JP2000221683A - ポジ型感光性組成物 - Google Patents

ポジ型感光性組成物

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JP2000221683A
JP2000221683A JP5344699A JP5344699A JP2000221683A JP 2000221683 A JP2000221683 A JP 2000221683A JP 5344699 A JP5344699 A JP 5344699A JP 5344699 A JP5344699 A JP 5344699A JP 2000221683 A JP2000221683 A JP 2000221683A
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infrared
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Masakazu Takada
昌和 高田
Naotaka Hisamatsu
直貴 久松
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い近赤外線感度を有し、保存性に優れたポジ
型感光性組成物を提供する。 【解決手段】ジヒドロピリジン化合物、ピリリウム化合
物、カルバメート化合物、トリアリールカルビノール化
合物、あるいはピナコール化合物から選ばれる少なくと
も一種の化合物と、アルカリ性現像液に可溶性のポリマ
ーと、近赤外線吸収染料を含有する記録層を有し、且
つ、近赤外線レーザーの照射によって該記録層の接触角
が低下することを特徴とするポジ型の感光性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は近赤外線領域に高感
度を有する感光性組成物に関するものであり、特にコン
ピューター等のデジタル信号から近赤外線レーザーを用
いて直接製版できる、ダイレクト製版可能なポジ型感光
性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポジ型印刷版は、通常、支持体上に感光
性塗膜を塗布した形態を有しており、その感光性塗膜を
適切な輻射線で露光後現像剤で処理する際に、輻射線被
露光塗膜の現像剤への溶解性が、輻射線未露光部の溶解
性よりも向上する事によって画像形成、製版されるタイ
プの印刷版である。製版後残っている画像領域(輻射線
未露光部)は、インク受容性もしくは疎水性であり、塗
膜が溶出除去された領域(輻射線被露光部)は、親水性
の支持体あるいは感光性塗膜と支持体の中間に親水性層
を設けることによって水受容性もしくは親水性である。
ポジ型平版PS版の分野では、このような機能を持つ感
光性塗膜として、o−ナフトキノンジアジド−5−スル
ホン酸誘導体とフェノール樹脂を組み合わせて用いる技
術が、例えば特公昭37−3627号公報、同37−1
954号公報、同43−28406号公報、同45−9
610号公報等に開示されている。しかし、これらの文
献に記載の輻射線は、o−ナフトキノンジアジド−5−
スルホン酸誘導体の有する紫外線領域の吸収波長に対応
した紫外線であって、その文献記載の塗膜は近赤外線領
域の輻射線に対する感光性を有していない事は自明の事
実である。
【0003】一方、近年のレーザーの発展はめざまし
く、特に波長760nmから1200nmの赤外線を放
射する高出力かつ小型の半導体レーザーあるいは固体レ
ーザーが容易に入手できるようになった。これらのレー
ザーを記録光源として用いる事により、コンピューター
等のデジタルデータからの高解像度直接製版が可能とな
るため、レーザーによるヒートモード製版材料の研究開
発が活発になってきた。例えば、特許第2577718
号公報には、フェノール樹脂、熱分解性のオニウム塩、
および近赤外線吸収染料を組み合わせた技術が開示され
ており、また、特開平7−20629号公報、同9−1
38500号公報、同9−185160号公報、同9−
211863号公報等には、フェノール樹脂、潜伏性ブ
レンステッド酸、および近赤外線吸収染料を組み合わせ
た技術が開示されている。これらの文献に記載の材料の
種類、分子量、配合比を適切にコントロールする事によ
り、ポジ型あるいはネガ型の赤外線感応性印刷版を得る
ことができる。しかし、高い赤外線感応性を有し、且
つ、優れた経時保存安定性と高い耐刷性を兼ね備えた赤
外線感応性印刷版は未だ開発されていないのが実状であ
る。
【0004】また、アルカリ可溶性樹脂、塩基性化合
物、及び光酸化剤を組み合わせた技術としては、特公昭
56−44416号公報等が開示されている。一方、分
子内に、光酸化剤として機能する置換基としてのニトロ
基を有する塩基性化合物と、アルカリ可溶性樹脂とを組
み合わせた技術としては、特開昭49−60733号公
報、あるいはジャーナル オブ イメージング サイエ
ンス第34巻50ページ(1990年)に開示がなされ
ている。しかし、これらの技術において記録に用いる輻
射線は、光酸化剤自体あるいは塩基性物質自体が有する
紫外領域の吸収に対応した紫外線であって、赤外線に感
応性を持つ記録材料の組み合わせは未だ知られていな
い。
【0005】さらに、親水性基を含有する樹脂、特定の
構造を有するチオピリリウム塩あるいは金属キレート化
合物あるいはホウ素塩、赤外線吸収染料を組み合わせた
ポジ型感光性組成物に関する技術が、特開平10−31
65号公報、同平10−153863号公報に開示され
ている。これらの技術では、(樹脂)と(赤外線吸収染
料)と(特定の構造のチオピリリウム塩あるいは金属キ
レート化合物あるいはホウ素塩)の3成分を混合する事
により、アルカリ性処理液に難溶性の凝集体を形成し、
赤外レーザー照射によって発生する熱のon/offに
よる凝集体の分解を誘起させ、アルカリ性処理液による
レーザー照射部分の溶出によって画像形成がなされる。
また、特開平9−43847号公報では、ノボラック樹
脂と赤外線吸収剤の2成分からなる混合物で薄膜を形成
し、赤外レーザー照射によって薄膜の結晶性の変化を誘
起し、アルカリ性処理液への薄膜の溶解性を変化させる
事を利用してレジスト材を製造する技術が開示されてい
る。しかし、これらの技術はレーザー感度が低く、ま
た、赤外レーザーの照射部分と未照射部分でのアルカリ
性処理液に対する溶解度差が小さいため、鮮明な画像を
形成する点で問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、近赤
外線を放射する半導体レーザーを用いて記録する事によ
り、コンピューター等のデジタルデータから直接製版可
能であり、さらに保存時の安定性に優れ、且つ、印刷時
の耐刷性が良好なポジ型感光性組成物を提供する事にあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、支持体上
に少なくとも、アルカリ性現像液に可溶性のポリマー
と、特定の構造を有するジヒドロピリジン、ピリリウム
塩、カルバメート、カルビノール、あるいはピナコール
の中の少なくとも一つと、特定の構造を有する近赤外線
吸収染料とを含有する記録層を有するポジ型感光性組成
物を用いる事により達成された。本発明の感光性組成物
の作用メカニズムについては、いまだ不明であるが、
(ポリマー)と(特定の構造を有するジヒドロピリジ
ン、ピリリウム塩、カルバメート、カルビノール、ある
いはピナコール)と(特定の構造を有する近赤外線吸収
染料)の3成分を均一に混合する事によりアルカリ性現
像液に難溶性の凝集体が形成され、さらにこの凝集体が
近赤外レーザーの照射を受けて解凝集する事、さらに
は、凝集体の解凝集から記録層の接触角の低下が誘起さ
れる事によって画像形成されるものと推定される。本
来、70度以上の接触角を有する記録層が近赤外レーザ
ー照射から受ける接触角の低下値は10度以下という非
常に小さな値であるが、アルカリ性現像液による現像処
理によって、この小さな接触角差から大きな現像ラチテ
ュードが得られる事は驚くべき事実である。一方、本発
明では、熱、紫外線に対して不安定な化合物(熱分解性
のスルホニウム塩、ヨードニウム塩等)を使用しないた
め、保存時の安定性に優れ、明室下での扱いでも安定し
た性能を有するポジ型感光性組成物が提供できる。
【0008】記録層に用いられるジヒドロピリジン化合
物としては、一般式[I]で示される化合物を用いる。
また、これらを二種以上組み合わせて用いる事も可能で
ある。
【0009】
【化11】
【0010】一般式[I]において、R1、R5は同一ま
たは異なっても良いアルキル基であり、R2,R4は同一
または異なっても良い−COOR′基、−COR′基、
または−CN基(式中、R′はアルキル基、アラルキル
基、あるいはアリール基である。)であり、R3はアル
キル基、アルケニル基、アラルキル基、アラルケニル
基、アリール基、あるいは芳香族複素環残基である。
【0011】R1、R5の具体例としては、メチル基、エ
チル基等のアルキル基を挙げる事ができる。
【0012】R2、R4の具体例としては、メトキシカル
ボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボ
ニル基、ベンジルオキシカルボニル基等のエステル残
基、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基あるいはシ
アノ基を挙げる事ができる。R2、R4は、さらに置換基
を有しても良い。
【0013】R3の具体例としては、メチル基、エチル
基、n−オクチル基等のアルキル基、1−プロペニル
基、3−シクロヘキセニル基等のアルケニル基、ベンジ
ル基、フェネチル基等のアラルキル基、スチリル基、シ
ンナミル基等のアラルケニル基、フェニル基、ナフチル
基、4−メチルフェニル基等のアリール基、4−ピリジ
ル基、2−フリル基等の芳香族複素環残基を挙げる事が
できる。R3は、さらに置換基を有しても良い。
【0014】記録層に用いられるピリリウム塩として
は、下記一般式[II]、[III]、[IV]で示される化
合物を用いる。また、これらを二種以上組み合わせて用
いる事も可能である。
【0015】
【化12】
【0016】一般式[II]において、R6、R7、R8
同一または異なっても良いアルキル基、アリール基、あ
るいはスチリル基である。X-は、過塩素酸イオン、テ
トラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロボレート
イオン等のカウンターアニオンである。
【0017】R6、R7、R8の具体例としては、メチル
基等のアルキル基、フェニル基、4−メチルフェニル
基、4−クロロフェニル基、4−メトキシフェニル基等
のアリール基、あるいは、スチリル基、4−ジメチルア
ミノスチリル基等が挙げられる。
【0018】
【化13】
【0019】一般式[III]において、R9、R10はシク
ロヘキサン環上の置換基であって、アルキル基あるいは
ハロゲン原子である。X-は、過塩素酸イオン、テトラ
フルオロボレートイオン、ヘキサフルオロボレートイオ
ン等のカウンターアニオンである。
【0020】
【化14】
【0021】一般式[IV]において、R11、R12
13、R14は同一または異なっても良いアルキル基、あ
るいはアリール基である。X-は、過塩素酸イオン、テ
トラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロボレート
イオン等のカウンターアニオンである。
【0022】R11、R12、R13、R14の具体例として
は、メチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基、
4−メチルフェニル基等のアリール基が挙げられる。X
-は、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオ
ン、ヘキサフルオロボレートイオン等のカウンターアニ
オンである。
【0023】カルバメートとしては、下記一般式
[V]、[VI]、[VII]で示される化合物を用いる。
また、これらを二種以上組み合わせて用いる事も可能で
ある。
【0024】
【化15】
【0025】一般式[V]において、R15はアリール
基、アルキル基、あるいはアラルキル基であり、R16
水素原子、アリール基、アルキル基、あるいはアラルキ
ル基であって、R15とR16が互いに連結して環状炭化水
素残基を形成しても良い。R17は、アリール基、アルキ
ル基、あるいはアラルキル基である。
【0026】R15とR16の具体例としては、フェニル
基、p−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル
基、、2−トリフルオロメチルフェニル基、1−ナフチ
ル基等のアリール基、n−プロピル基、n−ヘキシル
基、シクロヘキシル基、n−オクタデシル基等のアルキ
ル基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基が挙
げられる。また、R15とR16が互いに連結して環状炭化
水素残基を形成している例としては、ピペリジン、ピロ
リジン、1,2,3,4−テトラハイドロイソキノリン
等を形成する炭化水素残基が挙げられる。
【0027】R17の具体例としては、フェニル基、4−
メトキシフェニル基等のアリール基、エチル基、n−ヘ
キシル基等のアルキル基、ベンジル基、1,2,3,4
−テトラハイドロ−1−ナフチル基、フェネチル基等の
アラルキル基が挙げられるが、これらはさらに置換基を
有しても良い。
【0028】
【化16】
【0029】一般式[VI]において、R18は脂肪族炭化
水素残基、芳香族炭化水素残基、あるいは複素環残基か
ら構成される二価の有機残基であり、R19とR20はアリ
ール基、アルキル基、あるいはアラルキル基である。
【0030】R18の具体例としては、エチレン基、プロ
ピレン基等の脂肪族炭化水素残基、フェニレン基、p−
キシリレン基等の芳香族炭化水素残基、ピリジン−2,
6−ジメチレン基、ピラジン−2,5−ジメチレン基等
の複素環残基が挙げられるが、これらはさらに置換基を
有しても良い。
【0031】
【化17】
【0032】一般式[VII]において、R21は脂肪族炭
化水素残基、あるいは芳香族炭化水素残基から構成され
る二価の有機残基であり、R22とR23はアリール基、ア
ルキル基、あるいはアラルキル基である。R22とR23
は同一でも、あるいは異なっていても良い。
【0033】R21の具体例としては、ヘキサメチレン
基、イソホロン残基等の脂肪族炭化水素残基、m−キシ
リレン基、p−キシリレン基等の芳香族炭化水素残基が
挙げられる。R22とR23の具体例としては、フェニル
基、ナフチル基等のアリール基、エチル基、n−ヘキシ
ル基等のアルキル基、ベンジル基、フェネチル基等のア
ラルキル基が挙げられるが、これらはさらに置換基を有
しても良い。
【0034】カルビノールとしては、下記一般式[VII
I]で示される化合物を用いる。また、これらを二種以
上組み合わせて用いる事も可能である。
【0035】
【化18】
【0036】一般式[VIII]において、Ar1、Ar2
Ar3はアリール基、あるいは複素環残基である。A
1、Ar2、Ar3は同一でも、あるいは異なっていて
も良い。
【0037】Ar1、Ar2、Ar3の具体例としては、
フェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、1−ナフ
チル基等のアリール基、4−ピリジル基等の複素環残基
が挙げられるが、これらはさらに置換基を有しても良
い。
【0038】ピナコールとしては、下記一般式[IX]で
示される化合物を用いる。また、これらを二種以上組み
合わせて用いる事も可能である。
【0039】
【化19】
【0040】Ar4、Ar5、Ar6、Ar7は同一でも、
あるいは異なっていても良く、その具体例としては、フ
ェニル基、m−メチルフェニル基、ビフェニル基、ナフ
チル基等のアリール基が挙げられるが、これらはさらに
置換基を有しても良い。
【0041】記録層中に添加する赤外線吸収染料として
は、下記一般式[X]で示されるシアニン染料を用い
る。また、これらを二種以上組み合わせて用いる事も可
能である。
【0042】
【化20】
【0043】一般式[X]において、R24は水素原子、
アルキル基、ハロゲン原子、あるいはジフェニルアミノ
基を表し、R25、R26はアルキル基、アルコキシアルキ
ル基、アシルオキシアルキル基、あるいはスルホアルキ
ル基を表し、R27、R28は水素原子、ハロゲン原子、ア
ルコキシ基、あるいはフェニル基を表し、フェニル基の
場合には染料骨格のフェニル基と縮合してナフタレン環
を形成しても良い。Z1は染料骨格の炭素原子上の置換
基であって、染料骨格の炭素原子と連結してシクロヘキ
セン環あるいはシクロペンテン環を形成する二価の炭化
水素残基、あるいは独立した2個の水素原子、あるいは
独立した2個のアルキル基である。X1、X2は硫黄原
子、置換基を有してもよいメチレン基、あるいは無置換
のビニレン基であって、メチレン基の置換基は、炭素数
6以下の二つのアルキル基、あるいは炭素数6以下のス
ピロ環を形成する炭化水素残基である。Y-は染料の対
アニオンを表すが、R25、R26が、共にスルホアルキル
基の場合は、染料自体が中性分子となるため、不要であ
る。
【0044】
【発明の実施の形態】次に、本発明のポジ型感光性組成
物に用いられる、一般式[I]で示される化合物の具体
例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0045】
【化21】
【0046】
【化22】
【0047】
【化23】
【0048】
【化24】
【0049】これらのジヒドロピリジン化合物は、ジャ
ーナル オブ オーガニックケミストリー第30巻19
14ページ(1965年)の記載、ジャーナル オブ
ケミカルソサエティー(1946年)884ページの記
載、オーガニック シンセシス(コレクティブボリュー
ム)第2巻214ページの記載、あるいは、アンゲバン
テ ケミー(インターナショナルディション)第20巻
762ページ(1981年)の記載等のHantzsc
hのピリジン合成法に基づいて容易に合成できる。
【0050】次に、本発明のポジ型感光性組成物に用い
られる、一般式[II]で示される化合物の具体例を以下
に示すが、これらに限定されるものではない。
【0051】
【化25】
【0052】
【化26】
【0053】これらの化合物は、オーガニック シンセ
シス第44巻101ページ(1964年)の記載、ヘル
ベチカ ケミカ アクタ第34巻2290ページ(19
51年)の記載、ヘルベチカ ケミカ アクタ第45巻
1918ページ(1962年)の記載、Tetrahe
dron.Supplement第7巻1ページ(19
66年)の記載等の合成法に基づいて容易に合成でき
る。
【0054】次に、本発明のポジ型感光性組成物に用い
られる、一般式[III]で示される化合物の具体例を以
下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0055】
【化27】
【0056】これらの化合物は、Chemische
Berichte第102巻(1969年)1214ペ
ージ、tetrahedron第22巻(1966年)
1821ページ等の記載に従って合成できる。
【0057】次に、本発明のポジ型感光性組成物に用い
られる、一般式[IV]で示される化合物の具体例を以下
に示すが、これらに限定されるものではない。
【0058】
【化28】
【0059】これらの化合物は、Tetrahedro
n第27巻(1971年)3503ページ等の記載に従
って合成できる。
【0060】次に、本発明のポジ型感光性組成物に用い
られる、一般式[V]で示される化合物の具体例を以下
に示すが、これらに限定されるものではない。
【0061】
【化29】
【0062】
【化30】
【0063】
【化31】
【0064】次に、本発明のポジ型感光性組成物に用い
られる、一般式[VI]で示される化合物の具体例を以下
に示すが、これらに限定されるものではない。
【0065】
【化32】
【0066】
【化33】
【0067】次に、本発明のポジ型感光性組成物に用い
られる、一般式[VII]で示される化合物の具体例を以
下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0068】
【化34】
【0069】
【化35】
【0070】次に、本発明のポジ型感光性組成物に用い
られる、一般式[VIII]で示される化合物の具体例を以
下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0071】
【化36】
【0072】次に、本発明のポジ型感光性組成物に用い
られる、一般式[IX]で示される化合物の具体例を以下
に示すが、これらに限定されるものではない。
【0073】
【化37】
【0074】次に、本発明のポジ型感光性組成物に用い
られる、近赤外線吸収染料のうち、一般式[X]で示さ
れる化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定され
るものではない。
【0075】
【化38】
【0076】
【化39】
【0077】
【化40】
【0078】本発明のポジ型感光性組成物の記録層に用
いられる、少なくともアルカリ性現像液に可溶性のポリ
マーとしては、フェノール樹脂が好ましく、より具体的
にはノボラック樹脂、レゾール樹脂、またはポリビニル
フェノール樹脂が好ましい。
【0079】ノボラック樹脂としては、フェノール、ク
レゾール、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノ
ールA、t−ブチルフェノール、1−ナフトール等の芳
香族炭化水素類の少なくとも一種を酸性触媒下、ホルム
アルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類、あるいは、ア
セトン、メチルエチルケトン等のケトン類と重縮合させ
た物が挙げられる。ノボラック樹脂の分子量に関して
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)測定によるポリスチレン換算重量平均分子量(M
w)が、1000〜15000の物が好ましく、さらに
その中でも1500〜10000の物が特に好ましい。
【0080】レゾール樹脂としては、フェノール、クレ
ゾール、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノー
ルA、t−ブチルフェノール、1−ナフトール等の芳香
族炭化水素類の少なくとも一種を塩基性触媒下、ホルム
アルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類と重縮合させた
物が挙げられる。レゾール樹脂の分子量に関しては、G
PC測定によるMwが、1000〜5000の物が好ま
しく、さらにその中でも1500〜3000の物が特に
好ましい。また、レゾール樹脂の性状としては、室温下
で固体の物がポジ型感光性組成物の経時保存安定性を保
持するために好ましい。
【0081】ポリビニルフェノール樹脂としては、o−
ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−
(m−ヒドロキシフェニル)プロピレンなどのヒドロキ
シスチレン類の単独または2種類以上の共重合体が挙げ
られる。また、t−ブトキシカルボニル基、ピラニル
基、フラニル基などでポリビニルフェノール類の一部の
ヒドロキシ基を保護した樹脂でも良い。ポリビニルフェ
ノール樹脂のMwは、好ましくは1000〜10000
0、中でも特に好ましくは1500〜50000の物が
用いられる。
【0082】上記の樹脂のうち、中でもノボラック樹脂
がポジ型感光性組成物の経時保存安定性と、生じる画像
の機械的強度を保持するために特に好ましい。
【0083】本発明のポジ型感光性組成物の記録層にお
ける、アルカリ性現像液に可溶性のポリマーの使用割合
は、該記録層の全固形分に対して通常40重量%から9
5重量%であり、好ましくは60重量%から90%重量
である。
【0084】本発明のポジ型感光性組成物の記録層にお
ける、一般式[I]で示される化合物の使用割合は、記
録層中の材料の全固形分に対して通常0.5重量%から
30重量%であり、好ましくは1重量%から10重量%
である。[I]の化合物の使用量が多すぎる場合は、ア
ルカリ性現像液に対する非画像部(レーザー照射部分)
の溶出性が低下し、使用量が少なすぎるとアルカリ性現
像液への画像部(レーザー非照射部分)の溶出抵抗性が
悪くなる。
【0085】本発明のポジ型感光性組成物の記録層にお
ける、一般式[II]、[III]、あるいは[IV]で示さ
れる化合物の使用割合は、記録層中の材料の全固形分に
対して通常0.5重量%から30重量%であり、好まし
くは1重量%から10重量%である。[II]、[II
I]、あるいは[IV]の化合物の使用量が多すぎる場合
は、アルカリ性現像液に対する非画像部(レーザー照射
部分)の溶出性が低下し、使用量が少なすぎるとアルカ
リ性現像液への画像部(レーザー非照射部分)の溶出抵
抗性が悪くなる。
【0086】本発明のポジ型感光性組成物の記録層にお
ける、一般式[V]、[VI]、[VII]、[VIII]、あ
るいは[IX]で示される化合物の使用割合は、記録層中
の材料の全固形分に対して通常0.5重量%から30重
量%であり、好ましくは1重量%から10重量%であ
る。[V]、[VI]、[VII]、[VIII]、あるいは[I
X]の化合物の使用量が多すぎる場合は、アルカリ性現
像液に対する非画像部(レーザー照射部分)の溶出性が
低下し、使用量が少なすぎるとアルカリ性現像液への画
像部(レーザー非照射部分)の溶出抵抗性が悪くなる。
【0087】近赤外線吸収染料については、一般式
[X]で示される化合物と併せて、波長700nmから
1200nmに吸収極大を有する市販の染料または顔料
を使用する事ができる。具体的には、アゾ染料、金属錯
塩アゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、
フタロシアニン染料、スクワリリウム染料、キノンイミ
ン染料、アミニウム染料、ジインモニウム染料、金属チ
オラート錯体、チオピリリウム塩、不溶性アゾ顔料、キ
レートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔
料、ペリノン系顔料、カーボンブラック等が挙げられ
る。その中でも、溶剤に可溶性のフタロシアニン染料、
アミニウム染料、ジインモニウム染料が、画像の機械的
強度を低下させない点と、アルカリ性現像液に対する非
画像部分(レーザー照射部分)の溶出性を低下させない
点から特に好ましい。
【0088】一般式[X]で示される近赤外線吸収染料
と併せて別種の近赤外線吸収染料を使用する場合、その
別種の染料は、一般式[X]で示される化合物を含有す
る記録層中に添加しても良く、また記録層に隣接して設
けた隣接層中に添加しても良い。
【0089】本発明のポジ型感光性組成物に用いられる
近赤外線吸収染料の使用割合は、記録層に添加する場
合、記録層中の材料の全固形分に対して通常1重量%か
ら60重量%であり、好ましくは5重量%から40重量
%である。さらに、一般式[X]で示される近赤外線吸
収染料(これらの染料を(a)と略記する)と共に、ア
ミニウム染料、ジインモニウム染料、あるいはフタロシ
アニン化合物(これらの染料を(b)と略記する)を記
録層に併用する場合、(a)と(b)の使用割合は、添
加重量比(b/a)として、0.5/1から20/1で
あり、好ましくは1/1から10/1である。記録層の
隣接層に近赤外線吸収物質(b)を添加する場合、その
使用割合は、隣接層中の材料の全固形分に対して通常5
重量%から70重量%であり、好ましくは10重量%か
ら50重量%である。
【0090】アミニウム染料あるいはジインモニウム染
料としては、700nmより長波長に吸収ピークを有す
る化合物として、次に挙げる市販品を用いる事ができ
る。
【0091】アミニウム染料:IRG002、IRG0
03(日本化薬(株)製)
【0092】ジインモニウム染料:IRG022、IR
G023(日本化薬(株)製)
【0093】フタロシアニン化合物としては、市販され
ている種々の染料、顔料が使用できるが、アルカリ性現
像液に対する非画像部(レーザー照射部分)の溶出性を
低下させない点から、有機溶剤に可溶なフタロシアニン
化合物が特に好ましい。次に挙げる市販品を用いる事が
できる。
【0094】EXcolorIR−1、EXcolor
IR−3(日本触媒(株)製)
【0095】隣接層に用いられるアルカリ性現像液に可
溶性のポリマーとしては、記録層に用いられるフェノー
ル樹脂と全く同じ物が使用できるが、それ以外にアクリ
ル樹脂、ポリスチレン等も使用できる。具体的には、次
に示すモノマー単位を有するポリマーが挙げられる。N
−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、p−ヒ
ドロキシスチレン、p−ヒドロキシフェニルメタクリレ
ート、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イ
タコン酸等を挙げる事ができる。その中でも特に、これ
らのモノマーと、スチレン、メチルメタクリレート、ブ
チルアクリレート、ベンジルメタクリレート、あるいは
アクリロニトリル等のモノマーとの共重合体が好まし
い。これらの樹脂のMwは、好ましくは5000〜15
0000、中でも特に好ましくは10000〜1000
00である。
【0096】本発明のポジ型感光性組成物の隣接層にお
ける、アルカリ性現像液に可溶性のポリマーの使用割合
は、該隣接層の全固形分に対して通常40重量%から9
5重量%であり、好ましくは60重量%から90%重量
である。
【0097】本発明のポジ型感光性組成物の隣接層は、
記録層と支持体の中間に設けても良く、記録層の上層に
設けても良いが、アルカリ性現像液による処理後の非画
像部(レーザー照射部)の地カブリを軽減する面から、
記録層と支持体の中間に設ける事が特に好ましい。
【0098】本発明のポジ型感光性組成物には、現像処
理に対する安定性を高めるために、ソルビタントリステ
アレート、ソルビタンモノパルミテート、ステアリン酸
モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル等の非イオン性界面活性剤を添加する事ができ
る。これらの界面活性剤の感光性組成物中に占める割合
は、感光性組成物の全固形分に対して、0.05から1
5重量%が好ましく、その中でも0.1から5重量%が
特に好ましい。
【0099】本発明の感光性組成物には、構成成分を適
当な溶剤に溶かし、適切な支持体上に塗布する事によっ
て製造できる。ここで使用する溶剤としては、メタノー
ル、エタノール、1−プロパノール、1−メトキシ−2
−プロパノール等のアルコール類、THF、1,4−ジ
オキサン、1,2−ジメトキシエタン、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチ
ルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素類、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソブチル
等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の
アミド類、ジメチルスルホキシド、水等を挙げる事がで
きるが、これらに限定されるものではない。これらの溶
媒は単独あるいは混合して使用される。塗液の固形分濃
度は、好ましくは1〜50重量%である。また、塗布乾
燥後に得られる支持体上の塗布量は、0.5〜5.0g
/m2が好ましい。塗布方法としては、バーコーター塗
布、スピナー塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディ
ップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗
布等を挙げる事ができる。
【0100】本発明に使用される支持体としては、紙、
ポリエチレン等のプラスチックがラミネートされた紙、
アルミニウム、亜鉛、銅等の金属、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネ
ート、酢酸セルロース等のプラスチックフィルム、金属
が蒸着されたプラスチック等が挙げられる。本発明に用
いられる支持体として好ましい物は、ポリエステルフィ
ルム、あるいはアルミニウム板であり、その中でもアル
ミニウム板は寸法安定性が良く、比較的安価であるので
特に好ましい。アルミニウム版の厚みは、0.1mm〜
1mmが好ましく、その中でも0.2〜0.4mmが特
に好ましい。
【0101】アルミニウム板は、印刷版の分野で公知の
技術により、脱脂処理、粗面化処理、陽極酸化処理を施
した物を用いる事が好ましい。陽極酸化処理を施したア
ルミニウム表面は必要に応じてケイ酸ナトリウム、フッ
化ジルコン酸カリウム、ポリビニルスルホン酸等を用い
て親水化処理を施しても良い。
【0102】本発明のポジ型感光性組成物は、必要に応
じて支持体上に下塗層を設ける事ができる。下塗層成分
としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、デキ
ストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン
酸、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、アル
キルホスフィン酸、グリシン、β−アラニン、トリエタ
ノールアミンの塩酸塩等が挙げられるが、これらのうち
の複数の物を適宜混合して用いても良い。下塗層の塗布
量は2mg〜200mg/m2が好ましい。
【0103】本発明のポジ型感光性組成物を用いて平版
印刷用版材を作製する事ができる。この版材は、波長7
00〜900nmの近赤外線を放射する半導体レーザー
によって画像露光される。半導体レーザーの出力に関し
ては、100mW〜5Wの出力の物が用いられ、感光性
組成物への近赤外線レーザーの露光時間に関しては、半
導体レーザーの出力に応じて、0.1×10-6秒から1
×10-3秒が選ばれる。本発明においては、レーザー露
光の後直ちに現像処理を行うことができ、レーザー露光
と現像処理の間の加熱処理工程等、現像前処理工程は何
ら必要がない。
【0104】本発明のポジ型感光性組成物の記録層の接
触角に関しては、記録層上に置いた蒸留水の水滴を接触
角計を用いて液滴法に従って測定できる。測定法に関し
ては、新実験化学講座(丸善)第18巻97ページに記
載の方法等に準じて測定できる。また、親油性の樹脂を
主成分とする記録層をインキ受理層として用いる印刷版
においては、記録層が十分にインキを受理するための必
要条件として、記録層の接触角が少なくとも50度以
上、好ましくは70度以上であることは、印刷版の技術
分野で公知の事実である。本発明のポジ型感光性組成物
の記録層は70度以上の接触角を有するが、その記録層
が近赤外レーザー照射から受ける接触角の低下値は最大
でも10度であって、それ以上には低下しない。しか
し、アルカリ性現像液による現像処理によって、この小
さな接触角差から大きな現像ラチテュードが得られる。
【0105】レーザー露光後、版材はアルカリ性現像液
で現像処理される。現像液としては、従来より知られて
いるアルカリ水溶液が使用できる。例えば、ケイ酸ナト
リウム、ケイ酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カ
リウム、リン酸アンモニウム、リン酸一水素ナトリウ
ム、リン酸一水素カリウム、リン酸一水素アンモニウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素
アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホ
ウ酸アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、アンモニア、水酸化リチウム、などの無機アルカリ
塩が挙げられる。また、メチルアミン、ジメチルアミ
ン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミ
ン、トリエチルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、エチレンジアミン等の有機アルカリ剤を用いられ
る。これらのアルカリ剤は単独もしくは2種以上を組み
合わせて用いる事ができる。これらのアルカリ剤の中で
特に好ましいものは、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウ
ム等のアルカリ金属のケイ酸塩の水溶液である。
【0106】また、現像液には現像速度のコントロール
や現像カスの分散や印刷版画像部のインキ親和性を高め
る目的で、必要に応じて種々の界面活性剤や有機溶剤を
添加できる。また、現像液に必要に応じて、ハイドロキ
ノン、レゾルシン、カテコール等の有機還元剤、亜硫酸
ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の無機還元剤、消
泡剤、硬水軟化用キレート剤等を添加する事ができる。
【0107】現像液で処理された印刷版は、水洗水、界
面活性剤を含むリンス液、アラビアガムやデンプン誘導
体を含む不感脂化液で後処理される。本発明のポジ型感
光性組成物を印刷版として使用する場合、これらの処理
を種々組み合わせて処理した後、オフセット印刷機等に
かけられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0108】
【実施例】以下で、実施例により、さらに詳細に本発明
の効果を説明するが、本発明はこれにより限定されるも
のではない。なお、実施例中の「部」および「%」はそ
れぞれ「重量部」および「重量%」を示す。
【0109】(アルミニウム板の作製)厚さ0.30m
mのアルミニウム版(材質1050)を、5%の水酸化
ナトリウム水溶液中での脱脂処理(40℃で10秒
間)、0.5モル/リットルの濃度の塩酸水溶液中での
電解エッチング(25℃、電流密度40A/dm2で3
0秒間)、5%水酸化ナトリウム水溶液中でのデスマッ
ト処理(30℃で10秒間)、次いで20%硫酸水溶液
中での陽極酸化処理(20℃、電流密度5A/dm2
1分間)を行って平版印刷版用支持体のアルミニウム板
を作製した。
【0110】実施例1 下記の処方1に基づいた感光液をアルミニウム版上にワ
イヤーバーで塗布し、40℃で20分間乾燥させ、乾燥
塗布量4.1g/m2の近赤外線感光性組成物を得た。
これを回転ドラムに取り付け、830nmの半導体レー
ザー(出力500mW)をレンズで20μmのビーム径
に絞って走査露光を行った。露光済み感光性組成物を、
現像液MX1710(イーストマンコダック社製;サー
マルプリンティングプレート用)を用いて25℃、30
秒間現像処理した。得られた画線が20μm巾を与える
ドラム回転スピードから感度をエネルギー値として求め
て初期感度とした。一方、同一処方により作製した試料
を温度60℃のオーブン中に6日間放置して加速劣化さ
せた後、同様の方法により求めたエネルギー値を劣化後
感度とした。次いで次式に従って感度保持率を求めた。 感度保持率=(1/劣化後感度)÷(1/初期感度) 結果を表2に示す。
【0111】
【表1】
【0112】
【表2】
【0113】このようにして得られた平版印刷版を、オ
フセット印刷機(リョウビ(株)製3200MCD)に
装着し、15万枚まで印刷を行ったところ、非画像部汚
れのない印刷画質に優れた印刷物が得られた。
【0114】実施例2〜7 実施例1の処方1に従って、化合物[I]と化合物
[X]の例示化合物を種々変化させて近赤外線感光性組
成物を作製した。実施例1と同様の試験の結果を表3に
示す。また、このようにして得られた平版印刷版を、オ
フセット印刷機(リョウビ(株)製3200MCD)に
装着し、15万枚まで印刷を行ったところ、いずれも非
画像部汚れのない印刷画質に優れた印刷物が得られた。
【0115】
【表3】
【0116】実施例8 印刷版用アルミニウム版に下記処方2で示される下塗液
をワイヤーバーを用いて塗布し、80℃で30秒間乾燥
した。塗布量は10mg/m2であった。次に、下記処
方3で示される感光液をワイヤーバーで塗布し、40℃
で20分間乾燥させ、乾燥塗布量4.1g/m2の近赤
外線感光性組成物を得た。これを回転ドラムに取り付
け、830nmの半導体レーザー(出力500mW)を
レンズで20μmのビーム径に絞って走査露光を行っ
た。露光済み感光性組成物を、現像液MX1710(イ
ーストマンコダック社製;サーマルプリンティングプレ
ート用)を用いて25℃、30秒間現像処理した。得ら
れた画線が20μm巾を与えるドラム回転スピードから
感度をエネルギー値として求めて初期感度とした。一
方、同一処方により作成した試料を温度60℃のオーブ
ン中に6日間放置して加速劣化させた後、同様の方法に
より求めたエネルギー値を劣化後感度とした。次いで次
式に従って感度保持率を求めた。 感度保持率=(1/劣化後感度)÷(1/初期感度) 結果を表6に示す。
【0117】
【表4】
【0118】
【表5】
【0119】
【表6】
【0120】このようにして得られた平版印刷版を、オ
フセット印刷機(リョウビ(株)製3200MCD)に
装着し、15万枚まで印刷を行ったところ、非画像部汚
れのない印刷画質に優れた印刷物が得られた。
【0121】比較例1 印刷版用アルミニウム板に、下記処方4で示される感光
液をワイヤーバーで塗布し、40℃で20分間乾燥さ
せ、乾燥膜厚4.1g/m2の近赤外線感光性組成物を
得た。これを回転ドラムに取り付け、830nmの半導
体レーザー(出力500mW)をレンズで20μmのビ
ーム径に絞って走査露光を行った。露光済み感光性組成
物を、現像液MX1710(イーストマンコダック社
製;サーマルプリンティングプレート用)を用いて25
℃、30秒間現像処理した。得られた画線が20μm巾
を与えるドラム回転スピードから感度をエネルギー値と
して求めて初期感度とした。一方、同一処方により作製
した試料を温度60℃のオーブン中に6日間放置して加
速劣化させた後、同様の方法により求めたエネルギー値
を劣化後感度とした。オーブン中で6日間加熱放置する
事により、レーザー照射部分の現像液への溶出性は、全
くなくなってしまい、印刷版として機能しない。結果を
表8に示す。
【0122】
【表7】
【0123】
【表8】
【0124】実施例9 下記の処方5に基づいた感光液をアルミニウム版上にワ
イヤーバーで塗布し、40℃で20分間乾燥させ、膜厚
1.3g/m2の近赤外線感光性組成物を得た。これを
回転ドラムに取り付け、830nmの半導体レーザー
(出力500mW)をレンズで20μmのビーム径に絞
って走査露光を行った。露光済み感光性組成物を、下記
処方6に基づいた現像液を用いて30℃、30秒間現像
処理した。得られた画線が20μm巾を与えるドラム回
転スピードから感度をエネルギー値として求めて初期感
度とした。一方、同一処方により作製した試料を温度6
0℃のオーブン中に6日間放置して加速劣化させた後、
同様の方法により求めたエネルギー値を劣化後感度とし
た。次いで次式に従って感度保持率を求めた。 感度保持率=(1/劣化後感度)÷(1/初期感度) 結果を表11に示す。
【0125】
【表9】
【0126】
【表10】
【0127】
【表11】
【0128】このようにして得られた平版印刷版を、オ
フセット印刷機(リョウビ(株)製3200MCD)に
装着し、15万枚まで印刷を行ったところ、非画像部汚
れのない印刷画質に優れた印刷物が得られた。
【0129】実施例10 下記の処方7に基づいた感光液をアルミニウム板上にワ
イヤーバーで塗布し、90℃で20分間乾燥させ、乾燥
塗布量1.3g/m2の近赤外線感光性組成物を得た。
これを回転ドラムに取り付け、830nmの半導体レー
ザー(出力500mW)をレンズで20μmのビーム径
に絞って走査露光を行った。露光済み感光性組成物を、
現像液MX1710(イーストマンコダック社製;サー
マルプリンティングプレート用)を用いて25℃、30
秒間現像処理した。得られた画線が20μm巾を与える
ドラム回転スピードから感度をエネルギー値として求め
て初期感度とした。一方、同一処方により作製した試料
を温度60℃のオーブン中に6日間放置して加速劣化さ
せた後、同様の方法により求めたエネルギー値を劣化後
感度とした。次いで次式に従って感度保持率を求めた。
【0130】 感度保持率=(1/劣化後感度)÷(1/初期感度) 結果を表13に示す。
【0131】
【表12】
【0132】
【表13】
【0133】このようにして得られた平版印刷版を、オ
フセット印刷機(リョウビ(株)製3200MCD)に
装着し、15万枚まで印刷を行ったところ、非画像部汚
れのない印刷画質に優れた印刷物が得られた。
【0134】実施例11〜16 実施例10の処方7に従って、例示化合物を種々変化さ
せて近赤外線感光性組成物を作製した。実施例10と同
様の試験の結果を表14に示す。また、このようにして
得られた平版印刷版を、オフセット印刷機(リョウビ
(株)製3200MCD)に装着し、15万枚まで印刷
を行ったところ、いずれも非画像部汚れのない印刷画質
に優れた印刷物が得られた。
【0135】
【表14】
【0136】実施例17 印刷版用アルミニウム板に下記処方8で示される下塗液
をワイヤーバーを用いて塗布し、80℃で30秒間乾燥
した。塗布量は10mg/m2であった。次に、下記処
方9で示される感光液をワイヤーバーで塗布し、90℃
で20分間乾燥させ、乾燥塗布量1.7g/m2の近赤
外線感光性組成物を得た。これを回転ドラムに取り付
け、830nmの半導体レーザー(出力500mW)を
レンズで20μmのビーム径に絞って走査露光を行っ
た。露光済み感光性組成物を、10%メタケイ酸ナトリ
ウム水溶液を用いて25℃、30秒間現像処理した。得
られた画線が20μm巾を与えるドラム回転スピードか
ら感度をエネルギー値として求めて初期感度とした。一
方、同一処方により作製した試料を温度60℃のオーブ
ン中に6日間放置して加速劣化させた後、同様の方法に
より求めたエネルギー値を劣化後感度とした。次いで次
式に従って感度保持率を求めた。
【0137】 感度保持率=(1/劣化後感度)÷(1/初期感度) 結果を表17に示す。
【0138】
【表15】
【0139】
【表16】
【0140】
【表17】
【0141】このようにして得られた平版印刷版を、オ
フセット印刷機(リョウビ(株)製3200MCD)に
装着し、15万枚まで印刷を行ったところ、非画像部汚
れのない印刷画質に優れた印刷物が得られた。
【0142】比較例2 印刷版用アルミニウム板に、下記処方10で示される感
光液をワイヤーバーで塗布し、90℃で20分間乾燥さ
せ、乾燥塗布量1.3g/m2の近赤外線感光性組成物
を得た。これを回転ドラムに取り付け、830nmの半
導体レーザー(出力500mW)をレンズで20μmの
ビーム径に絞って走査露光を行った。露光済み印刷版
を、現像液MX1710(イーストマンコダック社製;
サーマルプリンティングプレート用)を用いて25℃、
30秒間現像処理した。得られた画線が20μm巾を与
えるドラム回転スピードから感度をエネルギー値として
求めて初期感度とした。一方、同一処方により作製した
試料を温度60℃のオーブン中に6日間放置して加速劣
化させた後、同様の方法により求めたエネルギー値を劣
化後感度とした。結果を表19にまとめる。初期感度も
低く、加速劣化による感度低下も大きい事が判る。
【0143】
【表18】
【0144】
【表19】
【0145】
【化41】
【0146】実施例18 下記の処方11に基づいた感光液をアルミニウム板上に
ワイヤーバーで塗布し、90℃で20分間乾燥させ、乾
燥塗布量1.3g/m2の近赤外線感光性組成物を得
た。これを回転ドラムに取り付け、830nmの半導体
レーザー(出力500mW)をレンズで20μmのビー
ム径に絞って走査露光を行った。露光済み感光性組成物
を、現像液MX1710(イーストマンコダック社製;
サーマルプリンティングプレート用)を用いて25℃、
30秒間現像処理した。得られた画線が20μm巾を与
えるドラム回転スピードから感度をエネルギー値として
求めて初期感度とした。一方、同一処方により作製した
試料を温度60℃のオーブン中に6日間放置して加速劣
化させた後、同様の方法により求めたエネルギー値を劣
化後感度とした。次いで次式に従って感度保持率を求め
た。
【0147】 感度保持率=(1/劣化後感度)÷(1/初期感度) 結果を表21に示す。
【0148】
【表20】
【0149】
【表21】
【0150】このようにして得られた平版印刷版を、オ
フセット印刷機(リョウビ(株)製3200MCD)に
装着し、15万枚まで印刷を行ったところ、非画像部汚
れのない印刷画質に優れた印刷物が得られた。
【0151】実施例19〜27 実施例18の処方11に従って、例示化合物を種々変化
させて近赤外線感光性組成物を作製した。実施例18と
同様の試験の結果を表22に示す。また、このようにし
て得られた平版印刷版を、オフセット印刷機(リョウビ
(株)製3200MCD)に装着し、15万枚まで印刷
を行ったところ、いずれも非画像部汚れのない印刷画質
に優れた印刷物が得られた。
【0152】
【表22】
【0153】実施例28 印刷版用アルミニウム板に下記処方12で示される下塗
液をワイヤーバーを用いて塗布し、80℃で30秒間乾
燥した。塗布量は10mg/m2であった。次に、下記
処方13で示される感光液をワイヤーバーで塗布し、9
0℃で20分間乾燥させ、乾燥塗布量1.7g/m2
近赤外線感光性組成物を得た。これを回転ドラムに取り
付け、830nmの半導体レーザー(出力500mW)
をレンズで20μmのビーム径に絞って走査露光を行っ
た。露光済み感光性組成物を、10%メタケイ酸ナトリ
ウム水溶液を用いて25℃、30秒間現像処理した。得
られた画線が20μm巾を与えるドラム回転スピードか
ら感度をエネルギー値として求めて初期感度とした。一
方、同一処方により作製した試料を温度60℃のオーブ
ン中に6日間放置して加速劣化させた後、同様の方法に
より求めたエネルギー値を劣化後感度とした。次いで次
式に従って感度保持率を求めた。
【0154】 感度保持率=(1/劣化後感度)÷(1/初期感度) 結果を表25に示す。
【0155】
【表23】
【0156】
【表24】
【0157】
【表25】
【0158】このようにして得られた平版印刷版を、オ
フセット印刷機(リョウビ(株)製3200MCD)に
装着し、15万枚まで印刷を行ったところ、非画像部汚
れのない印刷画質に優れた印刷物が得られた。
【0159】実施例29 下記の処方14に基づいた塗液をアルミニウム板上にワ
イヤーバーで塗布し、90℃で20分間乾燥させ、近赤
外線吸収染料を含有する膜厚0.8g/m2の隣接層を
設けた。さらに、下記の処方15に基づいた塗液をワイ
ヤーバーで塗布し、90℃で20分間乾燥させ、膜厚
1.3g/m2の記録層を重層した。このようにして作
った赤外線感光性組成物を回転ドラムに取り付け、83
0nmの半導体レーザー(出力500mW)をレンズで
20μmのビーム径に絞って走査露光を行った。露光済
み感光性組成物を、10%メタケイ酸ナトリウム水溶液
を用いて25℃、30秒間現像処理した。得られた画線
が20μm巾を与えるドラム回転スピードから感度をエ
ネルギー値として求めて初期感度とした。一方、同一処
方により作製した試料を温度60℃のオーブン中に6日
間放置して加速劣化させた後、同様の方法により求めた
エネルギー値を劣化後感度とした。次いで次式に従って
感度保持率を求めた。 感度保持率=(1/劣化後感度)÷(1/初期感度) 結果を表28に示す。
【0160】
【表26】
【0161】
【表27】
【0162】
【表28】
【0163】このようにして得られた平版印刷版を、オ
フセット印刷機(リョウビ(株)製3200MCD)に
装着し、15万枚まで印刷を行ったところ、非画像部汚
れのない印刷画質に優れた印刷物が得られた。
【0164】実施例30〜33 実施例29の処方14に従って膜厚0.8g/m2の隣
接層を設け、さらに処方15に従って化合物[I]と化
合物[X]の例示化合物を種々変化させて膜厚1.3g
/m2の記録層を重層した。このようにして作った近赤
外線感光性組成物を用いて実施例29と同様の試験を行
った。その結果を表29に示す。また、このようにして
得られた平版印刷版を、オフセット印刷機(リョウビ
(株)製3200MCD)に装着し、15万枚まで印刷
を行ったところ、いずれも非画像部汚れのない印刷画質
に優れた印刷物が得られた。
【0165】
【表29】
【0166】実施例34 下記の処方16に基づいた下塗液をアルミニウム板上に
ワイヤーバーで塗布し、80℃で30秒間乾燥して塗布
量10mg/m2の下塗層を設けた。さらに、下記の処
方17に基づいた塗液をワイヤーバーで塗布し、90℃
で20分間乾燥させ、膜厚1.4g/m2の記録層を重
層した。このようにして作った近赤外線感光性組成物を
回転ドラムに取り付け、830nmの半導体レーザー
(出力500mW)をレンズで20μmのビーム径に絞
って走査露光を行った。露光済み感光性組成物を、10
%メタケイ酸ナトリウム水溶液を用いて25℃、30秒
間現像処理した。得られた画線が20μm巾を与えるド
ラム回転スピードから感度をエネルギー値として求めて
初期感度とした。一方、同一処方により作製した試料を
温度60℃のオーブン中に6日間放置して加速劣化させ
た後、同様の方法により求めたエネルギー値を劣化後感
度とした。次いで次式に従って感度保持率を求めた。 感度保持率=(1/劣化後感度)÷(1/初期感度) 結果を表32に示す。
【0167】
【表30】
【0168】
【表31】
【0169】
【表32】
【0170】このようにして得られた平版印刷版を、オ
フセット印刷機(リョウビ(株)製3200MCD)に
装着し、15万枚まで印刷を行ったところ、非画像部汚
れのない印刷画質に優れた印刷物が得られた。
【0171】実施例35 実施例34の処方17の中の近赤外線吸収染料;EXc
olorIR−3をジインモニウム染料:IRG023
(日本化薬(株)製)に変えた以外は全く同じ処方に従
って近赤外線感光性組成物を作製し、実施例34と同様
の評価を行った。結果を表33に示す。
【0172】
【表33】
【0173】このようにして得られた平版印刷版を、オ
フセット印刷機(リョウビ(株)製3200MCD)に
装着し、15万枚まで印刷を行ったところ、非画像部汚
れのない印刷画質に優れた印刷物が得られた。
【0174】実施例36 下記の処方18に基づいた感光液をアルミニウム版上に
ワイヤーバーで塗布し、90℃で10分間乾燥させ、膜
厚1.3g/m2の近赤外線感光性組成物を得た。これ
を回転ドラムに取り付け、830nmの半導体レーザー
(出力500mW)をレンズで20μmのビーム径に絞
って走査露光した。露光エネルギーは、現像処理後の露
光画線が20μm巾を与えるドラム回転スピードから算
出されるエネルギーである。露光済み感光性組成物の露
光部と未露光部の蒸留水に対する接触角を接触角計CA
−DT−A型(協和界面科学(株)製)を用いて測定し
た。測定温度は20℃であり、測定値は、1サンプル面
について10点測定し、その平均値を測定値とする。こ
の感光性組成物を、さらに下記処方19に基づいた現像
液を用いて30℃30秒間現像した。現像処理後、感光
性組成物のレーザー露光部と未露光部の蒸留水に対する
接触角を測定し、記録層の現像液への溶出状態を確認し
た。測定温度は20℃であり、測定値は、1サンプル面
について10点測定し、その平均値を測定値とする。そ
の結果を表36に示す。表36から明らかなように、感
光性組成物のレーザー露光部と未露光部のわずかな接触
角の差に対応して、記録層のアルカリ性現像液への溶出
性の大きな差が生じ、その結果、露光部の記録層が完全
に溶解除去されてアルミニウムの陽極酸化層が版の表面
に出ていることがわかる。
【0175】
【表34】
【0176】
【表35】
【0177】
【表36】
【0178】このようにして得られた平版印刷版を、オ
フセット印刷機(リョウビ(株)製3200MCD)に
装着し、1万枚まで印刷を行ったところ、非画像部(レ
ーザー露光部に対応)に汚れのない印刷画質に優れた印
刷物が得られた。
【0179】実施例37〜46 実施例36の処方18に従って、例示化合物を種々変化
させて近赤外線感光性組成物を作製した。実施例36と
同様の試験の結果を表37に示す。
【0180】
【表37】
【0181】このようにして得られた平版印刷版を、オ
フセット印刷機(リョウビ(株)製3200MCD)に
装着し、1万枚まで印刷を行ったところ、非画像部(レ
ーザー露光部に対応)に汚れのない印刷画質に優れた印
刷物が得られた。
【0182】比較例3 実施例36処方18に従って、例示化合物[I]〜[I
X]を以下に示す比較化合物に変えて近赤外線感光性組
成物を作製した。実施例36と同様の試験の結果を表3
8に示す。表38から明らかなように、比較化合物を用
いた場合は、レーザー露光後の記録層の露光部と未露光
部の接触角の差もなく、さらに現像処理後のレーザー露
光部の接触角も大きいことから露光部の記録層の樹脂が
完全には溶解除去できていないことがわかる。
【0183】
【化42】
【0184】
【表38】
【0185】このようにして得られた平版印刷版を、オ
フセット印刷機(リョウビ(株)製3200MCD)に
装着し、印刷を行ったところ、非画像部(レーザー露光
部に対応)は地カブリが生じて良好な印刷物は得られな
かった。
【0186】実施例36〜46と比較例3からわかるよ
うに、70度以上の接触角を有し、且つ近赤外レーザー
の照射を受けて10度以下の小さな接触角の低下を生じ
る記録層を有する感光性組成物を用いることにより、良
好な画像形成が行われることがわかる。
【0187】実施例47 下記の処方20に基づいた感光液をアルミニウム板上に
ワイヤーバーで塗布し、90℃で20分間乾燥させ、乾
燥塗布量1.3g/m2の近赤外線感光性組成物を得
た。近赤外線吸収染料としては、下記に示す物の中で、
M−1を用いた。これを回転ドラムに取り付け、830
nmの半導体レーザー(出力500mW)をレンズで2
0μmのビーム径に絞って走査露光を行った。露光済み
感光性組成物を、6%メタケイ酸ナトリウム水溶液を現
像液として用いて25℃、30秒間現像処理した。得ら
れた画線が20μm巾を与えるドラム回転スピードから
感度をエネルギー値として求めて初期感度とした。一
方、同一処方により作製した試料を温度60℃のオーブ
ン中に6日間放置して加速劣化させた後、同様の方法に
より求めたエネルギー値を劣化後感度とした。次いで次
式に従って感度保持率を求めた。
【0188】 感度保持率=(1/劣化後感度)÷(1/初期感度) 結果を表40に示す。
【0189】
【化43】
【0190】
【化44】
【0191】
【表39】
【0192】
【表40】
【0193】実施例48〜54 実施例47の処方20に従って、近赤外線吸収染料を種
々変化させて近赤外線感光性組成物を作製した。実施例
47と同様の試験の結果を表41に示す。
【0194】
【表41】
【0195】このようにして得られた平版印刷版を、オ
フセット印刷機(リョウビ(株)製3200MCD)に
装着し、15万枚まで印刷を行ったところ、非画像部汚
れのない印刷画質に優れた印刷物が得られた。
【0196】
【発明の効果】ジヒドロピリジン化合物、ピリリウム化
合物、カルバメート化合物、トリアリールカルビノール
化合物、あるいはピナコール化合物から選ばれる少なく
とも一種の化合物と、アルカリ性現像液に可溶性のポリ
マーと、近赤外線吸収染料を含有する記録層を有し、且
つ、近赤外線レーザーの照射によって該記録層の接触角
が低下することを特徴とする感光性組成物を用いること
により、、高い近赤外線感度を有し、保存性に優れたポ
ジ型感光性組成物の版材を提供できる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも、アルカリ性現像
    液に可溶性のポリマーと、近赤外線吸収染料と、該ポリ
    マーのアルカリ性現像液への溶解性を低下させる化合物
    を含有する記録層を有する感光性組成物において、該記
    録層の接触角が70度以上であり、且つ、近赤外線レー
    ザーを照射することにより、その接触角が、低下するこ
    とを特徴とするポジ型感光性組成物。
  2. 【請求項2】 該記録層の接触角の低下が1〜10度の
    範囲にある請求項1記載のポジ型感光性組成物。
  3. 【請求項3】 支持体上に少なくとも、アルカリ性現像
    液に可溶性のポリマーと、下記一般式[I]で示される
    化合物と、近赤外線吸収染料を含有する記録層を有する
    感光性組成物において、該記録層に近赤外線を照射する
    ことにより、近赤外線照射部の現像液への溶解性が、近
    赤外線未照射部の現像液への溶解性よりも増大すること
    を特徴とするポジ型感光性組成物。 【化1】 〔一般式[I]において、R1、R5は同一または異なっ
    ても良いアルキル基であり、R2、R4は同一または異な
    っても良い−COOR′基、−COR′基、または−C
    N基(式中、R′はアルキル基、アラルキル基、あるい
    はアリール基である。)であり、R3はアルキル基、ア
    ルケニル基、アラルキル基、アラルケニル基、アリール
    基、あるいは芳香族複素環残基である。〕
  4. 【請求項4】 支持体上に少なくとも、アルカリ性現像
    液に可溶性のポリマーと、下記一般式[II]、[II
    I]、[IV]で示される化合物の中の少なくとも一つ
    と、近赤外線吸収染料を含有する記録層を有する感光性
    組成物において、該記録層に近赤外線を照射することに
    より、近赤外線照射部の現像液への溶解性が、近赤外線
    未照射部の現像液への溶解性よりも増大することを特徴
    とするポジ型感光性組成物。 【化2】 〔一般式[II]において、R6、R7、R8は同一または
    異なっても良いアルキル基、アリール基、あるいはスチ
    リル基である。X-は、カウンターアニオンである。〕 【化3】 〔一般式[III]において、R9、R10はシクロヘキサン
    環上の置換基であって、アルキル基あるいはハロゲン原
    子である。X-は、カウンターアニオンである。〕 【化4】 〔一般式[IV]において、R11、R12、R13、R14は同
    一または異なっても良いアルキル基、あるいはアリール
    基である。X-は、カウンターアニオンである。〕
  5. 【請求項5】 支持体上に少なくとも、アルカリ性現像
    液に可溶性のポリマーと、下記一般式[V]、[VI]、
    [VII]、[VIII]、[IX]で示される化合物の中の少
    なくとも一つと、近赤外線吸収染料を含有する記録層を
    有する感光性組成物において、該記録層に近赤外線を照
    射することにより、近赤外線照射部の現像液への溶解性
    が、近赤外線未照射部の現像液への溶解性よりも増大す
    ることを特徴とするポジ型感光性組成物。 【化5】 〔一般式[V]において、R15はアリール基、アルキル
    基、あるいはアラルキル基であり、R16は水素原子、ア
    リール基、アルキル基、あるいはアラルキル基であっ
    て、R15とR16が互いに連結して環状炭化水素残基を形
    成しても良い。R17は、アリール基、アルキル基、ある
    いはアラルキル基である。〕 【化6】 〔一般式[VI]において、R18は脂肪族炭化水素残基、
    芳香族炭化水素残基、あるいは複素環残基から構成され
    る二価の有機残基であり、R19とR20はアリール基、ア
    ルキル基、あるいはアラルキル基である。〕 【化7】 〔一般式[VII]において、R21は脂肪族炭化水素残
    基、あるいは芳香族炭化水素残基から構成される二価の
    有機残基であり、R22とR23はアリール基、アルキル
    基、あるいはアラルキル基である。〕 【化8】 〔一般式[VIII]において、Ar1、Ar2、Ar3はア
    リール基、あるいは複素環残基である。〕 【化9】 〔一般式[IX]において、Ar4、Ar5、Ar6、Ar7
    はアリール基、あるいは複素環残基である。〕
  6. 【請求項6】 近赤外線吸収染料が、下記一般式[X]
    で示されるシアニン染料であることを特徴とする請求項
    3〜5記載のポジ型感光性組成物。 【化10】 〔一般式[X]において、R24は水素原子、アルキル
    基、ハロゲン原子、あるいはジフェニルアミノ基を表
    し、R25、R26はアルキル基、アルコキシアルキル基、
    アシルオキシアルキル基、あるいはスルホアルキル基を
    表し、R27、R28は水素原子、ハロゲン原子、アルコキ
    シ基、あるいはフェニル基を表し、フェニル基の場合に
    は染料骨格のフェニル基と縮合してナフタレン環を形成
    しても良い。Z1は染料骨格の炭素原子上の置換基であ
    って、染料骨格の炭素原子と連結してシクロヘキセン環
    あるいはシクロペンテン環を形成する二価の炭化水素残
    基、あるいは独立した2個の水素原子、あるいは独立し
    た2個のアルキル基である。X1、X2は硫黄原子、置
    換基を有してもよいメチレン基、あるいは無置換のビニ
    レン基であって、メチレン基の置換基は、炭素数6以下
    の二つのアルキル基、あるいは炭素数6以下のスピロ環
    を形成する炭化水素残基である。Y-は染料のカウンタ
    ーアニオンを表すが、R25、R26が、共にスルホアルキ
    ル基の場合は、染料自体が中性分子となるため、不要で
    ある。)
  7. 【請求項7】 記録層中あるいはその隣接層中に、近赤
    外線吸収性のシアニン染料、アミニウム染料、ジインモ
    ニウム染料、およびフタロシアニン化合物から選ばれた
    少なくとも一種を含有させたことを特徴とする請求項6
    記載のポジ型感光性組成物。
  8. 【請求項8】 少なくともアルカリ性現像液に可溶性の
    ポリマーが、ノボラック樹脂であることを特徴とする請
    求項3〜7記載のポジ型感光性組成物。
  9. 【請求項9】 該記録層の接触角が70度以上であり、
    且つ、近赤外線レーザーを照射することにより、その接
    触角が、低下することを特徴とする請求項8記載の感光
    性組成物。
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