JP2000216632A - 表面弾性波発振器 - Google Patents
表面弾性波発振器Info
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- JP2000216632A JP2000216632A JP1192499A JP1192499A JP2000216632A JP 2000216632 A JP2000216632 A JP 2000216632A JP 1192499 A JP1192499 A JP 1192499A JP 1192499 A JP1192499 A JP 1192499A JP 2000216632 A JP2000216632 A JP 2000216632A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 電極の微細化によらずに発振周波数の高周波
化が図れる表面弾性波発振器を提供する。 【解決手段】 圧電性膜4上に二つのすだれ状電極トラ
ンスデューサ5、6を形成し、一方のトランスデューサ
5を増幅器8の入力側8aに接続し、増幅器8の出力側
8bを他方のトランスデューサ6に接続してなる遅延線
型の表面弾性波発振器であって、圧電性膜4が、圧電性
膜4より表面弾性波の伝搬速度が速い高速伝搬体3上に
形成されてなる。更に好ましくは、圧電性膜4が膜厚
0.5〜1.0μmのZnO膜である。
化が図れる表面弾性波発振器を提供する。 【解決手段】 圧電性膜4上に二つのすだれ状電極トラ
ンスデューサ5、6を形成し、一方のトランスデューサ
5を増幅器8の入力側8aに接続し、増幅器8の出力側
8bを他方のトランスデューサ6に接続してなる遅延線
型の表面弾性波発振器であって、圧電性膜4が、圧電性
膜4より表面弾性波の伝搬速度が速い高速伝搬体3上に
形成されてなる。更に好ましくは、圧電性膜4が膜厚
0.5〜1.0μmのZnO膜である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電性膜上に二つ
のすだれ状電極トランスデューサを形成し、一方のトラ
ンスデューサを増幅器の入力側に接続し、前記増幅器の
出力側を他方のトランスデューサに接続してなる遅延線
型の表面弾性波発振器の発振周波数の改良技術に関す
る。
のすだれ状電極トランスデューサを形成し、一方のトラ
ンスデューサを増幅器の入力側に接続し、前記増幅器の
出力側を他方のトランスデューサに接続してなる遅延線
型の表面弾性波発振器の発振周波数の改良技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種の遅延線型の表面弾性波発振器と
して、すだれ状電極トランスデューサを水晶やLiNb
O3 (ニオブ酸リチウム)等の圧電体基板上に形成した
ものがあった。
して、すだれ状電極トランスデューサを水晶やLiNb
O3 (ニオブ酸リチウム)等の圧電体基板上に形成した
ものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の表面弾
性波発振器では、発振周波数は、表面弾性波が両トラン
スデューサ間に形成される遅延線を伝搬する伝搬速度で
制限される。水晶基板を用いた場合、電極サイズを1μ
mまで微細化しても、水晶の表面弾性波の伝搬速度が3
240m/sであるため、約800MHzの発振が限界
で、1GHz以上の高周波での発振は不可能であった。
また、かかる微細加工用の装置は高価なため製造コスト
が高騰するという問題もある。一方、表面弾性波ではな
くバルク波を利用する場合、発振周波数を高くするには
圧電体の厚さを薄く加工する必要があり、かかる加工の
困難さより水晶発振子で約60MHzの発振周波数を得
るのが限界であった。
性波発振器では、発振周波数は、表面弾性波が両トラン
スデューサ間に形成される遅延線を伝搬する伝搬速度で
制限される。水晶基板を用いた場合、電極サイズを1μ
mまで微細化しても、水晶の表面弾性波の伝搬速度が3
240m/sであるため、約800MHzの発振が限界
で、1GHz以上の高周波での発振は不可能であった。
また、かかる微細加工用の装置は高価なため製造コスト
が高騰するという問題もある。一方、表面弾性波ではな
くバルク波を利用する場合、発振周波数を高くするには
圧電体の厚さを薄く加工する必要があり、かかる加工の
困難さより水晶発振子で約60MHzの発振周波数を得
るのが限界であった。
【0004】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、電極の微細化によらずに発振周波
数の高周波化が図れる表面弾性波発振器を提供する点に
ある。
であり、その目的は、電極の微細化によらずに発振周波
数の高周波化が図れる表面弾性波発振器を提供する点に
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明に係る表面弾性波発振器の第一の特徴構成は、
特許請求の範囲の欄の請求項1に記載した通り、圧電性
膜上に二つのすだれ状電極トランスデューサを形成し、
一方のトランスデューサを増幅器の入力側に接続し、前
記増幅器の出力側を他方のトランスデューサに接続して
なる遅延線型の表面弾性波発振器であって、前記圧電性
膜が、前記圧電性膜より表面弾性波の伝搬速度が速い高
速伝搬体上に形成されてなる点にある。
の本発明に係る表面弾性波発振器の第一の特徴構成は、
特許請求の範囲の欄の請求項1に記載した通り、圧電性
膜上に二つのすだれ状電極トランスデューサを形成し、
一方のトランスデューサを増幅器の入力側に接続し、前
記増幅器の出力側を他方のトランスデューサに接続して
なる遅延線型の表面弾性波発振器であって、前記圧電性
膜が、前記圧電性膜より表面弾性波の伝搬速度が速い高
速伝搬体上に形成されてなる点にある。
【0006】同第二の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項2に記載した通り、前述の第一の特徴構成に加
えて、前記圧電性膜が膜厚0.5〜1.0μmのZnO
膜である点にある。
の請求項2に記載した通り、前述の第一の特徴構成に加
えて、前記圧電性膜が膜厚0.5〜1.0μmのZnO
膜である点にある。
【0007】同第三の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項3に記載した通り、前述の第一または第二の特
徴構成に加えて、前記高速伝搬体が、所定の基板上に形
成された膜厚が2μm以上の薄膜である点にある。
の請求項3に記載した通り、前述の第一または第二の特
徴構成に加えて、前記高速伝搬体が、所定の基板上に形
成された膜厚が2μm以上の薄膜である点にある。
【0008】同第四の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項4に記載した通り、前述の第一または第二の特
徴構成に加えて、前記高速伝搬体が単結晶基板である点
にある。
の請求項4に記載した通り、前述の第一または第二の特
徴構成に加えて、前記高速伝搬体が単結晶基板である点
にある。
【0009】以下に上記特徴構成による作用並びに効果
を説明する。上記第一の特徴構成によれば、前記圧電性
膜を伝搬する表面弾性波が、前記圧電性膜の下側に形成
されている前記高速伝搬体の影響を受けて前記高速伝搬
体における伝搬速度で伝搬するため、前記圧電性膜の伝
搬速度によって制限される発振周波数の高周波化が図れ
るのである。例えば、高速伝搬体として表面弾性波の伝
搬速度vが12000m/s以上のダイヤモンドを使用
し、すだれ状電極の電極幅と電極間隔を3μmで形成し
た場合、表面弾性波の波長λが12μmとなり、発振周
波数fはf=v/λなる関係式より1GHz以上とな
る。従って、電極パターンの微細化によらずに1GHz
以上の高周波発振が可能となるのである。
を説明する。上記第一の特徴構成によれば、前記圧電性
膜を伝搬する表面弾性波が、前記圧電性膜の下側に形成
されている前記高速伝搬体の影響を受けて前記高速伝搬
体における伝搬速度で伝搬するため、前記圧電性膜の伝
搬速度によって制限される発振周波数の高周波化が図れ
るのである。例えば、高速伝搬体として表面弾性波の伝
搬速度vが12000m/s以上のダイヤモンドを使用
し、すだれ状電極の電極幅と電極間隔を3μmで形成し
た場合、表面弾性波の波長λが12μmとなり、発振周
波数fはf=v/λなる関係式より1GHz以上とな
る。従って、電極パターンの微細化によらずに1GHz
以上の高周波発振が可能となるのである。
【0010】上記第二の特徴構成によれば、ZnO膜が
圧電膜として正常に機能するのである。つまり、ZnO
膜の膜厚が0.5μmより薄くなると、圧電変換効率が
著しく低下するとともに、発生した表面弾性波の強度が
小さく、両トランスデューサ間を伝搬する間に減衰し、
発振不能となる。他方、ZnO膜の膜厚が1.0μmよ
り厚くなると、ZnO結晶膜の結晶軸が崩れて圧電体と
しての機能が損なわれ発振不能となる。従って、ZnO
膜の膜厚が0.5〜1.0μmの範囲内であれば、適切
な圧電変換効率が維持され、ZnO結晶膜の結晶軸が崩
れることなく正常に圧電体として機能して発振不能に陥
ることがない。
圧電膜として正常に機能するのである。つまり、ZnO
膜の膜厚が0.5μmより薄くなると、圧電変換効率が
著しく低下するとともに、発生した表面弾性波の強度が
小さく、両トランスデューサ間を伝搬する間に減衰し、
発振不能となる。他方、ZnO膜の膜厚が1.0μmよ
り厚くなると、ZnO結晶膜の結晶軸が崩れて圧電体と
しての機能が損なわれ発振不能となる。従って、ZnO
膜の膜厚が0.5〜1.0μmの範囲内であれば、適切
な圧電変換効率が維持され、ZnO結晶膜の結晶軸が崩
れることなく正常に圧電体として機能して発振不能に陥
ることがない。
【0011】更に、ZnO膜の膜厚と結晶性の関係につ
いて、X線の回折の実験結果に基づいて説明する。図7
に示すように、ZnO膜の膜厚が1.5μmの場合、複
数の結晶面、即ち(002)、(100)、(101)
の各結晶面が混在しており、結晶軸が崩れていることが
確認された。他方、図8に示すように、ZnO膜の膜厚
が0.5〜1.0μmの範囲内の場合は、単一の結晶
面、即ち(002)面のみが現れており、結晶軸が崩れ
ていないことが確認できた。
いて、X線の回折の実験結果に基づいて説明する。図7
に示すように、ZnO膜の膜厚が1.5μmの場合、複
数の結晶面、即ち(002)、(100)、(101)
の各結晶面が混在しており、結晶軸が崩れていることが
確認された。他方、図8に示すように、ZnO膜の膜厚
が0.5〜1.0μmの範囲内の場合は、単一の結晶
面、即ち(002)面のみが現れており、結晶軸が崩れ
ていないことが確認できた。
【0012】上記第三の特徴構成によれば、高速伝搬体
の表面弾性波の伝搬速度の高速性が損なわれることなく
高周波発振が可能となるのである。つまり、所定の基板
上に所定の薄膜形成法で形成された高速伝搬体膜は、表
面に1μm程度の凹凸が存在するので、その上に薄い圧
電膜を形成するために表面を研磨して平坦化する必要が
あるが、高速伝搬体の膜厚が2μmの場合は、研磨の影
響で歪み等が発生して僅かな欠陥でも伝搬速度の高速性
が損なわれ、この結果、発振周波数が低下することにな
り、更には、同じ製造条件であっても発振周波数に大き
な製造バラツキが発生する要因となる。
の表面弾性波の伝搬速度の高速性が損なわれることなく
高周波発振が可能となるのである。つまり、所定の基板
上に所定の薄膜形成法で形成された高速伝搬体膜は、表
面に1μm程度の凹凸が存在するので、その上に薄い圧
電膜を形成するために表面を研磨して平坦化する必要が
あるが、高速伝搬体の膜厚が2μmの場合は、研磨の影
響で歪み等が発生して僅かな欠陥でも伝搬速度の高速性
が損なわれ、この結果、発振周波数が低下することにな
り、更には、同じ製造条件であっても発振周波数に大き
な製造バラツキが発生する要因となる。
【0013】上記第四の特徴構成によれば、基板上に薄
膜状に形成されたものに比べて、より高速な伝搬速度の
高速伝搬体が得られ、高精度な高周波発振器を形成する
ことができるのである。
膜状に形成されたものに比べて、より高速な伝搬速度の
高速伝搬体が得られ、高精度な高周波発振器を形成する
ことができるのである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。本発明に係る表面弾性波発振器1
は、図1に示すように、Siまたは各種のセラミックス
からなる基板2上に、高速伝搬体であるダイヤモンド薄
膜3と圧電性膜4を形成し、その圧電性膜4上に二つの
すだれ状電極トランスデューサ5、6を設けて両トラン
スデューサ5、6間に遅延線7を形成し、一方のトラン
スデューサ5を高周波増幅器8の入力側8aに接続し、
前記増幅器8の出力側8bを他方のトランスデューサ6
と接続して帰還ループを形成して構成されている。
に基づいて説明する。本発明に係る表面弾性波発振器1
は、図1に示すように、Siまたは各種のセラミックス
からなる基板2上に、高速伝搬体であるダイヤモンド薄
膜3と圧電性膜4を形成し、その圧電性膜4上に二つの
すだれ状電極トランスデューサ5、6を設けて両トラン
スデューサ5、6間に遅延線7を形成し、一方のトラン
スデューサ5を高周波増幅器8の入力側8aに接続し、
前記増幅器8の出力側8bを他方のトランスデューサ6
と接続して帰還ループを形成して構成されている。
【0015】前記ダイヤモンド薄膜3は前記基板2上に
CVD法で10μm程度の膜厚に成膜したものを5μm
程度にまで研磨して表面を平坦化してある。前記圧電性
膜4として、上記研磨後のダイヤモンド薄膜3上にRF
スパッタリング法で成膜した膜厚0.6〜0.7μmの
ZnO膜を使用する。前記すだれ状電極トランスデュー
サ5、6は、図2及び図3に示すように、AlまたはA
l合金からなる櫛形の多対電極を二つ組み合わせた形状
のいわゆるIDT(インターディジタルトランスデュー
サ)電極で、前記圧電性膜4上に電極金属膜を蒸着法や
スパッタリング法等で形成した後、フォトリソグラフィ
により不要な金属膜部分をドライエッチングやリフトオ
フ等により除去し、電極パターンが形成されている。各
トランスデューサ5、6の電極の幅w及び間隔sは夫々
3μmに形成されており、励振される表面弾性波の波長
λは2(w+s)で求まり12μmとなる。また、櫛形
の多対電極は夫々25対の交差幅300μmの電極から
なり、各トランスデューサ5、6の長さは300μmと
なる。また、両トランスデューサ5、6の間隔は500
μmである。この間隔が長くなれば、前記遅延線7にお
ける表面弾性波の減衰が大きくなり、前記高周波増幅器
8の増幅率の大きなものが要求されることになる。とこ
ろで、1GHz以上の高周波で発振する為には、前記高
周波増幅器8の周波数帯域としてそれより十分高いもの
が要求されるため、増幅率はできるだけ低く抑えること
が好ましい。本実施形態では、前記遅延線7の減衰率が
30〜40dB程度であるため、前記高周波増幅器8の
増幅率は70dBのものを使用している。尚、前記高周
波増幅器8は、既存のものを外付けで使用しても、前記
基板2上にモノリシックに集積回路として形成したもの
であってもよい。
CVD法で10μm程度の膜厚に成膜したものを5μm
程度にまで研磨して表面を平坦化してある。前記圧電性
膜4として、上記研磨後のダイヤモンド薄膜3上にRF
スパッタリング法で成膜した膜厚0.6〜0.7μmの
ZnO膜を使用する。前記すだれ状電極トランスデュー
サ5、6は、図2及び図3に示すように、AlまたはA
l合金からなる櫛形の多対電極を二つ組み合わせた形状
のいわゆるIDT(インターディジタルトランスデュー
サ)電極で、前記圧電性膜4上に電極金属膜を蒸着法や
スパッタリング法等で形成した後、フォトリソグラフィ
により不要な金属膜部分をドライエッチングやリフトオ
フ等により除去し、電極パターンが形成されている。各
トランスデューサ5、6の電極の幅w及び間隔sは夫々
3μmに形成されており、励振される表面弾性波の波長
λは2(w+s)で求まり12μmとなる。また、櫛形
の多対電極は夫々25対の交差幅300μmの電極から
なり、各トランスデューサ5、6の長さは300μmと
なる。また、両トランスデューサ5、6の間隔は500
μmである。この間隔が長くなれば、前記遅延線7にお
ける表面弾性波の減衰が大きくなり、前記高周波増幅器
8の増幅率の大きなものが要求されることになる。とこ
ろで、1GHz以上の高周波で発振する為には、前記高
周波増幅器8の周波数帯域としてそれより十分高いもの
が要求されるため、増幅率はできるだけ低く抑えること
が好ましい。本実施形態では、前記遅延線7の減衰率が
30〜40dB程度であるため、前記高周波増幅器8の
増幅率は70dBのものを使用している。尚、前記高周
波増幅器8は、既存のものを外付けで使用しても、前記
基板2上にモノリシックに集積回路として形成したもの
であってもよい。
【0016】以上のような構成において、前記増幅器8
の出力側8bから出力される電気信号が前記トランスデ
ューサ6に入力され、前記圧電性膜4の表面に表面弾性
波が励振される。前記トランスデューサ6において励振
された表面弾性波は、前記遅延線7を前記トランスデュ
ーサ5に向けて、前記圧電性膜4における表面弾性波の
伝搬速度(数1000m/s)より高速の前記圧電性膜
4の下層側に設けられた前記ダイヤモンド薄膜3におけ
る表面弾性波の伝搬速度v(12000〜15000m
/s)で伝搬し、前記トランスデューサ5で検波され電
気信号に変換され、前記増幅器8の入力側8aに入力さ
れ、上記した帰還ループ上において所定周波数fで発振
する。ここで、発振周波数fは、表面弾性波の波長λと
伝搬速度vより関係式f=v/λで決定される。
の出力側8bから出力される電気信号が前記トランスデ
ューサ6に入力され、前記圧電性膜4の表面に表面弾性
波が励振される。前記トランスデューサ6において励振
された表面弾性波は、前記遅延線7を前記トランスデュ
ーサ5に向けて、前記圧電性膜4における表面弾性波の
伝搬速度(数1000m/s)より高速の前記圧電性膜
4の下層側に設けられた前記ダイヤモンド薄膜3におけ
る表面弾性波の伝搬速度v(12000〜15000m
/s)で伝搬し、前記トランスデューサ5で検波され電
気信号に変換され、前記増幅器8の入力側8aに入力さ
れ、上記した帰還ループ上において所定周波数fで発振
する。ここで、発振周波数fは、表面弾性波の波長λと
伝搬速度vより関係式f=v/λで決定される。
【0017】図4に、表面弾性波発振器1の発振周波数
の測定結果を示す。これより、発振周波数が1.039
GHzという高周波で発振できることが確認できた。従
って、電極の幅w及び間隔sを夫々1μmにまで電極パ
ターンの微細化を行えば、3GHz以上の高周波発振が
可能となる。図4に示す測定結果より、前記ダイヤモン
ド薄膜3における表面弾性波の伝搬速度vは12468
m/sであることが分かる。
の測定結果を示す。これより、発振周波数が1.039
GHzという高周波で発振できることが確認できた。従
って、電極の幅w及び間隔sを夫々1μmにまで電極パ
ターンの微細化を行えば、3GHz以上の高周波発振が
可能となる。図4に示す測定結果より、前記ダイヤモン
ド薄膜3における表面弾性波の伝搬速度vは12468
m/sであることが分かる。
【0018】以下、本発明の別実施形態を列記する。 〈1〉上記実施の形態では、表面弾性波発振器1の高速
伝搬体として、前記ダイヤモンド薄膜3を前記基板2上
に最終的に膜厚5μm程度に成膜したもの使用したが、
図5に示すように、単結晶のダイヤモンド基板9を使用
して、その上に前記圧電性膜4を形成するようにしても
構わない。図6に、このようにして作製した表面弾性波
発振器1の発振周波数の測定結果を示す。尚、高速伝搬
体以外の構成及び寸法は上記実施の形態のものと同じで
ある。図6に示す結果より、先の実施形態より僅かに高
周波の1.066GHzの発振周波数で発振できること
が確認できた。また、このダイヤモンド基板9における
表面弾性波の伝搬速度は12792m/sであることが
分かる。高速伝搬体が単結晶のため前記ダイヤモンド薄
膜3より結晶性が良く、表面弾性波の伝搬速度が高速に
なったものと考えられる。
伝搬体として、前記ダイヤモンド薄膜3を前記基板2上
に最終的に膜厚5μm程度に成膜したもの使用したが、
図5に示すように、単結晶のダイヤモンド基板9を使用
して、その上に前記圧電性膜4を形成するようにしても
構わない。図6に、このようにして作製した表面弾性波
発振器1の発振周波数の測定結果を示す。尚、高速伝搬
体以外の構成及び寸法は上記実施の形態のものと同じで
ある。図6に示す結果より、先の実施形態より僅かに高
周波の1.066GHzの発振周波数で発振できること
が確認できた。また、このダイヤモンド基板9における
表面弾性波の伝搬速度は12792m/sであることが
分かる。高速伝搬体が単結晶のため前記ダイヤモンド薄
膜3より結晶性が良く、表面弾性波の伝搬速度が高速に
なったものと考えられる。
【0019】〈2〉上記各実施の形態では、高速伝搬体
として前記ダイヤモンド薄膜3や前記ダイヤモンド基板
9のようにダイヤモンドを使用したが、前記圧電性膜4
に比べて表面弾性波の伝搬速度が十分に速いものであれ
ば良く、例えば,サファイアやCNx等の薄膜や基板を
使用しても構わない。
として前記ダイヤモンド薄膜3や前記ダイヤモンド基板
9のようにダイヤモンドを使用したが、前記圧電性膜4
に比べて表面弾性波の伝搬速度が十分に速いものであれ
ば良く、例えば,サファイアやCNx等の薄膜や基板を
使用しても構わない。
【0020】〈3〉上記各実施の形態では、前記圧電性
膜4の材質としてZnOを使用したが、例えばLiNb
O3 やZnS等の他の圧電性を有する材料のものでも構
わない。
膜4の材質としてZnOを使用したが、例えばLiNb
O3 やZnS等の他の圧電性を有する材料のものでも構
わない。
【0021】〈4〉上記各実施の形態において、前記す
だれ状電極トランスデューサ5、6の電極対数や各部の
寸法等は、例示した数値のものに限定されるものではな
く、適宜変更可能である。更に、前記ダイヤモンド薄膜
3及び前記圧電性膜4の膜厚は、例示した数値のものに
限定されるものではなく、前記圧電性膜4の膜厚は0.
5〜1.0μmの範囲内であれば、また、前記ダイヤモ
ンド薄膜3の膜厚は2μm以上であれば、夫々適宜変更
可能である。
だれ状電極トランスデューサ5、6の電極対数や各部の
寸法等は、例示した数値のものに限定されるものではな
く、適宜変更可能である。更に、前記ダイヤモンド薄膜
3及び前記圧電性膜4の膜厚は、例示した数値のものに
限定されるものではなく、前記圧電性膜4の膜厚は0.
5〜1.0μmの範囲内であれば、また、前記ダイヤモ
ンド薄膜3の膜厚は2μm以上であれば、夫々適宜変更
可能である。
【図1】本発明に係る表面弾性波発振器の一実施の形態
の斜視図
の斜視図
【図2】本発明に係る表面弾性波発振器のすだれ状電極
トランスデューサの平面図
トランスデューサの平面図
【図3】図2に示すすだれ状電極トランスデューサの要
部平面図
部平面図
【図4】本発明に係る表面弾性波発振器の発振周波数の
測定結果を示す特性図
測定結果を示す特性図
【図5】本発明に係る表面弾性波発振器の別実施の形態
の斜視図
の斜視図
【図6】別実施形態における表面弾性波発振器の発振周
波数の測定結果を示す特性図
波数の測定結果を示す特性図
【図7】ZnO膜の膜厚が1.5μmの場合におけるX
線回折の実験結果を示す図
線回折の実験結果を示す図
【図8】ZnO膜の膜厚が0.5〜1.0μmの場合に
おけるX線回折の実験結果を示す図
おけるX線回折の実験結果を示す図
1 表面弾性波発振器 2 基板 3 高速伝搬体(ダイヤモンド薄膜) 4 圧電性膜 5、6 すだれ状電極トランスデューサ 7 遅延線 8 高周波増幅器 8a 入力側 8b 出力側 9 高速伝搬体(ダイヤモンド基板)
Claims (4)
- 【請求項1】 圧電性膜上に二つのすだれ状電極トラン
スデューサを形成し、一方のトランスデューサを増幅器
の入力側に接続し、前記増幅器の出力側を他方のトラン
スデューサに接続してなる遅延線型の表面弾性波発振器
であって、 前記圧電性膜が、前記圧電性膜より表面弾性波の伝搬速
度が速い高速伝搬体上に形成されてなる表面弾性波発振
器。 - 【請求項2】 前記圧電性膜が膜厚0.5〜1.0μm
のZnO膜である請求項1記載の表面弾性波発振器。 - 【請求項3】 前記高速伝搬体が、所定の基板上に形成
された膜厚が2μm以上の薄膜である請求項1または2
記載の表面弾性波発振器。 - 【請求項4】 前記高速伝搬体が単結晶基板である請求
項1または2記載の表面弾性波発振器。
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