JP2000216002A - 限流ポリマ―素子 - Google Patents

限流ポリマ―素子

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JP2000216002A
JP2000216002A JP37240199A JP37240199A JP2000216002A JP 2000216002 A JP2000216002 A JP 2000216002A JP 37240199 A JP37240199 A JP 37240199A JP 37240199 A JP37240199 A JP 37240199A JP 2000216002 A JP2000216002 A JP 2000216002A
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current
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electrode
current limiting
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JP37240199A
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B Zoodojebikku Miomaa
ビー ゾードジェビック ミオマー
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Eaton Corp
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Eaton Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高電流/高電圧用として使用可能な接触抵抗
の小さい限流ポリマー素子及びデバイスを提供する。 【解決手段】 限流ポリマー素子は、導電性で可撓性の
材料層40を電極20、25と限流ポリマー組成物の本
体30との間に介在させ、接触抵抗が最小限になるよう
に電極と本体との間の電気的接触を増加させることによ
ってデバイスの総合抵抗を最小限にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、限流ポリマー素子
を用いる電気的デバイスに関し、さらに詳細には、導電
性で可撓性の材料層が少なくとも1つの電極と限流ポリ
マー組成物の本体との間に介在し、接触抵抗が最小限に
なるように少なくとも1つの電極と本体との間の電気的
接触を増加させることによりデバイスの総合抵抗を最小
限にした限流ポリマー素子に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】限流ポ
リマー組成物及びかかる組成物を用いた電気的デバイス
は、広く使用されている。限流ポリマー組成物は、一般
的に、カーボンブラック、グラファイトまたは金属粒子
のような導電性粒子を熱可塑性ポリマー、エラストマー
ポリマーまたは熱硬化性ポリマーのようなポリマー母材
中に分散したものである。代表的な電気回路保護デバイ
ス及びかかるデバイスに用いる限流ポリマー組成物は、
例えば、米国特許第4,545,926号(Fouts, Jr.,
et al.);4,647,894号(Ratell);4,68
5,025号(Carlomagno);4,724,414号(Au,
et al.);4,774,024号(Deep, et al.);4,
775,778号(vanKonyenenburg, et al.);4,8
57,880号(Au, et al.);4,910,389号(S
herman, et al.);5,049,850号(Evans);及び
5,195,013号(Jacobs, et al.)に記載されてい
る。
【0003】限流ポリマー組成物は、商業的には電気通
信用線路用及び小型モータのサージ保護用の回路保護デ
バイスに利用されている。しかしながら、これらのデバ
イスの用途は比較的低い電流と電圧を有するシステムに
限られている。これらのデバイスの用途がそのように限
られる理由の一部は、限流ポリマー組成物と電極との間
の界面の接触抵抗レベルに関係がある。この接触抵抗は
これらデバイスの全抵抗の最大75%を占めるものであ
ることが分かっている。従って、限流ポリマー組成物と
電極との間の界面をデバイスの接触抵抗が低くなるよう
にすることが望ましい。
【0004】かかる限流PTCポリマーデバイスに用い
られてきた電極には、中実ワイヤ及び撚線、粗紡ワイ
ヤ、金属箔、エキスパンドメタル、穴あき金属シートな
どがある。電極を限流ポリマー組成物に接続する方法と
しては種々の方法が開発されている。例えば、米国特許
第3,351,882号(Kohler, et al.);4,27
2,471号(Walker);4,426,633号(Taylo
r);4,314,231号(Walty);4,689,47
5号(Kleiner, et al.);4,800,253号(Kleine
r, et al.)及び4,924,074号(Fang, et al.)が
ある。
【0005】特に、Walty特許は、導電性接着剤により
平らな電極を限流ポリマー組成物に固着する方法を開示
している。Taylor特許は、圧力、熱及び時間をかけるこ
とにより金属箔電極を層状にして限流ポリマー組成物に
固着する方法を開示している。このTaylor特許はまた、
オプションとして導電性接着剤を用いることにより電極
の限流ポリマー組成物への結合を助ける方法を開示して
いる。最後に、Kleiner, et al.特許は微視的に見て凸
凹の表面を有する電極の使用を開示している。即ち、Kl
einer, et al.特許は、滑らかな電極表面から材料を除
去することにより、即ちエッチングにより、滑らかな電
極表面上で化学反応を行わせることにより、即ち電気化
学的付着により、または電極表面に同一または異なる材
料の微視的で凸凹の層を付着させることにより形成した
凸凹の表面を備えた電極の使用を教示している。
【0006】そこで必要とされているのは、高電流/高
電圧用として使用可能な接触抵抗の小さい限流ポリマー
素子及びデバイスである。特に、接触抵抗が低くなるよ
うに電極を限流ポリマー組成物とインターフェイスする
方法が必要とされる。デバイスの総合抵抗に対する低い
接触抵抗は、少なくとも2つの次の理由により望ましい
と考えられている。第1には、限流ポリマー組成物の本
体内でジュール加熱が生じることにより電極界面におけ
るアークの発生が阻止される。第2に、デバイスの総合
抵抗が低ければ低いほど、そのデバイスの定常電流定格
が高くなる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、デバイスの総
合抵抗が室温で1μΩまたはそれ以下である限流ポリマ
ー素子を提供する実装方式を提供する。さらに詳細に
は、本発明のこの実装方式は、導電性で可撓性の材料層
が限流ポリマー組成物の本体と少なくとも2つの電極と
の間に介在する限流ポリマー素子を提供する。
【0008】本発明は、限流ポリマー組成物の複数個の
本体よりなり、各本体が素子にかかる電流を分担し、複
数個の本体が同一の限流ポリマー組成物または異なる種
類の限流ポリマー組成物よりなる限流ポリマー素子を提
供する。
【0009】本発明は、室温における素子の総合抵抗が
室温における素子の個々の構成部分の抵抗の和よりも少
ない、好ましくは25%、最も好ましくは50%少ない
限流ポリマー素子を提供する。
【0010】本発明は、電極が導電性で可撓性の材料層
に固定されているか、または純機械的手段を介して該層
に接触する限流ポリマー素子を提供する。この純機械的
手段は、例えば、(a)限流ポリマー組成物よりなる1
個または複数個の本体の平行な端面に平行であって電極
の外側に配置された2つのプレートと、(b)該プレー
トにまたはそれに隣接して配置された絞りまたはクラン
プ手段とよりなり、この絞りまたはクランプ手段はプレ
ートを互いに強制接触させるように作用する。
【0011】同様に、本発明によれば、導電性で可撓性
の材料層が限流ポリマー組成物の本体に固定されるか或
いは該層が純機械的手段を介してその本体と接触関係に
維持される。
【0012】本発明は、関連の端子を有する2つの電極
と、2つの平行な端面を有し中央に位置する限流ポリマ
ー組成物の本体と、本体の平行な端面と電極との間に位
置してそれらと電気接触する導電性で可撓性の2つの材
料層とよりなる限流ポリマー素子を提供する。
【0013】本発明は、関連の端子を有する2つの電極
と、2つの平行な端面を有し中央に位置する限流ポリマ
ー組成物の2つの本体と、導電性で可撓性の2つの材料
層とよりなり、該層は本体の平行な端面と電極との間に
位置してそれらと電気接触する限流ポリマー素子を提供
する。
【0014】本発明は、(a)本発明の限流ポリマー素
子と、(b)限流ポリマー組成物の本体の平行な端面に
垂直な方向に該限流ポリマー素子を加圧する機械的手段
とよりなる限流ポリマーデバイスを提供する。
【0015】本発明は、本発明による限流ポリマー素子
を別の限流ポリマー素子上に積み重ねた限流ポリマーデ
バイスを提供する。
【0016】本発明は、電気絶縁性材料のハウジングを
有し、電極間に露出された限流ポリマー組成物の本体の
表面が電気絶縁性材料のケーシングにより囲まれている
限流ポリマー素子を提供する。
【0017】本発明の1つの特徴として、限流ポリマー
素子は、(a)関連の端子を有する2つの電極と、
(b)2つの平行な端面を有し中央に位置する限流ポリ
マー組成物の本体と、(c)本体の平行な端面と電極と
の間に位置してそれらと電気接触する導電性で可撓性の
2つの材料層とよりなる。
【0018】本発明の別の特徴として、限流ポリマー素
子は、(a)関連の端子を有する2つの電極と、(b)
2つの平行な端面を有し中央に位置する限流ポリマー組
成物の2つの本体と、(c)導電性で可撓性の4つの材
料層とよりなり、該層は本体の平行な端面と電極との間
に位置してそれらと電気接触する。
【0019】本発明のさらに別の特徴として、限流ポリ
マー素子は、(a)関連の端子を有する2つの電極と、
(b)2つの平行な端面を有し中央に位置する限流ポリ
マー組成物の2つの本体と、(c)導電性で可撓性の2
つの材料層とよりなり、該層は電極と本体の反対端部の
平行な端面の1つとの間に位置してそれらと電気接触す
る。
【0020】本発明のさらに別の特徴として、限流ポリ
マーデバイスは、(a)本発明の限流ポリマー素子と、
(b)限流ポリマー組成物の本体の平行な端面に垂直な
方向に該限流ポリマー素子を加圧する機械的手段とより
なる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下の詳細な説明は、本発明の現
在において最適の実施態様に向けられたものである。こ
の説明は限定を意図するものでなく、本発明の一般的な
原理の説明のみを目的とする。本発明の種々の特徴及び
利点は、添付図面を参照して以下の詳細な説明を読めば
容易に理解できるであろう。
【0022】図1は、本発明の一実施例による限流ポリ
マー素子10を示す。この素子10は、関連の端子2
1,26を有する2つの電極20,25と、2つの平行
な端面30′,30″を備え、中央に位置する、好まし
くは正の温度係数を有する限流ポリマー素子の本体30
と、導電性で可撓性の2つの材料層40とよりなり、こ
れらの材料層40は本体30の平行な端面30′,3
0″と電極20,25との間に位置してそれらと電気接
触する。
【0023】図2は、本発明の別の実施例による限流ポ
リマー素子50を示す。その素子50は、関連の端子2
1a,26aを有する2つの電極20a,25aと、そ
れぞれ平行な端面30a′,30a″及び30b′,3
0b″を備え、中央に位置する2つの限流ポリマー素子
の本体30a,30bと、導電性で可撓性の4つの材料
層40と、電気絶縁性材料、例えば非導電性プラスチッ
クまたはゴムコンパウンドの材料片45とよりなり、該
材料層40は図示のように中間位置にあり、該材料片4
5は内部表面間にある。
【0024】図3は、本発明のさらに別の実施例による
限流ポリマー素子60を示す。この素子60は、関連の
端子21,26を有する2つの電極20,25と、2つ
の平行な端面30c′,30c″及び30d′,30
d″を備え、中央に位置する2つの限流ポリマー素子の
本体30c,30dと、導電性で可撓性の2つの材料層
40とよりなり、これらの材料層40は限流ポリマーと
電極20,25との間に位置してそれらと電気接触す
る。
【0025】図4は、本発明の限流ポリマーデバイス8
0を示し、そのデバイスの限流ポリマー素子10は、本
体10の平行な端面と電極76,77(端子は図示せ
ず)とに平行な2つのプレート70,75よりなり、そ
れらの間に限流ポリマー素子10が介在させた加圧手段
を含む。これらのプレートは、例えばガラス繊維で補強
した樹脂のような電気絶縁性材料で作られている。限流
ポリマー素子10に加えられ維持される圧力は、機械的
手段によりプレートを限流ポリマー素子に押圧して本体
10の平行な表面に垂直方向の力を及ぼすことにより得
る。例えば、これらのプレートは、多数のボルト71′
が螺入される多数の螺設孔71を有し、ボルト71′を
締め付けるとプレート間の限流ポリマー素子10にそれ
に応じた力が印加される。プレートを限流ポリマー素子
に押圧する他の適当な機械的手段は、当業者にとって明
らかであろう。
【0026】図5に示す限流ポリマー素子は図1に示す
ものと同一の種類であるが、電気絶縁性材料のケ−シン
グ45が別に設けられている。このケ−シングは、本体
30を形成する限流ポリマー組成物と適合する任意の電
気絶縁性材料で作ればよい。この電気絶縁性材料として
は、本体30の限流ポリマー組成物に用いるものと同一
のポリマー材料が好ましい。ケーシング45は、電極2
0と25の間で露出される本体30の表面30′″を囲
むことにより、限流ポリマー素子の絶縁耐力を増加させ
る。
【0027】本発明への使用に好適な電極には、タンタ
ル、タングステン、チタン、クロム、モリブデン、バナ
ジウム、ジルコニウム、アルミニウム、銀、銅、ニッケ
ル、金、真鍮、亜鉛及びこれらの混合物またはメッキよ
りなる群から選択した金属電極が含まれる。電極は従来
の種類のものでよい。また、電極は金属箔、薄い金属プ
レートまたは金属ネットでもよい。通常、電極に接触す
る層の表面は不規則な構造を有する。本発明の一実施例
によると、電極は金属プレートまたは金属箔よりなり、
不規則な表面構造を有する金属層が被覆され、被覆はプ
ラズマ溶射、溶射またはアーク溶射のような熱溶射によ
り付着され、その金属層は高さが1−50μmで、幅が
1−50μmの突起部分よりなる。電極はまた、2また
はそれ以上の素子の組み合わせ、例えば薄いニッケル箔
とそれに固定した厚い銅プレートとよりなるものでもよ
い。
【0028】本発明の一実施例では、電極が導電性で可
撓性の材料層に普通の手段で固定される。例えば、金属
電極を導電性接着剤、即ち銀エポキシにより該材料層に
固着してもよい。導電性接着剤に関する説明は、例え
ば、本明細書の一部として引用する米国特許第4,31
4,231号(Walty)を参照されたい。別の方法とし
て、標準の粉末被覆法、例えば静電法、流動床法及び静
電流動床法を用いて電極を該材料層に固着してもよい。
その後で、粉末を被覆した電極を溶融し硬化させること
によって導電性で可撓性の材料層に付着させることがで
きる。
【0029】本発明の別の実施例では、導電性且つ可撓
性材料の少なくとも1つの層は関連の電極と自由接触関
係にある。即ち、関連の電極と少なくとも1つの層とは
機械的手段により互いに接触する状態に保持されるが、
互いに固着はされていない。本発明への使用に好適な機
械的手段は公知の種類のものでよく、本発明の一部を形
成するものではない。
【0030】本発明のこの実施例において、電極を導電
性且つ可撓性材料の少なくとも1つの層に対して接触関
係に維持する圧力は、好ましくは、限流ポリマー組成物
の本体の平行な端面に対して直直な方向であり、好まし
くは0.1MPa(14.7psi)、最も好ましくは
0.1MPa−10MPa(14.7psi−1470
psi)の大きさである。
【0031】本体を構成する限流ポリマー組成物は公知
の種類のものでよく、その組成または構成成分は本発明
の一部を形成するものではない。限流ポリマー組成物は
導電性粒子が分散されたポリマー材料よりなる。
【0032】ポリマー材料は、公知の限流ポリマー組成
物に使用される熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂またはそれ
らの混合物よりなるものでよい。例えば、本発明への使
用に好適な結晶質または非結晶質の熱可塑性ポリマーの
例には、ポリエチレンまたはポリプロピレンのようなポ
リオレフィン類、エチレン及びプロピレンのような、ま
たαβ−不飽和有機酸のビニルエステル、酸またはエス
テルまたはそれらの混合物のようなモノマ−とのオレフ
ィン類の共重合体(ターポリマー等を含む)、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ弗化ビニル、ポリ弗
化ビニリデンのようなハロゲン化ビニルまたはビニリデ
ンポリマー、及びこれらのモノマーの共重合体または他
の不飽和モノマー、ポリ(ヘクサメチレンアジパテまた
はセバカテ)、ポリ(エチレンテレフサレート)及びポ
リ(テトラメチレンテレフサレート)のようなポリエス
テルとのモノマーの共重合体、ナイロン−6、ナイロン
−6、6ナイロン−6、10のようなポリアミド及び
「バーサミド」(二量化及び三量化不飽和脂肪酸、特に
ポリアミンを有するリノール酸)、ポリスチレン、ポリ
アクリロニトリル、熱可塑性シリコン樹脂、熱可塑性ポ
リエステル、熱可塑性変性セルロース、ポリスルホンな
どがある。
【0033】熱硬化性樹脂、特に室温で液状であるため
導電性粒子及び粒状充填剤との混合が容易な熱可塑性樹
脂も使用可能である。室温で固体の熱硬化性樹脂の限流
ポリマー組成物は溶解法により容易に調整可能である。
典型的な熱硬化性樹脂には、エピクロロヒドリン及びビ
スフェノールAまたはエピクロロヒドリン及びグリセロ
ールのような脂肪族ポリオールから製造した樹脂のよう
なエポキシ樹脂が含まれる。かかる樹脂はアミンまたは
アミド硬化剤により硬化させるのが一般的である。フェ
ノールをアルデヒドで縮合させることによって得られる
フェノール樹脂、即ちフェノール−ホルムアルデヒド樹
脂のような他の熱硬化性樹脂も使用可能である。
【0034】本発明への使用に好適な導電性粒子には、
例えば、導電性カーボンブラック、グラファイト、炭素
繊維、導電性すす、金属粉末、即ちニッケル、タングス
テン、銀、鉄、銅等、または合金粉末、即ち、ニクロ
ム、真鍮、導電性金属塩、及び導電性金属酸化物が含ま
れ、カーボンブラック、グラファイト及び炭素繊維が好
ましく、カーボンブラックが最も好ましい。導電性粒子
は、ポリマー中に分布または分散されて常温の状態で導
電性の鎖を形成する。導電性粒子は、ポリマー中におい
て、得られる限流ポリマー組成物の重量に基づき、好ま
しくは5乃至80%、さらに好ましくは10乃至60
%、さらに好ましくは約30乃至55%分散される。導
電性粒子の好ましい粒径は約0.01乃至200μm、
好ましくは約0.02乃至25μmである。粒子は、フ
レーク状、棒状、回転楕円状等の任意の形状でよく、回
転楕円状が好ましい。ポリマー母材中に組み込まれる導
電性粒子の量は、限流ポリマーデバイスの所望の抵抗率
による。一般的に、ポリマー中の導電性粒子の量が多け
れば多いほど、特定のポリマー材料の抵抗率が低くな
る。
【0035】本発明の限流ポリマー組成物はさらに、ア
ーク抑制剤、即ち酸化アルミニウム三水和物、放射線橋
かけ剤、酸化防止剤、難燃剤、無機充填剤、即ち、シリ
カ、可塑剤及び他の補助剤を含む。
【0036】本発明の限流ポリマー組成物は、放射線ま
たは化学的橋かけにより橋かけしてもよい。従来技術で
公知の放射線及び/または化学的橋かけ法の説明につい
ては、本明細書の一部を形成するものとして引用する、
例えば、米国特許第5,195,013号(Jacob et a
l.);4,907,340号(Fang et al.);4,48
5,838号(Jacob et al.);4,775,778号(v
an Konyenburg et al.);及び4,724,417号(Au
et al.)特許を参照されたい。しかしながら、使用する
橋かけ方式とは無関係に、形成された橋かけは限流ポリ
マーデバイスが動作しその素子に所望の特性を与えるに
必要とされる温度範囲において安定でなければならな
い。
【0037】好ましくは、限流ポリマー組成物は、ポリ
エチレン、橋かけポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ブテンのようなポリオレフィン、及びエチレン及びポリ
ピレンの共重合体よりなるポリマー材料よりなる。ポリ
マー材料は、好ましくは少なくとも5%の結晶化度を有
する。ポリマー材料中に分散される導電性粒子は、好ま
しくは導電性カーボンブラックまたは導電性すすよりな
る。限流ポリマー組成物の抵抗率は好ましくは10mΩ
cm乃至100Ωcmの範囲にあり、遷移後1Ωcm乃
至1KΩcmの抵抗率を呈する能力を有する。デバイス
に2以上の導電性ポリマー組成物の本体が含まれる場
合、これらの本体は同一または異なる抵抗率を有する同
一または異なるポリマー組成物で形成してもよい。
【0038】本発明の一実施例において、限流ポリマー
組成物の本体は、導電性で可撓性の材料層及び/または
それに隣接する限流ポリマー組成物の本体に固定しても
よい。例えば、隣接する材料層や本体を導電性接着剤及
び/または溶融硬化法を用いる公知の手段により一緒に
固定してもよい。
【0039】本発明の別の実施例では、少なくとも1つ
の本体が、隣接する少なくとも1つの導電性で可撓性材
料の材料層と、または少なくとも1つの隣接する本体と
自由接触関係にある。即ち、その少なくとも1つの本体
及び少なくとも1つの隣接する材料層もしくは少なくと
も1つの隣接する本体は、機械的手段により接触関係に
保持されるが、それらは互いに固定されない。
【0040】導電性で可撓性の材料層は、好ましくは厚
さが0.05−1.0mmのシートよりなる。本発明へ
の使用に好適な導電性で可撓性の材料は公知の種類の導
電性エラストマーでよく、その組成及び構成成分は本発
明の一部を形成するものではない。従って、導電性で可
撓性の材料は導電性のエラストマーよりなるものでよ
い。
【0041】エラストマーは、天然ゴムが示すと同じよ
うな弾性特性を有する全てのポリマーよりなる。エラス
トマーは比較的大きな許容弾性領域内で圧縮または伸縮
が可能であり、負荷荷重を取り去ると元の状態に戻る。
導電性エラストマーはゴム及びプラスチックの種類で、
金属混合物を添加するかまたは電界の作用下で金属繊維
を配向するかもしくは異なる炭素混合物またはセラミッ
クを添加することにより導電性を付与されたものであ
る。例えば、ゴムは、グラファイト、アセチレンブラッ
ク、ランプブラック及びファーネスブラックを含む(こ
れらに限定されない)カーボンブラックの粒子(粒径が
10−300μmの範囲)を分散させることにより導電
性にしてもよい。金属混合物または炭素混合物を添加し
た後導電性になるゴム材料の例には、ブチルゴム、天然
ゴム、ポリクロロプレンゴム、ネオプレンゴム、EPD
Mゴム及び最も重要なシリコンゴムがある。エラストマ
ー添加剤として適当な粉末状の添加剤または金属及び金
属合金には、銀、ニッケル、銅、銀メッキ銅、銀メッキ
ニッケル及び銀メッキアルミニウムがある。
【0042】限流ポリマー素子及びデバイスは通常、電
源と負荷に直列に接続される。電源電圧は600Vrms
もの高い定格をもたせることが可能である。本発明の好
ましいデバイスは120rms乃至600Vrmsの定格電圧
で信頼性を有し、配線用遮断器及び小型遮断器及び接触
器のようなデバイス内で直列故障電流保護装置として使
用される場合、少なくとも3回の高故障短絡(即ち48
0V/100kA)に耐える寿命を有するものと考えら
れる。
【0043】本発明の現在において好ましい特定実施例
を詳細に説明したが、本発明はこれらに限定されるもの
でなく、頭書した特許請求の範囲内において他の態様で
実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の限流ポリマー素子の概略図であ
る。
【図2】図2は本発明の限流ポリマー素子の概略図であ
る。
【図3】図3は本発明の限流ポリマー素子の概略図であ
る。
【図4】図4は本発明の限流ポリマー素子の概略図であ
る。
【図5】図5は本発明の限流ポリマー素子の概略図であ
る。
【符号の説明】
10 限流ポリマー素子 20,25 電極 21,26 端子 30 限流ポリマー組成物の本体 30′,30″ 平行な端面 40 導電性で可撓性の材料層 45 電気絶縁性の材料片 50 限流ポリマー素子 60 限流ポリマー素子 80 限流ポリマー素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 390033020 Eaton Center,Clevel and,Ohio 44114,U.S.A.

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの対向面を有する限流ポリマー組成
    物の少なくとも1つの本体と、導電性で可撓性の2つの
    材料層と、本体を流れる電流を運ぶ2つの電極とよりな
    り、一方の材料層は一方の対向面と一方の電極との間で
    それらと電気的接触関係にあり、もう一方の材料層はも
    う一方の対向面ともう一方の電極との間でそれらと電気
    的接触関係にあることを特徴とする限流ポリマー素子。
  2. 【請求項2】 デバイスの総合抵抗は1μΩを越えない
    ことを特徴とする請求項1の素子。
  3. 【請求項3】 材料層を形成する導電性で可撓性の材料
    は導電性の充填材料よりなり、導電性の充填材料はエラ
    ストマー中に分散されていることを特徴とする請求項1
    の素子。
  4. 【請求項4】 材料層は厚さが0.05−1.0mmの
    平坦なシートよりなる請求項1の素子。
  5. 【請求項5】 材料層は本体に固定されていることを特
    徴とする請求項1の素子。
  6. 【請求項6】 電極は材料層に固定されていることを特
    徴とする請求項1の素子。
  7. 【請求項7】 少なくとも1つの電極は少なくとも1つ
    の材料層と自由接触関係にあることを特徴とする請求項
    1の素子。
  8. 【請求項8】 少なくとも1つの材料層は本体と自由接
    触関係にあることを特徴とする請求項1の素子。
  9. 【請求項9】 2つの平行な端面を有する限流ポリマー
    組成物の少なくとも1つの本体と、導電性で可撓性の2
    つの材料層と、本体を流れる電流を運ぶ2つの電極とよ
    りなり、一方の材料層は一方の対向面と一方の電極との
    間でそれらと電気的接触関係にあり、もう一方の材料層
    はもう一方の対向面ともう一方の電極との間でそれらと
    電気的接触関係にある限流ポリマー素子と、 限流ポリマー素子の本体の平行な端面に直角な方向で限
    流ポリマー素子を加圧する機械的手段とよりなる限流ポ
    リマーデバイス。
  10. 【請求項10】 機械的手段は、(a)平らな面及び該
    面を直角に貫通する少なくとも1つの螺設手段有し、限
    流ポリマー素子の互いに反対の端部上に本体の平行な端
    面に平行に配置され2つのプレートと、少なくとも1つ
    の螺設手段と係合する少なくとも1つのボルトとよりな
    る請求項9のデバイス。
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