JP2000222072A - 冷却装置 - Google Patents

冷却装置

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JP2000222072A
JP2000222072A JP11024306A JP2430699A JP2000222072A JP 2000222072 A JP2000222072 A JP 2000222072A JP 11024306 A JP11024306 A JP 11024306A JP 2430699 A JP2430699 A JP 2430699A JP 2000222072 A JP2000222072 A JP 2000222072A
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heat
electro
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cooling device
sensitive working
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JP11024306A
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Osamu Nagatsuma
妻 修 長
Reizo Naruse
瀬 礼 三 成
Hideki Abe
部 英 樹 阿
Satoshi Nakamura
村 聡 中
Shinichi Yokota
田 眞 一 横
Yasubumi Otsubo
坪 泰 文 大
Kazuya Edamura
村 一 弥 枝
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SHINGIJUTSU MANAGEMENT KK
Nippon Keiki Works Ltd
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SHINGIJUTSU MANAGEMENT KK
Nippon Keiki Works Ltd
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    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28DHEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
    • F28D15/00Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies
    • F28D15/02Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes
    • F28D15/0266Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes with separate evaporating and condensing chambers connected by at least one conduit; Loop-type heat pipes; with multiple or common evaporating or condensing chambers

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Abstract

(57)【要約】 【課題】薄型で高効率の冷却装置を提供する。 【解決手段】本発明の冷却装置は、電気感応作動媒体が
流動可能に充填された吸熱部および放熱部を有すると共
に、該吸熱部および放熱部に充填された電気感応作動媒
体に電圧を印加して電気感応作動媒体を吸熱部と放熱部
との間を移動させるための少なくとも一対の電極からな
るポンプ機構を有することを特徴としている。 【効果】電気感応作動媒体を用いることにより薄型で高
冷却効率が得られる。この冷却装置はCPUの冷却に適
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は電界共役流体(Electro-Con
jugate Fluid = ECF、以下本発明では「電気感応作動媒
体」と記載する)を用いた冷却装置に関する。さらに詳
しくは本発明は、パーソナルコンピューターのメインプ
ロセッサ(CPU)などを冷却するのに特に適した冷却
装置に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】パーソナルコンピュータは、日々
高速化されており、メインプロセッサ(CPU)とし
て、例えばPentium II(登録商標)プロセッサを使用し
たパーソナルコンピュータでは、既に600MHz以上
の高速駆動が理論的には可能であるとされている。しか
しながら、こうしてCPUの高速駆動に伴って、CPU
の発熱量は増大する。高温下のCPUは駆動速度が減少
するばかりか、誤作動や作動停止を引き起こすこともあ
る。よって、パーソナルコンピュータの駆動能力を維持
するためには、CPUから発熱する熱を吸収し、CPU
が適正に駆動する温度領域まで、発熱するCPUを冷却
することが必要になる。
【0003】このため、高速メインプロセッサーを搭載
したデスクトップ型パーソナルコンピュータ等の大型電
子機器では、CPUに大型のヒートシンクを敷設した
り、また、筐体自体に大型のファンを設置して、CPU
から発生する熱を筐体外に排出するなどの方法が採用さ
れている。しかしながら、この方法は、ヒートシンクを
設けることで放熱面積を大きくしてCPUを冷却してい
るため、デスクトップ型パーソナルコンピュータ等の大
型電子機器ではある程度有効な冷却手段であるが、例え
ばラップトップコンピュータのような小型のコンピュー
タには採用できない。さらに、ファンを駆動させる際の
騒音も問題になっている。
【0004】また、こうしたヒートシンクの他に、ヒー
トパイプも使用されている。このヒートパイプは、水等
の熱移送媒体を、内周壁面にウイック(毛管力の大きい
構造体)が配置されたパイプ等に密封し、このヒートパ
イプの一端を発熱体であるCPUなどに当接し、他端を
放熱部に配置して、CPUなどからの熱によって熱移動
媒体を加熱して、ヒートパイプ内の熱移動媒体を気化さ
せて発熱体からの熱を気化としてヒートパイプ内を移動
させ、放熱部で熱移動媒体が凝集することにより、発熱
体で発生した熱を放熱部で放出し、凝集した熱移動媒体
をウイックの毛細管で発熱部に移動される放熱装置であ
る。しかしながら、このヒートパイプ内において熱移動
媒体は、加熱されることにより熱対流によって移動する
ため、吸熱部と放熱部との温度差が小さいと、有効な熱
対流が形成されない。従って、放熱部に多数のフィンを
設けるなどして、放熱部を強制的に冷却する必要があ
る。また、ヒートパイプ内における熱移動媒体は、気化
および毛細管現象によって移動し、このヒートパイプ
は、媒体を移動させるための強制的な媒体移動手段を有
していないので、上述のようにヒートパイプ内における
媒体の温度差が小さいと熱移送に充分に移動しないこと
があり、また熱を有効に放出させるためにはヒートパイ
プの形状およびヒートパイプの設置条件等種々の制約が
ある。
【0005】また、熱移送手段として、蛇行細管ヒート
パイプを極薄型の押し出し成型アルミ板に成型した熱輸
送リボンも知られている(特許第1967738号参
照)。
【0006】この熱輸送リボンは、細管内に作動液を封
入して細管内に液層作動液と気相作動液の二相流体を形
成し、受熱部で吸収した熱エネルギーにより核沸騰
(泡)を発生させ、その断続による圧力波が振動波とな
って作動液に振動を起こさせて作動液を移動させて熱を
移送する熱輸送装置である。この熱輸送リボンは、受熱
部で吸収した熱エネルギーによって生ずる核沸騰の圧力
波を作動液の駆動源としていることから、細管内が加圧
状態になり、細管から作動液が漏出することがあるとの
問題を有している。また、この熱輸送リボンでは、加圧
作動液が細管内を移動することから、細管がある程度の
強度を有していることが必要になり、厚さが1mmよりも
薄いものは製造しにくいとの問題もある。こうしたヒー
トパイプを利用した熱移動手段として、サーマルヒンジ
(ヒートパイプヒンジ)、薄型ロールボンドなども使用
されているが、前者は放熱効果およびその信頼性に問題
があり、後者は、厚さや重量等に問題がある。
【0007】従来、パーソナルコンピュータは、デスク
トップ型パーソナルコンピュータ等の大型機とラップト
ップコンピュータのような小型機とで、異なる方向に展
開していた。即ち、大型機は高速化に主眼点が置かれ高
速化のためには大きなスペースを必要としていた。一
方、小型機は、軽量化に主眼点が置かれ、より薄く、よ
り軽くするために、高速化はある程度犠牲にされてい
た。
【0008】ところが、近時、大型機がより高速で駆動
することから小型機にも大型機と同程度の高速化の要請
が高くなってきており、高速CPUを搭載した高速ラッ
プトップコンピュータのような小型高速コンピュータの
開発が強く望まれている。しかしながら、小型高速コン
ピュータでは、大型機で採用されているようなヒートシ
ンク、ヒートパイプ、熱輸送リボンなどの熱移送手段を
CPUに配置するだけのスペース的余裕がない。即ち、
市販されている最も軽量で薄型のラップトップコンピュ
ータの本体部の厚さは19mm程度であり、この厚さは、
大型機に搭載されている例えばヒートシンクを備えたPe
ntium II(登録商標)プロセッサ自体の厚さよりも薄い
のである。
【0009】従って、より薄く、より軽量なラップトッ
プコンピュータ(小型高速機)を製造するためには、従
来から使用されていた冷却装置よりもさらに冷却効率が
よく、さらに薄型化することが可能な新たな冷却装置の
開発が必要である。
【0010】ところで、絶縁性の液体に電圧を印加する
ことにより液体の特性が変動することが知られており、
本発明者は、特定の液体に電圧を印加することにより、
この特定の流体が移動するという新たな電界共役流体効
果を見い出し、この特定の液体(電気感応作動媒体)お
よびその関連技術について既に出願している(特願平8
16871号、特願平8−16872号、特願平8−7
6259号、特願平8−248417号、特願平8−2
41679号等の明細書参照)。
【0011】しかしながら、これらの明細書には、例え
ばCPUなどの冷却に、電気感応作動媒体を使用するこ
とに関する記載はない。
【0012】
【発明の目的】本発明は、上記のような特性を有する電
気感応作動媒体を利用した冷却装置を提供することを目
的としている。
【0013】さらに詳しくは本発明は、上記のような特
性を有する電気感応作動媒体を冷却媒体として用いると
共に、この電気感応作動媒体に電圧を印加して冷却媒体
である電気感応作動媒体を強制的に流動させて、吸熱部
で吸収した熱エネルギーを、放熱部に強制流動させて、
放熱することにより、非常に高い冷却効率を有する冷却
装置を提供することを目的としている。
【0014】また、本発明は、強制流動させるために、
吸熱部等の形状に制約がなく、例えば、非常に薄い吸熱
部とすることが可能な冷却装置を提供することを目的と
している。
【0015】
【発明の概要】本発明の冷却装置は、電気感応作動媒体
が流動可能に充填された吸熱部および放熱部を有すると
共に、該吸熱部および放熱部に充填された電気感応作動
媒体に電圧を印加して電気感応作動媒体を吸熱部と放熱
部との間を移動させるための少なくとも一対の電極から
なるポンプ機構を有することを特徴としている。
【0016】ある種の絶縁性液体(本発明でいう「電気
感応作動媒体」)に電場を与えると、導電率と誘電率と
の不均一性に起因して流体内部に電気的な力が生ずる。
直流電場では、誘電泳動力よりも自由電荷に作用するク
ーロン力が支配的となり、このクーロン力は、流体力学
的不安定性を引き起こし、電気感応作動媒体の対流ある
いは二次流れを発生させる。この現象は電気流体力学(E
lectrohydrodynamic)効果(EHD効果)と呼ばれてい
る。
【0017】本発明は、この電気感応作動媒体に電圧印
加によって生ずる電気感応作動媒体の移動現象を利用し
て、電気感応作動媒体を電圧印加により強制的に流動さ
せて、高温部位の熱を冷却媒体である電気感応作動媒体
を用いて低温部位に強制移動させて高温部位における熱
を放出するものである。なお、この電気感応作動媒体の
移動はEHD効果によるものであると本発明者は推察し
ているが、これは、本発明において生ずる現象を説明す
るのに、現在のところこの「EHD効果」が最も適当で
あると本発明者が推察しているのであって、本発明にお
いて生じている現象を「EHD効果」によるものである
と断定するものではない。
【0018】このような電気感応作動媒体に電圧を印加
して電気感応作動媒体を移動させても、この電圧の印加
によって電気感応作動媒体が発熱することはない。ま
た、本発明の冷却装置では、電気感応作動媒体に少なく
とも一対の電極を配置する事により移動流を形成してい
るので、冷却媒体を流動させるためのポンプ機構が極め
て簡単で小型な構造になり、部品数も少なく故障も少な
い。従って、本発明の冷却装置は、小型化、軽量化に適
しており、また、電気感応作動媒体を強制的に流動させ
るので、本発明の冷却装置の形状に制限はなく、非常に
薄くすることができる。
【0019】また、冷却媒体である電気感応作動媒体を
強制流動させているために、本発明の冷却装置は、非常
に冷却効率がよい。
【0020】
【発明の具体的説明】次に本発明の冷却装置について具
体的に説明する。
【0021】図2は、本発明の冷却装置の構成に一例を
模式的に示す斜視図であり、図3は、図2において附番
2で示されているポンプ機構(電極部)の一例を模式的
に示す断面図である。
【0022】本発明の冷却装置は、例えば図2示すよう
に、吸熱部5と放熱部6とを有し、この吸熱部5および
放熱部6とは配管3,3'により連結され、配管3には、
ポンプ機構2が設けられている。そして、本発明の冷却
装置を構成する吸熱部5、放熱部6、配管3,3'および
ポンプ機構2内には、電気感応作動媒体4が流動可能に
充填されている。
【0023】本発明の冷却装置で用いる電気感応作動媒
体4は、印加電圧に応じて電極間に移動可能な液体であ
る。
【0024】ここで使用される電気感応作動媒体4は、
印加電圧に応じて電極間に移動流を形成することができ
る使用温度において液体の有機化合物であり、この有機
化合物は実質的に絶縁性である。
【0025】本発明において電気感応作動媒体4として
用いられる上記のような特性を有する化合物の例を以下
に示す。
【0026】(1) ジブチルアジペート(DBA) (2) トリブチルシトレート(TBC) (3) モノブチルマレエート(MBM) (4) ジアリルマレエート(DAM) (5) ジメチルフタレート(DMP) (6) トリアセチン(Triacetin)
【0027】
【化1】
【0028】(7) エチルセルソルブアセテート (8) 酢酸-2-(2-エトキシエトキシ)エチル (9) 1,2-ジアセトキシエタン (10) トリエチレングリコールジアセテート (11) ブチルセロソルブアセテート (12) ブチルカルビトールアセテート (13) 3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート(ソルフ
ィットAC) (14) フマル酸ジブチル(DBF) (15) 2-エチルヘキシルベンジルフタレート(商品名;
プラサイザーB-8) (17) プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
(PMA)
【0029】
【化2】
【0030】(18) メチルアセチルリシノレート(MA
R−N)
【0031】
【化3】
【0032】(19) 2-エチルヘキシルパルミテート(商
品名;エキセパールEH-P) (20) ジブチルイタコネート(DBI)
【0033】
【化4】
【0034】(21) ポリエチレングリコールモノオレエ
ート(商品名;エマノーン4110) (22) ブチルステアレート(商品名;エキセパールB
S) (23) 2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジイソ
ブチレート(商品名:キョウワノールD)
【0035】
【化5】
【0036】(24) 2,2-トリメチル-1,3-ペンタンジオ
ールモノイソブチレート(商品名;キョウワノールM) (25) プロピレングリコールモノエチルエーテル (26) プロピレングリコールエチルエーテルアセテート
(商品名;BP-エトキシプロピルアセテート)
【0037】
【化6】
【0038】(27) 9,10-エポキシブチルステアレート
(商品名:サンソサイザーE-4030)
【0039】
【化7】
【0040】(28) テロラヒドロフタル酸ジオクチルエ
ステル(商品名:サンソサイザーDOTP) (29) トリブチルホスフェート(TBP) (30) トリブトキシエチルホスフェート(TBXP) (31) トリス(クロロエチル)ホスフェート(CLP) (32) 2-メチルアセト酢酸エチル (33) 1-エトキシ-2-アセトキシプロパン (34) 2-(2,2-ジクロロビニル)-3,3-ジメチルシクロプ
ロパンカルボキシリックアシッドメチルエステル(DC
M−40)
【0041】
【化8】
【0042】(35) リナリルアセテート
【0043】
【化9】
【0044】(36) デカン二酸ジブチル (37) 商品名;キョウワノール-M:商品名;エキセパ
ールEH-P=1:4混合物(キョウワノール-M=2,2,4-ト
リメチル-1,3,-ペンタンジオールモノイソブチレート エキセパールEH-P=ブチルステアレート (38) DAM:商品名;エキセパールBS=1:4混合物 DAM=ジアリルマレエート エキセパールBS=ブチルステアレート (39) ドデカン二酸ジブチル(Bu-OCO-(CH2)5-CH(Bu)-
COO-Bu)(DBDD) (40) ドコサン二酸ジブチル (Bu-OCO-(CH2)6-CH(CH(CH3)-(CH2)4-CH(CH3)-(CH2)6-CO
O-Bu)。
【0045】上記のような化合物は単独であるいは組み
合わせて使用することができる。
【0046】このような化合物について、例えば25℃
における導電率および粘度を測定すると下記表1に記載
するような値を示す。
【0047】
【表1】
【0048】そして、本発明の冷却装置で用いる電気感
応作動媒体4としては、使用温度における導電率および
粘度が下記特定の範囲内にある化合物あるいは混合物を
用いることが好ましい。
【0049】すなわち、上記化合物を含め、所謂絶縁性
液体と称される液体について、電場強度2kVmm-1、温度
25℃おける電気導電率σと粘度ηを測定すると、図1
に示されるように分布する。
【0050】本発明の冷却装置において、電気感応作動
媒体4として使用される化合物は、縦軸が粘度であり、
横軸が導電率であるグラフ(図1)において、この電気
感応作動媒体が使用される温度において、下記の点P、
点Q、点Rを頂点とする直角三角形の内部に位置する粘
度および導電率を有する化合物であることが好ましく、
または、電気感応作動媒体を二種類以上混合して使用す
る場合には、この三角形の内部に位置する粘度および導
電率を有するように調製された二種類以上の化合物から
なる混合物であることが好ましい。
【0051】
【表2】
【0052】上記表2において点P0、点Q0、点R
0は、本発明で使用される電気感応作動媒体において特
に好ましい範囲を示すものである。
【0053】本発明の冷却方法において電気感応作動媒
体として好ましい化合物の具体例を以下に示す。
【0054】(1) ジブチルアジペート(DBA)
(σ=3.01×10-9S/m,η=3.5×10-3Pa・s)、 (6) トリアセチン(Triacetin)(σ=3.64×10
-9S/m,η=1.4×10-2Pa・s)、 (11) ブチルセロソルブアセテート(σ=2.10×1
0-8S/m,η=7.0×10-4Pa・s)、 (12) ブチルカルビトールアセテート(σ=5.20
×10-8S/m,η=1.7×10-3Pa・s)、 (13) 3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート(ソル
フィットAC)(σ=8.30×10-8S/m,η=6.0×10
-4Pa・s)、 (14) フマル酸ジブチル(DBF)(σ=2.65×1
0-9S/m,η=3.5×10-3Pa・s)、 (17) プロピレングリコールメチルエーテルアセテー
ト(PMA)(σ=1.56×10-7S/m,η=6.0×10-4
Pa・s)、 (18) メチルアセチルリシノレート(MAR−N)
(σ=1.30×10-8S/m,η=1.3×10-2Pa・s)、 (20) ジブチルイタコネート(DBI)(σ=1.4
6×10-8S/m,η=3.5×10-3Pa・s)、 (23) 2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジイ
ソブチレート(商品名:キョウワノールD)(σ=6.2
4×10-9S/m,η=4.0×10-3Pa・s)、 (26) プロピレングリコールエチルエーテルアセテー
ト(商品名;BP-エトキシプロピルアセテート)(σ
=3.10×10-8S/m,η=6.0×10-4Pa・s)、 (27) 9,10-エポキシブチルステアレート(商品名:
サンソサイザーE-4030)(σ=5.46×10-9S/m,
η=2.0×10-2Pa・s)、 (28) テロラヒドロフタル酸ジオクチルエステル(商
品名:サンソサイザーDOTP)(σ=6.20×10-10S
/m,η=4.0×10-2Pa・s)、 (33) 1-エトキシ-2-アセトキシプロパン(σ=4.
41×10-7S/m,η=4.0×10-4Pa・s)、 (35) リナリルアセテート(σ=1.82×10-9S/m,
η=1.3×10-3Pa・s) (36) デカン二酸ジブチル(σ=1.40×10-9S/m,
η=7.0×10-3Pa・s) (39) ドデカン二酸ジブチル(DBDD)(σ=5.2
×10-9S/m,η=9.3×10-3Pa・s) (40) ドコサン二酸ジブチル(σ=1.04×10-9S/
m,η=2.5×10-2Pa・s) さらに、本発明で使用される電気感応作動媒体4として
複数の媒体を組み合わせて使用する場合には、組み合わ
せた結果として得られる混合物の導電率および粘度が、
図1において、点P、点Qおよび点Rで規定される三角
形の内部になるようにすれば、好ましく使用することが
できる。
【0055】即ち、上記導電率と粘度との関係は、それ
ぞれの化合物の導電率および/または粘度が上記範囲内
にない化合物であっても、複数の化合物を混合して、こ
の混合物の導電率と粘度が上記範囲内になれば、電気感
応作動媒体として好適に使用することができる。
【0056】例えば、どちらも導電率および粘度が上記
範囲内にない2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール
モノイソブチレート(商品名;キョウワノールM)(σ
=6.80×10-8S/m,η=1.2×10-2Pa・s)と、2-エ
チルヘキシルパルミテート(商品名;エキセパールEH
−P)(σ=2.60×10-10S/m,η=9.5×10-3Pa・
s)とを、1:4の重量比で混合した混合物(σ=2.6
0×10-9S/m,η=9.8×10-3Pa・s)は、本発明で使用
される電気感応作動媒体4として好適に使用することが
でき、またどちらも導電率および粘度が上記範囲内にな
いDAM(Diallyl Maleate)(σ=7.8×10-7S/m,η=
2.5×10-3Pa・s)と、ブチルステアレート(商品名;
エキセパールBS)(σ=3.1×10-10S/m,η=8.5
×10-3Pa・s)とを、1:4の重量比で混合した混合物
(σ=4.17×10-9S/m,η=5.0×10- 3Pa・s)も本
発明のポンプ機構に用いる電気感応作動媒体として好適
に使用することができる。
【0057】さらに、電気感応作動媒体4は、本発明に
おいて使用される温度において、上記の導電率および粘
度を有していればよく、25℃においては上記三角形の
内部に位置しない化合物であっても、この使用温度にお
いて、導電率および粘度が上記三角形の内部にあれば好
適に使用することができる。なお、例えば図2に示すよ
うな構成を有する冷却装置では、配管3'の中を流れる
電気感応作動媒体4と、配管3の中を流れる電気感応作
動媒体4とは温度が異なり、本発明で冷却媒体として使
用する電気感応作動媒体4は、ポンプ機構2が設けられ
ている部分において、導電性および粘度が、図1に示さ
れる直角三角形の内部に位置すればよい。
【0058】このような電気感応作動媒体4は、他の物
質を配合することを特に必要とするものではないが、こ
の電気感応作動媒体に、安定剤、高分子分散剤、界面活
性剤、高分子増粘剤、着色剤、防腐剤、粘性調整剤など
の添加物を配合することができる。
【0059】上記の例示した電気感応作動媒体4の他
に、本発明で冷却媒体として使用することができる電気
感応作動媒体4として、導電率と粘度とが図1で表され
る直角三角形の内部にある化合物(あるいは組成物)で
あれば適宜選択選択して使用することができる。本発明
では、電気感応作動媒体として、例えば特定のハロゲン
化炭化水素化合物を使用することができる。このような
ハロゲン化炭化水素化合物には、難燃性乃至不燃性であ
る化合物が多く、本発明では電気感応作動媒体として、
導電率および粘度が図1で表される直角三角形に内部に
あるか、内部に位置するように物性調整された、難燃性
乃至不燃性のハロゲン化炭化水素化合物(物性調整され
た混合物も含む)を使用することが好ましい。ここで難
燃性化合物とは、引火点が100℃以上の化合物であ
り、また不燃性化合物とは、実質的に引火点を有してい
ない化合物である。このような難燃性乃至不燃性のハロ
ゲン化炭化水素化合物の例としては、ベンゾトリフルオ
ライド、エチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパ
ーフルオロイソブチルエチルエーテル、メチルパーフル
オロブチルエーテル、メチルパーフルオロイソブチルエ
ーテル、ヘキサフルオロプロパンの2量体あるいは3量
体などのオリゴマー成分を挙げることができる。特に本
発明では冷却媒体である電気感応作動媒体として、難燃
性乃至不燃性のハロゲン化炭化水素化合物を使用するに
際しては、ベンゾトリフルオライド、エチルパーフルオ
ロブチルエーテル、エチルパーフルオロイソブチルエー
テルを、単独であるいは組み合わせて使用することが特
に好ましい。
【0060】本発明の冷却装置は、冷却媒体として上記
のような電気感応作動媒体4を使用しており、この電気
感応作動媒体4を流動させるためのポンプ機構2を有し
ている。このポンプ機構2は、電気感応作動媒体4に電
圧を印加するための少なくとも一対の電極からなる。図
3には、電気感応作動媒体4中に設けられた針状電極2
1と、電気感応作動媒体4の流れ方向の下流側に前記針
状電極21とは絶縁体23で電気的に絶縁されて環状に
設けられた筒状電極22とからなる一対の電極からなる
ポンプ機構2の例が示されている。そして、この針状電
極21および筒状電極22は、図2に示すように、電源
供給装置1に接続しており、この電源供給装置1によ
り、針状電極21と筒状電極22との間には、通常50
V〜30KV、好ましくは100V〜15KVの範囲内の電
圧が印加される。この針状電極21と筒状電極22との
間には、パルス波、矩形波、連続波等の形態の電圧を印
加することができるが、特に本発明の冷却装置における
ポンプ機構2では、直流連続波を印加することが好まし
い。この電極間に印加する電圧を制御することにより、
本発明の冷却装置内における電気感応作動媒体の移動速
度は、上記電極間の印加電圧を、例えば図2に示すよう
な電源供給装置1により調整することにより制御するこ
とができる。
【0061】本発明の冷却装置を形成する吸熱部5に
は、例えばCPUなどの発熱部材に当接して発生した熱
を、冷却媒体である流動する電気感応作動媒体が吸収す
ることができるように電気感応作動媒体4の流路8が形
成されている。本発明の冷却装置では、電気感応作動媒
体4は、ポンプ機構2により強制流動することから、こ
の流路8の形態に特に制限はなく、例えば図4(a)に示
すように、蛇行細管状にすることもできるし、図4(b)
に示すように、枝分かれ細管状にすることもできる。ま
た、例えば図4(c)に示すように、この流路8は、吸熱
部5内部に電気感応作動媒体4が流動するように電気感
応作動媒体のプールを設けてもよい。またこのプール内
に邪魔板を配置して電気感応作動媒体4の流れが蛇行す
るようにしてもよい。即ち、CPUなどの発熱源から熱
が電気感応作動媒体4により効率的に移動するように吸
熱部5における電気感応作動媒体の流路8を設定するこ
とができる。
【0062】この吸熱部5は、熱伝導性を有する素材で
形成することができる。さらに、電気感応作動媒体4に
よって浸食(あるいは溶解)されない素材で形成するこ
とができる。このような吸熱部5を形成する素材の例と
しては、鉄、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム
合金、マグネシウム合金、真鍮、亜鉛、亜鉛合金、錫、
錫合金、チタン、チタン合金、ステンレス等の金属ある
いは金属合金、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、PET
樹脂、ABS樹脂等のプラスチック類;ポリエーテルイ
ミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミ
ド、ポリフッ化ビニリデンなどのエンジニアリングプラ
スチック類やスーパーエンジニアリングプラスチック
類;グラファイト;セラミックス類;またはこれらの複
合体(例:金属・セラミックス複合体やグラファイト・
プラスチック複合体等)などを挙げることができる。
【0063】吸熱部5を上記のような素材、特にエンジ
ニアリングプラスチックで形成することにより、吸熱部
5の厚さを1mm以下、好ましくは0.1〜1.0mmの範囲
内にすることができる。吸熱部5に形成される電気感応
作動媒体4の流路7は、種々の方法により形成すること
が可能であり、例えば、吸熱部5形成部材に溝状の流路
を形成し、さらに板状の部材を貼着、接着、溶接するこ
とにより形成することができる。また、2枚のエンジニ
アリングプラスチックフィルムを、流路7に相当する部
分を残して張り合わせることによって形成することもで
きるし、また、流路7を形成するチューブを2枚のフィ
ルム間に配置してフィルムを接着することによって形成
することもできる。
【0064】本発明の冷却装置において、上記のような
吸熱部5で集熱した熱は、放熱部6で放熱される。この
放熱部6には、吸熱部5と同様に、電気感応作動媒体4
の流路が設けられており、この放熱部6内に設けられた
流路を電気感応作動媒体4が流動することにより放熱部
6の表面から熱が外部に発散する。この放熱部6は、吸
熱部5と同様の素材で形成することができる。特にこの
放熱部6の表面からの熱の発散がより効率的に行えるよ
うに、金属やグラファイト等の高熱伝導性素材で形成す
ることが好ましい。
【0065】この放熱部6における熱の発散をより効率
的に行うために、本発明の冷却装置では、この放熱部6
には補助冷却手段を配置することが好ましい。補助冷却
手段には、空気との接触面積を大きくして冷却効率を向
上させるものと、接触する空気量を多くして冷却効率を
向上させるもの等がある。本発明の冷却装置において採
用可能な補助冷却手段の例としては、図2に示されるよ
うな冷却ファン8、図5に示されるようなヒートシンク
9、および、パーソナルコンピュータ筐体、ヒートパイ
プ類、電熱性部品を挙げることができる。また、この放
熱部6を、例えばパーソナルコンピュータの金属製筐体
と一体化させて、筐体全体を冷却補助手段(あるいは放
熱部)として利用することもできる。本発明において、
ヒートシンク9は、上記金属、合金、複合材料やグラフ
ァイト等で形成することができる。また、冷却ファン8
は、例えば、パーソナルコンピュータの場合には送風量
0.005〜0.3m3/分の送風能力を有するファンを
使用することが好ましい。また、送風ファンを配置する
場合、電気感応作動媒体4の温度を感知して駆動するよ
うにしてもよい。
【0066】また、本発明の冷却装置における放熱部6
は、例えばパーソナルコンピュータのCPUの冷却装置
として使用する場合には、できるだけ薄くすることが有
利であり、放熱部6自体の厚さは通常は0.1〜20m
m、好ましくは0.2〜10mmの範囲内にあり、補助冷
却手段を含めても、10mm以下であることが好ましい。
【0067】本発明の冷却装置において、上記吸熱部5
と放熱部6とは、電気感応作動媒体の流通が可能なよう
に連結されている、例えば、吸熱部5と放熱部6とは、
図2および図5に示すように、配管3,3'で連結するこ
とができる。この配管3,3'は、電気感応作動媒体4に
浸食されないものであればよく、エンジニアリングプラ
スチック、金属等で形成することができる。また、この
配管3と配管3'とは同一の太さであってもよいし、異
なっていてもよい。殊に、ポンプ機構2を配管に組み込
む場合、ポンプ機構2を組み込む配管3は比較的細いこ
とが好ましい。即ち、本発明の冷却装置に組み込まれる
ポンプ機構2は、小型化することによりエネルギー効率
が高くなることから、ポンプ機構2を組み込む配管は比
較的細いことが好ましく、他方、こうしたポンプ機構2
が組み込まれていない配管は、電気感応作動媒体の流動
抵抗を低くすることが好ましいので比較的太くすること
ができる。
【0068】本発明の冷却装置において、ポンプ機構2
は、図2および図5に示すように、電気感応作動媒体4
が、放熱部6から吸熱部5に向かう配管3の途中に配置
することもできるし、逆に吸熱部5から放熱部6に向か
う配管3'の途中に配置することもできる。さらに配管
3および配管3’の両者に配置することもできる。ま
た、吸熱部5内および/または放熱部6内に配置するこ
ともできる。
【0069】本発明の冷却装置は、電子装置のメインプ
ロセッサの冷却装置、電子装置内にあるコプロセッサー
および/またはメモリーのような他の発熱部品の冷却装
置として特に適している。
【0070】図6は、本発明の冷却装置をラップトップ
型パーソナルコンピュータ(ノート型パーソナルコンピ
ュータ)のCPUの冷却装置として使用する例を模式的
に示す断面図である。
【0071】ラップトップ型パーソナルコンピュータ内
にあるプリント配線基板11には、CPU12がボンデ
ィングされており、本発明の冷却装置における吸熱部5
は、このCPU12に密着して配置されている。配管3
の先端は、この吸熱部5に接続しており、この配管3の
途中にポンプ機構2が配置されている。そして、この配
管3の他端は放熱部6に接続しており、この放熱部6
は、ラップトップ型パーソナルコンピュータの筐体13
に密着して配置されている。なお、図示されていない
が、放熱部6と吸熱部5との間は、もう一本の配管で連
接されており、本発明の冷却装置に充填された電気感応
作動媒体が吸熱部5と放熱部6との間をポンプ機構2の
作用により循環可能にされている。この筐体13が金属
のような熱伝導性の高い素材で形成されている場合に
は、放熱部6の熱は、この筐体13に移動し、この筐体
13自体が補助冷却手段となる。なお、図6では、配管
3は、ポンプ機構2から湾曲して放熱部6に接続されて
いる態様が示されており、放熱部6が吸熱部5に比較的
近い位置に配置されているが、図7に示すようにポンプ
機構2からの配管3を吸熱部5から遠ざかるように延設
して、放熱部6を吸熱部5から遠い位置に配置すること
により、放熱部6がCPUからの放射熱による温度影響
の少ない位置(即ち、より温度の低い位置)に配置され
るので、冷却効率を向上させることができる。
【0072】なお、図6および図7では、プリント配線
基板11の下面にCPU12がボンディングされ、その
下面に吸熱部5が配置されているが、この吸熱部5は、
プリント配線基板11を介してCPU12の上面に配置
することもできる。また、CPU12がプリント配線基
板11の上面に配置されている場合には、CPU12の
上面に吸熱部5を配置することもできる。また、放熱部
6は筐体13に直接配置されているが、例えば、筐体1
3の放熱部6当接面を切り欠いて、例えば冷却ファン等
の補助冷却手段を配置することもできる。
【0073】上記のように本発明の冷却装置は、吸熱部
5と放熱部6とを有し、この吸熱部5および放熱部6に
は、電気感応作動媒体4が充填されていると共に、この
電気感応作動媒体4を流動させるポンプ機構2を有して
おり、この電気感応作動媒体4は、ポンプ機構2によっ
て非一様電界を形成することにより流動するものである
が、本発明は、種々改変することができる。
【0074】例えば、図3において、ポンプ機構2は、
針状電極と筒状電極とからなる一対の電極から形成され
ているが、このポンプ機構2は、複数の電極を組み合わ
せてたもの(多段電極)であってもよい。
【0075】多段電極は、電気感応作動媒体の流動が可
能な環状体(環状電極)を直列に複数配列することによ
り形成されている。この環状電極には、通常は下流側
に、それぞれ、針状電極が形成されている。この環状電
極には、交互に正負電極となるように電圧が印加され
る。このように環状電極を配置して電圧を印加すること
により、まず電気感応作動媒体は、第1の環状電極から
第2の環状電極方向に進む移動流を形成する。そして、
この移動流は第2の環状電極から第3の環状電極に進む
際に加速される。同様にして第3の環状電極から第4の
環状電極に向かう移動流はさらに加速される。従って、
上記のように環状電極を直列に複数配列することにより
ポンプ機構により高速で電気感応作動媒体を移動させる
ことができる。
【0076】また、図8に示すように、2枚のポンプ機
構2を可撓性を有する2枚のフィルムの間に挟み込み、
次いで、2枚の可撓性を有するフィルム(金属箔、金属
箔−プラスチックフィルム複合体を含む)を、吸熱部
5、配管3,3',3'、放熱部6を形成する部分を残して
貼り合わせ、吸熱部5、配管3,3',3'、放熱部6およ
びポンプ機構2を一体に形成することもできる。このよ
うにフィルムの貼り合わせにより本発明の冷却装置を、
例えば加熱圧着工程を含む比較的少ない工程数で製造す
ることができ、有利である。また、可撓性フィルムを使
用することにより、本発明の冷却装置の設置位置および
設置方法が容易になる。
【0077】本発明の冷却装置は、上記のように機械的
駆動部を有しておらず、単にポンプ機構に電圧を印加す
ることにより、冷却媒体である電気感応作動媒体を強制
流動させることができるので、非常に構造が簡単であ
り、機械的な故障が生じにくく、製造コストも安価であ
る。また、冷却媒体である電気感応作動媒体はポンプ機
構により強制流動するので、非常に冷却効率が高い。ま
た、この電気感応作動媒体は、本質的には電気絶縁性液
体であるので、仮に電気感応作動媒体の漏出があったと
しても、コンピュータが誤作動する可能性は少ない。
【0078】なお、上記説明は、主としてCPUを例に
して説明したが、本発明の冷却装置は、CPUの冷却に
限定されるものではなく、発熱部材、特に電子機器の発
熱部品の冷却に好適に使用することができる。
【0079】
【発明の効果】本発明の冷却装置は、ポンプ機構で冷却
媒体である電気感応作動媒体を強制流動させているの
で、従来の液体の対流による冷却装置と比較して著しく
高い冷却効率を示す。また、本発明で採用するポンプ機
構は、機械駆動部がなく、単に電気感応作動媒体に非一
様電界を形成することにより、電気感応作動媒体を流動
させることができるので、機械駆動音がない。また、電
気感応作動媒体を強制流動させることにより、本発明の
冷却装置は、非常に薄くすることが可能であり、例えば
近時高速化に対する要請の高いラップトップ型パーソナ
ルコンピュータのCUPの冷却装置として好適に使用す
ることができると共に、ラップトップ型パーソナルコン
ピュータには搭載が非常に困難であるとされていた高速
CUPを搭載して高速で駆動させることができる。こう
した高速CPUは、現在ラップトップ型パーソナルコン
ピュータで使用されている高速CPU(例:Pentium MM
Xテクノロジー(登録商標))よりも厚いが、本発明の
冷却装置を使用することにより、より高速なCPU
(例:Pentiumu II(登録商標)、K−6(登録商標))
を用いたとしても薄型のラップトップ型パーソナルコン
ピュータを製造することが可能になる。
【0080】また、本発明の冷却装置は、ラップトップ
型パーソナルコンピュータのCPUの冷却に限らず、デ
スクトップ型パーソナルコンピュータのCPUの冷却に
使用することもできる。特にこの場合には、冷却補助手
段として、冷却ファン、ヒートシンク、フィンなどを配
置することにより、非常に高い効率でCPUを冷却する
ことが可能であり、コンピュータを高速駆動することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明で使用することが好ましい電気
絶縁作動媒体導電率と粘度との関係を示すグラフであ
る。
【図2】図2は、本発明の冷却装置の例を模式的に示す
図である。
【図3】図3は、ポンプ機構の例を模式的に示す図であ
る。
【図4】図4は、吸熱部(放熱部)における電気感応作
動媒体の流路の例を示す図である。
【図5】図5は、本発明の冷却装置の例を模式的に示す
図である。
【図6】図6は、本発明の冷却装置を使用する際の配置
例を模式的に示す図である。
【図7】図7は、本発明の冷却装置を使用する際の配置
例を模式的に示す図である。
【図8】図8は、本発明の冷却装置の他の例を模式的に
示す図である。
【符号の説明】
1…電源装置 2…ポンプ機構 3…配管 4…電気感応作動媒体 5…吸熱部 6…放熱部 7…流路 8…ファン 9…ヒートシンク 11…プリント配線基板 12…CPU 13…筐体 21…針状電極 22…環状電極 23…絶縁部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 成 瀬 礼 三 東京都大田区南久が原1丁目13番6号 株 式会社日本計器製作所内 (72)発明者 阿 部 英 樹 東京都大田区南久が原1丁目13番6号 株 式会社日本計器製作所内 (72)発明者 中 村 聡 東京都大田区南久が原1丁目13番6号 株 式会社日本計器製作所内 (72)発明者 横 田 眞 一 神奈川県相模原市上鶴間1941−B1−301 (72)発明者 大 坪 泰 文 千葉県千葉市稲毛区小仲台9−21−1− 206 (72)発明者 枝 村 一 弥 東京都葛飾区東新小岩2−9−1−306 Fターム(参考) 5E322 AA01 AA03 AA07 AA11 AB10 AB11 BB03 DA01 DA03 DB10 FA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気感応作動媒体が流動可能に充填され
    た吸熱部および放熱部を有すると共に、該吸熱部および
    放熱部に充填された電気感応作動媒体に電圧を印加して
    電気感応作動媒体を吸熱部と放熱部との間を移動させる
    ための少なくとも一対の電極からなるポンプ機構を有す
    ることを特徴とする冷却装置。
  2. 【請求項2】 ポンプ機構が、電気感応作動媒体に非一
    様電界を形成するように流動方向に沿って電気的に絶縁
    されて配置された少なくとも一対の電極からなることを
    特徴とする請求項第1項記載の冷却装置。
  3. 【請求項3】 電気感応作動媒体が、横軸が導電率σで
    あり縦軸が粘度ηであって作動温度における流体の導電
    率σと粘度ηとの関係を示すグラフにおいて、導電率σ
    =4×10-10S/m,粘度η=1×100Pa・sで表される点
    P、導電率σ=4×10-10S/m,粘度η=1×10-4Pa・s
    で表される点Q、導電率σ=5×10 -6S/m,粘度η=1
    ×10-4Pa・sで表される点Rを頂点とする直角三角形の
    内部に位置する導電率σおよび粘度ηを有する化合物、
    または、該三角形の内部に位置する導電率σおよび粘度
    ηを有するように調製された二種類以上の化合物の混合
    物からなることを特徴とする請求項第1項または第2項
    記載の冷却装置。
  4. 【請求項4】 上記吸熱部が、電子装置のメインプロセ
    ッサおよび/または該電子装置内にある他の発熱部品に
    配置されていることを特徴とする請求項第1項記載の冷
    却装置。
  5. 【請求項5】 上記放熱部が、電子装置の筐体に配置さ
    れていることを特徴とする請求項第1項記載の冷却装
    置。
  6. 【請求項6】 上記放熱部が、ヒートシンク、ファン、
    パーソナルコンピュータ筐体、ヒートパイプ類および伝
    熱部品よりなる群から選ばれれる少なくとも1の補助冷
    却手段を有することを特徴とする請求項第1項記載の冷
    却装置。
  7. 【請求項7】 上記電気感応作動媒体が、難燃性乃至不
    燃性であることを特徴とする請求項第1項乃至第3項の
    いずれかの項記載の冷却装置。
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