JP2000224117A - 光モジュールおよびそれを用いた光通信方式 - Google Patents
光モジュールおよびそれを用いた光通信方式Info
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Abstract
携帯端末に適した小型で低価格な光モジュールを提供す
ると共に、APF,PCFの両方に対応でき、光ファイ
バ1芯による双方向伝送も可能な波長多重通信ができる
光通信方式を提供する。 【解決手段】 信号伝送用光源として用いるLDユニッ
トは、中心発光波長650nmの第2LDチップ21aと
中心発光波長780nmの第1LDチップ21bとを有す
る。上記LDユニットの第2LDチップ21a,第1LD
チップ21bから発する光の光軸が略一致するように、
第2LDチップ21a,第1LDチップ21bを1つのパ
ッケージ内に夫々搭載する。また、PDユニット15の
単一の基板に集積化された第1,第2受信用PIN−P
Dにより、波長650nmと波長780nmの受信信号光を
夫々受信する。
Description
つの光による光通信に用いられる光モジュールおよびそ
れ用いた光通信方式に関し、特に全プラスチックファイ
バやプラスチッククラッドファイバ等を信号伝送路とし
て用い、通信距離が数m〜1km程度の短距離,中距離
光通信に用いられる光モジュールおよび光モジュールを
用いた光通信方式に関する。
して、波長の異なる複数の光を同時に用いて通信を行う
波長多重通信が可能であることが挙げられる。この波長
多重通信が可能な理由は、光が電気と異なり、同じ信号
伝送路にあっても波長が異なる光が互いに影響をほとん
ど及ぼさないという性質を有するためである。実際、干
渉性がよいと言われるレーザ光同士であっても、波長が
0.1nmも異なるとほとんど干渉は起こらない。このた
め、伝送損失が小さい石英ガラスファイバに1550nm
付近の光を32波長同時に入れて通信する研究も行われ
ている。また、1210nm〜1570nmの広範囲の波長
の光を8波長使用して通信しようという試みも行われて
いる。この場合、広範囲の波長を使用しながら8波長し
か使用しないのは、現在実用化されている光の分離素子
や合流素子の特性等により、光の分離,合流が制限され
ているためである。
信容量を上げることを主眼に検討されてきたため、高速
変調が可能な半導体レーザと、モード分散による帯域制
限が少なくかつ伝送損失の小さい単一モード光ファイバ
とを組み合わせた通信方式が検討されてきた。この波長
多重通信方式に用いられる送信部としては、図15に示
す構成となる。この波長多重通信方式に用いられる送信
部は、単一モード石英ファイバまたはモードの少ないG
I型マルチモード光ファイバを信号伝送路124に用い
ている。この信号伝送路124に用いる光ファイバの光
を閉じ込めるコア径は10〜50μmと小さい。さら
に、波長の異なる2つの半導体レーザ光源を別々のパッ
ケージ121,126で用意し、各パッケージ121,1
26から出たレーザ光の光路を一致させるために合流素
子であるプリズム123を用いる。このプリズム123
により波長の異なる2つのレーザ光をいずれも信号伝送
路124の入射端124aに集光する。この波長の異な
る2つのレーザ光を信号伝送路124の入射端124a
に正確に集光するには、パッケージ121,126から
出たレーザ光の光軸が正確に一致している必要がある。
が数km以上、伝送速度は1Mbps以上〜1Tbps以上と
いった値が想定されている。
距離,中距離光通信システムでは、複数の波長を用いて
光通信するという提案はされていない。これは、短距
離,中距離光通信システムでは、コストを低く抑えるこ
とが重要であり、1Tbpsといった簡単に実現できない
伝送速度が求められることもなく、光学調整が困難でか
つ素子数が増える等の問題がある波長多重通信方式より
も変調速度を上げる方が容易と考えられるためである。
一方、伝送距離は、信号伝送路に使用する光ファイバの
伝送損失により支配されており、伝送距離が50m以下
の短距離光通信システムでは、コア径が約1000μm
と大きい全プラスチックファイバ(以下、APFという)
を主に用い、伝送距離が300m以下の中距離光通信シ
ステムでは、コア径が約200μmのプラスチッククラ
ッドファイバ(以下、PCFという)を主に用いている。
る石英ファイバでは、最も損失の小さい波長は1300
nmであり、波長1300nmにおいて伝送損失は約0.5
dB/kmである。一方、短距離光通信システムで用い
られるAPFでは、最も伝送損失の小さい波長は650
nmであり、波長650nmにおいて伝送損失は約156d
B/kmであり、中距離光通信システムで用いられるP
CFでは、最も伝送損失の小さい波長は780nmであ
り、波長780nmにおいて伝送損失は約4.5dB/k
mである。また、上記波長650nmにおけるPCFの損
失は、約8dB/kmと同じ波長におけるAPFの損失
より小さいが、PCFはAPFより高価なため、これま
で短距離用に使用されることはなかった。
長としては640nm〜660nmであればよく(以下、6
50nmで代表する)、PCFを使用する場合は、光源の
中心波長としては770nm〜790nmであればよい(以
下、780nmで代表する)。また、APFは、PCFに
比べ安価であり、コア径が950μmとPCFの200
μmより大きくて光源や受光素子と光ファイバとの接続
が一層容易であるため、短距離の光通信には最適と考え
られる。これまでの検討では、APFは50m以下の短
距離通信に用い、PCFは300m以下の中距離通信に
用いるのがよいとされているが、これは光源に発光ダイ
オード(LED)を用いた場合であり、半導体レーザ(L
D)を用いれば、さらに伝送距離を長くすることができ
ると考えられる。
sP/GaAs系の発光ダイオード(LED)または半導体
レーザ(LD)を使用し、波長780nmの光源としてGa
AlAs/GaAs系の発光ダイオード(LED)または半導
体レーザ(LD)を使用している。また、受光素子として
は、波長650nmおよび波長780nmのいずれの波長の
光に対してもSi系のフォトダイオードを使用してい
る。
庭内や小さなオフィスにおける使用が想定している。一
方、通信距離が300m以下というのは、工場の構内通
信・広いオフィス内における使用を想定している。しか
し、このような短距離,中距離通信用端末というのは、
持ち運ぶ場合も多いことが想定される。すなわち、パソ
コンや携帯情報端末等の普及が著しく、これらの端末に
上記短距離,中距離光通信システムを直接接続したいと
いう要求が高まっている。
取り付けられた光モジュールとが簡単に接続できること
以外に、光モジュールを含む端末が小型であること、短
距離通信と中距離通信の両方で使用できること、安価で
あることが求められる。
信システムと中距離光通信システムとの両方で使える送
信用の光モジュールとしては、上記光ファイバの伝送損
失特性から、短距離通信用に波長650nmの光源と中距
離通信用に波長780nmの光源が夫々搭載された2つの
パッケージを用いることが考えられる。しかしながら、
図15の従来の光モジュールからも分かるように、2つ
のパッケージを用いると光モジュールが大きくなり、短
距離,中距離用で想定される携帯端末への搭載に適さな
いという問題がある。
方で使える受信用の光モジュールとしては、短距離用の
波長650nmの光と中距離用の波長780nmの光とに最
適化された受光素子が夫々搭載された2つのパッケージ
を用いることが考えられる。しかしながら、2つのパッ
ケージを用いると光モジュールが大きくなり、短距離,
中距離用光通信システムで想定される携帯端末への搭載
に適さないという問題がある。
化し、短距離用の波長650nmの光源だけを用いた光モ
ジュールでは、波長780nmの光を用いる場合に比較し
てPCFの損失が大きくなるため、伝送距離としては1
50〜200m程度と短くなり、中距離通信に使用する
場合に伝送距離が不足するという問題がある。
伝送路である光ファイバを1本とし、コネクタを小さく
することも必要である。すなわち、1芯双方向伝送を実
現する必要があり、送信用の半導体レーザ(LD)または
発光ダイオード(LED)と受信用のフォトダイオード
(PD)とを同一のパッケージに搭載することが望まし
い。ところが、同一の波長で送信と受信とを同時に行お
うとすると、受信信号に送信信号が重なってしまう。こ
れを避けるためには、送信と受信を分ける方法がある
が、実質的な伝送速度が遅くなるという課題がある。こ
れに対して送信信号光の波長と受信信号光の波長とを変
える、いわゆる波長多重通信が考えられるが、上記波長
多重通信技術を短距離,中距離光通信システムに適用す
るためには、上述したようにパッケージの小型化と低価
格化を図ることが課題となる。
中距離通信の両方で使用でき、携帯端末に適した小型で
低価格な光モジュールを提供すると共に、APF,PC
Fの両方に対応でき、光ファイバ1芯による双方向伝送
も可能な波長多重通信ができる光モジュールを用いた光
通信方式を提供することにある。
め、請求項1の光モジュールは、信号伝送用光源として
用いる発光部を有する光モジュールであって、上記発光
部は、中心発光波長650nmの半導体レーザチップまた
は発光ダイオードチップである第1発光素子と中心発光
波長780nmの半導体レーザチップまたは発光ダイオー
ドチップである第2発光素子とを有し、上記第1,第2
発光素子から発する光の光軸が略一致するように、上記
発光部の上記第1,第2発光素子を1つのパッケージ内
に夫々搭載したことを特徴としている。
記発光部の1つのパッケージ内に搭載された中心発光波
長650nmの第1発光素子(半導体レーザチップまたは
発光ダイオード)と中心発光波長780nmの第2発光素
子(半導体レーザチップまたは発光ダイオード)とから夫
々発する光の光軸を略一致させる。そうすることによっ
て、上記第1,第2発光素子の正確な位置調整を行わな
くても、第1,第2発光素子から発する波長の異なる2
つの光を光ファイバ内に入射させることが可能となる。
したがって、光モジュールの寸法を大きくすることな
く、短距離通信と中距離通信の両方で使用でき、携帯端
末に適した小型の光モジュールを実現できる。
1の光モジュールにおいて、上記第1発光素子から発す
る波長650nmの光をモニタする第1モニタ用受光素子
と上記第2発光素子から発する波長780nmの光をモニ
タする第2モニタ用受光素子とが単一の基板に集積化さ
れたモニタ用受光部を有することを特徴としている。
長650nmの光をモニタする第1モニタ用受光素子と波
長780nmの光をモニタする第2モニタ用受光素子とが
単一基板に集積化されたモニタ用受光部を、上記発光部
の第1,第2発光素子の出力のモニタに用いる。そうす
ることにより、光モジュールの寸法を大きくすることな
く、第1,第2発光素子のいずれの出力も制御できる。
1または2の光モジュールにおいて、波長650nmの受
信信号光を受信する第1受信用受光素子と波長780nm
の受信信号光を受信する第2受信用受光素子とが単一の
基板に集積化された受信用受光部を有することを特徴と
している。
記波長650nmの受信信号光を受信する第1受信用受光
素子と波長780nmの受信信号光を受信する第2受信用
受光素子とを1つのパッケージに搭載し、受信用受光部
として用いることにより、光モジュールの小型化が可能
となる。また、上記第1受信用受光素子と第2受信用受
光素子との位置調整を行う必要がない。また、上記第
1,第2受信用受光素子の2つを別々に搭載する場合に
比べると、実装時に最初に用いる半田の融点より後で用
いる半田の融点を低くする必要がないので、実装が容易
にできる。
3の光モジュールにおいて、上記発光部の上記第1,第
2発光素子から発する送信信号光と上記受信用受光部の
上記第1,第2受信用受光素子により受信する受信信号
光とを分離する分離素子を有することを特徴としてい
る。
記送信信号光と受信信号光とを分離する分離素子を備え
ることにより、1本の光ファイバで送受信が可能とな
る。
4の光モジュールにおいて、上記分離素子はプリズムで
あることを特徴としている。
記分離素子をプリズムとすることにより、上記発光部と
受信用受光部とを1つのパッケージに入れることが可能
となり、小型化できる。
4の光モジュールにおいて、上記分離素子はホログラム
であることを特徴としている。
記分離素子をホログラムとすることにより、上記発光部
と受信用受光部とを1つのパッケージに入れることが可
能となり、一層の小型化が図れる。
4の光モジュールにおいて、上記分離素子は上記受信用
受光部の表面であることを特徴としている。
記分離素子を受信用受光部の表面とすることにより、構
成する素子を少なくすることが可能となり、低価格化が
図れると共に、作成も容易となる。
通信方式は、請求項1乃至7のいずれか1つの光モジュ
ールを用いた光通信方式であって、コア層とクラッド層
とがプラスチックで構成された全プラスチックファイバ
を信号伝送路に用いるときは、上記発光部の上記第1発
光素子から発する波長650nmの光を送信信号として用
い、石英ガラスのコア層とプラスチックのクラッド層で
構成されたプラスチッククラッドファイバを信号伝送路
に用いるときは、上記発光部の上記第2発光素子から発
する波長780nmの光を送信信号として用いることを特
徴としている。
信方式によれば、上記信号伝送路にコア層とクラッド層
とがプラスチックで構成された全プラスチックファイバ
(伝送距離50m以下の短距離通信に主に用いる)を用い
る場合には、波長650nmの光を信号光として用いる。
一方、上記信号伝送路に石英ガラスのコア層とプラスチ
ックのクラッド層で構成されたプラスチッククラッドフ
ァイバ(伝送距離300m以下の中距離通信に主に用い
る)を用いる場合には、波長780nmの光を信号光とし
て用いる。そうすることにより、短距離通信と中距離通
信の両方で伝送特性を最適に保つことができる。
通信方式は、請求項1乃至7のいずれか1つの光モジュ
ールを用いた光通信方式であって、石英ガラスからなる
コア層とプラスチックからなるクラッド層で構成された
1本のプラスチッククラッドファイバを信号伝送路に用
い、上記第1発光素子から発する波長650nmの光また
は上記第2発光素子から発する波長780nmの光のいず
れか一方を送信信号として用い、波長650nmの光また
は波長780nmの光のいずれか他方を受信信号として用
い、上記第1発光素子から発する波長650nmの光また
は上記第2発光素子から発する波長780nmの光のいず
れか一方を通信開始時の送信信号に用いるか予め決めて
おき、上記第1発光素子から発する波長650nmの光ま
たは上記第2発光素子から発する波長780nmの光の他
方を返信信号に用いることにより波長多重通信を行うこ
とを特徴としている。
信方式によれば、上記信号伝送路に1本のプラスチック
クラッドファイバを用い、送信信号と受信信号に波長6
50nmの光と波長780nmの光とを用いて、通信開始時
にいずれの波長の光を送信信号に使用するか予め決めて
通信を行うことにより、波長多重通信により1本の光フ
ァイバで送受信が可能となる。
光通信方式は、請求項3乃至7のいずれか1つの光モジ
ュールを用いた光通信方式であって、石英ガラスからな
るコア層とプラスチックからなるクラッド層で構成され
た1本のプラスチッククラッドファイバを信号伝送路に
用い、上記第1発光素子から発する波長650nmの光ま
たは上記第2発光素子から発する波長780nmの光のい
ずれか一方を送信信号として用い、波長650nmの光ま
たは波長780nmの光のいずれか他方を受信信号として
用い、通信開始時の受信信号光が上記波長650nmの光
または波長780nmの光のいずれの光であるかを上記光
モジュールの上記受信用受光部の上記第1,第2受信用
受光素子の各出力に基づいて判別し、上記第1発光素子
から発する波長650nmの光または上記第2発光素子か
ら発する波長780nmの光のうちの上記受信信号光と波
長が異なる光で返信信号を送信することにより波長多重
通信を行うことを特徴としている。
通信方式によれば、上記信号伝送路に1本のプラスチッ
ククラッドファイバを用い、送信信号と受信信号に波長
650nmの光と波長780nmの光とを用いて、いずれの
波長の光を受信しているかを上記集積化された第1,第
2受信用受光素子の各出力から判別し、もう一方の波長
の光で送信を行うことにより、1本の光ファイバで波長
多重通信による送受信が可能となる。さらに、送信信号
光と受信信号光とに必ず異なる波長を割り当てることが
可能となる。
光通信方式は、請求項10の光モジュールを用いた光通
信方式において、上記通信開始時に送信信号に使用する
光の波長を通知するためのダミー信号を上記送信信号と
同じ波長の光で送信することを特徴としている。
通信方式によれば、波長多重通信を行う場合、送信開始
時に送信信号に使用する光の波長を通知するためのダミ
ー信号を上記送信信号と同じ波長の光で送信することに
より、受信側で受信されたダミー信号により次の送信側
の送信信号光の波長を確実に検出することが可能とな
り、信号の最初から最適な受信状態を実現することがで
きる。
光通信方式は、請求項11の光モジュールを用いた光通
信方式において、上記ダミー信号は、受信側で直流信号
と見なされるような内容のデジタル信号であることを特
徴としている。
通信方式によれば、例えば、受信側で上記第1,第2受
信用受光素子で受信された上記ダミー信号の信号強度を
比較することによって、信号の大きい方がダミー信号の
光の波長であることを容易に判別できる。
光通信方式は、請求項11の光モジュールを用いた光通
信方式において、上記ダミー信号は、基準伝送速度と略
同一の伝送速度で、かつ、上記基準伝送速度を定める基
準クロック信号の周波数に略等しい周波数のデジタル信
号であることを特徴としている。
通信方式によれば、例えば、受信側で上記第1,第2受
信用受光素子で同じように受光された上記ダミー信号の
光の受信感度は、第1,第2受信用受光素子の応答速度
により異なる。すなわち、波長650nmのダミー信号に
対しては、第1受信用受光素子の応答速度は速く、第2
受信用受光素子の応答速度は遅いので、第1受信用受光
素子の出力が第2受信用受光素子の出力よりも大きくな
る一方、波長780nmのダミー信号に対しては、第1受
信用受光素子の応答速度は遅く、第2受信用受光素子の
応答速度は速いので、第2受信用受光素子の出力が第1
受信用受光素子の出力よりも大きくなる。したがって、
上記第1,第2受信用受光素子の出力を比較することに
よって、出力の大きい方がダミー信号の光の波長である
と容易に判別できる。また、上記ダミー信号を基準伝送
速度と同じ伝送速度のデジタル信号とし、上記ダミー信
号の最高周波数を基準信号のクロック信号の最高周波数
とほぼ等しくすることにより、DCカット回路を使用し
て、信号受信感度を高めることが可能となる。
よびそれを用いた光通信方式を図示の実施の形態により
詳細に説明する。
一形態の光モジュールの構成図であり、11は発光部と
しての半導体レーザ(以下、LDという)ユニット、12
は上記LDユニット11から発する送信信号光を集光す
る集光用球レンズ、13Aは上記集光用球レンズ12に
より集光された送信信号光を伝送する信号伝送路として
の光ファイバ、13Bは受信側からの受信信号光を伝送
する信号伝送路としての光ファイバ、14は上記光ファ
イバ13Bからの受信信号光を集光する集光用球レン
ズ、15は上記集光用球レンズ14により集光された受
信信号光を受光する受信用受光部としてのPD(フォト
ダイオード)ユニットである。上記2芯構造の光ファイ
バ13A,13Bをコネクタ17に接続している。上記
LDユニット11,集光用球レンズ12,集光用球レンズ
14,PDユニット15およびコネクタ17で光モジュ
ール16を構成している。
示しており、発光波長780nmの第2発光素子としての
第2LDチップ21aと、発光波長650nmの第1発光
素子としての第1LDチップ21bと、モニタ用PD2
2とを1つのステム24上に搭載している。そして、上
記第1,第2LDチップ21a,21bとモニタ用PD22
の一方の端子(アース)を夫々リードピン23dに共通接
続している。一方、発光波長780nmの第2LDチップ
21aの他方の端子をリードピン23aに接続し、光波長
650nmの第1LDチップ21bの他方の端子をリード
ピン23bに接続し、モニタ用PD22の他方の端子を
リードピン23cに接続している。
0nmの第2LDチップ21aから出力されたレーザ光A
の光軸と発光波長650nmの第1LDチップ21bから
出力されたレーザ光Bの光軸との間隔sは、0〜320
μmが望ましく、その理由については後述する。上記第
2LDチップ21aの光出力と第1LDチップ21bの光
出力を1つのモニタPD22によりモニタしている。モ
ニタPDが1つでよいのは、2つの波長の光が同時に出
力されず、第2LDチップ21aまたは第1LDチップ
21bの出力を一定にするような電気的フィードバック
を掛ける制御回路を用いることによって、出力されるレ
ーザ光の光強度が一定に制御されるためである。
している。いずれの波長の光を出力させるかを決めるの
は、図2(b)に示す波長780nm第2LDチップ21a用
のドライバ25aと波長650nm第1LDチップ21b用
のドライバ25bのいずれをオンにするかによって定め
る。
は、直径3mmの球レンズを用いた。PCF(プラスチ
ッククラッドファイバ)とAPF(全プラスチックファイ
バ)を使用することを前提としているので、コア径の小
さいPCFに波長780nmの光が入るように調整する。
そうすると、波長650nmの光は、特に調整しなくても
APFに結合させることができる。上記光モジュール1
6の送信部では、光ファイバ13Aの端面13a上の集
光スポットサイズは、波長780nmの光に対して約40
μm程度となった。一方、波長650nmの光に対してレ
ンズ11の収差のため、光ファイバ13Aの端面13a
上の集光スポットサイズは約200μmとなった。
ットの大きさ,位置の関係を模式的に示している。図3
に示すように、APFのコア31の直径は900μmで
あり、直径200μmのPCFのコア32に対してzだ
けずれを許している。波長780nmの光の集光スポット
33は、PCFのコアの中心からyだけずれが許され、
波長650nmの光の集光スポット34は、APFのコア
の中心からxだけずれが許されている。光ファイバへ結
合させる条件としては、集光スポットがコア径の内側に
入っていればよいという条件から、APFのコアの中心
からのずれがx(=350μm)以下、かつ、PCFのコ
アの中心からのずれがy(=80μm)以下であればよ
い。また、PCFの中心とAPFの中心のずれzはコネ
クタの機械的な誤差で決まるが、通常50μm程度とす
ることができる。これらから波長780nmのレーザ光A
の光軸と波長650nmのレーザ光Bの光軸とのずれd
は、 d≦x+z−y=350+50−80=320μm より、320μm以下であれば、同じ光学構成で、発光
波長780nmのレーザ光をPCFに結合させ、発光波長
650nmのレーザ光をAPFに結合させることが可能と
なることが分かる。したがって、図2(a)における波長
780nmのレーザ光Aと波長650nmのレーザ光Bの光
軸の間隔sは、320μm以下が望ましい。
ト15と集光用球レンズ14からなる受信部では、光フ
ァイバ13の端面13bから出た受信信号光は、集光用
球レンズ14により絞られ、PDユニット15内の図示
しない受光用受光素子としての受光用PIN−PD(ピ
ンフォトダイオード)上に集光される。上記PDユニッ
ト15内には、波長650nm用の第1受信用受光素子と
しての第1受信用PIN−PDと波長780nm用の第2
受信用受光素子としての第2受信用PIN−PDとが1
つの基板上に集積化された受信用受光部を使用してい
る。
信用受光部40の上面図を示している。この受信用受光
部40は、波長780nm用の第2受信用PIN−PDの
受光領域41aと波長650nm用の第1受信用PIN−
PDの受光領域41bとを所定の間隔をあけて配置し、
集光スポット42が両方の受光領域41a,41b上にま
たがるように集光スポット42の位置を調節している。
このため、受信信号光の波長が780nmであっても65
0nmであっても受信信号光を受信することができる。
6に示すように放射状に分割して配置すると、集光スポ
ット42の位置ずれに対して波長780nm用のPIN−
PDの受光領域41aと波長650nm用のPIN−PD
の受光領域41bとに入る光の光量の割合の変化を小さ
くする。
バがAPFかまたはPCFであるかは、光ファイバに付
けられたコネクタ17(図1に示す)の色等により判別す
る。そして、光モジュールに接続される光ファイバがA
PFの場合には、波長650nm用のドライバ25b(図2
(b)に示す)をオンにし、波長650nm用の先に最適化さ
れたPIN−PDの領域に接続されたアンプ(図示せず)
をオンにする。一方、光モジュールに接続される光ファ
イバがPCFの場合には、波長780nmのドライバ25
a(図2(b)に示す)をオンにし、波長780nmの光に最適
化されたPIN−PDの領域に接続されたアンプ(図示
せず)をオンにする。以上の操作により、APF,PCF
のいずれの光ファイバを利用した光通信システムにも対
応可能となる。
することなく、短距離通信と中距離通信の両方で使用で
き、携帯端末に適した小型の光モジュール16で実現す
ることができる。
nm用の第1受信用PIN−PDと波長780nm用の第2
受信用PIN−PDとを1つの基板上に集積化された受
信用受光部40を用いることによって、光モジュールの
寸法を大きくすることなく、第2LDチップ21a,第1
LDチップ21bのいずれの出力も制御することができ
る。
−PDと波長780nm用の第2受信用PIN−PDとが
1つの基板上に集積化されたPDユニット15を用いる
ことによって、光モジュールを小型化することができ
る。また、上記第1受信用PIN−PDと第2受信用P
IN−PDとの位置調整を行う必要がない。また、上記
第1受信用PIN−PDと第2受信用PIN−PDの2
つを別々に搭載する場合に比べると、実装時に最初に用
いる半田の融点より後で用いる半田の融点を低くする必
要がないので、実装を容易に行うことができる。
合には、波長650nmの光を信号光として用いる一方、
上記信号伝送路にPCFを用いる場合には、波長780
nmの光を信号光として用いることによって、短距離通信
と中距離通信の両方で伝送特性を最適に保つことができ
る。
施形態の光モジュールの構成を示しており、61は波長
650nmの光と波長780nmの光とを出力する発光部と
してのLDユニット、62は上記LDユニット61から
出た送信信号光を集光する集光用球レンズ、63は上記
集光用球レンズ62により集光された送信信号光の半分
を透過する分離素子としてのプリズム、64は上記プリ
ズム63を透過した送信信号光が端面64aに集光され
る信号伝送路として光ファイバ、65は上記光ファイバ
64の端面64aから出た受信信号光がプリズム63で
反射された受信信号光を集光する集光用球レンズ、66
は上記集光用球レンズ65により集光された受信信号光
を受光する受信用受光部としてのPDユニットである。
なお、上記LDユニット61は、第1実施形態と同様
に、発光波長650nmの第1発光素子としての第1LD
チップ(図示せず)と発光波長780nmの第2発光素子と
しての第2LDチップ(図示せず)とから発する光の光軸
が略一致するように、第1,第2LDチップを1つのパ
ッケージ内に夫々搭載している。
は、波長780nmの光と波長650nmの光とを光軸が略
一致するように出力する。そして、上記LDユニット6
1から出た波長650nmまたは波長780nmの送信信号
光は、集光用球レンズ62で絞られ、プリズム63で半
分の光は透過し、光ファイバ64の端面64a上に集光
されて、光ファイバ64に結合される。一方、光ファイ
バ64の端面64aから出た受信信号光は、プリズム6
3で半分の光が反射され、球レンズ65で集光されて、
PDユニット66に集光される。
施形態と同様の効果を有すると共に、光モジュールに送
信信号光と受信信号光とを分離する分離素子にプリズム
63を用いることによって、光ファイバ1本で双方向通
信を行うことができる。
施形態の光モジュールの構成を示しており、71は波長
650nmの光と波長780nmの光とを出力する発光部と
してのLDユニット、72は上記LDユニット71から
出た送信信号光を集光する集光用球レンズ、73は上記
LDユニット71と集光用球レンズ72との間に配置さ
れた分離素子としてのホログラム、74は上記集光用球
レンズ72により集光された送信信号光が端面74a上
に集光される信号伝送路としての光ファイバ、75a,7
5bは上記光ファイバ74の端面74aから出た受信信号
光を集光用球レンズ72,ホログラム73を介して受光
する波長780nm用の第2受信用PIN−PDと波長6
50nm用の第1受信用PIN−PDである。なお、上記
LDユニット71は、第1実施形態と同様に、発光波長
650nmの第1発光素子としての第1LDチップ(図示
せず)と発光波長780nmの第2発光素子としての第2
LDチップ(図示せず)とから発する光の光軸が略一致す
るように、第1,第2LDチップを1つのパッケージ内
に夫々搭載している。
は、信号伝送路に1本の光ファイバ74を用い、送信信
号光と受信信号光とをホログラム73により分離してい
る。すなわち、LDユニット71から出た波長650nm
または波長780nmの送信信号光のうちのホログラム7
3で回折されなかった光(0次光)は、集光用球レンズ7
2で絞られ、光ファイバ74の端面74a上に集光さ
れ、光ファイバ74に結合される。一方、光ファイバ7
4の端面74aから出た受信信号光は、ホログラム73
で回折され、回折された光は、波長780nm用の第2受
信用PIN−PD75aと波長650nm用の第1受信用
PIN−PD75b上に夫々集光される。上記ホログラ
ム73では、波長の長い光ほど回折される角度が小さい
ので、集光位置が波長により大きく異なる。この第3実
施形態では、1つの基板に2つの波長に最適化したPI
N−PDを用いると、基板が大きくなりすぎるので、各
波長に対して最適化した第1,第2受信用PIN−PD
75b,75aを用い、集積化された受信用受光部は用い
ていない。
と第1,第2受信用PIN−PD75b,75aの距離は0
〜400μm程度であり、LDユニット71と第1,第2
受信用PIN−PD75b,75aとを1つのパッケージ
に収めることができる。
施形態と同様の効果を有すると共に、光モジュールに送
信信号光と受信信号光とを分離する分離素子にホログラ
ム73を用いることによって、光ファイバ1本で双方向
通信を行うできると共に、光モジュールを小型化するこ
とができる。
施形態の光モジュールの構成を示しており、81は波長
650nmの光と波長780nmの光とを出力する発光部と
してのLDユニット、82はLDユニット81から出た
送信信号光を集光する集光用球レンズ、83は受信用受
光部としてのPDユニット、84は上記集光用球レンズ
82により集光された送信信号光が端面84aに集光さ
れる光ファイバである。上記LDユニット81から出た
送信信号光をPDユニット83の表面で集光用球レンズ
82側に反射する。なお、上記LDユニット81は、第
1実施形態と同様に、発光波長650nmの第1発光素子
としての第1LDチップ(図示せず)と発光波長780nm
の第2発光素子としての第2LDチップ(図示せず)とか
ら発する光の光軸が略一致するように、第1,第2LD
チップを1つのパッケージ内に夫々搭載している。
光とはPDユニット83の表面により分離される。すな
わち、上記LDユニット81から出た波長650nmまた
は波長780nmの送信信号光は、PDユニット83の表
面にて反射され、集光用球レンズ82で絞られ、光ファ
イバ84の端面84a上に集光され、光ファイバ84に
結合される。一方、光ファイバ端面84aから出た受信
信号光はPDユニット83で受信される。
施形態と同様の効果を有すると共に、送信信号光と受信
信号光とを分離する分離素子にPDユニット83の表面
を用いることにより、光モジュールを構成する素子の数
を減らすことができ、安価にかつ容易に作成することが
できる。
実施形態の光モジュールを用いた通信方式の光通信シス
テムの構成図を示している。端末C91と端末D93
は、信号伝送路としての1本の光ファイバ92を共有
し、互いに送受信を行う。上記光ファイバ92として
は、波長650nmの光と波長780nmの光の両方に対し
て損失の小さいPCFを使用している。そして、端末C
91,端末D93は、光モジュール,信号処理回路および
制御回路等(図示せず)を有している。上記光モジュール
には、図7の第3実施形態および図9の第4実施形態で
示したように、少なくとも、光軸が略一致するように波
長650nmの光と波長780nmの光とを出力する発光部
としてのLDユニットと、波長650nm用の第1受信用
PIN−PDと波長780nm用の第2受信用PIN−P
Dとを有する受信用受光部と、送信信号光と受信信号光
とを分離する分離素子と、集光用レンズとで構成されて
いるものを用いる。
91がまず送信を行う場合、送信信号光の波長を650
nmまたは780nmのいずれか一方に予め定めておく。そ
して、その送信信号光を受信した端末D93は、もう一
方の波長の光で返信信号を返送する。上記端末C91,
端末D93の光モジュールは、波長650nmの光でも波
長780nmの光でも送出できるため、通信開始時の最初
に信号を送信することも、受信後に信号を返信すること
も可能である。したがって、1本の光ファイバで波長多
重通信による送受信ができる。また、送信信号光の波長
と受信信号光の波長とは十分離れているため、送信信号
光と受信信号光とが光ファイバ内で干渉することはな
い。このため、受信信号を受けながら送信信号を送るこ
とが可能となる。
うことができるため、特別に高速のPDやアンプ等を用
いることなく、送信と受信とを交互に行う場合に比べて
略2倍の情報量の信号を送ることができる。
入射しても、送信信号光の波長と受信信号光の波長が異
なり、受信信号光の波長に対する感度に比べ、送信信号
光の波長に対する感度が十分小さいため、受信信号に対
する送信信号の影響は十分小さい。
号を送出した直後、すなわち相手の端末に送信した信号
が到着する以前に相手の端末でも、送信信号を送出する
場合が起こる。この場合、通信を行う2つの端末が同時
に同じ波長の光で信号を送出するので混信が生じる。こ
れを確実に避けるため、図11に示す信号タイミングで
通信を行うのが望ましい。
送る信号光の波長を決めない代わりに、一定長のダミー
信号Eを付ける。
た場合の信号のタイミングを表す図であり、図11にお
いて横軸は時間である。この場合、端末Cが送信した波
長λ 1のダミー信号E(λ1)が相手の端末Dの受信部に到
着すると、端末Dはすぐに波長λ2の送信信号F(λ2)を
送信でき、2つの端末の間で通信が可能な状態になる。
端末Cは、端末Dから波長λ2の信号F(λ2)が帰ってく
ると、波長λ1で信号G(λ1)を送る。
長を波長780nm用の第2受信用PIN−PDと波長6
50nm用の第1受信用PIN−PDとを用いて判別す
る。上記判別方法について図14を参照しながら説明す
る。図14において、信号受信のために待機中は、波長
780nm用の第2受信用PIN−PD110aに接続さ
れたアンプ111aと波長650nm用の第1受信用PI
N−PD110bに接続されたアンプ111bをともにオ
ンにしておく。波長780nmの信号光Mが集積化された
受信用受光部110に入射すると、アンプ111aの出
力がアンプ111bの出力より大きくなり、波長650n
mの信号が集積化された受信用受光部110に入射する
と、アンプ111bの出力がアンプ111aの出力より大
きくなるので上記2つのアンプ111a,111bの出力
の差信号Nの符号を見て、どちらのアンプの出力が大き
いかによって、信号光Mの波長を判別する。
について描いてあるが、個別のPIN−PDを用いても
同様に判別できることはいうまでもない。
ー信号E(λ1)を送出し、信号Eが端末Dに到着する前
に端末Dが別の波長λ2のダミー信号H(λ2)を送出した
場合の信号タイミングを表している。
の波長を判別し、自分が送信した波長と異なることを確
認してから波長λ2で信号I(λ2)を送出する。端末Cも
ダミー信号Eを送出後、応答信号としてダミー信号Iが
戻ってきたので、この信号の波長を判別し、自分が送信
した波長と異なることを確認してから波長λ1で信号J
(λ1)を送出する。このような手順を踏むことにより、
2つの端末C,Dが同時に送信信号を送出しても、送信
信号と受信信号の波長を確実に異ならせることができ
る。
ー信号E(λ1)を送出し、信号Eが端末Dに到着する前
に端末Dが同じ波長λ1で別のダミー信号H(λ1)を送出
した場合の信号タイミングを表している。
E(λ1)が自分が送信したダミー信号H(λ1)と同じ波長
であることを知るので、すぐに信号を送出せず、ランダ
ムに波長を650nmまたは780nmのいずれか一方を選
び、再度ダミー信号HH(λ1,λ2)を送信する。一方、
端末Cも、受信したダミー信号の波長λ1が自分が送信
したダミー信号の波長λ1と同じ波長であることを知る
ので、すぐに信号を送出はせず、ダミー信号の波長を6
50nmまたは780nmのいずれか一方をランダムに選
び、再度ダミー信号EE(λ1,λ2)を送信する。その
後、受信したダミー信号の波長が送信したダミー信号の
波長と異なるまで、この操作を繰り返す。そうして、互
いの端末C,Dが使用する波長が決まった後、波長多重
通信により同時双方向伝送を行う。
用い、送信信号と受信信号に波長650nmの光と波長7
80nmの光とを用いて、いずれの波長の光を受信してい
るかを上記集積化された第1,第2受信用PIN−PD
の出力から判別し、もう一方の波長の光で送信を行うこ
とにより、1本の光ファイバで波長多重通信による送受
信ができ、さらに、送信信号光と受信信号光とに必ず異
なる波長を割り当てることが可能となる。
時に送信信号に使用する光の波長を通知するためのダミ
ー信号を送信することにより、送信信号光の波長を確実
に検出することが可能となり、信号の最初から最適な受
信状態を実現することができる。
する。
を用いた場合には、ダミー信号が受信側で直流信号と見
なされるような内容のデジタル信号(DC信号に近い内
容)であっても波長の判別は容易である。すなわち、ダ
ミー信号光の波長が780nmの場合は、第2受信用PI
N−PD75aにのみ入射し、ダミー信号光の波長が6
50nmの場合は、第1受信用PIN−PD75bにのみ
入射する。このため、第2受信用PIN−PD75a,
第1受信用PIN−PD75bの信号強度を単純に比較
し、第2受信用PIN−PD75aの信号が大きい場合
は受信信号光の波長を780nmと判定し、第1受信用P
IN−PD75bの信号が大きい場合は受信信号光の波
長を650nmと判定すればよい。
に対するもう1つの利点は、第1,第2受信用PIN−
PDの後段のアンプの前にDCカットフィルターを設け
ることができることである。電気回路でよく知られてい
るように、DCから大きな利得を持つ広帯域のアンプを
作成することは困難であるが、DCカットフィルターを
設けた構成ではACアンプでよい。さらに、アンプの帯
域を狭くすることができるので、S/N比を向上させる
ことができる。
4実施形態の場合、ダミー信号は、基準伝送速度と略同
一の伝送速度で、かつ、上記基準伝送速度を定める基準
クロック信号の周波数に略等しい周波数のデジタル信
号、例えば155Mbpsの1,0交番信号とすることが望
ましい。上記ダミー信号は、図14に示したような波長
780nm用の第2受信用PIN−PD110aと波長6
50nm用の第1受信用PIN−PD110bとが集積化
された受信用受光部110を用い、両方の第1,第2受
信用PIN−PDに受信信号光Mを入射するように設定
している。例えば、155Mbpsの1,0交番信号を波長
780nmの光で送信すると、波長650nm用の第1受信
用PIN−PD110bでは、応答速度が不足して信号
振幅が小さくなり、見かけ上の感度が波長650nmの受
光信号光がDC信号の場合より小さくなる。一方、波長
650nmの光で155Mbpsの1,0交番信号をダミー信
号として送ると、波長780nm用の第2受信用PIN−
PD110aでは、やはり応答速度が不足し、見かけ上
の感度が波長780nmの受光信号光がDC信号の場合よ
り小さくなる。その結果、2つの受信用PIN−PDの
出力の差Nにより明確に入射波長を判別することができ
る。
ての光源にLDを用いた場合について説明してきたが、
発光部としてLEDを用いてもよいのは勿論である。
明の光モジュールによれば、中心発光波長650nmの第
1発光素子(LDチップまたはLEDチップ)と中心発光
波長780nmの第2発光素子(LDチップまたはLED
チップ)を1つのパッケージ内に搭載した発光部が出力
する光の光軸を略一致させることによって、信号伝送路
にAPFやPCFを用いて、第1,第2発光素子の位置
調整を正確に行わなくても、信号光を光ファイバ内に入
射させることができるので、光モジュールの寸法を大き
くすることなく、短距離通信と中距離通信の両方で使用
でき、携帯端末に適した小型の送信用光モジュールを実
現することができる。
れば、請求項1の光モジュールにおいて、波長650nm
用の第1モニタ用受光素子と波長780nm用の第2モニ
タ用受光素子とが集積化されたモニタ用受光部をモニタ
用PDとして用いることによって、光モジュールの寸法
を大きくすることなく、第1,第2発光素子のいずれの
光源の出力も容易に制御することができる。
れば、請求項1または2の光モジュールにおいて、単一
の基板に集積化された波長650nmの受信信号光を受信
する第1受信用受光素子と波長780nmの受信信号光を
受信する第2受信用受光素子とを1つのパッケージに搭
載し、受信用受光部として用いることにより、光モジュ
ールの小型化が可能となる。また、上記第1受信用受光
素子と第2受信用受光素子との位置調整を行う必要がな
い。また、上記第1,第2受信用受光素子の2つを別々
に搭載する場合に比べると、実装時に最初に用いる半田
の融点より後で用いる半田の融点を低くする必要がない
ので、実装を容易に行うことができる。
れば、請求項3の光モジュールにおいて、上記送信信号
光と受信信号光とを分離する分離素子を備えることによ
って、1本の光ファイバで送受信を行うことができる。
れば、請求項4の光モジュールにおいて、上記分離素子
をプリズムとすることにより、上記発光部と受信用受光
部とを1つのパッケージに入れることが可能となり、よ
り小型化できる。
れば、請求項4の光モジュールにおいて、上記分離素子
をホログラムとすることにより、上記発光部と受信用受
光部とを1つのパッケージに入れることが可能となり、
一層の小型化ができる。
れば、請求項4の光モジュールにおいて、上記分離素子
を上記受信用受光部の表面とすることにより、光ユニッ
トを構成する素子を少なくすることが可能となり、低価
格化が図れると共に、作成も容易となる。
いた光通信方式によれば、請求項1乃至7のいずれか1
つの光モジュールを用いた光通信方式であって、上記信
号伝送路にAPFを用いる場合には、波長650nmの光
を信号光として用いる一方、上記信号伝送路にPCFを
用いる場合には、波長780nmの光を信号光として用い
ることによって、短距離通信と中距離通信の両方で伝送
特性を最適に保つことができる。
いた光通信方式によれば、請求項1乃至7のいずれか1
つの光モジュールを用いた光通信方式であって、上記信
号伝送路に1本のPCFを用い、送信信号と受信信号に
波長650nmの光と波長780nmの光とを用いて、通信
開始時にいずれの波長の光を送信信号に使用するかを予
め決めて通信を行うことにより、1本の光ファイバで波
長多重通信による送受信ができる。
用いた光通信方式によれば、請求項3乃至7のいずれか
1つの光モジュールを用いた光通信方式であって、上記
信号伝送路に1本のPCFを用い、送信信号と受信信号
に波長650nmの光と波長780nmの光とを用いて、い
ずれの波長の光を受信しているかを上記集積化された第
1,第2受信用受光素子の出力から判別し、もう一方の
波長の光で送信を行うことによって、1本の光ファイバ
で波長多重通信による送受信が可能となる。さらに、送
信信号光と受信信号光とに必ず異なる波長を割り当てる
ことが可能となる。
用いた光通信方式によれば、請求項10の光モジュール
を用いた光通信方式において、波長多重通信を行う場
合、送信開始時に送信信号に使用する光の波長を通知す
るためのダミー信号を送信することによって、送信信号
光の波長を確実に検出することが可能となり、送信信号
の最初から最適な受信状態を実現することができる。
用いた光通信方式によれば、請求項11の光モジュール
を用いた光通信方式において、受信側で上記第1,第2
受信用受光素子で受信された上記ダミー信号の信号強度
を比較することによって、信号強度の大きい方がダミー
信号の光の波長であると容易に判別することができる。
用いた光通信方式によれば、請求項11の光モジュール
を用いた光通信方式において、上記ダミー信号は、基準
伝送速度と略同一の伝送速度で、かつ、上記基準伝送速
度を定める基準クロック信号の周波数に略等しい周波数
のデジタル信号であるので、上記第1,第2受信用受光
素子の出力を比較することによって、出力の大きい方が
ダミー信号の光の波長であると容易に判別することがで
きる。また、上記ダミー信号を基準伝送速度と同じ伝送
速度のデジタル信号とし、上記信号の最高周波数を基準
信号のクロック信号の最高周波数とほぼ等しくすること
により、DCカット回路を使用して、信号受信感度を高
めることができる。
ルの構成図である。
の構成を表す概略図であり、図2(b)は上記LDユニッ
トの制御回路のブロック図である。
に対する光スポットの大きさおよび位置の関係を示す模
式図である。
す上面図である。
を示す図である。
一つの配置を示す図である。
と受信信号光との分離にプリズムを用いた光モジュール
の構成図である。
と受信信号光との分離にホログラムを用いた光モジュー
ルの構成図である。
と受信信号光との分離にPDを用いた光モジュールの構
成図である。
ュールを用いた光通信方式の光通信システムの構成図で
ある。
のタイミング図である。
のタイミング図である。
のタイミング図である。
を説明する図である。
る。
3A,13B…光ファイバ、15…PDユニット、21a
…第2LDチップ、21b…第1LDチップ、22…モ
ニタPD、23a〜23d…リードピン、24…ステム、
25a,25b…ドライバ。
Claims (13)
- 【請求項1】 信号伝送用光源として用いる発光部を有
する光モジュールであって、 上記発光部は、中心発光波長640nm〜660nmの半導
体レーザチップまたは発光ダイオードチップである第1
発光素子と中心発光波長770nm〜790nmの半導体レ
ーザチップまたは発光ダイオードチップである第2発光
素子とを有し、 上記第1,第2発光素子から発する光の光軸が略一致す
るように、上記発光部の上記第1,第2発光素子を1つ
のパッケージ内に夫々搭載したことを特徴とする光モジ
ュール。 - 【請求項2】 請求項1に記載の光モジュールにおい
て、 上記第1発光素子から発する波長640nm〜660nmの
光をモニタする第1モニタ用受光素子と上記第2発光素
子から発する波長770nm〜790nmの光をモニタする
第2モニタ用受光素子とが単一の基板に集積化されたモ
ニタ用受光部を有することを特徴とする光モジュール。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の光モジュール
において、 波長640nm〜660nmの受信信号光を受信する第1受
信用受光素子と波長770nm〜790nmの受信信号光を
受信する第2受信用受光素子とが単一の基板に集積化さ
れた受信用受光部を有することを特徴とする光モジュー
ル。 - 【請求項4】 請求項3に記載の光モジュールにおい
て、 上記発光部の上記第1,第2発光素子から発する送信信
号光と上記受信用受光部の上記第1,第2受信用受光素
子により受信する受信信号光とを分離する分離素子を有
することを特徴とする光モジュール。 - 【請求項5】 請求項4に記載の光モジュールにおい
て、 上記分離素子はプリズムであることを特徴とする光モジ
ュール。 - 【請求項6】 請求項4に記載の光モジュールにおい
て、 上記分離素子はホログラムであることを特徴とする光モ
ジュール。 - 【請求項7】 請求項4に記載の光モジュールにおい
て、 上記分離素子は上記受信用受光部の表面であることを特
徴とする光モジュール。 - 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれか1つに記載の
光モジュールを用いた光通信方式であって、 コア層とクラッド層とがプラスチックで構成された全プ
ラスチックファイバを信号伝送路に用いるときは、上記
発光部の上記第1発光素子から発する波長640nm〜6
60nmの光を送信信号として用い、 石英ガラスのコア層とプラスチックのクラッド層で構成
されたプラスチッククラッドファイバを信号伝送路に用
いるときは、上記発光部の上記第2発光素子から発する
波長770nm〜790nmの光を送信信号として用いるこ
とを特徴とする光モジュールを用いた光通信方式。 - 【請求項9】 請求項1乃至7のいずれか1つに記載の
光モジュールを用いた光通信方式であって、 石英ガラスからなるコア層とプラスチックからなるクラ
ッド層で構成された1本のプラスチッククラッドファイ
バを信号伝送路に用い、 上記第1発光素子から発する波長640nm〜660nmの
光または上記第2発光素子から発する波長770nm〜7
90nmの光のいずれか一方を送信信号として用い、 波長640nm〜660nmの光または波長770nm〜79
0nmの光のいずれか他方を受信信号として用い、 上記第1発光素子から発する波長640nm〜660nmの
光または上記第2発光素子から発する波長770nm〜7
90nmの光のいずれか一方を通信開始時の送信信号に用
いるか予め決めておき、上記第1発光素子から発する波
長640nm〜660nmの光または上記第2発光素子から
発する波長770nm〜790nmの光の他方を返信信号に
用いることにより波長多重通信を行うことを特徴とする
光モジュールを用いた光通信方式。 - 【請求項10】 請求項3乃至7のいずれか1つに記載
の光モジュールを用いた光通信方式であって、 石英ガラスからなるコア層とプラスチックからなるクラ
ッド層で構成された1本のプラスチッククラッドファイ
バを信号伝送路に用い、 上記第1発光素子から発する波長640nm〜660nmの
光または上記第2発光素子から発する波長770nm〜7
90nmの光のいずれか一方を送信信号として用い、 波長640nm〜660nmの光または波長770nm〜79
0nmの光のいずれか他方を受信信号として用い、 通信開始時の受信信号光が上記波長640nm〜660nm
の光または波長770nm〜790nmの光のいずれの光で
あるかを上記光モジュールの上記受信用受光部の上記第
1,第2受信用受光素子の各出力に基づいて判別し、 上記第1発光素子から発する波長640nm〜660nmの
光または上記第2発光素子から発する波長770nm〜7
90nmの光のうちの上記受信信号光と波長が異なる光で
返信信号を送信することにより波長多重通信を行うこと
を特徴とする光モジュールを用いた光通信方式。 - 【請求項11】 請求項10に記載の光モジュールを用
いた光通信方式において、 上記通信開始時に送信信号に使用する光の波長を通知す
るためのダミー信号を上記送信信号と同じ波長の光で送
信することを特徴とする光モジュールを用いた光通信方
式。 - 【請求項12】 請求項11に記載の光モジュールを用
いた光通信方式において、 上記ダミー信号は、受信側で直流信号と見なされるよう
な内容のデジタル信号であることを特徴とする光モジュ
ールを用いた光通信方式。 - 【請求項13】 請求項11に記載の光モジュールを用
いた光通信方式において、 上記ダミー信号は、基準伝送速度と略同一の伝送速度
で、かつ、上記基準伝送速度を定める基準クロック信号
の周波数に略等しい周波数のデジタル信号であることを
特徴とする光モジュールを用いた光通信方式。
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---|---|---|---|
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JP3544880B2 JP3544880B2 (ja) | 2004-07-21 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007103731A (ja) * | 2005-10-05 | 2007-04-19 | Sony Corp | 光通信モジュール及び光通信システム |
JP2010283228A (ja) * | 2009-06-05 | 2010-12-16 | Ricoh Co Ltd | マルチビーム光源装置、光走査装置、及び、画像形成装置 |
JP2019149689A (ja) * | 2018-02-27 | 2019-09-05 | ファナック株式会社 | 光通信システム、光送信モジュールおよび光受信モジュール |
-
1999
- 1999-01-29 JP JP02171399A patent/JP3544880B2/ja not_active Expired - Fee Related
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