JP2000220427A - 船外機 - Google Patents

船外機

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JP2000220427A
JP2000220427A JP11024454A JP2445499A JP2000220427A JP 2000220427 A JP2000220427 A JP 2000220427A JP 11024454 A JP11024454 A JP 11024454A JP 2445499 A JP2445499 A JP 2445499A JP 2000220427 A JP2000220427 A JP 2000220427A
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JP
Japan
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passage
exhaust
oil
cooling water
cylinder
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Application number
JP11024454A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Kumita
敦 汲田
Hiroshi Oishi
浩 大石
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Yamaha Marine Co Ltd
Original Assignee
Sanshin Kogyo KK
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Publication date
Application filed by Sanshin Kogyo KK filed Critical Sanshin Kogyo KK
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Priority to EP20000101528 priority patent/EP1024266B1/en
Priority to DE2000623369 priority patent/DE60023369T2/de
Priority to US09/496,000 priority patent/US6276327B1/en
Publication of JP2000220427A publication Critical patent/JP2000220427A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B61/00Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing
    • F02B61/04Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers
    • F02B61/045Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers for marine engines

Landscapes

  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課 題】 カウンターフロータイプのエンジンを採
用するとともに、横倒しして保管しても潤滑オイルがク
ランク室に溜まり難い船外機を提供する。 【解決手段】 船外機のエンジン(13)は、ピストン
(28)が摺動可能に配置されているシリンダ(26)
と、このシリンダが形成されているシリンダブロック
(32)と、このシリンダブロックのクランクシャフト
(24)側を覆ってクランク室(30)を形成するクラ
ンクケース(33)と、シリンダの燃焼室(34)側を
覆っているシリンダヘッド(36)と、このシリンダヘ
ッドに形成されているとともに燃焼室に空気を供給する
吸気通路(41)と、シリンダヘッドに形成されている
とともに燃焼室から排気ガスを排気する排気通路(4
2)とを具備している。そして、吸気通路、排気通路お
よびクランク室戻り油路(146,7k)は、エンジン
の右側に配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガイドエキゾース
ト上にエンジンが搭載されているとともに、潤滑オイル
が溜まるオイル溜めがガイドエキゾーストの下方に配置
されている船外機に関する。
【0002】
【従来の技術】船外機のエンジンは、吸気通路および排
気通路が左右に振り分けて配置されているクロスフロー
タイプが一般的である。また、潤滑オイルがクランク室
からオイル溜めに戻るクランク室戻り油路は、吸気通路
や排気通路の配置を殆ど考慮せずに、配置されているこ
とが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、エンジンに
は、クロスフロータイプ以外にカウンターフロータイプ
がある。このカウンターフロータイプにおいては、吸気
通路および排気通路が同じ側すなわち左または右の一方
の側に配置されている。このカウンターフロータイプの
エンジンを船外機に採用することを検討している。ま
た、船外機を横倒しして保管すると、クランク室の潤滑
オイルがオイル溜めに留まらず、クランク室に溜まるこ
とがある。そして、このクランク室の潤滑オイルがシリ
ンダとピストンとの間を通って燃焼室に流入することが
ある。そのため、エンジン始動時の着火性能が悪化した
り、排気の汚濁が激しくなったりすることがある。
【0004】本発明は、以上のような課題を解決するた
めのもので、カウンターフロータイプのエンジンを採用
するとともに、横倒しして保管しても潤滑オイルがクラ
ンク室に溜まり難い船外機を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の船外機は、ガイ
ドエキゾースト(7)上にエンジン(13)が搭載され
ているとともに、潤滑オイルが溜まるオイル溜め(8
1)がガイドエキゾーストの下方に配置されている。そ
して、前記エンジンは、ピストン(28)が摺動可能に
配置されているシリンダ(26)と、このシリンダが形
成されているシリンダブロック(32)と、このシリン
ダブロックのクランクシャフト(24)側を覆ってクラ
ンク室(30)を形成するクランクケース(33)と、
前記シリンダの燃焼室(34)側を覆っているシリンダ
ヘッド(36)と、このシリンダヘッドに形成されてい
るとともに燃焼室に空気を供給する吸気通路(41)
と、前記シリンダヘッドに形成されているとともに燃焼
室から排気ガスを排気する排気通路(42)とを具備し
ている。かつ、吸気通路および排気通路の両者は、エン
ジンの右または左の一方の側に配置されているととも
に、クランク室とオイル溜めとを連通させているクラン
ク室戻り油路(146,7k)は、吸気通路および排気
通路の配置側と同じ側に配置されている。
【0006】また、前記エンジンが、前記吸気通路の開
口および前記排気通路の開口を各々開閉する開閉弁(4
6)と、この開閉弁を駆動するカムシャフト(48)
と、このカムシャフトが配置されているカム室(10
8)とを具備しているとともに、このカム室と前記オイ
ル溜めとはブリーザー通路(106,107,108)
で連通しており、このブリーザー通路が、吸気通路およ
び排気通路の配置側とは反対側に配置されている場合が
ある。
【0007】さらに、クランク室戻り油路が、複数設け
られている場合がある。そして、ガイドエキゾーストに
は、エンジンからの排気ガスを下方に導く排気通路(7
6)が形成され、かつ、ガイドエキゾーストの上面に
は、冷却水が流れる冷却水用溝(7e)が前記排気通路
の周縁に沿って形成されている場合がある。
【0008】また、ガイドエキゾーストには、潤滑オイ
ルが流れるオイル通路(7m,7i)が貫通して形成さ
れ、かつ、ガイドエキゾーストの上面には、冷却水が流
れる冷却水用溝が形成されているとともに、ガイドエキ
ゾーストの上面またはエンジンの下面の少なくとも一方
には、端部が開放している逃し溝(151,152)が
冷却水用溝とオイル通路との間に形成されている場合が
ある。さらに、前記オイル通路がオイル吸込通路である
場合がある。
【0009】そして、小型船舶などに取り付けられる取
付ブラケット(1)には、後端部にピボット軸(3)が
回動自在に設けられており、このピボット軸に、アッパ
ーマウント(6)を介して前記ガイドエキゾーストが取
り付けられているとともに、船外機本体の重心(G)
が、平面図示において、アッパーマウントと略同じ位置
にある場合がある。
【0010】さらに、アッパーマウントの上面には、前
後方向に溝(6e)が形成されており、この溝に、冷却
水が流れる冷却水路(93)が配されている場合があ
る。
【0011】また、船外機を操舵するためのハンドル
(12)は、前記吸気通路および排気通路の配置側とは
反対側に配置されている場合がある。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明におけるエンジンお
よびエンジンを搭載した船外機の実施の一形態を図1な
いし図19を用いて説明する。図1は本発明の実施の形
態の船外機の側面図である。図2は図1の船外機の断面
図である。図3は図2の要部拡大図である。図4は船外
機の上部を右側から見た一部切欠き断面図である。図5
はエンジンの要部断面図である。図6は船外機の内部の
平面図である。図7は船外機のエンジンの平断面図であ
る。図8は船外機の要部断面図で、図16および図17
のVIII断面図である。図9は船外機の要部断面図で、図
16および図17のIX断面図である。図10は船外機の
要部断面図で、図15の X-X断面図である。図11はシ
リンダブロックの正面図である。図12はシリンダブロ
ックの背面図である。図13はシリンダヘッドの正面図
である。図14はシリンダブロックおよびクランクケー
スの底面図である。図15はガイドエキゾーストの平面
図である。図16はガイドエキゾーストおよびエキゾー
ストパイプの底面図で、(a)がガイドエキゾーストの
図、(b)がエキゾーストパイプの図である。図17は
連結ケースおよびエキゾーストパイプの平面図で、
(a)が連結ケースの図、(b)がエキゾーストパイプ
の図である。図18はエキゾーストパイプの斜視図であ
る。図19は吸気通路冷却ジャケットの説明図で、図4
の要部拡大図である。
【0013】なお、図3において、ストレーナーおよび
吸込パイプの図示は省略されている。また、図5におい
て、燃焼室冷却用連通路および燃焼室冷却用連通路と連
通する分配流路の前部は本来見えないが、実線で図示さ
れている。そして、図7において、シリンダブロックの
下面を二点鎖線で図示している。さらに、図8におい
て、シリンダブロックは背面図で図示するとともに、本
来見えないシリンダヘッドの吸気通路および排気通路の
配置位置を2点鎖線で図示する。また、図9において、
シリンダブロックの左側の部分は、ブリーザー通路の部
分の断面図となっている。さらに、図17(a)におい
て、エキゾーストパイプ77の配置位置を二点鎖線で図
示している。また、図19において、吸気通路冷却ジャ
ケットの配置位置を破線で図示している。そして、この
明細書においては、クランクシャフトに対してシリンダ
配置側を「後側」とし、右舷側を「右側」としている。
【0014】船外機は、取付ブラケット1で小型船舶の
トランサム2などに取り付けられて固定されている。こ
の取付ブラケット1の後部には、ピボット軸3が回動自
在に設けられており、このピボット軸3は、上端部がア
ッパーマウント6を介してガイドエキゾースト7に、ま
た、下端部がロワーマウント9を介してアッパーケーシ
ング11に連結されている。そして、ピボット軸3の上
端部は前方に突出して、ステアリングブラケット10が
形成されている。このステアリングブラケット10にハ
ンドル12が回動自在に取り付けられており、ハンドル
12は、図1において、実線で図示されている前方に突
出している使用位置と、二点鎖線で図示されている格納
位置との間を回動することができる。また、ガイドエキ
ゾースト7上には、エンジン13が載置され、ボルトな
どで固定されている。アッパーマウント6は、ピボット
軸3に固定されている左右一対のロッド6aと、このロ
ッド6aが各々挿入される左右一対の筒部6bを具備す
る取付具6cと、筒部6bとロッド6aとの間に介在す
る弾性体としてのラバー6dとからなる。このアッパー
マウント6の取付具6cの上面には、左右の筒部6bの
間に溝6eが前後方向に延在して形成されている。
【0015】エンジン13の外側は、アッパーカウリン
グ16およびロワーカウリング17で覆われている。こ
のロワーカウリング17はガイドエキゾースト7で支持
されているとともに、アッパーカウリング16を支持し
ている。なお、ハンドル12が格納位置にある際には、
カウリング16,17の左側すなわち外側に位置してい
る。そして、ガイドエキゾースト7の下側には、連結ケ
ース21、アッパーケーシング11およびロワーケーシ
ング23が順次連結されている。また、ガイドエキゾー
スト7および連結ケース21は、左右側面が略面一とな
って連結されているとともに、ガイドエキゾースト7お
よび連結ケース21の外側は、見栄えを良好にするため
に、構造部材ではない樹脂製のエプロン25が覆ってい
る。このエプロン25は、連結ケース21に適宜手段に
より着脱自在に取り付けられている。
【0016】内燃機関であるエンジン13は、L型2気
筒の4サイクルであり、かつ、カウンターフロータイプ
すなわち、吸気通路および排気通路が右側すなわち燃焼
室に対して同じ側に形成されている。このエンジン13
のクランクシャフト24はその軸が略垂直すなわち上下
方向に設けられており、このクランクシャフト24の後
方には、シリンダ26が上下方向に2個設けられてい
る。また、クランクシャフト24には、2個のピストン
28が各々コンロッド29を介して連結されており、こ
のピストン28が各シリンダ26の内部に摺動可能に配
置されている。また、エンジン13のケース31は、前
述の2個のシリンダ26を形成するシリンダブロック3
2と、シリンダブロック32のクランクシャフト24側
を覆ってクランク室30を形成するクランクケース33
と、シリンダブロック32の燃焼室34側を覆って閉塞
するシリンダヘッド36とからなっている。このエンジ
ン13のシリンダブロック32およびクランクケース3
3がガイドエキゾースト7の上面に載置され固定されて
いる。一方、シリンダヘッド36はガイドエキゾースト
7には当接しておらず、ガイドエキゾースト7には取り
付けられていない。この様に構成することにより、シリ
ンダヘッド36は、シリンダブロック32およびガイド
エキゾースト7の両者に取り付けられている場合に比し
て、シリンダブロック32と取り付けられる前面のみ高
い加工精度を確保すればよく、下面の加工精度は比較的
低くても問題が少なくなり、加工や組み立てが容易とな
る。
【0017】そして、クランクシャフト24の下端は、
エンジンケース31から突出してドライブシャフト38
に連結されている。このドライブシャフト38は、連結
ケース21、アッパーケーシング11およびロワーケー
シング23内を上下方向に延在して配置されている。そ
して、ドライブシャフト38の回転は、図示しない傘歯
車などを介して、ロワーケーシング23の後端部に回転
自在に設けられているプロペラ39に伝達されている。
【0018】また、シリンダヘッド36には、先端部が
燃焼室34に開口してシリンダ26に空気を供給する吸
気通路41と、同様に、先端部が燃焼室34に開口して
シリンダ26の燃焼ガスを排気する排気通路42とがシ
リンダ26毎すなわち気筒毎に形成されている。この吸
気通路41および排気通路42のポートは、燃焼室34
の右側の部分に形成されているとともに、吸気通路41
のポートは、排気通路42のポートの上方に配置されて
いる。各ポートは開閉弁46で開閉されている。この開
閉弁46は、ロッカーアーム47を介して、カムシャフ
ト48で駆動されている。このカムシャフト48は上下
方向に延在している。
【0019】そして、クランクシャフト24の上端は、
エンジンケース31から突出しており、このクランクシ
ャフト24の上端部に駆動プーリ51がナットで締めつ
けられて固定されている。この駆動プーリ51の上側に
は、フライホイル52が取り付けられている。また、カ
ムシャフト48の上端部にも被駆動プーリ54が設けら
れている。そして、無端伝動部材であるタイミングベル
ト56が、クランクシャフト24の駆動プーリ51と、
カムシャフト48の被駆動プーリ54とに掛け渡されて
おり、クランクシャフト24とカムシャフト48とは連
動して回転している。シリンダヘッド36の下側には、
オイルポンプ57が取り付けられており、このオイルポ
ンプ57はカムシャフト48で駆動されている。
【0020】そして、シリンダヘッド36の各吸気通路
41の端部には、吸気管66の後端部が接続されてい
る。この上下一対の吸気管66は合流してキャブレター
67に接続され、このキャブレター67に空気吸込部6
8が接続されている。
【0021】また、シリンダブロック32には、合流排
気通路71が上下方向に延在して形成されており、この
合流排気通路71から分岐する2本の分岐流路72が各
々、シリンダヘッド36の排気通路42に接続されてい
る。シリンダブロック32の合流排気通路71の下端
は、ガイドエキゾースト7に形成されている排気通路7
6に接続され、さらに、ガイドエキゾースト7の排気通
路76の下端にはエキゾーストパイプ77が接続されて
いる。このエキゾーストパイプ77には、冷却水パイプ
78が一体に形成されており、冷却水パイプ78の下端
はエキゾーストパイプ77よりも下方に延在している。
この冷却水パイプ78の上端は、ガイドエキゾースト7
のエキゾーストパイプ用冷却水路79に接続されてい
る。
【0022】また、連結ケース21には、オイル溜めと
してのオイル溜め部81、排気通路用空間82、アイド
ル膨張室83、前側上部室84および前側下部室86が
形成されている。各空間同士は隔壁87で互いに仕切ら
れている。オイル溜め部81は上面が開口しているとと
もに、連結ケース21の左右側壁21a,21bにわた
って形成されており、その内部にはストレーナー88が
設けられている。このストレーナー88は、吸込パイプ
90などを介してオイルポンプ57の吸込口に接続され
ている。排気通路用空間82はオイル溜め部81の後側
に配置されているとともに、連結ケース21を上下に貫
通して形成されている。この排気通路用空間82にエキ
ゾーストパイプ77が配置されている。アイドル膨張室
83は上面が開口しているとともに、後側の壁に排気口
89が形成されている。また、連結ケース21の上面に
は、排気通路用空間82とアイドル膨張室83との間に
アイドル排気用溝91が形成されている。ドライブシャ
フト用空間兼冷却水上がり用空間としての前側上部室8
4および前側下部室86は、隔壁87で上下に仕切られ
ているとともに、この隔壁87を貫通して、ドライブシ
ャフト38および冷却水路である冷却水上がり管93が
上下方向に配置されている。前側上部室84は前面が開
口している。一方、前側下部室86は、アッパーケーシ
ング11の前部空間94と連通し、この前部空間94と
ともに、水溜めとなっている。このアッパーケーシング
11の前部空間94には、冷却水ポンプ96が配置され
ている。この冷却水ポンプ96は、ドライブシャフト3
8で回転駆動されているとともに、その吐出口には冷却
水上がり管93が接続されている。また、アッパーケー
シング11には、前部空間94の後側に、隔壁を隔てて
排気通路102が配置されている。
【0023】この様に構成されている連結ケース21が
ガイドエキゾースト7の下面に取り付けられている状態
では、ガイドエキゾースト7はオイル溜め部81の上蓋
となっている。また、ガイドエキゾースト7の下面に
は、連結ケース21のアイドル排気用溝91に対向する
位置に、アイドル排気用溝92が形成されている。そし
て、連結ケース21がガイドエキゾースト7に取り付け
られた際には、この両アイドル排気用溝91,92でア
イドル排気通路が形成されて、排気通路用空間82の排
気ガスをアイドル膨張室83に導いている。さらに、ガ
イドエキゾースト7の下部は、後端部がシリンダヘッド
36の下方に張り出して張出部7aが形成されている
が、この張出部7aは、前述の様にシリンダヘッド36
には固定されておらず、片持ち支持となっており、強度
が低くなっている。そして、連結ケース21には、ガイ
ドエキゾースト7の張出部7aの下方に、排気通路用空
間82の一部およびアイドル膨張室83が配置され、オ
イル溜め部81は配置されていない。すなわち、オイル
溜め部81の後端部はシリンダヘッド36よりも前方に
位置している。したがって、潤滑オイルを収容して重く
なるオイル溜め部81は、張出部7aで支持する必要が
なくなり、張出部7aの強度を比較的低くすることがで
きる。そのため、オイル溜め部81の前後方向の長さは
短くなり、オイル溜め部81の容積を確保することが難
しくなるが、オイル溜め部81は連結ケース21の左右
側壁21a,21bにわたって形成されているので、極
力容量を大きくすることができる。
【0024】次に、エンジン13への冷却水の供給構造
を詳述する。ロワーケーシング23には、冷却水取入口
101が形成されている。この冷却水取入口101から
冷却水ポンプ96まで吸込水路23eが形成されてい
る。この冷却水ポンプ96の吐出口には、前述の様に冷
却水上がり管93が接続され、この冷却水上がり管93
は上方に延在し、アッパーケーシング11の前部空間9
4、連結ケース21の前側下部室86および連結ケース
21の前側上部室84を通り、次いで、アッパーマウン
ト6の上面の溝6eを通って後方に延在し、分配流路1
11に接続されている。この分配流路111は、ガイド
エキゾースト7の上面の冷却水用溝である分配溝7e
と、シリンダブロック32の下面の分配溝32eとで構
成されている。そして、シリンダブロック32がガイド
エキゾースト7に取り付けられた状態では、ガイドエキ
ゾースト7の分配溝7eとシリンダブロック32の分配
溝32eとは互いに対向して接続され分配流路111を
形成する。これら、冷却水取入口101、吸込水路23
e、冷却水上がり管93、分配流路111が冷却水上り
流路を構成している。
【0025】ガイドエキゾースト7の分配溝7eには、
ガイドエキゾースト7のエキゾーストパイプ用冷却水路
79に連通する落水孔7hが形成されている。そして、
落水孔7h、エキゾーストパイプ用冷却水路79、およ
び冷却水パイプ78でエキゾーストパイプ冷却流路が構
成されている。一方、シリンダブロック32の分配溝3
2eには、水抜き穴113が形成されており、シリンダ
ブロック32のシリンダ26の周囲に形成されているシ
リンダ周り流路114と連通している。このシリンダ周
り流路114の後面は開口している。また、シリンダブ
ロック32の分配溝32eには、後方に延在する燃焼室
冷却用連通路32fおよび吸排気冷却用連通路32gが
形成されている。そして、シリンダヘッド36には、燃
焼室冷却用連通路36fおよび吸排気冷却用連通路36
gが形成されており、この燃焼室冷却用連通路36fお
よび吸排気冷却用連通路36gが各々、シリンダブロッ
ク32の燃焼室冷却用連通路32fおよび吸排気冷却用
連通路32gに接続されている。
【0026】シリンダヘッド36の燃焼室冷却用連通路
36fは、シリンダヘッド36の燃焼室34の周囲に形
成されている燃焼室周り流路117に連通している。こ
のシリンダヘッド36の燃焼室周り流路117は、前面
が開口しており、シリンダブロック32のシリンダ周り
流路114の後面開口に接続されている。そして、シリ
ンダ周り流路114の上端には、サーモスタット119
が設けられている。このサーモスタット119には、第
1排水パイプ121が接続され、冷却水温度が設定温度
(たとえば、60℃)以下の時には、シリンダ周り流路
114から第1排水パイプ121への流れを略遮断し、
一方、冷却水温度が設定温度を越えると、シリンダ周り
流路114から第1排水パイプ121への流れを許容し
ている。この第1排水パイプ121は、シリンダブロッ
ク32に設けられている排水流路122に接続され、さ
らに、この排水流路122が第2排水パイプ123に接
続されている。この第2排水パイプ123は、ガイドエ
キゾースト7とエプロン25との間を通って下方に配設
されている。そして、燃焼室冷却用連通路32f、燃焼
室冷却用連通路36f、燃焼室周り流路117、シリン
ダ周り流路114、第1排水パイプ121、排水流路1
22および第2排水パイプ123が、シリンダ冷却流路
を構成している。
【0027】一方、シリンダヘッド36の吸排気冷却用
連通路36gは、吸気通路冷却ジャケット131に接続
されている。この吸気通路冷却ジャケット131は、側
面図において(すなわち、外側から見て)、シリンダヘ
ッド36の下段の吸気通路41および両排気通路42に
重なっている状態(言い換えると、吸気通路41および
排気通路42の外側を覆う状態)で配置され、冷却して
いる。そして、上段の吸気通路41には重ならず、殆ど
冷却していない。また、吸気通路冷却ジャケット131
には、パイロット水用パイプ133が接続されている。
これら吸排気冷却用連通路32g、吸排気冷却用連通路
36g、吸気通路冷却ジャケット131およびパイロッ
ト水用パイプ133が吸気冷却流路を構成している。
【0028】次に、エンジン13への潤滑オイルの供給
構造を詳述する。ガイドエキゾースト7には、オイル上
昇通路7iが上下に貫通して形成されている。このオイ
ル上昇通路7iは、下端が前述の吸込パイプ90を介し
てストレーナー88に接続されている。また、シリンダ
ブロック32には、オイル接続通路32iが形成されて
おり、一端がオイル上昇通路7iに接続され、他端はシ
リンダブロック32の後面に開口している。そして、シ
リンダヘッド36には、オイルポンプ57の吸込口に接
続されている吸込口通路36iおよび、オイルポンプ5
7の吐出口に接続されている吐出口通路36jが形成さ
れており、このシリンダヘッド36の吸込口通路36i
がシリンダブロック32のオイル接続通路32iに接続
されている。これらストレーナー88、吸込パイプ9
0、ガイドエキゾースト7のオイル上昇通路7i、シリ
ンダブロック32のオイル接続通路32iおよびシリン
ダヘッド36の吸込口通路36iが、オイルポンプ57
が潤滑オイルを吸い込むオイル吸込通路を構成してお
り、オイルポンプ57の稼働中は負圧となる。
【0029】そして、シリンダヘッド36の吐出口通路
36jは、シリンダブロック32のオイル供給通路32
jに接続されている。このオイル供給通路32jは、前
方へ延在してメインギャラリー140に連通していると
ともに、リリーフバルブ141が設けられている。この
リリーフバルブ141は、シリンダブロック32の下面
から下方に突出し、ガイドエキゾースト7のリリーフバ
ルブ用貫通孔142に配置されている。また、メインギ
ャラリー140はシリンダブロック32内において上下
方向に延び、分岐通路143が、このメインギャラリー
140から前方に分岐して、クランクシャフト24に潤
滑オイルを供給している。クランクシャフト24に供給
された潤滑オイルはクランク室30内に飛散される。シ
リンダブロック32には、クランク室オイル戻り通路1
46が形成されている。このオイル戻り通路146は2
個の通路146a,146bで構成され、右側すなわち
吸気通路41および排気通路42が配置されている側に
設けられている。この各オイル戻り通路146a,14
6bは、上端がクランク室30の内側面および底面に開
口し、下端がシリンダブロック32の下面に開口してい
る。また、ガイドエキゾースト7には、クランク室オイ
ル戻り孔7kが貫通して形成され、このオイル戻り孔7
kがオイル戻り通路146に接続されている。このクラ
ンク室オイル戻り通路146およびクランク室オイル戻
り孔7kが、クランク室戻り油路を構成している。
【0030】さらに、シリンダヘッド36はカムシャフ
ト48配置側がヘッドカバー105で覆われ、カム室1
08が形成されている。オイルポンプ57は、カムシャ
フト48が配置されているカム室108にも潤滑オイル
を供給している。このカム室108内の潤滑オイルは、
シリンダヘッド36のカム室戻り通路36m、シリンダ
ブロック32のカム室戻り通路32mおよびガイドエキ
ゾースト7のカム室オイル戻り孔7mを通って、オイル
溜め部81に戻っている。このカム室戻り通路36m,
32mおよびカム室オイル戻り孔7mは、クランク室オ
イル戻り通路146およびクランク室オイル戻り孔7k
と同様に右側に配置されているが、それらよりは船外機
の中心軸線寄りである。
【0031】また、ブリーザー通路106,107,1
09が、各々ガイドエキゾースト7、シリンダブロック
32およびシリンダヘッド36に形成され、オイル溜め
部81とカム室108とを連通させている。シリンダヘ
ッド36のブリーザー通路109は、シリンダヘッド3
6のカム室戻り通路36mよりも上方において、カム室
108に開口している。また、このブリーザー通路10
6,107,109は、クランク室オイル戻り通路14
6およびクランク室オイル戻り孔7kの配置側とは異な
る側である左側に配置されている。
【0032】さらに、ガイドエキゾースト7の上面に
は、図15に図示するように、冷却水が流れる冷却水路
用溝としての分配溝7eと、潤滑オイルが流れるオイル
流路としてのカム室オイル戻り孔7mおよびオイル上昇
通路7iとの間に、逃し溝152が形成されている。こ
の逃し溝152の端部はカウリング16,17内の空間
に開放している。そして、冷却水がカム室オイル戻り孔
7mおよびオイル上昇通路7iに流出することや、潤滑
オイルが分配溝7eに流出することを、逃し溝152が
遮断し、カウリング16,17内に排出している。同様
に、シリンダブロック32の下面には、分配溝32e
と、カム室戻り通路32mの開口およびオイル接続通路
32iの開口との間に逃し溝151が形成されている。
この逃し溝151の端部もカウリング16,17内の空
間に開放し、逃し溝152と同様に、冷却水および潤滑
オイルの他の流路への流出を遮断している。
【0033】ところで、冷却水上がり管93は、アッパ
ーマウント6の下方からアッパーマウント6の前方およ
び上面の溝6eを通って後方に向かって配置されてい
る。そのため、冷却水上がり管93をアッパーマウント
6の下方からアッパーマウント6の後方を通ってアッパ
ーマウント6の上方に配置した場合よりも、アッパーマ
ウント6を後方に配置することができる。そして、図1
5の平面図示において(すなわちクランクシャフト24
の上方から見て)、船外機本体(マウント6,9に支持
されている部分、言い換えるとマウント6,9を外した
状態の船外機)の重心Gは、アッパーマウント6と略同
じ位置、すなわち、アッパーマウント6の後端よりも前
方に位置している。したがって、船外機本体を安定して
支持することができ、船外機の振動などが減少する。
【0034】この様に構成されている船外機において、
クランクシャフト24が、図7の矢印で図示する方向に
回転すると、空気吸込部68からキャブレター67内に
空気が吸い込まれ、キャブレター67で燃料が供給され
て燃料混合気体となっている。この混合気体は、吸気管
66およびシリンダヘッド36の吸気通路41を通り、
シリンダ26の燃焼室34内に流入している。燃焼室3
4内に流入した燃料混合気体は、図示しない点火プラグ
で点火されて燃焼しており、この際に生じる排気ガスは
シリンダヘッド36の排気通路42、シリンダブロック
32の分岐流路72、合流排気通路71、ガイドエキゾ
ースト7の排気通路76、エキゾーストパイプ77、連
結ケース21の排気通路用空間82およびアッパーケー
シング11の排気通路102などを通って、プロペラ3
9のボスなどから排出されている。なお、アイドル時
は、連結ケース21の排気ガスは、ガイドエキゾースト
7と連結ケース21との間のアイドル排気用溝91,9
2を通り、アイドル膨張室83に流入し、排気口89か
ら排出されている。そして、燃料混合気体が燃焼した際
の膨張力により、ピストン28が往復動し、このピスト
ン28の往復動によりコンロッド29を介してクランク
シャフト24が回転する。
【0035】このクランクシャフト24の回転に伴っ
て、駆動プーリ51、タイミングベルト56および被駆
動プーリ54を介して、カムシャフト48が回転し、オ
イルポンプ57が稼働する。このオイルポンプ57の稼
働により、連結ケース21のオイル溜め部81の潤滑オ
イルは、ストレーナー88、吸込パイプ90、ガイドエ
キゾースト7のオイル上昇通路7i、シリンダブロック
32のオイル接続通路32iおよびシリンダヘッド36
の吸込口通路36iを介して、オイルポンプ57に吸い
込まれている。そして、オイルポンプ57に吸い込まれ
た潤滑オイルは、オイルポンプ57の吐出口から吐出し
て、クランク室オイル供給通路であるシリンダヘッド3
6の吐出口通路36j、シリンダブロック32のオイル
供給通路32j、メインギャラリー140および分岐通
路143を介してクランクシャフト24に供給され、ク
ランク室30に流入する。そして、潤滑オイルがシリン
ダブロック32のオイル供給通路32jを流れている際
に、潤滑オイルの圧力がリリーフバルブ141の設定圧
力よりも高いと、リリーフバルブ141が開き、潤滑オ
イルはオイル溜め部81に排出されて、潤滑オイルの圧
力を設定値としている。また、クランク室30の潤滑オ
イルは、クランク室オイル戻り通路146およびガイド
エキゾースト7のクランク室オイル戻り孔7kを通って
オイル溜め部81に戻っている。さらに、オイルポンプ
57から、カムシャフト48が配置されているカム室1
08にも潤滑オイルが供給されているが、このカム室1
08の潤滑オイルは、シリンダヘッド36のカム室戻り
通路36m、シリンダブロック32のカム室戻り通路3
2mおよびガイドエキゾースト7のカム室オイル戻り孔
7mを通ってオイル溜め部81に戻っている。
【0036】そして、ピストン28の往復動により、ク
ランク室30の気圧は高くなったり、低くなったりして
いる。また、ピストン28とシリンダ26との隙間か
ら、燃焼室34のガスがクランク室30にブローバイガ
スとして漏れることがある。そのため、気体(ガス)
が、クランク室オイル戻り通路146およびガイドエキ
ゾースト7のクランク室オイル戻り孔7kを通って、ク
ランク室30とオイル溜め部81との間を上下に行き来
している。この気体が、潤滑オイルと同じ方向に流れて
いる際には、円滑に流れるが、潤滑オイルとは逆の方向
すなわちオイル溜め部81からクランク室30に向かっ
て流れる際には、潤滑オイルが気体の流れを妨げること
になる。しかしながら、クランク室オイル戻り通路14
6が複数個設けられているので、一方のクランク室オイ
ル戻り通路146を潤滑オイルが流れ、他方のクランク
室オイル戻り通路146を気体が逆方向に流れ、この様
にして、潤滑オイルおよび気体は比較的円滑に流れるこ
とができる。
【0037】また、オイル溜め部81内の気体は、ガイ
ドエキゾースト7のブリーザー通路106およびシリン
ダブロック32のブリーザー通路107などを通って、
カム室108に流れることができる。このカム室108
の気体は、ブリーザー室148を通って、吸気系である
空気吸込部68に排出されている。
【0038】さらに、クランクシャフト24の回転に伴
って、冷却水ポンプ96が稼働する。冷却水ポンプ96
は、船外機の外側の水を、ロワーケーシング23に形成
されている冷却水取入口101から吸い込んで、冷却水
上がり管93などを介して分配流路111に供給してい
る。そして、分配流路111において、シリンダ冷却流
路、吸気冷却流路およびエキゾーストパイプ冷却流路に
分配されている。すなわち、一部の冷却水は、燃焼室冷
却用連通路32f、燃焼室冷却用連通路36f、燃焼室
周り流路117、シリンダ周り流路114、サーモスタ
ット119、第1排水パイプ121、排水流路122お
よび第2排水パイプ123を流れて排出され、エプロン
25とアッパーケーシング11との隙間から船外機の外
に流出している。そして、燃焼室周り流路117および
シリンダ周り流路114を流れている際に、燃焼室34
およびシリンダ26を冷却している。また、他の一部の
冷却水は、吸排気冷却用連通路32g、吸排気冷却用連
通路36g、吸気通路冷却ジャケット131およびパイ
ロット水用パイプ133を流れて、シリンダヘッド36
の排気通路42および、排気通路42に挟まれている吸
気通路41を冷却してから、船外機の外に排出されてい
る。さらに、残りの一部の冷却水は、落水孔7h、エキ
ゾーストパイプ用冷却水路79、および冷却水パイプ7
8を流れてエキゾーストパイプ77を冷却している。そ
して、冷却水パイプ78から流れ出た冷却水は、連結ケ
ース21の排気通路用空間82およびアッパーケーシン
グ11の排気通路102などを通って、プロペラ39の
ボスなどから排出されている。また、冷却水パイプ78
の下端は、エキゾーストパイプ77よりも下方に位置し
ているので、冷却水パイプ78から流出した冷却水が、
エキゾーストパイプ77を通って、エンジン13に流入
することを極力防止することができる。
【0039】さらに、冷却水ポンプ96は冷却水上がり
管93に冷却水を吐出するとともに、冷却水ポンプ96
のハウジングから冷却水が漏れて、アッパーケーシング
11の水溜めとしての前部空間94に冷却水を供給して
いる。アッパーケーシング11の前部空間94は、連結
ケース21の水溜めとしての前側下部室86に連通して
おり、前側下部室86も冷却水で満たされ、この冷却水
でオイル溜め部81の下部を冷却することができる。そ
して、前側下部室86と前側上部室84と仕切っている
隔壁87には、ドライブシャフト38や冷却水上がり管
93が貫通する孔が形成されているが、この孔を通っ
て、前側下部室86の冷却水が前側上部室84に流入す
る。前側上部室84は外部に開放しているので、前側上
部室84の冷却水はこの開放部から外部に排出されてい
る。
【0040】前述のように、実施の形態においては、冷
却水上り流路から、シリンダ冷却流路、吸気冷却流路お
よびエキゾーストパイプ冷却流路が分岐している。そし
て、シリンダ冷却流路には、サーモスタット119が設
けられており、アイドル時などにおいて、シリンダ26
を冷却しすぎることを防止することができる。また、吸
気冷却流路によりシリンダヘッド36の吸気通路41を
強力に冷却することができる。特に、排気通路42に挟
まれて配置されている吸気通路41は、他の吸気通路4
1よりも温度上昇する傾向がある。しかしながら、吸気
冷却流路は、他の吸気通路41よりも、排気通路42に
挟まれて配置されている吸気通路41に近接して設けら
れており、この吸気通路41の温度上昇を防止すること
ができる。その結果、吸気通路41同士の温度差を極力
少なくすることができる。
【0041】そして、冷却水用溝であるガイドエキゾー
スト7の分配溝7eは、その一部が排気通路76に沿っ
て設けられており、排気通路76を冷却することができ
る。さらに、分配溝7eは、排気通路76とオイル通路
(すなわち、カム室オイル戻り孔7mやオイル上昇通
路)との間に配置されており、排気通路76を流れる排
気ガスの熱が、オイル通路を流れる潤滑オイルに影響を
与えることを極力防止することができる。
【0042】また、吸気冷却流路にはサーモスタットが
設けられておらず、冷却水ポンプ96からの冷却水は、
常時吸気冷却流路を介して流すことができる。したがっ
て、プレッシャーバルブを設けなくても、冷却水ポンプ
96に大きな負荷が加わることを極力防止することがで
きる。さらに、エキゾーストパイプ冷却流路にも、冷却
水上り流路の比較的温度の低い冷却水が供給されてお
り、エキゾーストパイプ77を強力に冷却することがで
きる。
【0043】エンジン13はカウンターフロータイプで
あり、吸気通路41および排気通路42がエンジン13
の一方の側である右側に配置されているので、他の側で
ある左側に、比較的大きなスペースを確保することがで
きる。その結果、補機などの他の部品の配置が容易とな
る。
【0044】また、吸気通路冷却ジャケット131は、
排気通路42および、排気通路42同士の間に位置する
吸気通路41に、外側から見て重なって配置され、か
つ、排気通路42同士の間に位置しない吸気通路41に
は、重なって配置されていない。したがって、吸気通路
冷却ジャケット131は、高温となりやすい排気通路4
2同士の間に位置する吸気通路41を冷却することがで
きる。その結果、吸気通路同士の温度を極力等しくする
ことができる。
【0045】また、ブリーザー通路107および、格納
した状態のハンドル12は左側に、吸気通路41、排気
通路42およびクランク室オイル戻り通路146は右側
に配置されている。すなわち、ハンドル12と、吸気通
路41、排気通路42およびクランク室オイル戻り通路
146とが、シリンダ26を中心として左右に振り分け
られて配置されている。そして、船外機を地面などに倒
して置く際には、ハンドル12を下側にするので、吸気
通路41および排気通路42は上側となり、吸気通路4
1や排気通路42に燃料や潤滑オイルが溜まることを防
止することができる。また、クランク室オイル戻り通路
146も上側となるので、クランク室30の潤滑オイル
は円滑にオイル溜め部81に回収されている。さらに、
ブリーザー通路107は、クランク室オイル戻り通路1
46の反対側に配置され、配置スペースの確保が容易と
なる。
【0046】さらに、キャブレター67などを操作する
リモコンケーブル(図示しない)は、船外機が取り付け
られている小型船舶の右舷側に配設されており、キャブ
レター67が右側に設けられていると、リモコンケーブ
ルの取り回しが容易となる。
【0047】以上、本発明の実施の形態を詳述したが、
本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、
特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、
種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例を
下記に例示する。 (1)前記実施の形態においては、エンジン13はL型
2気筒の4サイクルエンジンであるが、その気筒数や気
筒の配置などは適宜変更可能である。たとえば、3気筒
や6気筒などにしたりすることも可能である。 (2)左右方向の配置の関係は、反転させることも可能
である。
【0048】(3)クランク室オイル戻り通路146の
個数の配置は適宜変更可能である。ただし、複数設ける
と、潤滑オイルおよび気体の流れが円滑となる。また、
クランク室オイル戻り通路146は全て、吸気通路およ
び排気通路の配置側に配置されている。 (4)逃し溝151,152は、エンジン13の下面お
よびガイドエキゾースト7の上面に設けられているが、
少なくとも何れか一方に設けられていればよい。ただ
し、ガイドエキゾースト7の上面には形成されているこ
とが好ましい。
【0049】(5)燃料はインジェクターで供給するこ
とも可能である。 (6)オイル溜めとして、オイルパンを設けることも可
能である。 (7)カムシャフトを複数設けることも可能である。 (8)冷却水上がり管の材質などは適宜選択可能であ
る。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、シリンダヘッドの吸気
通路および排気通路は、エンジンの右または左の一方の
側に配置されており、カウンターフロータイプとなって
いる。したがって、吸気通路および排気通路の配置側の
反対側には、比較的大きなスペースができ、補機などの
部品の配置が容易となる。しかも、クランク室戻り油路
は吸気通路および排気通路の配置側と同じ側に配置され
ており、吸気通路および排気通路を上側にして、船外機
を横倒しにした際に、クランク室戻り油路も上側とな
る。そのため、船外機を横倒しにした際に、吸気通路に
燃料などが溜まることを防止することができるととも
に、クランク室内に潤滑オイルが溜まることを防止する
ことができる。その結果、クランク室の潤滑オイルが、
燃焼室に侵入することを極力防止することができる。
【0051】また、ブリーザー通路が吸気通路および排
気通路とは反対側に配置されている場合には、ブリーザ
ー通路の配置スペースを比較的容易に確保することがで
きる。
【0052】さらに、クランク室戻り油路が、複数設け
られている場合には、クランク室からオイル溜めへ向か
う潤滑オイルと、オイル溜めからクランク室に向かう気
体とが、それぞれ異なるクランク室戻り油路を通って流
れ、互いに干渉することを極力防止することができる。
その結果、潤滑オイルおよび気体が円滑に流れることが
できる。
【0053】そして、ガイドエキゾーストの上面に、冷
却水の流れる冷却水用溝が排気通路の周縁に沿って形成
されている場合には、この冷却水用溝で排気通路を冷却
することができる。しかも、この冷却水用溝は、上面が
エンジンの下面で覆われて、冷却水通路を構成してお
り、ガイドエキゾースト内に孔を穿つよりも簡単に、冷
却水用通路を製作することができる。
【0054】また、ガイドエキゾーストの上面またはエ
ンジンの下面の少なくとも一方に、端部が開放している
逃し溝が冷却水用溝とオイル通路との間に形成されてい
る場合には、冷却水用溝から漏れた冷却水がオイル通路
に侵入したり、逆に、オイル通路から漏れた潤滑オイル
が冷却水用溝に侵入したりすることを逃し溝で防止する
ことができる。
【0055】さらに、前記オイル通路がオイル吸込通路
である場合には、このオイル吸込通路が負圧となるにも
係わらず、冷却水用溝から漏れた冷却水がオイル吸込通
路に流れることを前記逃し溝で防止することができる。
【0056】そして、船外機本体の重心が、平面図示に
おいて、アッパーマウントと略同じ位置にある場合に
は、アッパーマウントで船外機本体の荷重を比較的安定
して支持することができる。その結果、船外機の振動を
極力減少させることができる。
【0057】さらに、アッパーマウントの上面の前後方
向の溝に、冷却水路が配されている場合には、冷却水路
をアッパーマウントの溝に配置でき、スペースを有効利
用することができる。その結果、船外機の高さを極力低
くすることができる。
【0058】また、船外機を操舵するためのハンドル
が、吸気通路および排気通路の配置側とは反対側に配置
されている場合には、吸気通路および排気通路を上側と
して船外機を地面などに横倒しにした際に、ハンドルが
下側すなわち地面側となる。したがって、このハンドル
で船外機のカウリングなどを保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態の船外機の側面図で
ある。
【図2】図2は図1の船外機の断面図である。
【図3】図3は図2の要部拡大図である。
【図4】図4は船外機の上部を右側から見た一部切欠き
断面図である。
【図5】図5はエンジンの要部断面図である。
【図6】図6は船外機の内部の平面図である。
【図7】図7は船外機のエンジンの平断面図である。
【図8】図8は船外機の要部断面図で、図16および図
17のVIII断面図である。
【図9】図9は船外機の要部断面図で、図16および図
17のIX断面図である。
【図10】図10は船外機の要部断面図で、図15の X
-X断面図である。
【図11】図11はシリンダブロックの正面図である。
【図12】図12はシリンダブロックの背面図である。
【図13】図13はシリンダヘッドの正面図である。
【図14】図14はシリンダブロックおよびクランクケ
ースの底面図である。
【図15】図15はガイドエキゾーストの平面図であ
る。
【図16】図16はガイドエキゾーストおよびエキゾー
ストパイプの底面図で、(a)がガイドエキゾーストの
図、(b)がエキゾーストパイプの図である。
【図17】図17は連結ケースおよびエキゾーストパイ
プの平面図で、(a)が連結ケースの図、(b)がエキ
ゾーストパイプの図である。
【図18】図18はエキゾーストパイプの斜視図であ
る。
【図19】図19は吸気通路冷却ジャケットの説明図
で、図4の要部拡大図である。
【符号の説明】
G 船外機本体の重心 1 取付ブラケット 3 ピボット軸 6 アッパーマウント 6e アッパーマウントの溝 7 ガイドエキゾースト 7e ガイドエキゾーストの分配溝(冷却水用溝) 7i ガイドエキゾーストのオイル上昇通路(オイル通
路,オイル吸込通路) 7k ガイドエキゾーストのクランク室オイル戻り孔
(クランク室戻り油路) 7m ガイドエキゾーストのカム室オイル戻り孔(オイ
ル通路) 12 ハンドル 13 エンジン 24 クランクシャフト 26 シリンダ 28 ピストン 30 クランク室 32 シリンダブロック 33 クランクケース 34 燃焼室 36 シリンダヘッド 41 シリンダヘッドの吸気通路 42 シリンダヘッドの排気通路 46 開閉弁 48 カムシャフト 76 ガイドエキゾーストの排気通路 81 オイル溜め部(オイル溜め) 93 冷却水上がり管(冷却水路) 106 ガイドエキゾーストのブリーザー通路 107 シリンダブロックのブリーザー通路 108 カム室 109 シリンダヘッドのブリーザー通路 146 クランク室オイル戻り通路(クランク室戻り油
路) 151 ガイドエキゾーストの逃し溝 152 シリンダブロックの逃し溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G013 AA03 AA07 AB01 BB07 BB19 BC01 BC02 BC11 BD07 BD26 BD27 3G015 AA03 AA07 AB01 BE03 BE16 BF05 BF08 CA05 DA02 DA10 EA26

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガイドエキゾースト上にエンジンが搭載
    されているとともに、潤滑オイルが溜まるオイル溜めが
    ガイドエキゾーストの下方に配置されている船外機にお
    いて、 前記エンジンは、ピストンが摺動可能に配置されている
    シリンダと、このシリンダが形成されているシリンダブ
    ロックと、このシリンダブロックのクランクシャフト側
    を覆ってクランク室を形成するクランクケースと、前記
    シリンダの燃焼室側を覆っているシリンダヘッドと、こ
    のシリンダヘッドに形成されているとともに燃焼室に空
    気を供給する吸気通路と、前記シリンダヘッドに形成さ
    れているとともに燃焼室から排気ガスを排気する排気通
    路とを具備しており、 吸気通路および排気通路の両者は、エンジンの右または
    左の一方の側に配置されており、 クランク室とオイル溜めとを連通させているクランク室
    戻り油路は、吸気通路および排気通路の配置側と同じ側
    に配置されていることを特徴とする船外機。
  2. 【請求項2】 前記エンジンは、前記吸気通路の開口お
    よび前記排気通路の開口を各々開閉する開閉弁と、この
    開閉弁を駆動するカムシャフトと、このカムシャフトが
    配置されているカム室とを具備しており、 このカム室と前記オイル溜めとはブリーザー通路で連通
    しており、 このブリーザー通路は、吸気通路および排気通路の配置
    側とは反対側に配置されていることを特徴とする請求項
    1記載の船外機。
  3. 【請求項3】 前記クランク室戻り油路は、複数設けら
    れていることを特徴とする請求項1または2記載の船外
    機。
  4. 【請求項4】 前記ガイドエキゾーストには、エンジン
    からの排気ガスを下方に導く排気通路が形成され、 かつ、ガイドエキゾーストの上面には、冷却水が流れる
    冷却水用溝が前記排気通路の周縁に沿って形成されてい
    ることを特徴とする請求項1,2または3記載の船外
    機。
  5. 【請求項5】 前記ガイドエキゾーストには、潤滑オイ
    ルが流れるオイル通路が貫通して形成され、 かつ、ガイドエキゾーストの上面には、冷却水が流れる
    冷却水用溝が形成され、 そして、ガイドエキゾーストの上面またはエンジンの下
    面の少なくとも一方には、前記冷却水用溝と前記オイル
    通路との間に、端部が開放している逃し溝が形成されて
    いることを特徴とする請求項1,2,3または4記載の
    船外機。
  6. 【請求項6】 前記オイル通路がオイル吸込通路である
    ことを特徴とする請求項5記載の船外機。
  7. 【請求項7】 小型船舶などに取り付けられる取付ブラ
    ケットには、後端部にピボット軸が回動自在に設けられ
    ており、このピボット軸に、アッパーマウントを介して
    前記ガイドエキゾーストが取り付けられ、 船外機本体の重心が、平面図示において、アッパーマウ
    ントと略同じ位置にあることを特徴とする請求項1ない
    し6の何れか1項記載の船外機。
  8. 【請求項8】 前記アッパーマウントの上面には、前後
    方向に溝が形成されており、 この溝に、冷却水が流れる冷却水路が配されていること
    を特徴とする請求項7記載の船外機。
  9. 【請求項9】 船外機を操舵するためのハンドルは、前
    記吸気通路および排気通路の配置側とは反対側に配置さ
    れていることを特徴とする請求項1ないし8の何れか1
    項記載の船外機。
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