁場コイルユニット3を備える。この傾斜磁場コイ
ルユニット3は、互いに直交するX、Y及びZ軸方向の
傾斜磁場を発生させるための3組(種類)のx,y,z
コイル3x〜3zを備える。傾斜磁場部はまた、x,
y,zコイル3x〜3zに電流を供給する傾斜磁場電源
4を備える。この傾斜磁場電源4は、後述するシーケン
サ5の制御のもと、x,y,zコイル3x〜3zに傾斜
磁場を発生させるためのパルス電流を供給する。
【0035】傾斜磁場電源4からx,y,zコイル3x
〜3zに供給されるパルス電流を制御することにより、
物理軸である3軸X,Y,Z方向の傾斜磁場を合成し
て、互いに直交するスライス方向傾斜磁場Gs、位相エ
ンコード方向傾斜磁場Ge、および読出し方向(周波数
エンコード方向)傾斜磁場Grの各論理軸方向を任意に
設定・変更することができる。スライス方向、位相エン
コード方向、および読出し方向の各傾斜磁場は、静磁場
H0に重畳される。
〜3zに供給されるパルス電流を制御することにより、
物理軸である3軸X,Y,Z方向の傾斜磁場を合成し
て、互いに直交するスライス方向傾斜磁場Gs、位相エ
ンコード方向傾斜磁場Ge、および読出し方向(周波数
エンコード方向)傾斜磁場Grの各論理軸方向を任意に
設定・変更することができる。スライス方向、位相エン
コード方向、および読出し方向の各傾斜磁場は、静磁場
H0に重畳される。
【0036】送受信部は、磁石1内の撮影空間にて被検
体Pの近傍に配設されるRFコイル7と、このRFコイ
ル7に接続された送信器8T及び受信器8Rとを備え
る。RFコイルとしては、後述するように、種々の態様
のコイルアセンブリが撮像部位の形態や撮像目的に合わ
せて選択され、配置される。
体Pの近傍に配設されるRFコイル7と、このRFコイ
ル7に接続された送信器8T及び受信器8Rとを備え
る。RFコイルとしては、後述するように、種々の態様
のコイルアセンブリが撮像部位の形態や撮像目的に合わ
せて選択され、配置される。
【0037】送信器8T及び受信器8Rは、後述するシ
ーケンサ5の制御のもとで動作する。送信器8Tは、核
磁気共鳴(NMR)を励起させるためのラーモア周波数
のRF電流パルスをRFコイル7に供給する。受信器8
Rは、RFコイル7が受信したMR信号(高周波信号)
を取り込み、これに前置増幅、中間周波変換、位相検
波、低周波増幅、フィルタリングなどの各種の信号処理
を施した後、A/D変換してMR信号のデジタル量デー
タ(原データ)を生成する。
ーケンサ5の制御のもとで動作する。送信器8Tは、核
磁気共鳴(NMR)を励起させるためのラーモア周波数
のRF電流パルスをRFコイル7に供給する。受信器8
Rは、RFコイル7が受信したMR信号(高周波信号)
を取り込み、これに前置増幅、中間周波変換、位相検
波、低周波増幅、フィルタリングなどの各種の信号処理
を施した後、A/D変換してMR信号のデジタル量デー
タ(原データ)を生成する。
【0038】さらに、制御・演算部は、シーケンサ(シ
ーケンスコントローラとも呼ばれる)5、ホスト計算機
6、演算ユニット10、記憶ユニット11、表示器1
2、および入力器13を備える。この内、ホスト計算機
6は、種々の態様に基づく予め記憶したソフトウエア手
順により、シーケンサ5にパルスシーケンス情報を指令
するとともに、装置全体の動作を統括する機能を有す
る。
ーケンスコントローラとも呼ばれる)5、ホスト計算機
6、演算ユニット10、記憶ユニット11、表示器1
2、および入力器13を備える。この内、ホスト計算機
6は、種々の態様に基づく予め記憶したソフトウエア手
順により、シーケンサ5にパルスシーケンス情報を指令
するとともに、装置全体の動作を統括する機能を有す
る。
【0039】シーケンサ5は、CPUおよびメモリを備
えており、ホスト計算機6から送られてきたパルスシー
ケンス情報を記憶し、この情報にしたがって傾斜磁場電
源4、送信器8T、受信器8Rの動作を制御するととも
に、受信器8Rが出力したMR信号のデジタルデータを
一旦入力し、これを演算ユニット10に転送するように
構成されている。ここで、パルスシーケンス情報とは、
一連のパルスシーケンスにしたがって傾斜磁場電源4、
送信器8Tおよび受信器8Rを動作させるために必要な
全ての情報であり、例えばx,y,zコイル3x〜3z
に印加するパルス電流の強度、印加時間、印加タイミン
グなどに関する情報を含む。
えており、ホスト計算機6から送られてきたパルスシー
ケンス情報を記憶し、この情報にしたがって傾斜磁場電
源4、送信器8T、受信器8Rの動作を制御するととも
に、受信器8Rが出力したMR信号のデジタルデータを
一旦入力し、これを演算ユニット10に転送するように
構成されている。ここで、パルスシーケンス情報とは、
一連のパルスシーケンスにしたがって傾斜磁場電源4、
送信器8Tおよび受信器8Rを動作させるために必要な
全ての情報であり、例えばx,y,zコイル3x〜3z
に印加するパルス電流の強度、印加時間、印加タイミン
グなどに関する情報を含む。
【0040】また、演算ユニット10は、受信器8Rが
出力したデジタルデータ(原データまたは生データ)を
シーケンサ5を通して入力し、その内部メモリ上のフー
リエ空間(k空間または周波数空間とも呼ばれる)に原
データを配置し、この原データを各組毎に2次元または
3次元のフーリエ変換に付して実空間の画像データに再
構成する。また演算ユニットは、画像に関するデータの
合成処理、差分演算処理などを行うことが可能にもなっ
ている。
出力したデジタルデータ(原データまたは生データ)を
シーケンサ5を通して入力し、その内部メモリ上のフー
リエ空間(k空間または周波数空間とも呼ばれる)に原
データを配置し、この原データを各組毎に2次元または
3次元のフーリエ変換に付して実空間の画像データに再
構成する。また演算ユニットは、画像に関するデータの
合成処理、差分演算処理などを行うことが可能にもなっ
ている。
【0041】記憶ユニット11はメモリを有し、再構成
された画像データのみならず、上述の合成処理や差分処
理が施された画像データを保管することができる。表示
器12は画像を表示する。また入力器13を介して、術
者が希望する撮影条件、パルスシーケンス、画像合成や
差分演算に関する情報をホスト計算機6に入力できる。
された画像データのみならず、上述の合成処理や差分処
理が施された画像データを保管することができる。表示
器12は画像を表示する。また入力器13を介して、術
者が希望する撮影条件、パルスシーケンス、画像合成や
差分演算に関する情報をホスト計算機6に入力できる。
【0042】(第1の実施形態)上述したMRI装置に
搭載されるRFコイル7の第1の実施形態を図2〜図6
を参照して説明する。
搭載されるRFコイル7の第1の実施形態を図2〜図6
を参照して説明する。
【0043】この実施形態に係るRFコイル7は、多素
子型RFコイルの一形態を成すコイルアセンブリであっ
て、頭部などに巻き付けて使用するラップアラウンド
(wraparound )型として使用可能なフェーズドアレイ
コイルに形成されている。図2に、このRFコイル7の
概観を模式的に示す。同図に示す如く、フレキシブルな
基板21の上面および/または下面に4個のコイル素子
1〜4がアレイ状に、且つ、電気的非接触の状態で一
部、相互にオーバーラップさせて配置させている。図2
では、コイル素子の重なり具合などは一例を示すのみで
あり、また、各コイル素子からの出力コンデンサを介し
て取り出す出力端の経路の図示は省略している。
子型RFコイルの一形態を成すコイルアセンブリであっ
て、頭部などに巻き付けて使用するラップアラウンド
(wraparound )型として使用可能なフェーズドアレイ
コイルに形成されている。図2に、このRFコイル7の
概観を模式的に示す。同図に示す如く、フレキシブルな
基板21の上面および/または下面に4個のコイル素子
1〜4がアレイ状に、且つ、電気的非接触の状態で一
部、相互にオーバーラップさせて配置させている。図2
では、コイル素子の重なり具合などは一例を示すのみで
あり、また、各コイル素子からの出力コンデンサを介し
て取り出す出力端の経路の図示は省略している。
【0044】このオーバーラップ量は、RFコイル7を
巻き付けたとき、標準サイズとして予め定めた被検体部
位(例えば頭部)に適度な隙間(体表との空隙)を残し
て巻装でき、コイル素子1〜4の各素子間の磁気的な干
渉は殆ど零となるように、設定されている。
巻き付けたとき、標準サイズとして予め定めた被検体部
位(例えば頭部)に適度な隙間(体表との空隙)を残し
て巻装でき、コイル素子1〜4の各素子間の磁気的な干
渉は殆ど零となるように、設定されている。
【0045】このRFコイル7を平面状に広げてみたと
き、このRFコイルの一端側のコイル素子1の領域には
当該素子1とは電気的に非接触な状態で閉ループ22が
配置されている。閉ループ22は、電気的な良導体23
が略矩形を形成するように巻き回して形成するととも
に、その経路の所定位置にて周回導体の位置を電気的非
接触の状態で互いに入れ替えた交差部Pを形成してい
る。導体23の経路途中にはまた、静電容量可変の可変
コンデンサ24が介挿されている。
き、このRFコイルの一端側のコイル素子1の領域には
当該素子1とは電気的に非接触な状態で閉ループ22が
配置されている。閉ループ22は、電気的な良導体23
が略矩形を形成するように巻き回して形成するととも
に、その経路の所定位置にて周回導体の位置を電気的非
接触の状態で互いに入れ替えた交差部Pを形成してい
る。導体23の経路途中にはまた、静電容量可変の可変
コンデンサ24が介挿されている。
【0046】閉ループ22はコイル素子群が作るコイル
面内の一方の側端部に沿って配置される。また、この閉
ループ22は、その交差部Pの一方のループ側を前記コ
イル素子1が作るコイル面内に位置させるとともに、残
りのループ側をコイル素子1から飛び出させた状態で配
置されている。このため、このRFコイル7を頭部など
の撮像部位の周囲に巻き付けたとき、閉ループ22の飛
び出したループ側領域が反対側のコイル素子4が作るコ
イル面の一方の測端部に沿って位置することになる。
面内の一方の側端部に沿って配置される。また、この閉
ループ22は、その交差部Pの一方のループ側を前記コ
イル素子1が作るコイル面内に位置させるとともに、残
りのループ側をコイル素子1から飛び出させた状態で配
置されている。このため、このRFコイル7を頭部など
の撮像部位の周囲に巻き付けたとき、閉ループ22の飛
び出したループ側領域が反対側のコイル素子4が作るコ
イル面の一方の測端部に沿って位置することになる。
【0047】ここで、このRFコイル7の動作を、本発
明に関わる相互干渉除去能の観点を中心に説明する。
明に関わる相互干渉除去能の観点を中心に説明する。
【0048】いま、上述したRFコイル7を成す4個の
コイル素子1〜4の内、閉ループ22の配置位置に相当
するコイル素子1、4に着目し(RFコイルを巻き付け
た状態でのコイル素子)、このコイル素子1、4を便宜
的にA,Bと表現し、且つ、閉ループ22をCと便宜的
に表現して、図3〜6に基づき説明する。
コイル素子1〜4の内、閉ループ22の配置位置に相当
するコイル素子1、4に着目し(RFコイルを巻き付け
た状態でのコイル素子)、このコイル素子1、4を便宜
的にA,Bと表現し、且つ、閉ループ22をCと便宜的
に表現して、図3〜6に基づき説明する。
【0049】2個のほぼ同一値の高周波周波数に同調さ
せたコイル素子A,Bがある。このコイル素子Aおよび
Bは、相互誘導によって互いに磁気的に干渉し合ってい
るとする。すなわち、一方のコイル素子Aに流れる電流
が作る磁束の一部が他方のコイル素子Bに鎖交してい
る。この鎖交量をφAとする。
せたコイル素子A,Bがある。このコイル素子Aおよび
Bは、相互誘導によって互いに磁気的に干渉し合ってい
るとする。すなわち、一方のコイル素子Aに流れる電流
が作る磁束の一部が他方のコイル素子Bに鎖交してい
る。この鎖交量をφAとする。
【0050】この磁束鎖交量φAが零でない干渉状態の
場合、電磁誘導により、一方のコイル素子Aに流れる電
流IAが他方のコイル素子Bに電流IBを誘導する。こ
れが相互干渉である。電流IAとIBは、図3は同方向
に記載されているが、コイル素子Bの出力をどのような
インピーダンスで受けるか等の要因でその方向は変わ
る。コイル素子Bを巡るインピーダンスはリアクタンス
よりも抵抗分が支配的であるのが通常である。このた
め、電流IBはIAに対し、位相が90度、ずれている
のが通常である。ただし、以下の説明では、鎖交する磁
束を補償することに専念する。この補償ができれば、電
流IBは零、すなわち相互干渉を除去した状態である。
場合、電磁誘導により、一方のコイル素子Aに流れる電
流IAが他方のコイル素子Bに電流IBを誘導する。こ
れが相互干渉である。電流IAとIBは、図3は同方向
に記載されているが、コイル素子Bの出力をどのような
インピーダンスで受けるか等の要因でその方向は変わ
る。コイル素子Bを巡るインピーダンスはリアクタンス
よりも抵抗分が支配的であるのが通常である。このた
め、電流IBはIAに対し、位相が90度、ずれている
のが通常である。ただし、以下の説明では、鎖交する磁
束を補償することに専念する。この補償ができれば、電
流IBは零、すなわち相互干渉を除去した状態である。
【0051】このRFコイル7では、上述したオーバー
ラップ配置の2個のコイル素子A,B(コイル素子1、
4)に、コイル使用時には閉ループC(閉ループ22)
が併設される。この閉ループCはその途中の交差部Pで
導体の位置が互いに入れ替わり、反転している。この交
差部Pにおいて、導体は互いに所定のクリアランスをも
って交差し、非接触の状態にある。この閉ループCは一
方のコイル素子Aとの間に相互誘導による磁気結合があ
り、もう一方のコイル素子Bとの間についても磁気結合
がある。この閉ループCは良導体で形成されているの
で、閉ループの高周波信号に対するインピーダンスは抵
抗分よりもインダクタンスが支配的である。
ラップ配置の2個のコイル素子A,B(コイル素子1、
4)に、コイル使用時には閉ループC(閉ループ22)
が併設される。この閉ループCはその途中の交差部Pで
導体の位置が互いに入れ替わり、反転している。この交
差部Pにおいて、導体は互いに所定のクリアランスをも
って交差し、非接触の状態にある。この閉ループCは一
方のコイル素子Aとの間に相互誘導による磁気結合があ
り、もう一方のコイル素子Bとの間についても磁気結合
がある。この閉ループCは良導体で形成されているの
で、閉ループの高周波信号に対するインピーダンスは抵
抗分よりもインダクタンスが支配的である。
【0052】また、この閉ループCの途中に静電容量可
変のコンデンサが閉ループと直列に挿入されている。片
方のコイル素子Aに流れる電流IAが作る高周波磁場の
内、その一部は閉ループCにも鎖交する。この閉ループ
Cに鎖交する磁束は閉ループ内に誘導起電力を発生し、
その結果、閉ループ内に電流ICが流れる。この電流I
Cは閉ループCのインピーダンスにより、その位相と大
きさが決定される。この電流ICはさらに高周波磁場を
つくり、この高周波磁場の一部は他方のコイル素子Bに
鎖交し、その量をφCとする。
変のコンデンサが閉ループと直列に挿入されている。片
方のコイル素子Aに流れる電流IAが作る高周波磁場の
内、その一部は閉ループCにも鎖交する。この閉ループ
Cに鎖交する磁束は閉ループ内に誘導起電力を発生し、
その結果、閉ループ内に電流ICが流れる。この電流I
Cは閉ループCのインピーダンスにより、その位相と大
きさが決定される。この電流ICはさらに高周波磁場を
つくり、この高周波磁場の一部は他方のコイル素子Bに
鎖交し、その量をφCとする。
【0053】図3では、コイル素子AおよびBは互いに
丁度、適正な量だけオーバーラップしているので、一方
のコイル素子Aの電流IAは他方のコイル素子Bに電流
IBを誘起せず、非干渉の状態にある。つまり、鎖交磁
束量φAはほぼ零である。このときコイル素子Aの電流
IAは閉ループCの電流ICを誘起するが、コイル素子
Bが作るコイル面には、交差部Pを中心にした閉ループ
Cの反転前と反転後のループ面m1,m2をほぼ等量ず
つ含む。したがって、鎖交磁束量φCはほぼ零であり、
閉ループCの存在によってコイル素子A,B間の非干渉
状態が乱されることはない。
丁度、適正な量だけオーバーラップしているので、一方
のコイル素子Aの電流IAは他方のコイル素子Bに電流
IBを誘起せず、非干渉の状態にある。つまり、鎖交磁
束量φAはほぼ零である。このときコイル素子Aの電流
IAは閉ループCの電流ICを誘起するが、コイル素子
Bが作るコイル面には、交差部Pを中心にした閉ループ
Cの反転前と反転後のループ面m1,m2をほぼ等量ず
つ含む。したがって、鎖交磁束量φCはほぼ零であり、
閉ループCの存在によってコイル素子A,B間の非干渉
状態が乱されることはない。
【0054】図4では、両方のコイル素子A、Bが共に
オーバーラップし過ぎているので、このオーバーラップ
配置構造だけでは非干渉状態を維持できず、一方のコイ
ル素子Aの電流IAは他方のコイル素子Bに電流IBを
誘起してしまう。つまり、干渉し、鎖交磁束量φAは正
の値である。
オーバーラップし過ぎているので、このオーバーラップ
配置構造だけでは非干渉状態を維持できず、一方のコイ
ル素子Aの電流IAは他方のコイル素子Bに電流IBを
誘起してしまう。つまり、干渉し、鎖交磁束量φAは正
の値である。
【0055】同時に、かかるコイル素子Aの電流IAは
閉ループCに電流ICを誘起する。閉ループCにはコン
デンサ24が調整されているので、その静電容量を調整
することで、閉ループCの総合的リアクタンスを正にも
負にもでき、かつ、その大きさも制御できる。このコン
デンサ24の静電容量が比較的大きな値に調整されてい
るとする。この場合、閉ループCの総合的リアクタンス
が正である、すなわちインダクティブである。これによ
り、閉ループCに誘起される電流ICの位相はコイル素
子Aの電流IAとは逆相になる。
閉ループCに電流ICを誘起する。閉ループCにはコン
デンサ24が調整されているので、その静電容量を調整
することで、閉ループCの総合的リアクタンスを正にも
負にもでき、かつ、その大きさも制御できる。このコン
デンサ24の静電容量が比較的大きな値に調整されてい
るとする。この場合、閉ループCの総合的リアクタンス
が正である、すなわちインダクティブである。これによ
り、閉ループCに誘起される電流ICの位相はコイル素
子Aの電流IAとは逆相になる。
【0056】このため、図4において、閉ループCが作
る磁束は交差部Pから左側のループ部分ではコイル素子
Aの作る磁束と逆向き、すなわちコイル素子Aからの干
渉と逆方向の干渉をコイル素子Bに与える。交差部Pか
ら右側のループ部分では、左側と反対向きの磁束をコイ
ル素子Bに与える。電流ICの大きさはコンデンサの静
電容量調整により、電流IAの大きさよりも十分に大き
く設定できる。これは、電流IAの方が、コイル素子A
に接続されるプリアンプのインピーダンスなどに因り電
流が低く抑えられているのに対し、電流ICの方は、閉
ループCのインダクタンスがコンデンサ24によりかな
り相殺されているので、総リアクタンスが相当に小さく
なることによる。このため、閉ループCはそのサイズが
小型である割には多量の磁束をコイル素子Bに供給でき
る。
る磁束は交差部Pから左側のループ部分ではコイル素子
Aの作る磁束と逆向き、すなわちコイル素子Aからの干
渉と逆方向の干渉をコイル素子Bに与える。交差部Pか
ら右側のループ部分では、左側と反対向きの磁束をコイ
ル素子Bに与える。電流ICの大きさはコンデンサの静
電容量調整により、電流IAの大きさよりも十分に大き
く設定できる。これは、電流IAの方が、コイル素子A
に接続されるプリアンプのインピーダンスなどに因り電
流が低く抑えられているのに対し、電流ICの方は、閉
ループCのインダクタンスがコンデンサ24によりかな
り相殺されているので、総リアクタンスが相当に小さく
なることによる。このため、閉ループCはそのサイズが
小型である割には多量の磁束をコイル素子Bに供給でき
る。
【0057】したがって、図6のコイル配置状態の場
合、閉ループCがコイル素子Bに与える磁束量φCは、
トータルとしてみたとき、コイル素子Aがコイル素子B
に与える磁束量φAとは逆相になる。そして、コンデン
サ24の静電容量を調整することで、磁束量φCの大き
さを調整できるから、結局、φC=−φAとなる状態が
得られる。これにより、コイル素子A,B間でオーバー
ラップ過多に伴う干渉が生じようとする場合でも、その
干渉を引き起こしているコイル素子Aからの磁束が閉ル
ープCを経由して誘起される磁束に打ち消され、かかる
相互干渉は除去または問題の無いレベルまで抑制され
る。
合、閉ループCがコイル素子Bに与える磁束量φCは、
トータルとしてみたとき、コイル素子Aがコイル素子B
に与える磁束量φAとは逆相になる。そして、コンデン
サ24の静電容量を調整することで、磁束量φCの大き
さを調整できるから、結局、φC=−φAとなる状態が
得られる。これにより、コイル素子A,B間でオーバー
ラップ過多に伴う干渉が生じようとする場合でも、その
干渉を引き起こしているコイル素子Aからの磁束が閉ル
ープCを経由して誘起される磁束に打ち消され、かかる
相互干渉は除去または問題の無いレベルまで抑制され
る。
【0058】図5のコイル配置状態は、逆に、2個のコ
イル素子A,B間のオーバーラップ量が足りない状態で
ある。磁束が鎖交する向きを考えると、コイル素子Aか
らの鎖交磁束量φAは図4の状態と逆の位相になる。そ
して、閉ループCからの鎖交磁束量φCは、図5におい
て、交差部Pの右側のループ部分が作る磁束が支配的と
なり、やはり鎖交磁束量φAを相殺する方向に働く。し
たがって、閉ループCからの鎖交磁束がコイル素子Aか
らの鎖交磁束を打ち消すように働き、かかる相互干渉を
除去または低減できる。
イル素子A,B間のオーバーラップ量が足りない状態で
ある。磁束が鎖交する向きを考えると、コイル素子Aか
らの鎖交磁束量φAは図4の状態と逆の位相になる。そ
して、閉ループCからの鎖交磁束量φCは、図5におい
て、交差部Pの右側のループ部分が作る磁束が支配的と
なり、やはり鎖交磁束量φAを相殺する方向に働く。し
たがって、閉ループCからの鎖交磁束がコイル素子Aか
らの鎖交磁束を打ち消すように働き、かかる相互干渉を
除去または低減できる。
【0059】この場合、コンデンサ24の静電容量が図
4の干渉除去で用いた値になっているとき、再びφC=
−φAの条件を満たすかどうかは閉ループCの詳細な形
状や、コイル素子A,Bとの微細な位置関係で決まる。
このため、磁場分布を計算して最適な形状と配置になる
ようにそれらのファクタを設定してある。しかし、この
ファクタ設定がラフであっても、かなりの程度、干渉を
抑制できる。この場合には、図6に示す如く、前述した
低入力インピーダンスの前置増幅器15による干渉除去
手段を併用すれば、相互干渉をほぼ除去することがで
き、コイルの幾何学的配置や形状の設計をむやみに複雑
にしなくても、優れた干渉除去能を確保できる。
4の干渉除去で用いた値になっているとき、再びφC=
−φAの条件を満たすかどうかは閉ループCの詳細な形
状や、コイル素子A,Bとの微細な位置関係で決まる。
このため、磁場分布を計算して最適な形状と配置になる
ようにそれらのファクタを設定してある。しかし、この
ファクタ設定がラフであっても、かなりの程度、干渉を
抑制できる。この場合には、図6に示す如く、前述した
低入力インピーダンスの前置増幅器15による干渉除去
手段を併用すれば、相互干渉をほぼ除去することがで
き、コイルの幾何学的配置や形状の設計をむやみに複雑
にしなくても、優れた干渉除去能を確保できる。
【0060】このRFコイル7は、その使用に際し、両
端のコイル素子1−4間の空間的位置変化に伴う干渉の
発生が特に問題となるので、これを除去する例として説
明したが、他のコイル素子間においてもオーバーラップ
配置だけでは干渉を除去しきれない場合、上述したもの
と同等の閉ループを該当素子間に配置すればよい。
端のコイル素子1−4間の空間的位置変化に伴う干渉の
発生が特に問題となるので、これを除去する例として説
明したが、他のコイル素子間においてもオーバーラップ
配置だけでは干渉を除去しきれない場合、上述したもの
と同等の閉ループを該当素子間に配置すればよい。
【0061】以上のように、図2に示したRFコイル7
を用いると、使用時における両端のコイル素子1−4間
の磁気的な相互干渉を除去または実用上、殆ど問題とな
らないレベルまで低減させることができ、画像アーチフ
ァクトの発生を除去または抑制して良好な画質を確保す
ることができる。
を用いると、使用時における両端のコイル素子1−4間
の磁気的な相互干渉を除去または実用上、殆ど問題とな
らないレベルまで低減させることができ、画像アーチフ
ァクトの発生を除去または抑制して良好な画質を確保す
ることができる。
【0062】とくに、このRFコイル7を例えば患者頭
部に巻き付けて使用する場合、前述した図15〜図17
に示す如く、頭部サイズが異なることにより、コイル素
子相互間の空間的位置関係が標準として決めた範囲から
ずれることがある。しかし、そのような場合でも、イメ
ージングの場で何ら調整すること無く、コイル素子間の
相互干渉を的確に除去または抑制できる。
部に巻き付けて使用する場合、前述した図15〜図17
に示す如く、頭部サイズが異なることにより、コイル素
子相互間の空間的位置関係が標準として決めた範囲から
ずれることがある。しかし、そのような場合でも、イメ
ージングの場で何ら調整すること無く、コイル素子間の
相互干渉を的確に除去または抑制できる。
【0063】さらに、従来の第1の干渉除去手法による
コンデンサブリッジの場合のように、錯綜した配線構造
や、複雑化及び大形化した配線構造を回避できる。同時
に、コンデンサブリッジを経由した閉ループが新たに形
成され、これにより新たな干渉問題を発生してしまうと
いったこともない。
コンデンサブリッジの場合のように、錯綜した配線構造
や、複雑化及び大形化した配線構造を回避できる。同時
に、コンデンサブリッジを経由した閉ループが新たに形
成され、これにより新たな干渉問題を発生してしまうと
いったこともない。
【0064】さらに、従来の第2の干渉除去手法に係る
オーバーラップ配置の場合とは異なり、コイル素子の配
置の自由度も十分に確保でき、RFコイルの感度分布や
信号雑音比の観点から最適な配置を採ることができる。
オーバーラップ配置の場合とは異なり、コイル素子の配
置の自由度も十分に確保でき、RFコイルの感度分布や
信号雑音比の観点から最適な配置を採ることができる。
【0065】さらにまた、従来の第3の干渉除去手法で
ある低入力インピーダンスの前置増幅器を補助手段とし
て有効に使用することができる。
ある低入力インピーダンスの前置増幅器を補助手段とし
て有効に使用することができる。
【0066】(第2の実施形態)第2の実施形態に係る
RFコイルを図7〜図9を参照して説明する。
RFコイルを図7〜図9を参照して説明する。
【0067】このRFコイルは、上述した第1の実施形
態において、閉ループの配置位置を変更したものであ
る。これを図7〜図9の原理図に沿って説明する(これ
らの図の参照符号は図3〜図5での符号に一致させてい
る)。
態において、閉ループの配置位置を変更したものであ
る。これを図7〜図9の原理図に沿って説明する(これ
らの図の参照符号は図3〜図5での符号に一致させてい
る)。
【0068】閉ループCに誘起される誘導電流ICはあ
る程度大きな値を呈するので、閉ループ近傍に感度分布
の集中や或いは逆に不感帯など、感度分布の乱れが生じ
る。この乱れは画像むらになる。したがって、閉ループ
Cは撮像の関心部位からなるべく遠く、しかしコイル素
子A,Bからはなるべく近くに配置することが重要であ
る。
る程度大きな値を呈するので、閉ループ近傍に感度分布
の集中や或いは逆に不感帯など、感度分布の乱れが生じ
る。この乱れは画像むらになる。したがって、閉ループ
Cは撮像の関心部位からなるべく遠く、しかしコイル素
子A,Bからはなるべく近くに配置することが重要であ
る。
【0069】この観点から、閉ループCは望ましくは、
図7〜図9に示す如く、2個のコイル素子A,Bのそれ
ぞれが作るコイル面の外側であって、その近傍に置かれ
る。
図7〜図9に示す如く、2個のコイル素子A,Bのそれ
ぞれが作るコイル面の外側であって、その近傍に置かれ
る。
【0070】図7は適正なオーバーラップ状態により、
電流IBは零で、コイル素子A,Bは互いに干渉してい
ない状態である。閉ループCの反転前と反転後のループ
部分がほぼ等量ずつコイル素子Bの上辺付近に沿って位
置しているので、閉ループCの存在は干渉に関してはほ
ぼ中立であり、コイル素子A,B間の無干渉状態が乱さ
れることはない。
電流IBは零で、コイル素子A,Bは互いに干渉してい
ない状態である。閉ループCの反転前と反転後のループ
部分がほぼ等量ずつコイル素子Bの上辺付近に沿って位
置しているので、閉ループCの存在は干渉に関してはほ
ぼ中立であり、コイル素子A,B間の無干渉状態が乱さ
れることはない。
【0071】図8は、コイル素子A,B間のオーバーラ
ップ過多の状態を示している。この場合、閉ループCが
存在していないと、コイル素子A、B間には強い磁気干
渉がある。鎖交磁束φAは正の値である。コイル素子A
の電流IAはICを誘起する。閉ループCの可変静電容
量はその総リアクタンスが正であるように設定されてい
る。すなわち、インダクティブであるとする。
ップ過多の状態を示している。この場合、閉ループCが
存在していないと、コイル素子A、B間には強い磁気干
渉がある。鎖交磁束φAは正の値である。コイル素子A
の電流IAはICを誘起する。閉ループCの可変静電容
量はその総リアクタンスが正であるように設定されてい
る。すなわち、インダクティブであるとする。
【0072】この場合、コイル素子Aから閉ループCへ
鎖交する磁束の向きを考えると、電流ICはIAと今度
は同相(同じ向きに回る)である。そして、閉ループC
の作る磁束は再び反転してコイル素子Bに鎖交する。こ
のため、閉ループCの作る磁束は、交差部Pから左側で
はコイル素子Aの作る磁束と逆向き、すなわちコイル素
子Aからの干渉と逆方向の干渉をコイル素子Bに与え
る。交差部Pから右側では左側と反対の磁束をコイル素
子Bに供給する。つまり、コイル素子Aからコイル素子
Bへ鎖交する磁束と同じ向きで、閉ループCからコイル
素子Bに磁束が伝わる。図8の状態では、閉ループCが
コイル素子Bに与える磁束φCは、トータルでみると、
閉ループAがコイル素子Bに与える磁束φAとは逆相に
なる。コンデンサの調整により、ちょうどφC=−φA
となる状態が得られ、干渉が除去または抑制される。
鎖交する磁束の向きを考えると、電流ICはIAと今度
は同相(同じ向きに回る)である。そして、閉ループC
の作る磁束は再び反転してコイル素子Bに鎖交する。こ
のため、閉ループCの作る磁束は、交差部Pから左側で
はコイル素子Aの作る磁束と逆向き、すなわちコイル素
子Aからの干渉と逆方向の干渉をコイル素子Bに与え
る。交差部Pから右側では左側と反対の磁束をコイル素
子Bに供給する。つまり、コイル素子Aからコイル素子
Bへ鎖交する磁束と同じ向きで、閉ループCからコイル
素子Bに磁束が伝わる。図8の状態では、閉ループCが
コイル素子Bに与える磁束φCは、トータルでみると、
閉ループAがコイル素子Bに与える磁束φAとは逆相に
なる。コンデンサの調整により、ちょうどφC=−φA
となる状態が得られ、干渉が除去または抑制される。
【0073】図9は、コイル素子A,B間のオーバーラ
ップ量が少ない場合であり、このの場合も同様の趣旨で
両者間の干渉が除去または抑制される。
ップ量が少ない場合であり、このの場合も同様の趣旨で
両者間の干渉が除去または抑制される。
【0074】したがって、この第2の実施形態に係るR
Fコイルによっても、第1の実施形態のときと同一また
は同等の作用効果が得られることに加え、閉ループをコ
イル素子アレイの外側近傍に配置したので、コイル面内
の感度分布の乱れを排除し、画像むらの発生を抑制又は
防止することができる。
Fコイルによっても、第1の実施形態のときと同一また
は同等の作用効果が得られることに加え、閉ループをコ
イル素子アレイの外側近傍に配置したので、コイル面内
の感度分布の乱れを排除し、画像むらの発生を抑制又は
防止することができる。
【0075】(第3の実施形態)第3の実施形態に係る
RFコイルを図10〜図12を参照して説明する。
RFコイルを図10〜図12を参照して説明する。
【0076】このRFコイルは、上述した第1の実施形
態において、閉ループの形状を変更したものである。こ
れを図10〜図12の原理図に沿って説明する(これら
の図の参照符号は図3〜図5での符号に一致させてい
る)。
態において、閉ループの形状を変更したものである。こ
れを図10〜図12の原理図に沿って説明する(これら
の図の参照符号は図3〜図5での符号に一致させてい
る)。
【0077】この実施形態に係る閉ループCは、そのル
ープ経路を交差させずにストレートなループで形成し、
これにより本発明の目的を達成することを特徴とする。
ープ経路を交差させずにストレートなループで形成し、
これにより本発明の目的を達成することを特徴とする。
【0078】図10では、2個のコイル素子A、Bは、
前述した図3や図7の構成のものよりもやや深くオーバ
ーラップしている。このため、閉コイルCを設けなけれ
ば、コイル素子A、Bは互いに干渉する。閉コイルCは
そのコンデンサ24の容量を適宜に調整することで、そ
の総リアクタンスを正、すなわちインダクティブにして
ある。
前述した図3や図7の構成のものよりもやや深くオーバ
ーラップしている。このため、閉コイルCを設けなけれ
ば、コイル素子A、Bは互いに干渉する。閉コイルCは
そのコンデンサ24の容量を適宜に調整することで、そ
の総リアクタンスを正、すなわちインダクティブにして
ある。
【0079】閉ループCはコイル素子A,Bに深く入り
込んで配置されているので、電流IAにより誘導される
閉コイルC上の電流ICはIAとは逆向きである。図1
0において、閉コイルCは、コイル素子Bのコイル左辺
より左側の部分n1と右側の部分n2とを比べると、右
側の部分n2の方が大きい。このため、電流ICを起源
として発生した磁束がコイル素子Bへ鎖交する磁束φC
は、コイル素子Aからコイル素子Bへ鎖交する磁束φA
とは逆向きである。このため、コンデンサ調整或いは閉
ループCの位置や形状により、φC=−φAの条件を設
定でき、これにより、コイル素子AとBとの間に干渉は
排除されている。
込んで配置されているので、電流IAにより誘導される
閉コイルC上の電流ICはIAとは逆向きである。図1
0において、閉コイルCは、コイル素子Bのコイル左辺
より左側の部分n1と右側の部分n2とを比べると、右
側の部分n2の方が大きい。このため、電流ICを起源
として発生した磁束がコイル素子Bへ鎖交する磁束φC
は、コイル素子Aからコイル素子Bへ鎖交する磁束φA
とは逆向きである。このため、コンデンサ調整或いは閉
ループCの位置や形状により、φC=−φAの条件を設
定でき、これにより、コイル素子AとBとの間に干渉は
排除されている。
【0080】図11のコイル配置の場合、コイル素子
A,Bは図10の場合よりも互いに深く入り込んでいる
ので、コイル素子Aからコイル素子Bへ鎖交する磁束は
増える。しかし、閉ループCからコイル素子Bへ鎖交す
る逆方向の磁束も、コイル素子Bは閉ループCへさらに
深く入り込んでいるから、増える。したがって、概ね、
φC=−φAの条件が成立し、殆ど干渉の無い状態が維
持される。
A,Bは図10の場合よりも互いに深く入り込んでいる
ので、コイル素子Aからコイル素子Bへ鎖交する磁束は
増える。しかし、閉ループCからコイル素子Bへ鎖交す
る逆方向の磁束も、コイル素子Bは閉ループCへさらに
深く入り込んでいるから、増える。したがって、概ね、
φC=−φAの条件が成立し、殆ど干渉の無い状態が維
持される。
【0081】図12のオーバーラップが不足しているコ
イル配置についても、同様に、概ね、φC=−φAの条
件が成立し、無干渉またはこれに近い状態が維持され
る。
イル配置についても、同様に、概ね、φC=−φAの条
件が成立し、無干渉またはこれに近い状態が維持され
る。
【0082】図11および図12において、干渉除去の
条件φC=−φAがどの程度正確に成立するか、すなわ
ち、どの程度良好に干渉除去できるかは、閉ループCの
形状の最適化に関わっている。この最適化によれば、閉
ループC形状は単純な矩形ではなく、多少歪んだ形状で
あってもよい。
条件φC=−φAがどの程度正確に成立するか、すなわ
ち、どの程度良好に干渉除去できるかは、閉ループCの
形状の最適化に関わっている。この最適化によれば、閉
ループC形状は単純な矩形ではなく、多少歪んだ形状で
あってもよい。
【0083】なお、上述した図10〜図12に記載のR
Fコイルのコイル配置において、閉ループCを前述した
第2の実施形態のときと同様に、コイルアレイの外側で
かつその近傍に配置してもよい。
Fコイルのコイル配置において、閉ループCを前述した
第2の実施形態のときと同様に、コイルアレイの外側で
かつその近傍に配置してもよい。
【0084】(第4の実施形態)第4の実施形態に係る
RFコイルを図15を参照して説明する。
RFコイルを図15を参照して説明する。
【0085】このRFコイルは、上述した各実施形態の
ものとは異なり、複数個のコイル素子はオーバーラップ
していない構造に関する。このように本発明を実施する
RFコイルは必ずしもオーバーラップ配置構造を採らな
くてもよい。これを図13の原理図に沿って説明する
(これらの図の参照符号は図3〜図5での符号に一致さ
せている)。
ものとは異なり、複数個のコイル素子はオーバーラップ
していない構造に関する。このように本発明を実施する
RFコイルは必ずしもオーバーラップ配置構造を採らな
くてもよい。これを図13の原理図に沿って説明する
(これらの図の参照符号は図3〜図5での符号に一致さ
せている)。
【0086】図13に、腕や膝をイメージングするとき
に好適なボリュームコイルの一種に係るRFコイル7を
示す。このRFコイル7は、互いに対向して配置された
2個のコイル素子A,Bを備え、その対向間隔Dを変化
させることで部位サイズに合わせ且つイメージング感度
などを調整することができる。この調整により相互干渉
状態は変化するが、本発明はこのようなコイル配置構成
にも適用できる。閉ループCは図示の如く、対向するコ
イル素子A,Bを同ループを介して磁気的に結合可能に
配置されている。
に好適なボリュームコイルの一種に係るRFコイル7を
示す。このRFコイル7は、互いに対向して配置された
2個のコイル素子A,Bを備え、その対向間隔Dを変化
させることで部位サイズに合わせ且つイメージング感度
などを調整することができる。この調整により相互干渉
状態は変化するが、本発明はこのようなコイル配置構成
にも適用できる。閉ループCは図示の如く、対向するコ
イル素子A,Bを同ループを介して磁気的に結合可能に
配置されている。
【0087】図15のコイル配置において、例えば、閉
ループCの総リアクタンスが負に、すなわちキャパシテ
ィブ(容量性)に設定されているとする。上側のコイル
素子Aの電流と同じ方向に、閉ループCの上部では電流
ICが誘起される。閉ループCの下部のループではその
電流ICは逆方向に流れる。コイル素子A、B間の距離
D、並びにそれと連動して、コイル素子Bと閉コイルC
の下部との間の距離dは可変構造になっている。
ループCの総リアクタンスが負に、すなわちキャパシテ
ィブ(容量性)に設定されているとする。上側のコイル
素子Aの電流と同じ方向に、閉ループCの上部では電流
ICが誘起される。閉ループCの下部のループではその
電流ICは逆方向に流れる。コイル素子A、B間の距離
D、並びにそれと連動して、コイル素子Bと閉コイルC
の下部との間の距離dは可変構造になっている。
【0088】コイル素子Aの電流IAが図示の方向に流
れている瞬間は、コイル素子Aの作る磁束は大局的には
図面の上から下に向かい(図中、F1参照)、コイル素
子Bに鎖交する。一方、閉ループCの下部の作る磁束は
大局的には図面の下から上に向かい(図中、F2参
照)、コイル素子Bと鎖交する。すなわち、コイル素子
Aからの干渉を相殺する方向である。距離Dおよびdが
増えると(または減ると)、一方のコイル素子Aからも
う一方のコイル素子Bに鎖交する磁束は減る(または増
える)。この方向関係は、相殺程度は変わるが、相殺す
る方向であることは変わらない。距離Dやdが変わって
も相殺程度が十分であるためには、閉ループCの形状や
位置を最適化すればよい。これを最適化することで、閉
ループCの総リアクタンスを調整するコンデンサは必ず
しも可変でなくてもよいし、無くすることもできる。し
かし、実際の設計においては、可変コンデンサによる調
整は依然として有用である。
れている瞬間は、コイル素子Aの作る磁束は大局的には
図面の上から下に向かい(図中、F1参照)、コイル素
子Bに鎖交する。一方、閉ループCの下部の作る磁束は
大局的には図面の下から上に向かい(図中、F2参
照)、コイル素子Bと鎖交する。すなわち、コイル素子
Aからの干渉を相殺する方向である。距離Dおよびdが
増えると(または減ると)、一方のコイル素子Aからも
う一方のコイル素子Bに鎖交する磁束は減る(または増
える)。この方向関係は、相殺程度は変わるが、相殺す
る方向であることは変わらない。距離Dやdが変わって
も相殺程度が十分であるためには、閉ループCの形状や
位置を最適化すればよい。これを最適化することで、閉
ループCの総リアクタンスを調整するコンデンサは必ず
しも可変でなくてもよいし、無くすることもできる。し
かし、実際の設計においては、可変コンデンサによる調
整は依然として有用である。
【0089】この実施形態に関しても以下のような変形
が可能である。閉ループCの総リアクタンスが正である
ようにして使用するには、閉ループCの電流ICが反転
しているので、下部の電流の向きを元に戻すために閉ル
ープCの経路が上から下に向かう途中で交差させて当該
閉ループCの下部の電流を反転させればよい。このよう
な交差構造やリアクタンス極性調整手段により、閉ルー
プCをコイル素子Aおよび/またはBのループ外側に設
置しても同様に機能させることができる。
が可能である。閉ループCの総リアクタンスが正である
ようにして使用するには、閉ループCの電流ICが反転
しているので、下部の電流の向きを元に戻すために閉ル
ープCの経路が上から下に向かう途中で交差させて当該
閉ループCの下部の電流を反転させればよい。このよう
な交差構造やリアクタンス極性調整手段により、閉ルー
プCをコイル素子Aおよび/またはBのループ外側に設
置しても同様に機能させることができる。
【0090】なお、上述した各実施形態およびその変形
例において、閉ループCのリアクタンス値を変更する手
段として、同ループに直列に介挿するコンデンサに代え
て、ほかの回路要素であってもよい。この閉ループのリ
アクタンスを事前に変更できる回路要素であればよい。
また、場合によっては、この閉ループCの配置、形状、
および/または大きさを適切に設計することで同ループ
のリアクタンスを調整し、前述したようなリアクタンス
調整手段を必ずしも設けなくてもよい。
例において、閉ループCのリアクタンス値を変更する手
段として、同ループに直列に介挿するコンデンサに代え
て、ほかの回路要素であってもよい。この閉ループのリ
アクタンスを事前に変更できる回路要素であればよい。
また、場合によっては、この閉ループCの配置、形状、
および/または大きさを適切に設計することで同ループ
のリアクタンスを調整し、前述したようなリアクタンス
調整手段を必ずしも設けなくてもよい。
【0091】また、この発明のコイル構成を実施できる
RFコイルは、前述したQD(直交)コイルであっても
よい。
RFコイルは、前述したQD(直交)コイルであっても
よい。
【0092】本発明は前述した実施形態のものに限定さ
れることなく、請求項記載の発明の要旨を逸脱しない範
囲で適宜に変形可能である。
れることなく、請求項記載の発明の要旨を逸脱しない範
囲で適宜に変形可能である。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、複数
個のコイル素子をその素子相互間の空間的位置関係が可
変の状態で備えるとともに、閉ループを、その複数個の
コイル素子相互間の磁気的干渉を除去または減少させる
ように形成したRFコイル、および、このRFコイルを
搭載したMRI装置を構成したので、複数のコイル素子
間の少なくとも一部の素子間のオーバーラップ量が変わ
ったり、対向距離が変わる場合でも、閉ループに適正な
リアクタンスを持たせ且つ適宜な位置に配置すること
で、この閉ループを経由する鎖交磁束が、干渉元から干
渉先に鎖交する磁束を打ち消すまたは低減させることが
できる。したがって、使用する度にコイル素子間の相対
的な位置関係が変わる場合であっても、その都度、干渉
除去能の調整ファクタを調整しなくても、良好な除去能
を発揮できる。
個のコイル素子をその素子相互間の空間的位置関係が可
変の状態で備えるとともに、閉ループを、その複数個の
コイル素子相互間の磁気的干渉を除去または減少させる
ように形成したRFコイル、および、このRFコイルを
搭載したMRI装置を構成したので、複数のコイル素子
間の少なくとも一部の素子間のオーバーラップ量が変わ
ったり、対向距離が変わる場合でも、閉ループに適正な
リアクタンスを持たせ且つ適宜な位置に配置すること
で、この閉ループを経由する鎖交磁束が、干渉元から干
渉先に鎖交する磁束を打ち消すまたは低減させることが
できる。したがって、使用する度にコイル素子間の相対
的な位置関係が変わる場合であっても、その都度、干渉
除去能の調整ファクタを調整しなくても、良好な除去能
を発揮できる。
【0094】これにより、具体的には、被検体毎に最大
のSNRを確保できるフェーズドアレイコイルを提供し
て、画質を向上させることができる。また、使用の度
に、配置を所定範囲で変更できる、複数のコイル素子か
ら成るRFコイルアセンブリを提供でき、その場合にも
コイル素子間の相互干渉を確実に除去または低減でき
る。このときに、RFコイルを配置する毎に、SNR確
保のための調整は不要であるので、操作者にとって撮像
準備が容易で、使い勝手もよく、かつその能率も向上す
る。さらに、配線の引き回しなどをみても、比較的簡素
な干渉除去構成であるから、RFコイルおよびMRI装
置の構成の大形化も防止でき、高い信頼性を確保するこ
とができる。
のSNRを確保できるフェーズドアレイコイルを提供し
て、画質を向上させることができる。また、使用の度
に、配置を所定範囲で変更できる、複数のコイル素子か
ら成るRFコイルアセンブリを提供でき、その場合にも
コイル素子間の相互干渉を確実に除去または低減でき
る。このときに、RFコイルを配置する毎に、SNR確
保のための調整は不要であるので、操作者にとって撮像
準備が容易で、使い勝手もよく、かつその能率も向上す
る。さらに、配線の引き回しなどをみても、比較的簡素
な干渉除去構成であるから、RFコイルおよびMRI装
置の構成の大形化も防止でき、高い信頼性を確保するこ
とができる。
【図1】本発明の実施形態に係るMRI装置の概略ブロ
ック図。
ック図。
【図2】第1の実施形態に係るRFコイルの概略を示す
模式図。
模式図。
【図3】第1の実施形態における干渉除去動作を説明す
る図。
る図。
【図4】第1の実施形態における干渉除去動作を説明す
る図。
る図。
【図5】第1の実施形態における干渉除去動作を説明す
る図。
る図。
【図6】第1の実施形態の変形例を示すRFコイルの概
略構成図。
略構成図。
【図7】第2の実施形態における干渉除去動作を説明す
る図。
る図。
【図8】第2の実施形態における干渉除去動作を説明す
る図。
る図。
【図9】第2の実施形態における干渉除去動作を説明す
る図。
る図。
【図10】第3の実施形態における干渉除去動作を説明
する図。
する図。
【図11】第3の実施形態における干渉除去動作を説明
する図。
する図。
【図12】第3の実施形態における干渉除去動作を説明
する図。
する図。
【図13】第4の実施形態における干渉除去動作を説明
する図。
する図。
【図14】従来例に係るRFコイルの模式的な構成図。
【図15】図14のRFコイルの頭部への巻き付け状態
の一態様を説明する図。
の一態様を説明する図。
【図16】図14のRFコイルの頭部への別の巻き付け
状態の一態様を説明する図。
状態の一態様を説明する図。
【図17】図14のRFコイルの頭部への別の巻き付け
状態の一態様を説明する図。
状態の一態様を説明する図。
1 静磁場磁石 3 傾斜磁場コイル 4 傾斜磁場電源 5 シーケンサ 6 ホスト計算機 7 RFコイル 8T 送信器 8R 受信器 10 演算ユニット 21 フレキシブル基板 22 閉ループ 23 導体 24 容量可変コンデンサ P 交差部
Claims (17)
- 【請求項1】 高周波信号の送受信の少なとも一方を担
う複数個のコイル素子を備え、この複数個のコイル素子
の近傍に閉ループを配置した構造のMRイメージング用
RFコイルであって、 前記複数個のコイル素子をその素子相互間の空間的位置
関係が可変の状態で備えるとともに、前記閉ループを、
前記複数個のコイル素子相互間の磁気的干渉を除去また
は減少させるように形成したことを特徴とするRFコイ
ル。 - 【請求項2】 請求項1記載の発明において、 前記閉ループは、前記複数個のコイル素子においてコイ
ル素子相互間の前記空間的位置関係の変化に伴い生じる
一方のコイル素子から他方のコイル素子へ鎖交する磁束
の変化量と、その一方のコイル素子から前記閉ループを
経由して前記他方のコイル素子へ鎖交する磁束の変化量
とを相殺させるように、当該閉ループの配置位置と形状
を設定したことを特徴とするRFコイル。 - 【請求項3】 請求項2記載の発明において、 前記閉ループが前記磁束の変化量の相殺を担う前記コイ
ル素子は、隣接する2個のコイル素子であることを特徴
とするRFコイル。 - 【請求項4】 請求項3記載の発明において、 前記複数のコイル素子は、QDコイルを成す2個のコイ
ル素子対を形成するコイル素子であることを特徴とする
RFコイル。 - 【請求項5】 請求項3記載の発明において、 前記複数のコイル素子は、フェーズド・アレイ・コイル
を形成する2個以上のコイル素子であることを特徴とす
るRFコイル。 - 【請求項6】 請求項3記載の発明において、 前記複数のコイル素子は、フェーズド・アレイ・コイル
を形成する2個以上のコイル素子であり、かつ、被検体
の撮像部位の周囲に巻き付けて配置するラップアラウン
ド型を成すことを特徴とするRFコイル。 - 【請求項7】 請求項3記載の発明において、 前記複数のコイル素子は、被検体の撮像部位を挟むよう
に対向配置された2個のコイル素子であることを特徴と
するRFコイル。 - 【請求項8】 請求項5または6記載の発明において、 前記複数のコイル素子は、互いにオーバーラップして配
置されていることを特徴とするRFコイル。 - 【請求項9】 請求項8記載の発明において、 前記オーバーラップ配置のオーバーラップ量は少なくと
も1個所のコイル相互間で可変になっていることを特徴
とするRFコイル。 - 【請求項10】 請求項2記載の発明において、 前記閉ループを導体で形成するとともに、その導体途中
にリアクタンス素子を介挿し、この閉ループの総合リア
クタンスの絶対値が当該閉ループにそのリアクタンス素
子を介挿しない状態に比べて小さくなるように前記リア
クタンス素子のリアクタンスを設定してあることを特徴
とするRFコイル。 - 【請求項11】 請求項10記載の発明において、 前記リアクタンス素子はそのリアクタンス可変タイプの
素子であることを特徴とするRFコイル。 - 【請求項12】 請求項11記載の発明において、 前記閉ループは、前記導体を略短冊状に形成したループ
体であり、かつ相互に隣接する2個のコイル素子に磁気
的に結合するように配置したことを特徴とするRFコイ
ル。 - 【請求項13】 請求項12記載の発明において、 前記閉ループは、そのループ途中位置で誘導磁束の向き
が反対となるように前記導体を互いに交差させた形状を
成すことを特徴とするRFコイル。 - 【請求項14】 請求項11記載の発明において、 前記閉ループは、前記複数個のコイル素子が形成するコ
イル素子群の内側であって一方の側端近傍に配置したこ
とを特徴とするRFコイル。 - 【請求項15】 請求項11記載の発明において、 前記閉ループは、前記複数個のコイル素子が形成するコ
イル素子群の外側近傍に配置したことを特徴とするRF
コイル。 - 【請求項16】 請求項1乃至15のいずれか一項記載
の発明において、 前記複数のコイル素子の出力端に低入力インピーダンス
の前置増幅器を備えた干渉抑制回路を補助的に接続した
構造のRFコイル。 - 【請求項17】 被検体に高周波磁場信号を送信する機
能およびその被検体に生じた高周波のMR信号を受信す
る機能の内の少なくとも一方を担うRFコイルを備えた
MRI(磁気共鳴イメージング)装置において、 前記RFコイルは、複数個のコイル素子と、この複数個
のコイル素子の近傍に配置した閉ループとを備え、 前記複数個のコイル素子をその素子相互間の空間的位置
関係が可変の状態で備えるとともに、前記閉ループを、
前記複数個のコイル素子の相互間の磁気的干渉を除去ま
たは減少させるように形成したことを特徴とするMRI
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11028774A JP2000225104A (ja) | 1999-02-05 | 1999-02-05 | Rfコイルおよびmri装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11028774A JP2000225104A (ja) | 1999-02-05 | 1999-02-05 | Rfコイルおよびmri装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000225104A true JP2000225104A (ja) | 2000-08-15 |
Family
ID=12257765
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11028774A Pending JP2000225104A (ja) | 1999-02-05 | 1999-02-05 | Rfコイルおよびmri装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000225104A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1999
- 1999-02-05 JP JP11028774A patent/JP2000225104A/ja active Pending
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