JP3544880B2 - 光モジュールおよびそれを用いた光通信方式 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、波長の異なる2つの光による光通信に用いられる光モジュールおよびそれ用いた光通信方式に関し、特に全プラスチックファイバやプラスチッククラッドファイバ等を信号伝送路として用い、通信距離が数m〜1km程度の短距離,中距離光通信に用いられる光モジュールおよび光モジュールを用いた光通信方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
光を通信手段として用いる利点の1つとして、波長の異なる複数の光を同時に用いて通信を行う波長多重通信が可能であることが挙げられる。この波長多重通信が可能な理由は、光が電気と異なり、同じ信号伝送路にあっても波長が異なる光が互いに影響をほとんど及ぼさないという性質を有するためである。実際、干渉性がよいと言われるレーザ光同士であっても、波長が0.1nmも異なるとほとんど干渉は起こらない。このため、伝送損失が小さい石英ガラスファイバに1550nm付近の光を32波長同時に入れて通信する研究も行われている。また、1210nm〜1570nmの広範囲の波長の光を8波長使用して通信しようという試みも行われている。この場合、広範囲の波長を使用しながら8波長しか使用しないのは、現在実用化されている光の分離素子や合流素子の特性等により、光の分離,合流が制限されているためである。
【0003】
このような波長多重通信では、これまで通信容量を上げることを主眼に検討されてきたため、高速変調が可能な半導体レーザと、モード分散による帯域制限が少なくかつ伝送損失の小さい単一モード光ファイバとを組み合わせた通信方式が検討されてきた。この波長多重通信方式に用いられる送信部としては、図15に示す構成となる。この波長多重通信方式に用いられる送信部は、単一モード石英ファイバまたはモードの少ないGI型マルチモード光ファイバを信号伝送路124に用いている。この信号伝送路124に用いる光ファイバの光を閉じ込めるコア径は10〜50μmと小さい。さらに、波長の異なる2つの半導体レーザ光源を別々のパッケージ121,126で用意し、各パッケージ121,126から出たレーザ光の光路を一致させるために合流素子であるプリズム123を用いる。このプリズム123により波長の異なる2つのレーザ光をいずれも信号伝送路124の入射端124aに集光する。この波長の異なる2つのレーザ光を信号伝送路124の入射端124aに正確に集光するには、パッケージ121,126から出たレーザ光の光軸が正確に一致している必要がある。
【0004】
このような光通信システムでは、伝送距離が数km以上、伝送速度は1Mbps以上〜1Tbps以上といった値が想定されている。
【0005】
一方、伝送距離が10m〜1km程度の短距離,中距離光通信システムでは、複数の波長を用いて光通信するという提案はされていない。これは、短距離,中距離光通信システムでは、コストを低く抑えることが重要であり、1Tbpsといった簡単に実現できない伝送速度が求められることもなく、光学調整が困難でかつ素子数が増える等の問題がある波長多重通信方式よりも変調速度を上げる方が容易と考えられるためである。一方、伝送距離は、信号伝送路に使用する光ファイバの伝送損失により支配されており、伝送距離が50m以下の短距離光通信システムでは、コア径が約1000μmと大きい全プラスチックファイバ(以下、APFという)を主に用い、伝送距離が300m以下の中距離光通信システムでは、コア径が約200μmのプラスチッククラッドファイバ(以下、PCFという)を主に用いている。
【0006】
例えば、長距離光通信システムに用いられる石英ファイバでは、最も損失の小さい波長は1300nmであり、波長1300nmにおいて伝送損失は約0.5dB/kmである。一方、短距離光通信システムで用いられるAPFでは、最も伝送損失の小さい波長は650nmであり、波長650nmにおいて伝送損失は約156dB/kmであり、中距離光通信システムで用いられるPCFでは、最も伝送損失の小さい波長は780nmであり、波長780nmにおいて伝送損失は約4.5dB/kmである。また、上記波長650nmにおけるPCFの損失は、約8dB/kmと同じ波長におけるAPFの損失より小さいが、PCFはAPFより高価なため、これまで短距離用に使用されることはなかった。
【0007】
上記APFを使用する場合、光源の中心波長としては640nm〜660nmであればよく(以下、650nmで代表する)、PCFを使用する場合は、光源の中心波長としては770nm〜790nmであればよい(以下、780nmで代表する)。また、APFは、PCFに比べ安価であり、コア径が950μmとPCFの200μmより大きくて光源や受光素子と光ファイバとの接続が一層容易であるため、短距離の光通信には最適と考えられる。これまでの検討では、APFは50m以下の短距離通信に用い、PCFは300m以下の中距離通信に用いるのがよいとされているが、これは光源に発光ダイオード(LED)を用いた場合であり、半導体レーザ(LD)を用いれば、さらに伝送距離を長くすることができると考えられる。
【0008】
また、波長650nmの光源としてInGaAsP/GaAs系の発光ダイオード(LED)または半導体レーザ(LD)を使用し、波長780nmの光源としてGaAlAs/GaAs系の発光ダイオード(LED)または半導体レーザ(LD)を使用している。また、受光素子としては、波長650nmおよび波長780nmのいずれの波長の光に対してもSi系のフォトダイオードを使用している。
【0009】
通信距離が50m以下というのは、主に家庭内や小さなオフィスにおける使用が想定している。一方、通信距離が300m以下というのは、工場の構内通信・広いオフィス内における使用を想定している。しかし、このような短距離,中距離通信用端末というのは、持ち運ぶ場合も多いことが想定される。すなわち、パソコンや携帯情報端末等の普及が著しく、これらの端末に上記短距離,中距離光通信システムを直接接続したいという要求が高まっている。
【0010】
このような用途では、光ファイバと端末に取り付けられた光モジュールとが簡単に接続できること以外に、光モジュールを含む端末が小型であること、短距離通信と中距離通信の両方で使用できること、安価であることが求められる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、短距離光通信システムと中距離光通信システムとの両方で使える送信用の光モジュールとしては、上記光ファイバの伝送損失特性から、短距離通信用に波長650nmの光源と中距離通信用に波長780nmの光源が夫々搭載された2つのパッケージを用いることが考えられる。しかしながら、図15の従来の光モジュールからも分かるように、2つのパッケージを用いると光モジュールが大きくなり、短距離,中距離用で想定される携帯端末への搭載に適さないという問題がある。
【0012】
また、短距離通信用と中距離通信用との両方で使える受信用の光モジュールとしては、短距離用の波長650nmの光と中距離用の波長780nmの光とに最適化された受光素子が夫々搭載された2つのパッケージを用いることが考えられる。しかしながら、2つのパッケージを用いると光モジュールが大きくなり、短距離,中距離用光通信システムで想定される携帯端末への搭載に適さないという問題がある。
【0013】
また、APFとPCFとのコネクタを共通化し、短距離用の波長650nmの光源だけを用いた光モジュールでは、波長780nmの光を用いる場合に比較してPCFの損失が大きくなるため、伝送距離としては150〜200m程度と短くなり、中距離通信に使用する場合に伝送距離が不足するという問題がある。
【0014】
さらに、端末を小型化するためには、信号伝送路である光ファイバを1本とし、コネクタを小さくすることも必要である。すなわち、1芯双方向伝送を実現する必要があり、送信用の半導体レーザ(LD)または発光ダイオード(LED)と受信用のフォトダイオード(PD)とを同一のパッケージに搭載することが望ましい。ところが、同一の波長で送信と受信とを同時に行おうとすると、受信信号に送信信号が重なってしまう。これを避けるためには、送信と受信を分ける方法があるが、実質的な伝送速度が遅くなるという課題がある。これに対して送信信号光の波長と受信信号光の波長とを変える、いわゆる波長多重通信が考えられるが、上記波長多重通信技術を短距離,中距離光通信システムに適用するためには、上述したようにパッケージの小型化と低価格化を図ることが課題となる。
【0015】
そこで、この発明の目的は、短距離通信と中距離通信の両方で使用でき、携帯端末に適した小型で低価格な光モジュールを提供すると共に、APF,PCFの両方に対応でき、光ファイバ1芯による双方向伝送も可能な波長多重通信ができる光モジュールを用いた光通信方式を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の光モジュールは、信号伝送用光源として用いる発光部を有する光モジュールであって、上記発光部は、中心発光波長650nmの半導体レーザチップまたは発光ダイオードチップである第1発光素子と中心発光波長780nmの半導体レーザチップまたは発光ダイオードチップである第2発光素子とを有し、上記第1,第2発光素子から発する光の光軸が略一致するように、上記発光部の上記第1,第2発光素子を1つのパッケージ内に夫々搭載し、波長640 nm 〜660 nm の受信信号光を受信する第1受信用受光素子と波長770 nm 〜790 nm の受信信号光を受信する第2受信用受光素子とが単一の基板に集積化された受信用受光部を有し、上記第1受信用受光素子と上記第2受信用受光素子の両方の受光領域上に、受信信号光の集光スポットがまたがるようにしたことを特徴としている。
【0017】
上記請求項1の光モジュールによれば、上記発光部の1つのパッケージ内に搭載された中心発光波長650nmの第1発光素子(半導体レーザチップまたは発光ダイオード)と中心発光波長780nmの第2発光素子(半導体レーザチップまたは発光ダイオード)とから夫々発する光の光軸を略一致させる。そうすることによって、上記第1,第2発光素子の正確な位置調整を行わなくても、第1,第2発光素子から発する波長の異なる2つの光を光ファイバ内に入射させることが可能となる。したがって、光モジュールの寸法を大きくすることなく、短距離通信と中距離通信の両方で使用でき、携帯端末に適した小型の光モジュールを実現できる。また、上記波長650 nm の受信信号光を受信する第1受信用受光素子と波長780 nm の受信信号光を受信する第2受信用受光素子とを1つのパッケージに搭載し、受信用受光部として用いることにより、光モジュールの小型化が可能となる。また、上記第1受信用受光素子と第2受信用受光素子との位置調整を行う必要がない。また、上記第1 , 第2受信用受光素子の2つを別々に搭載する場合に比べると、実装時に最初に用いる半田の融点より後で用いる半田の融点を低くする必要がないので、実装が容易にできる。
【0018】
また、請求項の光モジュールは、請求項1または2の光モジュールにおいて、上記発光部の上記第1,第2発光素子から発する送信信号光と上記受信用受光部の上記第1,第2受信用受光素子により受信する受信信号光とを分離する分離素子を有することを特徴としている。
【0019】
上記請求項の光モジュールによれば、上記送信信号光と受信信号光とを分離する分離素子を備えることにより、1本の光ファイバで送受信が可能となる。
【0020】
また、請求項の光モジュールは、請求項の光モジュールにおいて、上記分離素子はプリズムであることを特徴としている。
【0021】
上記請求項の光モジュールによれば、上記分離素子をプリズムとすることにより、上記発光部と受信用受光部とを1つのパッケージに入れることが可能となり、小型化できる。
【0022】
また、請求項の光モジュールは、請求項の光モジュールにおいて、上記分離素子はホログラムであることを特徴としている。
【0023】
上記請求項の光モジュールによれば、上記分離素子をホログラムとすることにより、上記発光部と受信用受光部とを1つのパッケージに入れることが可能となり、一層の小型化が図れる。
【0024】
また、請求項の光モジュールは、請求項の光モジュールにおいて、上記分離素子は上記受信用受光部の表面であることを特徴としている。
【0025】
上記請求項の光モジュールによれば、上記分離素子を受信用受光部の表面とすることにより、構成する素子を少なくすることが可能となり、低価格化が図れると共に、作成も容易となる。
【0026】
また、請求項の光モジュールを用いた光通信方式は、請求項1乃至のいずれか1つの光モジュールを用いた光通信方式であって、コア層とクラッド層とがプラスチックで構成された全プラスチックファイバを信号伝送路に用いるときは、上記発光部の上記第1発光素子から発する波長650nmの光を送信信号として用い、石英ガラスのコア層とプラスチックのクラッド層で構成されたプラスチッククラッドファイバを信号伝送路に用いるときは、上記発光部の上記第2発光素子から発する波長780nmの光を送信信号として用いることを特徴としている。
【0027】
上記請求項の光モジュールを用いた光通信方式によれば、上記信号伝送路にコア層とクラッド層とがプラスチックで構成された全プラスチックファイバ(伝送距離50m以下の短距離通信に主に用いる)を用いる場合には、波長650nmの光を信号光として用いる。一方、上記信号伝送路に石英ガラスのコア層とプラスチックのクラッド層で構成されたプラスチッククラッドファイバ(伝送距離300m以下の中距離通信に主に用いる)を用いる場合には、波長780nmの光を信号光として用いる。そうすることにより、短距離通信と中距離通信の両方で伝送特性を最適に保つことができる。
【0028】
また、請求項の光モジュールを用いた光通信方式は、請求項1乃至のいずれか1つの光モジュールを用いた光通信方式であって、石英ガラスからなるコア層とプラスチックからなるクラッド層で構成された1本のプラスチッククラッドファイバを信号伝送路に用い、上記第1発光素子から発する波長650nmの光または上記第2発光素子から発する波長780nmの光のいずれか一方を送信信号として用い、波長650nmの光または波長780nmの光のいずれか他方を受信信号として用い、上記第1発光素子から発する波長650nmの光または上記第2発光素子から発する波長780nmの光のいずれか一方を通信開始時の送信信号に用いるか予め決めておき、上記第1発光素子から発する波長650nmの光または上記第2発光素子から発する波長780nmの光の他方を返信信号に用いることにより波長多重通信を行うことを特徴としている。
【0029】
上記請求項の光モジュールを用いた光通信方式によれば、上記信号伝送路に1本のプラスチッククラッドファイバを用い、送信信号と受信信号に波長650nmの光と波長780nmの光とを用いて、通信開始時にいずれの波長の光を送信信号に使用するか予め決めて通信を行うことにより、波長多重通信により1本の光ファイバで送受信が可能となる。
【0030】
また、請求項の光モジュールを用いた光通信方式は、請求項乃至のいずれか1つの光モジュールを用いた光通信方式であって、石英ガラスからなるコア層とプラスチックからなるクラッド層で構成された1本のプラスチッククラッドファイバを信号伝送路に用い、上記第1発光素子から発する波長650nmの光または上記第2発光素子から発する波長780nmの光のいずれか一方を送信信号として用い、波長650nmの光または波長780nmの光のいずれか他方を受信信号として用い、通信開始時の受信信号光が上記波長650nmの光または波長780nmの光のいずれの光であるかを上記光モジュールの上記受信用受光部の上記第1,第2受信用受光素子の各出力に基づいて判別し、上記第1発光素子から発する波長650nmの光または上記第2発光素子から発する波長780nmの光のうちの上記受信信号光と波長が異なる光で返信信号を送信することにより波長多重通信を行うことを特徴としている。
【0031】
上記請求項の光モジュールを用いた光通信方式によれば、上記信号伝送路に1本のプラスチッククラッドファイバを用い、送信信号と受信信号に波長650nmの光と波長780nmの光とを用いて、いずれの波長の光を受信しているかを上記集積化された第1,第2受信用受光素子の各出力から判別し、もう一方の波長の光で送信を行うことにより、1本の光ファイバで波長多重通信による送受信が可能となる。さらに、送信信号光と受信信号光とに必ず異なる波長を割り当てることが可能となる。
【0032】
また、請求項1の光モジュールを用いた光通信方式は、請求項の光モジュールを用いた光通信方式において、上記通信開始時に送信信号に使用する光の波長を通知するためのダミー信号を上記送信信号と同じ波長の光で送信することを特徴としている。
【0033】
上記請求項1の光モジュールを用いた光通信方式によれば、波長多重通信を行う場合、送信開始時に送信信号に使用する光の波長を通知するためのダミー信号を上記送信信号と同じ波長の光で送信することにより、受信側で受信されたダミー信号により次の送信側の送信信号光の波長を確実に検出することが可能となり、信号の最初から最適な受信状態を実現することができる。
【0034】
また、請求項11の光モジュールを用いた光通信方式は、中心発光波長640 nm 〜660 nm の半導体レーザチップまたは発光ダイオードチップである第1発光素子と中心発光波長770 nm 〜790 nm の半導体レーザチップまたは発光ダイオードチップである第2発光素子とを有する信号伝送用光源用の発光部と、波長640 nm 〜660 nm の受信信号光を受信する第1受信用受光素子と波長770 nm 〜790 nm の受信信号光を受信する第2受信用受光素子とを有する光モジュールを用いた光通信方式であって、石英ガラスからなるコア層とプラスチックからなるクラッド層で構成された1本のプラスチッククラッドファイバを信号伝送路に用い、上記第1発光素子から発する波長640 nm 〜660 nm の光または上記第2発光素子から発する波長770 nm 〜790 nm の光のいずれか一方を送信信号として用い、波長640 nm 〜660 nm の光または波長770 nm 〜790 nm の光のいずれか他方を受信信号として用い、通信開始時の受信信号光が上記波長640 nm 〜660 nm の光または波長770 nm 〜790 nm の光のいずれの光であるかを上記光モジュールの上記受信用受光部の上記第1 , 第2受信用受光素子の各出力に基づいて判別し、上記第1発光素子から発する波長640 nm 〜660 nm の光または上記第2発光素子から発する波長770 nm 〜790 nm の光のうちの上記受信信号光と波長が異なる光で返信信号を送信することにより波長多重通信を行うと共に、上記通信開始時に送信信号に使用する光の波長を通知するためのダミー信号を上記送信信号と同じ波長の光で送信することを特徴としている。
【0035】
上記請求項11の光モジュールを用いた光通信方式によれば、信号伝送路に1本のプラ スチッククラッドファイバを用い、送信信号と受信信号に波長650 nm の光と波長780 nm の光とを用いて、いずれの波長の光を受信しているかを上記第1 , 第2受信用受光素子の各出力から判別し、もう一方の波長の光で送信を行うことにより、1本の光ファイバで波長多重通信による送受信が可能となる。さらに、送信信号光と受信信号光とに必ず異なる波長を割り当てることが可能となる。波長多重通信を行う場合、送信開始時に送信信号に使用する光の波長を通知するためのダミー信号を上記送信信号と同じ波長の光で送信することにより、受信側で受信されたダミー信号により次の送信側の送信信号光の波長を確実に検出することが可能となり、信号の最初から最適な受信状態を実現することができる。
【0036】
また、請求項12の光モジュールを用いた光通信方式は、請求項10または11の光モジュールを用いた光通信方式において、上記ダミー信号は、受信側で直流信号と見なされるような内容のデジタル信号であることを特徴としている。
【0037】
上記請求項12の光モジュールを用いた光通信方式によれば、例えば、受信側で上記第1,第2受信用受光素子で受信された上記ダミー信号の信号強度を比較することによって、信号の大きい方がダミー信号の光の波長であることを容易に判別できる。
【0038】
また、請求項13の光モジュールを用いた光通信方式は、請求項10または11の光モジュールを用いた光通信方式において、上記ダミー信号は、基準伝送速度と略同一の伝送速度で、かつ、上記基準伝送速度を定める基準クロック信号の周波数に略等しい周波数のデジタル信号であることを特徴としている。
【0039】
上記請求項13の光モジュールを用いた光通信方式によれば、例えば、受信側で上記第1,第2受信用受光素子で同じように受光された上記ダミー信号の光の受信感度は、第1,第2受信用受光素子の応答速度により異なる。すなわち、波長650nmのダミー信号に対しては、第1受信用受光素子の応答速度は速く、第2受信用受光素子の応答速度は遅いので、第1受信用受光素子の出力が第2受信用受光素子の出力よりも大きくなる一方、波長780nmのダミー信号に対しては、第1受信用受光素子の応答速度は遅く、第2受信用受光素子の応答速度は速いので、第2受信用受光素子の出力が第1受信用受光素子の出力よりも大きくなる。したがって、上記第1,第2受信用受光素子の出力を比較することによって、出力の大きい方がダミー信号の光の波長であると容易に判別できる。また、上記ダミー信号を基準伝送速度と同じ伝送速度のデジタル信号とし、上記ダミー信号の最高周波数を基準信号のクロック信号の最高周波数とほぼ等しくすることにより、DCカット回路を使用して、信号受信感度を高めることが可能となる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の光モジュールおよびそれを用いた光通信方式を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0041】
(第1実施形態)
図1はこの発明の実施の一形態の光モジュールの構成図であり、11は発光部としての半導体レーザ(以下、LDという)ユニット、12は上記LDユニット11から発する送信信号光を集光する集光用球レンズ、13Aは上記集光用球レンズ12により集光された送信信号光を伝送する信号伝送路としての光ファイバ、13Bは受信側からの受信信号光を伝送する信号伝送路としての光ファイバ、14は上記光ファイバ13Bからの受信信号光を集光する集光用球レンズ、15は上記集光用球レンズ14により集光された受信信号光を受光する受信用受光部としてのPD(フォトダイオード)ユニットである。上記2芯構造の光ファイバ13A,13Bをコネクタ17に接続している。上記LDユニット11,集光用球レンズ12,集光用球レンズ14,PDユニット15およびコネクタ17で光モジュール16を構成している。
【0042】
図2(a)は上記LDユニット11の構成を示しており、発光波長780nmの第2発光素子としての第2LDチップ21aと、発光波長650nmの第1発光素子としての第1LDチップ21bと、モニタ用PD22とを1つのステム24上に搭載している。そして、上記第1,第2LDチップ21a,21bとモニタ用PD22の一方の端子(アース)を夫々リードピン23dに共通接続している。一方、発光波長780nmの第2LDチップ21aの他方の端子をリードピン23aに接続し、光波長650nmの第1LDチップ21bの他方の端子をリードピン23bに接続し、モニタ用PD22の他方の端子をリードピン23cに接続している。
【0043】
図2(a)に示すように、上記発光波長780nmの第2LDチップ21aから出力されたレーザ光Aの光軸と発光波長650nmの第1LDチップ21bから出力されたレーザ光Bの光軸との間隔sは、0〜320μmが望ましく、その理由については後述する。上記第2LDチップ21aの光出力と第1LDチップ21bの光出力を1つのモニタPD22によりモニタしている。モニタPDが1つでよいのは、2つの波長の光が同時に出力されず、第2LDチップ21aまたは第1LDチップ21bの出力を一定にするような電気的フィードバックを掛ける制御回路を用いることによって、出力されるレーザ光の光強度が一定に制御されるためである。
【0044】
図2(b)は上記制御回路のブロック図を示している。いずれの波長の光を出力させるかを決めるのは、図2(b)に示す波長780nm第2LDチップ21a用のドライバ25aと波長650nm第1LDチップ21b用のドライバ25bのいずれをオンにするかによって定める。
【0045】
また、図1に示す集光用球レンズ12には、直径3mmの球レンズを用いた。PCF(プラスチッククラッドファイバ)とAPF(全プラスチックファイバ)を使用することを前提としているので、コア径の小さいPCFに波長780nmの光が入るように調整する。そうすると、波長650nmの光は、特に調整しなくてもAPFに結合させることができる。上記光モジュール16の送信部では、光ファイバ13Aの端面13a上の集光スポットサイズは、波長780nmの光に対して約40μm程度となった。一方、波長650nmの光に対してレンズ11の収差のため、光ファイバ13Aの端面13a上の集光スポットサイズは約200μmとなった。
【0046】
図3は光ファイバのコアに対する集光スポットの大きさ,位置の関係を模式的に示している。図3に示すように、APFのコア31の直径は900μmであり、直径200μmのPCFのコア32に対してzだけずれを許している。波長780nmの光の集光スポット33は、PCFのコアの中心からyだけずれが許され、波長650nmの光の集光スポット34は、APFのコアの中心からxだけずれが許されている。光ファイバへ結合させる条件としては、集光スポットがコア径の内側に入っていればよいという条件から、APFのコアの中心からのずれがx(=350μm)以下、かつ、PCFのコアの中心からのずれがy(=80μm)以下であればよい。また、PCFの中心とAPFの中心のずれzはコネクタの機械的な誤差で決まるが、通常50μm程度とすることができる。これらから波長780nmのレーザ光Aの光軸と波長650nmのレーザ光Bの光軸とのずれdは、
d≦x+z−y=350+50−80=320μm
より、320μm以下であれば、同じ光学構成で、発光波長780nmのレーザ光をPCFに結合させ、発光波長650nmのレーザ光をAPFに結合させることが可能となることが分かる。したがって、図2(a)における波長780nmのレーザ光Aと波長650nmのレーザ光Bの光軸の間隔sは、320μm以下が望ましい。
【0047】
一方、上記光モジュール16のPDユニット15と集光用球レンズ14からなる受信部では、光ファイバ13の端面13bから出た受信信号光は、集光用球レンズ14により絞られ、PDユニット15内の図示しない受光用受光素子としての受光用PIN−PD(ピンフォトダイオード)上に集光される。上記PDユニット15内には、波長650nm用の第1受信用受光素子としての第1受信用PIN−PDと波長780nm用の第2受信用受光素子としての第2受信用PIN−PDとが1つの基板上に集積化された受信用受光部を使用している。
【0048】
図4は上記1つの基板上に集積化された受信用受光部40の上面図を示している。この受信用受光部40は、波長780nm用の第2受信用PIN−PDの受光領域41aと波長650nm用の第1受信用PIN−PDの受光領域41bとを所定の間隔をあけて配置し、集光スポット42が両方の受光領域41a,41b上にまたがるように集光スポット42の位置を調節している。このため、受信信号光の波長が780nmであっても650nmであっても受信信号光を受信することができる。
【0049】
なお、上記受光領域41a,41bを図5,図6に示すように放射状に分割して配置すると、集光スポット42の位置ずれに対して波長780nm用のPIN−PDの受光領域41aと波長650nm用のPIN−PDの受光領域41bとに入る光の光量の割合の変化を小さくする。
【0050】
また、光モジュールに接続される光ファイバがAPFかまたはPCFであるかは、光ファイバに付けられたコネクタ17(図1に示す)の色等により判別する。そして、光モジュールに接続される光ファイバがAPFの場合には、波長650nm用のドライバ25b(図2(b)に示す)をオンにし、波長650nm用の先に最適化されたPIN−PDの領域に接続されたアンプ(図示せず)をオンにする。一方、光モジュールに接続される光ファイバがPCFの場合には、波長780nmのドライバ25a(図2(b)に示す)をオンにし、波長780nmの光に最適化されたPIN−PDの領域に接続されたアンプ(図示せず)をオンにする。以上の操作により、APF,PCFのいずれの光ファイバを利用した光通信システムにも対応可能となる。
【0051】
したがって、光モジュールの寸法を大きくすることなく、短距離通信と中距離通信の両方で使用でき、携帯端末に適した小型の光モジュール16で実現することができる。
【0052】
また、図4に示すように、上記波長650nm用の第1受信用PIN−PDと波長780nm用の第2受信用PIN−PDとを1つの基板上に集積化された受信用受光部40を用いることによって、光モジュールの寸法を大きくすることなく、第2LDチップ21a,第1LDチップ21bのいずれの出力も制御することができる。
【0053】
また、波長650nm用の第1受信用PIN−PDと波長780nm用の第2受信用PIN−PDとが1つの基板上に集積化されたPDユニット15を用いることによって、光モジュールを小型化することができる。また、上記第1受信用PIN−PDと第2受信用PIN−PDとの位置調整を行う必要がない。また、上記第1受信用PIN−PDと第2受信用PIN−PDの2つを別々に搭載する場合に比べると、実装時に最初に用いる半田の融点より後で用いる半田の融点を低くする必要がないので、実装を容易に行うことができる。
【0054】
また、上記信号伝送路にAPFを用いる場合には、波長650nmの光を信号光として用いる一方、上記信号伝送路にPCFを用いる場合には、波長780nmの光を信号光として用いることによって、短距離通信と中距離通信の両方で伝送特性を最適に保つことができる。
【0055】
(第2実施形態)
図7はこの発明の第2実施形態の光モジュールの構成を示しており、61は波長650nmの光と波長780nmの光とを出力する発光部としてのLDユニット、62は上記LDユニット61から出た送信信号光を集光する集光用球レンズ、63は上記集光用球レンズ62により集光された送信信号光の半分を透過する分離素子としてのプリズム、64は上記プリズム63を透過した送信信号光が端面64aに集光される信号伝送路として光ファイバ、65は上記光ファイバ64の端面64aから出た受信信号光がプリズム63で反射された受信信号光を集光する集光用球レンズ、66は上記集光用球レンズ65により集光された受信信号光を受光する受信用受光部としてのPDユニットである。なお、上記LDユニット61は、第1実施形態と同様に、発光波長650nmの第1発光素子としての第1LDチップ(図示せず)と発光波長780nmの第2発光素子としての第2LDチップ(図示せず)とから発する光の光軸が略一致するように、第1,第2LDチップを1つのパッケージ内に夫々搭載している。
【0056】
図7に示すように、上記LDユニット61は、波長780nmの光と波長650nmの光とを光軸が略一致するように出力する。そして、上記LDユニット61から出た波長650nmまたは波長780nmの送信信号光は、集光用球レンズ62で絞られ、プリズム63で半分の光は透過し、光ファイバ64の端面64a上に集光されて、光ファイバ64に結合される。一方、光ファイバ64の端面64aから出た受信信号光は、プリズム63で半分の光が反射され、球レンズ65で集光されて、PDユニット66に集光される。
【0057】
このように、上記光モジュールは、第1実施形態と同様の効果を有すると共に、光モジュールに送信信号光と受信信号光とを分離する分離素子にプリズム63を用いることによって、光ファイバ1本で双方向通信を行うことができる。
【0058】
(第3実施形態)
図8はこの発明の第3実施形態の光モジュールの構成を示しており、71は波長650nmの光と波長780nmの光とを出力する発光部としてのLDユニット、72は上記LDユニット71から出た送信信号光を集光する集光用球レンズ、73は上記LDユニット71と集光用球レンズ72との間に配置された分離素子としてのホログラム、74は上記集光用球レンズ72により集光された送信信号光が端面74a上に集光される信号伝送路としての光ファイバ、75a,75bは上記光ファイバ74の端面74aから出た受信信号光を集光用球レンズ72,ホログラム73を介して受光する波長780nm用の第2受信用PIN−PDと波長650nm用の第1受信用PIN−PDである。なお、上記LDユニット71は、第1実施形態と同様に、発光波長650nmの第1発光素子としての第1LDチップ(図示せず)と発光波長780nmの第2発光素子としての第2LDチップ(図示せず)とから発する光の光軸が略一致するように、第1,第2LDチップを1つのパッケージ内に夫々搭載している。
【0059】
図8に示すように、上記光モジュールでは、信号伝送路に1本の光ファイバ74を用い、送信信号光と受信信号光とをホログラム73により分離している。すなわち、LDユニット71から出た波長650nmまたは波長780nmの送信信号光のうちのホログラム73で回折されなかった光(0次光)は、集光用球レンズ72で絞られ、光ファイバ74の端面74a上に集光され、光ファイバ74に結合される。一方、光ファイバ74の端面74aから出た受信信号光は、ホログラム73で回折され、回折された光は、波長780nm用の第2受信用PIN−PD75aと波長650nm用の第1受信用PIN−PD75b上に夫々集光される。上記ホログラム73では、波長の長い光ほど回折される角度が小さいので、集光位置が波長により大きく異なる。この第3実施形態では、1つの基板に2つの波長に最適化したPIN−PDを用いると、基板が大きくなりすぎるので、各波長に対して最適化した第1,第2受信用PIN−PD75b,75aを用い、集積化された受信用受光部は用いていない。
【0060】
上記第3実施形態では、LDユニット71と第1,第2受信用PIN−PD75b,75aの距離は0〜400μm程度であり、LDユニット71と第1,第2受信用PIN−PD75b,75aとを1つのパッケージに収めることができる。
【0061】
このように、上記光モジュールは、第1実施形態と同様の効果を有すると共に、光モジュールに送信信号光と受信信号光とを分離する分離素子にホログラム73を用いることによって、光ファイバ1本で双方向通信を行うできると共に、光モジュールを小型化することができる。
【0062】
(第4実施形態)
図9はこの発明の第4実施形態の光モジュールの構成を示しており、81は波長650nmの光と波長780nmの光とを出力する発光部としてのLDユニット、82はLDユニット81から出た送信信号光を集光する集光用球レンズ、83は受信用受光部としてのPDユニット、84は上記集光用球レンズ82により集光された送信信号光が端面84aに集光される光ファイバである。上記LDユニット81から出た送信信号光をPDユニット83の表面で集光用球レンズ82側に反射する。なお、上記LDユニット81は、第1実施形態と同様に、発光波長650nmの第1発光素子としての第1LDチップ(図示せず)と発光波長780nmの第2発光素子としての第2LDチップ(図示せず)とから発する光の光軸が略一致するように、第1,第2LDチップを1つのパッケージ内に夫々搭載している。
【0063】
図9に示すように、送信信号光と受信信号光とはPDユニット83の表面により分離される。すなわち、上記LDユニット81から出た波長650nmまたは波長780nmの送信信号光は、PDユニット83の表面にて反射され、集光用球レンズ82で絞られ、光ファイバ84の端面84a上に集光され、光ファイバ84に結合される。一方、光ファイバ端面84aから出た受信信号光はPDユニット83で受信される。
【0064】
このように、上記光モジュールは、第1実施形態と同様の効果を有すると共に、送信信号光と受信信号光とを分離する分離素子にPDユニット83の表面を用いることにより、光モジュールを構成する素子の数を減らすことができ、安価にかつ容易に作成することができる。
【0065】
(第5実施形態)
図10にこの発明の第5実施形態の光モジュールを用いた通信方式の光通信システムの構成図を示している。端末C91と端末D93は、信号伝送路としての1本の光ファイバ92を共有し、互いに送受信を行う。上記光ファイバ92としては、波長650nmの光と波長780nmの光の両方に対して損失の小さいPCFを使用している。そして、端末C91,端末D93は、光モジュール,信号処理回路および制御回路等(図示せず)を有している。上記光モジュールには、図7の第3実施形態および図9の第4実施形態で示したように、少なくとも、光軸が略一致するように波長650nmの光と波長780nmの光とを出力する発光部としてのLDユニットと、波長650nm用の第1受信用PIN−PDと波長780nm用の第2受信用PIN−PDとを有する受信用受光部と、送信信号光と受信信号光とを分離する分離素子と、集光用レンズとで構成されているものを用いる。
【0066】
この第5実施形態の通信方式では、端末C91がまず送信を行う場合、送信信号光の波長を650nmまたは780nmのいずれか一方に予め定めておく。そして、その送信信号光を受信した端末D93は、もう一方の波長の光で返信信号を返送する。上記端末C91,端末D93の光モジュールは、波長650nmの光でも波長780nmの光でも送出できるため、通信開始時の最初に信号を送信することも、受信後に信号を返信することも可能である。したがって、1本の光ファイバで波長多重通信による送受信ができる。また、送信信号光の波長と受信信号光の波長とは十分離れているため、送信信号光と受信信号光とが光ファイバ内で干渉することはない。このため、受信信号を受けながら送信信号を送ることが可能となる。
【0067】
上記通信方式では、送信と受信を同時に行うことができるため、特別に高速のPDやアンプ等を用いることなく、送信と受信とを交互に行う場合に比べて略2倍の情報量の信号を送ることができる。
【0068】
また、受信用受光部に自分が送信した光が入射しても、送信信号光の波長と受信信号光の波長が異なり、受信信号光の波長に対する感度に比べ、送信信号光の波長に対する感度が十分小さいため、受信信号に対する送信信号の影響は十分小さい。
【0069】
上記第5実施形態において、まれに送信信号を送出した直後、すなわち相手の端末に送信した信号が到着する以前に相手の端末でも、送信信号を送出する場合が起こる。この場合、通信を行う2つの端末が同時に同じ波長の光で信号を送出するので混信が生じる。これを確実に避けるため、図11に示す信号タイミングで通信を行うのが望ましい。
【0070】
図11に示す信号タイミングでは、最初に送る信号光の波長を決めない代わりに、一定長のダミー信号Eを付ける。
【0071】
図11は一方の端末だけが送信要求を行った場合の信号のタイミングを表す図であり、図11において横軸は時間である。この場合、端末Cが送信した波長λ1のダミー信号E(λ1)が相手の端末Dの受信部に到着すると、端末Dはすぐに波長λ2の送信信号F(λ2)を送信でき、2つの端末の間で通信が可能な状態になる。端末Cは、端末Dから波長λ2の信号F(λ2)が帰ってくると、波長λ1で信号G(λ1)を送る。
【0072】
そして、端末Dは、送られてきた信号の波長を波長780nm用の第2受信用PIN−PDと波長650nm用の第1受信用PIN−PDとを用いて判別する。上記判別方法について図14を参照しながら説明する。図14において、信号受信のために待機中は、波長780nm用の第2受信用PIN−PD110aに接続されたアンプ111aと波長650nm用の第1受信用PIN−PD110bに接続されたアンプ111bをともにオンにしておく。波長780nmの信号光Mが集積化された受信用受光部110に入射すると、アンプ111aの出力がアンプ111bの出力より大きくなり、波長650nmの信号が集積化された受信用受光部110に入射すると、アンプ111bの出力がアンプ111aの出力より大きくなるので上記2つのアンプ111a,111bの出力の差信号Nの符号を見て、どちらのアンプの出力が大きいかによって、信号光Mの波長を判別する。
【0073】
図14は集積化されたPIN−PDの場合について描いてあるが、個別のPIN−PDを用いても同様に判別できることはいうまでもない。
【0074】
また、図12は、端末Cが波長λ1のダミー信号E(λ1)を送出し、信号Eが端末Dに到着する前に端末Dが別の波長λ2のダミー信号H(λ2)を送出した場合の信号タイミングを表している。
【0075】
この場合、端末Dは受信したダミー信号Eの波長を判別し、自分が送信した波長と異なることを確認してから波長λ2で信号I(λ2)を送出する。端末Cもダミー信号Eを送出後、応答信号としてダミー信号Iが戻ってきたので、この信号の波長を判別し、自分が送信した波長と異なることを確認してから波長λ1で信号J(λ1)を送出する。このような手順を踏むことにより、2つの端末C,Dが同時に送信信号を送出しても、送信信号と受信信号の波長を確実に異ならせることができる。
【0076】
また、図13は、端末Cが波長λ1でダミー信号E(λ1)を送出し、信号Eが端末Dに到着する前に端末Dが同じ波長λ1で別のダミー信号H(λ1)を送出した場合の信号タイミングを表している。
【0077】
この場合、端末Dは、受信したダミー信号E(λ1)が自分が送信したダミー信号H(λ1)と同じ波長であることを知るので、すぐに信号を送出せず、ランダムに波長を650nmまたは780nmのいずれか一方を選び、再度ダミー信号HH(λ12)を送信する。一方、端末Cも、受信したダミー信号の波長λ1が自分が送信したダミー信号の波長λ1と同じ波長であることを知るので、すぐに信号を送出はせず、ダミー信号の波長を650nmまたは780nmのいずれか一方をランダムに選び、再度ダミー信号EE(λ12)を送信する。その後、受信したダミー信号の波長が送信したダミー信号の波長と異なるまで、この操作を繰り返す。そうして、互いの端末C,Dが使用する波長が決まった後、波長多重通信により同時双方向伝送を行う。
【0078】
このように、信号伝送路に1本のPCFを用い、送信信号と受信信号に波長650nmの光と波長780nmの光とを用いて、いずれの波長の光を受信しているかを上記集積化された第1,第2受信用PIN−PDの出力から判別し、もう一方の波長の光で送信を行うことにより、1本の光ファイバで波長多重通信による送受信ができ、さらに、送信信号光と受信信号光とに必ず異なる波長を割り当てることが可能となる。
【0079】
また、波長多重通信を行う場合、送信開始時に送信信号に使用する光の波長を通知するためのダミー信号を送信することにより、送信信号光の波長を確実に検出することが可能となり、信号の最初から最適な受信状態を実現することができる。
【0080】
次に、上記ダミー信号の形態について説明する。
【0081】
図8の第3実施形態のような光モジュールを用いた場合には、ダミー信号が受信側で直流信号と見なされるような内容のデジタル信号(DC信号に近い内容)であっても波長の判別は容易である。すなわち、ダミー信号光の波長が780nmの場合は、第2受信用PIN−PD75aにのみ入射し、ダミー信号光の波長が650nmの場合は、第1受信用PIN−PD75bにのみ入射する。このため、第2受信用PIN−PD75a, 第1受信用PIN−PD75bの信号強度を単純に比較し、第2受信用PIN−PD75aの信号が大きい場合は受信信号光の波長を780nmと判定し、第1受信用PIN−PD75bの信号が大きい場合は受信信号光の波長を650nmと判定すればよい。
【0082】
また、ダミー信号にDC信号を用いる場合に対するもう1つの利点は、第1,第2受信用PIN−PDの後段のアンプの前にDCカットフィルターを設けることができることである。電気回路でよく知られているように、DCから大きな利得を持つ広帯域のアンプを作成することは困難であるが、DCカットフィルターを設けた構成ではACアンプでよい。さらに、アンプの帯域を狭くすることができるので、S/N比を向上させることができる。
【0083】
一方、図7の第2実施形態および図9の第4実施形態の場合、ダミー信号は、基準伝送速度と略同一の伝送速度で、かつ、上記基準伝送速度を定める基準クロック信号の周波数に略等しい周波数のデジタル信号、例えば155Mbpsの1,0交番信号とすることが望ましい。上記ダミー信号は、図14に示したような波長780nm用の第2受信用PIN−PD110aと波長650nm用の第1受信用PIN−PD110bとが集積化された受信用受光部110を用い、両方の第1,第2受信用PIN−PDに受信信号光Mを入射するように設定している。例えば、155Mbpsの1,0交番信号を波長780nmの光で送信すると、波長650nm用の第1受信用PIN−PD110bでは、応答速度が不足して信号振幅が小さくなり、見かけ上の感度が波長650nmの受光信号光がDC信号の場合より小さくなる。一方、波長650nmの光で155Mbpsの1,0交番信号をダミー信号として送ると、波長780nm用の第2受信用PIN−PD110aでは、やはり応答速度が不足し、見かけ上の感度が波長780nmの受光信号光がDC信号の場合より小さくなる。その結果、2つの受信用PIN−PDの出力の差Nにより明確に入射波長を判別することができる。
【0084】
上記第1〜第5実施形態では、発光部としての光源にLDを用いた場合について説明してきたが、発光部としてLEDを用いてもよいのは勿論である。
【0085】
【発明の効果】
以上より明らかなように、請求項1の発明の光モジュールによれば、中心発光波長650nmの第1発光素子(LDチップまたはLEDチップ)と中心発光波長780nmの第2発光素子(LDチップまたはLEDチップ)を1つのパッケージ内に搭載した発光部が出力する光の光軸を略一致させることによって、信号伝送路にAPFやPCFを用いて、第1,第2発光素子の位置調整を正確に行わなくても、信号光を光ファイバ内に入射させることができるので、光モジュールの寸法を大きくすることなく、短距離通信と中距離通信の両方で使用でき、携帯端末に適した小型の送信用光モジュールを実現することができる。また、単一の基板に集積化された波長650 nm の受信信号光を受信する第1受信用受光素子と波長780 nm の受信信号光を受信する第2受信用受光素子とを1つのパッケージに搭載し、受信用受光部として用いることにより、光モジュールの小型化が可能となる。また、上記第1受信用受光素子と第2受信用受光素子との位置調整を行う必要がない。また、上記第1 , 第2受信用受光素子の2つを別々に搭載する場合に比べると、実装時に最初に用いる半田の融点より後で用いる半田の融点を低くする必要がないので、実装を容易に行うことができる。
【0086】
また、請求項の発明の光モジュールによれば、請求項の光モジュールにおいて、上記送信信号光と受信信号光とを分離する分離素子を備えることによって、1本の光ファイバで送受信を行うことができる。
【0087】
また、請求項の発明の光モジュールによれば、請求項の光モジュールにおいて、上記分離素子をプリズムとすることにより、上記発光部と受信用受光部とを1つのパッケージに入れることが可能となり、より小型化できる。
【0088】
また、請求項の発明の光モジュールによれば、請求項の光モジュールにおいて、上記分離素子をホログラムとすることにより、上記発光部と受信用受光部とを1つのパッケージに入れることが可能となり、一層の小型化ができる。
【0089】
また、請求項の発明の光モジュールによれば、請求項の光モジュールにおいて、上記分離素子を上記受信用受光部の表面とすることにより、光ユニットを構成する素子を少なくすることが可能となり、低価格化が図れると共に、作成も容易となる。
【0090】
また、請求項の発明の光モジュールを用いた光通信方式によれば、請求項1乃至のいずれか1つの光モジュールを用いた光通信方式であって、上記信号伝送路にAPFを用いる場合には、波長650nmの光を信号光として用いる一方、上記信号伝送路にPCFを用いる場合には、波長780nmの光を信号光として用いることによって、短距離通信と中距離通信の両方で伝送特性を最適に保つことができる。
【0091】
また、請求項の発明の光モジュールを用いた光通信方式によれば、請求項1乃至のいずれか1つの光モジュールを用いた光通信方式であって、上記信号伝送路に1本のPCFを用い、送信信号と受信信号に波長650nmの光と波長780nmの光とを用いて、通信開始時にいずれの波長の光を送信信号に使用するかを予め決めて通信を行うことにより、1本の光ファイバで波長多重通信による送受信ができる。
【0092】
また、請求項の発明の光モジュールを用いた光通信方式によれば、請求項乃至のいずれか1つの光モジュールを用いた光通信方式であって、上記信号伝送路に1本のPCFを用い、送信信号と受信信号に波長650nmの光と波長780nmの光とを用いて、いずれの波長の光を受信しているかを上記集積化された第1,第2受信用受光素子の出力から判別し、もう一方の波長の光で送信を行うことによって、1本の光ファイバで波長多重通信による送受信が可能となる。さらに、送信信号光と受信信号光とに必ず異なる波長を割り当てることが可能となる。
【0093】
また、請求項1の発明の光モジュールを用いた光通信方式によれば、請求項の光モジュールを用いた光通信方式において、波長多重通信を行う場合、送信開始時に送信信号に使用する光の波長を通知するためのダミー信号を送信することによって、送信信号光の波長を確実に検出することが可能となり、送信信号の最初から最適な受信状態を実現することができる。
【0094】
また、請求項11の発明の光モジュールを用いた光通信方式によれば、信号伝送路に1本のPCFを用い、送信信号と受信信号に波長650 nm の光と波長780 nm の光とを用いて、いずれの波長の光を受信しているかを第1 , 第2受信用受光素子の出力から判別し、もう一方の波長の光で送信を行うことによって、1本の光ファイバで波長多重通信による送受信が可能となる。さらに、送信信号光と受信信号光とに必ず異なる波長を割り当てることが可能となる。また、波長多重通信を行う場合、送信開始時に送信信号に使用する光の波長を通知するためのダミー信号を送信することによって、送信信号光の波長を確実に検出することが可能となり、送信信号の最初から最適な受信状態を実現することができる。
【0095】
また、請求項12の発明の光モジュールを用いた光通信方式によれば、請求項10または11の光モジュールを用いた光通信方式において、受信側で上記第1,第2受信用受光素子で受信された上記ダミー信号の信号強度を比較することによって、信号強度の大きい方がダミー信号の光の波長であると容易に判別することができる。
【0096】
また、請求項13の発明の光モジュールを用いた光通信方式によれば、請求項10または11の光モジュールを用いた光通信方式において、上記ダミー信号は、基準伝送速度と略同一の伝送速度で、かつ、上記基準伝送速度を定める基準クロック信号の周波数に略等しい周波数のデジタル信号であるので、上記第1,第2受信用受光素子の出力を比較することによって、出力の大きい方がダミー信号の光の波長であると容易に判別することができる。また、上記ダミー信号を基準伝送速度と同じ伝送速度のデジタル信号とし、上記信号の最高周波数を基準信号のクロック信号の最高周波数とほぼ等しくすることにより、DCカット回路を使用して、信号受信感度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の第1実施形態の光モジュールの構成図である。
【図2】図2(a)は上記光モジュールのLDユニットの構成を表す概略図であり、図2(b)は上記LDユニットの制御回路のブロック図である。
【図3】図3は上記第1実施形態の光ファイバのコアに対する光スポットの大きさおよび位置の関係を示す模式図である。
【図4】図4は上記光モジュールの受光部の配置を表す上面図である。
【図5】図5は上記光モジュールの受光部の他の配置を示す図である。
【図6】図6は上記光モジュールの受光部の他のもう一つの配置を示す図である。
【図7】図7はこの発明の第2実施形態の送信信号光と受信信号光との分離にプリズムを用いた光モジュールの構成図である。
【図8】図8はこの発明の第3実施形態の送信信号光と受信信号光との分離にホログラムを用いた光モジュールの構成図である。
【図9】図9はこの発明の第4実施形態の送信信号光と受信信号光との分離にPDを用いた光モジュールの構成図である。
【図10】図10はこの発明の第5実施形態の光モジュールを用いた光通信方式の光通信システムの構成図である。
【図11】図11は上記光通信システムにおける信号のタイミング図である。
【図12】図12は上記光通信システムにおける信号のタイミング図である。
【図13】図13は上記光通信システムにおける信号のタイミング図である。
【図14】図14は入射信号光の波長を判別する方法を説明する図である。
【図15】図15は従来の光モジュールの構成図である。
【符号の説明】
11…LDユニット、12,14…集光用球レンズ、
13A,13B…光ファイバ、15…PDユニット、
21a…第2LDチップ、21b…第1LDチップ、
22…モニタPD、23a〜23d…リードピン、
24…ステム、25a,25b…ドライバ。

Claims (13)

  1. 信号伝送用光源として用いる発光部を有する光モジュールであって、
    上記発光部は、中心発光波長640nm〜660nmの半導体レーザチップまたは発光ダイオードチップである第1発光素子と中心発光波長770nm〜790nmの半導体レーザチップまたは発光ダイオードチップである第2発光素子とを有し、
    上記第1,第2発光素子から発する光の光軸が略一致するように、上記発光部の上記第1,第2発光素子を1つのパッケージ内に夫々搭載し
    波長640 nm 〜660 nm の受信信号光を受信する第1受信用受光素子と波長770 nm 〜790 nm の受信信号光を受信する第2受信用受光素子とが単一の基板に集積化された受信用受光部を有し、
    上記第1受信用受光素子と上記第2受信用受光素子の両方の受光領域上に、受信信号光の集光スポットがまたがるようにしたことを特徴とする光モジュール。
  2. 請求項1に記載の光モジュールにおいて、
    上記第1受信用受光素子と上記第2受信用受光素子の両方の受光領域を放射状に分割して配置したことを特徴とする光モジュール。
  3. 請求項1または2に記載の光モジュールにおいて、
    上記発光部の上記第1,第2発光素子から発する送信信号光と上記受信用受光部の上記第1,第2受信用受光素子により受信する受信信号光とを分離する分離素子を有することを特徴とする光モジュール。
  4. 請求項に記載の光モジュールにおいて、
    上記分離素子はプリズムであることを特徴とする光モジュール。
  5. 請求項に記載の光モジュールにおいて、
    上記分離素子はホログラムであることを特徴とする光モジュール。
  6. 請求項に記載の光モジュールにおいて、
    上記分離素子は上記受信用受光部の表面であることを特徴とする光モジュール。
  7. 請求項1乃至のいずれか1つに記載の光モジュールを用いた光通信方式であって、
    コア層とクラッド層とがプラスチックで構成された全プラスチックファイバを信号伝送路に用いるときは、上記発光部の上記第1発光素子から発する波長640nm〜660nmの光を送信信号として用い、
    石英ガラスのコア層とプラスチックのクラッド層で構成されたプラスチッククラッドファイバを信号伝送路に用いるときは、上記発光部の上記第2発光素子から発する波長770nm〜790nmの光を送信信号として用いることを特徴とする光モジュールを用いた光通信方式。
  8. 請求項1乃至のいずれか1つに記載の光モジュールを用いた光通信方式であって、
    石英ガラスからなるコア層とプラスチックからなるクラッド層で構成された1本のプラスチッククラッドファイバを信号伝送路に用い、
    上記第1発光素子から発する波長640nm〜660nmの光または上記第2発光素子から発する波長770nm〜790nmの光のいずれか一方を送信信号として用い、
    波長640nm〜660nmの光または波長770nm〜790nmの光のいずれか他方を受信信号として用い、
    上記第1発光素子から発する波長640nm〜660nmの光または上記第2発光素子から発する波長770nm〜790nmの光のいずれか一方を通信開始時の送信信号に用いるか予め決めておき、上記第1発光素子から発する波長640nm〜660nmの光または上記第2発光素子から発する波長770nm〜790nmの光の他方を返信信号に用いることにより波長多重通信を行うことを特徴とする光モジュールを用いた光通信方式。
  9. 請求項乃至のいずれか1つに記載の光モジュールを用いた光通信方式であって、
    石英ガラスからなるコア層とプラスチックからなるクラッド層で構成された1本のプラスチッククラッドファイバを信号伝送路に用い、
    上記第1発光素子から発する波長640nm〜660nmの光または上記第2発光素子から発する波長770nm〜790nmの光のいずれか一方を送信信号として用い、
    波長640nm〜660nmの光または波長770nm〜790nmの光のいずれか他方を受信信号として用い、
    通信開始時の受信信号光が上記波長640nm〜660nmの光または波長770nm〜790nmの光のいずれの光であるかを上記光モジュールの上記受信用受光部の上記第1,第2受信用受光素子の各出力に基づいて判別し、
    上記第1発光素子から発する波長640nm〜660nmの光または上記第2発光素子から発する波長770nm〜790nmの光のうちの上記受信信号光と波長が異なる光で返信信号を送信することにより波長多重通信を行うことを特徴とする光モジュールを用いた光通信方式。
  10. 請求項に記載の光モジュールを用いた光通信方式において、
    上記通信開始時に送信信号に使用する光の波長を通知するためのダミー信号を上記送信信号と同じ波長の光で送信することを特徴とする光モジュールを用いた光通信方式。
  11. 中心発光波長640 nm 〜660 nm の半導体レーザチップまたは発光ダイオードチップである第1発光素子と中心発光波長770 nm 〜790 nm の半導体レーザチップまたは発光ダイオードチップである第2発光素子とを有する信号伝送用光源用の発光部と、波長640 nm 〜660 nm の受信信号光を受信する第1受信用受光素子と波長770 nm 〜790 nm の受信信号光を受信する第2受信用受光素子とを有する光モジュールを用いた光通信方式であって、
    石英ガラスからなるコア層とプラスチックからなるクラッド層で構成された1本のプラスチッククラッドファイバを信号伝送路に用い、
    上記第1発光素子から発する波長640 nm 〜660 nm の光または上記第2発光素子から発する波長770 nm 〜790 nm の光のいずれか一方を送信信号として用い、
    波長640 nm 〜660 nm の光または波長770 nm 〜790 nm の光のいずれか他方を受信信号として用い、
    通信開始時の受信信号光が上記波長640 nm 〜660 nm の光または波長770 nm 〜790 nm の光のいずれの光であるかを上記光モジュールの上記受信用受光部の上記第1 , 第2受信用受光素子の各出力に基づいて判別し、
    上記第1発光素子から発する波長640 nm 〜660 nm の光または上記第2発光素子から発する波長770 nm 〜790 nm の光のうちの上記受信信号光と波長が異なる光で返信信号を送信することにより波長多重通信を行うと共に、
    上記通信開始時に送信信号に使用する光の波長を通知するためのダミー信号を上記送信信号と同じ波長の光で送信することを特徴とする光モジュールを用いた光通信方式。
  12. 請求項10または11に記載の光モジュールを用いた光通信方式において、
    上記ダミー信号は、受信側で直流信号と見なされるような内容のデジタル信号であることを特徴とする光モジュールを用いた光通信方式。
  13. 請求項10または11に記載の光モジュールを用いた光通信方式において、
    上記ダミー信号は、基準伝送速度と略同一の伝送速度で、かつ、上記基準伝送速度を定める基準クロック信号の周波数に略等しい周波数のデジタル信号であることを特徴とする光モジュールを用いた光通信方式。
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