JP2000221177A - 超音波探傷結果の表示方法及び超音波探傷装置 - Google Patents

超音波探傷結果の表示方法及び超音波探傷装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】超音波モード変換によるエコーの影響を除去
し、被検査体内部に実在する反射源と等しい個数の映像
を表示する超音波探傷結果の表示方法及び装置を提供す
る。 【解決手段】被検査体に超音波を送信し、戻ってきたエ
コーを受信する超音波探傷において、縦波音速、横波音
速を用いて受信エコーによるBスコープ図形データ11
5、116を作成し、Bスコープ図形データの各点を超
音波の屈折角θだけ回転しためホログラム再生領域11
7、118とし、送受信位置、送受信時間に対応させた
参照波の波数からホログラム127、128を作成し、
該ホログラムを再生領域にて指定音速により像再生し再
生像129、130を表示する。指定しない超音波音速
による像131は結実されないので、実在する反射源1
03と等しい個数の映像を正確な位置に表示できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波探傷結果の
表示技術に関わり、特に、超音波ホログラフィ法による
表示方法及び超音波探傷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波探傷結果の表示には、従来からA
スコープ法(Aスキャン図形)、Bスコープ法(Bスキ
ャン図形)及びCスコープ法(Cスキャン図形)が用い
られている。Bスコープ法は、Aスコープ図形を輝度変
調して線で表し、検査対象上における位置と音波伝播時
間を直角座標(X、Z軸)に表示し、探傷結果を被検査
体の断面図として表現することができる。Cスコープ法
は、探傷結果を被検査体の上から見た平面図(X、Y
軸)の形式で表現する。BスコープやCスコープによる
探傷結果の表示は、本来3次元形状である被検査体の探
傷結果をある平面に射影した2次元でしか表示できな
い。
【0003】探傷結果の3次元的な表示を実現するため
には、受信された超音波の強度だけでなく、超音波の位
相情報に注目した探傷方法及び表示方法を行う必要があ
り、光学ホログラフィの原理を応用した、超音波ホログ
ラフィ法が知られている。
【0004】光ホログラフィ法の原理は、レーザ光のよ
うな位相の揃った光を物体に入射し、物体から散乱され
る光の位相情報を、入射光と散乱光の干渉模様としてフ
ィルムに記録し、その後、そのフィルムに光を当てるこ
とで、再び散乱光の位相情報を再現する。一般に、物体
からの散乱光と入射波の干渉模様(物体の3次元幾何情
報である)をフィルムに記録したものをホログラム、物
体からの反射波と干渉させる光(この例では入射波)を
参照波と呼び、ホログラムに光を当てて干渉情報を再現
することをホログラムの再生、ホログラム再生のために
ホログラムに当てた光を再生参照波と呼ばれる。
【0005】初期の超音波ホログラフィ法は、光学ホロ
グラフィと同様、受信波と参照波を干渉させてホログラ
ムを作成していた。この方法を用いて探傷結果を表示す
ることで、3次元的な映像を得ることができる。しか
し、参照波と干渉させるのに、数μ秒から数10μ秒の
パルス幅を持った超音波(sin波)を使用するため、sin
波を送信するための発振器や電力増幅器が必要となり装
置が大型化する。また、時間的に広がった送信波を用い
るために、通常の鋭いパルス波を用いる場合に比べて、
受信波の時間分解能が低下し異なる反射位置からの波を
弁別しにくくなり、探傷結果の測定精度が低下する。
【0006】初期の超音波ホログラフィ法の問題点を解
決する方法として、ディジタル方式超音波ホログラフィ
探傷方法(特開昭54−8584号)がある。ディジタ
ル方式超音波ホログラフィ探傷方法は、送信波にスパイ
ク状のパルスエコーを用い、参照波との干渉の代わり
に、受信波とクロックパルスとのコインシデンスによっ
てホログラムを作成する。このため、装置の小型化や、
受信波の時間分解能を高めて探傷結果の測定精度の向上
が可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の超音波探傷結果
の表示技術では、上述した2次元、3次元の表現形式と
は別に、超音波のモード変換によって生じる探傷結果の
誤認の問題がある。被検査体に送信された超音波は、例
えば、水中から縦波の超音波を鋼中に入射すると、鋼中
では縦波のみならずモード変換した横波の超音波も伝播
する。このモード変換を利用すれば、縦波では到達でき
ない位置を横波で検査することが可能になる。ところ
が、被検査体内部の反射源(傷など)の個数が1つであ
っても、送信に使用した超音波モードによるエコーと、
モード変換により生じたエコーの両方が探触子で受信さ
れ、あたかも複数個の反射源が存在するかのようにイン
ジケーション(図形)が現われる。
【0008】この問題点は、上述したディジタル方式超
音波ホログラフィ探傷方法によっても解決できない。つ
まり、反射源から複数個のエコーが受信される場合、そ
れらのエコーのうち、探傷に用いたモード(例えば、縦
波)によるエコーとモード変換により生じたモード(例
えば、横波)によるエコーを識別できない。そのため、
探傷結果に基づいた反射源の位置及び個数を正しく表示
することができず、超音波探傷結果の診断に誤りを生じ
やすく、検査員は高度の熟練を要求されることになる。
【0009】本発明の目的は、上記した従来の超音波ホ
ログラフィ法の問題点を克服し、複数のモードによる超
音波の探傷結果から実際に存在する反射源(傷)を識別
し、実際に即した正しい探傷図形を2次元または3次元
で表示する、信頼性の高い超音波探傷結果の映像表示方
法及び超音波探傷装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、被検査体に所定モードの超音波を送信し、内部の
傷等による反射源から反射されたエコーを受信し、前記
エコーの受信時間から前記反射源の位置を求めて反射源
図形を表示する超音波探傷結果の表示方法において、探
触子を走査しながら送受信を繰り返して送受信位置毎に
前記エコーの受信時間を含む探傷データを収集し、1ラ
イン走査の探傷データからBスコープ図形データを作成
し、前記Bスコープ図形を再生領域とすると共に、前記
探傷データに対し波数kの参照波を数値的に干渉させて
ホログラムを作成し、前記再生領域に指定モードの超音
波の音速を用いてホログラム再生を行い、再生像を画面
表示することを特徴とする。なお、画面表示は2次元ま
たは3次元による。また、前記探傷データに前記エコー
の信号強度を含んでもよい。
【0011】これによれば、各エコーの実際の音速と、
指定モードの超音波によるホログラム再生の音速が一致
する場合にのみ、ホログラム参照波の位相が揃ってホロ
グラム再生像が結像され、音速が不一致の場合は再生像
が得られないため、本来反射源のない位置にあらわれる
反射源のインジケーションが自動的に消去され、実際に
存在する反射源の映像が正しい位置に表示される。
【0012】なお、前記所定モードの超音波は通常は縦
波で、入射縦波のモード変換による横波も用いられる。
一方、前記指定モードの超音波音速は縦波および/また
は横波の値を設定し、あるいは、前記指定モードの超音
波の音速は縦波、横波の他に、縦波と横波の平均値を設
定し、複数の指定モードによる再生像は重畳表示され
る。この場合、同一の反射源からの再生像は一致または
近接する。
【0013】また、前記再生領域は、前記Bスコープ図
形データの各点を超音波の屈折角θだけ回転させて求め
る。これにより、超音波の広がりの影響が低減される。
【0014】また、前記参照波にcos関数を用い、そ
の位相を前記波数kと前記エコーの伝播距離から決定
し、かつ、前記超音波の伝播速度の逆数として定まる前
記波数kを整数倍して可変設定することを特徴とする。
これによれば、参照波に振動波のcos関数を用いるの
で、反射波データとの数値的な干渉効果が得やすい。ま
た、波数kをn倍して可変し、再生像を適切な解像度に
調整することができる。
【0015】上記した本発明の方法を実現する装置は、
被検査体に所定モードの超音波を送信し、内部の傷等に
よる反射源から反射されたエコーを受信する超音波探触
子と、前記探触子を被検査体上の所定の走査経路に従っ
て走査する探触子移動機構と、前記エコーの受信時間か
ら前記反射源の位置を求めて反射源の図形データを作成
する探傷図形表示処理機構と、作成された図形データを
画面表示する表示装置を備える超音波探傷装置であっ
て、前記探傷図形表示処理機構は、前記探触子移動機構
で走査される前記探触子から送受信位置毎に前記エコー
の受信時間を含む探傷データを収集し、1ライン走査の
探傷データからBスコープ図形データを作成し、前記B
スコープ図形を再生領域とし、指定モードの超音波の音
速を用いて超音波ホログラフィ法によるホログラム像の
再生を行い、再生像を2次元または3次元で画面表示す
ることを特徴とする。
【0016】前記表示装置は、前記指定モードの超音波
の被検査体中の音速を任意に選択するための入力画面を
具備し、表示する再生像を任意に、かつ1から複数、選
択できるようにしている。また、前記探傷図形表示処理
機構は、前記参照波の波数kを整数(n)倍して可変設
定する手段を設け、再生像の解像度を任意に調整可能と
している。
【0017】また、前記指定モードの超音波音速が複数
指定される場合に、前記表示装置は、各音速による再生
像が一致あるいは近接した場合に、一致した再生像同士
を、一致しない再生像とは異なる色を用いて表示する。
あるいは、各音速による再生像が、一致あるいは近接し
た場合にのみ、その再生像を表示することを特徴とす
る。これにより、本来反射源のない位置にあらわれる反
射源のインジケーションと、実際に反射源のある位置に
あらわれる反射源のインジケーションが明確に区別さ
れ、反射源の映像を位置精度よく表示させることができ
る。
【0018】図1を参照して、本発明による超音波探傷
結果の映像表示方法の概略の手順を説明する。(a)は
探傷模式図で、探触子101から被検査体102に超音
波を斜角入射し、反射源3から受信された縦波104及
び横波105のエコー信号を探触子101で受信する。
(b)は探傷結果のAスコープ図形で横軸に時間t、縦
軸に信号強度である振幅Aをとり、超音波の送信パルス
106、被検査体102の表面エコー107、底面エコ
ー110及び反射源103からの縦波エコー108、横
波エコー109を示している。なお、反射源103で縦
波からモード変換した横波エコーがある受信される場合
は、エコー108とエコー109の間に位置する。
【0019】(c)はBスコープ図形で横軸Xに探触子
101の走査位置、縦軸Zに探触子101から反射源1
03までの超音波伝播距離を、X軸の1ライン分につい
て2次元で示している。縦波エコー及び横波エコーによ
る反射源は、それぞれインジケーション115、116
として示される。(d)はホログラム再生領域の計算結
果で、Bスコープによるインジケーション115、11
6は各々の1点毎に超音波の屈折角θだけ回転され、再
生領域117、118となる。
【0020】(e)はホログラムの作成を示し、各点の
エコー信号のデータに参照波(cos関数)を数値的に干
渉させ、一致或は不一致を記録することで、ホログラム
を作成する。すなわち、エコー信号の受信時間に比例す
る量である片道伝播距離(Zij)を基に、処理開始位置
121から処理終了位置122で定められる探傷領域の
間の各送受信位置(xi,yj)において、数値的に参照
波と干渉させたホログラムH(xi,yj)を、1ライン
(1次元)について集積するとホログラム127、12
8が得られる。
【0021】(f)は再生像の作成と表示で、ホログラ
ムHから再生領域に指定モードの音速毎に像再生する。
例えば、指定モードが縦波の再生像129と横波の再生
像130が表示される。一方、反射源103で縦波から
横波にモード変換した反射波によるエコーの再生像13
1は指定モードの選択外となって消去される。
【0022】このように、超音波のモード変換等による
実際のエコーの音速と一致しない虚像は消去され、実際
の探傷に作用した縦波及び/又は横波のエコーによる再
生像が正しい位置に再現でき、同一反射源であれば同一
または近似位置に表示されるので、反射源の数や位置の
誤認が防止できる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の複数の実施例について図
面を用いて詳細に説明する。以下では、Bスコープ図形
データを対象に、本発明の超音波ホログラフィ法により
補正された図形表示の実施例を説明する。Bスコープ図
形は、検査対象上における位置と片道音波伝播距離を直
角座標に表示するものである。
【0024】〔実施例1〕図2は、実施例1による超音
波探傷システムの機能ブロック図を示す。本システム
は、探触子101、探触子移動機構110及び超音波探
傷器120を有する探傷機構と、超音波ホログラフィ法
による図形表示を行う探傷図形表示処理機構200に大
別される。探傷図形表示処理機構200は画像表示装置
201、画像表示データ演算装置202、記憶媒体20
3、制御装置204、ピーク検出処理演算部205、デ
ータ記憶部206、探傷データメモリ207、A/D変
換器208及び受信器209から構成される。
【0025】超音波探触子101は、探触子移動機構1
10により被検査対102のXY平面上を走査径路に沿
って走査される。超音波探傷器120は、被検査体10
2の材質あるいは映像化したい反射源103の大きさに
対して、適切な周波数のパルス信号を発信して探触子1
01を励振し、超音波を発生させる。例えば、被検査体
102がステンレス鋼、映像化したい反射源103が数
mm程度であった場合、発信信号として5MHzの周波
数を用いる。
【0026】探触子移動機構110として、例えばステ
ッピングモータを使用する。制御装置204は、入力装
置208からデータ記憶部206に入力された探傷条
件、例えば探傷開始位置、探傷終了位置、探触子移動ピ
ッチ、走査径路等のデータに従って、探触子移動機構1
10を制御する。また、探触子101を移動させなが
ら、探触子位置をデータ記憶部206に記憶する。
【0027】探触子101からの超音波は被検査体10
2に入射され、内部を伝播して反射(或は透過)したエ
コー信号が、再び探触子101で受信され、電気信号に
変換される。探触子101で受信された信号は、受信器
209を経てA/D変換器208でデジタル信号に変換
され、送受信時間及び波高値等が探傷データメモリ20
7に記憶される。
【0028】A/D変換器208は、超音波の周波数及
び被検査体内の伝播音速に対して、サンプリング周波数
及びサンプリング点数を適切に選択する。例えば、5M
Hzの超音波を使用し、ステンレス鋼に縦波超音波を入
射して検査する場合、サンプリング周波数を25Mから
100MHz、サンプリング点数を1024から409
6とする。デジタル化された超音波信号は、探傷データ
メモリ207に一旦、格納され、ピーク検出処理演算部
205が所定の時間領域(被検査体102の表面と底面
の間の時間差領域)で、しきい値以上の受信波形のピー
クを検出し、波形毎に受信時間を求めて、画像表示デー
タ演算装置202に送る。
【0029】探傷条件や画像表示処理に用いるパラメー
タは、入力装置208によってデータ記憶部206に設
定される。パラメータには、後述する画像表示処理の特
徴的処理に必須な音速データ2061や、再生像の解像
度を調整するための波数kの倍数n2062を含む。ま
た、データ記憶部206には、制御装置204から送ら
れてくる探触子位置(x,y)や超音波の送信時間T0
が記憶され、画像表示データ演算装置202で使用され
る。
【0030】画像表示データ演算装置202は、収集し
た探傷データを基に画像データの演算処理を行ない、1
ライン走査の探傷に対する画像データをBスコープで表
示する。そして、探触子101が探傷領域内の走査を継
続している間中、収集した探傷データの演算処理と探傷
結果表示を繰り返す。1ラインまたは全探傷領域の走査
が終了した後、走査径路における探傷結果から本発明の
超音波ホログラフィ法による画像データを作成し、2次
元または3次元図形による探傷結果の表示を行う。
【0031】図3は、超音波探傷システムのハード構成
を示す外観図である。探傷図形表示処理機構200は、
計算機10、ディスプレイ装置11、計算機本体とバス
で接続されたインターフェース装置13から構成され
る。インターフェース装置13は、A/D変換器208
でデジタル変換された超音波信号を演算装置202の演
算部に受け渡す。また、探触子移動機構110を制御装
置204により制御し、かつ探触子101の位置データ
を収録しデータ記憶部206に受け渡す。
【0032】探傷図形表示処理機構200に対する入力
装置210として、キーボードやポインティングデバイ
スを用いる。図4にパラメータ入力画面の一例を示す。
この画面により、被検査体や媒質の材質と音速が設定さ
れる。例えば、被検査体がSUS304の場合、その縦波音速
L=6000m/s、横波音速VT=3000m/sである。また、媒
質が水の場合、その縦波音速VL=1500m/sである。
【0033】図5に、本実施例の超音波探傷システムの
オンライン処理の概略フローを示す。まず、初期パラメ
ータを読み込む(S10)。探傷図形表示処理機構20
0は、入力装置208からの初期パラメータを取り込
み、データ記憶部206に記憶する。また、画像表示デ
ータ演算装置202が処理に用いる、音速を含むパラメ
ータをデータ記憶部206から読み込む。そして、探触
子101が探傷開始位置にセットされて、探傷が開始さ
れ(S20)、これと共に画像表示データ演算装置20
2のオンライン処理が実行される。
【0034】図7は、超音波探傷の初期設定に関するデ
ータであり、探傷に用いる超音波の周波数f、被検査体
102の縦波及び横波音速V、超音波の屈折角θ、A/
D変換器208のサンプリング周波数fsample、X軸Y
軸それぞれの探触子走査ピッチδx,δy、XY平面の
探傷開始位置x0,y0、終了位置xe,ye等を含む。
【0035】画像表示データ演算装置202は、制御装
置204が発行する探触子位置、本例では送受信位置と
超音波送信パルスの送信時間、ピーク検出処理を経た超
音波受信データの受信時間からなる探傷データを収集し
(S30)、サンプリング点、さらに1ラインの画像デ
ータの演算処理(1)を行う(S40)。ここでは、B
スコープ図形データの作成が行なわれ、画像データメモ
リ203に蓄積されるとともに、画面表示装置201に
Bスコープ表示を行う(S50)。この処理は、制御装
置204から探傷終了が通知されるまで(S60)、つ
まり探触子101が探傷終了位置に到達するまで繰り返
される。
【0036】図8は、探傷結果に関するデータであり、
探触子位置信号Xi,Yi、送信時間T0、受信波形の
うちピーク検出処理演算部205で検出されたピーク波
形の受信時間Tij,m 及び受信信号強度Iij,m を含む。
【0037】図9に、ピーク検出処理演算部の検出波形
を示す。ピーク検出処理演算部205は、信号強度がし
きい値以上で、表面エコーから底面エコーの時間領域に
あるピーク波形を検出する。図示例では、反射源103
からの縦波と横波それぞれによる受信信号を検出してい
る。縦波ピークの受信時間はTij1 ,横波ピークの受信
時間はTij2 である。
【0038】画像表示データ演算装置202は探傷が終
了すると、画像データメモリ203からBスコープ図形
データを取り出し、超音波ホログラフィ法による演算処
理(2)を行い(S70)、ホログラフ再生像による反
射源図形の2次元または3次元表示を行う(S80)。
【0039】図6に、画像データの演算処理の詳細フロ
ーを示す。まず、S40の画像データ演算(1)とし
て、被検査体の伝播速度を読み込む(S401)。本実
施例では、縦波速度VLと横波速度VTの2つである。次
に、ピーク検出された探傷データから、Bスコープ図形
データを作成して図形データメモリ203に記憶する
(S402)。
【0040】図10に、Bスコープ図形データの一例を
示す。A/D変換において何番目(i,j)のデータ点
数か、ピーク検出において何番目(m)のエコーかを示
すインデックス(i,j,m)と、信号の送受信位置
(xi,yi)、送信時間(T0)及びピーク検出され
たエコーの受信時間(Tij,m)を含む。なお、本例の探
触子101は媒質(水)を介さず、被検査体102に直
接、当接している。
【0041】図12を参照しながら、Bスコープ図形作
成の方法を説明する。探触子移動機構110からの探触
子101の位置信号(Xij,Yij)と、X,Y軸の移動
ピッチ(δx,δy)から超音波送受信位置(xi,yj
を数1で計算し、送信時間T0と受信時間Tij,1,Tij,
2及びA/D変換器208のサンプリング周波数(fs
ample)から、送受信位置(xi,yj)における探触子
101から反射源103までの片道伝播時間△tij,1,
△tij,2を数2で計算する。
【0042】
【数1】
【0043】
【数2】
【0044】次に、片道伝播時間△tij,m と検査体1
02中の伝播速度Vから、m番目のエコーに対する送受
信位置(xi,yj)の表面から反射源103までの片道
伝播距離Zij,m を数3で計算し、Bスコープ図形の1
点のデータを求める。なお、m番目のエコーとは、ピー
ク検出処理演算部205によって選択される時間領域内
に存在するエコーの順番である。受信されるエコーの数
は、反射源の数や超音波の屈折角によって変わる。
【0045】
【数3】
【0046】ここで、探傷に使用する音速Vは縦波音速
L及び横波音速VTとする。この点データを走査経路の
1ライン(yj を一定として、xi のi=始点〜終点ま
で走査)について集積すると、反射源103に対し縦波
音速VLを用いた演算結果である図形115と、横波音
速VTによる図形116が表示される。
【0047】次に、画像データ演算(2)の処理(S7
0)を、ホログラム再生領域の計算(S701)、ホロ
グラム作成(S702)、ホログラム再生演算(S70
3)、音速毎の画像表示データの作成(S704)の順
で説明する。本実施例では、まず縦波音速VL、ついで
横波速度VTで演算処理する。
【0048】図13に、ホログラム再生領域作成の説明
図を示す。数3によって得たBスコープ図形データは、
XZ座標における点の集合(図形115,116)とし
て表現される。この1点1点に対して、その点をX軸に
射影した点を中心として、超音波の屈折角θに等しい角
度で回転変換を行う。
【0049】超音波の屈折角θにより、Bスコープ図形
115,116の各点を回転させ、XZ断面におけるホ
ログラム再生領域117,1118を数4により求め
る。さらに、走査軸Yの値yj を変え、各yに対してX
Z断面におけるホログラム再生領域を作成する。ホログ
ラム再生領域のデータは、図形データメモリ203に一
時記憶される。
【0050】
【数4】
【0051】これによれば、Bスコープ図形全体を同時
に回転するのではなく、各点は各々と送受信位置
(xi,yj)を結ぶ線からθだけ回転されるので、回転
後の図形117及び118はそれぞれ回転前の図形11
5、116よりも、その占める領域が小さくなり、実際
の反射源に対する図形(インジケーション)の誤差が、
この回転処理によって小さくできる。
【0052】図14に、ホログラム作成の説明図を示
す。本実施例はパルス波を用いた超音波ホログラフィ法
を採用している。従来の方法は、送信波にパルス波を用
い、受信されるパルス波の受信時間と、参照波に相当す
るクロックパルスとの一致或は不一致を記録すること
で、ホログラムを作成している。これに対し、本実施例
では、参照波に相当するものとしてクロックパルスを用
いず、例えばcos関数のような振動関数を用い、受信パ
ルス波の受信時間をcos関数の引数とすることで、参照
波と受信波を干渉させる効果を数値的に与え、ホログラ
ムを作成する。
【0053】本実施例によるホログラムHは、数5の演
算によって作成される。すなわち、受信時間に比例する
量である片道伝播距離(Zij)を基に、処理開始位置1
21から処理終了位置122で定められる探傷領域の間
の各送受信位置(xi,yj)において、数値的に参照波
と干渉させたホログラムH(xi,yj)を数5により作
成する。
【0054】
【数5】
【0055】数5において、数値的な干渉に用いる参照
波(cos関数)の波数kとして、k=n×2πf/Vを
用いる。ただし、Vは鋼中を伝播するモードの超音波音
速、fは探傷に使用する超音波の周波数、nは自然数で
ある。n=1の場合、送信される超音波の周波数と計算
上の参照波の周波数が同じになり、k=2π/λとな
る。nの値を大きくすることで、より高い周波数を持つ
参照波との干渉を数値的に計算することができる。
【0056】ここで、数5の導出過程を数6〜数9によ
り説明する。被検査体102に数6に示す角振動数ω
(=2π/f)の超音波を送信すると、反射源103に
より数7に示すエコーが受信される。ここで、rは受信
間での伝播距離である。この受信エコーの位相情報を取
り出すために、角振動数ω(=2π/f)を持つ参照波
(cos波)を数値的に与えると、干渉波の強度分布は数
9により計算できる。数9で、位相情報を持つ干渉項
(cos関数部)が数5の関数部に相当し、この干渉項を
計算してホログラムとする。
【0057】
【数6】
【0058】
【数7】
【0059】
【数8】
【0060】
【数9】
【0061】数5で、参照波数kを変えるnの値を大き
くすると、より高い周波数を持つ参照波との干渉を数値
的に計算することができ、送信超音波の波長λよりも高
い空間分解能を持つホログラムH(xi,yj)を作成す
ることができる。分解能調整のためのnは、ユーザが入
力装置210からデータ記憶部206の波数倍数設定部
2602に入力し、画像表示データ演算装置202が参
照する。
【0062】図15に、ホログラム再生における波数k
の影響をイメージで示す。2つのピンホールによるホロ
グラムとその再生像で、(a)は波数kが小さい場合、
(b)は波数kが大きい場合である。波数kが大きい場
合は空間分解能が高く、ピンホールの存在に合致したシ
ャープな再生像が得られている。
【0063】数5から求まるホログラムH(xi,yj
は、送受信位置xi,yjにおける1点、1点の値であ
る。この各点の値を集積して、1次元ホログラム12
7,128が再生される。
【0064】ホログラムの再生方法は2通りあり、第1
の方法は簡易な再生方法である。すなわち、1ライン走
査の探傷の度に、1次元ホログラム127及び128
を、XZ断面におけるホログラム再生領域117,11
8上で像再生する。像再生はホログラム上の全点から、
再生領域上の1点に対して、ホログラムの重みを付けた
平面波を加算(積分)する。この操作を再生領域の全点
に対して行う。再生領域の中で、反射源に近い部分で
は、ホログラムからの平面波の位相が揃い、積分値が大
きくなり再生像が結像する。
【0065】この再生像を2次元表示すると、図1
(f)の画面が得られる。さらに、XZ断面での再生像
をY軸方向に重ね合わせて、3次元的な再生像Gを作成
すれば、3次元の表示も可能である。この方法によれ
ば、像再生に必要な計算時間及びメモリを大幅に削減で
きるので、探傷結果表示の簡易な方法として採用され
る。
【0066】第2の再生方法は、より高精度な再生方法
である。XZ断面におけるホログラム再生領域(面)1
17,118及びホログラム127、128を、探傷が
終了するまでデータ記憶部206に記憶し、探傷終了後
に再生領域を2次元的に再構成し、XY平面上の探傷領
域に割り付けられた2次元ホログラムを再生する。
【0067】第2の方法によるホログラム再生の計算式
を数10に示す。第1の再生方法の場合と同様、ホログ
ラム上の全点から、再生領域上の1点に対して、ホログ
ラムHで重み付けた球面波(eの関数)を加算(積分)
する。この操作を再生領域の全点に対して行う。ただ
し、積分領域は2次元である。再生領域の中で、反射源
に近い部分では、ホログラムからの平面波の位相が揃
い、積分値が大きくなり再生像Gが結像する。
【0068】
【数10】
【0069】数10の演算を計算機上で行うため、離散
化して数値積分、或は式を変形して高速フーリエ変換な
どの計算手法を用いる。また、ホログラム再生計算に用
いる再生参照波の波数kの値として、ホログラム作成に
用いる参照波に対して使用した波数kと同様の値を使用
する。k=n×2πf/Vとして、nの値を大きくする
ことで、より高い周波数を持つ参照波との干渉によるホ
ログラムを数値的に再生計算できる。この方法は、第1
の再生方法と異なり、2次元的に再生処理を行うことに
なるため、必要となる時間及びメモリは大きくなるが、
より精度の高い再生像を得ることができる。
【0070】縦波音速VL を用いたホログラム再生の演
算結果は、反射源103に対し横波で入射して横波で反
射、或いは縦波で入射し横波で反射した横波エコーによ
る再生像130、131は消去され、反射源103に対
し縦波で入射し縦波で反射した図形115の再生像12
9のみが結像される。
【0071】一方、横波音速VT を用いたホログラム再
生の結果は、縦波エコーによる図形115や反射時の横
波変換による再生像は消去され、反射源103に対し横
波で入射し、横波で反射した図形116に対する再生像
130のみが得られる。これは、ホログラム作成処理と
再生処理で使用される伝播音速が異なると、実際の反射
源が存在する位置付近で再生波の位相が揃わず、互いに
打ち消し合う結果となるためである。
【0072】本実施例では、再生像のデータを表示デー
タとして、一旦、画像データメモリ203に記憶し(S
704)、縦波及び横波の各再生像を重ね合わせて2次
元または3次元による画像の表示を行う(S80)。図
11に、記憶される再生像データの形式を示す。
【0073】2次元画像の重畳表示では、図1(f)の
ように、一致あるいは近接した再生像129、130を
同色とし、他の再生像と識別して画像表示装置201に
出力する。或いは、再生像が一致した場合のみ画像表示
装置201に出力する。これにより、実際の反射源に対
する映像を正確に表示することができ、傷の数や位置を
誤認することがなくなる。
【0074】図16に、再生像として表示させたい画像
を選択するメニュー画面の例を示す。表示画像をユーザ
に選択させる入力画面で、縦波音速として処理した場合
に得られる画像データの表示、横波音速として処理した
場合に得られる画像データの表示、縦波から横波にモー
ド変換した音速で処理した場合に得られる画像データの
表示などを選択でき、複数入力の場合は重畳表示とな
る。
【0075】最後に、ホログラム再生像の計算結果を3
次元的な映像として表示する方法を説明する。図17に
3次元的表示のフローチャートを示す。予め、スレッシ
ュホールドレベルHmin を設定し、数10で求めた再生
像に対して、スレッシュホールドレベルHmin を越えた
か判定し(S7031)、越えた座標を再生像として採用す
る(S7032)。
【0076】図18に、再生像H(xyz)のスレッシ
ュホールドレベルHmin を3次元的に示す。Hmin を越
えた斜線部の再生像が表示される。これにより、参照波
にcos波を用いたときの干渉効果をHmin で2値化して
いるので、反射源103の位置に、再生像129(13
0)を正しく表示することができる。
【0077】再生像の3次元表示は、例えば再生像デー
タをVRML形式で記述し、VRMLブラウザで表示す
る。図19にVRML形式によるデータの一例、図20
にVRMLブラウザで表示した画面の一例を示す。XY
Z座標上で、被検査体102内の反射源103が3次元
表示される。なお、入力装置210からの指示ポインタ
2201で表示図形をドラッグし、ユーザの望む方向に
表示画面を回転して、任意の方向からの射影像を得るこ
ともできる。
【0078】以上、実施例1によれば、縦波音速と横波
音速をそれぞれ用いてホログラムを作成、再生するの
で、再生演算に用いた音速と異なる伝播速度によるイン
ジケーションに対しては、ホログラム再生参照波の位相
がそろわず、ホログラム再生像が結像しない。このた
め、本来の反射源と異なる位置に現れる反射源のインジ
ケーション(虚像)が消去され、実際の反射源のある位
置に対応して、反射源の映像(実像)を表示できる。ま
た、縦波及び横波で計算した各々の再生像を重ね合わせ
て表示することで、その重なりの程度から実在する反射
源を高信頼に確認することができる。さらに、Bスコー
プデータを屈折角で回転補正してホログラム再生領域を
求めているので、超音波の広がりの影響を低減し、位置
精度よく反射源の映像を表示できる。
【0079】上述で、被検査体表面と反射源の間の超音
波の片道伝播時間△tijを計算する数2は、超音波送信
時間T0から被検査体表面までの伝播時間Tsを考慮して
いる。この伝播時間Tsは探触子と被検査体間に介在す
る水などの媒質を伝播する時間である。従って、探触子
を直接、被検査体に接触する場合は、Ts=0となる。
【0080】次に、実施例1による他の適用例を説明す
る。この適用例は被検体中に複数個の反射源があるケー
スで、各反射源からの複数のエコーが受信される。この
場合、複数のエコーからホログラムを作成、再生し、複
数個の反射源をそれぞれ正しい位置に再生して表示す
る。
【0081】図21は、本適用例による超音波ホログラ
フィ法を示す説明図で、図1の(a)〜(f)に相応す
る。図21(a)のように、被検査体102に複数の反
射源403、404がある場合、(b)のように反射源
Aからのエコー405と反射源Bからのエコー406に
よるAスコープ表示データが得られる。上述のように、
個々の反射源からは縦波と横波によるエコーが生じ、実
際には3個以上のエコーとなることも多いので、受信エ
コーの数と反射源の数は1対1に対応しない。以下では
説明を簡単にするために、1つの反射源から1つの音速
のみによるエコーが得られるものとする。
【0082】送受信位置(xi,yj)における反射源
A、Bからのエコーを1ラインについて集積し、(c)
のXZ断面についてのBスコープ図形が作成される。B
スコープによるインジケーション407、408は、
(d)のように屈折角θだけ回転してホログラム再生領
域409、410を求める。
【0083】次に、数5を用いて、処理開始位置121
から処理終了位置122で定められる探傷領域に、
(e)のようにホログラム413及び414を作成す
る。ここでは、超音波信号の受信時間を、例えばcos関
数のような振動関数の引数とすることで、参照波と受信
波の干渉項を数値的に計算し、ホログラムを作成する。
数値的な干渉に用いる参照波の波数kの値として、k=
n×2πf/Vを用いる。用いるVの値は所定モード、
例えば縦波音速である。このように、本実施例のホログ
ラム作成は、探傷により得られた複数のエコーが、複数
の反射源によるか、単一の反射源によるかを考慮するこ
となくホログラムを作成する。
【0084】次に、数10によりホログラムの再生像を
作成する。再生計算に用いる再生参照波の波数kの値
は、ホログラム作成に用いる参照波に対して使用したも
のと同様の値である。所定モード、例えば縦波音速によ
るホログラム再生の結果、2つの再生像が得られれば、
それらは異なる反射源A,Bに対応している。つまり、
縦波音速によらないホログラムは像再生の過程で消去さ
れる。さらに、横波音速を用いて、上記処理を繰り返せ
ば同様の結果が得られるので、複数の反射源の位置を縦
波と横波の両方から求め、信頼性の高い探傷を行うこと
が可能になる。
【0085】〔実施例2〕次に、本発明の実施例2を説
明する。実施例1との相違は、縦波から横波へのモード
変換によるエコーが受信されるケースを考慮し、超音波
ホログラフィ法に用いる音速Vとして、縦波音速、横波
音速の外に、縦波と横波の平均音速を用いる点にある。
【0086】図22に、実施例2の適用ケースをイメー
ジで示す。被検査体の内部に反射源301を有してお
り、送受信位置の探触子101から縦波往復径路302
によるエコーと、縦波から横波へモード変換した径路3
03によるエコーと、横波往復径路304によるエコー
が受信されるケースである。図23に、パラメータ入力
画面を示す。ここでは、SUS304を被検査体とし、使用す
る音速として縦波音速、横波音速及び平均音速を用い
る。平均音速は調和平均値Vave で数11による。
【0087】
【数11】
【0088】図24に、Aスコープ図形を示す。図9の
場合に比べ、1番目の縦波エコーと3番目の横波エコー
の間に、縦波からモード変換した横波による2番目のエ
コーが表われている。図25はBスコープ図形で、1番
目、2番目及び3番目のエコーを、それぞれ1ライン分
集積した3つの図形305、306、307が得られ
る。
【0089】図26に、ホログラム再生領域を示す。こ
こでは、Bスコープ図形の図形305〜307の各点を
屈折角θだけ回転させ、再生領域308〜310を求め
る。同図では、図形306に対する再生領域309のみ
を示している。
【0090】図27はホログラム作成方法を示す。送受
信位置(xi,yj)における片道伝播距離Zijから数5
により演算し、処理開始位置から処理終了位置で定めら
れる探傷領域に、ホログラム3101、3102及び3
103を作成する。このとき、数値的な干渉に用いる参
照波の波数k=n×2πf/Vを用いる。この音速Vと
して、縦波音速、横波音速、及び平均音速の3種を用い
る。数10によるホログラムの像再生も、縦波音速、横
波音速、及び平均音速の3種を用いる。その計算結果を
映像として表示する方法は、実施例1の場合と同様であ
る。
【0091】実施例2によれば、被検体中の縦波、横
波、及び縦波と横波の平均音速の3種を用いてホログラ
ムを作成し、再生するので、被検査体内部で縦波と横波
のモード変換が生じている場合でも、本来反射源のない
位置に現れる虚像のインジケーションを自動的に消去で
きる。
【0092】また、被検査体に複数の反射源が存在し、
かつ、被検体への超音波入射時のモード変換(例えば、
縦波から横波)、反射源からの反射時のモード変換(縦
波から横波、横波から縦波)が発生する場合にも、本実
施例のように縦波、横波、及び縦波と横波の平均音速の
3種を用いてホログラムを作成し、再生すれば、1つの
反射源に対する各波音速の演算結果が同一ないしは近似
位置を示すので、実際の反射源を正確に表示でき、信頼
性の高い探傷が可能になる。
【0093】
【発明の効果】本発明によれば、Bスコープ表示データ
からホログラムを作成し再生する場合に、演算に用いる
超音波音速を縦波または横波のモードに特定し、音速の
一致する伝播経路のホログラムのみが像再生されるの
で、超音波のモード変換によって実在とは異なる位置に
表われる虚像を消去でき、被検査体内部の傷の数と位置
が正確に表示できる。
【0094】また、演算に用いる超音波音速を縦波及び
横波、さらには縦波と横波の平均音速として、各音速に
対応した像再生が行われる場合、それらを重畳表示する
ことで1つの反射源に対する複数の演算結果を反映する
ことができ、より高信頼な探傷結果の図形表示を実現で
きる。
【0095】また、Bスコープ表示データから再生領域
を求めるに際し、超音波の屈折角に応じて各点を回転す
るので、超音波の広がりの影響を低減でき、反射源のよ
り正確な位置と形状を再現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波ホログラフィ法の処理イメージ
を示す説明図。
【図2】本発明の一実施例による超音波探傷システムの
構成を示すブロック図。
【図3】一実施例による超音波探傷システムのハード構
成図。
【図4】実施例1における音速データの入力画面図。
【図5】一実施例による超音波探傷システムの概略の処
理手順を示すフロー図。
【図6】本発明の超音波ホログラフィ法による処理の一
実施例を示すフロー図。
【図7】初期パラメータの一例を示したデータフォーマ
ット図。
【図8】探傷データの一例を示したデータフォーマット
図。
【図9】探傷結果として得られるAスコープ図形の説明
図。
【図10】Bスコープ図形データの一例を示したデータ
フォーマット図。
【図11】ホログラム作成の一例を示したデータフォー
マット図。
【図12】探傷結果として得られるBスコープ図形の説
明図。
【図13】ホログラムの再生領域を示す説明図。
【図14】ホログラムの作成を示す説明図。
【図15】参照波の波数の影響をイメージで示す概念
図。
【図16】実施例1のホログラフィ演算に使用する音速
選択のメニュー画面図。
【図17】ホログラム再生計算の結果から3次元画像デ
ータを作成する処理のフロー図。
【図18】スレッシュホールドレベルの説明図。
【図19】VRML形式による3次元映像データの一例
を示した説明図。
【図20】VRMLブラウザによる3次元映像の模式
図。
【図21】実施例1の他の適用例での処理イメージを示
す説明図。
【図22】本発明の実施例2による適用例の説明図。
【図23】実施例2における音速データの入力画面図。
【図24】実施例2の探傷結果として得られるAスコー
プ図形の説明図。
【図25】実施例2のBスコープ図形の説明図。
【図26】実施例2のホログラム再生領域の説明図。
【図27】実施例2のホログラム作成の説明図。
【符号の説明】
10…計算機、11…ディスプレイ装置、12…インタ
ーフェース装置、101…超音波探触子、102…被検
査体、103…反射源、104…反射径路、105…反
射径路、106…送信パルス、107…表面からのエコ
ー、108…反射源からのエコー(縦波)、109…反
射源からのエコー(横波)、110…底面からのエコ
ー、111…表面からのエコー、112…底面からのエ
コー、113…探傷開始位置、114…探傷終了位置、
115…図形(縦波)、116…図形(横波)、117
……回転後データ(縦波)、118……回転後データ
(横波)、121…処理開始位置、122…処理終了位
置、123…片道伝播距離、124…再生領域、125
…片道伝播距離、126…再生領域、127…ホログラ
ム、128…ホログラム、129…再生像(縦波による
縦波再生像)、130…再生像(横波による横波再生
像)、131…再生像(縦波による横波再生像)、20
0…探傷図形表示処理機構、201…画像表示装置、2
02…画像表示データ演算装置、203…画像データメ
モリ、204…制御装置、205…ピーク検出処理演算
部、206…データ記憶部、2061…音速データ記憶
部、207…探傷データメモリ、208…A/D変換
器、209…受信器、110…探触子移動機構、120
…超音波探傷器。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検査体に所定モードの超音波を送信
    し、内部の傷等による反射源から反射されたエコーを受
    信し、前記エコーの受信時間から前記反射源の位置を求
    めて反射源図形を表示する超音波探傷結果の表示方法に
    おいて、 探触子を走査しながら送受信を繰り返して送受信位置毎
    に前記エコーの受信時間を含む探傷データを収集し、1
    ライン走査の探傷データからBスコープ図形データを作
    成し、前記Bスコープ図形を再生領域とすると共に、前
    記探傷データに対し波数kの参照波を数値的に干渉させ
    てホログラムを作成し、前記再生領域に指定モードの超
    音波の音速を用いてホログラム再生を行い、再生像を画
    面表示することを特徴とする超音波探傷結果の表示方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記指定モードの超音波音速は縦波および/または横波
    の値を設定し、各音速による再生像を重畳表示すること
    を特徴とする超音波探傷結果の表示方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記指定モードの超音波の音速は縦波、横波の他に、縦
    波と横波の平均値を設定し、各音速による再生像を重畳
    表示することを特徴とする超音波探傷結果の表示方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3において、 前記再生領域は、前記Bスコープ図形データの各点を超
    音波の屈折角θだけ回転させて求めることを特徴とする
    超音波探傷結果の表示方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4において、 前記参照波にcos関数を用い、その位相を前記波数k
    と前記エコーの伝播距離から決定し、かつ、前記超音波
    の伝播速度の逆数として定まる前記波数kを整数倍して
    可変設定することを特徴とする超音波探傷結果の表示方
    法。
  6. 【請求項6】 被検査体に所定モードの超音波を送信
    し、内部の傷等による反射源から反射されたエコーを受
    信する超音波探触子と、前記探触子を被検査体上の所定
    の走査経路に従って走査する探触子移動機構と、前記エ
    コーの受信時間から前記反射源の位置を求めて反射源の
    図形データを作成する探傷図形表示処理機構と、作成さ
    れた図形データを画面表示する表示装置を備える超音波
    探傷装置において、 前記探傷図形表示処理機構は、前記探触子移動機構で走
    査される前記探触子から送受信位置毎に前記エコーの受
    信時間を含む探傷データを収集し、1ライン走査の探傷
    データからBスコープ図形データを作成し、前記Bスコ
    ープ図形を再生領域とし、指定モードの超音波の音速を
    用いて超音波ホログラフィ法によるホログラム像の再生
    を行い、再生像を2次元または3次元で画面表示するこ
    とを特徴とする超音波探傷装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 前記表示装置は、前記指定モードの超音波の被検査体中
    の音速を任意に選択するための入力画面を具備している
    ことを特徴とする超音波探傷装置。
  8. 【請求項8】 請求項6または7において、 前記探傷図形表示処理機構は、参照波の波数kを整数倍
    して可変設定する手段を設けていることを特徴とする超
    音波探傷装置。
  9. 【請求項9】 請求項6、7または8において、 前記指定モードの超音波音速が複数指定される場合に、
    前記表示装置は、各音速による再生像が一致あるいは近
    接した場合に、一致した再生像同士を、一致しない再生
    像とは異なる色を用いて表示することを特徴とする超音
    波探傷装置。
  10. 【請求項10】 請求項6、7または8において、 前記指定モードの超音波音速が複数指定される場合に、
    前記表示装置は、各音速による再生像が、一致あるいは
    近接した場合にのみ、その再生像を表示することを特徴
    とする超音波探傷装置。
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