JP2000213548A - 電食防止転がり軸受 - Google Patents
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- F16C33/00—Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
- F16C33/30—Parts of ball or roller bearings
- F16C33/58—Raceways; Race rings
- F16C33/62—Selection of substances
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- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C19/00—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
- F16C19/02—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
- F16C19/04—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly
- F16C19/06—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly with a single row or balls
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- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C2208/00—Plastics; Synthetic resins, e.g. rubbers
- F16C2208/20—Thermoplastic resins
- F16C2208/36—Polyarylene ether ketones [PAEK], e.g. PEK, PEEK
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C2380/00—Electrical apparatus
- F16C2380/26—Dynamo-electric machines or combinations therewith, e.g. electro-motors and generators
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- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Mounting Of Bearings Or Others (AREA)
- Rolling Contact Bearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】良好な電食防止機能を有する絶縁被膜を備えた
転がり軸受、特に、寒冷条件下で好適な絶縁被膜を備え
た電食防止転がり軸受を提供する。 【解決手段】少なくとも一方の軌道輪1の表面に絶縁被
膜5を有する電食防止転がり軸受において、当該絶縁皮
膜5を非導電性の充填材を配合した脂肪族ポリケトン樹
脂により形成した。脂肪族ポリケトン樹脂は、従来の絶
縁被膜に使用されるポリフエニレンサルファイド樹脂等
に比べて低温下での衝撃強度に優れており、低温下での
電食防止転がり軸受の取扱い時に絶縁被膜5の割れや破
損を防止できる。
転がり軸受、特に、寒冷条件下で好適な絶縁被膜を備え
た電食防止転がり軸受を提供する。 【解決手段】少なくとも一方の軌道輪1の表面に絶縁被
膜5を有する電食防止転がり軸受において、当該絶縁皮
膜5を非導電性の充填材を配合した脂肪族ポリケトン樹
脂により形成した。脂肪族ポリケトン樹脂は、従来の絶
縁被膜に使用されるポリフエニレンサルファイド樹脂等
に比べて低温下での衝撃強度に優れており、低温下での
電食防止転がり軸受の取扱い時に絶縁被膜5の割れや破
損を防止できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両用電動機
等に使用される電食防止転がり軸受に係り、特に、寒冷
時において好適な電食防止絶縁被膜を備えた転がり軸受
に関する。
等に使用される電食防止転がり軸受に係り、特に、寒冷
時において好適な電食防止絶縁被膜を備えた転がり軸受
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の電食防止転がり軸受にあ
っては、ハウジングや回転軸からの洩れ電流が軸受の転
動体と軌道輪との間に流れて電食が生じる現象を防止す
るために、外輪や内輪が嵌合するハウジングや回転軸の
少なくとも一つの面に電気絶縁性の被膜(絶縁被膜)を
設けて、外部からの電流を遮断することが行われてい
る。
っては、ハウジングや回転軸からの洩れ電流が軸受の転
動体と軌道輪との間に流れて電食が生じる現象を防止す
るために、外輪や内輪が嵌合するハウジングや回転軸の
少なくとも一つの面に電気絶縁性の被膜(絶縁被膜)を
設けて、外部からの電流を遮断することが行われてい
る。
【0003】例えば、特許公報第2779251号公報
には、ガラス繊維を含有したポリフヱニレンサルファイ
ド樹脂で形成した絶縁被膜を有する電食防止転がり軸受
が提案されており、これにより吸水特性,耐クリープ
性,耐熱性に優れ、安定した電食防止性能が得られるこ
とが開示されている。
には、ガラス繊維を含有したポリフヱニレンサルファイ
ド樹脂で形成した絶縁被膜を有する電食防止転がり軸受
が提案されており、これにより吸水特性,耐クリープ
性,耐熱性に優れ、安定した電食防止性能が得られるこ
とが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の電食防止転がり
軸受用の絶縁被膜に使用されているガラス繊維を含むポ
リフェニレンサルファイド樹脂は、耐熱性や耐クリープ
性においては充分満足される。しかし、ポリフヱニレン
サルファイド樹脂自体の低温時の耐衝撃強度は大きくな
い。これに対して鉄道車両に用いられる軸受は温度的に
過酷な条件下にさらされることが多く、特に、寒冷時の
定期点検作業で軸受交換を行う時などに、樹脂被膜をし
ていない通常の軸受と同様に取り扱うと、被膜部が割れ
たり、亀裂が入ったりして絶縁性を失う危険がある。
軸受用の絶縁被膜に使用されているガラス繊維を含むポ
リフェニレンサルファイド樹脂は、耐熱性や耐クリープ
性においては充分満足される。しかし、ポリフヱニレン
サルファイド樹脂自体の低温時の耐衝撃強度は大きくな
い。これに対して鉄道車両に用いられる軸受は温度的に
過酷な条件下にさらされることが多く、特に、寒冷時の
定期点検作業で軸受交換を行う時などに、樹脂被膜をし
ていない通常の軸受と同様に取り扱うと、被膜部が割れ
たり、亀裂が入ったりして絶縁性を失う危険がある。
【0005】そうした問題点を補う意味で、実用新案登
録第2574403号公報には、上述のガラス繊維を含
有したポリフエニレンサルファイド樹脂に、さらに例え
ば超高分子量ポリエチレン,ゴム等の弾性体粒子材を含
有してなる絶縁被膜を有する電食防止転がり軸受が提案
されている。確かに、ゴム等の弾性体を入れることによ
り絶縁被膜の衝撃強度を向上させれば、寒冷時や定期点
検作業時の割れに対する心配を少しでも解消することが
できる。しかしながら、他方、ゴム成分を樹脂の中に入
れることによって樹脂全体の溶融時の粘度が高くなるこ
とは避けられず、その結果成形金型のゲート通過が円滑
に行われにくくなって、樹脂の充填不足を招く恐れがあ
る。
録第2574403号公報には、上述のガラス繊維を含
有したポリフエニレンサルファイド樹脂に、さらに例え
ば超高分子量ポリエチレン,ゴム等の弾性体粒子材を含
有してなる絶縁被膜を有する電食防止転がり軸受が提案
されている。確かに、ゴム等の弾性体を入れることによ
り絶縁被膜の衝撃強度を向上させれば、寒冷時や定期点
検作業時の割れに対する心配を少しでも解消することが
できる。しかしながら、他方、ゴム成分を樹脂の中に入
れることによって樹脂全体の溶融時の粘度が高くなるこ
とは避けられず、その結果成形金型のゲート通過が円滑
に行われにくくなって、樹脂の充填不足を招く恐れがあ
る。
【0006】また、軸受回転の初期時やグリース供給後
に、グリースの攪拌熱が発生することにより、軸受内部
で温度の上昇が起こる傾向もある。ところがポリフエニ
レンサルファイド樹脂は、その組成からみて熱伝導性が
あまり良くなく、むしろ断熱作用を起こす傾向がある。
よって、軸受の発熱が極めて大きい用途や、軸受が放熱
性の悪い部位に用いられた場合には、発生した熱が軸受
内に蓄熱されて、最悪の場合には軸受の焼付きや回転不
具合等の問題を招く恐れもある。
に、グリースの攪拌熱が発生することにより、軸受内部
で温度の上昇が起こる傾向もある。ところがポリフエニ
レンサルファイド樹脂は、その組成からみて熱伝導性が
あまり良くなく、むしろ断熱作用を起こす傾向がある。
よって、軸受の発熱が極めて大きい用途や、軸受が放熱
性の悪い部位に用いられた場合には、発生した熱が軸受
内に蓄熱されて、最悪の場合には軸受の焼付きや回転不
具合等の問題を招く恐れもある。
【0007】そこで本発明は、このような従来技術の問
題点に着目してなされたものであり、良好な電食防止機
能を有する絶縁被膜を備えた転がり軸受、特に、寒冷条
件下で好適な絶縁被膜を備えた電食防止転がり軸受を提
供することを目的とする。
題点に着目してなされたものであり、良好な電食防止機
能を有する絶縁被膜を備えた転がり軸受、特に、寒冷条
件下で好適な絶縁被膜を備えた電食防止転がり軸受を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に係る本発明は、少なくとも一方の軌道
輪の表面に絶縁被膜を有する電食防止転がり軸受におい
て、当該絶縁皮膜を、非導電性の充填材を配合した脂肪
族ポリケトン樹脂により形成したことを特徴とする。
めに、請求項1に係る本発明は、少なくとも一方の軌道
輪の表面に絶縁被膜を有する電食防止転がり軸受におい
て、当該絶縁皮膜を、非導電性の充填材を配合した脂肪
族ポリケトン樹脂により形成したことを特徴とする。
【0009】ここで、前記非導電性の充填材として、強
化繊維材(A)を用いることができる。また、高度の熱
伝導性を必要とする場合には、強化繊維材(A)からな
る充填材と比熱伝導率が10W/m/k以上で且つ比抵
抗が1010Ω・cm以上の充填材(B)とを併用するこ
ともできる。
化繊維材(A)を用いることができる。また、高度の熱
伝導性を必要とする場合には、強化繊維材(A)からな
る充填材と比熱伝導率が10W/m/k以上で且つ比抵
抗が1010Ω・cm以上の充填材(B)とを併用するこ
ともできる。
【0010】非導電性の強化繊維材(A)のみを配合す
る場合、その配合比は20〜50重量%とすることがで
きる。一方、非導電性の強化繊維材からなる充填材
(A)及び充填材(B)を併用する場合には、その割合
を、(A)10〜30重量%、(B)30〜50重量%
で且つ両者の合計が70重量%以内とすることができ
る。
る場合、その配合比は20〜50重量%とすることがで
きる。一方、非導電性の強化繊維材からなる充填材
(A)及び充填材(B)を併用する場合には、その割合
を、(A)10〜30重量%、(B)30〜50重量%
で且つ両者の合計が70重量%以内とすることができ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態で
ある電食防止転がり軸受の軸方向断面図の一部を示して
いる。この電食防止転がり軸受の本体は、軌道輪である
外輪1,内輪2と転動体3と保持器4とからなるもの
で、外輪1のハウジング嵌合面である外面には、その表
面と側面とを覆って絶縁被膜5が形成されている。
を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態で
ある電食防止転がり軸受の軸方向断面図の一部を示して
いる。この電食防止転がり軸受の本体は、軌道輪である
外輪1,内輪2と転動体3と保持器4とからなるもの
で、外輪1のハウジング嵌合面である外面には、その表
面と側面とを覆って絶縁被膜5が形成されている。
【0012】その絶縁被膜5は、脂肪族ポリケトン樹脂
に、非導電性の強化繊維材からなる充填材(A)を混合
して成形される。或いは、軸受の発熱が極めて大きい用
途や、放熱性の悪い部位に用いられる軸受の場合などに
は、必要に応じて脂肪族ポリケトン樹脂に非導電性の強
化繊維材からなる充填材(A)と非導電性で且つ高熱伝
導性を有する充填材(B)とを混合して絶縁被膜5を成
形する。
に、非導電性の強化繊維材からなる充填材(A)を混合
して成形される。或いは、軸受の発熱が極めて大きい用
途や、放熱性の悪い部位に用いられる軸受の場合などに
は、必要に応じて脂肪族ポリケトン樹脂に非導電性の強
化繊維材からなる充填材(A)と非導電性で且つ高熱伝
導性を有する充填材(B)とを混合して絶縁被膜5を成
形する。
【0013】絶縁被膜5の樹脂成分として脂肪族ポリケ
トン樹脂を用いた理由は、脂肪族ポリケトン樹脂は吸
水率が非常に小さくて吸水により絶縁性低下を招く恐れ
がなく、またポリフェニレンサルファイド樹脂等に比
べて低温下での衝撃強度に優れており、低温下作業時に
おける絶縁被膜の割れや破損を防止できるからである。
トン樹脂を用いた理由は、脂肪族ポリケトン樹脂は吸
水率が非常に小さくて吸水により絶縁性低下を招く恐れ
がなく、またポリフェニレンサルファイド樹脂等に比
べて低温下での衝撃強度に優れており、低温下作業時に
おける絶縁被膜の割れや破損を防止できるからである。
【0014】充填材(A)の好適な例としてはガラス繊
維を挙げることができる。このような強化繊維材を配合
することにより、絶縁被膜5の耐クリープ性が向上す
る。充填材(A)を単独で配合する場合の配合比率は、
20〜50重量%とする。20重量%未満では耐クリー
プ性や強度の向上効果が小さすぎる。一方、50重量%
を超えると絶縁被膜の成形性が悪くなる。即ち、溶融樹
脂が会合する部分(ウエルド)の強度低下が起こり好ま
しくない。
維を挙げることができる。このような強化繊維材を配合
することにより、絶縁被膜5の耐クリープ性が向上す
る。充填材(A)を単独で配合する場合の配合比率は、
20〜50重量%とする。20重量%未満では耐クリー
プ性や強度の向上効果が小さすぎる。一方、50重量%
を超えると絶縁被膜の成形性が悪くなる。即ち、溶融樹
脂が会合する部分(ウエルド)の強度低下が起こり好ま
しくない。
【0015】充填材(B)としては、熱伝導率が10W
/m/k以上で且つ比抵抗が1010Ω・cm以上である
ことが必要で、具体的には例えばアルミナを挙げること
ができる。このような高熱伝導性の充填材(B)を配合
することにより、軸受内で発生した熱をハウジング等の
外部へ放熱させて軸受の焼付き等を防止することがで
き、ひいては軸受寿命の低下を防ぐことができる。
/m/k以上で且つ比抵抗が1010Ω・cm以上である
ことが必要で、具体的には例えばアルミナを挙げること
ができる。このような高熱伝導性の充填材(B)を配合
することにより、軸受内で発生した熱をハウジング等の
外部へ放熱させて軸受の焼付き等を防止することがで
き、ひいては軸受寿命の低下を防ぐことができる。
【0016】充填材(A)と充填材(B)とを併用する
場合のそれらの混合比については、充填材(A)が10
〜30重量%、充填材(B)が30〜50重量%で、且
つ充填材(A)と充填材(B)との合計が70重量%以
内とする。充填材(A)が10重量%未満では、併用さ
れる充填材(B)の存在を考慮しても耐クリープ性や強
度の向上効果が小さすぎる。一方、併用する充填材
(B)の影響もあって30重量%を超えると絶縁被膜の
成形性が悪くなる。
場合のそれらの混合比については、充填材(A)が10
〜30重量%、充填材(B)が30〜50重量%で、且
つ充填材(A)と充填材(B)との合計が70重量%以
内とする。充填材(A)が10重量%未満では、併用さ
れる充填材(B)の存在を考慮しても耐クリープ性や強
度の向上効果が小さすぎる。一方、併用する充填材
(B)の影響もあって30重量%を超えると絶縁被膜の
成形性が悪くなる。
【0017】また、充填材(B)については、その配合
量が30重量%未満では、絶縁被膜の熱伝導性を向上さ
せることが難しく、一方50重量%を超えると(充填剤
Bには補強効果はなく)強度の低下を招く。両充填材
(A),(B)の合計が70重量%を超えると、絶縁被
膜の樹脂量が少なくなり過ぎてウエルド部の強度不足と
なる。
量が30重量%未満では、絶縁被膜の熱伝導性を向上さ
せることが難しく、一方50重量%を超えると(充填剤
Bには補強効果はなく)強度の低下を招く。両充填材
(A),(B)の合計が70重量%を超えると、絶縁被
膜の樹脂量が少なくなり過ぎてウエルド部の強度不足と
なる。
【0018】本発明の絶縁被膜5は、射出成形により軸
受の外輪1の外面に形成する。また、必要に応じて、内
輪2の外面または外輪1と内輪2との双方の外面に形成
するものとする。 (実施例)以下、本願発明の実施例と比較例との比較試
験について説明する。
受の外輪1の外面に形成する。また、必要に応じて、内
輪2の外面または外輪1と内輪2との双方の外面に形成
するものとする。 (実施例)以下、本願発明の実施例と比較例との比較試
験について説明する。
【0019】図1に示す転がり軸受を被試験体として、
外輪1のハウジング嵌合面である外面と側面に絶縁被膜
5を形成したものを用い、種々の特性評価試験を行っ
た。被試験体軸受の絶縁被膜5は、表1に示す各組成の
被膜材料を混練してペレットとし、このペレットを原料
として射出成形により外輪1の外周面(ハウジング嵌合
面)および両端面に連続して付着させた。
外輪1のハウジング嵌合面である外面と側面に絶縁被膜
5を形成したものを用い、種々の特性評価試験を行っ
た。被試験体軸受の絶縁被膜5は、表1に示す各組成の
被膜材料を混練してペレットとし、このペレットを原料
として射出成形により外輪1の外周面(ハウジング嵌合
面)および両端面に連続して付着させた。
【0020】すなわち、先ず外輪1の外側に、絶縁被膜
5の厚さに対応させて形成した図示しない金型を設置
し、外輪1と金型の間の空間にペレットを溶離した材料
を射出し、所定の時間冷却後、外輪1と絶縁被膜5を有
する成形品を得た。
5の厚さに対応させて形成した図示しない金型を設置
し、外輪1と金型の間の空間にペレットを溶離した材料
を射出し、所定の時間冷却後、外輪1と絶縁被膜5を有
する成形品を得た。
【0021】
【表1】
【0022】実施例1の絶縁被膜5は、脂肪族ポリケト
ン樹脂と非導電性の強化繊維材であるガラス繊維(充填
材A)と高熱伝導材としてのアルミナ(充填材B)とを
混合したものを用いた。実施例2の絶縁被膜5は、脂肪
族ポリケトン樹脂にガラス繊維のみを混合したものを用
いた。
ン樹脂と非導電性の強化繊維材であるガラス繊維(充填
材A)と高熱伝導材としてのアルミナ(充填材B)とを
混合したものを用いた。実施例2の絶縁被膜5は、脂肪
族ポリケトン樹脂にガラス繊維のみを混合したものを用
いた。
【0023】比較例1〜3の絶縁被膜5は、脂肪族ポリ
ケトン樹脂と充填材との配合比を実施例とは異ならせた
ものである。また、比較例4の絶縁被膜5は、樹脂とし
てポリフェニレンサルファイドを用いガラス繊維を混合
した従来例のものである。上記の実施例および比較例の
被試験体について、以下の特性評価を実施した。 〔耐クリープ性の評価〕耐クリープ性は、ハウジングに
嵌合した外輪1が、長時間経過後もそのハウジング内で
がたつかないようにするのに重要である。すなわち、電
食防止転がり軸受は使用時に比較的高温にさらされるこ
とが多く、その場合は絶縁被膜5を構成する樹脂材料が
ハウジング内周面から加えられる押圧力によりクリープ
して側方に逃げ、絶縁被膜5の厚さ寸法が減少する傾向
になる。この厚さ寸法減少量が多くなると、ハウジング
の内側で外輪1ががたつき、電食防止転がり軸受を組み
込んだ回転支持部で異音や振動が発生する。また、ハウ
ジングに対し外輪1が回転して絶縁被膜5の外周面が摩
耗し、一層がたつきが大きくなる等の不具合が生じる。
ケトン樹脂と充填材との配合比を実施例とは異ならせた
ものである。また、比較例4の絶縁被膜5は、樹脂とし
てポリフェニレンサルファイドを用いガラス繊維を混合
した従来例のものである。上記の実施例および比較例の
被試験体について、以下の特性評価を実施した。 〔耐クリープ性の評価〕耐クリープ性は、ハウジングに
嵌合した外輪1が、長時間経過後もそのハウジング内で
がたつかないようにするのに重要である。すなわち、電
食防止転がり軸受は使用時に比較的高温にさらされるこ
とが多く、その場合は絶縁被膜5を構成する樹脂材料が
ハウジング内周面から加えられる押圧力によりクリープ
して側方に逃げ、絶縁被膜5の厚さ寸法が減少する傾向
になる。この厚さ寸法減少量が多くなると、ハウジング
の内側で外輪1ががたつき、電食防止転がり軸受を組み
込んだ回転支持部で異音や振動が発生する。また、ハウ
ジングに対し外輪1が回転して絶縁被膜5の外周面が摩
耗し、一層がたつきが大きくなる等の不具合が生じる。
【0024】そこで、上記被試験体を締め代30μmで
ハウジングに圧入したものを、100℃の雰囲気下で1
00時間放置し、放置前後の寸法変化量を測定して耐ク
リーブ性の評価を行った。その変化量が8μm以下であ
れば合格(○)とし、8μmを超えた場合は不合格
(×)とした。 〔電気絶縁性の評価〕電気絶縁性は、転がり軸受の構成
各部材の電食を防止するために重要である。そこで、上
記被試験体の表面に付着した水を拭き取った後、絶縁被
膜5の外周面に金属製の環体を装着し、この環体と外輪
1との間の電気抵抗値を測定することで電気絶緑性の評
価を行った。抵抗値が2000MΩ以上を合格(○)と
し、2000MΩ未満の場合は不合格(×)とした。
ハウジングに圧入したものを、100℃の雰囲気下で1
00時間放置し、放置前後の寸法変化量を測定して耐ク
リーブ性の評価を行った。その変化量が8μm以下であ
れば合格(○)とし、8μmを超えた場合は不合格
(×)とした。 〔電気絶縁性の評価〕電気絶縁性は、転がり軸受の構成
各部材の電食を防止するために重要である。そこで、上
記被試験体の表面に付着した水を拭き取った後、絶縁被
膜5の外周面に金属製の環体を装着し、この環体と外輪
1との間の電気抵抗値を測定することで電気絶緑性の評
価を行った。抵抗値が2000MΩ以上を合格(○)と
し、2000MΩ未満の場合は不合格(×)とした。
【0025】〔熱伝導性の評価〕熱伝導性は、電食防止
転がり軸受の回転により発生する熱が逃げにくくて軸受
の温度が上昇すると、軸受内のグリースの劣化等が促進
される結果、軸受寿命の低下などの不具合を招くので、
特に高速回転の場合には重要である。ここでは、各充填
材の組合せにより製作した絶縁被膜5を有する被膜付外
輪1と内輪2,保持器4,転動体3とを組み付けてなる
被試験体軸受に、同一のグリースを同一量封入して、同
一条件で回転させた。その時の内輪部の温度を測定し、
その最高温度が120℃を超えたものは不合格(×)と
し、120℃以下のものは合格(○)とした。
転がり軸受の回転により発生する熱が逃げにくくて軸受
の温度が上昇すると、軸受内のグリースの劣化等が促進
される結果、軸受寿命の低下などの不具合を招くので、
特に高速回転の場合には重要である。ここでは、各充填
材の組合せにより製作した絶縁被膜5を有する被膜付外
輪1と内輪2,保持器4,転動体3とを組み付けてなる
被試験体軸受に、同一のグリースを同一量封入して、同
一条件で回転させた。その時の内輪部の温度を測定し、
その最高温度が120℃を超えたものは不合格(×)と
し、120℃以下のものは合格(○)とした。
【0026】〔被膜成形性の評価〕被膜成形性が良好で
あると、絶縁被膜5を射出成形により低コストで形成す
ることができることから、生産性向上,コスト低減等の
ために重要である。そこで、射出成形した上記被試験体
のウェルドやゲ一卜部等におけるボイド,割れ等の有
無、絶縁被膜の表面状態を観察して被膜成形性を評価し
た。それらのボイド,割れ等が無いものを合格(○)と
し、被膜表面の粗悪なものを不合格(×)とした。
あると、絶縁被膜5を射出成形により低コストで形成す
ることができることから、生産性向上,コスト低減等の
ために重要である。そこで、射出成形した上記被試験体
のウェルドやゲ一卜部等におけるボイド,割れ等の有
無、絶縁被膜の表面状態を観察して被膜成形性を評価し
た。それらのボイド,割れ等が無いものを合格(○)と
し、被膜表面の粗悪なものを不合格(×)とした。
【0027】〔落下強度の評価〕電食防止転がり軸受
は、軸受の取り付け,取り外し時やメンテナンス時にお
いて、樹脂被膜部をハウジング等へぶつけたり、不注意
により落下させる危険性がある。また、その作業環境が
寒冷の時には、そうした衝撃が絶縁被膜5へ与える影響
は大きくなる。
は、軸受の取り付け,取り外し時やメンテナンス時にお
いて、樹脂被膜部をハウジング等へぶつけたり、不注意
により落下させる危険性がある。また、その作業環境が
寒冷の時には、そうした衝撃が絶縁被膜5へ与える影響
は大きくなる。
【0028】そこで、被膜形成した外輪1の温度を0℃
に調整し、高さ100cmより落下させて、樹脂被膜部
に割れ,ひびが発生しなかったものを合格(○)とし、
割れ,ひびが発生したものを不合格(×)とした。以上
の評価試験の結果を表2に示す。
に調整し、高さ100cmより落下させて、樹脂被膜部
に割れ,ひびが発生しなかったものを合格(○)とし、
割れ,ひびが発生したものを不合格(×)とした。以上
の評価試験の結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】表2の試験結果から明らかなように、本発
明の実施例1,実施例2は、電食防止転がり軸受に必要
な機能である絶縁性や耐クリープ性等を損なうことな
く、寒冷落下強度において優位な結果を得た。
明の実施例1,実施例2は、電食防止転がり軸受に必要
な機能である絶縁性や耐クリープ性等を損なうことな
く、寒冷落下強度において優位な結果を得た。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る本
発明によれば、電食防止転がり軸受に必要な機能である
絶縁性や耐クリープ性等を損なわずに、しかも寒冷時ま
たは寒冷地での使用やメンテナンスにおける作業上の取
り扱いにあたり、安定した性能が保証できる電食防止転
がり軸受を提供することができる。
発明によれば、電食防止転がり軸受に必要な機能である
絶縁性や耐クリープ性等を損なわずに、しかも寒冷時ま
たは寒冷地での使用やメンテナンスにおける作業上の取
り扱いにあたり、安定した性能が保証できる電食防止転
がり軸受を提供することができる。
【図1】本発明に係る電食防止転がり軸受の軸方向断面
図の一部である。
図の一部である。
1 外輪 2 内輪 3 転動体 4 保持器 5 絶縁被膜
Claims (1)
- 【請求項1】 少なくとも一方の軌道輪の表面に絶縁被
膜を有する電食防止転がり軸受において、当該絶縁皮膜
を、非導電性の充填材を配合した脂肪族ポリケトン樹脂
により形成したことを特徴とする電食防止転がり軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11014719A JP2000213548A (ja) | 1999-01-22 | 1999-01-22 | 電食防止転がり軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11014719A JP2000213548A (ja) | 1999-01-22 | 1999-01-22 | 電食防止転がり軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000213548A true JP2000213548A (ja) | 2000-08-02 |
Family
ID=11868954
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11014719A Pending JP2000213548A (ja) | 1999-01-22 | 1999-01-22 | 電食防止転がり軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000213548A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004084792A (ja) * | 2002-08-27 | 2004-03-18 | Koyo Seiko Co Ltd | 転がり軸受 |
CN108027037A (zh) * | 2015-08-04 | 2018-05-11 | Ntn株式会社 | 树脂带轮 |
-
1999
- 1999-01-22 JP JP11014719A patent/JP2000213548A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004084792A (ja) * | 2002-08-27 | 2004-03-18 | Koyo Seiko Co Ltd | 転がり軸受 |
CN108027037A (zh) * | 2015-08-04 | 2018-05-11 | Ntn株式会社 | 树脂带轮 |
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