JP2000223718A - 小型電子部品及びその製造方法 - Google Patents

小型電子部品及びその製造方法

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JP2000223718A
JP2000223718A JP11022439A JP2243999A JP2000223718A JP 2000223718 A JP2000223718 A JP 2000223718A JP 11022439 A JP11022439 A JP 11022439A JP 2243999 A JP2243999 A JP 2243999A JP 2000223718 A JP2000223718 A JP 2000223718A
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sealing valve
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Kenichi Atsuji
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Murata Manufacturing Co Ltd
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01PMEASURING LINEAR OR ANGULAR SPEED, ACCELERATION, DECELERATION, OR SHOCK; INDICATING PRESENCE, ABSENCE, OR DIRECTION, OF MOVEMENT
    • G01P15/00Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration
    • G01P15/02Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses
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    • G01P2015/0805Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration
    • G01P2015/0822Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration for defining out-of-plane movement of the mass
    • G01P2015/0825Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration for defining out-of-plane movement of the mass for one single degree of freedom of movement of the mass
    • G01P2015/0828Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration for defining out-of-plane movement of the mass for one single degree of freedom of movement of the mass the mass being of the paddle type being suspended at one of its longitudinal ends

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャビティ内の真空度を高め、検出感度等を
向上させる。 【解決手段】 支持基板21の表面側には機能部と封止
弁23とを形成すると共に、封止弁23の封止基板側面
23Cには感熱変形膜24を形成する。そして、第1の
所定温度の下に支持基板21と封止基板25との間に封
止電圧を印加し、支持基板21に封止基板25を陽極接
合する。このとき、感熱変形膜24と封止弁23との熱
膨張率の差によって封止弁23の腕部23Bは支持基板
21側に変位する。次に、第1の所定温度よりも低い第
2の所定温度の下に支持基板21と封止基板25との間
に封止電圧を印加する。これにより、封止弁23の接合
部23C1 は封止基板25に接合し、封止弁23は封止
基板25の貫通孔25Bを封止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機能部を減圧下に
保持しなければならない、角速度センサ、加速度セン
サ、メカニカルフィルタ等の小型電子部品およびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】角速度センサ等の小型電子部品は、角速
度の検出感度を高めるために、角速度等によって変位す
る機能部を減圧密閉されたキャビティ内に収容する必要
がある。このように、キャビティ内を減圧密閉する方法
として、支持基板に機能部と封止弁とを形成すると共
に、該支持基板に貫通孔を有する封止基板を陽極接合
し、その後封止弁によって貫通孔を封止したものが開示
されている(例えば特開平10−153429号公報
等)。
【0003】以下、図9ないし図13に基づき、このよ
うな従来技術による小型電子部品として角速度センサを
例に挙げて説明する。
【0004】図において、1は単結晶シリコンからなる
支持基板で、この支持基板1の表面には機能部2と後述
する封止弁11が形成されている。ここで、機能部2
は、例えばコリオリ力を検知して角速度を検出するもの
で、該機能部2は、後述する可動部3、振動発生部9、
検出電極部10によって構成され、半導体微細加工技術
を用いて支持基板1上に加工されるものである。
【0005】ここで、前記機能部2について具体的に説
明する。3は支持基板1上にP,B,Sb等がドーピン
グされた低抵抗のポリシリコンによって形成された可動
部で、該可動部3は、図11に示すようにY軸方向に対
向して設けられた一対の支持部4,4と、該各支持部4
の両端から中央部に向けてY軸方向に伸長する4本の支
持梁5と、該各支持梁5によって支持された振動板6と
によって構成されている。そして、振動板6のX軸方向
の両側面には例えば5枚の電極板7Aからなる可動側く
し状電極7,7が突出形成されている。また、各支持部
4のみが支持基板1に固着され、各支持梁5と振動板6
は支持基板1から浮いた状態で保持され、振動板6は支
持基板1と平行となるように矢示A1 ,A2 方向の横振
動を起すようになっている。
【0006】8,8は支持基板1上に振動板6を挟むよ
うに設けられた一対の固定側くし状電極で、該各固定側
くし状電極8は、前記可動側くし状電極7,7と対向す
る面に例えば5枚の電極板8Aが突出形成されている。
【0007】9,9は振動発生部で、該各振動発生部9
は、可動側くし状電極7と固定側くし状電極8とから構
成され、該電極7,8の電極板7A,8Aとの間には隙
間が形成されている。ここで、可動側くし状電極7と各
固定側くし状電極8との間に周波数fの振動駆動信号を
印加すると、各電極板7A,8A間には静電力が発生
し、この静電力によって振動板6が矢示A1 ,A2 方向
に同じ大きさで交互に支持基板1と水平方向の振動を行
うようになっている。
【0008】10は検出電極部で、該検出電極部10
は、支持基板1上に支持基板1と異なる特性になるよう
なドーパント(例えば、支持基板1がP形ならばN形に
なるようなドーパント)を高濃度にドーピングすること
によって形成されている。そして、振動板6と支持基板
1との離間寸法の変位は、検出電極部10と振動板6と
の静電容量の変化として検出される。このため、検出電
極部10は、この静電容量の変化に応じた例えば電圧信
号等を出力するものである。
【0009】11は機能部2の近傍に位置して支持基板
1の表面側に設けられた封止弁で、該封止弁11は、図
12に示すように支持基板1に固定された固定部11A
と、基端側が該固定部11Aに固着され先端側が自由端
となった腕部11Bとによって片持梁構造をなしてい
る。そして、前記封止弁11は、半導体微細加工技術に
よって機能部2と同様に支持基板1上に加工されるもの
で、封止弁11の腕部11B先端側は後述する封止基板
12に接合され、該封止基板12に設けられた貫通孔1
2Bを封止している。
【0010】12は支持基板1の表面側に固着された封
止基板で、該封止基板12は、パイレックスガラス等に
よって略長方形の板状に形成され、その裏面側には略長
方形状の凹陥部12Aが形成されている。そして、封止
基板12は、その外縁側が支持基板1の表面側に陽極接
合され、封止基板12と支持基板1との間には、凹陥部
12Aによって機能部2と封止弁11とを収容するキャ
ビティ13が形成されている。
【0011】また、封止基板12にはキャビティ13と
外部とを連通する貫通孔12Bが穿設されている。そし
て、貫通孔12Bは、支持基板1の封止弁11と対応す
る位置に設けられ、封止弁11によって封止されてい
る。
【0012】従来技術による角速度センサを上述のよう
な構成を有するもので、次にこの角速度センサの製造方
法について述べる。
【0013】まず、支持基板1に予め半導体微細加工技
術を用いて機能部2、封止弁11を形成する。即ち、支
持基板1に例えばフォトリソグラフィ、CVD(化学気
相成長)、エッチング処理等を施すことによりシリコン
基板からなる支持基板1に機能部2、封止弁11を加工
する。
【0014】次に、図13に示すように、支持基板1の
表面側に封止基板12を載置し、支持基板1と封止基板
12との間にキャビティ13を形成すると共に、このキ
ャビティ13内に機能部2と封止弁11を収容する。
【0015】次に、支持基板1に封止基板12を陽極接
合する。このとき、支持基板1と封止基板12とを例え
ば400℃まで加熱すると共に、支持基板1と封止基板
12との間に例えば500Vの電圧を印加する。これに
より、封止基板12の外縁側が支持基板1の表面側に接
合する。
【0016】また、支持基板1と封止基板12とを陽極
接合するときに、接合界面から酸素ガスがキャビティ1
3内に流入する。さらに、シリコン材料からなる支持基
板1には種々のガスが化学吸着される傾向があるから、
これらのガスが陽極接合に伴ってキャビティ13内に流
入する。
【0017】このとき、キャビティ13は貫通孔12B
を通じて外部に連通しているから、キャビティ13内に
流入したガスは、貫通孔12Bから外部の真空槽に排出
される。
【0018】さらに、封止基板12の貫通孔12Bを封
止弁11によって封止する。ここで、支持基板1と封止
基板12との間に印加されている500Vの電圧を、例
えば1000Vに昇圧する。これにより、封止弁11に
は静電引力が作用するから、図12に示すように封止弁
11の先端部は貫通孔12B側に接近して当接する。こ
のため、封止弁11によって貫通孔12Bを塞いだ状態
で、封止弁11の先端側は封止基板12に陽極接合され
る。この結果、貫通孔12Bは、キャビティ13の内側
から封止弁11によって封止され、キャビティ13内は
ほぼ真空状態に密封することができる。
【0019】従来技術による角速度センサを上述のよう
な製造方法によって製造されるものであり、次にこの角
速度センサの作動について図11を参照しつつ述べる。
【0020】まず、2つある各振動発生部9に互いに逆
位相の振動駆動信号を印加すると、振動板6は矢示A1
,A2 方向に同じ大きさで交互に支持基板1に対して
水平方向の振動を行う。この状態でY軸周りに角速度Ω
が加わると、互いに逆向きの高さ方向にF1 ,F2 とい
うコリオリ力(慣性力)が交互に発生する。
【0021】ここで、各振動発生部9による振動板6の
水平方向の変位xと速度Vは、次の数1のようになる。
【0022】
【数1】x=Acos((2πf)t) V=A(2πf)cos((2πf)t) ただし、A:振幅 f:振動駆動信号の周波数
【0023】さらに、コリオリ力F1 ,F2 は数2のよ
うになる。
【0024】
【数2】 F1 =F2 =2mΩV =2mΩ×A(2πf)cos((2πf)t) ただし、m:振動板6の質量
【0025】そして、図11に示すように、振動板6は
数2に示す力で上下に振動し、この振動板6による振動
変位を検出電極部10と振動板6との間の静電容量の変
化として検出し、角速度Ωを検出する。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による小型電子部品では、支持基板1と封止基板
12との間の電圧を500Vから1000Vに昇圧する
ことによって、封止弁11を封止基板12側に引き付
け、封止弁11の先端側を封止基板12に陽極接合して
いる。このため、支持基板1と封止基板12との間の電
圧を昇圧したときに、支持基板1と封止基板12との接
合面に電流が流れるから、この接合面から新たな酸素ガ
ス等が発生し、このガスはキャビティ13内に流入する
ことになる。
【0027】しかし、このような従来技術による製造方
法では、キャビティ13内にガスが流入した状態で、封
止弁11は貫通孔12Bを封止するから、キャビティ1
3の真空度が低下する傾向がある。この結果、従来技術
による小型電子部品では、キャビティ13内に封入され
たガスが抵抗として作用するから、振動板6の変位量が
小さくなり、角速度等の検出感度が低下するという問題
がある。
【0028】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたものであり、本発明は、キャビティ内の真空度を
高め、検出感度等を向上することのできる小型電子部品
およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために発明は、機能部を有する支持基板と、貫通孔を有
し該支持基板に接合された封止基板と、該封止基板と支
持基板との間に形成され前記機能部を収容するキャビテ
ィと、該キャビティ内に位置して前記支持基板に設けら
れ封止電圧を印加することによって前記貫通孔を封止す
る封止弁とからなる小型電子部品に適用される。
【0030】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記封止弁には、予め決められた第1の所定温
度で加熱したときに封止弁を支持基板側に変形し、前記
第1の所定温度よりも低い第2の所定温度で加熱したと
きに封止弁を貫通孔側に変形する感熱変形膜を設けたこ
とにある。
【0031】このように構成したことにより、封止弁等
を第1の所定温度で加熱したときに感熱変形膜は封止弁
を支持基板側に変形し、封止弁を貫通孔から離す。この
ため、この状態で支持基板と封止基板との間に封止電圧
を印加したときには、貫通孔によってキャビティと外部
とを連通しつつ、支持基板に封止基板を陽極接合するこ
とができる。
【0032】一方、封止弁等を第2の所定温度で加熱し
たときには感熱変形膜は封止弁を貫通孔側に変形する。
このため、この状態で支持基板と封止基板との間に封止
電圧を印加することによって、支持基板と封止基板とを
陽極接合したときの電圧以上の電圧を印加することな
く、封止弁を封止基板側に引き付けて当接させることが
でき、封止弁を封止基板に陽極接合することができる。
【0033】また、請求項2の発明は、封止弁を前記支
持基板に固定された固定部と基端側が該固定部に固着さ
れ先端側が自由端となった腕部とにより形成し、前記感
熱変形膜を前記封止弁の腕部に設けたことにある。
【0034】これにより、封止弁、感熱変形膜等を第1
の所定温度で加熱したときには、感熱変形膜は封止弁の
腕部を支持基板側に変形し、封止弁の腕部を貫通孔から
離すことができる。一方、封止弁等を第2の所定温度で
加熱したときには、感熱変形膜は封止弁の腕部を貫通孔
側に変形し、封止弁の腕部を貫通孔に接近させることが
できる。
【0035】また、請求項3の発明は、感熱変形膜を、
前記封止弁の有している熱膨張率よりも大きい熱膨張率
からなる材料によって形成すると共に、感熱変形膜を前
記腕部のうち封止基板と対面する封止基板側面に設けた
ことにある。
【0036】これにより、封止弁、感熱変形膜等を第1
の所定温度で加熱したときには、封止基板側面に設けら
れた感熱変形膜が封止弁の腕部よりも熱膨張するから、
封止弁の腕部は支持基板側に変位する。一方、封止弁等
を第2の所定温度で加熱したときには、感熱変形膜が熱
膨張する量が第1の所定温度で加熱したときよりも減少
するから、封止弁の腕部は第1の所定温度で変位した位
置から貫通孔側に変位する。
【0037】また、請求項4の発明は、感熱変形膜を、
前記腕部の封止基板側面のうち前記貫通孔と当接する部
位を除いた位置に設けたことにある。
【0038】これにより、封止弁の腕部が貫通孔に接近
して当接したときには、封止弁と封止基板とが接触す
る。このため、支持基板と封止基板との間に封止電圧を
印加することによって、封止弁を封止基板に接合するこ
とができる。
【0039】また、請求項5の発明は、感熱変形膜を、
前記封止弁の有している熱膨張率よりも小さい熱膨張率
からなる材料によって形成すると共に、前記感熱変形膜
を前記腕部のうち支持基板と対面する支持基板側面に設
けたことにある。
【0040】これにより、封止弁、感熱変形膜等を第1
の所定温度で加熱したときには、支持基板側面に設けら
れた感熱変形膜よりも封止弁の腕部が熱膨張するから、
封止弁の腕部は支持基板側に変位する。一方、封止弁等
を第2の所定温度で加熱したときには、封止弁の腕部が
熱膨張する量が第1の所定温度で加熱したときよりも減
少するから、封止弁の腕部は第1の所定温度で変位した
位置から貫通孔側に変位する。
【0041】また、請求項6の発明は、機能部を有する
支持基板と、貫通孔を有し該支持基板に接合された封止
基板と、該封止基板と支持基板との間に形成され前記機
能部を収容するキャビティと、該キャビティ内に位置し
て前記支持基板に設けられ前記貫通孔を封止する封止弁
とからなる小型電子部品の製造方法であって、前記支持
基板の表面側に機能部と封止弁を載置し、前記封止基板
によって前記機能部と封止弁を覆う封止基板載置工程
と、予め決められた第1の所定温度の下に前記支持基板
と封止基板との間に予め決められた封止電圧を印加し、
前記封止弁を封止基板側に変形させた状態で前記支持基
板に封止基板を陽極接合する封止基板接合工程と、前記
第1の所定温度よりも低い第2の所定温度の下に前記支
持基板と封止基板との間に前記封止電圧を印加し、前記
封止弁を貫通孔側に変形させることにより貫通孔を封止
した状態で前記封止弁を封止基板に接合する封止弁接合
工程とから構成したことにある。
【0042】このように構成したことにより、まず、封
止基板載置工程によって機能部と封止弁を覆った状態で
支持基板の表面側に封止基板を載置する。次に、封止基
板接合工程によって封止基板を支持基板に陽極接合す
る。このとき、封止弁は感熱変形膜によって貫通孔から
離れた位置に変位しているから、支持基板に封止基板と
の接合面から発生したガスは封止基板に設けられた貫通
孔を通じてキャビティ内から外部に排出することができ
る。次に、封止弁接合工程によって封止弁を封止基板に
陽極接合する。これにより、封止弁は貫通孔に引き付け
られて封止基板に当接するから、封止弁によって貫通孔
を封止しキャビティを密閉することができる。
【0043】また、支持基板と封止基板との間に印加さ
れる封止電圧は、封止基板接合工程と封止弁接合工程と
で変化することがなく、ほぼ一定の値となる。このた
め、封止基板接合工程によって陽極接合された支持基板
と封止基板との接合面から新たなガスが発生することは
なく、キャビティ内の真空度を高めることができる。
【0044】また、請求項7の発明は、機能部を有する
支持基板と、貫通孔を有し該支持基板に接合された封止
基板と、該封止基板と支持基板との間に形成され前記機
能部を収容するキャビティと、該キャビティ内に位置し
て前記支持基板に設けられ前記貫通孔を封止する封止弁
とからなる小型電子部品の製造方法であって、前記支持
基板の表面側に機能部と封止弁を載置し、前記封止基板
によって前記機能部と封止弁を覆う封止基板載置工程
と、予め決められた第1の所定温度の下に前記支持基板
と封止基板との間に予め決められた封止電圧を印加し、
前記封止弁を封止基板側に変形させた状態で前記支持基
板に封止基板を陽極接合する封止基板接合工程と、前記
第1の所定温度よりも低い第2の所定温度の下に前記支
持基板と封止基板との間に前記封止電圧を印加し、前記
封止弁を貫通孔側に変形させることにより貫通孔を封止
した状態で前記封止弁を封止基板に接合する第1の封止
弁接合工程と、前記第1の所定温度よりも低く第2の所
定温度よりも高い第3の所定温度の下に前記支持基板と
封止基板との間に前記封止電圧を印加し、前記封止弁を
封止基板に最終的に陽極接合する第2の封止弁接合工程
とから構成したことにある。
【0045】このように構成したことにより、封止基板
接合工程によって封止基板を支持基板に陽極接合する。
このとき、支持基板に封止基板との接合面から発生した
ガスは封止基板に設けられた貫通孔を通じてキャビティ
内から外部に排出することができる。次に、第1の封止
弁接合工程によって封止弁を封止基板に陽極接合する。
これにより、封止弁によって貫通孔を封止しキャビティ
を密閉することができる。また、第2の封止弁接合工程
によって第3の所定温度の下で封止弁を封止基板に最終
的に陽極接合するから、封止弁と封止基板との接合強度
を高めることができる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本実施の形態による小型電
子部品として角速度センサを例に挙げ図1ないし図8を
参照しつつ詳細に説明する。なお、本実施の形態では、
前述した従来技術と同一の構成要素に同一の符号を付
し、その説明を省略するものとする。
【0047】図において、21は本実施の形態による支
持基板で、該支持基板21は、従来技術による支持基板
1と同様に例えば単結晶シリコンによって形成されてい
る。そして、支持基板21の表面側中央には、従来技術
による機能部2とほぼ同様にコリオリ力を検知して角速
度を検出する機能部22が設けられている。
【0048】23は機能部22の近傍に位置して支持基
板21の表面側に設けられた封止弁で、該封止弁23
は、支持基板21にエッチング処理等を施すことによっ
て形成され、支持基板21と同様に単結晶シリコンによ
って形成されている。また、封止弁23は、支持基板1
に固定された固定部23Aと、基端側が該固定部23A
に固着され先端側が細長い板状に延びた自由端となった
腕部23Bとによって片持梁構造をなしている。そし
て、腕部23Bは図3に示すように例えば後述する封止
基板25の貫通孔25Bよりも2倍から3倍程度の幅寸
法を有し、その先端側が封止基板25に接合されること
によって、該封止基板25に設けられた貫通孔25Bを
封止している。
【0049】また、封止弁23の腕部23Bのうち、封
止基板25と対面する封止基板側面23Cには、後述す
る感熱変形膜24が成膜されている。これに対し、支持
基板21と対面する支持基板側面23Dは支持基板21
と同様のシリコン材料が露出した状態となっている。そ
して、腕部23Bの封止基板側面23Cのうち先端側部
位は、貫通孔25Bの当接して封止基板25に陽極接合
された接合部23C1となっている。
【0050】24は封止弁23の腕部23Bに設けられ
た感熱変形膜で、該感熱変形膜24は、スパッタリン
グ、真空蒸着等の手段を用いて封止弁23の腕部23B
のうち封止基板25と対面する封止基板側面23Cに設
けられている。そして、感熱変形膜24は、単結晶シリ
コンからなる封止弁23の有する熱膨張率よりも大きな
熱膨張率からなる材料として例えばアルミニウム等の金
属膜によって形成されている。
【0051】また、感熱変形膜24は、腕部23Bのう
ち貫通孔25Bの当接した接合部23C1 を除いた位置
に設けられている。このため、封止基板25に接合され
る封止弁23の接合部23C1 は、単結晶シリコンが露
出した状態となっている。
【0052】25は支持基板21の表面側に固着された
封止基板で、該封止基板25は、従来技術による封止基
板12とほぼ同様にパイレックスガラス等によって略長
方形の板状に形成され、その裏面側には略長方形状の凹
陥部25Aが形成されている。
【0053】また、封止基板25には封止弁23と対応
した位置に貫通孔25Bが穿設されている。そして、貫
通孔25Bの開口側には封止弁23に向けて突出した略
円筒状の突起部25Cが設けられ、この突起部25Cが
封止弁23に接合することによって、貫通孔25Bは封
止されている。
【0054】また、封止基板25は、その外縁側が支持
基板21の表面側に陽極接合され、封止基板25と支持
基板21との間には、凹陥部25Aによって機能部22
と封止弁23とを収容するキャビティ26が形成されて
いる。
【0055】本実施の形態による角速度センサを上述の
ような構成を有するもので、次にこの角速度センサの製
造方法について図4ないし図7を参照しつつ述べる。
【0056】まず、支持基板21上に予め半導体微細加
工技術であるフォトリソグラフィ、CVD(化学気相成
長)、エッチング処理等を施すことにより、機能部2
2、封止弁23を形成する。そして、このようにして形
成された封止弁23の封止基板側面23Cにスパッタリ
ング、真空蒸着等の手段によりアルミニウム等の感熱変
形膜24を成膜する。
【0057】次に、図4に示す封止基板載置工程では、
図7中の特性線27Aに示すように常温中で支持基板2
1の表面側に封止基板25を載置し、該封止基板25に
よって機能部22と封止弁23を覆う。これにより、支
持基板21と封止基板25との間にキャビティ26が形
成され、機能部22と封止弁23は、該キャビティ26
内に収容されることになる。
【0058】次に、図5に示す封止基板接合工程では、
支持基板21の表面側に封止基板25を載置し、支持基
板21と封止基板25とを陽極接合する。このとき、支
持基板21と封止基板25とを加熱することにより、支
持基板21と封止基板25との温度を、図7中の特性線
27Bに示す如く予め決められた第1の所定温度T1と
して400℃に保持する。また、支持基板21と封止基
板25との間には予め決められた封止電圧Eとして例え
ば1000Vの電圧を印加する。これにより、支持基板
21と封止基板25との間に電流が流れるから、封止基
板25の外縁側が支持基板21の表面側に陽極接合され
る。
【0059】このとき、封止弁23、感熱変形膜24等
も400℃程度に加熱され、感熱変形膜24は封止弁2
3よりも熱膨張率が大きいから、感熱変形膜24は封止
弁23の腕部23Bよりも熱膨張する。このため、封止
弁23の腕部23Bは、支持基板21側に変形し、その
先端側に位置する接合部23C1 は貫通孔25Bから離
れる。この結果、封止弁23と封止基板25との間に静
電引力が作用しても、封止弁23の接合部23C1 が封
止基板25に接触することはなく、貫通孔25Bはキャ
ビティ26と外部とを連通した状態に保持される。
【0060】そして、支持基板21と封止基板25とを
陽極接合するときに、接合面から発生した酸素ガス等は
キャビティ26内に流入する。しかし、キャビティ26
は貫通孔25Bによって外部に連通しているから、キャ
ビティ26内に流入したガスは、貫通孔25Bを通じて
外部の真空槽に排出される。
【0061】次に、図6に示す第1の封止弁接合工程で
は、支持基板21と封止基板25との温度を、図7中の
特性線27Cに示す如く第1の所定温度T1 よりも低い
第2の所定温度T2 として例えば200℃に保持する。
このとき、支持基板21と封止基板25との間に印加さ
れている電圧は封止電圧Eである1000Vに保持して
おく。
【0062】これにより、封止弁23、感熱変形膜24
等も200℃程度で加熱されるから、第1の所定温度T
1 (400℃)で加熱したときと比較して感熱変形膜2
4は封止弁23の腕部23Bよりも収縮する。このた
め、封止弁23の腕部23Bは、封止基板25側に変位
し、その先端側に位置する接合部23C1 は貫通孔25
Bに接近する。この結果、感熱変形膜24による力に抗
して封止弁23と封止基板25との間に静電引力が作用
し、封止弁23の接合部23C1 は貫通孔25Bに当接
して封止基板25に接触する。
【0063】そして、封止弁23の接合部23C1 と封
止基板25とが接触すると、封止弁23と封止基板25
との間に電流が流れるから、封止弁23の接合部23C
1 は封止基板25に陽極接合される。この結果、封止弁
23は、貫通孔25Bをキャビティ26の内側から封止
する。
【0064】ここで、支持基板21と封止基板25との
間に印加する電圧は、封止基板25の外縁側を接合した
ときの電圧である1000V以上に上昇することはな
い。また、支持基板21と封止基板25との温度も封止
基板25の外縁側を接合したときの電圧である400℃
以上に上昇することはない。このため、既に接合された
封止基板25の外縁側の接合面から新たにガスが発生す
ることはなく、キャビティ26内はほぼ真空状態に密封
することができる。
【0065】さらに、第1の封止弁接合工程において、
封止弁23と封止基板25との接合強度が十分な場合に
は、第1の封止弁接合工程で終了する。しかし、第1の
封止弁接合工程のみでは、接合強度が不足する場合に
は、さらに第2の封止弁接合工程を行うことが好まし
い。
【0066】この場合、第2の封止弁接合工程では、第
1の封止弁接合工程のときよりも支持基板21と封止基
板25とを加熱し、支持基板21と封止基板25との温
度を、図7中の特性線27Dに示す如く第1の所定温度
T1 よりも低く第2の所定温度T2 よりも高い第3の所
定温度T3 として例えば300℃に保持する。このと
き、支持基板21と封止基板25との間に印加されてい
る電圧は封止電圧Eである1000Vに保持しておく。
【0067】これにより、封止弁23と封止基板25と
の間に流れる電流が増加するから、封止弁23を封止基
板25に最終的に陽極接合することができ、封止弁23
と封止基板25との接合強度を高めることができる。
【0068】かくして、本実施の形態による角速度セン
サを上述のような構成を有するものであり、その作動に
ついては従来技術によるものと格別差異はない。しか
し、本実施の形態では、封止弁23には、第1の所定温
度T1 で加熱したときに封止弁23を支持基板21側に
変形し、第1の所定温度T1 よりも低い第2の所定温度
T2 で加熱したときに封止弁23を貫通孔25B側に付
勢する感熱変形膜24を設けている。このため、封止弁
23等を第1の所定温度T1 で加熱することにより、封
止弁23を貫通孔25Bから離間させた状態で支持基板
21に封止基板25を陽極接合することができる。一
方、封止弁23等を第2の所定温度T2 で加熱すること
により、封止弁23を貫通孔25Bに接触させた状態で
封止弁23を封止基板25に陽極接合することができ
る。
【0069】このとき、支持基板21と封止基板25と
を陽極接合したときの封止電圧E以上に支持基板21と
封止基板25との間の電圧を昇圧する必要がなくなる。
このため、封止弁23を封止基板25に接合するときに
は、支持基板21と封止基板25との接合面から新たな
ガスが発生することがないから、キャビティ26内の真
空度を高めることができ、角速度センサの検出感度等を
向上させることができる。
【0070】また、感熱変形膜24を封止弁23の腕部
23Bに設けたから、封止弁23、感熱変形膜24等を
第1の所定温度T1 で加熱したときには、感熱変形膜2
4は固定部23Aを中心にして腕部23Bを支持基板2
1側に向けて揺動し、腕部23Bの先端側を貫通孔25
Bから離すことができる。一方、封止弁23等を第2の
所定温度T2 で加熱したときには、感熱変形膜24は固
定部23Aを中心にして腕部23Bを封止基板25側に
向けて揺動し、腕部23Bの先端側を貫通孔25Bに接
近させることができる。
【0071】また、感熱変形膜24を封止弁23よりも
熱膨張率が大きい材料によって形成すると共に、腕部2
3Bの封止基板側面23Cに設けたから、封止弁23、
感熱変形膜24等を第1の所定温度T1 で加熱したとき
には、封止基板側面23Cに設けた感熱変形膜24が封
止弁23の腕部23Bよりも熱膨張し、封止弁23の腕
部23Bを支持基板21側に変位させることができる。
一方、封止弁23等を第1の所定温度T1 よりも低い第
2の所定温度T2 で加熱したときには、第1の所定温度
T1 で加熱したときに比べて封止基板側面23Cの感熱
変形膜24が封止弁23の腕部23Bよりも収縮するか
ら、封止弁23の腕部23Bを貫通孔25B側に変位さ
せることができる。
【0072】また、感熱変形膜24を腕部23Bの封止
基板側面23Cのうち接合部23C1 を除いて成膜した
から、シリコン材料からなる封止弁23の接合部23C
1 を露出させることができる。このため、接合部23C
1 を貫通孔25Bに当接して封止基板25に接触させる
ことにより、接合部23C1 をガラス材料からなる封止
基板25に確実に陽極接合することができる。
【0073】さらに、封止基板接合工程によって支持基
板21に封止基板25を陽極接合し、封止弁接合工程に
よって封止弁23を封止基板21に陽極接合する共に、
封止基板接合工程、封止弁接合工程のいずれの工程でも
支持基板21と封止基板25との間に印加する封止電圧
Eはほぼ等しい値に設定したから、封止基板接合工程に
よって陽極接合された支持基板21と封止基板25との
接合面から新たなガスが発生することはなく、キャビテ
ィ26内の真空度を高めることができる。
【0074】なお、前記実施の形態では、感熱変形膜2
4を封止弁23の封止基板側面23Cに設けるものとし
たが、本発明はこれに限るものではなく、例えば図8に
示す変形例のように感熱変形膜31を封止弁23の支持
基板側面23Dに設ける構成としてもよい。このとき、
感熱変形膜31は封止弁23よりも熱膨張率の小さい材
料として例えば酸化シリコン等によって形成されるもの
である。
【0075】これにより、封止弁23、感熱変形膜31
等を第1の所定温度T1 で加熱したときには、支持基板
側面23Cに設けられた感熱変形膜31に比べて封止弁
23の腕部23Bが熱膨張するから、封止弁23の腕部
23Bは支持基板21側に変位する。一方、封止弁23
等を第1の所定温度よりも低い第2の所定温度T2 で加
熱したときには、第1の所定温度T1 で加熱したときに
比べて支持基板側面23Dの感熱変形膜31よりも封止
弁23の腕部23Bが収縮するから、封止弁23の腕部
23Bは貫通孔25B′側に変位する。また、封止弁2
3は腕部23Bの全体に亘って封止基板側面23Cがシ
リコン材料が露出した状態となっているから、実施の形
態による封止基板25のように封止弁23と封止基板2
5に接合させるための突起部25Cを設ける必要がなく
なる。
【0076】また、封止弁23の封止基板側面23Cに
封止弁23よりも熱膨張率の大きな材料からなる感熱変
形膜24を設けるのに加えて、封止弁23の支持基板側
面23Dに封止弁23よりも熱膨張率の小さい材料から
なる感熱変形膜31を設ける構成としてもよい。
【0077】また、本実施の形態では、封止弁23を固
定部23Aと腕部23Bとによって片持梁構造にするも
のとしたが、例えば腕部の両端側にそれぞれ固定部を設
けた両持梁構造としてもよい。
【0078】さらに、本実施の形態では、小型電子部品
として角速度センサを例に挙げて説明したが、本発明は
これに限るものではなく、加速度センサ、メカニカルフ
ィルタ等の他の小型電子部品に適用してもよい。
【0079】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1に記載の発
明によれば、封止弁には、第1の所定温度で加熱したと
きに封止弁を貫通孔側に変形し、第1の所定温度よりも
低い第2の所定温度で加熱したときに封止弁を支持基板
側に変形する感熱変形膜を設けたから、封止弁等を第1
の所定温度で加熱することにより、封止弁を貫通孔から
離した状態で支持基板に封止基板を陽極接合することが
できる。また、封止弁等を第2の所定温度で加熱するこ
とにより、該封止弁は貫通孔側に変位し、該封止弁を貫
通孔に接触させた状態で封止弁を封止基板に陽極接合す
ることができる。
【0080】このため、支持基板と封止基板とを陽極接
合したときの封止電圧以上に支持基板と封止基板との間
の電圧を昇圧する必要がないから、封止弁を封止基板に
接合するときに、支持基板と封止基板との接合面から新
たなガスが発生することがなく、キャビティ内の真空度
を高めることができる。
【0081】また、請求項2の発明によれば、感熱変形
膜を封止弁の腕部に設けたから、封止弁、感熱変形膜等
を第1の所定温度で加熱したときには、感熱変形膜は固
定部を中心にして腕部の先端側を貫通孔から離すことが
できる。一方、封止弁等を第2の所定温度で加熱したと
きには、感熱変形膜は固定部を中心にして腕部の先端側
を貫通孔に接近させることができる。
【0082】また、請求項3の発明によれば、感熱変形
膜を封止弁の熱膨張率よりも大きい熱膨張率からなる材
料によって形成すると共に、腕部の封止基板側面に設け
たから、封止弁、感熱変形膜等を第1の所定温度で加熱
したときには、封止基板側面に設けた感熱変形膜が封止
弁の腕部よりも熱膨張し、封止弁の腕部を支持基板側に
変位させることができる。一方、封止弁等を第2の所定
温度で加熱したときには、第1の所定温度で加熱したと
きに比べて封止基板側面の感熱変形膜が封止弁の腕部よ
りも収縮するから、封止弁の腕部を貫通孔側に変位させ
ることができる。
【0083】また、請求項4の発明によれば、感熱変形
膜を腕部の封止基板側面のうち貫通孔と当接する位置を
除いて設けたから、封止弁と貫通孔とを当接させるるこ
とができる。このため、封止弁を支持基板とほぼ同様な
材料によって形成することによって、貫通孔に当接した
状態で封止弁を封止基板に接合することができる。
【0084】また、請求項5の発明によれば、感熱変形
膜を封止弁の熱膨張率よりも小さい熱膨張率からなる材
料によって形成すると共に、腕部の封止基板側面に設け
たから、封止弁、感熱変形膜等を第1の所定温度で加熱
したときには、支持基板側面に設けた感熱変形膜に比べ
て封止弁の腕部が熱膨張するから、封止弁の腕部は支持
基板側に変位する。一方、封止弁等を第2の所定温度で
加熱したときには、第1の所定温度で加熱したときに比
較して支持基板側面の感熱変形膜よりも封止弁の腕部が
収縮するから、封止弁の腕部は貫通孔側に変位する。
【0085】また、請求項6の発明によれば、支持基板
の表面側に封止基板を載置する封止基板載置工程と、第
1の所定温度の下に支持基板と封止基板との間に予め決
められた封止電圧を印加し、支持基板に封止基板を陽極
接合する封止基板接合工程と、第1の所定温度よりも低
い第2の所定温度の下に支持基板と封止基板との間に封
止電圧を印加し、前記キャビティ内から貫通孔を封止し
た状態で封止弁を封止基板に接合する封止弁接合工程と
から構成したから、封止基板接合工程において支持基板
に封止基板との接合面から発生したガスは封止基板に設
けられた貫通孔を通じてキャビティ内から外部に排出す
ることができる。そして、封止弁接合工程によって封止
弁を封止基板に陽極接合することにより、封止弁によっ
て貫通孔を封止しキャビティを密閉することができる。
【0086】また、支持基板と封止基板との間に印加さ
れる封止電圧は、封止基板接合工程と封止弁接合工程と
でほぼ一定の値となるから、封止基板接合工程によって
陽極接合された支持基板と封止基板との接合面から新た
なガスが発生することはなく、キャビティ内の真空度を
高めることができる。
【0087】また、請求項7の発明によれば、封止基板
接合工程によって支持基板に封止基板を陽極接合し、第
1の封止弁接合工程によって封止弁を封止基板に陽極接
合した後、第2の封止弁接合工程とによって第1の所定
温度よりも低く第2の所定温度よりも高い第3の所定温
度の下に支持基板と封止基板との間に封止電圧を印加
し、封止弁を封止基板にさらに陽極接合を施すから、封
止弁と封止基板との接合強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態による角速度センサを示す斜視図で
ある。
【図2】実施の形態による角速度センサを図1中の矢示
II−II方向からみた断面図である。
【図3】実施の形態による封止弁の腕部等を拡大して示
す図2中の矢示 III−III 方向からみた要部拡大断面図
である。
【図4】支持基板上に封止基板を載置することによって
封止弁を覆う封止基板載置工程を示す断面図である。
【図5】第1の所定温度の下に支持基板と封止基板との
間に封止電圧を印加して支持基板に封止基板を陽極接合
する封止基板接合工程を示す断面図である。
【図6】第2の所定温度の下に支持基板と封止基板との
間に封止電圧を印加して第1の封止弁接合工程を示す断
面図である。
【図7】封止基板載置工程、封止基板接合工程、第1の
封止弁接合工程、第2の封止弁接合工程における支持基
板、封止基板等の温度を示す特性線図である。
【図8】実施の形態の変形例による角速度センサを示す
図2と同様位置からみた断面図である。
【図9】従来技術による角速度センサを分解して示す分
解斜視図である。
【図10】従来技術による角速度センサを示す斜視図で
ある。
【図11】従来技術による角速度センサの機能部を示す
斜視図である。
【図12】従来技術による角速度センサを図10中の矢
示 XII−XII 方向からみた断面図である。
【図13】支持基板の表面側に封止基板を載置した状態
を示す断面図である。
【符号の説明】
21 支持基板 22 機能部 23 封止弁 23A 固定部 23B 腕部 23C 封止基板側面 23D 支持基板側面 23C1 接合部 24,31 感熱変形膜 25 封止基板 25B 貫通孔 26 キャビティ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機能部を有する支持基板と、貫通孔を有
    し該支持基板に接合された封止基板と、該封止基板と支
    持基板との間に形成され前記機能部を収容するキャビテ
    ィと、該キャビティ内に位置して前記支持基板に設けら
    れ封止電圧を印加することによって前記貫通孔を封止す
    る封止弁とからなる小型電子部品において、 前記封止弁には、予め決められた第1の所定温度で加熱
    したときに封止弁を支持基板側に変形し、前記第1の所
    定温度よりも低い第2の所定温度で加熱したときに封止
    弁を貫通孔側に変形する感熱変形膜を設けたことを特徴
    とする小型電子部品。
  2. 【請求項2】 前記封止弁は前記支持基板に固定された
    固定部と基端側が該固定部に固着され先端側が自由端と
    なった腕部とにより形成し、前記感熱変形膜は前記封止
    弁の腕部に設けてなる請求項1に記載の小型電子部品。
  3. 【請求項3】 前記感熱変形膜は、前記封止弁の有して
    いる熱膨張率よりも大きい熱膨張率からなる材料によっ
    て形成すると共に、前記感熱変形膜は前記腕部のうち封
    止基板と対面する封止基板側面に設けてなる請求項2に
    記載の小型電子部品。
  4. 【請求項4】 前記感熱変形膜は、前記腕部の封止基板
    側面のうち前記貫通孔と当接する部位を除いた位置に設
    けてなる請求項3に記載の小型電子部品。
  5. 【請求項5】 前記感熱変形膜は、前記封止弁の有して
    いる熱膨張率よりも小さい熱膨張率からなる材料によっ
    て形成すると共に、前記感熱変形膜は前記腕部のうち支
    持基板と対面する支持基板側面に設けてなる請求項2,
    3または4に記載の小型電子部品。
  6. 【請求項6】 機能部を有する支持基板と、貫通孔を有
    し該支持基板に接合された封止基板と、該封止基板と支
    持基板との間に形成され前記機能部を収容するキャビテ
    ィと、該キャビティ内に位置して前記支持基板に設けら
    れ前記貫通孔を封止する封止弁とからなる小型電子部品
    の製造方法であって、 前記支持基板の表面側に封止基板を載置し、該封止基板
    によって前記機能部と封止弁を覆う封止基板載置工程
    と、 予め決められた第1の所定温度の下に前記支持基板と封
    止基板との間に予め決められた封止電圧を印加し、前記
    封止弁を封止基板側に変形させた状態で前記支持基板に
    封止基板を陽極接合する封止基板接合工程と、 前記第1の所定温度よりも低い第2の所定温度の下に前
    記支持基板と封止基板との間に前記封止電圧を印加し、
    前記封止弁を貫通孔側に変形させることにより貫通孔を
    封止した状態で前記封止弁を封止基板に接合する封止弁
    接合工程とから構成してなる小型電子部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 機能部を有する支持基板と、貫通孔を有
    し該支持基板に接合された封止基板と、該封止基板と支
    持基板との間に形成され前記機能部を収容するキャビテ
    ィと、該キャビティ内に位置して前記支持基板に設けら
    れ前記貫通孔を封止する封止弁とからなる小型電子部品
    の製造方法であって、 前記支持基板の表面側に封止基板を載置し、該封止基板
    によって前記機能部と封止弁を覆う封止基板載置工程
    と、 予め決められた第1の所定温度の下に前記支持基板と封
    止基板との間に予め決められた封止電圧を印加し、前記
    封止弁を封止基板側に変形させた状態で前記支持基板に
    封止基板を陽極接合する封止基板接合工程と、 前記第1の所定温度よりも低い第2の所定温度の下に前
    記支持基板と封止基板との間に前記封止電圧を印加し、
    前記封止弁を貫通孔側に変形させることにより貫通孔を
    封止した状態で前記封止弁を封止基板に接合する第1の
    封止弁接合工程と、 前記第1の所定温度よりも低く第2の所定温度よりも高
    い第3の所定温度の下に前記支持基板と封止基板との間
    に前記封止電圧を印加し、前記封止弁を封止基板に最終
    的に陽極接合する第2の封止弁接合工程とから構成して
    なる小型電子部品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007216309A (ja) * 2006-02-14 2007-08-30 Seiko Epson Corp 電子装置及びその製造方法
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