JP2000216749A - 直交周波数分割多重変調信号伝送装置 - Google Patents

直交周波数分割多重変調信号伝送装置

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JP2000216749A
JP2000216749A JP11014629A JP1462999A JP2000216749A JP 2000216749 A JP2000216749 A JP 2000216749A JP 11014629 A JP11014629 A JP 11014629A JP 1462999 A JP1462999 A JP 1462999A JP 2000216749 A JP2000216749 A JP 2000216749A
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signal
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carrier
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JP11014629A
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Atsushi Miyashita
敦 宮下
Toshiyuki Akiyama
俊之 秋山
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Hitachi Denshi KK
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Hitachi Denshi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マルチキャリア変調により作成された信号波
形中でのピーク値が抑えられ、信号処理レベルに余裕を
もたせることなく、充分に信頼性の高い伝送が得られる
ようにしたOFDM伝送装置を提供すること。 【解決手段】 周波数を異にする複数本のキャリアを用
いてディジタル信号を伝送する方式の直交周波数分割多
重変調信号伝送装置において、送信側TXで前記キャリ
アの間に所定のパターンで配列した複数本の無データキ
ャリヤを挿入するようにし、このため、それぞれがパタ
ーンを異にする無データキャリアを付加する複数個(4
個)のIFFT部33−1〜33−4を設け、これらの
出力の中でピーク値が最小のものを制御回路35で検出
し、その結果を選択回路36に与えることにより、最小
のピーク値の信号が選択回路36から出力されて受信側
RXに伝送されるようにしたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル信号伝
送装置に係り、特に、直交周波数分割多重変調方式によ
るディジタル信号の伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、日本も含め、ヨーロッパやアメリ
カなど、世界中でテレビジョン放送のディジタル化が検
討されており、そして、その変調方式としては、OFD
M変調方式の採用が有力視されている。ここで、OFD
M変調方式とは、直交周波数分割多重(Orthogonal Freq
uencyDivision Multiplex)変調方式の略称であり、これ
はマルチキャリア変調方式の一種で、多数のディジタル
変調波を加え合わせたものとなる。
【0003】そして、この方式での各キャリアの変調方
式としてはQPSK方式などが用いられ、この場合、図
23に示すような合成波信号(OFDM信号)が得られる
が、このOFDM信号を数式で表現すると、以下のよう
になる。まず、各キャリアのQPSK信号をαk(t)とす
ると、これは、次の(1)式で表わせる。
【0004】
【数1】
【0005】ここで、kはキャリアの番号を示し、ak
(t)、bk(t)はk番目のキャリアのデータで、[−1]
又は[1]の値をとる。次に、キャリアの本数をNとす
ると、OFDM信号はN本のキャリアの合成であり、こ
れをβk(t)とすると、これは、次の(2)式で表わすこと
ができる。
【0006】
【数2】
【0007】そして、OFDM信号は、上記の信号から
以下のようにして構成される。まず、例えば1024サ
ンプルの有効サンプルデータに、32サンプルのガード
インターバルデータを付加して1056サンプルとした
ものを1組の信号単位シンボルとする。
【0008】次に、この信号単位シンボル396組につ
いて4組の同期シンボルを付加して400組とし、これ
をフレームと呼ぶストリーム単位の繰り返しとして、O
FDM信号を構成するのである。図12は、このような
OFDM信号を用いた伝送装置、すなわち直交周波数分
割多重変調信号伝送装置(以下、OFDM伝送装置とい
う)の基本な構成を示すブロック図で、図示のように、
処理部AとIFFT部3、それに処理部Cの各ブロック
からなる送信側TXと、処理部DとFFT部11、それ
に処理部Fの各ブロックからなる受信側RXで構成さ
れ、これら送信側TXと受信側RXは、例えば電波を用
いた無線の伝送路Lにより結ばれている。
【0009】まず、送信側TXについて説明する。レー
ト変換器1には、図13(a)に示すような、OFDM信
号からなる連続シリアル状態の送信側データDin が入
力され、ここで、例えば400シンボルからなるフレー
ム毎に処理され、このフレーム期間内で、同期シンボル
の4シンボル期間を除く396個の情報シンボル毎に、
1番から400番と、625番から1024番までの計
800サンプル期間にデータが出力され、図13(b)に
示すように、間欠状態のレート変換済データDii とし
て、符号化部2Tに供給される。
【0010】また、このとき、レート変換部1は、フレ
ーム周期である400シンボル毎に送信側フレーム制御
パルスFSTを発生し、同期シンボル期間の開始を表わ
すフレームパルス信号として、他のブロックに供給す
る。符号化部2は、入力されたデータDii を符号化
し、I軸とQ軸の2軸にマッピングしたデータRfとデ
ータIf を出力する。
【0011】IFFT部3は、これらのデータRf 、I
f を周波数成分と見なし、これにより、図13(c)に示
すように、1024サンプルからなる時間波形信号R
(実数成分)、I(虚数成分)に変換する。ここで、IFF
Tとは、逆フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transf
orm)のことである。
【0012】ガード付加部4は、1024サンプルから
なる時間波形信号R、Iの開始期間における波形の中
で、例えば最初の32サンプルの波形を1024サンプ
ル後に付加し、合計1056サンプルの時間波形からな
る情報シンボルRg、Ig として出力する。従って、情
報シンボルRg は、ガードインターバルデータ付加済時
間波形の実数成分となり、情報シンボルIg は、ガード
インターバルデータ付加済時間波形の虚数成分となる。
【0013】同期シンボル挿入器5は、これら情報シン
ボルRg 、Ig に対して、それの396サンプル毎に、
予めメモリなどに記憶してある4シンボルからなる同期
波形を挿入し、図13(d)に示すフレーム構成のデータ
Rsg、Isg を作成する。従って、データRsg は、同期
シンボル及びガードインターバルデータ付加済時間波形
の実数成分となり、データIsg は、同期シンボル及び
ガードインターバルデータ付加済時間波形の虚数成分と
なる。
【0014】これらのデータRsg、Isg は直交変調処
理部6に供給され、ここでDA変換器6Aと直交変調器
6B、それにローカル発振器6Cにより、周波数Fc の
搬送波によるOFDM変調波信号RFとして生成され、
高周波増幅されて伝送路Lに送出されることになる。こ
のときの送信側TXでの処理に必要なクロックCKは、
図示のように、クロック発振器11で発生され、各ブロ
ックに送信側クロックCKdとして供給されるようにな
っている。
【0015】次に、受信側RXについて説明する。伝送
路Lを介して受信側RXで受信された周波数Fc のOF
DM変調波信号RFは直交復調処理部10に入力され、
ここで、まず直交復調器10Aにより、電圧制御発振器
10Cから供給されている周波数Fc' の局部発信信号
と乗算され、ベースバンドの信号に直交復調された上
で、AD変換器10Bによりディジタル化されてデータ
R'sg、I'sg に変換される。
【0016】従って、データR'sg は、受信側ベースバ
ンド変換後同期シンボル及びガードインターバルデータ
付加済時間波形の実数成分となり、データI'sg は、受
信側ベースバンド変換後同期シンボル及びガードインタ
ーバルデータ付加済時間波形の虚数成分となる。
【0017】この直交復調処理部10から出力されたデ
ータR'sg、I'sg はFFT部11に供給され、ここで
まず時間波形信号から周波数成分信号R'f、I'f に変
換される。ここで、FFTとは、高速フーリエ変換(Fas
t Fourier Transform)のことである。
【0018】次いで、これら周波数成分信号R'f、I'f
は復号化部12に入力され、識別されてデータD'o に
なり、レート逆変換部13に供給される。そして、この
レート逆変換部13でレート逆変換処理されることによ
り、連続した信号Dout として出力される。
【0019】一方、直交復調処理部10から出力された
データR'sg、I'sg は同期検出器14にも供給され、
ここで同期シンボル群が検出され、これによりフレーム
パルスとなるパルスFSTr が取り出される。このパル
スFSTr は、受信側フレーム制御パルスとなり、この
フレームパルスFSTr が受信側RXの各ブロックに供
給され、上記した処理が得られることになる。
【0020】また、この同期検出器14は、電圧制御ク
ロック発振器15から発生されるクロックCKr と、デ
ータR'sg、I'sg の同期成分を比較し、比較結果に応
じて制御電圧VCを生成し、これにより電圧制御クロッ
ク発振器15を制御し、正しい周期のクロックCKr が
発生され、受信側RXの各ブロックに供給されるように
する。
【0021】次に、図12に示した各ブロックの詳細に
ついて説明する。まず、図14は、レート変換部1の一
例で、入力されてくるシリアルのデータDin は、シリ
アルパラレル変換器1Aによりパラレル信号に変換され
た上で、Din 端子からFIFO(ファーストイン・ファ
ーストアウト)メモリ1Bに書き込まれ、Dout 端子か
ら読み出される。
【0022】このとき、FIFOメモリ1Bのデータの
書き込みは、WCK端子に供給されているクロックCK
m により行われ、読み出しは、RE端子のレベルに応じ
て、RCK端子に供給されているクロックCKに同期し
て行われる。このため、クロックCKをPLL&VCO
1Dに供給し、これにより、PLL&VCO1Dからク
ロックCKの周波数のM/G倍の周波数のクロックCK
m を生成させ、FIFOメモリ1BのWCK端子に供給
する。
【0023】ここで、PLLとは位相引込ループ回路の
ことで、VCOとは電圧制御発振器のことであり、さら
に、このFIFOメモリ1Bの書き込み用のクロックと
なるクロックCKm と、読み出し用のクロックとなるク
ロックCKとの関係を表わすM/Gについては、次に説
明するようになる。なお、このクロックCKは、IFF
Tの処理クロックと同じなる。
【0024】CKm =CK×(情報シンボル数)/(全シ
ンボル数)×(キャリア本数)/(シンボル全サンプル数)
×変調多値数 M/G=CKm /CK 従って、上記の数値の場合は、 M/G=396/400×800/1056×2=0.
75 となる。
【0025】また、クロックCKはFSTカウンタ1E
にも供給され、これにより、送信側TXでの処理におけ
るフレーム基準となるFSTパルスがFSTカウンタ1
Eから発生されるようにする。
【0026】そして、このパルスFSTをFIFOメモ
リ1BのWRST端子とRRST端子に入力し、リセッ
トの基準とする。一方、FIFOメモリ1BのRE端子
には、デコーダ1Cから出力されるパルスを供給する。
【0027】次に、図15は、符号化部2の一例で、信
号Dii はマッピングROM2A、2Bに入力され、こ
こで、IQ軸の所定点に変換される。このとき、不要キ
ャリアに相当する期間の信号はSEL(選択器)2C、2
Dにより0に置換し、これによりデータRf、Ifが作
成される。このため、これらのSEL2C、2Dは、コ
ントローラ2Eにより、クロックCKとパルスFSTに
よりタイミングが決められた状態で発生されてくるパル
スPsel で制御される。
【0028】図16は、IFFT変換部3の一例で、ク
ロックCKとコントローラ3Bから出力される信号SS
Tにより動作するIFFT変換回路3Aで構成され、コ
ントローラ3Bは、クロックCKとパルスFSTにより
タイミングをとって信号SSTを発生するようになって
いて、これにより、ガード期間を含めたシンボル周期の
信号を基準にして、入力信号Rf、Ifを時間軸信号
R、Iに変換することができる。具体的には、このIF
FT変換回路3Aとして、例えばプレッシー社のPDS
P16510と呼ばれているICなどを用いることによ
り、容易に実現できる。
【0029】図17は、ガード付加部4の一例で、ここ
に入力された時間軸信号R、Iは、1024サンプルの
遅延時間をもつ遅延器4A、4Bと、1025サンプル
目から1056サンプル目のときだけ切替わるSEL4
C、4Dに入力される。
【0030】ここで、SEL4C、4Dは、CKとFS
Tによってタイミングが決められたコントローラ4Eに
よって制御される。この結果、出力されるべき全105
6サンプルからなるシンボルは、1025サンプル目か
ら1056サンプル目に、1サンプルから32サンプル
の間の時間波形がガードとして付加され、情報シンボル
Rg、Ig となる。
【0031】図18は、同期挿入部5の一例で、まず、
ROM5A、5Bは、クロックCKとパルスFSTでタ
イミングが決められたコントローラ5Eにより制御さ
れ、これにより、パルスFSTに応じたタイミングで同
期シンボル信号を発生する。
【0032】同様に、SEL5C、5Dは、クロックC
KとパルスFSTでタイミングが決められたコントロー
ラ5Fにより制御され、ガード付の時間情報シンボルR
g 、Ig の、現段階では無信号期間である1シンボルか
ら4シンボルまでの期間だけをROM5A、5Bから読
み出した同期シンボル信号に切り替えて出力する。
【0033】ここで詳しい説明は省略するが、この同期
シンボル信号は、NULLと呼ばれる部分と、SWEE
Pと呼ばれる部分が挿入されている。そして、まずNU
LLとは無信号部分のことで、これを挿入した目的は、
同期シンボル群の存在を大まかに見い出すためであり、
このNULLシンボル期間では、信号を一切出力しない
ようになっている。
【0034】次に、SWEEPとは1シンボル器間に伝
送帯域の下限周波数から上限周波数に変化する信号のこ
とで、このSWEEPを挿入した目的は、シンボル切り
替わり点が正確に求められるようにするることである。
【0035】ここで、図12に戻り、直交変調処理部6
について、説明を補足すると、DA変換器6Aにより実
数部の信号Rsg と虚数部の信号Isg に対してDA変換
を行い、直交変調部6Bでは、まず実数部信号に対して
は発振器6Cからの周波数fc のキャリア信号のままで
変調し、他方、虚数部信号に対しては、発振器6Cの周
波数fc のキャリア信号を90°移送した信号で変調す
ることにより直交変調を施し、これらの信号を合成して
OFDM変調波信号を得るのである。
【0036】次に、受信側RXの構成動作について説明
する。受信側RXでは、伝送されたフレーム構成の信号
は、まず直交復調処理部10に入力される。
【0037】ここでの処理は、送信側TXとは反対で、
直交復調器10Aにより、電圧制御発振器10Cから出
力される周波数Fc' のキャリア信号により復調した出
力を実数部信号として取り出し、キャリア信号を90°
移相して復調した出力を虚数部信号として取り出す。そ
して、これら実数部と虚数部の各復調アナログ信号をA
D変換器10Cによりディジタル信号に変換するのであ
る。
【0038】図19はタイミング再生部の一例で、図1
2の同期検出部14から制御電圧VCを発生する部分を
除いたものに相当する。直交復調したディジタル信号で
ある時間波形信号R'sg、I'sg は、NULL終了検出
器14AとSWEEP演算部14Bに入力される。NU
LL終了検出器14Aは、フレーム構成のシンボル群か
ら同期シンボル中で無信号状態にあるNULLを検出
し、同期シンボルの大まかな位置(タイミング)を検出
し、NULL終了時点からタイマ回路によりSWEEP
シンボル開始時点を推定して、SWEEP期間指示パル
スSTを出力する。
【0039】SWEEP演算部14Bは、SWEEP期
間指示パルスSTを参照し、NULLシンボルの後に存
在するSWEEPシンボルを検出し、各シンボルの正確
な切替わりタイミングを捜索する。具体的には、予めS
WEEPシンボルのパターンが格納してあるメモリ14
Dを用い、入力されたOFDM信号と、このメモリ14
Dから読出したパターンを例えば相関演算し、両者が一
致した時点で一致パルスHを出力するように構成してあ
り、発生した一致パルスHはフレームカウンタ14Cの
リセット端子Re に入力される。
【0040】このフレームカウンタ14Cは、リセット
端子Re に一致パルスHが入力されてリセットした後、
クロックCKのカウントを開始し、カウント数がフレー
ム周期に相当する値、例えば1056×400という値
になる毎にパルスFSTr を出力すると共に、カウント
値を0に戻してから再びクロックCKのカウントを開始
する。
【0041】従って、以後、このフレームカウンタ14
Cからは、一定カウント毎に、つまりフレーム開始点毎
に、パルスFSTr が出力されることになり、これによ
り、受信側では、このパルスFSTr を用い、上記した
高速フーリエ変換、復号、逆レート変換の開始タイミン
グとするのである。
【0042】そして、まず、FFT変換部11は、この
パルスFSTr に基づいてシンボルを区切り、上記した
ように、フーリエ変換をすることによりOFDM復調を
行ない、データR'f、I'f を出力する。
【0043】次に、復号化部12は、ROMテーブルに
よりデータR'f、I'f を判別することによりデータD'
o を算出するもので、図20に示すように、ROM12
Aを備え、データR'f、I'f によりROM12Aを検
索し、データD'o を算出する。
【0044】そして、このとき、差分検出器12Bと積
和回路12C、それにカウンタ12Dを用い、クロック
CKr とパルスFSTr により動作タイミングをとり、
直交復調処理部10の電圧制御発振器10Cを制御する
ための制御電圧VC2を生成するように構成してある。
【0045】次に、図21は、逆レート変換部13の一
例で、この図から明らかなように、図14に示した送信
側TXでのレート変換部1を反転した構成になってい
る。すなわち、FIFOメモリ13Aとパラレルシリア
ル変換器13B、デコーダ13C、PLL&VCO13
D、それにFSTカウンタ13Eを備えている。
【0046】そして、クロックCKr とパルスFSTr
により動作タイミングをとり、まずデータD'o をFI
FOメモリ13Aに書き込み、その後、読み出してパラ
レルシリアル変換器13Bにより、パラレル信号からシ
リアル信号に変換するのである。
【0047】ところで、ここでOFDM変調波信号RF
に必要な周波数帯域幅は、ベースバンドにおける時間波
形信号Rsg、Isg の帯域の2倍となる。そして、ベー
スバンドの信号Rsg、Isg の帯域は、送信側TXのI
FFT部3に入力されるデータに依存して決定される。
【0048】そこで、このIFFT部3の動作につい
て、図22により、更に詳しく説明すると、このIFF
T部3は、周期1/SのクロックCKに同期して順次入
力されてくるN個(N=1024)の周波数成分を、IF
FT変換により、図22(a)に示すように、N個の周波
数成分を持つ時間波形に変換するものである。ここで、
SはIFFT部3の読出クロックの周波数であり、従っ
て、このIFFT部3の書き込みクロックCKm の周波
数は、S×M/Gとなる。
【0049】そして、このとき、図22(b)に示すよう
に、1番目のデータf0は、直流成分であるキャリア0
の振幅レベルを決定し、2番目のデータf1は、周期1
024/Sのキャリア1の振幅レベルを決定する。そし
て3番目のデータf2は、周期512/Sのキャリア2
の振幅レベルを決定する。
【0050】このように、入力されるN個目の周波数成
分は、周期1024/(N×S)のキャリアNの振幅を決
定することになり、従って入力したデータ成分の個数が
最高周波数、すなわち帯域幅を決定することになる。
【0051】なお、こうして個別に振幅が決定され、変
換作成された計N本のキャリアは、キャリア毎に独立し
て出力されるのではなく、総加算され、図22(c)に示
すように、1種類の時間波形Rとなる。但し、この時間
波形Rは、総計で1024サンプルのデータから構成さ
れ、各サンプルデータは周期の1024倍の周波数とな
る。
【0052】また、このときのキャリア間隔は、IFF
Tサンプル数とIFFTクロックによって決まる。すな
わち、以下の通りになる。 キャリア間隔=(IFFTサンプル数)/(IFFTクロ
ック周波数) 次に、同じく帯域幅は、キャリア間隔とキャリア本数に
よって決定される。すなわち、以下の通りになる。 帯域幅=(キャリア間隔)×(キャリア本数)
【0053】このように、伝送データは、N個目の周波
数成分として与えられる。前述したように、こうして作
成される時間波形Rは、振幅が決定されたN本のキャリ
アの時間波形値をサンプル時間毎に加算し作成したもの
である。そして、この時間波形の瞬時振幅値は、最大の
場合、平均振幅値に対して、√N倍にまで達することが
ある。
【0054】具体的には、例えば、キャリア数を800
本とした場合、ピーク値の最大振幅値は、平均電力の約
30倍にもなる。なお、このときの最大振幅値は、与え
たデータ成分の組み合わせによって決まり、シンボル周
期毎に新たなデータが割り当てられるため、各キャリア
に与える振幅は更新され、シンボル毎に最大振幅値は異
なってゆく。
【0055】ところで、このようにして作成されたOF
DM変調方式の信号は、最終的にはUHF帯やマイクロ
帯の高周波信号に電力増幅され、アンテナから放射され
るものであり、従って、このようなデータの伝送では、
平均電力に対して、最大振幅値が例えば30倍にも達す
る信号を扱う必要があるが、仮に、このとき、最大振幅
値の信号で高周波電力増幅系が飽和してしまったとする
と、伝送信号成分が劣化し、伝送の信頼性が低下してし
まう。
【0056】例えば、単一正弦波信号sin(H)を、飽
和レベルの10倍の大振幅で高周波電力増幅系に入力し
た場合には、飽和レベル以上の出力は潰れ、正弦波が崩
れて矩形波状になってしまうが、このような矩形波状の
信号には、基本波sin(H)成分の他に、sin(3
H)、sin(5H)……などの奇数次高調波成分が現れ
てしまう。
【0057】そして、マルチキャリア変調によるOFD
M変換方式の場合、各キャリアには、それぞれ搬送する
データが個別に与えられており、従って、伝送系の特性
に飽和が生じると、搬送すべきデータ成分f1から作成
されたキャリアsin(H)に上記した高調波成分が生じ
てしまう。
【0058】そうすると、この場合には、キャリアsi
n(5H)により搬送されるべき本来のデータ成分f5
けではなく、データ成分f1 がキャリアsin(5H)と
して生成されてしまい、これが伝送信号に重畳されてし
まうことになる。
【0059】この結果、受信側でキャリアsin(5H)
を復調したとき、本来のデータ成分f5 に、キャリアs
in(H)で伝送されるべきデータ成分f1 が所定の割合
aだけ混入したデータ成分(f5+a・f1)が現れ、この
ため、データ成分f5 が正しく復号できなくなってしま
うことになり、従って、伝送の信頼性が低下してしまう
のである。
【0060】このように、OFDM変調方式の信号につ
いては、アナログ段階の信号処理には十分な配慮が必要
であり、たとえ低い頻度とはいえ、必ず発生するであろ
う大きな瞬時値の信号入力にも備えておく必要があり、
このため、従来技術では、特に高周波信号の電力増幅系
の最大定格出力に大きな余裕をもたせ、平均的には、例
えば最大定格出力の10%以下の出力で動作させるよう
に、入力レベルを抑えて使用するようにするのが一般的
であった。
【0061】
【発明が解決しようとする課題】従来技術は、OFDM
変調方式の伝送では、高周波電力増幅部での信号処理レ
ベルに大きな余裕が必要な点について配慮がされておら
ず、装置の大型化や消費電力の増加、更には増幅素子の
価格上昇の問題があった。
【0062】例えば、従来技術では、装置に必要な平均
的な出力に対して、時々生じるであろう大きなピーク値
にも充分に対応可能な電力増幅器が必要になり、この結
果、所望の高周波出力が、例えば0.5Wの場合でも、
実出力は5W〜10Wにも達する高周波増幅器を用いる
必要があり、従って、装置の大きさ、消費電力、増幅素
子のコストなど、種々のデメリットが惹起されてしまう
のである。
【0063】本発明の目的は、マルチキャリア変調によ
り作成された信号波形中でのピーク値が抑えられ、信号
処理レベルに余裕をもたせることなく、充分に信頼性の
高い伝送が得られるようにしたOFDM伝送装置を提供
することにある。
【0064】
【課題を解決するための手段】上記目的は、周波数を異
にする複数本のキャリアを用いてディジタル信号を伝送
する方式の直交周波数分割多重変調信号伝送装置におい
て、前記複数本のキャリアの中に所定のパターンで配列
した複数本の無データキャリヤを設定する手段を設け、
前記所定のパターンを変えることにより、直交変調処理
すべき時間波形に現われるピーク値を抑えるようにして
達成される。
【0065】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるOFDM伝送
装置について、図示の実施形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態の全体ブロック構成で、送
信側TXでは、図12の従来技術におけるIFFT部3
に代えて処理部Bを設け、受信側RXでは、同じく従来
技術におけるFFT部11に代えて処理部Eを設けたも
ので、その他、処理部Aと処理部C、処理部D、それに
処理部Fを備えている点は、図12に示した従来技術に
よるOFDM伝送装置と同じであり、それらの構成につ
いても同じである。
【0066】始めに、本発明の原理について説明する。
本発明では、まず、マルチキャリア変調により作成され
た信号波形の中で、どのようなときに大きなピーク値が
現われるのか考察した結果、N本のキャリアに割り当て
たN種のデータが、何種類かの特定の組み合わせになっ
た場合に大きなピーク値が生じることを見い出した。
【0067】そこで、次に、N本のデータ用キャリア
に、予め複数本の無データキャリアを付加しておき、こ
れら無データキャリアのパターンを変えてみた結果、デ
ータにより上記した特定の組み合わせになって、そのま
まではピーク値が大きくなってしまう状態になったとき
でも、無データキャリアのパターンによりピーク値が低
減できる場合があることを見い出した。
【0068】これを図により説明すると、まず図2は、
例えば1番から900番までのキャリアに、計100本
の無データキャリア(図では、3番と900番のキャリ
アしか示してない)を付加した場合を示したものである
が、このとき、伝送すべきデータの内容により、特定の
組み合わせになって、図示のように、時間波形に大きな
ピークが現われてしまった場合を示している。
【0069】次に、図3は、図2と同じデータ内容で、
複数本の無データキャリアのパターンを変えた場合、つ
まり、図2では、無データキャリア3と無データキャリ
ア900が+(最初の波形が正)になっていたのを、図3
では、それらを、夫々−(最初の波形が負)にした場合を
示したもので、この場合には、時間波形のピークが小さ
くなっていることが判る。
【0070】そこで、本発明では、例えば100本など
の複数本の無データキャリアを付加した上で、それら無
データキャリアの夫々の位相状態やレベル状態を変え、
無データキャリア全体のパターンを変えることにより、
同じデータ内容による時間波形の中で、ピーク値が小さ
くなる無データキャリアパターンを選び、このパターン
のもとで時間波形を作成して伝送するようにしたもので
ある。
【0071】このとき、無データキャリヤには、伝送す
べきデータが割り当ててないので、受信側での復号時に
は不要であり、従って、この無データキャリアに関する
パターンなどの情報を伝送する必要はなく、受信側では
無視することができる。
【0072】ところで、このようなピーク値を低下させ
るのに必要な無データキャリアのパターンについて、そ
れをデータ毎に実時間で、例えば1シンボル期間で算出
しようとすると、極めて高速での計算処理が必要にな
る。そこで、以下の実施形態では、無データキャリアの
パターンとして、予め数パターンから数10パターンを
用意しておき、それらを付加して得た結果の中で最も低
いピーク値が得られたパターンを採用するようにしてあ
る。
【0073】図1に戻り、この実施形態について説明す
る。まず、送信側TXについて説明すると、処理部Aか
らの出力は処理部Bに入力され、幾つかの所定のパター
ンによる無データキャリアの付加により作成された時間
波形の中からピークの少ない時間波形が選択され、この
時間波形R、Iが処理部Cに入力され、大きなピーク値
の無い時間波形R、Iによる信号RFが伝送路Lに送出
されることになる。
【0074】次に、送信側TXについて、特に処理部B
の詳細について説明すると、この実施形態での処理部B
は、図示のように、4個の無データキャリア付加IFF
T部33−1〜33−4と、同じく4個の遅延回路34
−1〜34−4、それに制御回路35と選択回路36と
で構成されている。
【0075】そして、処理部AでI軸とQ軸の2軸にマ
ッピングされ、処理部Bに入力されたデータRf、If
は、4個の無データキャリア付加IFFT部33−1〜
33−4にそれぞれ並列に供給され、それぞれ別の異な
ったパターンからなる複数本の無データキャリアが付加
された上で時間波形に変換され、それぞれの時間波形信
号〜として、同じく並列に出力される。
【0076】このときの無データキャリアのパターンの
種別としては、例えば、無データキャリアの全ての位相
を揃って反転させたもの、レベルを0にしたもの、偶数
番を反転させたもの、或いは奇数番だけ位相を反転させ
たものなどがある。次いで、このようにして各無データ
キャリア付加IFFT部33−1〜33−4で作成され
た各時間波形信号〜は、それぞれ遅延回路34−1
〜34−4に入力され、ここで1シンボル期間、遅延さ
れる。
【0077】一方、無データキャリア付加IFFT部3
3−1〜33−4の出力は、制御回路35にも入力され
ていて、ここで、1シンボル期間毎に、入力された各時
間波形信号〜のそれぞれの最大ピーク値が比較さ
れ、これらの中でピーク値が最も低い値を示した時間波
形信号が検出される。そして、制御回路35は、この検
出結果を選択回路36に出力する。
【0078】そこで、選択回路36は、次のシンボル期
間中、この検出結果に応じて、遅延回路34−1〜34
−4の中の1個の信号、すなわち、ピーク値の最も低い
時間波形を選択し、時間波形R、Iとして出力するので
ある。ここで、遅延回路34−1〜34−4は、制御回
路35での選択処理時間を稼ぐ働きをする。
【0079】従って、この実施形態によれば、送信側T
Xの処理部Cには、そのときの送信側データDin によ
る時間波形の中で、ピーク値の最も低い時間波形R、I
が入力されることになり、UHF帯やマイクロ帯の高周
波信号に電力増幅する際の信号のレベルに、平均値に比
して10倍にもなるピーク値が現われるのが充分に抑え
られることになる。
【0080】次に、無データキャリア付加IFFT部3
3−1〜33−4の一例について、図4により説明す
る。なお、これらは、付加すべき無データキャリアのパ
ターンが異なるだけで、ブロックで表わした構成は何れ
も同じなので、代表として無データキャリア付加IFF
T部33−1について説明する。
【0081】図4(a)において、マッピングされた信号
Rf、Ifは、書込パルスWPにより、夫々FIFOメ
モリ33−1−2、33−1−3に取り込まれ、次い
で、読出パルスRPにより、出力データRfs、Ifs と
して読み出され、制御パルスciが供給されることによ
り能動化されている付加器33−1−4に入力される。
【0082】そして、この付加器33−1−4で所定の
パターンの無データキャリアが付加された出力Rfa、I
fa はIFFT3Aに供給され、この結果、IFFT3
Aから時間信号Ra、Iaが出力されることになる。こ
こで、この時間信号Ra、Iaは、時間波形R、Iと同
じであるが、ここでは、無データキャリアが付加されて
いるので、これを時間信号Ra、Iaとしている。
【0083】このとき、処理部Aからは、送信側フレー
ム制御パルスFSTと送信側クロックCKdも取り込ま
れ、IFFT3Aと制御部33−1−5に入力される。
そして、制御部33−1−5から、FIFOメモリに対
する書込パルスWPと読出パルスRPと、付加器に対す
る制御パルスciとが出力される。
【0084】次に、図4(b)により、付加器33−1−
4について説明する。SW(切換器)33−1−4−1、
33−1−4−2は、制御パルスciがレベルHのとき
は入力信号Rf、Ifを選択し、レベルLのときはパタ
ーン発生器33−1−4−3、33−1−4−4の出力
を選択して、夫々出力Rfa、Ifa を発生するのであ
る。
【0085】ここで、各パターン発生器33−1−4−
3、33−1−4−4の出力は、無データとなるので、
簡単な例としては全て正又は負の信号としてやればよい
が、やや複雑にした例としては、正と負が交互に現れる
パターンが考えられる。但し、この場合には、タイミン
グパルスCKdn を供給してやる必要がある。
【0086】次に、図5のタイムチャートにより、この
無データキャリア付加IFFT部33−1の1シンボル
期間での動作について説明する。いま、ここで、1シン
ボル期間にIFFT変換すべきデータが800個で、こ
れに付加すべき無データキャリヤが100本であるとす
る。
【0087】時刻t0から時刻t3までの期間は、8ク
ロック期間、レベルLになり、1クロック期間、レベル
HになるRPパルスをFIFOメモリ33−1−2、3
3−1−3に入力する。この結果、1個目から8個目の
データが出力Rfa として取り出され、1クロック期間
休止する。そして、この休止期間には、制御パルスci
がレベルLになるので、1個目の無データNDC1が、
図示のように、代りに出力される。
【0088】次に、9個目から16個目のデータが出力
Rfa として取り出され、1クロック期間の休止期間に
2個目の無データNDC2が、代りに出力される。以
後、同じ動作が繰り返され、これにより、図示のよう
に、400個のデータに50個の無データNDC1〜N
DC50が挿入されたデータ列が作成されることにな
る。
【0089】このとき、各データ8個毎に1クロック分
の休止期間が入るので、400個のデータが取り出され
るまでは、図示のように、時刻t4までの時間を要する
ことになる。そして、時刻t5から時刻t9までの期間
は、RPパルスがレベルLで、制御パルスciはレベル
Hを保つので、データも無データも出力されない。
【0090】ここで、このタイムチャートでは省略して
あるが、時刻t5から時刻t9までの期間は、まず制御
パルスciが1クロック期間、レベルLになり、その
後、RPパルスが8クロック期間、レベルLになる。こ
の結果、無データNDC51を出力させた後、401個
目から408個目のデータが出力される。
【0091】そこで、以後、制御パルスciの1クロッ
ク期間でのレベルLとRPパルスの8クロック期間での
レベルLになる変化を繰り返し、残りの無データNDC
52から無データNDC100を挿入してゆくのであ
る。
【0092】ここで、上記とは異なった無データの挿入
例も考えられ、例えば図6は、無データNDCを25個
のグループとして挿入する場合の例である。いま、ここ
で、1シンボル期間にIFFT変換すべきデータが80
0個で、これに付加すべき無データキャリヤが100本
であるとし、且つ、これら800個のデータが時刻t0
から時刻t3までの期間と、時刻t6から時刻t9まで
の期間に400個ずつ供給されるようになっているとす
る。
【0093】そこで、FIFOメモリ33−1−2、3
3−1−3は、時刻t0から時刻t3までの期間と、時
刻t6から時刻t9までの期間、レベルLとなる書込パ
ルスWにより、データを取り込む。この結果、これらの
FIFOメモリ内には800個のデータが並んで記憶さ
れ書き込みと読み出しの競合が起こらない時期に、読出
パルスRにより間欠的に読み出される。
【0094】具体的には、時刻t0〜t1、t1〜t
2、t2〜t3で入力された計400個のデータを13
3個、133個、134個ずつ、無データキャリア挿入
時間tiを空けて、時刻t0から時刻t4までの時間を
かけて読み出し、同様に、時刻t6〜t7、t7〜t
8、t8〜t9で入力された計400個のデータも、夫
々133個、133個、134個ずつ、無データキャリ
ア挿入時間tiを設けて読み出すのである。なお、IF
FT部3Aの動作上の都合のため、第1個目のデータと
最終の800個目のデータが生じる周期は同一となるよ
うに処理する。
【0095】ここで、実際上は、401個目のデータに
ついては、それをFIFOメモリに取り込む以前に読み
出すことは不可能であるから、401個目のデータを書
き込んだ後、FIFOメモリの動作に支障のない時間が
経過した後に、この401個目のデータを取り出すタイ
ミングを設定にする。
【0096】付加器33−1−4は、制御部33−1−
5から供給される制御パルスciがレベルLのとき、予
め設定されている所定のパターンに従って、133個目
のデータと134個目のデータの間に、25本のキャリ
アからなる第1の無データキャリアを挿入し、266個
目のデータと267個目のデータの間にも25本のキャ
リアからなる第2の無データキャリアを挿入する。
【0097】そして、以下、同様に、758個目のデー
タと759個目のデータの間にも25本のキャリアから
なる第3の、そして891個目のデータと892個目の
間にも25本のキャリアからなる第4の無データキャリ
アという具合に、順次、無データキャリアを挿入してゆ
き、時間波形Raを作成するのである。なお、時間波形
Iaについては図示を省略してあるが、同様にして作成
する。
【0098】他の無データキャリア付加IFFT部33
−2〜33−4についても同様にして、時間波形Ra、
Iaを作成するのであるが、このとき、付加器33−1
−4で付加すべき無データキャリヤのパターンがそれぞ
れ変えてあり、この結果、同じデータによって、種々異
なった時間波形Ra、Iaとなっている信号〜が各
無データキャリア付加IFFT部33−2〜33−4の
出力から得られることになる。
【0099】次に、受信側RXについて説明すると、送
信側TXから送信され、伝送路Lを伝播して受信側RX
で受信された周波数Fc のOFDM変調波信号RFは、
図1に示すように、まず処理部DによりデータR'sg、
I'sg に変換された上で無データキャリア除去FFT変
換部として機能する処理部Eに供給され、ここで、時間
波形信号から周波数成分信号R'f、I'f に変換され
る。そして、このときは送信側で付加されている無デー
タキャリアを含んだままFFT変換を行い、信号R'f、
I'f に変換するようになっている。
【0100】既に説明したように、この無データキャリ
ヤは、その名の通り、データを含んでおらず、従って復
号処理には不要であるから、受信側RXの処理部Eでは
単に無視し、それが占有していた時間についてだけ処理
するようになっている。次いで、処理部Eから出力され
た周波数成分信号R'f、I'f は処理部Fに入力され、
図12の従来技術と同じようにして、連続した信号Dou
t として出力されるのである。
【0101】次に、受信側RXについて、特に処理部E
の詳細について、図7により説明する。まず、この処理
部Eには、図示のように、FFT変換部3Cが設けてあ
る。そして、これは、図12のFFT変換部11と同じ
である。次に、この処理部Eには、FIFOメモリ33
R−1−2、33R1−3が設けてあり、この点では、
図12のFFT変換部11とは異なっている。
【0102】そして、FT変換部3Cの出力をFIFO
メモリ33R−1−2、33R1−3に入力して一旦記
憶した後、これらFIFOメモリ33R−1−2、33
R1−3からデータを読出し、それぞれ周波数成分信号
R'f、I'f として出力されるようにしてあり、これに
より上記した時間処理が得られるようにしてある。
【0103】制御部33R−1−5は、処理部Dから入
力されるフレームパルスFSTr とクロックCKr に基
づいてFIFOメモリの書込制御パルスWPと読出制御
パルスRPを発生し、FIFOメモリ33R−1−2、
33R−1−3に印加する働きをする。
【0104】次に、この図6に示した制御部Eの動作に
ついて、図8のタイムチャートを用いて説明する。な
お、ここでも、図5のときと同じデータ個数の場合につ
いて説明し、同じく、2種のデータR'sg、I'sg の
内、データI'sg についての説明は省略し、データR's
g の処理についてだけ説明する。
【0105】処理部Dから供給されるデータR'sg はF
FT変換部3Cに入力され、ここから、送信側で付加さ
れている無データキャリアを含む周波数成分データR'f
a が取り出される。
【0106】FIFOメモリ33R−1−2には、図示
のように、1個目から133個目のデータが入力されて
くる時刻t0〜t1の間と、134個目から266個目
のデータが入力されてくる時刻t2〜t3の間、それに
267個目から400個目のデータが入力されてくる時
刻t4〜t5の間、レベルLになる書込制御パルスWP
が供給され、これにより、無データキャリアを除いた必
要なデータだけが取り込まれる。
【0107】また、これと並行して、FIFOメモリ3
3R−1−2には、図示のように、1個目から400個
目までのデータを連続して読み出すのに必要な読出制御
パルスRPが供給され、この結果、図示のように、不要
なデータ部が除かれて連続した形にされたデータR'f
が作成されることになる。
【0108】従って、この実施形態によれば、各シンボ
ル期間毎に伝送すべきデータに応じて、得られる時間波
形のピーク値が最も低くなる無データキャリアパターン
が選択されるので、時間波形のピーク値が所定値以上に
なるのが確実に抑えられ、この結果、高周波電力増幅系
の定格電力に余裕をもたせなくても伝送に歪が発生する
虞れがなく、常に充分に信頼性の高い伝送を得ることが
できる。
【0109】ところで、上記実施形態では、データを割
当ないキャリアが付加されるので、その分、帯域利用率
が低下するのはやむを得ない。次に、上記実施形態にお
いて、全キャリアの本数を20とし、この中の3本の無
データキャリヤSin(5X)、Sin(11X)、Sin(17X)の夫々
について、シミュレーションを行った結果について図
9、図10、図11に示す。
【0110】ここで、上記3本を除く17本のキャリア
に割り当てる係数は、データDinがレベルHの場合は
“1”、レベル0には“−1”とする。
【0111】従って、この場合のデータDin と係数の
対応は、下記のようになる。 H L H L L H L H L L H L H L L H L 1 -1 1 -1 -1 1 -1 1 -1 -1 1 -1 1 -1 -1 1 -1
【0112】そして、まず、図9は、3本の無データキ
ャリアの係数を、全て0にした場合のシミュレーション
結果で、この場合、図示のように、最大レベルは±12
〜13になる。次に、図10は、3本の無データキャリ
アの係数を、夫々1、−3、−2にした場合のシミュレ
ーション結果で、この場合は、図示のように、最大レベ
ルは±8に収まっている。また、図11は、3本の無デ
ータキャリアの係数を、何れも1にした場合のシミュレ
ーション結果で、この場合、図示のように、最大レベル
は±14〜15にも達してしまう。
【0113】以上の結果、本発明の実施形態によれば、
無データキャリアに割り当てる係数の選択により、確実
に信号波形中でのピーク値が抑えられ、信号処理レベル
に余裕をもたせることなく、充分に信頼性の高い伝送が
得られることが判る。
【0114】ここで、無データキャリアの挿入本数や挿
入間隔などは、上記実施形態での数値に限定されること
はないが、帯域の利用率と電力増幅系での能力増加に要
するコストなどを考慮すれば、本来のキャリアの本数に
対する無データキャリアの本数の割合としては、おおよ
そ20%以下の比率にするのが妥当であると考えられ
る。
【0115】なお、上記実施形態では、無データキャリ
ア付加IFFT部が4個設けられているが、この個数は
2以上ならよく、4個にしたことに特に意味があるわけ
ではない。勿論、個数を更に多くしてやれば、その分、
ピーク値が低くできる確率が増すが、一方、構成が複雑
になるので、価格抑制や小型化の面では不利になる点を
勘案して決めてやればよい。
【0116】
【発明の効果】本発明によれば、送信側で無データキャ
リアを付加することにより、OFDM変調波形のピーク
値が低減できるようにしたので、高周波電力増幅段など
の信号処理系ての処理レベルに余裕を持たせなくても、
歪の発生を確実に防止でき、信頼性の高いOFDM伝送
を容易に得ることができる。
【0117】また、この結果、高周波電力増幅器に余裕
を持たせる必要がないので、電力増幅系での効率的な動
作が可能になり、伝送システムの低コスト化と小型化を
大きく進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による直交周波数分割多重変調信号伝送
装置の一実施形態を示すブロック構成図である。
【図2】本発明による直交周波数分割多重変調信号伝送
装置の原理を説明するための波形図である。
【図3】本発明による直交周波数分割多重変調信号伝送
装置の原理を説明するための波形図である。
【図4】本発明の一実施形態における無データキャリア
付加IFFT部の詳細ブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態における無データキャリア
付加IFFT部の動作を説明するためのタイミング図で
ある。
【図6】本発明の一実施形態における無データキャリア
付加IFFT部の他の例による動作を説明するためのタ
イミング図である。
【図7】本発明の一実施形態における処理部Eの詳細ブ
ロック図である。
【図8】本発明の一実施形態における処理部Eの動作を
説明するためのタイミング図である。
【図9】本発明の一実施形態の動作をシミュレーション
した結果の第1の例を示す特性図である。
【図10】本発明の一実施形態の動作をシミュレーショ
ンした結果の第2の例を示す特性図である。
【図11】本発明の一実施形態の動作をシミュレーショ
ンした結果の第3の例を示す特性図である。
【図12】従来技術による直交周波数分割多重変調信号
伝送装置の一例を示すブロック図である。
【図13】直交周波数分割多重変調信号伝送装置の動作
を説明するためのタイミング図である。
【図14】直交周波数分割多重変調信号伝送装置におけ
るレート変換部の一例を示す詳細ブロック図である。
【図15】直交周波数分割多重変調信号伝送装置におけ
る符号化部の一例を示す詳細ブロック図である。
【図16】直交周波数分割多重変調信号伝送装置におけ
るIFFT変換部の一例を示す詳細ブロック図である。
【図17】直交周波数分割多重変調信号伝送装置におけ
るガード付加部の一例を示す詳細ブロック図である。
【図18】直交周波数分割多重変調信号伝送装置におけ
る同期挿入部の一例を示す詳細ブロック図である。
【図19】直交周波数分割多重変調信号伝送装置の同期
検出部におけるタイミング再生部の一例を示す詳細ブロ
ック図である。
【図20】直交周波数分割多重変調信号伝送装置におけ
る復号化部の一例を示す詳細ブロック図である。
【図21】直交周波数分割多重変調信号伝送装置におけ
るレート逆変換部の一例を示す詳細ブロック図である。
【図22】直交周波数分割多重変調信号伝送装置におけ
るIFFT部の動作を説明するための波形図である。
【図23】直交周波数分割多重変調信号の一例を示す波
形図である。
【符号の説明】
1 レート変換部 2 号化部 3 IFFT部 4 ガード付加部 5 同期挿入部 6 直交変調処理部 7 クロック発振器 10 直交変調処理部 11 FFT部 12 復号化部 13 レート逆変換部 14 同期検出部 15 電圧制御発振部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周波数を異にする複数本のキャリアを用
    いてディジタル信号を伝送する方式の直交周波数分割多
    重変調信号伝送装置において、 前記複数本のキャリアの中に所定のパターンで配列した
    複数本の無データキャリヤを設定する手段を設け、 前記所定のパターンを変えることにより、直交変調処理
    すべき時間波形に現われるピーク値を抑えるように構成
    したことを特徴とする直交周波数分割多重変調信号伝送
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の発明において、 前記所定のパターンの変更が、予め用意してある少なく
    とも2種のパターンの何れかの選択により与えらえるよ
    うに構成されていることを特徴とする直交周波数分割多
    重変調信号伝送装置。
JP11014629A 1999-01-22 1999-01-22 直交周波数分割多重変調信号伝送装置 Pending JP2000216749A (ja)

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