JP2000216672A - パッシブ型の検知装置 - Google Patents

パッシブ型の検知装置

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JP2000216672A
JP2000216672A JP11369543A JP36954399A JP2000216672A JP 2000216672 A JP2000216672 A JP 2000216672A JP 11369543 A JP11369543 A JP 11369543A JP 36954399 A JP36954399 A JP 36954399A JP 2000216672 A JP2000216672 A JP 2000216672A
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真也 大槻
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康二 井口
Shinya Tamino
真也 民野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低消費電流でかつ簡素な構成を有する物体等
の検知装置を提供する。 【解決手段】 物体等の検知装置は受光用レンズ11
6,117と光検出素子118,119を含む。受光用
レンズ116,117を通過した光を受光する光検出素
子(PSDまたはPD)118,119により複数の受
光視野を構成する。光検出素子118,119からの出
力信号を処理することにより、複数の受光視野間の光量
変動または受光視野内の光重心位置の変動を検出する。
これに基づいて初期状態では存在していなかった人体や
物体等の有無を検知できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、物体等の検知装
置に関し、特に人または物体等の有無を光学的に検知す
る物体等の検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の検知装置の一例として、
反射型光電センサについて図1を参照して説明する。従
来の光電センサは、被検知物体に向けて投光する投光素
子1101とその反射光を受光する受光素子1102と
を有し、発振回路1103より得られたパルス信号でも
って投光回路1104を駆動し、投光素子1101を点
灯させる。その投光素子1101から出射された光は検
出物体に当たり、その反射光が受光素子1102に入射
され、光−電流変換され、増幅回路1105により増幅
される。この増幅された受光信号は、予め設定されたし
きい値と比較回路1106で比較され、ゲート回路11
07において投光パルスと同期が取られ、ノイズ除去用
の積分回路1108を通った後、出力回路1109より
センサ外部に出力される。
【0003】比較的簡単な構成の検知装置として、パッ
シブ(受動)型の装置がある。パッシブ型の検知装置
は、検知装置自体または検知装置と連動する装置とし
て、検知対象に能動的に作用する要素(たとえば受光部
とタイミング信号を共有してパルス点灯する光源など)
を有しておらず、検知装置とは連動しない人工または自
然のエネルギ源(たとえば照明装置または太陽光)が検
知対象に作用して生じる検知対象からのエネルギを利用
する。その一例として、検知素子に積分型赤外線検知素
子(サーモパイル)を用いた静止人体検出器について説
明する。その回路図を図2に示す。静止人体検出器の検
出エリアに人が侵入すると、サーモパイル1111に人
体から発した赤外線が入射し、その光量に応じた起電力
がバッファ1112を通して次段のアンプ1113へ送
られる。その信号はアンプ1113で増幅され、ローパ
スフィルタ1114で高周波ノイズを除去し後、予め設
定されたしきい値と比較回路1115で比較される。し
きい値を上回る信号が入力されると、比較回路1105
はオン信号を出力する。VR1はアンプ1113のオフ
セット電圧調整用の可変抵抗、VSは電源、Vはオフセ
ット電圧である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図1に
示したような従来の光電センサは、自らが光を出射し、
その反射光量により物体検出を行なうため、検出性能は
投光量に大きく依存する。その投光量は、投光素子11
01に流す電流で決まるため、低消費電流化が図りにく
い。一方、センサをバッテリで駆動する場合には、長時
間の駆動が困難になり、センサを小型にする場合には、
発熱の低減が困難になるという問題があった。
【0005】図2に示したような検知器においては、サ
ーモパイル1111からの出力は信号が積分されて現れ
るため、アンプ1113は直流増幅を行なう必要があ
り、ノイズカットはローパスフィルタのみで行なう必要
があり、ハイパスフィルタを通すことができないため、
低周波のノイズに弱いという問題がある。
【0006】また、サーモパイル1111の出力信号は
微小でアンプ1113のオフセット電圧Vと同等以下で
あるため、アンプ1113で直流増幅されるとき、その
オフセット電圧Vは無視できない。このオフセット電圧
Vを除去するためには、アンプ1113にオフ電圧Vの
小さな高精度アンプを用いるか、図2に示したようにオ
フ電圧調整回路VR1が必要となる。ところが、前者は
アンプの価格が高いという問題があり、後者は組立時に
調整工程が必要となり、製造コストを上げるという問題
がある。
【0007】したがって、この発明の目的の1つは、低
消費電流でかつ簡素な構成を有する物体等の検知装置を
提供することである。
【0008】この発明の他の目的は高周波ノイズやアン
プのオフセットノイズやその他外来ノイズを除去するこ
とができる物体等の検知装置を提供することである。
【0009】この発明のさらに他の目的は、センサの小
型化、ローコスト化、低消費電流化を図ることができ、
高精度な回路が要求されることのない、物体等の検知装
置を提供することである。
【0010】この発明のさらに他の目的は、高いS/N
比を確保でき、かつコストを抑えることができるパッシ
ブ型物体検出装置を提供することである。
【0011】この発明のさらに他の目的は、信号処理回
路の規模を縮小することができるパッシブ部型物体検出
装置を提供することである。
【0012】この発明のさらに他の目的は、確実に被検
出物体の検知を行なうことができ、投光電流を削減し、
低消費電流化を図ることができる物体検知器を提供する
ことである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明に係る、物体の
有無を光学的に検知する検知装置は、光学系と、光学系
を通過した光を受ける光検出素子とにより複数の受光視
野を構成する受光器と、光検出素子からの出力をもと
に、複数の受光視野間の光量変動を検出する光量変動検
出器を含む。
【0014】物体検知装置は、従来のように投光部を持
たず、複数の受光視野からの光量変動をもとに物体を検
出する。その結果、低消費電流で簡素な構成の物体検出
装置が提供できる。
【0015】好ましくは、光学系は光ファイバを含む。
光ファイバを用いるため、複数の光検出素子の対応する
複数の受光視野を自在に設定できる。
【0016】この発明の他の局面によれば、物体等の有
無を検出するパッシブ型の検知装置は、物理量を検出す
る検出素子と、検出素子からの出力を増幅する増幅器
と、増幅器の出力から検出対象の状態を2値判断する判
断部と、検出素子の出力の増幅器への伝達を周期的に断
続するスイッチとを含む。検出素子からの出力はスイッ
チおよび増幅器によりパルス信号とされ、さらに、その
パルス信号は判断部により検出対象の有無に応じてより
確かな2値信号として出力される。
【0017】上記判断部は、スイッチでパルス化され増
幅器で増幅された各パルスごとの信号の大きさが、所定
値を連続して所定回数超えたときに出力を変化させるも
のであってもよい。また、判断部は、スイッチでパルス
化され、増幅器で増幅された信号を所定の基準値との大
小関係に基づいて2値の値にパルス化する第1の比較部
と、第1の比較部の出力を積分する積分部と、積分部の
出力を所定の基準値との大小関係に基づいて2値化して
出力する第2の比較部とからなるものであってもよい。
また、検知装置は、スイッチのスイッチング周波数を含
む帯域の信号を通過させるフィルタを具備してもよい。
【0018】検出素子により検出対象の物理量に応じて
発生した信号をスイッチングしてパルス信号とし、かつ
増幅器により増幅し、この増幅器の出力から判断部によ
り検出対象の状態が2値化して出力される。信号の大き
さが各パルスごとに2値化して扱われるため、パルス幅
が小さくて波高の大きなインパルスノイズに検知器は反
応しない。したがって高いS/N比を確保できる。ま
た、検出素子で得られる信号が微小信号であっても、増
幅器のオフセット電圧や低周波ノイズの影響を受けにく
いため、高価な高精度アンプや製造時のオフセット調整
工程が不要になる。その結果コストを抑えることができ
る。
【0019】また、スイッチのスイッチング周波数を含
む帯域の信号を通過させるフィルタを用いることによ
り、交流電源などの外来の低周波ノイズや信号処理回路
などで発生する高周波ノイズをカットできるため、高い
S/N比を確保でき、高感度化が図れる。
【0020】この発明のさらの他の局面によれば、被検
出物体からの光を受光することによって被検出物体を検
知するパッシブ型物体検知器は、複数の受光視野を構成
し、この受光視野内に存する被検出物体または背景物体
からの光を複数の受光素子により受光し、この受光量に
基づいて複数の系統の検出信号を出力する受光器と、複
数の系統の各検出信号をそれぞれ時分割するゲートと、
各検出信号がこのゲートを通過するタイミングが非同期
で時分割となるようにゲートにパルス信号を供給するパ
ルス発生器と、ゲートにより時分割された各検出信号を
組合せて1系統で信号処理をすることにより、受光視野
間の光量変動を検出する信号処理器とを含む。
【0021】受光器から出力された複数の検出信号の信
号処理器への入力を、ゲートにより非同期で時分割とな
るようにタイミングで切換えるようにしたことにより、
複数の系統の検出信号を1系統の信号処理器で処理する
ことが可能になる。従来の光電センサのように、受光出
力数と同数の受光回路や増幅回路等の信号処理回路を備
える必要がなくなり、信号処理回路の規模を縮小するこ
とができる。また、回路部品の削減、消費電流の低減、
検知器の外形の縮小、コストの削減、製造不良率の低減
等を図ることが可能になる。また回路構成を簡略化する
ことにより、複数の回路の特性のマッチングを図る必要
がなくなるので、高精度の部品が要求されることがなく
なる。
【0022】この発明のさらに他の局面によれば、被検
出物体からの光を受光することによって該被検出物体を
検知するパッシブ型検知器は、複数の受光視野を構成
し、受光視野内に存する被検出物体または背景物体から
の光を受光し、この受光量に基づいて受光信号を出力す
る受光器と、受光器の出力に基づいて被検出物体の有無
を判断する判断部と、この判断部の出力に応じて受光視
野内に向けて補助光を投光する補助投光器とを含む。
【0023】パッシブ型検知器においては、周囲照度が
低下したときや、被検出物体が受光視野内に侵入したと
きに、受光器による受光量の変化が判断部により検出さ
れ、それに応じて補助光が投光され、この補助光を用い
てさらに被検出物体の検知を行なうので、確実な物体の
検知を行なうことができる。また、常に投光を行なう必
要がないため、投光電流を削減し、低消費電流化を図る
ことができる。また、この低消費電流化により、バッテ
リによって物体検知器を駆動する場合においては、バッ
テリの長寿命化を図ることができる。その結果、バッテ
リの交換回数を減らすことができ、電源のない場所での
設置が可能になる。
【0024】この発明のさらに他の局面においては、物
体検知装置は、2つの受光信号を出力する光検出部と、
2つの受光信号の差を差動演算する差動演算器と、差動
演算器の出力と2つのしきい値との比較に基づいて物体
の有無を判断する判断器と、初期状態において差動演算
器の出力が所定の値になるように差動演算器の出力を調
整するための調整器と、調整器によって差動演算出力が
調整された量を検出する調整量検出器と、調整量検出器
の出力に基づいて2つのしきい値または各しきい値に与
えられるヒステリシス幅を設定するしきい値設定器とを
含む。
【0025】初期状態の調整において、検知物体がない
状態での2つの受光信号に差がない(2つの受光視野内
にコントラストがない)と、2つの受光信号のノイズ成
分はほぼ等しいので除去されて差動出力のノイズ成分は
ほぼ0となる。逆に2つの受光信号に差がある(複数の
受光視野内にコントラストがある)と、差動出力のノイ
ズ成分を2つの受光信号の差、つまり、差動出力の信号
成分の大きさに応じて大きくなる。そこで、初期設定に
おいて、初期状態における差動演算器の出力が所定の値
になるように調整器により調整し、そのときの調整量は
調整量検出器によって検出され、その検出された調整量
に基づいてしきい値設定器は2つのしきい値または各し
きい値のヒステリシス幅を設定する。このようにするこ
とによって、初期設定時における差動演算器の差動出力
の変化量に応じて適切にしきい値またはヒステリシス幅
を設定することができる。そして、しきい値を検知信号
の上下に設定し、そのレベルから外れたら物体を検知し
た旨の信号が出力されるため、出力の変化方向にかかわ
らず物体が検出できる。その結果、使用環境等に依存し
ない適切な感度調整が可能でかつ高感度のパッシブ型検
知装置が提供できる。
【0026】
【発明の実施の形態】(1) 第1実施形態 本発明による物体等の検知装置の基本原理についてまず
説明する。図3を参照して検知装置100は、投光部を
持たず、受光部とその信号処理部からなる。複数の受光
素子101,102は、複数の受光視野内の被検知物体
からの光を受光するもので、信号処理部は、受光素子1
01,102からの信号を受ける増幅回路103,10
4および105,106、差動増幅回路107,10
8、および109、比較回路110、発振回路111、
積分回路112、出力回路113とからなる。出力回路
113は積分回路112の出力を所定の基準値との大小
関係に基づいて2値とするものである。受光部101,
102の構成を図4aに示す。上記受光素子101,1
02は、複数の受光視野を構成するレンズ116,11
7と、ポジション・センシング・デバイス(位置検出素
子:以下、PSDという)118,119とを含む。図
4b,4cは、検出物体がない時とある時のPSD上の
光強度分布を示す。同図に示すように、受光視野内の像
の変化によるPSD118,PSD119上の重心位置
Gの移動又は複数の受光視野間の光量変動を感知するこ
とで、背景14の前に初期状態には存在していなかった
検出物体15の有無検知を行なう。
【0027】以下に上記原理を応用した各具体例を説明
する。 (1a) 実施形態1a 図5a〜図5dは本発明の実施形態1aによる受光部と
PSD上の光強度分布を示す。レンズ116とPSD1
18により受光視野aを構成し、レンズ117とPSD
119により受光視野bを構成する。これらの視野には
周囲からの自然散乱光(照明光、太陽光など)が照射さ
れている。検出物体がない場合、PSD118,PSD
119には自然散乱光に照らされた背景の像がレンズ1
16,117を通して映っている。背景にコントラスト
がない場合、図5bのように、PSD上の光強度分布は
一様となるため、PSD118,PSD119共に光重
心位置GはPSDの中心となる。背景にコントラストが
あれば、光重心位置GがPSDの中心となるように初期
設定を行なう。
【0028】ここで、背景と同等以上の反射率の高い検
出物体15が受光視野内にある場合は、検出物体15か
らの反射光が背景14からの反射光よりも大きくなるた
め、図5cのように、PSD上では検出物体15の像が
映っている部分の光強度Pは大きく、背景14が映って
いる部分の光強度Pは小さくなる。よって、光重心位置
Gは検出物体15側の像の方へ移動する。その移動量を
PSD118ではΔLa、PSD119ではΔLbとす
る。
【0029】また、背景14と同等以下の反射率の低い
検出物体15が受光視野内にある場合は、検出物体15
からの反射光が背景14からの反射光よりも小さくなる
ため、図5bのように、PSD上では検出物体15の像
が映っている部分の光強度Pは小さく、背景が映ってい
る部分の光強度Pは大きくなる。よって、光重心位置G
は背景側の像の方へ移動する。
【0030】図6は実施形態1aによる信号処理部のブ
ロック構成を示す。各PSDからはPSDへの入光パワ
ーと光重心位置に応じた光電流が出力され、PSD11
8からは電流I1,I2、PSD119からは電流I
3,I4が出力される。これら光電流は各々I/V変換
回路で電圧に変換される。電流I1はI/V変換回路1
21で電圧V1に、電流I2はI/V変換回路122で
電圧V2に、電流I3はI/V変換回路123で電圧V
3に、電流I4はI/V変換回路124で電圧V4にそ
れぞれ変換される。電圧V1とV2は差動増幅回路10
7で引き算され、(V1−V2)を得、電圧V3とV4
は差動増幅回路108で引き算され、(V3−V4)を
得る。これらは差動増幅回路109でさらに引き算さ
れ、その出力は、 (出力)=(V1−V2)−(V3−V4) となる。この結果は予め設定されたしきい値と比較回路
110で比較され、ノイズ除去のための積分回路112
を通った後、出力回路113より出力される。
【0031】このように実施形態1aの物体等の検知装
置は、自ら光を発せず、自然散乱光を光源として動作
し、受光視野に初期状態には存在していなかった物体が
侵入すると、受光素子上の光重心位置が変動し、その変
動量を検知して、物体の有無を検出するため、低消費電
流化を容易に図れる。しかも、図5aに示した受光視野
a又は受光視野bのどちらか一方で変化があれば出力が
得られるので、受光器が1個の場合に比べ、受光視野は
広く取れ、また、視野の重なり部分では各PSDの移動
量を足し合わせることになるため、感度も2倍となる。
【0032】(1b) 実施形態b 図7a〜図7dは実施形態1bによる受光部、PSD上
の光強度分布および信号処理部のブロック構成を示す。
本実施形態では、1個のレンズ116とPSD118に
より受光視野を構成する。この視野には周囲からの自然
散乱光(照明光、太陽光など)が照射されている。検出
物体がない場合、PSD118には自然散乱光に照らさ
れた背景の像がレンズ16を通して映っている。背景1
4にコントラストがない場合、図7bのようにPSD上
の光強度分布は一様となるため、PSDの光重心位置G
はPSDの中心となる。背景14にコントラストがあれ
ば、光重心位置GがPSDの中心となるよう初期設定を
行なう。
【0033】PSD118からはPSD118への入光
パワーと光重心位置に応じた光電流が出力され、PSD
118からは光電流I1,I2が出力される。これら光
電流はI/V変換回路121,122で電圧に変換さ
れ、電流I1はI/V変換回路121で電圧V1に、電
流I2はI/V変換回路122で電圧V2に変換され
る。電圧V1とV2は差動増幅回路107で引き算さ
れ、(V1−V2)を得る。この結果は予め設定された
しきい値と比較回路110で比較され、ノイズ除去のた
めの積分回路112を通った後、出力回路113より出
力される。
【0034】背景14と異なるコントラストを持つ検出
物体15が受光視野内にある場合は、図7cのように、
PSD上にその像が映り、光重心位置Gが移動し、PS
Dから出力される各光電流は背景像が映っている初期状
態とは異なる。ここに、検出物体15がない場合(背景
を検知している)のPSD18の出力電流をI11,I21
とすると、I/V変換後の電圧はV11,V21、差動増幅
後の電圧は(V11−V21)となる。検出物体15がある
場合のPSD18の出力電流をI12、I22とすると、I
/V変換後の電圧はV12、V22、差動増幅後の電圧は
(V12−V22)となる。ここに、検出物体15がない場
合の差動増幅回路107の出力値(V11−V21)の上下
に比較回路10のしきい値は設定され、このしきい値を
横切る信号、例えば(V12−V22)が入力されると、比
較回路110からオン信号が出力され、その信号はノイ
ズ除去のための積分回路112を通った後、出力回路1
13より検出物体の侵入信号を出力する。
【0035】このように実施形態1bの検知装置は、自
ら光を発せず、自然散乱光を光源として動作し、受光視
野に初期状態には存在していなかった物体が侵入する
と、受光素子上の光重心位置が変動し、その変動量に応
じた光電流の差異を検知して、物体の有無を検出するた
め、低消費電流化を容易に図れる。これは、受光器を複
数持つものに比べて、小型、コストの面で有利である。
【0036】(1c) 実施形態1c 図8は実施形態1cによる受光部および信号処理部のブ
ロック構成を示す。レンズ116と2分割フォトダイオ
ード(PDという)131のPD1により受光視野1を
構成し、レンズ116と2分割131のPD2より受光
視野2を構成し、レンズ117と2分割PD132のP
D3により受光視野3を構成し、レンズ117と2分割
PD132のPD4より受光視野4を構成する。これら
の視野には周囲からの自然散乱光(照明光、太陽光な
ど)が照射されている。
【0037】各PDからはPDへの入光パワーに応じた
光電流が出力され、PD1からはI1、PD2からはI
2、PD3からはI3、PD4からはI4が出力され
る。これら光電流はI/V変換回路121〜124で電
圧に変換され、電流I1はI/V変換回路121でV
1、電流I2はI/V変換回路122でV2、電流I3
はI/V変換回路123でV3、電流I4はI/V変換
回路124でV4に変換される。電圧V1とV2は差動
増幅回路107で引き算され、(V1−V2)を得、電
圧V3とV4は差動増幅回路108で引き算され、(V
3−V4)を得る。これらは差動増幅回路109でさら
に引き算され、その出力は、 (出力)=(V1−V2)−(V3−V4) となる。この結果は予め設定されたしきい値と比較回路
110で比較され、ノイズ除去のための積分回路112
を通った後、出力回路113より出力される。
【0038】検出物体がない場合、2分割PD131,
132には自然散乱光に照らされた背景の像がレンズを
通して映っている。背景にコントラストがない場合、P
D1とPD2への入射光量、PD3とPD4の入射光量
はそれぞれ等しくなり、差動増幅回路109の出力は0
となる。背景にコントラストがあれば、PD1とPD2
への入射光量、PD3とPD4への入射光量はそれぞれ
異なり、差動増幅回路109の出力は0とならないの
で、これが0となるように初期設定を行なう。
【0039】いま、背景と同等以上の反射率の高い検出
物体15が受光視野1、4内にある場合は、検出物体1
5からの反射光が背景からの反射光より大きくなるた
め、PD上では検出物体15の像が映っている部分の光
強度Pは大きく、背景が映っている部分の光強度Pは小
さくなる。よって、(V1−V2)>0、(V3−V
4)<0となり、差動増幅回路109の出力は0以上と
なり、初期状態とは異なるため、この違いを検知するこ
とで物体の侵入を検出できる。
【0040】また、背景と同等以下の反射率の低い検出
物体15が受光視野1、4内にある場合は、検出物体1
5からの反射光が背景からの反射光よりも小さくなるた
め、PD上では検出物体の像が映っている部分の光強度
Pは小さく、背景が映っている部分の光強度Pは大きく
なる。よって、(V1−V2)<0、(V3−V4)>
0となり、差動増幅回路109の出力は0以下となり、
初期状態とは異なるため、この違いを検知することで物
体の侵入を検出できる。
【0041】このように実施形態1cの検出装置は、自
ら光を発せず、自然散乱光を光源として動作し、受光視
野に初期状態には存在していなかった物体が侵入する
と、2分割PDへの入光量のバランスが崩れ、その変動
量を検出して、検出物体の有無を検出するため、低消費
電流化を容易に図れる。本実施形態によれば、受光視野
1、2、3、4、のいずれかの視野に変化があれば出力
が得られるため、受光器が1個の場合に比べ、受光視野
は広く取れ、大きな物体の検出が可能となり、また、視
野の重なり部分では各PDの光量変化量を足し合わせる
ことになるため、感度も2倍となる。
【0042】図9は上記実施形態1cの変形例による信
号処理部のブロック構成を示す。同図には、上記I/V
変換回路121〜124の出力以降の構成のみを示して
いる。電圧V1とV2は差動増幅回路107で引き算さ
れ、(V1−V2)を得、加算器107´で足算され、
(V1+V2)を得、電圧V3とV4は差動増幅回路1
08で引き算され、(V3−V4)を得、加算器108
´で足算され、(V3+V4)を得る。さらに、割算回
路135,136で各々の差を和で割り算し、(V1−
V2)/(V1+V2),(V3−V4)/(V3+V
4)を得て、さらに、差動増幅回路137で引き算さ
れ、(V1−V2)/(V1+V2)−(V3−V4)
/(V3+V4)を得る。このような割り算処理を用い
ることにより、出力比を取り扱うことになるので、視野
全体が明るく又は暗くなるといった変動に対しても正確
に物体の検出が行える。
【0043】(1d) 実施形態1d 図10は実施形態1dによる受光部および信号処理部の
ブロック構成を示す。本実施形態では、受光素子として
2分割PD140を用い、分割されたそれぞれのPDを
PDa、PDbとする。PDaとレンズ116により受
光視野aを構成し、PDbとレンズ116により受光視
野bを構成する。これらの視野には周囲からの自然散乱
光(照明光、太陽光)が照射されている。検出物体がな
い場合、PDa,bには自然散乱光に照らされた背景の
像がレンズ16を通して映っている。背景にコントラス
トがない場合、PD上の光強度分布は一様となるため、
PDa,bから出力される光電流は等しい。背景にコン
トラストがあれば、PDa,bから出力される光電流は
異なる。
【0044】いま、背景と異なるコントラストを持つ検
出物体15が受光視野内にある場合は、PD140上に
その像が映り、PDa,bから出力される光電流は背景
像が映っている初期状態とは異なる。検出物体15がな
い場合(背景)のPDaの出力をIa1、PDbの出力を
Ib1とし、検出物体がある場合のPDaの出力をIa2、
PDbの出力をIb2とする。図10に示すように、PD
aの光電流出力は、I/V変換回路121で電圧Vaに
変換され、PDbの光電流出力は、I/V変換回路12
2で電圧Vbに変換される。検出物体15がない場合、
Va1、Vb1が得られ、検出物体15がある場合、Va2、
Vb2が得られる。これらは差動増幅回路109で引き算
され、検出物体15がない場合、(Va1−Vb1)とな
り、検出物体15がある場合、(Va2−Vb2)となる。
【0045】検出物体15がない場合の差動増幅回路1
09の出力値(Va1−Vb1)の上下に比較回路110の
しきい値は設定され、このしきい値を横切る信号、例え
ば(Va2−Vb2)が入力されると、比較回路110から
オン信号が出力され、その信号はノイズ除去の積分回路
112を通った後、出力回路113より検出物体15の
侵入信号を出力する。
【0046】このように実施形態1dの検知装置は、自
ら光を発せず、自然散乱光を光源として動作し、受光視
野に初期状態には存在していなかった物体が侵入する
と、受光視野間の光量が変動し、その変動量を検知し
て、物体の有無を検出するため、低消費電流化を容易に
図れる。これは、受光器を複数持つものに比べて、小
型、コストの面で有利である。
【0047】(1e) 実施形態1e 図11aは実施形態1eによる受光部および信号処理部
のブロック構成を示す。本実施形態では、受光素子とし
て2個のPD141,142を用いる。PD141とレ
ンズ116により受光視野aを構成し、PD142とレ
ンズ117により受光視野bを構成する。これらの視野
はお互いに分離しており、両視野に周囲からの自然散乱
光(照明光、太陽光)が照射されている。
【0048】検出物体がない場合、PD141,142
には自然散乱光に照らされた背景の像がレンズ116,
117を通して映っている。背景にコントラストがない
場合、PD上の光強度分布は一様となるため、PD14
1,142から出力される光電流は等しい。背景にコン
トラストがあれば、PD141,142から出力される
光電流は異なる。
【0049】いま、片側の受光視野、例えば受光視野b
に検出物体15が侵入する場合を考える。この時、PD
142上にその像が映り、PD142から出力される光
電流は背景像が映っている初期状態とは異なる。検出物
体15がない場合、背景のPD141の出力電流はIa
1、PD142の出力電流はIb1、検出物体15が受光
視野bにある場合のPD141の出力電流はIa1のまま
であり、PD142の出力電流はIb2となる。図11a
に示すように、PD141の光電流出力はI/V変換回
路121で電圧Vaに変換され、PD142の光電流出
力はI/V変換回路122で電圧Vbに変換されるか
ら、検出物体15がない場合、Va1、Vb1が得られ、検
出物体がある場合、Va1(変化なし)、Vb2が得られ
る。これらは差動増幅回路109で引き算され、検出物
体15がない場合、(Va1−Vb1)となり、検出物体が
ある場合、(Va1−Vb2)となる。
【0050】検出物体がない場合の差動増幅回路109
の出力値(Va1−Vb1)の上下に比較回路110のしき
い値は設定され、このしきい値を横切る信号、例えば
(Va1−Vb2)が入力されると比較回路110からオン
信号が出力され、その信号はノイズ除去のための積分回
路112を通った後、出力回路113より検出物体15
の侵入信号を出力する。
【0051】このように実施形態1eの検知装置は、自
ら光を発せず、自然散乱光を光源として動作し、受光視
野に初期状態には存在していなかった物体が侵入する
と、受光視野間の光量が変動し、その変動量を検知し
て、物体の有無を検出するため、低消費電流化を容易に
図れる。また、この場合、受光視野がお互いに分離して
いることで、受光視野を広く取れ、より大きな物体の検
出ができるという利点がある。
【0052】次に実施形態1eの変形例を図11bを参
照して説明する。図11bを参照して、変形例において
は、レンズ116、117の代わりに光ファイバ15
1、152が設けられている。それ以外の部分について
図11aと同様であるので、その説明は省略する。
【0053】レンズの代わりに光ファイバを用いている
ため、受光視野は自在に設定できる。
【0054】(1f) 実施形態1f 図12は上記実施形態1eの信号処理に割算回路を用
い、かつ電源回路を加えた場合のブロック図である。差
動増幅回路に代えて割算回路144を用い、電圧Vaと
Vbの比を取ると、その出力は検出物体がない場合、V
b1/Va1となり、検出物体がある場合、Vb2/Va1とな
るため、視野全体が同じ比率で明るくなっても暗くなっ
ても、この比が変わらないから、自然散乱光の変化に強
くなる。
【0055】上記図12の例では、電源として電池14
5を用いており、これにより電気工事が不要となり、商
用電源がないような場所でも検知装置を設置することが
可能で、取付場所の制約がなくなる。
【0056】上記図12の例では、検知器51はI/V
変換回路121,122、割算回路144、比較回路1
10、積分回路112、出力回路113などの信号処理
部を含み、そこへの電源供給は、発振回路111のクロ
ックで間欠供給するような電源回路146で行なう。こ
れにより、一層、消費電流を低減することができる。
【0057】図13は図12に示した検知器51の他の
構成を示す。上述したような構成でなる検知器51の電
源として太陽電池52を用い、その電力を大容量コンデ
ンサ又は二次電池等でなる蓄電器53に供給する。その
結果、電気工事が不要となり、検知器51の取付場所に
制約を受けることがなくなる。
【0058】(1g) 実施形態1g 図14は実施形態1gによる装置の構成を示す。本実施
形態は、洗面台55の中に侵入されたた人の手などを検
知器(感知部)51により検知して蛇口56に吸水する
検知装置である。検知器(感知部)51が洗面台55の
近傍に設けられ、この検知器51により手などが感知さ
れると、通水路上に配された電磁弁(バルブ)57に対
するバルブ開信号が制御部(バルブ駆動回路)58へ入
力され、その出力で電磁弁57は駆動され、開く。この
電磁弁57の開により吐水を行なう。また、手が検知器
51の検知エリアから外れると、検知器51からはバル
ブ閉信号が出力され、制御部58により電磁弁57は閉
じられ、止水する。
【0059】また、通水路上に羽根車付きの水力発電機
59を配設し、この発電機59による発電電力を蓄電池
60に充電し、その出力を検知器51の電源としてい
る。発電機59は、バルブ開の時、羽根車が水勢により
回転され、その回転速度に応じた周波数の電流を出力
し、この出力電流は整流回路61により全波整流され、
充電回路62、ダイオード63を経て蓄電池60に供給
され、これを充電する。この充電された電力により検知
器51を動作させる。この構成によれば、外部から電源
を供給しなくてもよいので、検知器51の無電源場所へ
の設置や電気工事を必要としないという効果がある。
【0060】本実施形態の検知器51は、図15に示す
ように、便器65に自動水洗を行なうための人体検知に
も適用できる。
【0061】(1h) 実施形態1h 図16は実施形態1hによる装置の構成を示す。検知器
51の受光素子67は、太陽光を直接に受光すると、そ
の強い光により受光素子67の光出力が飽和し、受光視
野内への物体の侵入による光信号の変化に対する感度を
失う。そこで、検知器51の光源としてその空間の照明
器68を用い、その照明器68が発する光のうち、光量
が大きい波長域を含む所定の波長域のみの光を透過させ
る光学フィルタ69を受光素子67の前面に配置し、照
明光以外の光(主に太陽光)をできるだけカットする。
図17は各種光源の分光分布を示している。同図から分
かるように、例えば、光源に白熱灯を用いる場合は、7
00nm以下の光をカットする光学フィルタを用い、光
源に蛍光灯を用いる場合は、550〜650nmの光以
外をカットする光学フィルタを用いる。また、図18に
示すように、光学フィルタ69をレンズ116,117
の前面に配置する構成も考えられる。この場合は、光学
フィルタ69を脱着構造とし、検知器51の空間の照明
光の波長に合わせて後付けでも取り付けられるようにす
ればよい。
【0062】(1i) 実施形態1i 図19a、19bは実施形態1iによる装置の構成およ
び回路を示す。本実施形態の検知器51は、テレビや案
内表示器等のディスプレイ装置70の周辺に設置され、
その前方の視野を検知器51によりモニタするものであ
る。人がその視野に侵入すると、すなわち、人の存在が
検知された時、検知器51はディスプレイ装置70の電
源スイッチ71をオンする信号を出力し、人がその視野
から外れると、電源スイッチ71をオフする信号を出力
する。これにより、自動的にディスプレイ装置70の電
源がオン・オフされる。
【0063】(1j) 実施形態1j 図20a、20bは実施形態1jによる装置の構成およ
び回路を示す。本実施形態の検知器51は、パチンコ台
や自動取引装置(ATM)、自動発券機、自動販売機な
どの個々の装置73(以下、パチンコ台という)の周辺
に設置され、その前方の視野をモニタしている。各パチ
ンコ台73の玉検知部74と検知器51からの検知信号
は制御部75に伝えられる。制御部75は、検知器51
がその視野に人を検知していない時には、玉出し部76
から玉を出さないように制御する。また、自動取引装置
や自動販売機の場合は、検知器の視野に人を検知してい
ない時には、取引を行わないように制御する。これによ
り、防犯システムとして機能する。
【0064】(1k) 実施形態1k 図21a、21bは実施形態1kによる装置の構成およ
び回路を示す。本実施形態の検知器51は、デスク78
の前をモニタするように設置され、人がその視野に侵入
すると自動的に照明器79のスイッチ71をオンし、視
野から外れると自動的に照明器79のスイッチ71をオ
フにする。これにより、省エネルギー化が図れる。
【0065】(1m) 実施形態1m 図22a、22bは実施形態1mの装置の構成および回
路を示す。本実施形態の検知器51は、部屋やトイレ内
のドア80の周辺に設置され、人がその視野に侵入する
と自動的に換気扇81のスイッチ71をオンし、人がそ
の視野から外れると自動的に換気扇81のスイッチ71
をオフする。これにより、上記と同様、省エネルギー化
が図れる。また、換気扇の他に、エアコン等の空調機に
適用して、直接に人のいる方向には風を吹かないような
制御を行なうこともできる。
【0066】(1n) 実施形態1n 図23a、23bは実施形態1nによる装置の構成を示
す図およびそのブロック図である。本実施形態の検知器
51は、自動ドア82の付近をモニタするように設置さ
れ、その視野内に人が侵入すると、モータ制御部83に
検知信号を送り、モータ84を駆動して、自動ドア82
を開ける。このような自動ドアの構成は、上述したよう
に検知器が電池電源で動作し得て取付場所の制約が少な
いことから、後付けに適している。
【0067】(1o) 実施形態1o 図24は実施形態1oによる検知装置の構成および回路
図、図25はその動作のタイムチャートである。
【0068】レンズ116と2分割PD131のPD1
より受光視野1を構成し、レンズ116と2分割PD1
31のPD2より受光視野2を構成し、レンズ117と
2分割PD132のPD3より受光視野3を構成し、レ
ンズ117と2分割PD132のPD4より受光視野4
を構成する。これらの視野には周囲からの自然散乱光
(照明光、太陽光など)が照射されている。
【0069】各PDからはPDへの入光パワーに応じた
光電流が出力され、PD1からはI1、PD2からはI
2、PD3からはI3、PD4からはI4が出力され
る。これら光電流はI/V変換回路で電圧に変換され、
I1はI/V変換回路121でV1、I2はI/V変換
回路122でV2、I3はI/V変換回路123でV
3、I4はI/V変換回路124でV4に変換される。
電圧V1とV2は差動増幅回路107で引き算され、
(V1−V2)を得、電圧V3とV4は差動増幅回路1
08で引き算され、(V3−V4)を得る。ここで、V
1〜V4にはオペアンプのオフセット電圧、蛍光灯に含
まれる電源低周波ノイズ、受光素子や受光回路で発生す
る高周波ノイズなどのノイズが含まれている。受光信号
は直流成分が支配的なので、オフセット電圧や低周波ノ
イズの除去が困難である。
【0070】そこで、各受光素子の出力ラインに挿入し
たアナログスイッチ91〜94をパルス信号SGで周期
的にスイッチングすることにより、各受光素子からの出
力を直流信号からパルス信号に変換する。その場合の、
各I/V変換回路のオペアンプ1,4および2,3の出
力信号波形を図25c、25dに示す。これらの信号を
コンデンサC1〜C4と抵抗R5〜R8で構成されたハ
イパスフィルタ(HPF1〜HPF4)に通し、オフセ
ット電圧や低周波ノイズを除去する。その信号波形を図
25e、25fに示す。さらに、コンデンサC5〜C6
と抵抗R9〜R10で構成されたローパスフィルタによ
り高周波ノイズを除去する。そのオペアンプ5,6の信
号波形を図25g、25hに示す。ノイズ除去されたこ
れらの信号は差動増幅回路109でさらに引き算され、
その出力は、 (出力)=(V1−V2)−(V3−V4) となる。その信号波形を図25iに示す。この結果は予
め設定されたしきい値と比較回路110で比較され、ノ
イズ除去のための積分回路112を通った後、出力回路
113より出力される。この比較回路110、積分回路
112および出力回路113の具体例については、後述
する。
【0071】上記構成において、検出物体がない場合、
2分割PD131,132には自然散乱光に照らされた
背景の像がレンズ116,117を通して映っている。
背景にコントラストがない場合、PD1とPD2への入
射光量、PD3とPD4への入射光量はそれぞれ等しく
なり、差動増幅回路109の出力は0となるが、背景に
コントラストがあれば、PD1とPD2への入射光量、
PD3とPD4への入射光量はそれぞれ異なり、差動増
幅回路109の出力は0とならず、しかも、背景と検出
物体15の反射率の関係によっては差動増幅回路109
の出力は正、負両方の値を取る。そのため、感度設定回
路95により検出物体15のない場合の出力V0が、し
きい値Vth1とVth2(図25i参照)の中心になるよう
に設定する。感度設定の方法は、可変抵抗により設定す
る場合、又は、差動出力V0をA/D変換し、マイコン
により設定する場合などがある。また、感度設定を行な
うところは検知装置の内外を問わない。
【0072】ここで、背景と同等以上の反射率の高い検
出物体が受光視野1、4内にある場合は、検出物体から
の反射光が背景からの反射光よりも大きくなるため、P
D上では検出物体の像が映っている部分の光強度Pは大
きく、背景が映っている部分の光強度Pは小さくなる。
よって、(V1−V2)>0、(V3−V4)<0とな
り、差動増幅回路109の出力はVth1以上となり、初
期状態とは異なるため、この違いを検知することで物体
の侵入を検出できる。
【0073】また、背景と同等以下の反射率の低い検出
物体が受光視野1、4内にある場合は、検出物体からの
反射光が背景からの反射光よりも小さくなるため、PD
上では検出物体の像が映っている部分の光強度Pは小さ
く、背景が映っている部分の光強度Pは大きくなる。よ
って、(V1−V2)<0、(V3−V4)>0とな
り、差動増幅回路109の出力はVth2以下となり、初
期状態とは異なるため、この違いを検知することで物体
の侵入を検出できる。
【0074】このように本実施形態の検知装置によれ
ば、自ら光を発せず、自然散乱光を光源として動作し、
受光視野に初期状態には存在していなかった物体が侵入
すると、2分割PDへの入光量のバランスが崩れ、その
変化量を検出して、検出物体の有無を検出するため、低
消費電流化を容易に図れる。また、受光視野1、2、
3、4のいずれかに変化があれば検知信号が出力される
ため、受光器が1個の場合に比べて、受光視野は広く取
れ、大きな物体の検出をも可能となり、また、各PDの
光量変化量を足し合わせることになるため、感度も2倍
となる。
【0075】さらに、上記の比較回路110、積分回路
112、出力回路113の具体例を図26に示す。これ
らの回路は、差動増幅回路109のパルス信号出力か
ら、より確かな2値出力を得るための積分方式による判
断部を構成する。比較回路110の入力端の可変抵抗V
Rは上記感度調整回路95に相当し、しきい値(ON/
OFFレベル)を変えることができる。出力回路113
の実質内容は比較回路113aである。図27a〜図2
7dは動作のタイムチャートである。差動増幅回路10
9の出力がしきい値ONレベルを越えると、比較回路1
10のCOM3の出力がLとなる。このとき、INV1
により、積分回路112のトランジスタTR5はON状
態で、コンデンサC2は電流I´により充電される。差
動増幅回路109の出力がしきい値OFFレベルを下回
ると、COM3の出力がHとなる。このとき、INV1
により、トランジスタTR5はOFF状態で、コンデン
サC2の充電電荷は抵抗R13を通して所定の時定数
(C2×R13)で放電される。
【0076】上記構成を採用することにより、差動増幅
回路109の出力が連続してONレベルを所定回数越え
たときに、比較回路113aの出力が変化する。積分回
路112の充放電は緩やかであるので、信号期間中に外
乱があって、差動増幅回路109の出力が一時的に比較
回路110のONレベルを下回るようなことがあって
も、比較回路113aの出力はONが保持される。この
ように、信号は各パルス毎に2値化して扱われるため、
パルス幅が小さくて波高の大きなインパルスノイズには
反応せず、それによる誤動作はなくなる。なお、上記の
図24に示した実施形態は、一般の信号処理回路で発生
するオフセットや低周波ノイズの影響を除去するための
技術として知られているチョッパ型増幅器を導入したも
のと一見似ているが、チョッパ型増幅器は出力側に直流
化のための平滑部を有するのに対して、本実施形態では
平滑部を用いず、上記の図26のような2値出力を得る
ための比較回路を含む判断部を用いている点で相違す
る。このため、本実施形態では、上記のようにインパル
スノイズによる誤動作防止という特有の効果が得られ
る。
【0077】次に、上記積分方式の判断部の変形例を図
28に示す。その動作のタイムチャートを図29a〜図
29eに示す。比較回路110のCOM1の出力がL、
パルス信号SGがHのとき、トランジスタTR1はON
状態で、AND1はLレベルであるので、トランジスタ
TR4はOFF状態にあり、従って、コンデンサC1は
電流I´により充電される。COM1の出力がH、パル
ス信号SGがHのとき、トランジスタTR1はOFF状
態で、AND1はHレベルであるので、トランジスタT
R4はON状態にあり、従って、コンデンサC1の充電
電荷はトランジスタTR4を介して一気に放電されるよ
うになっている。
【0078】比較回路110は、差動増幅回路109の
出力が予め設定されたしきい値ONレベルを上回ってい
れば、Lレベルを出力し、予め設定されたしきい値OF
Fレベルを下回っていればHレベルを出力する。積分回
路112は、比較回路110の出力信号がLレベルのと
き充電され、コンデンサC1の充電電位は0[V]から
Vaとなり(図29cの・点)、その後、所定の時定数
(C1×R5)にて放電され、次の入力信号までに充電
電位はVaからVb(Vb>0)となり(図29cの・
点)、次の入力でVbからVa+Vbとなり(図29c
の・点)、比較回路110の出力がHレベルならば積分
回路112は充電され続ける。一方、比較回路110の
出力がLレベルならば(図29cの・点)、積分回路1
12は一気に放電され、0[V]となる。比較回路11
3aは積分回路112の出力信号が予め設定されたしき
い値ONレベルを上回っていれば、Hレベルを出力し、
物体等の存在を検出する。
【0079】このような判断部を持つことにより、図2
9a〜図29eに示したように、信号期間中でない時で
信号と接近して外乱があって、差動増幅回路109の出
力が一時的に比較回路110のONレベルを上回るよう
なことがあっても、比較回路113aの出力がONする
ことはなく、正確な2値出力が得られる。換言すれば、
図28の構成を採用することで、所定以上の大きさの信
号が所定期間あれば出力をONするといった処理が、該
所定期間の直前の信号の履歴に影響されることなく行
え、また、出力をON,OFFする条件を独立に設定で
きるという利点がある。
【0080】判断部のさらに他の例を図30に示す。こ
の判断部は、パルスカウント方式であり、比較回路11
0と判別部96(ディジタルフィルタとして機能する)
とから構成される。その動作のタイムチャートを図31
a〜図31lに示す。比較回路110は、差動増幅回路
109の出力がONレベルTh(ON)=R2×(I1
+I2)を上回る入力があると、COM1の出力はHレ
ベルとなる。差動増幅回路109の出力がOFFレベル
Th(OFF)=R2×I1を下回る入力があると、C
OM1の出力はLレベルとなる。
【0081】判別部96において、R−Sラッチ1は、
COM1の出力信号がHのとき、Q0=Hとなる。そし
て、Q0はRST信号(図31c)によりリセットさ
れ、Lレベルとなり、次の入力信号を待つ。COM1の
出力信号がLのとき、Q0=Lとなり、そして、RST
によりリセットされ、Lレベルを持続する。D−FF1
〜3は、クロックCKの立ち上がりのタイミングのと
き、D入力がHレベルならQ=H、D入力がLレベルな
らQ=Lとなる。AND1は、Q1〜Q3のANDを出
力するので、Q1〜Q3が全てHレベル、つまり、図3
1aののように、所定回数、ここでは3回連続し
てCOM1のスレッシュレベルを上回る信号が入力され
たとき、AND1の出力はHレベルに変化する。AND
2は、反転Q1〜反転Q3のANDを出力するので、反
転Q1〜反転Q3が全てHレベル、つまり全く入力がな
いとき、Hレベルとなるのに対して、1回でも入力があ
れば、Lレベルとなり、少なくとも3周期分はLレベル
となる。R−Sラッチ2は、AND1がHレベル、つま
り3回連続入力信号があると、Q4=Hとして出力し、
また、反転Q4により、COM1のスレッシュレベルが
Th(ON)からTh(OFF)となる。この例におい
ても、図28の場合と同様の利点が得られる。
【0082】(2) 第2実施形態 以下、第2実施形態を図面を参照して説明する。第2実
施形態においては、第1実施形態の検知装置を始め、他
の用途にも使用可能なパッシブ型検知装置を説明する。
図32はパッシブ型の検知装置の基本構成を示す図であ
る。図32を参照して、パッシブ型検知装置200は、
検出素子211と、検出素子スイッチング信号SGをう
けるアナログスイッチ212と、I/V変換器213
と、ハイパスフィルタ214と、アンプ215とローパ
スフィルタ216と判断部217とを含む。検出素子2
11により検出対象の物理量が検出され、その検出出力
はアナログスイッチ212により周期的に断続されてパ
ルス信号とされ、I/V変換器213により電流から電
圧に変換され、ハイパスフィルタ214、アンプ21
5、ローパスフィルタ216を通して信号処理され、判
断部217に与えられる。判断部217は各パルス信号
から検出対象の状態を2値出力する。なお、ハイパスフ
ィルタ214とローパスフィルタ216は、アナログス
イッチ212のスイッチング周波数を含む帯域の信号は
通過させ、信号処理の回路で発生するオフセットや外来
の低周波ノイズや高周波ノイズをカットする。
【0083】以下このパッシブ型検知装置を具体化した
光検出器について説明する。 (2a) 実施形態2a 実施形態2aによる光検出器の構成を図33に示し、そ
のタイムチャートを図34a〜図34hに示す。検出部
220は、検出素子211としての2つの受光素子(フ
ォトダイオード:PD1,PD2)と2つのレンズ20
1,202で構成されており、それぞれ受光視野1と受
光視野2を構成している。これらの視野は互いに分離さ
れており、自然散乱光(太陽光、蛍光灯などの光)が照
射されている。また、I/V変換器213a,213
b、差動増幅器215、フィルタ回路214,16など
の受光回路や、判断部217を構成する比較回路21
8、判別部219への電源(Vs、Vr)の供給は、ス
イッチング信号PG(周期:T、デューティ比tp/
T)によるアナログスイッチ212c,212dのスイ
ッチング(図34c)で断続的に行い、回路の低消費電
流化を図っている。
【0084】また、PD1とPD2は入射光に応じた光
電流を出力し、その光電流をアナログスイッチ212
a,212bによりスイッチング信号SG(周期:T、
デューティ比ts/T、PGに同期)でスイッチングす
る(図34b)。スイッチングされた光電流はそれぞれ
I/V変換器213a,213bで電圧に変換される。
直流成分の支配的なPD1とPD2の受光信号には交流
電源の低周波ノイズやI/V変換器213a,213b
のオペアンプにより生じるオフセット電圧が含まれる
が、これらのノイズ除去を行なうため、上記のようにス
イッチングすることにより、受光信号に高周波成分をも
たせ(図34d)、後段のハイパスフィルタHPF21
4a,214bにより低周波ノイズを除去する(図34
e、34f)。このとき、このハイパスフィルタのカッ
トオフ周波数はスイッチング信号SGよりも低く、スイ
ッチング信号PGよりも高く設定することで、オフセッ
ト電圧や電源低周波ノイズの除去が可能となり、受光信
号のみ取り出せる。
【0085】低周波ノイズが除去された2つの受光信号
(V1,V2)は、差動増幅器215で差動増幅され、
(V1−V2)が得られる(図34g)。その後、ハイ
パスフィルタHPF214cにより再び、低周波ノイズ
を除去し、ローパスフィルタLPF216により高周波
ノイズを除去し、その信号は図34hに示すものとな
る。この信号は予め設定されたしきい値と比較回路21
8で比較される。ローパスフィルタのカットオフ周波数
は、スイッチング信号SG、スイッチング信号PGより
も高い。
【0086】ここで、受光視野1のみに人又は物体が侵
入すれば、PD1にはPD2よりも多くの光が入射し、
(V1−V2)が大きくなる。この(V1−V2)がし
きい値を上回ると、比較回路218はオン信号を出力
し、その結果に基づいて判別部219は、ノイズ分を除
去して人や物体の存在を知らせる信号を出力する。この
ようにパッシブ形の光検知装置においては、受光素子の
スイッチングと、後段のフィルタ回路によりノイズ除去
を行なうことで、簡易かつ確実に高いS/N比の受光信
号を取り出すことが可能となる。
【0087】(2b) 実施形態2b 次に、スイッチ段のオン・オフの周期およびデューティ
比を可変にした実施形態2bについて、図35aないし
図37を参照して説明する。図35aはスイッチング信
号SGを生成する周期/デューティ比可変回路の構成例
を示し、図35bはそのタイムチャートを示す。同回路
は、電流源231と、それにより充電されるコンデンサ
C0と、スイッチング信号SGを出力するコンパレータ
COM1等からなり、電流源231の電流Iで充電され
るコンデンサC0の電位vは、COM1の負入力端子電
位となる。COM1がONするしきい値をV1、OFF
するしきい値をV2とすると、いま、電位vがV2とV
1の間にあれば、COM1の出力はHであり、スイッチ
ング信号SGはHである。このとき、トランジスタTR
1はON、トランジスタTR2はOFFである。この時
間は充電時間t1となる。
【0088】電位vがコンデンサC0の充電により上昇
してV1に達すると、COM1の出力はLとなり、スイ
ッチング信号SGはLとなる。このとき、トランジスタ
TR1はOFF、トランジスタTR2はONとなる。ト
ランジスタTR2がONすると、コンデンサC0に充電
された電荷は、抵抗R5を通って時定数(C0×R5)
で放電される。コンデンサC0の電位vはV2に達する
まで徐々に低下する。この時間が放電時間t2となる。
電位vがV2に達すると、先のようにCOM1の出力は
Hとなり、スイッチング信号SGはHとなる。このよう
にして、スイッチング信号SGはコンデンサC0の充電
時間t1の間、Hとなり、コンデンサC20の放電時間
t2の間、Lとなり、これを繰り返し、発振を行なう。
電圧V1,V2、電流I、充電時間t1は、次式で表せ
る。
【0089】V1=R2/(R2+R1//R3) V2=(R2//R3)/(R1+R2//R3) I ={Vs−Vbe(TR4)}/R6 t1=C0×(V1−V2) /I なお、R1//R3などは、抵抗R1と抵抗R3との並列
抵抗を、Vbe(TR4)はトランジスタTR4のベー
ス−エミッタ電位を意味する。Vsは電源電圧である。
【0090】ところで、図35aでは、電流源231の
電流値Iは可変抵抗R26の値により変更できることを
示している。式(1)(2)では、コンデンサC20へ
の充電時間t1は電流Iにより変更できることを示して
いる。よって、スイッチング信号SGの周期(t1+t
2)、および、パルスデューティ比t1/(t1+t
2)は可変抵抗R6の値により変更できる。
【0091】図36は実施形態2bによる検知装置の構
成を示し、パルス信号SGとハイパスフィルタHPF2
14のフィルタ周波数とを連動可変としたものである。
スイッチング信号SGには、図35aの回路の出力を用
いればよい。フィルタ周波数を可変とするために、電流
源231とCOM1〜3、アナログスイッチ212b〜
212d、コンデンサC1に並列的に接続されるコンデ
ンサC2,C3,C4を用いている。COM1〜3の入
力電圧V0は可変抵抗R6の値により変更できる。HP
F214のカットオフ周波数fは、コンデンサC1〜C
4の並列容量Ciと抵抗R8によって、また、COM1
〜3の負入力電圧となるV0は、次のように表せる。
【0092】f =1/2πR8Ci V0=I×R11 図37は、回路各部の状態とコンデンサC1〜C4の並
列容量Ciとの関係を示している。HPF214のカッ
トオフ周波数fは、電圧V0に応じて制御されるアナロ
グスイッチ212b〜212dのON/OFF制御によ
ってコンデンサC1〜C4の接続状態が決まり、それに
より並列容量Ciの値が変わることで、変更することが
できる。例えば、可変抵抗R6を大きくすれば、電流I
は小さくなり、充電時間t1は長くなり、スイッチング
信号SGの周波数は小さくなる。また、電圧V0は小さ
くなり、並列容量Ciは大きくなり、HPF214のカ
ットオフ周波数fもスイッチング信号SGの周波数と連
動して小さくなる。他方、抵抗R6を小さくすれば、電
流Iは大きくなり、充電時間t1は短くなり、スイッチ
ング信号SGの周波数は大きくなる。また、電圧V0は
大きくなり、並列容量Ciは小さくなり、HPF214
のカットオフ周波数fもスイッチング信号SGの周波数
と連動して大きくなる。
【0093】このように本実施形態では、スイッチング
信号SGの周期、およびデューティ比を自在に変更でき
る構成であるため、使用環境の外来ノイズと異なる周波
数に設定することで、外来ノイズを確実に除去でき、そ
れによる誤動作を防止できる。
【0094】さらに、上記の判断部を構成する比較回路
218、判別部219の具体例を図38に示す。これら
の回路は、LPF216のパルス信号出力から、より確
かな2値出力を得るための積分方式による判断部を構成
する。比較回路218の入力端の可変抵抗VRは感度調
整回路に相当し、しきい値(ON/OFFレベル)を変
えることができる。判別部219は、積分回路219a
と比較回路219bからなる。図39a〜図39dは動
作のタイムチャートである。LPF216の出力がしき
い値ONレベルを越えると、比較回路218のCOM3
の出力がLとなる。このとき、INV1により、積分回
路219aのトランジスタTR5はON状態で、コンデ
ンサC2は電流I´により充電される。LPF216の
出力がしきい値OFFレベルを下回ると、COM3の出
力がHとなる。このとき、INV1により、トランジス
タTR5はOFF状態で、コンデンサC2の充電電荷は
抵抗R13を通して所定の時定数(C2×R13)で放
電される。
【0095】上記構成を採用することにより、LPF2
16の出力が連続してONレベルを所定回数越えたとき
に、比較回路219bの出力が変化する。積分回路21
9aの充放電は緩やかであるので、信号期間中に外乱が
あって、LPF216の出力が一時的に比較回路218
のONレベルを下回るようなことがあっても、比較回路
219bの出力はONが保持される。このように、信号
は各パルス毎に2値化して扱われるため、パルス幅が小
さくて波高の大きなインパルスノイズには反応せず、そ
れによる誤動作はなくなる。なお、上記の図36に示し
た実施形態は、先の実施形態と同様に一般の信号処理回
路で発生するオフセットや低周波ノイズの影響を除去す
るための技術として知られているチョッパ型増幅器を導
入したものと一見似ているが、チョッパ型増幅器は出力
側に直流化のための平滑部を有するのに対して、本実施
形態では平滑部を用いず、上記の図38のような2値出
力を得るための比較回路を含む判断部を用いている点で
相違する。このため、本実施形態では、上記のようにイ
ンパルスノイズによる誤動作防止という特有の効果が得
られる。
【0096】次に、上記積分方式の判断部の変形例を図
40に示す。その動作のタイムチャートを図41a〜図
41eに示す。比較回路218のCOM1の出力がL、
スイッチング信号SGがHのとき、トランジスタTR1
はON状態で、AND1はLレベルであるので、トラン
ジスタTR4はOFF状態にあり、従って、コンデンサ
C1は電流I´により充電される。COM1の出力が
H、スイッチング信号SGがHのとき、トランジスタT
R1はOFF状態で、AND1はHレベルであるので、
トランジスタTR4はON状態にあり、従って、コンデ
ンサC1の充電電荷はトランジスタTR4を介して一気
に放電されるようになっている。
【0097】比較回路218は、LPF216の出力が
予め設定されたしきい値ONレベルを上回っていれば、
Lレベルを出力し、予め設定されたしきい値OFFレベ
ルを下回っていればHレベルを出力する。積分回路21
9aは、比較回路218の出力信号がLレベルのとき充
電され、コンデンサC1の充電電位は0[V]からVa
となり(図41cの点)、その後、所定の時定数(C
1×R5)にて放電され、次の入力信号までに充電電位
はVaからVb(Vb>0)となり(図41cの
点)、次の入力でVbからVa+Vbとなり(図41c
の点)、比較回路218の出力がHレベルならば積分
回路219aは充電され続ける。一方、比較回路218
の出力がLレベルならば(図41cの点)、積分回路
219aは一気に放電され、0[V]となる。比較回路
219bは積分回路219aの出力信号が予め設定され
たしきい値ONレベルを上回っていれば、Hレベルを出
力し、物体等の存在を検出する。
【0098】このような判断部を持つことにより、図4
1に示したように、信号期間中でない時で信号と接近し
て外乱があって、LPF216の出力が一時的に比較回
路218のONレベルを上回るようなことがあっても、
比較回路219bの出力がONすることはなく、正確な
2値出力が得られる。換言すれば、図40の構成を採用
することで、所定以上の大きさの信号が所定期間あれば
出力をONするといった処理が、該所定期間の直前の信
号の履歴に影響されることなく行え、また、出力をO
N,OFFする条件を独立に設定できるという利点があ
る。
【0099】判断部のさらに他の例を図42に示す。こ
の判断部は、パルスカウント方式であり、比較回路21
8と判別部219(これはディジタルフィルタとして機
能する)とから構成される。その動作のタイムチャート
を図43a〜図43lに示す。比較回路218は、LP
F216の出力がONレベルTh(ON)=R2×(I
1+I2)を上回る入力があると、COM1の出力はH
レベルとなる。LPF216の出力がOFFレベルTh
(OFF)=R2×I1を下回る入力があると、COM
1の出力はLレベルとなる。
【0100】判別部219において、R−Sラッチ1
は、COM1の出力信号がHのとき、Q0=Hとなる。
そして、Q0はRST信号(図43c)によりリセット
され、Lレベルとなり、次の入力信号を待つ。COM1
の出力信号がLのとき、Q0=Lとなり、そして、RS
Tによりリセットされ、Lレベルを持続する。D−FF
1〜3は、クロックCKの立ち上がりのタイミングのと
き、D入力がHレベルならQ=H、D入力がLレベルな
らQ=Lとなる。AND1は、Q1〜Q3のANDを出
力するので、Q1〜Q3が全てHレベル、つまり、図4
3aの・・・のように、所定回数、ここでは3回連続し
てCOM1のスレッシュレベルを上回る信号が入力され
たとき、AND1の出力はHレベルに変化する。AND
2は、反転Q1〜反転Q3のANDを出力するので、反
転Q1〜反転Q3が全てHレベル、つまり全く入力がな
いとき、Hレベルとなるのに対して、1回でも入力があ
れば、Lレベルとなり、少なくとも3周期分はLレベル
となる。R−Sラッチ2は、AND1がHレベル、つま
り3回連続入力信号があると、Q4=Hとして出力し、
また、反転Q4により、COM1のスレッシュレベルが
Th(ON)からTh(OFF)となる。この例におい
ても、図40の場合と同様の利点が得られる。
【0101】(2c) 実施形態2c 本発明の実施形態2cによる赤外線検出器の構成を図4
4に示す。検出部220の赤外線検出素子であるサーモ
パイル211aは、赤外線光量に応じた起電力が得られ
る素子である。検知エリア内に人が侵入すると、人から
放射される赤外線はサーモパイル211aで検出され、
バッファを介しアナログスイッチ212でスイッチング
信号SG(周波数f)にてスイッチングされる。スイッ
チングされた信号は、カットオフ周波数がスイッチング
周波数fより低いHPF214を通過し、アンプ215
で増幅される。増幅された信号は、カットオフ周波数が
スイッチング周波数fより高いLPF216を通過し、
しきい値を上回れば比較回路218はON信号を出力
し、判別部219で人の侵入および存在があるかが判断
され、出力される。
【0102】(2d) 実施形態2d 本発明の実施形態2dによる温度検出器の検出部の構成
を図45に示す。検出部より後段の構成は図36と同様
でよい。図中に示した温度検出素子の温度サーミスタR
thは温度に応じて抵抗値が変化する素子である。その
変化は、電圧値V0として検出され、温度の制御などに
使用する。検出結果は2値化して出力されるので、それ
を用いてヒータのオン・オフ制御を行なうことができ
る。また、温度検出器としては、熱電対等を用いてもよ
い。なお、温度サーミスタRthと抵抗Rとの接続点の
出力電圧V0は、次式で表せる。但し、Vsで電源電圧
である。
【0103】V0={R/(Rth+R)}Vs (2e) 実施形態2e 本発明の実施形態2eによる圧力検出器の構成を図46
a,46bに、等価回路を図46cに、その信号処理部
を図46dに、そのタイムチャートを図47a〜図47
hに示す。この検出器は、流体の圧力制御などに使用す
る。圧力検出素子は、図46a,46bに示すように、
Si単結晶基板221上に感圧ダイヤフラム222が設
けられ、ひずみゲージ(拡散抵抗)R1,R2,R3,
R4が配置された構成である。ひずみゲージの圧力によ
るひずみは、半径方向のゲージR1,R3の変化率のほ
うが円周方向のゲージR2,R4の変化率より大きい。
この差は、図46cの等価回路に示すホイーストンブリ
ッジで検出され、図46dに示す信号処理部で処理さ
れ、出力される。この等価回路の出力電圧V0は、次式
で表せる。
【0104】 V0=(V1−V2) ={R4/(R1+R4)−R3/(R2+R3)}V1 検出部に圧力が加えられたとき、上記のように抵抗値が
変化して、V1の電位は降下し(図47c)、逆に、V
2の電位は上昇(図47d)する。そして、V1はアナ
ログスイッチ212aで、V2はアナログスイッチ21
2bでそれぞれスイッチング信号SGでスイッチングさ
れた後、HPF241,242で低周波ノイズをカット
される(図47e、47f)。その後、差動増幅器21
5で増幅され(図47g)、そして、LPF216で高
周波ノイズは除去される(図47h)。検知信号がしき
い値を上回れば、比較回路218はON信号を出力し、
判別部219にて圧力が設定値より高いか低いかが判断
され、出力される。この圧力検出器は、都市ガスの弁開
放による異常減圧の検出等に適用可能である。
【0105】(2f) 実施形態2f 本発明の実施形態2fによる湿度センサの検出部の構成
を図48に示す。検出部より後段の構成は図46dと同
様でよい。この検出器は、空調器の制御などに使用でき
る。検知センサ素子225(R1)は検出対象空気中に
配置され、補償センサ素子226(R4)は乾燥空気中
に配置される。これらの素子225,226は湿度に応
じて抵抗値が変化する素子で、他の抵抗R2,R3と共
にブリッジ接続され、湿度に応じた抵抗値の変化は、検
出端に電圧値V0に変換され、出力される。この湿度セ
ンサの出力は加湿器のオン・オフ制御に使用することが
できる。
【0106】また、この湿度検出素子を混合ガスの混合
比に応じて抵抗値が変化する素子に置き換えたものがガ
スセンサであり、混合ガスの制御やガス漏れ検知などに
使用する。この場合、検知センサ素子225(R1)は
検出対象ガス中に、補償センサ素子226(R4)は基
準ガス中に配置される。抵抗値の変化量は電圧値V0に
変換された後、検出される。このガスセンサは、都市ガ
ス漏れセンサとして使用できる。
【0107】(2g) 実施形態2g 本発明の実施形態2gによる構成を図49に示す。この
例は、検出素子211による検出信号をスイッチングす
るためのスイッチ212aを、FET(電界効果トラン
ジスタ)で構成したものである。この構成によれば、高
速でスイッチングが可能となり、漏れ電流がほとんどな
いので、微小量の検出が可能となる。また、FETは電
圧制御のため低消費電力化が図れる。
【0108】(2h) 実施形態2h 本発明の実施形態2hによる構成を図50に示す。この
例は、検出素子211による検出信号をスイッチングす
るスイッチ212bを、バイポーラトランジスタで構成
したものである。この構成によれば、スイッチングによ
るスパイクノイズが小さいという効果がある。
【0109】(3) 第3実施形態 以下、本発明の第3実施形態を図面を参照して説明す
る。
【0110】(3a) 実施形態3a 図51は実施形態3aによる検知器のブロック図であ
り、図52a〜図52iはこの検知器の動作を示すタイ
ムチャートである。検知器301は、検知器301の置
かれる場所の自然散乱光(たとえば照明装置、太陽光)
の背景14や検出物体15による反射光を受光すること
により、検出物体の有無検知等を行なうパッシブ方式の
検知器である。検知器301は、受光部としての受光用
レンズ303と、この受光用レンズ303の背後に設け
られた2分割フォトダイオード3,02(受光素子、以
下、PD1,PD2と略す)により構成され、第1およ
び第2の受光視野を構成している。なお図51には検出
物体15が2つの受光視野内の一方(視野2)に侵入し
た状態を示している。
【0111】通常は、背景(例えば白色一面)14から
の反射光がレンズ303を通してPD1、PD2に入射
されている。PD1,PD2に入射した光は、ここで光
−電流変換され、PD1からの検出電流I1、およびP
D2からの検出電流I2は、スイッチSW1,SW2で
断続的に受光回路308に送られる。このスイッチSW
1,SW2は、発振回路307より供給される発振パル
ス信号SG1,SG2のクロックで交互にスイッチング
されるようになっており、これにより、スイッチSW
1,SW2を通過する電流I1,I2のタイミングは非
同期で時分割となる。検出電流I1,I2は受光回路3
08で電圧に変換された後、増幅回路309で増幅さ
れ、検出電圧V1,V2となる。この電圧V1,V2は
S/H回路310で発振回路307のサンプルホールド
信号SHのタイミングでサンプリングされた後、A/D
変換回路311でデジタル信号に変換され、それぞれ出
力D1,D2となる。これら出力D1,D2は演算部3
12で差演算(D1−D2)され、演算結果Dを得る。
この演算結果Dの上下にあるレベルに差を付けたしきい
値(VT1,VT2)がしきい値設定回路314に設定
される。
【0112】いま、検出物体(黒色一面)15が視野2
に侵入すると、PD2への入光量が減少し、D2が小さ
くなる。この時の演算部による演算結果Dは先のDより
も大きくなる。これが上記しきい値(VT1,VT2)
と比較回路316において比較され、図52のごとく、
出力DがVT1を上回る、又はVT2を下回ると、比較
回路316よりON信号が出力される。このON信号は
ノイズを除去するために積分回路317を通った後、出
力回路318から検知器301外部にON/OFF信号
として出力される。なお、積分回路317は、比較回路
316出力のON信号が連続して3個以上になればON
信号を出力し、比較回路316出力のOFF信号が連続
して3個以上になれば、OFF信号を出力するものとな
っている。
【0113】このように、2系統の検出信号(I1,I
2)を交互にスイッチングし、各検出信号をペアとし
て、1系統の信号処理回路で処理するようにしたことに
より、従来のセンサと比べて、受光出力数と同数の受光
回路、増幅回路、S/H回路、A/D変換回路等が不要
となるので、信号処理回路の規模の縮小を図ることがで
き、回路部品の削減、消費電流の低減、外形の縮小、コ
ストの削減、製造不良率の低減等を図ることができる。
また、回路構成を簡略化することにより、複数の回路の
特性のマッチングを図る必要がなくなるので、高精度の
部品が要求されることもない。また、この構成において
は、投光電流が不要なパッシブ方式で検出を行なうの
で、低消費電流化を図ることができる。また、この低消
費電流化により、バッテリ駆動時においてはバッテリの
長寿命化を図ることができる。
【0114】(3b) 実施形態3b 図53は実施形態3bに係る検知器のブロック図であ
る。この検知器320は上述の図51に示した検知器3
01において、PD1,PD2と受光回路308間に備
えられていたスイッチSW1,SW2を、増幅回路30
9とS/H回路310の間に備えるようにしたものであ
る。PD1,PD2からの検出電流I1,I2はそれぞ
れの受光回路308a,308bで電圧に変換され、増
幅回路309a,309bで増幅された後、スイッチS
W1,SW2で信号SG1,SG2のクロックにあわせ
て交互にスイッチングされ、電圧V1,V2となる。こ
のように、スイッチングを増幅回路309a,309b
において検出信号を増幅した後に行なうようにしたこと
により、インピーダンスの高いライン(微小信号ライ
ン)にスイッチング素子を入れずにすむので、受光信号
に重畳するスイッチングノイズを低減することができ
る。
【0115】(3c) 実施形態3c 図54は実施形態3cに係る検知器のスイッチ近傍の構
成図である。本実施形態3cはスイッチSWを電界効果
トランジスタ(以下、FETという)で構成したもので
ある。これにより、高速でのスイッチングが可能とな
り、また、漏れ電流がほとんどなくなるので、微小な検
出電流の変化をとらえることができ、より正確な物体の
有無検出が可能となる。さらに、FETは電圧で制御さ
れるものであるので、より一層、消費電流を抑えること
ができる。
【0116】(3d) 実施形態3d 図55は本実施形態3dに係る検知器のスイッチSW近
傍の構成図である。本実施形態はスイッチSWをバイポ
ーラトランジスタで構成したものである。バイポーラト
ランジスタはスイッチングによるスパイクノイズが小さ
いので、微小な検出電流の変化をとらえることができ、
より正確な物体の有無検出が可能となる。
【0117】(3e) 実施形態3e 図56は本実施形態3eに係る検知器321のブロック
図、図57a〜図57mはこの検知器の動作のタイムチ
ャートである。この検知器321は、上述の図51に示
した検知器301において、スイッチSW2を、信号S
G2と第2の比較回路322の出力信号のANDでスイ
ッチングされるようにしたものである。PD1,PD2
で受光された光は検出電流I1,I2に変換され、この
電流I1,I2は上述の実施形態3aと同様、受光回路
308、増幅回路309、S/H回路310、A/D変
換回路311を通り、出力D1,D2になる。ここで、
出力D1は、第2の比較回路322に入力され、この出
力D1の値がサンプリングデータの前後で異っている
と、比較回路322からON信号が出力される。この出
力信号と信号SG2のANDによりスイッチSW2はス
イッチングされる。一方、出力D2はデータ保持回路3
23で第2の比較回路322のON信号による解除信号
が入力されるまで、前回のデータを出力し続け、第2の
比較回路322のON信号による解除信号が入力される
と、データ保持回路323に保持されたデータは更新さ
れる。この出力D2と出力D1は演算部312において
差動演算され、演算結果Dが得られる。演算結果Dは、
比較回路316で予め設定されたしきい値VT1,VT
2と比較される。比較回路316は、演算結果DがVT
1を上回るか、VT2を下回ることでON信号を出力す
る。このON信号が連続して3個以上になれば、積分回
路317より2値化されたON信号が得られ、この信号
は出力回路318より出力され、検知器321外部に受
光視野内への検出物体15の侵入を知らせる。
【0118】このように、片側の経路(SW1)の信号
(I1)をモニタし、それに変化があれば、もう一方の
経路(SW2)を動作させるような構成としているの
で、上述の検知器301と比して、消費電流をより低減
させることができる。また、パッシブ方式で得られた2
系統の検出信号(I1,I2)を1系統の受光回路を含
む信号処理回路で処理するので、信号処理回路の規模を
縮小することができ、上述の第1の実施形態と同様の作
用効果を得ることができる。
【0119】(3f) 実施形態3f 図58は実施形態3fに係る検知器326のブロック
図、図59a〜図59iはこの検知器の動作のタイムチ
ャートである。この検知器326は、上述の図51に示
した検知器301に変調回路328を加えたものであ
る。この変調回路328は、発振回路327より供給さ
れるsg1,sg2,sh,a/dの各正弦波をパルス
時間変調し、SG1,SG2,SH,A/Dのパルス信
号に変換するものである。
【0120】PD1,PD2に入射した光は、ここで光
−電流変換され、PD1からの検出電流I1、およびP
D2からの検出電流I2は、スイッチSW1,SW2で
断続的に受光回路308に送られる。このスイッチSW
1,SW2は、発振回路307より供給される発振パル
ス信号SG1,SG2のクロックで交互にスイッチング
されるようになっており、これにより、スイッチSW
1,SW2を通過する電流I31,I32のタイミング
は非同期で時分割となる。検出電流I1,I2は受光回
路308で電圧に変換された後、増幅回路309で増幅
され、検出電圧V1,V2となる。この電圧V1,V2
はS/H回路310で発振回路307のサンプルホール
ド信号SHのタイミングでサンプリングされた後、A/
D変換回路311でデジタル信号に変換され、それぞれ
出力D1,D2となる。これら出力D1,D2は演算部
312で差演算(D1−D2)され、演算結果Dを得
る。この値Dが、比較回路316でしきい値VTと比較
され、VTを上回るとON信号が出力される。このON
信号が連続して3個以上になれば、積分回路317より
2値化されたON信号が得られ、この信号は出力回路3
18より出力され、検出器326外部に検出物体2の侵
入を知らせる。
【0121】このように、パッシブ方式で得られた2系
統の検出信号I1,I2を交互にスイッチングし、各検
出信号をペアとしてサンプルホールドすることにより、
データの保持を行い、1系統の受光回路を含む信号処理
回路で処理するので、信号処理回路の規模を縮小するこ
とができ、上述の実施形態3aと同様の作用効果を得る
ことができる。加えて、検出信号のスイッチングを行な
うクロック信号をパルス時間変調し、その信号と同期を
とり、信号処理することで、周期的な検出対象と異なる
物理量的なノイズや電気的なノイズを除去することがで
きるので、高S/Nの検出信号を得ることができる。こ
れにより、より微小な検出電流の変化を取り扱うことが
できるので、より正確な物体の有無検出が可能となる。
【0122】(3g) 実施形態3g 図60は実施形態3gによる検知器のブロック図、図6
1a〜図61iはこの検知器のタイムチャートである。
この検知器330は、上述の図51に示した検知器30
1に、信号処理回路への電源供給のタイミングを制御す
るためのスイッチSW3を加えたものである。このスイ
ッチSW3は発振回路307より供給される信号SG
1,SG2とそれぞれ同期している信号AGによりスイ
ッチングされる。これにより、電源の供給は図61のタ
イムチャートに示されるように、信号SG1,および信
号SG2のそれぞれに関わる信号処理に必要な時間だけ
行われる。
【0123】このように、パッシブ方式で得られた2系
統の検出信号I1,I2を交互にスイッチングし、各検
出信号をペアとしてサンプルホールドすることにより、
データの保持を行い、1系統の受光回路を含む信号処理
回路で処理するので、信号処理回路の規模を縮小するこ
とができ、上述の実施形態3aと同様の作用効果を得る
ことができる。加えて、各信号処理回路への電源の供給
を信号処理に必要な時間だけ断続的に行なうようにした
ので、消費電流をより低減させることができる。また、
信号SG1と信号SG2のそれぞれの発振パルス信号に
応じて電源を供給しているため、電圧V1と電圧V2の
信号がお互いに干渉しないように信号SG1と信号SG
2のパルス間隔を広くとっても、低消費電流化の効果を
維持したまま、過大入力検出信号に対応することができ
る。
【0124】(3h) 実施形態3h 図62a〜図62jに実施形態3hに係る検知器の動作
のタイムチャートを示す。本実施形態に係る検知器は上
述の実施形態3gによる検知器330と同じ構成であ
る。スイッチSW3は発振回路より供給される信号SG
1,SG2をペアの信号とし、このペアの信号に同期し
ている信号AGによりスイッチングされる。これによ
り、電源の供給は、図62a〜図62jのタイムチャー
トに示されるように、信号SG1と信号SG2に同時に
それらに関わる信号処理に必要な時間だけ行われる。
【0125】このように、パッシブ方式で得られた2系
統の検出信号I1,I2を交互にスイッチングし、各検
出信号をペアとしてサンプルホールドすることにより、
データの保持を行い、1系統の受光回路を含む信号処理
回路で処理するので、信号処理回路の規模を縮小するこ
とができ、上述の第1の実施形態と同様の作用効果を得
ることができる。加えて、各信号処理回路への電力の供
給を信号SG1と信号SG2の信号処理に必要な時間だ
け行なう構成としたので、信号SG1と信号SG2のパ
ルス周期を長くすれば、電力供給時間がより短くなるの
で、より一層の低消費電流化を図ることが可能となる。
【0126】(3i) 実施形態3i 図63は実施形態3iによる検知器331のブロック
図、図64はこの検知器のタイムチャートである。この
検知器331は、上述の図60に示した検知器330に
おいて、スイッチSW3のスイッチングを発振回路30
7より供給される信号SG1,SG2により行なうもの
である。このように、各回路への電源の供給と検出信号
のスイッチングを同一の信号により行なうことで、発振
パルス信号を削減でき、発振回路7の構成を簡略化でき
るので、回路規模の縮小と消費電流の低減をより一層図
ることが可能となる。
【0127】(3j) 実施形態3j 図65は本実施形態による検知器のブロック図、図66
a〜図66jはこの検知器のタイムチャートである。こ
の検知器332は上述の図51に示した検知器301に
おいて、PD1,PD2と受光回路308との間にスイ
ッチSW4を加え、さらに、増幅回路309とS/H回
路310との間に帯域通過フィルタ319を加えたもの
である。スイッチSW4は信号SG1,SG2とそれぞ
れに同期している信号FGによりスイッチングされるも
のである。
【0128】各PDからはPDへの入光パワーに応じた
検出電流が出力され、PD1からは電流I1,PD2か
らは電流I2が出力される。この検出電流I1,I2は
それぞれスイッチSW1,SW2を通り、さらにスイッ
チSW4を通り、受光回路308に送られる。このスイ
ッチSW304を制御する信号FGのパルス幅を、信号
SG1,SG2のパルス幅よりも小さいものとしたの
で、検出電流I1,I2をチョッピングし高周波信号に
変換することが可能となる。この検出電流I1,I2は
受光回路308により電圧に変換され、増幅回路309
で増幅され、電圧V1,V2となる。この電圧V1,V
2を帯域通過フィルタ319に通すことにより、光源と
して蛍光灯を用いたときに発生する電源低周波ノイズ
や、受光素子PD1,PD2や受光回路308で発生す
る高周波ノイズなどのノイズを除去することができる。
ノイズ除去された信号F1,F2はS/H回路310で
発振回路307のサンプルホールド信号SHのタイミン
グでサンプリングされた後、A/D変換回路311でデ
ジタル信号に変換され、それぞれ出力D1,D2とな
る。これら出力D1,D2は演算部312で差演算(D
1−D2)され、演算結果Dを得る。この値Dが、比較
回路316でしきい値VTと比較され、VTを上回ると
ON信号が出力される。このON信号が連続して3個以
上になれば、積分回路317より2値化されたON信号
が得られ、この信号は出力回路318から出力され、検
出器332外部に検出物体15の侵入を知らせる。
【0129】このように、本実施形態の検知器332に
よれば、パッシブ方式で得られた2系統の検出信号I
1,I2を交互にスイッチングし、各検出信号をペアと
してサンプルホールドすることにより、データの保持を
行い、1系統の受光回路を含む信号処理回路で処理する
ので、信号処理回路の規模を縮小することができ、上述
の実施形態3aと同様の作用効果を得ることができる。
加えて、検出信号をチョッピングし、高周波信号に変換
し、さらにフィルタ319でノイズ除去することで、光
学的なノイズや、電気的なノイズを除去することができ
るため、高S/Nの検出信号が得られる。これにより、
より微小な検出信号の変化を取り扱うことができるの
で、より正確な物体の有無検出が可能となる。
【0130】(3k) 実施形態3k 図67は実施形態3kによる検知器333のブロック
図、図68a〜図68jはこの検知器のタイムチャート
である。本実施形態に係る検知器333は、スイッチS
W1,SW2のスイッチング時において検出信号を高周
波信号に変換するようにしたものである。すなわち、P
D1からの電流I1、およびPD2からの電流I2は、
スイッチSW1,SW2により信号SG1,SG2のク
ロックで交互にスイッチングされる。これらの検出電流
I1,I2には、光源として蛍光灯を用いたときに発生
する電源低周波ノイズが含まれている。それらを除去す
るために、スイッチSW1,SW32のスイッチング時
に低周波ノイズと分離される高周波信号への変換も行
い、その後、帯域通過フィルタ319に通す。
【0131】このように、パッシブ方式で得られた2系
統の検出信号I1,I2を交互にスイッチングし、各検
出信号をペアとしてサンプルホールドすることにより、
データの保持を行い、1系統の受光回路を含む信号処理
回路で処理するので、信号処理回路の規模を縮小するこ
とができ、上述の実施形態3aと同様の作用効果を得る
ことができる。加えて、時間の規正と波形の整形を同時
に行なうことにより、波形整形のための専用のスイッチ
ングゲートとそれに与える発振パルス信号が削除できる
ので、上述の検知器332と比して回路規模を削減する
ことができる。
【0132】(3l) 実施形態3l 図69は実施形態3lによる検知器334のブロック図
である。この検知器334は、上述の図67に示した検
知器333において、発振回路307を複数の周波数の
発振パルス信号を出力する構成とし、この発振周波数の
変更に応じてフィルタ319の通過周波数を変更する構
成とすることにより、使用環境の変化により生じるノイ
ズ状況の変化に対応できるようにしたものである。
【0133】PD1,PD2に入射した光は、ここで光
−電流変換され、PD1からの検出電流I1、およびP
D2からの検出電流I2は、スイッチSW1,SW2で
断続的に受光回路308に送られる。このスイッチSW
1,SW2は、発振回路307より供給される発振パル
ス信号SG1,SG2のクロックで交互にスイッチング
されるようになっており、これにより、スイッチSW
1,SW2を通過する電流I1,I32のタイミングは
非同期で時分割となる。電流I1,I2は受光回路30
8で電圧に変換された後、増幅回路309で増幅され、
電圧V1,V2となる。電圧V1,V2は、帯域通過フ
ィルタ319を通され、低周波ノイズを除去され、電圧
F1,F2となる。この電圧F1,F2は、S/H回路
310でサンプルホールド信号SHのタイミングでサン
プリングされる。サンプリングされた検出信号は、A/
D変換回路311でデジタル信号に変換された後、それ
ぞれ出力D1,D2となる。これら出力D1,D2は演
算部312で差演算(D1−D2)され、演算結果Dを
得る。この演算結果Dが、比較回路316でしきい値V
Tと比較され、VTを上回るとON信号が出力される。
このON信号が連続して3個以上になれば、積分回路3
17より2値化されたON信号が得られ、出力回路31
8から検出器334外部に検出物体15の侵入を知らせ
る。
【0134】検知器334の置かれた使用環境が変化す
ると、PDから出力される検出信号に含まれる電源低周
波ノイズ等のノイズの周波数も変化する。従って、正確
な物体の有無検出を行なうためには、使用環境の変化に
応じて発振回路307から出力される発振パルス信号S
G1,SG2の発振周波数を変化させ、さらにそれに連
動して検出信号のみを取り出すようにフィルタ319の
通過周波数を変更する必要がある。本実施の形態に係る
検知器334は、使用環境のノイズの周波数を避けるた
め、信号SG1,SG2の周波数を外部より変更するス
イッチSW5を付加したものであり、このスイッチSW
5の位置により、フィルタ319の低域遮断周波数1/
(2πRsCs)を発振パルス信号SG1,SG2の発
振周波数1/(2πRoCo)に連動して変更できるよ
うになっている。
【0135】このように、パッシブ方式で得られた2系
統の検出信号(I1,I2)を交互にスイッチングし、
各検出信号をペアとしてサンプルホールドすることによ
り、データの保持を行い、1系統の受光回路を含む信号
処理回路で処理するので、信号処理回路の規模を縮小す
ることができ、上述の実施形態3aと同様の作用、効果
を得ることができる。さらに、受光信号の発振パルス信
号SG1,SG2の発振周波数を使用環境のノイズ状況
に応じて変更し、それと連動して、その信号のみを取り
出すフィルタ19の通過周波数を変更することで、周期
的な検出対象と異なる物理量ノイズや電気的なノイズを
除去することができるため、高S/Nの検出信号が得ら
れ、より微小な信号を取り扱うことができる (3m) 実施形態3m 図70は実施形態3mによる検知器335のブロック図
である。本実施形態に係る検知器335は、発振パルス
SG1,SG2の発振周波数の変化に連動して増幅回路
309のゲインを変更することができる構成としたもの
である。
【0136】PD1,PD2に入射した光は、ここで光
−電流変換され、PD1からの検出電流I1、およびP
D2からの検出電流I2は、スイッチSW1,SW2で
断続的に受光回路308に送られる。このスイッチSW
1,SW2は、発振回路307より供給される発振パル
ス信号SG1,SG2のクロックで交互にスイッチング
されるようになっており、これにより、スイッチSW
1,SW2を通過する電流I1,I2のタイミングは非
同期で時分割となる。電流I1,I2は受光回路308
で電圧に変換された後、増幅回路309で増幅され、電
圧V1,V2となる。電圧V1,V2は、帯域通過フィ
ルタ319を通され、低周波ノイズを除去され、電圧F
1,F2となる。この電圧F1,F2は、S/H回路3
10でサンプルホールド信号SHのタイミングでサンプ
リングされる。サンプリングされた検出信号は、A/D
変換回路311でデジタル信号に変換された後、それぞ
れ出力D1,D2となる。これら出力D1,D2は演算
部312で差演算(D1−D2)され、演算結果Dを得
る。この演算結果Dが、比較回路316でしきい値VT
と比較され、VTを上回るとON信号が出力される。こ
のON信号が連続して3個以上になれば、積分回路31
7より2値化されたON信号が得られ、出力回路318
から検出器335外部に検出物体15の侵入を知らせ
る。
【0137】検知器335の置かれた使用環境が変化す
ると、PD1,PD2から出力される検出信号に含まれ
る電源低周波ノイズ等のノイズの周波数も変化する。従
って、正確な物体の有無検出を行なうためには、使用環
境の変化に応じて発振回路307から出力される発振パ
ルス信号SG1,SG2の発振周波数を変化させ、さら
にそれに連動して検出信号のみを取り出すように増幅回
路309のゲインを変更する必要がある。本実施形態に
係る検知器335は、使用環境のノイズの周波数を避け
るため、信号SG1,SG2の周波数を外部より変更す
るスイッチSW5を付加したものであり、このスイッチ
SW5の位置により、増幅回路309のゲインRf/R
sを発振パルス信号SG1,SG2の発振周波数1/
(2πRoCo)に連動して変更できるようになってい
る。
【0138】このように、パッシブ方式で得られた2系
統の検出信号I1,I2を交互にスイッチングし、各検
出信号をペアとしてサンプルホールドすることにより、
データの保持を行い、1系統の受光回路を含む信号処理
回路で処理するので、信号処理回路の規模を縮小するこ
とができ、上述の実施形態3aと同様の作用、効果を得
ることができる。さらに、受光信号の発振パルス信号S
G1,SG2の発振周波数を使用環境のノイズ状況に応
じて変更し、それと連動して、増幅回路309のゲイン
を変更することで、周期的な検出対象と異なる物理量ノ
イズや電気的なノイズの除去をより正確に行なうことが
できるため、高S/Nの検出信号が得られ、より微小な
信号を取り扱うことができる。
【0139】(3n) 実施形態3n 図71は実施形態3nによる赤外線センサの構成を示す
図である。本実施形態による赤外線センサ340は、上
述の3aないし3mの実施形態に示した検出器におい
て、PDに代えて赤外線検出素子342(サーモパイル
など)を備えたものである。これにより、検出エリア内
への人等343の侵入を検出する赤外線センサ342の
回路規模の縮小、および簡略化を図ることができるの
で、センサ340の外形の縮小、コストの削減等を図る
ことができる。
【0140】(3o) 実施形態3o 図72は実施形態3oによる温度センサの構成を示す図
である。本実施形態による温度センサ344は、上述の
3aないし3mの実施形態に示した検出器において、P
Dに代えて温度検出素子345を備えたものである。こ
れにより、成形機などの機器内の温度制御等に用いられ
る温度センサ344の回路規模の縮小、および簡略化を
図ることができる。
【0141】(3p) 実施形態3p 図73a、73bは本実施形態による圧力センサの構成
およびその等価回路を示す図である。本実施形態による
圧力センサ346は、上述の3aないし3mの実施形態
に示した検出器において、PDに代えて圧力検出素子3
47を備えたものである。これにより、成形機などの機
器の圧力部を制御する圧力センサ346の回路規模の縮
小、および簡略化を図ることができる。
【0142】(3q) 実施形態3q 図74は実施形態3qによるガスセンサの構成を示す図
である。本実施形態によるガスセンサ348は、上述の
3aないし3mの実施形態に示した検出器において、P
Dに代えてガス検出素子349を備えたものである。こ
れにより、混合ガスの制御やガス漏れなどを検出するガ
スセンサ348の回路規模の縮小、および簡略化を図る
ことができる。
【0143】(4) 第4実施形態 次に第4実施形態について説明する。第4実施形態にお
いては、第1実施形態の背景14に明暗のパターンが設
けられる。
【0144】(4a) 実施形態4a 図75に第4実施形態に係る物体検知器401の基本構
成を示す。光学系部分は反射板414、受光レンズ40
3、光検出素子418で構成される。周期からの自然散
乱光(照明装置、太陽光など)が反射板414、検出物
体15で反射される。その反射光が受光レンズ403へ
と入射する。さらに受光レンズ403によって光検出素
子418へ集光される。本実施形態では、光検出素子4
18に2分割PDaPDbを用いる。各PDからは受光
面に入射する光量に比例した電流が出力される。また他
の光検出素子としてPSDを用いた場合には、受光面内
の光量分布の重心位置に対応した電流が出力される。2
分割PDを用いた場合、受光視野は図75のように受光
視野a,bの2つとなり、それに対応して反射板のコン
トラストパターンは2パターンとなる。ここでは簡略化
のため白と黒のパターンとする。
【0145】2分割されたPDa,PDbそれぞれの出
力電流Ia,IbはPD出力ラインに挿入されたアナロ
グスイッチ412a,412bによりパルス信号SGで
周期的にスイッチングされ、直流信号からパルス信号に
変換される。出力電流Ia,IbはI/V変換器42
1,422により電圧変換され、VaもVbとなる。次
に差動増幅回路409でVb−Vaとなり、このVb−
Vaが受光視野b,a間の光量差信号となる。
【0146】図76a〜76eに検出物体の位置とPD
a,PDb上の受光量分布、光量差信号Vb−Vaの関
係を示す。検出物体15なしの状態では、PDa,PD
b上の受光量分布は図76aのようになり、反射板41
4のコントラストパターンに対応してPDaの受光量は
小さく、PDbの受光量が大きくなる。PDからの出力
電流はIb>Iaとなり、アナログスイッチ412a,
412bによってスイッチングされた差動増幅回路40
9からの出力(光量差信号)Vb−Vaは、図76aの
ようになる。この検出物体15なしの状態に対して検出
物体が受光視野内に侵入してきた場合、PD上の受光量
分布、光量差信号は図76b→図76c→図76d→図
76eへと変わっていく。
【0147】なお、図中wは検出物体が占める範囲を示
す。また、図76aは検出物体15がない場合を示し、
図76bは検出物体15が受光視野aを遮り始めた場合
を示し、図76cは検出物体が受光視野aをすべて遮っ
た場合を示し、図76dは検出物体15が受光視野bを
遮り始めた場合を示し、図76eは検出物体15が受光
視野bをすべて遮った場合を示す。
【0148】この検出物体15の有無による光量差信号
の変化を見るために、検出器の感度調整は次のようにし
て行なう。検出物体15がある状態のVb−Vaは、検
出物体15の反射率によって検出物体15なしの状態の
Vb−Vaよりも大きくなる場合と小さくなる場合の両
方がある。そのため、しきい値はVth1、Vth2の
2つのレベルとなる。感度調整回路411によって検出
物体15なしの状態のVb−VaのピークレベルV0が
しきい値Vth1、Vth2の中心にくるように設定す
る。感度設定の方法は、可変抵抗により設定する方法
や、光量差信号Vb−VaをA/D変換し、マイコンに
より設定する方法などがある。また、感度設定を行なう
ところは検知器401の内外を問わない。
【0149】この光量差信号Vb−Vaと感度調整回路
411で設定したしきい値を比較回路410で比較し、
判別回路412で出力のON,OFFを判別し、出力回
路413からその判別結果を出力する。
【0150】図77に比較回路410、判別回路412
の内部構成、図78a〜図78pにその動作のタイムチ
ャートを示す。比較回路410は差動増幅信号がVth
1を上回った場合、COM1の出力がHレベルとなり、
下回った場合Lレベルとなる。同様にVth2を上回っ
た場合はCOM2の出力がHレベルとなる。判別回路4
12では最初にCOM1,2の出力に対してAND1,
2ゲートによってスイッチング周期との同期を取る(ゲ
ート信号GATEとする)。次にDFF1,2ではクロ
ック信号の立上がり(SG信号の立下がり)におけるC
OM1,2の出力が出力される(図78a〜図78pの
ようなタイミングチャートとなる)。さらに、DFF
1,2の出力に対してENORゲートによって差動増幅
信号Vb−Vaがしきい値Vth1、Vth2の両方を
上回るまたは下回る場合はHレベル、Vth1、Vth
2の間にある場合はLレベルとなる論理構成とする。
【0151】次のDFF3〜5は3段シフトレジスタで
あり、DFF3〜5の出力、反転出力のANDを取り、
その出力をそれぞれRSFFのセット信号、リセット信
号とすることによって、ENOR出力がSG信号を3周
期以上HレベルでないとRSFFがセットされない。E
NOR出力が同様にSG信号を3周期以上Lレベルでな
いとリセットされない。そして、このRSFF出力が出
力回路へと送られ、センサ出力となる。つまり、差動増
幅信号Vb−VaがSG信号を3周期以上の間Vth
1、Vth2両方を上回るか下回る場合にセンサ出力が
ON、Vb−VaがSG信号を3周期以上の間Vth
1、Vth2の間にある場合にセンサ出力がOFFとな
る。
【0152】本実施形態では、2つの受光視野の光量差
信号を用いて反射板14と検出物体15の判別をした
が、2つの受光視野の光量の割算値、または光量差/光
量和の値を用いて判別することも可能である。
【0153】(4b) 実施形態4b 実施形態4bでは、反射板は白と黒のパターンとした
が、検出物体がコントラストを持っている場合、逆に反
射板はコントラストがないつまり、同一の反射率または
反射指向性を持っている方が検出物体との差が付きやす
い。また反射率も大きくことなる方が判別しやすい。た
とえば、自動車の製造ラインで車体の通過検出をする場
合、検出物体15が金属面つまりコントラストのない正
反射面であるから反射板14はコントラストのある拡散
反射面(たとえば白紙と黒紙を組合せたもの)である方
がよい。また、梱包物の搬送ラインにおいて段ボール箱
の通過検出をする場合、検出物体15が拡散反射面であ
るから、反射板は正反射面(たとえばミラー)の方がよ
い。
【0154】また、受光視野より反射面の数の方が多い
場合もある。図79にその1構成を挙げる。図79に示
すように、分割された4つの反射面に対して受光視野は
1つである。検出物体15の位置に対応して、受光量は
図80のように変化する。しきい値を図80のaまたは
bのレベルに設定すれば検出物体15が反射板14上の
またはの領域にあることが判別できる。反射板,
の部分と検出物体の反射率は同じとする。
【0155】(4c) 実施形態4c 図81に電源に電池を用い、電源の供給を間欠供給とし
た物体検知装置の検知器450を示す。電源に電池41
6を用いたため、検知器設置時に電源配線のための工事
が必要なく、取付場所の制約がなくなる。また、I/V
変換回路421、差動増幅回路409などの信号処理部
への電源供給を発振回路414のクロックで間欠的に供
給することにより、さらに消費電力を低減でき、電池の
寿命を長くすることができる。
【0156】図82に太陽電池417によって蓄電池4
16に給電される検知器を示す。太陽電池417により
外部からの電源供給を全く必要としないため、設置後の
メンテナンスが不要になる。
【0157】図83に水力発電432によって蓄電池4
16に給電される検知器450を示す。太陽電池を用い
た検知器と同様に、設置後のメンテナンスが不要とな
る。
【0158】(4d) 実施形態4d 従来の回帰反射型光電センサにおいてはセンサと反射板
の位置調整が必要であるが、本検知器においても同様で
ある。調整箇所を図84に示す。調整箇所は、図X軸周
り、Y軸周りの2軸である。反射板14と検知器450
との距離が短い場合には目視で位置調整をすることも可
能であるが、距離が長くなると目視による調整は難しく
なる。そこで、図85に示すように検知器451に投光
用LED442を内蔵させ、その投光ビームを用いて検
知器451と反射板414の位置調整を行なう方法があ
る。図85はダイクロイックミラー441を用いて受光
素子光軸と投光用LED442の光軸を同軸にした構成
を示す図である。ダイクロイックミラー441は投光用
LED442の波長域の光のみを反射する特性を持つ。
投光用LED442からの投光ビームはダイクロイック
ミラー441で反射され、受光レンズ403に入射し、
反射板414へと投光される。位置調整時には、反射板
414に映る投光ビームを見ながら検知器415の位置
調整を行なう。
【0159】他の位置調整方法として、図86a,86
bに示す反射板414と4分割PD418aを用いる方
法がある。反射板414の中央の丸の部分は受光レンズ
403によって4分割PD418a上に図80bの点線
のように結像する。4分割PD418aからの出力I
1,I2,I3,I4の差動出力I3−I1、I4−I
2を用いると反射板414の中央の丸と4分割PD41
8aの中心のずれに応じた出力が得られる。反射板41
4中央の丸と4分割PD418aの中心が一致している
場合、I3−I1=0、I4−I2=0となるが、たと
えば図86bのように反射板中央の丸と4分割PD41
8aの中心がずれている場合は、I3−I1=0、I4
−I2<0となる。I3−I1、I4−I2の出力を見
れば反射板414の中央と4分割PD418aの中心の
ずれ方向がわかり、位置調整時に検知器451に設けた
表示等でその方向を示せば調整を簡略化できる。
【0160】(4e) 実施形態4e 光検出素子は点ではなく面であるため、距離が長くなる
につれて受光視野は広くなる。そのため、反射板414
を遠距離に置いた場合受光視野が反射板414よりも大
きくなり、反射板414外にある物体により受光視野内
の光量が変化する場合がある。この場合、検知器451
と反射板414との間に検出物がないのに、受光視野内
の光量が変化して検出物体があると判別してしまうこと
がある。そのため、図87に示すように光検出素子41
8と受光レンズ403の間に絞り443を設けて受光視
野を制限する。つまり受光視野を反射板内に収める方法
がある。
【0161】(4f) 実施形態4f 本検知器を用いた駐車場システムについて説明する。図
88に検知器の配置図を、図89にシステム構成図を示
す。駐車場としてはビルなどの屋内駐車場が考えられ、
各駐車場の天井に検知器452が設置される。車のない
状態での検知器452の受光視野内にはマーク447、
たとえば駐車場の番号しかない。これに対して車446
がある場合には、車のボディからの反射光が検知器45
2に受光され、車がない(マークだけある)場合と車が
ある場合の受光視野間の光量差を比較することによって
駐車場に車があるかないかが検知器452から出力され
る。さらに各駐車場に設置された検知器452からの出
力を処理部444で処理して表示ディスプレイ445に
空いている駐車場を入口で表示することによって駐車場
利用者はスムーズに車を停めることが可能である。
【0162】(4g) 実施形態4g 本検知器を用いた車両検出システムについて説明する。
図90にシステム構成図を示す。従来からある感応式信
号機と同様で、検知器452から車があるという出力が
あれば信号制御部449で信号を赤から青に切換える構
成となっている。検知器452の下の路上にマーク44
7を設けて反射板として用い、検知器452の下で停車
する車の有無を判別する。
【0163】(4h) 実施形態4h 本検知器を用いた車軸数測定システムについて説明す
る。図91にシステム構成図を示す。この車軸数測定シ
ステムは高速道路の無人料金所で用いる車種判別システ
ムにおいて用いられる。検知器453の配置は検知器4
53と反射板414の間を車が通過する配置となってい
る。車が通過すると検知器453の出力がONする。検
知器453からの出力をもとに車軸数カウント部461
で車軸がカウントされ、さらにその車軸数出力を用いて
判別部462で車種の判別が行なわれる。
【0164】(4i) 実施形態4i 本検知器を用いたパスゲートシステムについて説明す
る。図92にシステム構成図を示す。図93に検知器配
置を示す。駅の自動改札のパスゲートシステムは、通過
できない切符が入った場合、出口のドアを閉めパスゲー
ト463内に人がいなくなったことを確認してからドア
を再び開けるというシステムになっている。本センサは
パスゲート463内に人がいないことを確認するために
用いる。反射板414と検知器454の間を人が通過す
るとき、通過方向を判別することによって通過者がパス
ゲート463に入っている人か出ていく人かを判別し、
その出力を人数カウント部464で処理してパスゲート
463内にいる人の人数をカウントする。パスゲート内
の人の数が0であるかどうかを処理部465で判断す
る。もし0であれば、ドアを開けるという指示を制御部
466に出力し、ドアが開く。
【0165】(4j) 実施形態4j 本検知器を用いた入退者数管理システムについて説明す
る。図94にシステム構成を示す。検知器455は出入
口の天井部分に設置される。その下に反射板(たとえば
床にペイントしたマーク)414aを置く。検知器45
5と反射板414aの間を人が通過することによってそ
の通過者が部屋を出て行く人か入って行く人かを判別で
き、部屋への入退者数をカウントすることが可能であ
る。
【0166】(4k) 実施形態4k 本検知器を用いた位置決め装置について説明する。図9
5にその構成を示す。検知器456と反射板414の間
を検知物15が通過する際、受光視野間の光量差信号は
反射板414を遮る量によって変化する。その変化量を
検知器456内で処理して図96のようなアナログ信号
を出力する。その出力と位置設定部474で設定された
データを用いて設定位置に検出物体15があるかどうか
を判断する。設定位置にある場合には検出物体15を送
り出すモータ471を処理部473を用いて制御して検
出物体15の位置決めを行なう。
【0167】(4m) 実施形態4m 本検知器を用いた長さ測定装置について図97を参照し
て説明する。本実施形態では、検出物体15として車を
用いているが、当然車以外でも検出可能である。検知器
457の光検出素子としてはPDアレイを用いたリニア
イメージセンサが考えられる。長さに応じたリニア出力
が得られる。またリニアイメージセンサを使う代わりに
反射板414を多数の反射面で構成してもよい。本実施
形態のように車が検出物の場合、長さWを測定すること
によって車種判別のデータとして用いたり、駐車場にお
いて駐車可能な車両幅かどうかを判別することができ
る。
【0168】(4n) 実施形態4n 本検知器を用いた監視システムについて図98を参照し
て説明する。本システムは高価な美術品などの展示物4
72、つまりほとんど静止状態である物体が移動したこ
とを検出するシステムである。受光視野内の光量差が少
しでも変化すれば、検知器457の出力がONする。展
示物472が動いたことを検出し、防犯監視システム4
73を通して展示物472に異常があったことを警備会
社474に通報する。
【0169】(5) 第5実施形態 第5実施形態における検知器は基本的に第4実施形態の
ものと同じである。反射板414の明暗パターンの明部
を発光体とした点のみが異なる。
【0170】図99を参照して、第5実施形態において
は、反射板414は光源414aと基準面414bを含
む。この構成により、夜間でも安定して検出物体15の
通過を検知することができる。
【0171】検知器450は第4実施形態のものと同様
であるため、光源414eは指向性を持つ必要がなく、
たとえば一般の照明器具のようなものでもよい。また、
指向性を持つ必要がないため、図100に示すように、
1つの光源で容易に複数エリアを検出できるエリアセン
サを構成できる。
【0172】さらに図101に示すように、非常灯51
1などを光源とし、火災時の人体検知にも使用可能であ
る。検知器450は極めて低消費電力で実現できるた
め、電池駆動と無線信号伝送とを組合せれば、既設の建
物にも極めて容易に設置できる。また、平常時には非常
灯の電球切れを検出する故障検知器としても使えるメリ
ットがある。
【0173】図102−図104は本実施形態の検知器
450を用いたエリアセンサの利用例を示す図である。
相互干渉のないエリアセンサを容易に実現することがで
きる。本方式によれば、検出物体の有り、なしだけでは
なく、検出物体の移動方向も検出することができる。な
お、常に照明がある場所では、光源の代わりにコントラ
ストパターンを受光器の対向位置に配置しても同様の効
果が得られる。
【0174】(6) 第6実施形態 第6実施形態においては、第1実施形態に対して補助光
が追加されている。以下、第6実施形態の具体例を図面
を参照して説明する。
【0175】(6a) 実施形態6a 図105は実施形態6aによる検知器600の構成を示
す図、図106a〜図106lはその動作のタイムチャ
ートである。この検知器600は、通常は検知器600
の置かれる場所の自然散乱光(例えば照明装置、太陽
光)の背景物14や検出物体15による反射光を受光す
ることにより検知を行なうパッシブ方式の検知器600
であり、受光部601は、受光用レンズ602と、この
受光用レンズ602の背後に配置された2分割フォトダ
イオード603により構成され、コントラストのある背
景を対象として第1,および第2の受光視野を構成して
いる。なお、図105に示した検出物体15は受光部6
01の複数の受光視野の内の一方に進入した状態を示し
ている。受光視野内に検出物体15が進入した時に補助
光を投光し、その検出物体15における反射光を受光す
ることにより検知動作を行なうものである。
【0176】検出物体15の有無が図106a、周囲照
度が図106bの状態のとき、2分割フォトダイオード
603により光−電流変換された2つの受光信号は、低
周波ノイズ除去のためパルス信号SG(図106c)に
よりパルス変調され、さらに、第1,および第2の増幅
回路606a,606bにより増幅される。この増幅さ
れた2つの受光信号(図106d,106e)は差動増
幅器607により差動演算され、この差動演算出力(図
106f)は第1,および第2の比較回路608a,6
08bにより、予め設定された2つのしきい値Vth1,V
th2(Vth2<Vth1)と比較され(図106g,106
h)、さらに、演算部609と判断部610からなる信
号処理部611により処理される(図106i106
j)。また、演算部609と判断部610の出力は投光
トリガ発生回路613に与えられる。補助光を投光する
補助投光器614は、投光トリガ回路613の出力を受
けて動作する投光素子駆動回路615と投光素子616
とからなる。発振回路617は発振出力を演算部60
9、判断部610、投光素子駆動回路615に与え、ま
た、信号SGを出力する。上記信号処理部611におい
て、第1,第2の比較回路608a,608bの出力
(図106g,106h)は、演算部609により一致
演算され(図106i)、演算部609の出力がパルス
信号SGの3パルス分Hレベルであれば、判断部610
はHレベル信号を出力し(図106j)、検知出力が出
力回路612より出力される(図106l)。比較回路
608a,608bの出力がHレベルで一致していると
補助投光部614より補助光の投光が開始される(図1
06k)。また、判断部610がHレベル信号を出力す
ると補助光の投光は停止される。
【0177】このようにして、出力回路612からは、
Vth2<(差動演算出力)<Vth1の場合に非検知出力
(OFF:受光視野内に検出物体がない状態つまり背景
物体のみ存在する)が出力され、(差動演算出力)<V
th2、または、Vth1<(差動演算出力)の場合に検知出
力(ON:受光視野内に検出物体が存在する)が出力さ
れる。
【0178】ここで、補助投光方法について、図107
a,107bを参照して説明する。図107aに示した
投光素子駆動回路615においては、投光トリガ回路6
13からの投光トリガ信号がLレベルのとき、トランジ
スタTR1はOFF状態であるので、トランジスタTR
2はOFF状態であり、投光素子616は点灯されな
い。投光トリガ回路613からの投光トリガ信号がHレ
ベルのとき、トランジスタTR1はON状態となるの
で、トランジスタTR2は発振回路617の投光駆動パ
ルスによりパルス駆動され、投光素子616は点灯され
る。また、図107bは、投光素子駆動回路615に投
光トリガ信号を送る投光トリガ回路613の論理回路と
論理図であり、論理図に示した通り、投光トリガ回路6
13は、演算部出力(図106i)がHレベルで、しか
し、判断部出力(図106j)がLレベルのときにHレ
ベルの投光トリガ信号を出力する。
【0179】このように、検出物体15が受光視野内に
進入したとき、またはノイズにより演算部609の出力
がHレベルとなったとき、補助光の投光が開始され、被
検出物体面の照度が高くなり、差動演算の出力が大きく
なるので、確実な検出を行なうことができる。また、そ
の投光時間も極めて短いため、その消費電流量は極めて
小さく、バッテリー駆動させたときにも長時間の駆動を
行なうことができる。さらに、この構成は、補助投光に
対する受光信号を処理するパッシブ方式の受光回路と自
然散乱光に対する受光信号を処理する受光回路とを共用
しているので、部品点数の削減ができ、ローコスト化を
図ることができる。
【0180】(6b) 実施形態6b 図108は実施形態6bによる検知器の構成図である。
本実施形態の検知器は、上述の実施形態6aの検知器を
バッテリー駆動させ、さらに、同検知器にバッテリー量
を検知する電池切れ検知回路618と、この電池切れ検
知回路618の検知出力を表示する表示灯駆動回路61
9とを加えた構成としたものであり、この表示灯駆動回
路619は、上述の実施形態6aの投光素子駆動回路6
15と共用されている。即ち、この表示灯駆動回路61
9は、電池切れ検知回路618の出力信号と投光トリガ
回路613の投光トリガに応じて投光パルスを変更する
発振回路617のパルス信号により駆動される。また、
この表示として点灯させるときの投光パルスと、補助投
光の投光パルスは同期していないパルス信号である。
【0181】このように、本実施形態の検知器は電池切
れ検知回路618を備えたので、バッテリー量が少なく
なったことを予め知ることができ、電源電圧低下による
誤動作を少なくすることができる。また、補助投光器と
表示灯を共用したので、部品点数の削減ができ、ローコ
スト化を図ることができる。
【0182】(6c) 実施形態6c 図109は実施形態6cによる検知器の構成図、図11
0はその動作のタイムチャートである。この検知器は、
図105に示した構成の検知器に、しきい値補正回路6
20と補助光の受光信号を処理する受光回路621を加
えたものである。この補助光の受光信号を処理する受光
回路621は、足し算回路622と投光パルス周波数の
みを通過させるB.P.F.23と第3の比較回路60
8cからなる。
【0183】以下、図110a〜図110nのタイムチ
ャートを参照し、この検知器の検知動作について、上述
の実施形態6aとの相違点を挙げることにより説明す
る。
【0184】(1)演算部出力(図110i)と判断部
出力(図110j)が一致していないときには、投光ト
リガがHレベルとなり投光行い(図110k)、補助投
光による検出をする。
【0185】(2)周囲照度が低下したときにも(図1
10b)、Vth1<(差動演算出力)となるので(図1
10f)、演算部609はHレベルとなり(図110
i)、補助光が投光される(図110k)。しかし、補
助光による検出によっても検出物体15の存在が検知さ
れなかったときは、投光は停止され(図110k)、検
知出力は出力されない(図110l)。そして,差動演
算出力がしきい値の間に入るように、しきい値補正回路
620により、しきい値が自動補正される(図110
f)。
【0186】このように、演算部609の出力が検出物
体15の進入によりHレベルになったのか、ノイズや照
度変化、または、背景物体の変化によりHレベルになっ
たのかを補助投光により確認することができるので、検
出精度を上げることができる。また、しきい値の自動補
正により、照度変化や、背景物体の変化に対しても誤動
作せず、安定に検出を行なうことができる。
【0187】次に、本実施形態における補助投光のアル
ゴリズムについて、図111aのタイムチャートを参照
して説明する。本実施形態の検知方式は、下記の〜
の方式が考えられる。
【0188】検出物体15の受光視野への進入により
演算部609の出力が反転しHレベルになると投光を開
始し、検出物体15の存在が検知されると判断部610
の出力が反転しHレベルになり、検知出力が出力され、
同時に投光を停止する。そして、検出物体15が受光視
野から出ていき、演算部609の出力が反転しLレベル
になると投光を開始し、検出物体15の存在が検知され
ないと判断部610の出力が反転しLレベルになり、非
検知出力が出力され、同時に投光を停止する。
【0189】検出物体15の受光視野への進入により
演算部609の出力がHレベルになり、判断部610に
より積分され出力が反転しHレベルになると投光が開始
され、検出物体15の存在が検知されると検知出力が出
力され同時に投光を停止する。そして、検出物体15が
受光視野から出ていき、演算部609の出力がLレベル
になり、判断部610により積分され出力が反転しLレ
ベルになると非検知出力が出力され、同時に投光を停止
する。
【0190】検出物体15の受光視野への進入により
演算部609の出力が反転しHレベルになると投光を開
始し、検出物体15の存在が検知され判断部610の出
力が反転しHレベルになり、検知出力が出力される。そ
の後、投光による検知動作により受光視野内での検出物
体15の存在が検知されなくなると、判断部610の出
力が反転しLレベルになり、非検知出力が出力され同時
に投光を停止する。
【0191】検出物体15の受光視野への進入により
演算部609の出力がHレベルになり、判断部610に
より積分され出力が反転しHレベルになると投光が開始
され、検出物体15の存在が検知されると検知出力が出
力される。その後、投光による検知動作により受光視野
内での検出物体15の存在が検知されなくなると、演算
部609の出力がLレベルになり判断部610により積
分され出力が反転しLレベルになり、非検知出力が出力
され同時に投光を停止する。
【0192】また、図111bは、上述の〜の検知
方式の特徴を示す図である。同図に示すように、〜
の検知方式は、検出精度、応答時間、消費電流において
異なる特徴を持っている。従って、それぞれの特徴を生
かすことにより目的にあった検知器を提供することがで
きる。
【0193】(6d) 実施形態6d 図112は実施形態6dによる検知器の構成図である。
この検知器は、自然散乱光(例えば照明装置、太陽光)
の反射光を受光することにより検知を行なうパッシブ方
式の検知器に、検出照度に応じて出力を禁止する出力禁
止回路624を加えたものであり、その他の構成で前述
と同番号は同部材を示す。本実施形態では上記各実施形
態とは違って、補助投光器を備えていない。
【0194】この検知器の検知動作について、図113
a〜図113eのタイムチャートを参照して説明する。
図113aのように、自然散乱光の照度が低下し、パッ
シブ型では検出不可能な照度となったとき、2つの受光
素子PD1,PD2の全受光量を足し算回路622で検
出する照度検出器の出力(図113c)が比較回路60
8cのしきい値Vth3を下回り、出力禁止回路624か
らHレベル信号が出力される(図113e)。
【0195】出力禁止回路624の構成は図114に示
す通りである。比較回路608cからLレベル信号が出
力されると、D−フリップフロップ回路625の出力Q
はLレベルになこのLレベル信号はインバータにより反
転され、Hレベル信号となる。このHレベル信号により
信号処理部611内の出力強制OFF回路をなすトラン
ジスタTR1はON状態となるので、検知出力は強制的
にLレベルとなり、OFFされる。
【0196】このように、本実施形態の検知器は、照度
変化に応じて検知出力を禁止する出力禁止回路624を
備えているので、検知器で制御する機器を誤動作させる
ことがない。なお、この出力禁止回路624の出力を上
述の実施形態6aの投光トリガ回路613に接続する
と、パッシブ方式では検出不可能な照度下でも補助投光
により検出可能となり、検出し続けることができる。
【0197】(6e) 実施形態6e 図115は実施形態6eによる検知器の構成図である。
上述の実施形態6dの検知器は受光素子の全受光量を検
出することにより照度検出を行っていたが、本実施形態
の検知器は1つの受光素子の受光量を検出することによ
り照度検出を行なうものである。また、その検知動作は
上述の実施形態6dと同様である。これにより、上述の
実施形態6dの検知器と比して、部品点数を削減するこ
とができる。
【0198】(6f) 実施形態6f 図116は実施形態6fによる検知器の構成図である。
本実施形態は上述の実施形態6dの構成に第2の受光部
604bを加えたものである。この検知器は2つの受光
部を備え、第1の受光部604aにより検出物体の検出
を行い、第2の受光部604bにより照度検出を行なう
ものであり、この第2の受光部604bの受光回路を照
度検出に限定した仕様で設計できるので、精度よく照度
の検出を行なうことができる。また、照度検出の受光視
野を検出物体とは別の視野、例えば、照明を見る構成と
すると、照明の点灯、消灯を確実に検知することがで
き、精度良く検出を行なうことができる。
【0199】(6g) 実施形態6g 図117は実施形態6gによる検知器の出力部付近の構
成を示す回路図であり、本実施形態は上述の実施形態6
d〜6fに示した検知器に、電源投入直後において検知
出力が出力されるのを禁止する電源リセット時出力禁止
回路を加えたものである。OR回路626には、照度変
化に応じて動作する出力禁止回路624からの信号と電
源リセット時出力禁止回路からの信号が入力される。そ
して、これら2つの信号のうち、どちらか一方がHレベ
ル信号であれば、禁止信号を出力する。この禁止信号に
よりトランジスタ627はON状態となるので、信号処
理部611からの検知出力は出力されない。このよう
に、電源投入時において電源電圧が正常動作可能な電圧
より低いときは、電源リセット時出力禁止回路が作動
し、検知出力の出力を禁止するので、電源投入時におけ
る電源電圧の低下による誤動作を少なくすることがで
き、安定した検知動作を行なうことができる。
【0200】なお、上述の電源リセット時出力禁止回路
を電源電圧低下による出力禁止回路(以下、電圧低下時
出力禁止回路という)としてもよく、そのような構成に
すれば、検知動作時における電源電圧低下による誤動作
を少なくすることができる。さらに、OR回路626を
3つの入力端子を備えるものとしてもよく、この端子に
3つの出力禁止回路(照度変化に応じて動作する出力禁
止回路,電源リセット時出力禁止回路,電圧低下時出力
禁止回路)を接続すると、より確実な検知動作を行なう
ことができる。
【0201】ここで、電源リセット時出力禁止と電圧低
下時出力禁止の両出力禁止回路を共用した構成を図11
8に示し、この検知回路の検知動作について、図119
のタイムチャートを参照して説明する。
【0202】まず、電源リセット時出力禁止回路につい
て説明する。スイッチSWにより電源が投入されると電
圧VccはRCの時定数により徐々に上昇していくが、V
ccが低電圧のときは、検知が不安定な状態にあるため、
検知出力が出力されるのを禁止する必要がある。Vccが
比較回路629のしきい値Vth1(検知器が正常動作可
能な電圧)より低いときは、比較回路629はLレベル
信号を出力し、このLレベル信号はインバータ631に
より反転されHレベル信号となり、OR回路626を介
してトランジスタ627をON状態にするので、検知出
力は出力されない。逆に、VccがVth1を上回ると、比
較回路629の出力はHレベルとなり、禁止状態は解除
される。
【0203】次に、電圧低下時出力禁止回路について説
明する。電圧Vccが低下すると、検知が不安定な状態と
なるため、検知出力が出力されるのを禁止する必要があ
る。Vccが電圧検知器30の検知電圧Vth2より低くな
ると、電圧検知器630はLレベル信号を出力し、この
Lレベル信号はインバータ631により反転されHレベ
ル信号となり、OR回路626を介してトランジスタ6
27をON状態とするので、検知出力は出力されない。
逆に、VccがVth2を上回っているときは、電圧検知器
630はHレベル信号を出力するので、検知出力は出力
される。
【0204】この構成により、出力禁止により検知器を
制御する機器を誤動作させることがない。また、2つの
禁止回路の共用により部品点数の削減ができ、ローコス
ト化を図ることができる。
【0205】(6h) 実施形態6h 図120は実施形態6hを示し、上述の実施形態6d〜
6gに示したような出力禁止回路624の出力により検
知が困難になったことを表示する警告表示器を備えたも
のである。出力禁止回路624の出力がHレベル信号で
あれば、トランジスタ633はON状態となり、発光素
子634は点灯され、検知が困難となったことを表示す
る。一方、出力禁止回路624の出力がLレベル信号で
あれば、トランジスタ633はOFF状態となり、発光
素子634は駆動されない。このようにして、周囲照度
が低くなり検知動作を行っていないこと、また、電池電
圧が低下して使用できなくなったことを使用者は知るこ
とができる。
【0206】(6i) 実施形態6i 図121、122は実施形態6iを示し、出力禁止の方
法について説明するものである。図121は検知器の比
較部633、演算部609、判断部610の構成を示す
図であり、図122は出力強制OFF回路の構成図であ
る。上述した出力禁止回路624からの出力禁止信号に
よりトランジスタTR61はONし、強制的に検出信号
をOFFする。OFFされる信号は、A,B,C,Dの
4つの信号が考えられる。OFFされる信号が検知出力
信号Dのときは、出力禁止の信号に対してすばやく出力
が禁止される。それに対し、差動増幅器の出力信号A、
信号処理部のEx−NOR出力信号B、信号処理部のシ
フトレジスタのANDゲートへの入力信号Cの信号をO
FFする方法は差動増幅器に近いほど出力禁止信号に対
して出力禁止遅れを生じるが、確実に検知出力の禁止を
かけることができる。
【0207】(6j) 実施形態6j 図123、図124a〜図124dは実施形態6jを示
し、出力禁止回路624を備えた検知器に、その出力禁
止の出力に応じて検知器への電力供給パルスを変更する
電力供給周期変更器を加えたものである。同図123に
その構成、図124a〜図124dにその動作のタイム
チャートを示す。電力供給周期変更器は、発振周期が互
いに異なる第1,および第2の発振回路635a,63
5bと2入力マルチプレクサ636からなる。この検知
器は、通常は第1の発振回路635aから発振されたパ
ルス周期により検知を行っており、周囲照度の低下等に
より出力禁止回路624から出力禁止信号が出力された
ときは、2入力マルチプレクサ36に選択信号が入力さ
れ、第1の発振回路635aから発振周期の長い第2の
発振回路635bにパルス周期を切り換える。これによ
り、低消費電流化を図ることができる。
【0208】(7) 第7実施形態 次に第7実施形態について説明する。第7実施形態にお
いては、第1実施形態における信号処理内容を特定して
いる。
【0209】(7a) 実施形態7a 本実施形態の具体例を図面を参照して説明する。図12
5は実施形態7aによる検知装置700のブロック図、
図126a〜図126iは同検知装置における動作のタ
イムチャートである。検知装置700は、初期状態には
なかった物体等を検知するものであり、該検知装置70
0が設置される場所における照明光や太陽光などの自然
散乱光により被検出物体15を検出する光検出部701
と、検出された受光信号を処理し出力する差動増幅回路
706等の各種の処理回路とから構成される。
【0210】光検出部701は、検出物体15や背景物
体14から反射された自然散乱光を集光する受光レンズ
703と、光を電流に変換する2つのフォトダイオード
PD1およびPD2とから構成される。処理回路は、2
つの増幅回路704および705と、差動増幅回路70
6と、ハイパスフィルタHPF707と、比較回路70
8と、積分回路709と、出力回路710と、発振回路
714とから構成される。また、初期設定を行なうため
に、初期設定回路711と、初期設定時の変化量検出回
路(調整量検出器)712と、弁別レベル設定回路(し
きい値設定器)713とが含まれる。
【0211】検出物体15や背景物体14による反射光
は、受光用レンズ703により集光され、このレンズ7
03を通過した光は2つの受光視野を構成する2つに分
割されたフォトダイオードPD1、PD2(光検出部)
でなる受光器で受光され、光−電流変換される。
【0212】これら光一電流変換された2つの受光信号
は、スイッチングパルスSG(図126b)で高周波信
号に変換され、それぞれ増幅回路704、増幅回路70
5により増幅される(図126c、126d)。ここ
に、検出物体15が1つの受光視野内に入ってきたこと
により(図126a)、両増幅回路の出力は変化を示
す。これら増幅された2つの受光信号は、差動演算回路
706により差動演算される(図126e)。この差動
演算された受光信号は、H.P.F.707で低周波ノ
イズを除去され(図126f)、比較回路108によ
り、予め設定された2つのしきい値Vth1、Vth2
(Vth2<Vth1)と比較される。
【0213】これらのしきい値は、受光信号のノイズ量
により出力が不安定にならないように、積分回路709
の出力で、大きい方のしきい値Vth1をVth1−β
に、小さい方のしきい値Vth2をVth2+γ(β,
γ>0)に、それぞれ変更される。比較回路708は、
差動出力が弁別範囲を外れていればHレベル信号を、弁
別範囲内を外れていなければLレベル信号を出力する
(図126g)。
【0214】続いて、比較回路708の出力信号は積分
回路709によりノイズを除去され(図126h)、出
力回路710により出力される。具体的には、図126
iに示すように、Vth2<(差動演算された受光信
号)<Vth1の場合は、非検知出力(OFF:受光視
野内に検出物体がない状態、つまり背景物体のみが存在
する状態)がセンサ外部に出力される。また、(差動演
算された受光信号)<Vth2、または、Vth1<
(差動演算された受光信号)の場合は、検知出力(O
N:受光視野内に検出物体が存在する)がセンサ外部に
出力される。このように、2つの受光信号の変動に基づ
いて物体の検知を行なうことができるのである。
【0215】次に、初期状態(検出物体がない状態)で
の受光信号について説明する。初期状態において、2つ
の受光視野間にコントラストが無いことはほとんどな
く、いくらかのコントラストがあるので、差動演算回路
706の差動出力の信号成分は、ある信号レベルがあ
る。また、2つの受光視野から受光された受光信号に含
まれるノイズ成分は受光量に応じて大きくなる。その2
つの受光信号を差動演算すると、2つの受光信号に差が
ない(コントラストがない状態)と、2つの受光信号の
ノイズ成分はほぼ等しいので除去されて、差動出力のノ
イズ成分はほぼ0となる。逆に、2つの受光信号に差が
ある(コントラストがある)と、差動出力のノイズ成分
は2つの受光信号の差、つまり、差動出力の信号成分の
大きさに応じて大きくなる。
【0216】そこで、初期状態の差動出力の信号成分の
変化や検知装置の使用される環境によらず適正に検知信
号が出力されるように、検知装置は初期設定される必要
がある。初期設定とは、初期状態(検出物体がない状
態)における差動演算出力を2つのしきい値Vth1、
Vth2(Vth2<Vth1)のレベル内に入れるた
めの処置である。初期設定の対象は、初期設定回路71
1、初期設定時の変化量検出回路712、および弁別レ
ベル設定回路713である。
【0217】初期設定回路711は、検出物体がない状
態で差動演算出力を2つのしきい値Vth1、Vth2
のレベル内に入れるための回路で、差動演算出力を変更
する方法と、差動出力は変更せずに、しきい値を変更す
る方法がある。
【0218】初期設定時の変化量検出回路712は、初
期設定時に差動演算出力をどれだけ変更したか、また
は、しきい値をどれぐらい変更したか、その物理量を検
出する回路である。弁別レベル設定回路713は、初期
設定時の変化量検出回路712で検出した物理量に応じ
てしきい値とヒステリシス幅を設定する回路である。初
期設定時に、差動出力は変更せずに、しきい値を変更す
る方法では、ヒステリシス幅のみを設定する。
【0219】このようにすることで、初期設定時の変化
量(初期状態の差動出力の信号成分)に応じたしきい
値、ヒステリシス幅の設定が可能であるので、より的確
なしきい値のレベルを設定し得、使用環境に影響されて
検知装置が誤動作することがない。また、しきい値を検
知信号の上下に設定し、そのレベル内から外れたときに
出力信号を出すので、受光出力の変化方向が限定される
ことがない。ここに、本実施形態の検知装置によれば、
検出物体を検知する視野や背景とのコントラストの関係
を選ぶことなく物体の検出が可能となり、センサの感度
が大いに向上する。
【0220】以下、初期設定の方法を図127ないし図
129dを参照して説明する。図127ないし図129
dにおいては、初期設定方法のみを示し、それによるし
きい値、ヒステリシス幅の設定方法については示してい
ない。それらについては図131以降で説明する。図1
27は初期設定の基本概念を説明する図である。この図
に示すように、初期設定とは、検出物体がない状態で差
動増幅出力の出力信号レベルVspを2つのしきい値V
th1、Vth2(Vth2<Vth1)のレベルの間
に入れることである。
【0221】図128aおよび128bは差動増幅回路
706の基準電圧を変更する場合の回路図およびその時
の基準電圧と2つのしきい値との関係を示す図である。
この場合、増幅回路の出力Vs[=Vref−(Rf/
Rs)v]は、基準電圧Vrefを変更すること(Vr
ef−Δe)により、図127に示したV0が変化し
て、Vspをしきい値のレベル内に設定する。この方法
においては、増幅器のダイナミックレンジを有効に利用
できる。
【0222】図128cおよび128dは増幅回路70
6の増幅率の変更による場合の回路図およびその時の基
準電圧と2つのしきい値との関係を示す図である。この
場合、増幅回路706の増幅率(Rf/Rs)を変更す
ることにより、出力Vsを変化させ、Vspをしきい値
のレベル内に設定する。この方法においては、高照度な
環境でも使用できる。
【0223】図129aおよび129bは受光信号の減
衰による場合の回路図およびその時の基準電圧と2つの
しきい値との関係を示す図である。この場合、増幅回路
の出力が、抵抗分圧で(Ra1/Ra)倍に減衰される
ことにより、出力Vsをしきい値のレベル内に設定す
る。この方法においては、構成が簡単であるのでコスト
の削減ができる。
【0224】図129cおよび129dは増幅回路出力
のDCオフセット値の変更による場合の回路図およびそ
の時の基準電圧と2つのしきい値との関係を示す図であ
る。この場合、増幅回路の出力のDCオフセットを変更
することにより、図127に示したV0を変化させ、出
力Vsが、Vs=Vcc×(RD2/RD)−(Rf/
Rs)×vとなり、出力Vsをしきい値のレベル内に設
定する。この方法においては、図129a、129bと
同等の効果が得られる。
【0225】(7b) 実施形態7b 図130に示す実施形態は、検知装置の外部からの指令
により、初期設定およびしきい値の設定を自動的に行な
うティーチング方式である。
【0226】図130において、差動演算された受光出
力は、サンプルホールド回路715によりサンプルホー
ルドされ、A/D変換回路716によりA/D変換さ
れ、比較回路108において、初期設定によりメモリ1
21に記憶された弁別範囲と比較され、比較回路708
の出力はノイズ除去用の積分回路709を通過した後、
出力回路710によりセンサ外部に出力される。
【0227】初期設定は、その実行命令をする外部スイ
ッチSW1がONされると、初期設定回路717のトリ
ガ信号により、複数のメモリ718、719で複数の受
光出力が記憶される。その記憶された受光信号は演算回
路720により演算され(例えば、平均値、最大値と最
小値の中間値)、弁別範囲が設定される。その設定され
た値はメモリ721に記憶され、初期設定がなされる。
この方式によれば、初期設定が非常に容易にできる。
【0228】次に、図131を参照して、上記の実施形
態7bの具体回路構成について説明する。図131にお
いて、初期設定回路711は、差動増幅回路706(図
125)の出力段増幅器であるAMP1の基準電圧V0
=Vcc×(R31/R3)を変更するものである。同
回路711のバッファ出力V0は絶対値回路731に入
力される。絶対値回路731により、増幅部の基準電圧
値VrefとV0の差V1=Vref+|Vref−V
0|が出力される。そして、差動増幅器722により、
V1とVrefの差動演算をしてV2=VBE1+|Vr
ef−V0|が出力される。電圧V2は電流源1によ
り、電流I1=(VBE1+|Vref−V0|−V
BE2)/R10┤|Vref−V0|/R10に変換さ
れる。検出装置の出力OFF時はhysがHレベルとな
り、トランジスタTR3はOFF状態である。従って、
I0=(R14/R16)×I1、Vth1=Vref
+R17×I0、Vth2=Vref−R18×I0で
ある。検出装置の出力ON時はhysがLレベルとなり
トランジスタTR3はONする。従って、I0┤((R
13//R14)/R16)×I1(尚、R13//R
14は、R13とR14との並列接続抵抗を表わ
す。)、Vth1=Vref+R17×I0、Vth2
=Vref−R18×I0である。従って、初期設定回
路711の抵抗R31を変化させることで初期設定、し
きい値、ヒステリシス幅を連動して変更することができ
る。この構成では最適な初期設定が容易にできる。
【0229】なお、絶対値回路731の動作について
は、V0<Vrefのとき、ダイオードD1がONし
て、ダイオードD1、増幅器AMP4、抵抗R5を通る
負帰還ループができ、出力はV1=Vref+Vref
−V0となる。V0≧Vrefのとき、ダイオードD1
はOFFして増幅器AMP3と増幅器AMP4は切り離
され、出力はV1=Vref−(Vref−V0)とな
る。
【0230】図132は、初期設定時の変化量に応じて
ヒステリシス幅のみを変更する方式の弁別レベル設定回
路713の回路図である。初期設定時の変化量V2は、
電流源1,2で、電流値I1=(V2−VBE1)/R1
に変換される。また、電流源2の電流値はI2=(V2
−VBE2−VBE3)/R6である。検出装置の出力OF
F時はhysがHレベルとなり、トランジスタTR1は
ONする。従って、抵抗R4,R5には電流源1の電流
I1と電流源2の電流I2の和が流れ、Vth1=Vr
ef+R4×(I1+I2),Vth2=Vref−R
5×(I1+I2)となる。検出装置の出力ON時はh
ysがLレベルとなり、トランジスタTR1はOFF
し、I1=0となる。従って、Vth1=Vref+R
4×I2,Vth2=Vref−R5×I2となる。従
って、変化量V2に応じて電流源の電流値I1=(V2
−VBE1)/R1が変化するので、初期設定時の変化量
に応じてヒステリシス幅のみ変化し設定される。この構
成によれば、初期設定時の差動演算出力が小さいところ
(背景のコントラストがないところ)で、周囲照度に合
わせて微妙な初期設定ができ、検出精度を向上できる。
【0231】図133は、初期設定時の変化量に応じて
しきい値のみを変更する方式の弁別レベル設定回路71
3の回路図である。初期設定時の変化量V2は、電流源
1,2で、電流値I1=(V2−VBE1)/R1に変換
される。また、電流源2の電流値はI2=(V2−VBE
2−VBE3)/R6である。検出装置の出力OFF時は
hysがHレベルとなり、トランジスタTR1はONす
る。従って、抵抗R4,R5には電流源1の電流I1と
電流源2の電流I2の和が流れ、Vth1=Vref+
R4×(I1+I2),Vth2=Vref−R5×
(I1+I2)となる。検出装置の出力ON時はhys
がLレベルとなり、トランジスタTR1はOFFし、I
2=0となる。従って、Vth1=Vref+R4×I
1,Vth2=Vref−R5×I1となる。従って,
変化量V2に応じて電流源の電流値I1=(V2−VBE
1)/R1が変化するので、初期設定時の変化量に応じ
て、しきい値のみ変化し設定される。この構成によれ
ば、初期設定時の差動演算出力が大きいところ(背景の
コントラストがあるところ)での、初期設定が容易であ
る。
【0232】図134a、134bは、上述した初期設
定時の変化量検出回路712の変形例であり、AC信号
の変化量を検出するのに適した回路を示す図で、図13
4aはその一部の回路図、図136bはそのタイムチャ
ートである。上述した初期設定器が受光出力の減衰やD
Cオフセットの変更をする場合、本実施形態はV0の大
きさを検出し、その検出信号を図131の絶対値回路7
31に入力し変化量を検出する。そして、その変化量に
応じて、上述の弁別レベル設定回路713によりしきい
値、ヒステリシス幅の設定をする。V0の大きさの検出
については、トランジスタTR1の制御信号CTLがH
レベルのとき、ダイオードD1は導通せず、VS、VG
間は同電位となりトランジスタTR1はON状態とな
る。従って、コンデンサCHはVSまで充電される。制
御信号CTLがLレベルになると、ダイオードD1は導
通し、VS、VG間に電位差が発生し、トランジスタT
R1はOFF状態となる。従って、コンデンサCHはそ
の直前の電位V0で保持される。バッファアンプ2によ
りV=V0と出力される。この構成は、変化量を検出し
たい信号がAC信号のときに有効である。
【0233】図135は、しきい値とヒステリシス幅を
変更することで初期設定を行なう方式の弁別レベル設定
回路713の回路図であり、2つのしきい値レベルの中
心値に応じて、しきい値とヒステリシス幅を変更する変
更器を示している。しきい値の中心値は初期設定回路7
11としての抵抗R1のVRを変更することで行なう。
VRはバッファを介して図131の初期設定時の変化量
検出回路712のバッファの+入力へ入力され、図13
1の差動増幅器の出力V2に応じた電流源電流I1=
(V2−VBE)/R1に変換される。検出装置の出力O
FF時はhysがHレベルとなり、トランジスタTR1
はOFF状態である。従って、I0=(R2/R4)×
I1,Vth1=Vref+R8×I0,Vth2=V
ref−R9×I0である。検出装置の出力ON時はh
ysがLレベルとなり、トランジスタTR1はONす
る。従って、I0┤((R2//R5)/R4)×I
1,Vth1=Vref+R8×I0,Vth2=Vr
ef−R9×I0である。従って、しきい値の中心値の
電圧に応じて2つのしきい値間の電圧、ヒステリシス幅
が変化する。この構成を採用すれば、差動増幅回路(図
125の706)の変更がないので安定な受光信号が得
られる。
【0234】(7c)実施形態7c 実施形態7cの回路図を図136に示し、その動作のタ
イムチャートを137a〜137gに示す。本実施形態
は、検出素子として3個のフォトダイオードPD1,P
D2,PD3を有するものである。前述したように検出
素子が2つの場合では、検出物体面にコントラストがな
く、視野すべてを覆ってしまうような大きな物体の検出
はできない。それに対して、検出素子を3つにして視野
を広げ、それぞれの検出信号を図示のごとく増幅するこ
とにより、差動増幅器AMP3の出力でもって大きな物
体の検出も可能となる。
【0235】このように検出物体の大きさや検出したい
エリアに応じて検出素子の数を決めることでより確実な
検出ができる。なお、初期設定は、上述した各種の方法
のいずれかを用いて行なえばよい。
【0236】以上、今回開示された実施の形態はすべて
の点で例示であって制限的なものではないと考えられ
る。本発明の技術的範囲は上記した説明ではなくて特許
請求の範囲によって画定され、特許請求の範囲と均等の
意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意
図される。
【0237】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る物体検知装
置は、洗面所、トイレでの自動給水器や、人がいるとき
にのみ自動的に作動させる必要のある機械の運転用の検
知器として有用であり、特に省エネルギが要求されるも
とでの機器の自動運転制御に用いるのに適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の反射形光電センサの構成を示す図であ
る。
【図2】 従来の検知装置の一例を示す構成図である。
【図3】 第1実施形態による物体検知装置の基本原理
を示すプロック図である。
【図4】 aは本発明の一実施形態による検知装置の受
光部の構成を示す図であり、bおよびcは検出物体がな
い時とある時のPSD上の光強度分布図である。
【図5】 aは実施形態1aによる受光部の構成を示す
図、b,c,dはPSD上の光強度分布図である。
【図6】 実施形態1aによる信号処理部のブロック図
である。
【図7】 aは実施形態1bによる受光部の構成図、b
およびcはPSD上の光強度分布図であり、dは信号処
理部のブロック構成図である。
【図8】 実施形態1cによる受光部および信号処理部
のブロック図である。
【図9】 実施形態1cの変形例による信号処理部のブ
ロック図である。
【図10】 実施形態1dによる受光部および信号処理
部のブロック図である。
【図11】 aは実施形態1eによる受光部および信号
処理部のブロック図であり、bは実施形態1eの変形実
施形態のブロック図である。
【図12】 実施形態1eの信号処理に割算回路を用い
た場合のブロック図である。
【図13】 実施形態1fの変形例による検知装置の構
成を示す図である。
【図14】 実施形態1gによる装置の構成図である。
【図15】 実施形態1gの変形例を示す構成図であ
る。
【図16】 実施形態1hによる装置の構成図である。
【図17】 各種光源の分光分布図である。
【図18】 実施形態1hの変形例を示す図である。
【図19】 aは実施形態1iによる装置の構成を示す
図であり、bはその回路図である。
【図20】 aは実施形態1jによる装置の構成を示す
図であり、bはその回路図である。
【図21】 aは実施形態1kによる装置の構成を示す
図であり、bはその回路図である。
【図22】 aは実施形態1mによる装置の構成を示す
図であり、bはその回路図である。
【図23】 aは実施形態1nによる装置の構成を示す
図であり、bはそのブロック図である。
【図24】 実施形態1oによる検知装置を示す図であ
る。
【図25】 実施形態1oの動作のタイムチャートであ
る。
【図26】 比較回路、積分回路、出力回路からなる判
断部の具体例を示す回路図である。
【図27】 図26に示した判断部の動作のタイムチャ
ートである。
【図28】 判断部の他の例を示す回路図である。
【図29】 判断部の他の例を示す回路の動作のタイム
チャートである。
【図30】 判断部のさらに他の例を示す回路図であ
る。
【図31】 判断部のさらに他の例を示す回路の動作の
タイムチャートである。
【図32】 第2実施形態のパッシブ型の検知装置の基
本構成を示す図である。
【図33】 実施形態2aによる光検出器の構成図であ
る。
【図34】 実施形態1aのタイムチャートである。
【図35】 aはスイッチング信号SGを生成する周期
/デューティ比可変回路の構成例を示す図であり、bは
そのタイムチャートである。
【図36】 実施形態2bによる検知装置の構成を示す
図である。
【図37】 実施形態2bにおける回路各部とコンデン
サの並列容量Ciの関係図である。
【図38】 実施形態2bにおける判断部の具体例を示
す回路図である。
【図39】 実施形態2bにおける判断部の動作のタイ
ムチャートである。
【図40】 判断部の他の例を示す回路図である。
【図41】 判断部の他の例を示す回路の動作のタイム
チャートである。
【図42】 判断部のさらに他の例を示す回路図であ
る。
【図43】 判断部のさらに他の例を示す回路の動作の
タイムチャートである。
【図44】 実施形態2cによる赤外線検出器の構成を
示す図である。
【図45】 実施形態2dによる温度検出器の検出部の
構成を示す図である。
【図46】 aは実施形態2eによる圧力検出器の構成
を示す平面図、bは断面図、cは等価回路図、およびd
はその信号処理部の構成を示す図である。
【図47】 実施形態2cのタイムチャートである。
【図48】 実施形態2fによる温度センサの検出部の
構成を示す図である。
【図49】 実施形態2gによる構成を示す図である。
【図50】 実施形態2hによる構成を示す図である。
【図51】 実施形態3aによる検知器の構成図であ
る。
【図52】 実施形態3aによる検知器の検知動作のタ
イムチャートである。
【図53】 実施形態3bによる検知器の構成図であ
る。
【図54】 実施形態3cによる検知器のスイッチ近傍
の構成を示す図である。
【図55】 実施形態3bによる検知器のスイッチ近傍
の構成を示す図である。
【図56】 実施形態3eによる検知器の構成図であ
る。
【図57】 実施形態3eによる検知器の検知動作のタ
イムチャートである。
【図58】 実施形態3fによる検知器の構成図であ
る。
【図59】 実施形態3fによる検知器の検知動作のタ
イムチャーである。
【図60】 実施形態3gによる検知器の構成図であ
る。
【図61】 実施形態3gによる検知器の検知動作のタ
イムチャートである。
【図62】 実施形態3hによる検知器の検知動作のタ
イムチャートである。
【図63】 実施形態3iによる検知器の構成図であ
る。
【図64】 実施形態3jによる検知器の検知動作のタ
イムチャートである。
【図65】 実施形態3jによる検知器の構成図であ
る。
【図66】 実施形態3jによる検知器の構成図であ
る。
【図67】 実施形態3kによる検知器の構成図であ
る。
【図68】 実施形態3kによる検知器野検知動作のタ
イムチャートである。
【図69】 実施形態3lによる検知器の構成図であ
る。
【図70】 実施形態3mによる検知器の構成図であ
る。
【図71】 実施形態3nによる赤外線センサの構成図
である。
【図72】 実施形態3oによる温度センサの構成図で
ある。
【図73】 aは実施形態3pによる圧力センサの平面
図、および断面図、bは同センサの回路図である。
【図74】 実施形態3qによるガスセンサの構成図で
ある。
【図75】 第4実施形態に係る検知器の基本構成を示
すブロック図である。
【図76】 光検出素子上の受光量分布を示す図であ
る。
【図77】 比較回路、判別回路の内部構成を示すブロ
ック図である。
【図78】 差動増幅器の出力および比較回路、判別回
路の動作のタイムチャートである。
【図79】 受光出射より反射面の数の方が多い場合の
検知器の構成を示すブロック図である。
【図80】 検知物体の位置に対する受光量の変化を示
す図である。
【図81】 電源に電池を用い、電源の供給を間欠供給
とした検知回路を示すブロック図である。
【図82】 太陽電池によって蓄電池に給電場合の検知
器のブロック図である。
【図83】 水力発電によって蓄電池に給電される検知
器の構成を示すブロック図である。
【図84】 検知器の位置の調整をする方法を示す模式
図である。
【図85】 位置調整用のLEDを内蔵した受光部の構
成を示す図である。
【図86】 aは反射板を示し、bは4分割PDの構成
を示す図である。
【図87】 光検出素子とレンズの間に絞りを入れた光
学系を示す図である。
【図88】 駐車場システムにおける検知器の配置を示
す図である。
【図89】 駐車場システムの構成を示すブロック図で
ある。
【図90】 路面上の車両検出システムの構成を示すブ
ロック図である。
【図91】 車軸数を測定するシステムの構成を示すブ
ロック図である。
【図92】 パスゲートシステムの構成を示すブロック
図である。
【図93】 パスゲートにおける検知器の配置を示す図
である。
【図94】 入退者数管理システムの構成を示すブロッ
ク図である。
【図95】 位置決め装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図96】 検知器のアナログ出力を示す図である。
【図97】 長さ測定装置の構成を示す模式図である。
【図98】 監視システムの構成を示すブロック図であ
る。
【図99】 第5実施形態における構成を示す模式図で
ある。
【図100】 第5実施形態に係る検知器を用いたエリ
アセンサを示す図である。
【図101】 エリアセンサの具体的使用例を示す図で
ある。
【図102】 第5実施形態における検知器を用いたエ
リアセンサの利用例を示す図である。
【図103】 第5実施形態における検知器を用いたエ
リアセンサの利用例を示す図である。
【図104】 第5実施形態における検知器を用いたエ
リアセンサの利用例を示す図である。
【図105】 実施形態6aによる検知器の構成図であ
る。
【図106】 実施形態6aによる検知器の検知動作の
タイムチャートである。
【図107】 aは実施形態6aによる検知器の補助投
光部の回路図であり、bは実施形態6aによる検知器の
投光トリガ回路の回路図と論理図である。
【図108】 実施形態6bによる検知器の構成図であ
る。
【図109】 実施形態6cによる検知器の構成図であ
る。
【図110】 実施形態6cによる検知器の検知動作の
タイムチャートである。
【図111】 aは実施形態6cによる検知器の検知動
作のタイムチャートであり、bはその検知動作の特徴を
示す図である。
【図112】 実施形態6dによる検知器の構成を示す
ブロック図である。
【図113】 検知動作のタイムチャートである。
【図114】 出力禁止回路の構成を示す図である。
【図115】 実施形態6eによる検知器の構成図であ
る。
【図116】 実施形態6fによる検知器の構成図であ
る。
【図117】 実施形態6gによる検知器の構成を示す
図である。
【図118】 電源リセット時出力禁止と電圧低下時出
力禁止の両出力禁止回路を備えた検知回路の回路図であ
る。
【図119】 検知動作のタイムチャートである。
【図120】 実施形態6hによる検知器の警告表示回
路の回路図である。
【図121】 実施形態6iによる検知器の比較部、演
算部、判断部の構成図である。
【図122】 出力禁止回路の回路図である。
【図123】 実施形態6jによる検知器の構成を示す
ブロック図である。
【図124】 検知動作のタイムチャートである。
【図125】 実施形態7aによる検知装置のブロック
構成図である。
【図126】 実施形態7aによる動作のタイムチャー
トである。
【図127】 初期設定の基本概念を説明する図であ
る。
【図128】 aおよびbは作動演算器の基準電圧を変
更する場合の回路図およびその時の基準電圧と2つのし
きい値との関係を示す図であり、cおよびdは増幅回路
の増幅率の変更による場合の回路図およびその時の基準
電圧と2つのしきい値との関係を示す図である。
【図129】 aおよびbは受光信号の減衰による場合
の回路図およびその時の基準電圧と2つのしきい値との
関係を示す図であり、cおよびdは増幅回路出力のDC
オフセット値の変更による場合の回路図およびその時の
基準電圧と2つのしきい値との関係を示す図である。
【図130】 実施形態7bによる検知装置のブロック
図である。
【図131】 実施形態7aにおける初期設定のための
具体的は回路図である。
【図132】 初期設定時にヒステリシス幅のみを変更
する場合の要部回路図である。
【図133】 初期設定時にしきい値のみを変更する場
合の要部回路図である。
【図134】 aは初期設定時の変化量検出部の変形例
を示す部分回路図、bはその動作を説明するタイムチャ
ートである。
【図135】 初期設定時にしきい値を変更する場合の
要部回路図である。
【図136】 本発明の実施形態7cによる検知装置の
受光部の回路図である。
【図137】 実施形態7cによる検知装置の受光部の
回路の動作を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
3,4 受光視野、14 背景、15 検出物体、13
電流、51,301,320,321,326,33
0 検知器、57 電磁弁、59 水力発電、60 蓄
電池、61 整流回路、62 充電回路、63 ダイオ
ード、67 受光素子、68,79 照明器、70 デ
ィスプレイ装置、71 電源スイッチ、75 制御部、
100 検知装置、101,102 受光素子、10
3,104,105,106 増幅回路、107,10
8,109 差動増幅回路、110,218,316
比較回路、111,307,327 発振回路、11
2,219,317 積分回路、113,318 出力
回路、118,119 ポジション・センシング・デバ
イス(位置検出素子)、116,117 レンズ、21
9 判別部、131 2分割フォトダイオード(P
D)、121〜124 I/V変換回路、211 検出
素子、144 割算回路、151,152 光ファイ
バ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01H 35/26 H01H 37/10 37/10 G01V 9/04 Q (31)優先権主張番号 特願平8−83268 (32)優先日 平成8年3月11日(1996.3.11) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 大槻 真也 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オ ムロン株式会社内 (72)発明者 井口 康二 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オ ムロン株式会社内 (72)発明者 民野 真也 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オ ムロン株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体の有無を検出するパッシブ型の検知
    装置であって、 物理量を検出する検出素子と、 前記検出素子からの出力を増幅する増幅器と、 前記増幅器の出力から検出対象の状態を2値判断する判
    断手段と、 前記検出素子の出力の前記増幅器への伝達を周期的に断
    続するスイッチ手段とを含む、パッシブ型の検知装置。
  2. 【請求項2】 前記判断手段は、前記スイッチ手段でパ
    ルス化され前記増幅器で増幅された各パルスごとの信号
    の大きさが所定値を連続して所定回数超えたときに出力
    を変化させる、請求項1に記載のパッシブ型の検知装
    置。
  3. 【請求項3】 前記判断手段は、 前記スイッチ手段でパルス化され前記増幅器で増幅され
    た信号を所定の基準値との大小関係に基づいて2値パル
    ス化する第1の比較手段と、 前記第1の比較手段の出力を積分する積分手段と、 前記積分手段の出力を所定の基準値との大小関係に基づ
    いて2値化して出力する第2の比較手段とを含む、請求
    項1に記載のパッシブ型の検知装置。
  4. 【請求項4】 前記スイッチ手段のスイッチング周波数
    を含む帯域の信号を通過させるフィルタをさらに含む、
    請求項1に記載のパッシブ型の検知装置。
  5. 【請求項5】 前記検出素子が光検出素子で構成されて
    いる、請求項1に記載のパッシブ型の検知装置。
  6. 【請求項6】 前記検出素子が赤外線検出素子である、
    請求項1に記載のパッシブ型の検知装置。
  7. 【請求項7】 前記検出素子が温度センサである、請求
    項1に記載のパッシブ型の検知装置。
  8. 【請求項8】 前記検出素子が圧力センサである、請求
    項1に記載のパッシブ型の検知装置。
  9. 【請求項9】前記検出素子が湿度センサである、請求項
    1に記載のパッシブ型の検知装置。
  10. 【請求項10】 前記検出素子がガスセンサである、請
    求項1に記載のパッシブ型の検知装置。
  11. 【請求項11】 被検出物体からの光を受光することに
    よって前記被検出物体を検知するパッシブ型検知器であ
    って、 複数の受光視野を構成し、前記受光視野内に存する前記
    被検出物体または背景物体からの光を複数の受光素子に
    より受光し、この受光量に基づいて複数の系統の検出信
    号を出力する受光手段と、 前記複数の系統の各検出信号をそれぞれ時分割するゲー
    ト手段と、 前記各検出信号が前記ゲート手段を通過するタイミング
    が非同期で時分割となるように前記ゲート手段にパルス
    信号を供給するパルス発生手段と、 前記ゲート手段により時分割された前記各検出信号を組
    合せて1系統で信号処理をすることにより、前記受光視
    野間の光量変動を検出する信号処理手段とを含む、パッ
    シブ型検知器。
  12. 【請求項12】 前記信号処理手段への電源の供給を制
    御する制御手段を備え、 前記制御手段は、前記パルス発生手段のパルスと同期
    し、かつ前記組合せられた検出信号を前記信号処理手段
    が処理するに必要な時間だけ電源を供給する、請求項1
    1に記載のパッシブ型検知器。
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