JP2000221127A - 押込み式硬さ試験機における試験力測定方法と装置 - Google Patents

押込み式硬さ試験機における試験力測定方法と装置

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JP2000221127A
JP2000221127A JP11020688A JP2068899A JP2000221127A JP 2000221127 A JP2000221127 A JP 2000221127A JP 11020688 A JP11020688 A JP 11020688A JP 2068899 A JP2068899 A JP 2068899A JP 2000221127 A JP2000221127 A JP 2000221127A
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voltage
displacement
load lever
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Mitsuru Oda
充 小田
Tomoharu Yamada
知治 山田
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Akashi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 押込み硬さ試験機において、正確な試験力の
算出を可能にする。 【解決手段】 荷重レバー14の変位yに対応して電圧x
を出力する差動変圧器2とパルスを出力するデジタルゲ
ージ(その測定ヘッドを1Aで示す)とを設け、荷重レ
バーを変位させながらデジタルゲージからパルスが出力
される時点の差動変圧器の電圧xを読取り、関数y=f
(x)を作成し、予め計測しておいた当該試験機の試験
力Fとyとの関係と上記関数とから関数F=G(x)を
算出して試験力の測定を可能にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、押込み式硬さ試験
機に関し、特に分解能の低いデジタルゲージによっても
高精度の測定を可能にした押込み式硬さ試験機における
試験力測定方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ロックウェル硬さ試験機による
硬さ試験は、ダイヤモンドあるいは鋼球製の圧子を試料
に押し込み、初試験力状態での圧子の押し込み深さと試
験力状態での圧子の押し込み深さとの差から当該試料の
ロックウェル硬さを算出している。
【0003】すなわち、図8において、符号10は硬さ試
験機の機枠を示しており、この機枠10の左上端部に、荷
重レバー11がその基端部を、荷重レバー11の長さ方向と
直交する方向でかつ水平配置された十字ばね12により揺
動可能に支持されて配設されている。
【0004】荷重レバー11の下側に、荷重レバー11と平
行に延在する荷重ばねレバー14がその基端部(左端部)
を荷重レバー11の基端部付近に一体的に取り付けられて
配設されている。荷重レバー11は剛性に富み、後述の試
験力が荷重ばねレバー14に作用しても(弾性)変形を起
こすおそれがないような形状・寸法に形成されている。
【0005】一方、荷重ばねレバー14は機能的には板ば
ねと類似し、荷重レバー11よりも弱い剛性となってお
り、後述の試験力が荷重ばねレバー14に作用したとき微
小の(弾性)変形を生じるように設定されている。な
お、荷重レバー11と荷重ばねレバー14とを二又状の一体
構造物に形成し、その基端部を十字ばね12で機枠10に揺
動可能に取り付けるようにしてもよい。荷重レバー11は
荷重ばねレバー14よりも長く形成されていてその先端部
(右端部)下面に圧子15が取り付けられている。
【0006】符号13は機枠10と荷重ばねレバー14の下面
との間に介設されたコイルばねを示しており、このコイ
ルばね13は荷重ばねレバー14に試験力が作用していない
とき荷重レバー11を中立位置(図8に示すような十字ば
ね12の中心と圧子15の先端とが水平線a−a上に位置す
る状態)に保持する作用を行なう。
【0007】機枠10には、さらに中立位置における圧子
15と同じ軸線b−b上に試料支持装置20が設けられてい
る。この試料支持装置20は試料台軸としての角ねじ軸2
1,角ねじ軸21の上端部に取り付けられた試料台22,角
ねじ軸21をロック可能なオートブレーキ(電磁ブレー
キ)23のほか、試料台上下動機構としての試料台モータ
26,角ねじ軸21に螺合してモータ26の回転で角ねじ軸21
を上下動させる回転ブッシュ25および歯車装置24で構成
されていて、この構成により試料台モータ26を正逆回転
して試料台22を軸線b−bに沿って上下動できるように
なっている。なお、試料台モータ26に代え手動操作で回
転ブッシュ25を回転し試料台22を上下動できる機構のも
のも知られている。
【0008】符号30は機枠10に取り付けられたモータを
示しており、このモータ30の回転により試験力Fを荷重
ばねレバー14にかけることができるようになっている。
すなわちモータ30の回転軸30aにボールねじ接手31が取
り付けられ、さらにボールねじ接手31の上端部に押圧体
32が水平軸33で揺動可能に接続されている。押圧体32に
は荷重ばねレバー14の上面に係接する押圧片32aが設け
られていて、モータ30で押圧体32を下方に移動させるこ
とにより荷重ばねレバー14を引き下げて荷重レバー11,
圧子15を介して試料台22上に載置した試料Tに試験力F
をかけることができる構成となっている。
【0009】機枠10の右上端部に圧子15の押し込み深さ
計測用のセンサ(押し込み深さセンサ)40が取り付けら
れている。押し込み深さセンサ40はそのボデー底面を機
枠10に固着されて配設されるとともに、計測子40aの先
端部(上端部)が常時荷重レバー11の下面に当接するよ
うになっている。符号41は押し込み深さセンサ40の信号
取出し用リード線を示している。
【0010】また、荷重レバー11に、圧子15により試料
台22上の試料Tにかけられる試験力F検出用のセンサ
(荷重センサ)50が取り付けられている。荷重センサ50
は下向きにボデー側面を荷重レバー11に固着され、計測
子50aの先端部(下端部)が荷重ばねレバー14の上面に
当接するようになっている。符号51は荷重センサ50の信
号取出し用リード線を示している。押し込み深さセンサ
40および荷重センサ50の各検出値は、それぞれリード線
41,51を介して制御部60に送られる。
【0011】上述の構成の硬さ試験機において、試料の
硬さ測定は次の手順で行なわれる。すなわち、図9のフ
ローチャートに示すように、硬さ試験機の荷重レバー11
を中立位置に設定(ステップC1)してから、試料台モ
ータ26を回転して試料台23を上昇させ試料台上の試料を
圧子に押し付けて同試料に初試験力F0を加える(ステ
ップC2)。
【0012】この状態(試料に初試験力F0を加えた状
態)に一定時間保持(ステップC3)してから、モータ3
0を回転し荷重ばねレバー14を引き下げて圧子15の押し
付け力を徐々に負荷(ステップC4)して最終的に試験
力Fで圧子を試料に押し付け(ステップC5)、その後
モータ30を逆回転して圧子から試験力Fを取り除いて
(ステップC6)初試験力の状態に戻し(ステップ
7)、このときの圧子の試料に対する押し込み深さh1
を測定する(ステップC8)。
【0013】そして、ステップC3における圧子の試料
に対する押し込み深さh0とステップC7における同様の
深さh1との差│h0−h1│に基づきロックウェル硬さ
HRC(Cスケールの場合)を算出(演算)する。
【0014】ステップC8による押し込み深さの測定の
後、試料台モータ26を駆動して試料台22を下降し、試料
Tから初試験力F0を取り除く(ステップC9)。なお上
記の一連の操作および演算が制御部60において自動的に
行われるようになっているが、そのために制御部60にC
PU5が設けられている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述のような従来の押
込み式硬さ試験機では、試験力の計測は、荷重レバーと
荷重ばねレバーとの相対変位量を計測することで行なっ
ており、したがって荷重センサ(試験力センサ)として
は変位計が用いられている。
【0016】ところで、試験力の計測において高精度な
測定値を得るためには、変位計として高分解能(たとえ
ば1パルス/0.1μm)のデジタルゲージ(Digital g
age)が必要となる。しかし、高分解能のデジタルゲー
ジは極めて高価であるため、硬さ試験機が高価となると
いう問題点がある。
【0017】本発明はこのような問題点を解決しようと
するもので、荷重センサを、分解能は落ちるものの安価
なデジタルゲージを用いて硬さ試験機の低価格化をはか
るとともに、LVDT(Linear Variable Differential
Transformer:差動変圧器)を上記デジタルゲージと併
用することにより、測定量を離散的にしか表示できない
デジタルゲージの欠点を補完し、安価でありながら高精
度な試験力測定を可能にした押込み硬さ試験機における
試験力測定方法と装置を提供しようとするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の押込み式硬さ試
験機における試験力測定方法は、荷重レバーを介して圧
子に試験力を負荷し、同圧子の同試料への押込み深さを
計測して同試料の硬さ測定を行なう押込み式硬さ試験機
において、上記圧子に対する上記試験力の負荷に伴う上
記荷重レバーの変位yに対応して、電圧xを出力する差
動変圧器とパルスを出力するデジタルゲージとを設け、
上記圧子に負荷する上記試験力を変動させて上記荷重レ
バーの変位を変化させながら上記デジタルゲージから上
記パルスが出力される時点の上記差動変圧器の電圧xを
読み込んで、上記荷重レバーの変位yと上記電圧xとの
関係を定める関数y=f(x)を作成し、予め計測して
おいた当該試験機における試験力Fに対する荷重レバー
の変位の関係と上記関数y=f(x)とに基づいて、試
験力Fと上記差動変圧器の電圧xとの関係を定める関数
F=G(x)を算出して、押込み硬さ試験における試験
力を測定するようにして課題解決の手段としている。
【0019】また、上記圧子に負荷する試験力を所定の
範囲内で繰返し増減して上記差動変圧器の電圧の平均値
を算出し、同平均値に基づいて上記関数y=f(x)を
作成するようにして課題解決の手段としている。
【0020】さらに、上記圧子に負荷する試験力の増
減、上記差動変圧器の電圧の平均値の算出および同平均
値に基づく上記の関数y=f(x)ならびにF=G
(x)の作成を、CPUにより自動的に行なうようにし
て課題解決の手段としている。
【0021】また、本発明の押込み式硬さ試験機におけ
る試験力測定装置は、荷重レバーを介して圧子に試験力
を負荷し、同圧子の同試料への押込み深さを計測して同
試料の硬さ測定を行なうようにした押込み式硬さ試験機
において、上記圧子に対する上記試験力の負荷に伴う上
記荷重レバーの変位yに対応した電圧xを出力する差動
変圧器と、上記荷重レバーの上記変位yに対応してパル
スを出力するデジタルゲージとを上記荷重レバーに設
け、同デジタルゲージを測定ヘッドと同測定ヘッドから
出力されるパルスをカウントするカウンタとで形成し、
同カウンタで上記パルスをカウントした時点の上記差動
変圧器の電圧xを読み取って上記荷重レバーの変位yと
上記差動変圧器の電圧xとの関係を定める関数y=f
(x)を作成するとともに、同関数y=f(x)と、予
め計測された当該試験機における試験力Fに対する荷重
レバーの変位の関係とに基づいて上記試験力Fと上記差
動変圧器の電圧xとの関係を定める関数F=G(x)を
算出するCPUを設けて課題解決の手段としている。
【0022】さらに、上記の差動変圧器とデジタルゲー
ジの測定ヘッドとを、上記荷重レバーの長手方向と直交
する方向に並設して課題解決の手段としている。
【0023】本発明の押込み式硬さ試験機における試験
力測定方法では、試験力の負荷に伴って荷重レバーが変
位すると、その変位yは差動変圧器で電圧xに変換され
ると同時に、デジタルゲージの測定ヘッドからその分解
能ごとにパルスが出力される。
【0024】測定ヘッドから出力されたパルスはカウン
タでカウントされる。つまり、荷重レバーの変位yの変
位につれてデジタルゲージの分解能ごとにカウンタが1
カウントする。
【0025】カウンタが1カウントした時、差動変圧器
の電圧をA/D変換器を通じてCPUに読み込み、同C
PUにおいて荷重レバーの変位yと差動変圧器の出力電
圧xとの関係を定める関数y=f(x)が作成される。
【0026】CPUには、さらに当該試験機の試験力F
と荷重レバーの変位との関係を定めた関数が予め入力さ
れていて、この関数と上記関数y=f(x)とに基づい
て試験力Fと差動変圧器xとの関係を定める関数F=G
(x)がCPUにおいて作成される。
【0027】差動変圧器の出力は荷重レバーの変位に比
例するのでy=f(x)は一次関数となる。したがっ
て、分解能の低いデジタルゲージを用いたにも拘わら
ず、つまり電圧xの測定点の間隔があいていても、関数
y=f(x)による算出値は、分解能の高いデジタルゲ
ージで計測したときとほぼ同様の精度をもつこととな
る。さらに、xの値として試験力の増減を数回繰り返し
て得られた平均値を用いるので、試験力の測定精度は極
めて高い。
【0028】また、パルス毎の差動変圧器の電圧の読取
り、算術平均の算出および2つの関数の作成を、いずれ
もCPUで行なうようにしたため、試験力の測定の正確
さ,迅速化が可能となる。
【0029】さらに、差動変圧器とデジタルゲージの測
定ヘッドとを荷重レバーの長手方向と直交する方向に並
設したことにより、両者の変位量は全く同じとなる。し
たがって、両者を荷重レバーの前後方向に偏位して設け
たときには検出する変位量が異なるため、それを補完す
るプログラムが必要となるが、本発明はそのようなプロ
グラムの必要がなくなり、CPUの簡素化が可能とな
る。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の一実施
形態としての押込み式硬さ試験機における試験力測定方
法および装置について説明すると、図1はその装置の試
験力負荷機構を省略して示す一部断面模式側面図、図2
(a)は図1のA矢視正面図、図2(b)は図1のB矢視斜
視図、図3は同装置の要部のハードウェアブロック図、
図4は同装置による試験力測定方法の手順を示すフロー
チャートであり、図5は差動変圧器の模式構成図、図
6,図7は差動変圧器の特性を示すグラフである。
【0031】なお、この実施形態の硬さ試験機は、荷重
センサおよび制御部(での演算)のほかは図8の試験機
とほぼ同じ構成となっていて、図1,2中図8と同じ符
号はほぼ同一の部材を示している。また図1の矢印Fは
試験力の負荷位置および方向を示している。
【0032】荷重レバー11に、測定ヘッド1Aと並列
に、すなわち荷重レバー11の長手方向と直交する方向に
測定ヘッド1Aと並んで差動変圧器2が取り付けられて
いる。なお、差動変圧器2と測定ヘッド1Aとを荷重レ
バーの前後方向にずらして取り付けてもよいが、このと
きには両者の検出量の差を修正するプログラムをCPU
に格納する必要がある。
【0033】具体的には、図2(a),(b)に示すよう
に、荷重レバー11に、荷重レバー11の軸心方向と直交す
る方向に2個の穴111, 112が形成され、一方の穴111に
測定ヘッド1Aを差込んで固定し、また他方の穴112に
差動変圧器2を差込んで固定することにより、測定ヘッ
ド1Aおよび差動変圧器2が荷重レバー11に取り付けら
れる。
【0034】必要に応じて、荷重レバー11の両側に横方
向のネジ穴113をあけ、このネジ穴113にネジを螺合して
測定ヘッド1Aおよび差動変圧器2の固定補強をはかる
ようにしてもよい。
【0035】なお測定ヘッド1Aおよび差動変圧器2
は、試験力負荷機構(図1,2には図示を省略)との干
渉を避けるために、荷重レバー11の軸心C−Cから図2
における左右に等距離偏位して機枠10に取り付けられて
いる。そしてデジタルゲージ1と差動変圧器2とで荷重
センサ(図8に符号50で示したものに相当する)を構成
している。
【0036】さらに、測定ヘッド1Aの計測子1aおよ
び差動変圧器2の計測子2aはそれぞれ測定ヘッド1A
および差動変圧器2の各ボディーに出没可能に取り付け
られるとともに、ばね(図示せず)により常時下方(荷
重ばねレバー14の上面に当接する方向)に付勢されて、
荷重レバー11に対する荷重ばねレバー14の変位量(すな
わち試験力)が計測できるようになっている。
【0037】図3にも示すように、デジタルゲージの測
定ヘッド1Aの出力はカウンタ1Bを介して制御部60内
のCPU5に入力される。一方差動変圧器2の出力も複
調アンプ7,A/D変換器8を介してCPU5に入力さ
れるようになっている。
【0038】ここで、差動変圧器2について説明する。
差動変圧器2は、図5に示すように、円筒状の1次コイ
ルP,一対の2次コイルS1,S2および各コイルの中芯
部に配設されて1次コイルPと2次コイルS1,S2を磁
気的に結合させる可動鉄心(コア)Cとから構成されて
いる。
【0039】コアC(コアCが接触子2aに相当する)
が図5に示すようにコイルの長手方向の中央位置にある
とき、1次コイルPと2次コイルS1,S2の両コイルと
の磁気的結合の度合いは等しく、コアCが+X方向に移
動すると、1次コイルPと2次コイルS1との磁気的結
合度が強まり、1次コイルPと2次コイルS2との磁気
的結合度は弱まる。
【0040】磁気的結合度は2次コイルS1,S2の誘起
電力で示されるので、2次コイルS 1,S2の誘起電力e
1,es2とコアCの変位Xとの関連は、図6に示すと
おりであり、2次コイルS1,S2を逆極直列に接続する
と、符号esで示すようなコア変位に比例した出力電圧
が得られる。このコア変位Xに対し、esが比例する範
囲を、一般に、直線範囲(Linear Range)と呼んでい
る。またesは零点(Null Position)を境として位相
が180°反転している。
【0041】図6のesは、交流電圧の大きさについて
のみ示しているが、コアCの変位(Displacement)Xと
出力(Out put)Eとの関係を位相を含め、または直流
的に示すと、図7のようになる。
【0042】このように、差動変圧器(Linear Variabl
e differential Transformer)は、機械的変位量(コア
Cの変位)を電気信号(es)に変換するもので、上記
の直線範囲を利用するとき、コアCの動きに比例した出
力電圧を連続無段階に得ることができる。
【0043】デジタルゲージ1は、測定ヘッド1Aとカ
ウンタ1Bとで形成されており、測定ヘッド1Aはシリ
ンダ状のボディーと、同ボディーに出没可能に取り付け
られた計測子1aとをそなえ、計測子1aの一定の変位
(例えば変位量0.1μ)毎に1パルスを出力するよう
になっており、このパルスをカウンタ1Bでカウントし
て、計測子1aの変位量を計測できるようになってい
る。
【0044】そして、荷重ばねレバー14に試験力Fが作
用して弾性変形し、荷重レバー11との間の寸法変化が生
じると、その変化に応じて計測子1aが出没してデジタ
ルゲージ1の分解能毎に信号(パルス)が測定ヘッド1
Aから出力され、そのパルスがカウンタ1Bでカウント
される。またカウンタ1Bがパルスをカウントした時点
毎に、差動変圧器2の(出力)電圧をCPU5で読み込
む構成となっている。
【0045】次に、上述の構成の装置による試験力の測
定方法について、図4のフローチャートに基づいて説明
する。荷重ばねレバー14に若干の(微小の)試験力を負
荷し、その時のカウンタ1Bの指示値を読む(ステップ
1)。
【0046】次いで、荷重ばねレバー14に負荷する試験
力を徐々に増加していくと、荷重ばねレバー14は同荷重
ばねレバー14に負荷された試験力に応じて荷重レバー11
に対して相対的変位を生じる。
【0047】荷重ばねレバー14のこの変位(量)がデジ
タルゲージ1および差動変圧器2で検出される。すなわ
ちデジタルゲージ1から、当該デジタルゲージ1の分解
能に応じて出力されるパルスをカウンタ1Bでカウント
する(ステップA2)。そして、カウンタ1Bでパルス
がカウントされた時に、差動変圧器2の出力電圧xをA
/D変換器8を経て読み取る(ステップA3)。
【0048】そしてこの計測操作を、試験力が所定値に
達するまで徐々に試験力を増加しながら行なう。次い
で、試験力が所定値に達するまで試験力を徐々に減じな
がら同様の計測操作を行ない、さらに試験力が所定値に
達するまで試験力を徐々に増加しながら同様の計測操作
を行なうというように、試験力の増加→減少→増加→減
少を繰り返しながら上記の計測操作を行なう。
【0049】このようにして得られたデータの一例を示
すと[表1](「平均」欄を除く)の通りである。なお
[表1]の場合、デジタルゲージ1として、1パルス/
0.1μ(変位0.1μ毎に1パルスを出力する)の低分
解能のものを用いた。また[表1]中の矢印は、試験力
の変動方向を示している。
【表1】
【0050】ここで、差動変圧器2の出力電圧xと荷重
ばねレバー14の変位量は、図7に示すように比例関係に
ある。また、計算の都合上荷重ばねレバー14が固定され
ているものと仮定すると、試験力の作用時における荷重
ばねレバー14と荷重レバー11との間の相対変位(量)
は、荷重レバー11の変位(量)yとなり、yはxに比例
する。
【0051】さらに、図4のフローチャートに示すよう
に、各カウントにおける差動変圧器の出力を算術平均し
(ステップA4:[表1]の最下欄にその平均値を示
す)、この平均値に基づき関数y=f(x)を作成する
時、関数y=f(x)は実状に極めて近いものとなる。
【0052】次いで、差動変圧器2の出力電圧xと荷重
レバー11の変位(量)yとの相関関係を定める関数y=
f(x)を作成する(ステップA5)。また、荷重レバ
ー11の変位(量)yは、荷重ばねレバー14に負荷される
試験力に比例するから、当該試験機における「試験力F
と荷重レバー11の変位量δとの関係F=g(δ)」を予
め計測してCPU5に入力しておき、y=f(x)およ
びF=g(δ)に基づいて、試験力Fと差動変圧器2の
出力xとの相関関係を定める関数F=G(x)をCPU
において算出する(ステップA6)。
【0053】そして、上述の、各カウンタ毎の差動変圧
器の出力の計測(ステップA3)、平均値の演算(ステ
ップA4)および関数の作成(ステップA5,ステップA
6)は、すべてCPU5において行なわれ、また関数F
=G(x)はCPU5に格納される。
【0054】硬さ試験に際しては、差動変圧器の電圧が
1のときの試験力F1は関数F=G(x)により演算さ
れ、そしてその数値が表示部6に「試験力」として表示
される。この一連の演算等もCPU5で行なわれること
はいうまでもない。
【0055】このように、この実施形態によれば、予め
(例えばメーカーの出荷時)、差動変圧器の出力と荷重
ばねレバーの変位(量)との関係から、差動変圧器の出
力と試験力との関係を定める関数y=f(x)に基づ
き、試験力Fと差動変圧器2との関係を定める関数F=
G(x)を作成し、その関数をCPUに格納しておき、
硬さ試験の際、計測された差動変圧器の電圧に対応する
試験力FをCPUで算出するようにしたため、デジタル
ゲージとして分解能の低いものを用いても、分解能の高
いデジタルゲージを用いたのと同様の精度で試験力を検
出することができる。
【0056】例えば、[表1]の例において、差動変圧
器の出力が0.58mVはカウント5.948717に相
当する(つまり荷重ばねレバー14の変位量は0.594
8717μ)というように、分解能が1パルス/0.1
μの低分解能のデジタルゲージを用いているにも拘わら
ず、荷重ばねレバー14の変位量として当該デジタルゲー
ジの分解能よりも3〜4桁も分解能の高いデジタルゲー
ジを用いた場合と同様の高精度の計測値を得ることがで
き、この計測値に基づいて、同様の高精度の試験力を計
測することができる。
【0057】この実施形態は、差動変圧器の出力の算術
平均に基づいて上記関数を作成するものであるから、関
数作成時における試験力の増減の繰返し操作が多いほ
ど、計測精度の高いものが得られることはいうまでもな
い。
【0058】このように、この実施形態では、荷重セン
サを、安定性に若干懸念のある差動変圧器を安定性の良
好なデジタルゲージと組合わせてハイブリッド式とした
ことにより、アナログ式計測器(差動変圧器)の長所を
利用して、測定量を離散的にしか表示できないデジタル
ゲージの欠点を補完することができ、その結果、デジタ
ルゲージとして低分解能のものを用いているにも拘わら
ず高分解能のデジタルゲージをそなえた硬さ試験機と同
程度の精度で試験力の測定が可能となる。
【0059】また、関数形成のもととなる差動電圧xと
して、圧子に負荷する試験力の増減を繰返してその平均
値を用いるようにしたため、硬さ試験の精度は極めて高
いものとなる。
【0060】さらに、パルス毎の差動変圧器の電圧xの
読取り、電圧xの算術平均の算出および荷重ばねレバー
の変位量yとxとの関係を表す関数y=f(x)の作成
ならびに関数y=f(x)と、当該試験力における予め
計測されている試験力Fと荷重ばねレバーの変位量との
関係に基づいた関数F=F(x)の作成をCPUで行な
うようにしたため、正確かつ迅速に試験力の検出が可能
となる。
【0061】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば次
のような効果が得られる。 (1) 試験力計測用の荷重センサを、安定性に若干懸念の
ある差動変圧器を安定性の良好なデジタルゲージと組合
わせてハイブリッド式としたことにより、アナログ式計
測器(差動変圧器)の長所を利用して、測定量を離散的
にしか表示できないデジタルゲージの欠点を補完するこ
とができ、その結果低分解能のデジタルゲージで高分解
能のデジタルゲージをそなえた硬さ試験機と同程度の精
度で試験力の測定が可能となる。 (2) 関数形成のもととなる差動電圧xとして、圧子に負
荷する試験力の増減を繰返してその平均値を用いるよう
にしたため、硬さ試験の精度は極めて高いものとなる。 (3) デジタルゲージの分解能毎に発信するパルス毎の差
動変圧器の電圧xの読取り、同電圧xの算術平均の算出
および関数y=f(x)および関数F=G(x)の作成
をCPUで行なうようにしたため、正確かつ迅速に試験
力の計測が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての押込み式硬さ試験
機における試験力測定装置をそなえたグースネック型ロ
ックウェル硬さ試験機の要部を示す一部断面模式側面
図。
【図2】(a) 図1のA矢視正面図。 (b) 図1のB矢視斜視図。
【図3】同試験力測定装置の要部のハードウェアブロッ
ク図。
【図4】同試験力測定装置による試験力測定方法の手順
を示すフローチャート。
【図5】同差動変圧器の模式構成図。
【図6】同差動変圧器の特性を示すグラフ。
【図7】同差動変圧器の特性を示すグラフ。
【図8】従来のグースネック型ロックウェル硬さ試験機
の模式側面図。
【図9】同硬さ試験機の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 ゲジタルゲージ 1A 測定ヘッド 1B カウンタ 1a 計測子 2 差動変圧器 2a 計測子 3,4 リード線 5 CPU 6 表示部 7 復調アンプ 8 A/D変換器 10 機枠 11 荷重レバー 12 十字ばね 13 コイルばね 14 荷重ばねレバー 15 圧子 20 試料支持装置 21 試料台軸としての角ねじ軸 22 試料台 23 オートブレーキ 24 歯車装置 25 回転ブッシュ 26 試料台モータ 40 押込み深さセンサ 50 荷重センサ 60 制御部 111, 112 穴 113 ネジ穴 F 試験力 x 差動変圧器の(出力)電圧 y 荷重レバーの変位(量)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷重レバーを介して圧子に試験力を負荷
    し、同圧子の同試料への押込み深さを計測して同試料の
    硬さ測定を行なう押込み式硬さ試験機において、上記圧
    子に対して上記試験力を負荷した際の上記荷重レバーの
    変位yに対応して、電圧xを出力する差動変圧器とパル
    スを出力するデジタルゲージとを設け、上記圧子に負荷
    する上記試験力を変動させて上記荷重レバーの変位を変
    化させながら上記デジタルゲージから上記パルスが出力
    される時点の上記差動変圧器の電圧xを読み込んで、上
    記荷重レバーの変位yと上記電圧xとの関係を定める関
    数y=f(x)を作成し、予め計測しておいた当該試験
    機における試験力Fに対する荷重レバーの変位の関係と
    上記関数y=f(x)とに基づいて、試験力Fと上記差
    動変圧器の電圧xとの関係を定める関数F=G(x)を
    算出して、押込み式硬さ試験における試験力を測定する
    ようにしたことを特徴とする、押込み式硬さ試験機にお
    ける試験力測定方法。
  2. 【請求項2】 上記圧子に負荷する試験力を所定の範囲
    内で繰返し増減して上記差動変圧器の電圧の平均値を算
    出し、同平均値に基づいて上記関数y=f(x)を作成
    するようにしたことを特徴とする、請求項1に記載の押
    込み式硬さ試験機における試験力測定方法。
  3. 【請求項3】 上記圧子に負荷する試験力の増減、上記
    差動変圧器の電圧の平均値の算出および同平均値に基づ
    く上記の関数y=f(x)ならびにF=G(x)の作成
    を、CPUにより自動的に行なうようにしたことを特徴
    とする、請求項2に記載の押込み式硬さ試験機における
    試験力測定方法。
  4. 【請求項4】 荷重レバーを介して圧子に試験力を負荷
    し、同圧子の同試料への押込み深さを計測して同試料の
    硬さ測定を行なうようにした押込み式硬さ試験機におい
    て、上記圧子に対する上記試験力の負荷に伴う上記荷重
    レバーの変位yに対応した電圧xを出力する差動変圧器
    と、上記荷重レバーの上記変位yに対応してパルスを出
    力するデジタルゲージとが上記荷重レバーに設けられ、
    同デジタルゲージが測定ヘッドと同測定ヘッドから出力
    されるパルスをカウントするカウンタとをそなえ、同カ
    ウンタで上記パルスをカウントした時点の上記差動変圧
    器の電圧xを読み取って上記荷重レバーの変位yと上記
    差動変圧器の電圧xとの関係を定める関数y=f(x)
    を作成するとともに、同関数y=f(x)と、予め計測
    しておいた当該試験機における試験力Fに対する荷重レ
    バーの変位の関係とに基づいて上記試験力Fと上記差動
    変圧器の電圧xとの関係を定める関数F=G(x)を算
    出するCPUが設けられていることを特徴とする、押込
    み式硬さ試験機における試験力測定装置。
  5. 【請求項5】 上記の差動変圧器とデジタルゲージの測
    定ヘッドとが、上記荷重レバーの長手方向と直交する方
    向に並設されていることを特徴とする、請求項4に記載
    の押込み式硬さ試験機における試験力測定装置。
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WO2003010515A1 (en) * 2001-07-23 2003-02-06 Hyung-Yil Lee Ball indenter utilizing fea solutions for property evaluation
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CN114295504A (zh) * 2021-11-30 2022-04-08 浙江省计量科学研究院 一种球压痕硬度测量方法

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