JP2000223721A - 高耐圧半導体素子およびその製造方法 - Google Patents

高耐圧半導体素子およびその製造方法

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JP2000223721A
JP2000223721A JP2624599A JP2624599A JP2000223721A JP 2000223721 A JP2000223721 A JP 2000223721A JP 2624599 A JP2624599 A JP 2624599A JP 2624599 A JP2624599 A JP 2624599A JP 2000223721 A JP2000223721 A JP 2000223721A
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semiconductor active
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breakdown voltage
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Tetsuya Oishi
哲也 大石
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コンタクト下方領域での電界緩和に加え、コン
タクト不純物領域の角部における電界集中を防止し、更
なる高耐圧化を図る。 【解決手段】基板2の一主面側に埋込誘電体層3を介し
て形成された第1導電型の半導体活性層4に、第2導電
型の不純物領域7と、第1導電型のコンタクト不純物領
域6とが互いに離れて形成され、第2導電型の不純物領
域7およびコンタクト不純物領域6上に、それぞれ素子
電極10,9を有する。本発明では、半導体活性層4の
表面に凸部4aを設け、凸部4aの上面から半導体活性
層4内部に向けてコンタクト不純物領域6が形成されて
いる。このため、電圧印加時にコンタクト下方領域に形
成される空乏層4e内で電界が緩和されるとともに、コ
ンタクト不純物領域6に角部が形成されないことから電
界集中が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえばSOIな
どの誘電体分離構造を有する高耐圧半導体素子およびそ
の製造方法に関する。特定的に、本発明は、いわゆるR
ESURF(Reducde Surface Field) 効果により高耐圧
を達成した高耐圧半導体素子の改良、即ち更なる高耐圧
化に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オーディオアンプ用またはディス
プレイドライバ用のICの分野では、高耐圧化と同時
に、高集積化および高速化が要求されている。これらの
要求を同時に満たすために、いわゆるSOIなど、基板
と誘電体分離された半導体活性層に形成した高耐圧IC
が知られている。
【0003】図8は、高耐圧ICの構成要素として、S
OI基板上に形成された高耐圧ダイオードの要部断面図
である。この高耐圧ダイオード100において、たとえ
ば、n型シリコンウエハからなる基板101上に、埋込
誘電体層102を介してn型シリコンからなる半導体活
性層103が形成されている。半導体活性層103内の
表面側に、n型不純物が高濃度に添加されてコンタクト
不純物領域104が形成されている。図8では片側しか
示さないが、コンタクト不純物領域104から離れて平
面パターン上で囲むように、p型不純物を高濃度に含む
+ 不純物領域105が形成されている。また、p+
純物領域105の更に外側を囲んで、素子分離絶縁層1
06が形成されている。半導体活性層103上は絶縁膜
107で覆われ、そのコンタクト不純物領域104上部
分、および、p+ 不純物領域105上部分に、それぞれ
開口部107aおよび107bが形成されている。絶縁
膜107上に、開口部107aを介してコンタクト不純
物領域104に接続するカソード電極108、および、
開口部107bを介してp+ 不純物領域105に接続す
るアノード電極109が形成されている。
【0004】このような構成の高耐圧ダイオード100
に対し、たとえば、基板101およびアノード電極10
9を接地電位で保持した状態で、カソード電極108に
電圧を印加し、その電圧値を漸増する。半導体活性層1
03内では、p+ 不純物領域105とのpn接合面から
空乏層103aがカソード側に向かって伸びる。このと
き同時に、接地電位に固定され誘電体分離された基板1
01がプレート電極として作用することから、埋込誘電
体層102との界面から空乏層103bが半導体活性層
103内を表面に向かって伸びる。この基板側からの空
乏層103bの伸びによって、空乏層103aが半導体
活性層103内の表面側を横方向に伸びようとする非空
乏化領域が次第に浅くなっていく。このため、表面空乏
層103aが伸びやすくなり、半導体活性層103の全
域が容易に空乏化され、結果として、当該ダイオードの
pn接合間での電界が緩和されるという効果(RESU
F効果)が得られる。
【0005】この高耐圧化の原理をトランジスタに適用
すると、SOI基板を用いたLDMOSFET(Lateral
Double Diffused MOSFET)やIGBT(Insulated Gate
Bipolar Transistor) など、種々の高耐圧トランジスタ
が実現できる。
【0006】これらの高耐圧半導体素子は、誘電体分離
により、寄生容量が小さく高速動作が達成でき、低電圧
化,低消費電力化が可能となる。加えて、埋込誘電体層
の存在により、半導体活性層内に形成する素子間分離層
を余り深くしなくてもよいことから、素子分離領域の面
積を小さくして素子集積度を高めることが可能となると
いった種々の利点がある。
【0007】この高耐圧半導体素子を更に高耐圧化する
には、電界集中箇所を出来るだけなくすことが重要であ
る。このような観点から、たとえば、特開平10−13
5466号公報に、pn接合付近での電界集中緩和策と
して、表面空乏層が伸びる半導体領域(ドリフト領域)
にコンタクト不純物領域に向けて厚くなるように厚み分
布をもたせることにより、pn接合付近での表面空乏層
の伸びを良くする技術が開示されている。
【0008】一方、高耐圧化のためドリフト領域を完全
空乏化するには、ドリフト領域より先に低い印加電圧で
アバランシェ降伏する箇所をなくさなくてはならない。
たとえば、図8に示す構造の高耐圧ダイオードにおい
て、カソードにおけるコンタクト不純物領域104下の
半導体活性層領域(以下、コンタクト下方領域)は、コ
ンタクト不純物領域104の存在により薄くなっている
ために、周囲のドリフト領域に比べ降伏電圧が低い。
【0009】そこで、特開平6−188438号公報に
おいて、コンタクト下方領域で部分的に埋込誘電体層厚
(および/または誘電率)を変えて、この領域で空乏層
の伸びを抑え、アバランシェ降伏が起こりにくくする技
術が開示されている。一般に、埋込誘電体層を一様に厚
くしたり、その誘電率を一様に低下させると、コンタク
ト下方領域での空乏層の伸びは抑えられるが、このこと
がドリフト領域ではRESUF効果を低減させてしまう
結果をもたらす。そこで、上記公報に記載された技術で
は、コンタクト下方領域を中心とした限られた部分で、
埋込誘電体層の厚みを基板側に増やしたり、埋込誘電体
層に誘電率を小さくする帯状部分(たとえば、空気もし
くは真空の空洞)を形成することで、降伏電圧の増加と
RESURF効果の維持を両立させている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この特開平6
−188438号公報に記載された高耐圧ダイオードで
は、コンタクト下方領域での降伏電圧の増大によって高
耐圧化されるが、さらに高耐圧化しようとしたときに、
コンタクト不純物領域の角部(曲率を有する部分)にお
ける電界集中が問題となる可能性が高い。
【0011】本発明の目的は、コンタクト下方領域での
電界緩和に加え、コンタクト不純物領域の角部における
電界集中を防止でき、そのぶん更なる高耐圧化が可能な
高耐圧半導体素子およびその製造方法を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る高耐圧半導
体素子は、基板の一主面側に埋込誘電体層を介して形成
された第1導電型の半導体活性層に、第2導電型の不純
物領域と、第1導電型のコンタクト不純物領域とが互い
に離れて形成され、上記第2導電型の不純物領域および
上記コンタクト不純物領域上に、それぞれ素子電極を有
する高耐圧半導体素子であって、上記半導体活性層は、
その表面に凸部を有し、上記凸部の上面から半導体活性
層内部に向けて上記コンタクト不純物領域が形成され、
上記凸部上に素子電極が形成されている。
【0013】好適には、上記コンタクト不純物領域は、
その深さが上記凸部の高さと同じか小さい。
【0014】上記半導体活性層および上記コンタクト不
純物領域の導電型がn型の場合、好適には、上記基板と
上記第2導電型の不純物領域を同電位とし、コンタクト
不純物領域上の素子電極に基板電位より高い電位を付与
したときに、コンタクト不純物領域下方での降伏電圧
が、上記第2導電型の不純物領域と半導体活性層との間
のpn接合の降伏電圧以上となるように、上記埋込絶縁
膜、半導体活性層、凸部および各不純物領域の寸法と距
離、ならびに、半導体活性層と各不純物領域の不純物濃
度が設定されている。また、上記半導体活性層および上
記コンタクト不純物領域の導電型がp型の場合、好適に
は、上記基板と上記第2導電型の不純物領域を同電位と
し、コンタクト不純物領域上の素子電極に基板電位より
低い電位を付与したときに、コンタクト不純物領域下方
での降伏電圧が、上記第2導電型の不純物領域と半導体
活性層との間のpn接合の降伏電圧以上となるように、
上記埋込絶縁膜、半導体活性層、凸部および各不純物領
域の寸法と距離、ならびに、半導体活性層と各不純物領
域の不純物濃度が設定されている。
【0015】このような構成の高耐圧半導体素子では、
コンタクト不純物領域が半導体活性層の凸部内に設けら
れていることから、コンタクト不純物領域直下の半導体
活性層領域(コンタクト下方領域)において活性層厚
を、周囲の活性層領域(ドリフト領域)と同じか厚くで
きる。その結果、コンタクト下方領域でアバランシェ降
伏が起きにくくなる。周囲のドリフト領域においては、
活性層厚は変わらないことから、RESURF効果が低
減することがない。また、コンタクト不純物領域が凸部
内に設けられていることから、コンタクト不純物領域に
曲率を有する角部が生じない。したがって、従来のよう
に角部に電界が集中するようなことがなく、そのぶん、
高耐圧にすることができる。
【0016】本発明に係る高耐圧半導体素子の製造方法
は、基板の一主面側に埋込誘電体層を介して第1導電型
の半導体活性層を形成する工程と、上記半導体活性層の
表面に凸部を形成する工程と、第1導電型のコンタクト
不純物領域を、上記凸部の上面から半導体活性層内部に
向けて形成する工程と、上記凸部から離れた半導体活性
層部分に、第2導電型の不純物領域を形成する工程と、
上記コンタクト不純物領域および上記第2導電型の不純
物領域上に、素子電極を形成する工程とを含む。
【0017】上記凸部の形成工程では、凸部形成箇所に
マスク層を形成して周囲の半導体活性層の表面部分をエ
ッチングにより除去してもよいし、また、凸部形成箇所
で開口するマスク層を半導体活性層上に形成し、上記マ
スク層の開口部から半導体活性層の一部を結晶成長させ
てもよい。
【0018】この高耐圧半導体素子の製造方法では、エ
ッチングまたは選択エピタキシャル成長など、一般的な
方法で、半導体活性層の凸部形成が可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る高耐圧半導体
素子の実施形態を、高耐圧ダイオードを例として説明す
る。図1は、本発明の実施形態に係る高耐圧ダイオード
の要部断面図である。
【0020】図1に示す高耐圧ダイオード1において、
たとえば、p型あるいはn型のシリコンまたは他の導電
性材料からなる基板2上に、酸化シリコンからなる埋込
誘電体層3が形成され、埋込誘電体層3上にn型シリコ
ンからなる半導体活性層4が形成されている。導電性の
基板2は、電位を印加して所定電位で保持可能に、たと
えば、その裏面に図示しないメタル層が形成されてい
る。
【0021】半導体活性層4は、その表面から埋込誘電
体層3に達する素子分離絶縁層5により仕切られてい
る。素子分離絶縁層5は、たとえば、LOCOSまたは
トレンチ絶縁層からなり、円環状パターンにて形成さ
れ、そのパターン内の半導体活性層部分を、周囲の活性
層部分と電気的、空間的に分離する。
【0022】本発明の実施形態における半導体活性層4
は、たとえば、素子分離された活性層中心位置の表面に
凸部4aを有している。凸部4aの上面から半導体活性
層4の内部に向けて、n型不純物が半導体活性層4より
高い濃度で導入され、これにより、コンタクト不純物領
域6が形成されている。半導体活性層4は、コンタクト
不純物領域6直下のコンタクト下方領域4bと、コンタ
クト下方領域4b周囲のドリフト領域4cとに区分され
る。
【0023】コンタクト不純物領域6の深さは、凸部4
aの高さと同じか小さい。つまり、コンタクト不純物領
域6の底面が、凸部4a周囲の半導体活性層4表面と同
じ高さか、より高い位置に形成されている。このため、
コンタクト下方領域4bの厚さは、ドリフト領域4cの
厚さ以上に設定されている。
【0024】一方、凸部4aから最も離れた半導体活性
層4内位置には、素子分離絶縁層5に沿い、活性層表面
から埋込誘電体層3に達してp型不純物が導入され、こ
れにより、p+ 不純物領域7が形成されている。p+
純物領域7とn型の半導体活性層4との界面が、当該高
耐圧ダイオードのpn接合面となる。
【0025】凸部4a上を含む半導体活性層4上に、た
とえば、酸化シリコンまたは窒化シリコンからなる絶縁
膜8が成膜されている。絶縁膜8は、そのコンタクト不
純物領域6上に開口部8aを有し、また、p+ 不純物領
域7上に開口部8bを有する。カソード電極9が、絶縁
膜の開口部8aを介してコンタクト不純物領域6上に接
して形成されている。また、アノード電極10が、絶縁
膜の開口部8bを介してp+ 不純物領域7上に接して形
成されている。
【0026】このような構成の高耐圧ダイオード1に対
し、たとえば、基板2およびアノード電極10を接地電
位で保持した状態で、カソード電極9に正の電圧を印加
し、その電圧値を漸増する。この電圧値増加にともなっ
て、半導体活性層4において、pn接合面から空乏層4
dがドリフト領域4c内をカソード側に向かって伸び
る。このとき同時に、接地電位に固定され誘電体分離さ
れた基板2がプレート電極として作用することから、埋
込誘電体層3との界面から空乏層4eが半導体活性層4
内を表面側に向かって伸びる。この基板側からの空乏層
4eの伸びによって、空乏層4dが活性層表面側を横方
向に伸びようとするドリフト領域4dの非空乏化部分が
次第に浅くなっていく。このため、この表面空乏層4d
が益々伸びやすくなり、ドリフト領域4cの全域が容易
に空乏化され、結果として、当該ダイオードのpn接合
間での電界が緩和されるという効果(RESURF効
果)が得られる。
【0027】一方、半導体活性層4のコンタクト下方領
域4bにおいては、ほとんど基板側からの空乏層4eの
伸びによって空乏化が行われる。
【0028】図2に、上記した電圧印加時における、半
導体活性層4の表面から基板2までの電界強度分布をグ
ラフで示す。横軸は半導体活性層4の表面から深さ方向
の距離、縦軸は電界強度を表す。また、このグラフにお
いて、実線はドリフト領域4c(またはコンタクト下方
領域4b)が部分的に空乏化した状態、破線は完全に空
乏化して降伏した状態を示す。カソード電極9と、アノ
ード電極10および基板2との間に印加された電圧は、
図2に示すように、埋込誘電体層3(厚さ:tbox
と、ドリフト領域4c(またはコンタクト下方領域4
b)に形成された空乏層(厚さ:td )で分担される。
そして、埋込誘電体層3の空乏層側端面が臨界電圧Ecr
に達したときに、当該ダイオードがアバランシェ降伏す
る。
【0029】図8に示した従来構造の高耐圧ダイオード
では、均一な厚さを有する半導体活性層103内の表面
にコンタクト不純物領域104が形成され、その接合深
さのぶんだけ空乏化領域が薄くなっていた。したがっ
て、図2内に併せて示すように、コンタクト下方領域に
おける空乏層内の電界がドリフト領域における空乏層内
の電界より強く(電界強度の傾きが急峻に)なってい
た。その結果、従来構造の高耐圧ダイオードでは、ドリ
フト領域が完全空乏化されるまえに、先にコンタクト下
方領域が完全空乏化されてアバランシェ降伏が起きやす
く、これが降伏が起きる印加電圧(降伏電圧)を低下さ
せ、当該ダイオードの高耐圧化を阻害する要因となって
いた。
【0030】ところで、図1に示す高耐圧ダイオード1
において、コンタクト下方領域4bにおける降伏電圧V
B は、以下の式で表される。
【0031】
【数1】
【0032】ここで、Ecrはアバランシェ降伏を起こす
臨界電界、tSOI とεSOI は半導体活性層4の厚さと誘
電率、tbox とεbox は埋込誘電体層3の厚さと誘電
率、Xj はコンタクト不純物領域6の接合深さを示す。
【0033】この式(1)から、コンタクト下方領域4
bにおける降伏電圧VB を高くするには、半導体活性層
4を厚くするか、埋込誘電体層3を厚くすればよいこと
がわかる。このうち埋込誘電体層3を一律に厚くする
と、ドリフト領域4cにおける電界緩和効果(RESU
RF効果)が減少し、高耐圧化に不利となる。そこで、
本発明では、半導体活性層4を局所的に厚くするために
凸部4aを設け、深さXj のコンタクト不純物領域6の
存在による降伏電圧VB の低下を防止している。
【0034】図3は、本発明適用後のコンタクト下方領
域における電界強度分布を従来の場合と比較して示すグ
ラフである。実線で示す本発明の場合は、凸部4aの存
在により、見かけ上、埋込絶縁層が基板深部側におおよ
そ凸部4aの高さだけ移動した効果がある。したがっ
て、破線で示す従来の場合に比べ、空乏層での電界強度
の傾きが緩やかとなっていることが、このグラフから読
み取れる。
【0035】一方、前記した特開平6−188438号
公報に記載の従来構造の高耐圧ダイオードでは、上記式
(1)において、埋込誘電体層の厚さtbox および/ま
たは誘電率εbox を変えることによって、本発明と同様
な効果を得ている。しかし、コンタクト不純物領域に曲
率を有する角部を有し、角部に電界が集中しやすいた
め、そのことが更なる高耐圧化を進めるうえで障害とな
っていた。これに対し、本発明の実施形態では、図1に
示すように、コンタクト不純物領域6を半導体活性層4
の凸部4a内に設けることによって角部が形成されない
ようにしている。
【0036】以上より、本発明の実施形態に係る高耐圧
ダイオード1では、空乏層内の電界緩和と、コンタクト
不純物領域における電界の局部集中防止との2つの対策
を施すことによって、従来構成に比べ、さらに高耐圧化
を図っている。
【0037】つぎに、このような構造の高耐圧ダイオー
ドの製造方法を、凸部の形成を中心に述べる。図4〜図
7は、本発明の実施形態に係る高耐圧ダイオードの製造
途中における要部断面図である。
【0038】図4において、基板2として、たとえばn
型またはp型のシリコンウエハを用意し、その一方面側
に埋込誘電体層3および半導体活性層4を形成する。こ
の形成は、一般的に良く知られている、たとえばSIM
OX(Separation by Implanted Oxygen)法またはウエハ
張り合わせ法を用いて行う。
【0039】SIMOX法では、単結晶シリコンウエハ
に比較的に高いエネルギーで所定濃度の酸素イオンをイ
オン注入し、その後アニールすることによって単結晶シ
リコンウエハ中の表面から深い位置に埋込誘電体層3を
形成する。このイオン注入では、埋込誘電体層3より上
の表面側に酸素イオンが導入されないことにより、その
表面領域が半導体活性層4となる。
【0040】ウエハ張り合わせ法では、用意した2枚の
単結晶シリコンウエハの一方、または双方の一主面に埋
込誘電体層3となる酸化シリコンの層を形成した後、そ
の酸化シリコンの層を挟むように2枚のウエハを張り合
わせて、熱圧着し、その一方のウエハ裏面からウエハの
厚み途中まで研磨を行う。この研磨後に残された一方の
ウエハ部分が半導体活性層4となる。
【0041】図5において、半導体活性層4にn型不純
物を導入した後、半導体活性層4上に、たとえば、酸化
シリコンまたは窒化シリコンからなる保護膜11を成膜
する。保護膜11上に、凸部形成箇所で開口する図示し
ないレジストパターンを形成し、これをマスクとして保
護膜11をエッチングして開口部11aを形成する。こ
の状態でエピタキシャル成長を行うと、開口部11aに
より開口した半導体活性層4部分から単結晶シリコンが
成長し、図5に示すように、凸部4aが選択的に形成さ
れる。
【0042】図6において、少なくとも形成した凸部4
a全域を半導体活性層4と同じ程度の不純物濃度となる
ようにn型不純物を導入した後、さらに、比較的に低い
エネルギーで高濃度にn型不純物をイオン注入する。こ
のイオン注入では、保護膜11がイオン種の阻止膜とし
て機能し、凸部4a内のみ、この高濃度イオン注入がな
される。その後、活性化アニーリングを行うと、凸部4
a内にコンタクト不純物領域6が形成される。
【0043】図7において、保護膜11を除去した後、
図示しないレジストパターンを用いた選択イオン注入お
よび活性化アニーリングによって、p+ 不純物領域7を
形成する。また、たとえば、トレンチ素子分離法によっ
て、p+ 不純物領域7に沿った半導体活性層4部分に素
子分離絶縁層5を形成する。なお、素子分離絶縁層5
は、前記したSOI構造をウエハ張り合わせ法により形
成する場合に、ウエハ張り合わせ前に、一方ウエハに凹
部を形成し当該凹部を絶縁膜で埋め込んでおくことによ
って予め形成可能である。
【0044】その後は、図1に示すように、凸部4aを
含む半導体活性層4上および素子分離絶縁層5上に絶縁
膜8を成膜し、これに開口部8a,8bをリソグラフィ
およびエッチングにより形成する。また、開口部8a,
8b内を含む絶縁膜8上に、所定の導電膜を成膜し、こ
れをパターンニングすることにより、カソード電極9お
よびアノード電極10を形成する。さらに、基板2の裏
面に金属膜などを成膜して、当該高耐圧ダイオード1の
基本構造を完成させる。
【0045】本発明の実施形態では、凸部4aの形成
を、何ら特別な方法を用いずに、既存の方法で行える。
なお、本実施形態における凸部4aの形成は、図示の選
択エピタキシャル成長法に限らず、たとえば、凸部形成
箇所を覆う保護パターンを形成した後、周囲の半導体活
性層4部分をエッチングにより所定深さまで掘り下げる
方法によっても形成可能である。
【0046】以上では、高耐圧半導体素子としてダイオ
ードを例示したが、このダイオードの基本構造を、電界
効果トランジスタ(FET)のドレインまたはバイポー
ラトランジスタのコレクタなど、高耐圧が要求される端
子側のダイオード構造に適用してもよい。たとえば、本
発明をFETに適用した場合、図1に示すp+ 不純物領
域7の濃度を調整してチャネル形成領域とし、その上に
絶縁膜を介してゲート電極を形成する。また、このチャ
ネル形成領域と素子分離絶縁層5との間に、n型不純物
を高濃度に導入したソース不純物領域を形成し、その上
にソース電極を形成する。このFETでは、上記したダ
イオードの高耐圧化の原理によって、ソース・ドレイン
間の耐圧が向上する。また、誘電体分離構造としたこと
により、寄生容量が小さく高速動作が可能で、低電圧、
低消費電力が達成される。さらに、埋込誘電体層3に達
する素子分離絶縁層5の形成は容易で占有面積を小さく
できることから、高集積化に適する。
【0047】
【発明の効果】本発明に係る高耐圧半導体素子およびそ
の製造方法によれば、コンタクト不純物領域下方の半導
体活性層部分での電界緩和に加え、コンタクト不純物領
域の形状に起因した電界集中を防止することができ、そ
の結果、高耐圧半導体素子の耐圧が向上する。本発明に
より、この耐圧向上に加え、誘電体分離構造が採用され
て高速性、低電圧、低消費電力などに優れ、半導体活性
層内での素子間分離が容易で素子分離絶縁層の占有面積
を小さくして高集積化に適した高耐圧半導体素子を提供
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る高耐圧ダイオードの要
部断面図である。
【図2】電圧印加時における、半導体活性層の表面から
基板までの電界強度分布を示すグラフである。
【図3】本発明適用後のコンタクト下方領域における電
界強度分布を従来の場合と比較して示すグラフである。
【図4】本発明の実施形態に係る高耐圧ダイオードの製
造における半導体活性層形成後の断面図である。
【図5】図4に続く、凸部形成後の断面図である。
【図6】図5に続く、コンタクト不純物領域形成後の断
面図である。
【図7】図6に続く、p+ 不純物領域および素子分離絶
縁層の形成後の断面図である。
【図8】従来の高耐圧ダイオードの要部断面図である。
【符号の説明】
1…高耐圧ダイオード(高耐圧半導体素子)、2…基
板、3…埋込誘電体層、4…半導体活性層、4a…凹
部、4b…コンタクト下方領域、4c…ドリフト領域、
4d,4e…空乏層、5…素子分離絶縁層、6…コンタ
クト不純物領域、7…p+ 不純物領域(第2導電型の不
純物領域)、8…絶縁膜、8a,8b…開口部、9…カ
ソード電極、10…アノード電極、11…保護膜、11
a…開口部。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板の一主面側に埋込誘電体層を介して形
    成された第1導電型の半導体活性層に、第2導電型の不
    純物領域と、第1導電型のコンタクト不純物領域とが互
    いに離れて形成され、上記第2導電型の不純物領域およ
    び上記コンタクト不純物領域上に、それぞれ素子電極を
    有する高耐圧半導体素子であって、 上記半導体活性層は、その表面に凸部を有し、 上記凸部の上面から半導体活性層内部に向けて上記コン
    タクト不純物領域が形成され、 上記凸部上に素子電極が形成されている高耐圧半導体素
    子。
  2. 【請求項2】上記コンタクト不純物領域は、その深さが
    上記凸部の高さと同じか小さい請求項1に記載の高耐圧
    半導体素子。
  3. 【請求項3】上記半導体活性層および上記コンタクト不
    純物領域の導電型がn型であり、 上記基板と上記第2導電型の不純物領域を同電位とし、
    コンタクト不純物領域上の素子電極に基板電位より高い
    電位を付与したときに、コンタクト不純物領域下方での
    降伏電圧が、上記第2導電型の不純物領域と半導体活性
    層との間のpn接合の降伏電圧以上となるように、上記
    埋込絶縁膜、半導体活性層、凸部および各不純物領域の
    寸法と距離、ならびに、半導体活性層と各不純物領域の
    不純物濃度が設定されている請求項1に記載の高耐圧半
    導体素子。
  4. 【請求項4】上記半導体活性層および上記コンタクト不
    純物領域の導電型がp型であり、 上記基板と上記第2導電型の不純物領域を同電位とし、
    コンタクト不純物領域上の素子電極に基板電位より低い
    電位を付与したときに、コンタクト不純物領域下方での
    降伏電圧が、上記第2導電型の不純物領域と半導体活性
    層との間のpn接合の降伏電圧以上となるように、上記
    埋込絶縁膜、半導体活性層、凸部および各不純物領域の
    寸法と距離、ならびに、半導体活性層と各不純物領域の
    不純物濃度が設定されている請求項1に記載の高耐圧半
    導体素子。
  5. 【請求項5】上記半導体活性層は上記凸部以外の部分が
    ほぼ均一な厚さを有し、 上記半導体活性層の周囲に、素子分離絶縁層が上記埋込
    誘電体層上に接して形成されている請求項1に記載の高
    耐圧半導体素子。
  6. 【請求項6】上記高耐圧半導体素子は、上記コンタクト
    不純物領域上の素子電極をカソード電極とし、上記第2
    導電型の不純物領域上の素子電極をアノード電極とする
    高耐圧ダイオードである請求項1に記載の高耐圧半導体
    素子。
  7. 【請求項7】上記第2導電型の不純物領域を挟んで上記
    コンタクト不純物領域と反対の側に、第1導電型の他の
    コンタクト不純物領域、および、その上の第3の素子電
    極が形成され、 上記高耐圧半導体素子は、当該他のコンタクト不純物領
    域をソース不純物領域とし、上記第2導電型の不純物領
    域をチャネル形成不純物領域とし、上記コンタクト不純
    物領域をドレイン不純物領域とする高耐圧電界効果トラ
    ンジスタである請求項1に記載の高耐圧半導体素子。
  8. 【請求項8】基板の一主面側に埋込誘電体層を介して第
    1導電型の半導体活性層を形成する工程と、 上記半導体活性層の表面に凸部を形成する工程と、 第1導電型のコンタクト不純物領域を、上記凸部の上面
    から半導体活性層内部に向けて形成する工程と、 上記凸部から離れた半導体活性層部分に、第2導電型の
    不純物領域を形成する工程と、 上記コンタクト不純物領域および上記第2導電型の不純
    物領域上に、素子電極を形成する工程とを含む高耐圧半
    導体素子の製造方法。
  9. 【請求項9】上記凸部の形成工程では、凸部形成箇所に
    マスク層を形成して、周囲の半導体活性層の表面部分を
    エッチングにより除去する請求項8に記載の高耐圧半導
    体素子の製造方法。
  10. 【請求項10】上記凸部の形成工程では、凸部形成箇所
    で開口するマスク層を半導体活性層上に形成し、上記マ
    スク層の開口部から半導体活性層の一部を結晶成長させ
    る請求項8に記載の高耐圧半導体素子の製造方法。
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