JP2000213534A - 軸受機構、それを用いたハ―ドディスク駆動機構及びポリゴンミラ―駆動機構 - Google Patents

軸受機構、それを用いたハ―ドディスク駆動機構及びポリゴンミラ―駆動機構

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JP2000213534A
JP2000213534A JP1912999A JP1912999A JP2000213534A JP 2000213534 A JP2000213534 A JP 2000213534A JP 1912999 A JP1912999 A JP 1912999A JP 1912999 A JP1912999 A JP 1912999A JP 2000213534 A JP2000213534 A JP 2000213534A
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bearing mechanism
bearing
outer peripheral
dynamic pressure
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Shigeto Shimizu
成人 清水
Jun Yatazawa
純 谷田沢
Takeo Hisada
建男 久田
Makio Kato
万規男 加藤
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Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 潤滑油が不要でしかも比較的低速の領域にお
いても十分なラジアル動圧を発生でき、しかもラジアル
動圧発生のための面加工が容易で安価に製造できる軸受
機構を提供する。 【解決手段】 軸受隙間Gを挟んで対向する第一部材2
の外周面2aと第二部材3の内周面3aとの少なくとも
一方(以下、荒らし面という)に、散点状の微小な凹凸
を分散形成して面荒らしし、その中心線平均粗さを0.
1μm〜1.0μmの範囲に調整する。この構成によれ
ば、比較的小さい回転速度で十分なラジアル動圧が発生
させることができるので、回転機構の起動あるいは停止
時において動圧不足状態となる時間が短くなり、軸受部
における部材損耗を起こしにくくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は軸受機構と、それを
用いたハードディスク駆動機構及びポリゴンミラー駆動
機構とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、記憶装置のハードディスク駆
動機構や、コピー機あるいはレーザープリンタ装置等の
ポリゴンミラー駆動機構等において、振れ回りの少ない
回転を実現するために、動圧軸受が採用されることがあ
る。このような動圧軸受としては、例えば特開平5−2
15128号公報に開示されているように、円筒状の軸
受体の内側に回転軸が挿通されるとともに、その回転軸
の外周面に、例えばヘリングボーン状の動圧発生溝を周
方向に形成したものが知られている。該構造において
は、回転軸を軸受体内部で高速回転させると、動圧発生
溝への流体のポンピング作用によって、回転軸と軸受体
との隙間にラジアル動圧が発生し、例えば振動その他の
外乱により回転軸線にラジアル方向の力が作用した場合
は、該動圧が復元力として作用するので、振れ回りの少
ない安定した回転を実現することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の動圧軸受においては、回転軸と軸受体との間の隙間
に潤滑油を充填して、油膜圧力の形でラジアル動圧を発
生させる構造になっているので、油切れを起こすと、回
転軸と軸受体との間の摩擦が増大して焼付き等の不具合
が生ずる欠点がある。また、これを防止するために軸受
部への油補給を行うことは、コンピュータ周辺機器やO
A機器において昨今進んでいるメンテナンスフリー化の
動きに完全に逆行する事柄であり、なるべく行いたくな
いというのが世の中の趨勢である。さらに、油潤滑型の
軸受機構は、油漏れ防止のためのシールを考慮する必要
があり、構造が複雑化する欠点がある。
【0004】また、ヘリングボーン状の動圧発生溝を使
用する機構では、通常1万〜2万回転もの高速回転を行
わないと十分なラジアル動圧が発生せず、高速運転に伴
う油切れ等の問題はますます発生しやすくなる。また、
回転機構の起動あるいは停止時の低速回転状態では、必
然的に発生する動圧不足のため、軸受部と回転軸とが接
触し、損耗を起こしやすくなる。なお、潤滑油を使用せ
ず空気圧の形でラジアル動圧を発生させるようにした動
圧軸受も提案されているが、空気圧利用の場合、本発明
者らの検討によれば、十分なラジアル動圧を発生させる
にはさらに高速の4〜5万回転以上が必要となり、上記
の問題がさらに助長される形となる。
【0005】本発明の課題は、潤滑油が不要でしかも比
較的低速の領域においても十分なラジアル動圧を発生で
き、しかもラジアル動圧発生のための面加工が容易で安
価に製造できる軸受機構と、それを用いたハードディス
ク駆動機構及びポリゴンミラー駆動機構とを提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記の課
題を解決するために、本発明の軸受機構は、軸状の第一
部材と、その第一部材が挿通される挿通孔を有し、該挿
通孔における第一部材の軸線周りの相対回転を許容した
状態にて、挿通孔内面と第一部材の外周面との間に、気
体にて満たされた所定量の軸受隙間を形成する第二部材
とを備え、第一部材の外周面とこれに対向する第二部材
の内周面との少なくとも一方に、散点状の微小な凹凸を
分散形成して面荒らしすることにより、その中心線平均
粗さを0.1μm〜1.0μmの範囲にて調整し、第一
部材と第二部材とを相対回転させることにより、軸受隙
間において、第一部材の周囲にラジアル動圧を発生させ
るようにしたことを特徴とする。なお、本発明におい
て、中心線平均粗さは、日本工業規格B0601に規定
された方法により測定されたものを意味する。
【0007】また、本発明のハードディスク駆動機構
は、上記の軸受機構と、その軸受機構の第一部材及び第
二部材のうち一方を固定側、他方を回転側として、その
回転側となる部材(以下、回転部材という)を回転駆動
する駆動部と、回転部材に取り付けられてこれと一体的
に回転する記録用ハードディスクとを備えたことを特徴
とする。
【0008】さらに、本発明のポリゴンミラー駆動機構
は、上記の軸受機構と、その軸受機構の第一部材及び第
二部材のうち一方を固定側、他方を回転側として、その
回転側となる部材(以下、回転部材という)を回転駆動
する駆動部と、その回転部材に一体化されるとともに、
その回転軸線の周囲を取り囲む形態で複数の反射面が多
面体状に形成されたポリゴンミラーとを備えたことを特
徴とする。
【0009】本発明においては、軸受隙間を挟んで対向
する第一部材外周面と第二部材内周面との少なくとも一
方(以下、荒らし面という)に、散点状の微小な凹凸を
分散形成して面荒らしし、その中心線平均粗さを0.1
μm〜1.0μmの範囲に調整することで、潤滑油が不
要でしかも比較的低速の領域においても十分なラジアル
動圧を発生できるようになる。潤滑油を使用しないの
で、少なくとも油供給に関してはメンテナンスフリー化
が実現されるほか、油漏れ防止のためのシールを考慮す
る必要がなくなるので、構造を単純化することができ
る。また、従来の動圧発生溝を使用する従来の軸受機構
と比べて小さい回転速度で十分なラジアル動圧が発生さ
せることができるので、回転機構の起動あるいは停止時
において動圧不足状態となる時間が短くなり、軸受部に
おける部材損耗を起こしにくくすることができる。
【0010】軸受隙間に面する前記荒らし面には、例え
ば図2に概念的に示すように(この場合、符号2aが荒
らし面を示す)、散点状の微小な凹凸が二次元的にほぼ
均一に分散して形成されていることが、均一なラジアル
動圧を発生させる上で望ましい。具体的には、例えば荒
らし面上にて任意の方向、例えば互いに直交する任意の
2方向に沿って中心線平均粗さを測定したときに、その
測定値をRa1及びRa2として、両測定値の差の絶対値
|Ra1−Ra2|の、同じく平均値(Ra1+Ra2)/
2に対する比率(2×|Ra1−Ra2|/(Ra1+R
a2))が、30%以内に収まっていることが望まし
い。
【0011】また、本発明においては、十分なラジアル
動圧を発生させるための第一部材の外周面と第二部材の
内周面との相対回転数は、概ね2000rpm以上に調
整することが望ましい。該回転数が2000rpm未満
になると、発生する動圧が不足し、接触摩擦増大による
部材損耗を招きやすくなる。また本発明の軸受機構にお
いては、前述の通り、従来の軸受機構よりも低速回転領
域(例えば2000〜20000rpm程度、あるいは
さらに低速の2000〜15000rpm程度)におい
ても、十分な動圧発生が可能である特徴を有する。ただ
し、本発明は、該回転数範囲に限定されるものではな
く、例えば上記以上の速度で高速回転する軸受部に対し
適用することも十分に可能であり、動圧による摩擦低減
効果により部材の寿命が延びるといった特有の効果を奏
することができる。
【0012】本発明において、動圧発生溝を利用する従
来の軸受機構と比べて低速にて動圧発生できる理由とし
ては、第一部材の外周面とこれに対向する第二部材の内
周面との少なくとも一方に前記した微小な凹凸を分散形
成することで、軸受隙間に存在する気体が、部材の相対
回転中にて隙間外に漏れ出しにくくなる、言い換えれ
ば、第一部材の外周面と第二部材の内周面との間のシー
ル性が向上することが、その一因として考えられる。そ
して、このようなシール性向上の効果は、中心線平均粗
さを0.15μm〜0.2μmの範囲にて調整すること
により、さらに顕著となる。これにより、例えばさらに
高速回転が要求される場合においてもラジアル動圧が不
足しにくくなり、スムーズで振れ回りの少ない回転を実
現することができる。
【0013】なお、ラジアル動圧を回転軸線の復元力と
して利用できるようにするための具体的な構成として
は、第一部材に対し、第二部材側に形成された被支持部
に当接する形で設けられ、第二部材の軸受隙間の範囲で
のラジアル方向移動を許容しつつ、これを回転可能に支
持する回転支持部を形成する態様を例示できる。
【0014】次に、荒らし面に形成する散点状の微小な
凹凸は、例えば平均粒子径が5〜100μmの範囲にて
調整された打撃粒子を、凹凸の形成面部(上記の荒らし
面の形成部である)に対し50m/秒〜300m/秒の
速度にて投射することにより形成することができる。該
方法によれば、散点状の微小な凹凸を分散形成する面荒
らしする加工を簡単に行うことができ、例えばフォトエ
ッチング等による溝加工等と比較して加工コストを削減
することができる。
【0015】打撃粒子としては、形成面部を構成する材
質よりも硬質の粒子を使用することにより、凹凸形成を
効率よく行うことができる。例えば、形成面部の材質が
Fe系材料である場合、硬質粒子の材質としては、炭化
珪素、アルミナ、ジルコニア、窒化珪素等のセラミック
粒子、ガラス粒子、あるいは高速度工具鋼、ステンレス
鋼(例えば高炭素ステンレス鋼)等の金属粒子を使用す
ることができる。なお、形成面部よりも硬質でない打撃
粒子を用いた場合でも、凹凸形成を行うことができる場
合がある。例えば、形成面部硬さの50%以上の硬度を
有していれば、形成面部よりも硬質でない打撃粒子(例
えば、高速度工具鋼やステンレス鋼の粒子)を用いて
も、凹凸形成を行える場合が多い。
【0016】なお、打撃粒子の形状としては、球状の粒
子を使用することが、微小な凹凸を均一に分散形成する
上で特に望ましい。この場合、なるべく大きさの揃った
球状粒子を使用すれば、打撃力を一様化できるのでさら
に有利である。なお、具体的には、使用する打撃粒子の
平均粒径をdm とし、粒径dの標準偏差をσdとしたと
きに、σd/dmが0.05未満であるのがよい。なお、
均一なラジアル動圧を発生させるためには、個々の凹凸
形状や寸法のばらつきを抑制することが望ましいといえ
るが、この場合、例えば、形成面部に対し打撃粒子の投
射を複数回繰り返すことにより凹凸形成することが効果
的である。
【0017】次に、本発明においては、ラジアル動圧発
生効果を十分に高める上で、第一部材の円柱状の外周面
半径をr1、第二部材の円柱状の内周面半径をr2とした
ときに、r2−r1の値を0.2〜20μmの範囲にて調
整することが望ましい。r2−r1は、いわば軸受隙間の
大きさを反映したパラメータであって、これが0.2μ
m未満になると、第一部材外周面と第二部材内周面とが
接触しやすくなり、摩擦増大による部材損耗を招きやす
くなる場合がある。他方、r2−r1が20μmを超える
と、隙間のシール性が損なわれ、発生する動圧が不足す
る場合がある。r2−r1の値は、より望ましくは4μm
〜10μmとするのがよい。なお、r1及びr2は、上記
外周面あるいは内周面に対して測定位置を変えながら直
径D1あるいはD2を測定をたときに、D1の測定最大値
をD1maxとし、D2の測定最小値をD2minとして、それ
ぞれD1max/2及びD2min/2にて算出されたものを意
味するものとする。
【0018】次に、第一部材の外周面半径をr1、第二
部材の内周面半径をr2、各面の円筒度をCとしたとき
に、C≦(r2−r1)/2を満足していることが望まし
い。Cが(r2−r1)/2よりも大きくなると、第一部
材外周面と第二部材内周面とが接触しやすくなり、摩擦
増大による部材損耗を招きやすくなる場合がある。な
お、本発明において円筒度は、日本工業規格B0621
の5.4に定義されたものを採用する。
【0019】次に、上記本発明特有の中心線平均粗さを
有する荒らし面は、例えば軸状の第一部材の外周面に対
しては、前記した硬質粒子投射による加工を適用しやす
いので、極めて容易に形成できる。この場合、第二部材
の内周面は、少なくとも中心線平均粗さRaを1.0μ
m以下に調整することが、摩擦増大による部材損耗を回
避する観点において望ましいといえる。そして、ラジア
ル動圧発生による回転軸線の振れ回り防止効果をさらに
高めるためには、第二部材の内周面も同様の荒らし面と
することが一層望ましい。
【0020】また、第一部材の外周面とこれに対向する
第二部材の内周面との少なくとも一方に、前記した散点
状の微小な凹凸とともに、ラジアル動圧発生に寄与する
溝部を形成することもできる。このような溝部を付加す
ることにより、ラジアル動圧発生による振れ回り防止効
果を一層高めることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、図面に示す実施例を参照して説明する。 (実施例1)図1は、本発明の軸受機構を使用したハー
ドディスク駆動機構の一例を示すものである。該ハード
ディスク駆動機構100は、ベース8に対し、その片面
から立ち上がる形態でボルト9により取り付けられた第
一部材としての固定軸2と、その外側に回転可能に配置
された第二部材としての回転部材3とを備え、それら固
定軸2と回転部材3とが軸受機構1の要部を構成してい
る。
【0022】固定軸2の外周面2aは円筒状面とされ、
軸線方向中間位置に形成された周方向の段面2cにより
基端部が大径化されている。該固定軸2aの外側にはベ
アリング7が嵌め込まれ、段面2cにより支持されてい
る。また、前記した回転部材3は、軸線方向の挿通孔3
aを有する筒状に形成され、該挿通孔3aに対し固定軸
2aの先端側が挿通されるとともに、一方の端面がベア
リング7により回転可能に支持されている。そして、挿
通孔3aの内周面と、固定軸2の外周面2aとの間に
は、軸受隙間Gが形成されている。この軸受隙間Gは、
潤滑油が充填されず空気(すなわち気体)で満たされた
状態となっている。なお、固定軸の先端面からは雄ねじ
部2bが突出形成され、ここにねじ孔13aを有するリ
ング状のストッパ13が螺着されて、回転部材3の抜止
めがなされている。
【0023】また、第一部材たる固定軸2の段面2cに
支持されているベアリング7は、第二部材たる回転部材
3の端面(被支持部)に当接し、回転部材3の、軸受隙
間Gの範囲でのラジアル方向移動を許容しつつ、これを
回転可能に支持する回転支持部として機能している。
【0024】次に、ベース部8の板面中央からは、円環
状の固定リブ8aが突出形成され、その内側に固定軸2
の基端部が嵌め込まれる一方、固定リブ8aの外側に
は、筒状のコイルホルダ10が嵌め込まれている。そし
て、そのコイルホルダ10のさらに外側に、リング状の
コア11aと、そのコア11aに対し周方向に所定間隔
で巻き付けられた複数のコイル11bとからなるコイル
ユニット11が、固定的に嵌め込まれている。
【0025】一方、回転部材3には、ベアリング7に面
しているのと反対側の端面に、カップ状のディスクホル
ダ4が取り付けられている。ディスクホルダ4は、頂面
部4aが平坦に形成され、その中央において固定軸2の
先端部分を突出させるとともに、該頂面部においてボル
ト5により回転部材3に固定されている。また、ディス
クホルダ4の側壁部4bは、固定軸2の軸線方向におい
てコイルユニット11を覆う位置までスカート状に延
び、外周面にはスペーサ6aを介して複数のデータ記録
用ハードディスク6が取り付けられる。また、内周面側
にはコイルユニット11に対向する位置に、複数の永久
磁石12が周方向に所定の間隔で取り付けられている。
そして、これら永久磁石12は、コイルユニット11に
取り付けられたコイル11bとともに駆動モータ部(駆
動部)を構成し、回転部材3と、これに取り付けられた
ディスクホルダ4及びハードディスク6を、固定軸2の
周りに一体的に回転駆動する役割を果たす。
【0026】次に、回転部材3の挿通孔3aの内周面
と、固定軸2の外周面2a(例えば、その挿通孔3aの
内周面に対向する部分)とは、その少なくとも一方に、
図2(a)に模式的に示すように散点状の微小な凹凸Q
が分散形成され、その中心線平均粗さRaが0.1μm
〜1.0μm、望ましくは0.15〜0.2μmとなる
ように、面荒らしされている。
【0027】例えば、固定軸2の外周面2aを上記のよ
うに面荒らしする方法としては、図5(a)に示すよう
に、噴射ノズルNから打撃粒子Bを投射する方法を例示
できる。この実施例では、固定軸2を軸線周りに回転さ
せつつ、噴射ノズルNを前記軸線の方向に進退移動させ
ることにより、外周面2aの全体に均一に打撃を加える
ようにしている。
【0028】一方、挿通孔3aの内周面については、図
5(b)に示すように、挿通孔3内に噴射ノズルNを挿
入し、打撃粒子Bを噴射しながらノズルNを軸線方向に
進退させることにより、打撃を付与する方法を例示でき
る。また、図5(c)に示すように、挿通孔3aの一方
の開口部に噴射ノズルNの噴射口を位置させ、反対側の
開口部から挿通孔3a内を吸引しつつ、打撃粒子Bを噴
射させる方法も可能である。
【0029】打撃粒子Bは、平均粒子径が5〜100μ
mの範囲にて調整されたものを使用し、ノズルNからの
噴射圧力は、荒らし面(凹凸形成面)に対する投射速度
が、50m/秒〜300m/秒となるように調整され
る。打撃粒子Bの形状は、前述の通り球状のものがよ
く、なるべく径の揃ったものを使用することが望まし
い。また、その材質であるが、例えば固定軸2あるいは
回転部材3が機械構造用合金鋼(例えばSCM440等
のCr−Mo鋼)にて構成される場合、打撃粒子Bはそ
れよりも硬質のセラミック粒子、例えば炭化珪素粒子と
して構成したものを好ましく使用することができる。
【0030】この場合、図2(d)に示すように、挿通
孔3aの内周面と、固定軸2の外周面2aとの双方を、
0.1μm≦Ra≦1.0μmとなるように面荒らしし
てもよいし、同図(b)あるいは(c)のように、一方
のみを面荒らしする形としてもよい。ただし、他方の面
の中心線平均粗さRaは1.0μm以下とすることが望
ましい。
【0031】次に、挿通孔3aの内周面の半径をr2、
固定軸2の挿通孔3a内に挿通される部分の外周面半径
をr1として、軸受隙間Gの大きさに相当するr2−r1
は、0.2〜20μm(望ましくは4〜10μm)に調
整されている。また、挿通孔3aの内周面及び固定軸2
の外周面2aの各円筒度をCとしたときに、C≦(r2
−r1)/2となるように調整されている。夲実施例で
は、r2及びr1の具体的な寸法は約3mmであり、かつ
r2−r1は8μmである。また、挿通孔3aの軸方向長
さMは20mm程度である。そして、挿通孔3aの内周
面と、固定軸2の外周面2aとが、それぞれ中心線平均
粗さRaが0.19μm程度に調整されている。
【0032】上記のように構成されたハードディスク駆
動機構100において、前記した駆動モータ部を作動さ
せることにより、例えば回転部材3を4000〜150
00rpmの回転速度で回転させる。軸受隙間Gを挟ん
で対向する各面2a,3aに、図2に模式的に示すよう
な微小な凹凸を分散形成して、その中心線平均粗さを前
記範囲に調整してあることから、軸受隙間Gには固定軸
2の半径方向すなわちラジアル方向の動圧が生じる。そ
して、回転部材3に対し振動等により半径方向の振れ力
が作用しても、上記のラジアル動圧が復元力となって振
れ回りが生じにくくなる。本発明の構成では、十分なラ
ジアル動圧を発生するための回転速度が上記のように比
較的小さいので、固定軸2や回転部材3に損耗が生じに
くい。また潤滑油を使用しないので、少なくとも油供給
に関してはメンテナンスフリー化が実現されるほか、油
漏れ防止のためのシール構造も不要である。
【0033】図4は、SCM440にて構成された固定
軸2の外周面を、まず旋盤にて切削加工し、さらに#1
000のダイヤモンド砥石により周方向に研磨した後の
表面状態を原子間力顕微鏡を使用して粗さ解析し、その
粗さ分布を三次元マッピングした例を示している。一方
向回転するグラインダにより強く擦られて研磨されるの
で、方向性の強い縞状の起伏が形成されていることがわ
かる。このような表面形状では、動圧発生が不十分とな
ってしまう。一方、図3は、平均粒径40μmの球状炭
化珪素粒子を、投射速度200m/sで投射して面荒ら
し加工した後の表面状態を示す同様の三次元マッピング
である。方向性を有した縞状の起伏が姿を消し、代わっ
て二次元的に一様に分布した多数の凹凸が分散形成され
ていることがわかる。なお、該処理後の面の中心線平均
粗さは0.19μmである。
【0034】(実施例2)図6は、本発明の軸受機構を
使用したポリゴンミラー駆動機構の一例を示すものであ
る。該ポリゴンミラー駆動機構200は、ベース58に
対し、その片面から立ち上がる形態で基端側が埋設され
た固定軸50と、その外側に回転不能に一体化された軸
受部材52と、さらにその軸受部材52aの外側に回転
可能に配置されたポリゴンミラー53とを備える。固定
軸50と軸受部材52aは第一部材を形成し、ポリゴン
ミラー53は第二部材(回転部材)が一体化されたもの
として捕えることができる。そして、それら第一部材と
第二部材とが軸受機構51の要部を構成している、
【0035】軸受部材52の外周面52aは円筒状面と
され、その軸線方向両側には、軸受部材52よりも大径
のスラストベアリング56,56が配置されている。ポ
リゴンミラー53は、軸線方向の挿通孔53aを有する
とともに、回転軸線Oの周囲を取り囲む形態で複数の反
射面53cが多面体状に形成されている。そして、軸受
部材52及び固定軸50が該挿通孔3aに対し挿通され
るとともに、両側の端面がスラストベアリング56,5
6により回転可能に支持されている。そして、挿通孔5
3aの内周面と、軸受部材52の外周面52aとの間に
は、軸受隙間Gが形成されている。この軸受隙間Gは、
潤滑油が充填されず空気(すなわち気体)で満たされた
状態となっている。なお、固定軸50の先端部は、円板
状のマグネットプレート59の中央部を貫く形で突出
し、その突出部に雄ねじ部52bが形成され、ここにね
じ孔(図示せず)を有するリング状のストッパ58が螺
着されている。なお、スラストベアリング56、56
は、実施例1と同様にポリゴンミラー53に対する回転
支持部として機能している。
【0036】次に、ベース部58の板面には、固定軸5
0を取り囲む形態で複数のコイル54が埋設される一
方、ポリゴンミラー53のこれに対向する端面には、複
数の永久磁石55が取り付けられている。これら永久磁
石55は、ベース部58側のコイル54とともに駆動モ
ータ部(駆動部)を構成し、ポリゴンミラー53を軸受
部材5(固定軸50)の周りに一体的に回転駆動する役
割を果たす。また、マグネットプレート57の、ポリゴ
ンミラー53の反対側の端面に対向する板面には、固定
軸50を取り囲む形態で複数の永久磁石57が取り付け
られてる。該磁石57は、その磁力吸引による浮力をポ
リゴンミラー53に与え、ポリゴンミラー53の自重の
全てがスラストベアリング56にかかるのを防止する役
割を果たす。
【0037】そして、ポリゴンミラー53の挿通孔53
aの内周面と、軸受部材52の外周面52aとは、実施
例1と同様に、その少なくとも一方に図2(a)に模式
的に示すような散点状の微小な凹凸Qが分散形成され、
その中心線平均粗さRaが0.1μm〜1.0μm、望
ましくは0.15〜0.2μmとなるように、面荒らし
されている。この面荒らし部の形成方法については、実
施例1と全く同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0038】上記のように構成されたポリゴンミラー駆
動機構200において、前記した駆動モータ部を作動さ
せることにより、例えばポリゴンミラー53を1000
0〜40000rpmの回転速度で回転させる。軸受隙
間Gを挟んで対向する各面52a,53aに、図2に模
式的に示すような微小な凹凸を分散形成し、その中心線
平均粗さを前記範囲に調整してあることから、軸受隙間
Gには固定軸2の半径方向すなわちラジアル方向の動圧
が生じる。このラジアル動圧がポリゴンミラー53の振
れ回り防止に寄与する。
【0039】(実施例3)本発明の軸受機構において
は、第一部材の外周面とこれに対向する前記第二部材の
内周面との少なくとも一方に、前記散点状の微小な凹凸
とともに、ラジアル動圧発生に寄与する溝部を形成する
ことができる。図7にその一例を示している。この軸受
機構71においては、固定軸72の外周面72aと、そ
の外側に配置される回転部材73の挿通孔73aの内周
面との間に軸受隙間Gが形成されている。この固定軸7
2の外周面には、軸線方向の複数箇所(この実施例では
2ケ所)に動圧発生用の溝部72cの列が形成されてい
る。各溝部列は、固定軸72の周方向の基準線BL上
に、各溝部72cの山型(あるいはブーメラン型)のパ
ターンの先端が位置するように、所定の間隔で全周にわ
たって形成したものである(いわゆるヘリングボーン形
態)。また、各列毎に、溝部72cの一方の端部側をつ
なぐ周方向の補助溝部72dが形成されている。
【0040】そして、それら溝部72c,72dを除く
外周面72aの全面には、隣接する溝間部分も含めて、
実施例1あるいは実施例2と同様に、微小な凹凸を分散
形成することによる前述の面荒らし処理が施されてい
る。なお、溝部72c,72cの形成方法は、例えば外
周面72dに、溝パターン形成部を露出させた形でマス
キングを施し、その状態でエッチングを施して溝パター
ンを刻み込んだ後マスキングを除去する方法を例示でき
る。他方、耐摩耗性のマスキングを施し、露出部分にシ
ョットブラスト研削を施して溝パターンを刻み込んでも
よい。いずれの場合も、形成された溝パターンが摩滅し
ないよう、溝以外の表面への凹凸形成用面荒らし処理
は、溝パターン形成前に行うことが望ましい。
【0041】
【実験例】本発明の効果を確認するために、以下の各種
実験を行った。 (実験例1)図8に示す装置を用いて、軸受隙間を挟ん
だ両面の面粗さと、軸受性能との関係を各種条件にて調
べた。まず、図8の装置300は、ベアリングにより回
転可能に支持された円柱状の軸ホルダの一方の端面に、
外周面に各種面荒らし処理を施した軸82(第一部材)
を一体回転可能に取り付け、その軸82の外側に、同じ
く各種面荒らし処理された挿通孔83aを有する円筒状
の被回転体83を装着したものである。なお、軸82
は、被回転体83の両側にてベアリングにより支持して
いる。
【0042】被回転体83は、SCM440にて、外径
30mm、挿通孔半径r2が6mm、軸線方向長さが2
0mmの円筒状に形成している。また、軸82は、その
外周面半径r1を、r2−r1(軸受隙間Gの大きさ)が
0.19〜21.0μmの各種値となるように、切削に
より調整した。なお、切削面の表面粗さは、Ra=0.
09μm、Rmax=1.2μm、Rz=0.9μmであ
った。そして、挿通孔83aの内周面と、軸82の外周
面82aとは、それぞれ、打撃粒子として平均粒径40
〜50μmの球状炭化珪素粒子を、速度180m/秒〜
200m/秒にて投射することにより、その中心線平均
粗さが0.07〜1.5μmの各種値となるように面荒
らし処理した。なお、比較例として、軸8の外周面82
aを周方向のグラインダ研磨(ダイヤモンド砥石、#1
000)処理とし、挿通孔83aの内周面をドリル切削
面としたものも用意した。
【0043】これらを、図8の装置300に組み込み、
軸ホルダ及び軸82を、ベルトを介してサーボモータに
より4000rpm及び8000rpmの各種値にて回
転駆動するとともに、軸82の回転により被回転体83
に生ずる連れ回り力を測定した。動圧が良好に発生して
軸受摩擦が低下すれば上記連れ回り力が低下し、逆に摩
擦が大きくなれば連れ回り力は増大する。なお、該連れ
回り力の測定は、被回転体83の外周面にテグスSの一
端を固定して連れ回り方向と反対側にこれを延ばし、他
端側に取り付けた図示しない荷重計により、テグスSに
生ずる張力を測定する形で行った。
【0044】また、軸受隙間Gのシール状態の評価を以
下のようにして行った。すなわち、図9に示すように、
被回転体83の壁部に、挿通孔83aに連通する測定孔
83h(内径約1.9mm)を形成し、その測定孔83
hにチューブtを介して取り付けたU字管にて、動圧発
生により上昇する軸受隙間Gの圧力と外圧との圧力差H
を読み取った。軸受隙間Gのシール状態が不良であれ
ば、発生した動圧が隙間外に漏洩して圧力が下がるの
で、圧力差Hが減少することとなる。
【0045】以上、摩擦発生状況については、連れ回り
力をFとして、F<5gのものを「◎」、5g≦F<1
0gのものを「○」、10g≦F<15gのものを
「△」、F≧15gのものを「×」とし、シール性につ
いては、圧力差をHとしてH≧100Paのものを
「◎」、50Pa≦H<100Paのものを「○」、1
0Pa≦H<50Paのものを「△」、H<10Paの
ものを「×」として、それぞれ評価した。結果を、表1
及び表2に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】すなわち、表1の結果から、挿通孔83a
の内周面と、軸82の外周面82aとの中心線平均粗さ
Raを0.1μm〜1.0μmの範囲にて調整すること
で、回転の摩擦が低減され、かつシール性も良好である
ことがわかる。とりわけ、Raが0.15〜0.2μm
の範囲では、低速回転時(4000rpm)においても
極めて良好なシール性が達成されている。なお、番号1
0及び11の結果によれば、挿通孔83aの内周面と、
軸82の外周面82aの一方のみが、上記の粗さ条件を
満たしている場合でも比較的良好な結果が得られるが、
番号2〜8の結果と比較することにより、双方ともに条
件を満たしている場合に、より優秀な結果が得られるこ
とが明らかである。一方、微小な凹凸が分散形成されな
い面状態となる表2の番号29においては、粗さ範囲が
上記の条件を満たしているにも拘わらず、全く不調な結
果に終わっている。
【0049】他方、表2の結果によれば、r2−r1の値
を0.2〜20μmの範囲にて調整することで、特に高
速回転時(8000rpm)の発生摩擦が小さくなって
おり、動圧発生状況がより良好となることがわかる。
【0050】なお、軸82に対して、各種平均粒径の炭
化珪素粒子を各種速度にて、1処理当り0.2分投射す
ることにより得られる荒らし面の、中心線平均粗さR
a、最大高さRmax、10点平均粗さRzの測定結果を
表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】平均粒子径が5〜100μmの範囲にて調
整された打撃粒子を、50m/秒〜300m/秒の速度
にて投射した場合に、本発明に好適な粗さが得られてい
ることがわかる。
【0053】(実験例2)実施例1と同様の材質にて、
被回転体83を、外径20mm、挿通孔半径r2が3m
m、軸線方向長さが20mmの円筒状に形成した。ま
た、軸82は、その外周面半径r1を、r2−r1(軸受
隙間Gの大きさ)が8μmとなるように調整した。そし
て、挿通孔83aの内周面と、軸82の外周面82aと
は、それぞれ、打撃粒子として平均粒径40〜50μm
の球状炭化珪素粒子を、速度180m/秒〜220m/
秒にて投射することにより、その中心線平均粗さが0.
01〜0.3μmの各種値となるように面荒らし処理し
た。こうして面荒らし処理した軸82は、各々の条件毎
に2本ずつ用意し、そのうちの一方に、図7に示すのと
同様の形態の溝部を、図10に示す寸法にて形成した。
これらを、図8の装置300に組み込み、摩擦発生状況
及びシール性の評価を同様に行った結果を、表4に示
す。
【0054】
【表4】
【0055】すなわち、溝部を形成したものについて
は、シール性及び摩擦発生状況ともに良好であることが
わかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の軸受機構を採用したハードディスク駆
動機構の一例を示す縦断面図。
【図2】その荒らし面の状況を模式的に示す説明図。
【図3】硬質粒子投射により形成された荒らし面の三次
元マッピングの一例を示す図。
【図4】グラインダ研磨により形成した比較例の荒らし
面の三次元マッピングを示す図。
【図5】硬質粒子投射による面荒らし工程のいくつかの
例を模式的に説明する図。
【図6】本発明の軸受機構を採用したポリゴンミラー駆
動機構の一例を示す縦断面図。
【図7】荒らし面に微小な凹凸とともに溝部を形成する
一例を示す説明図。
【図8】実験例1及び実験例2にて使用した、軸受隙間
の摩擦力評価装置の模式図。
【図9】同じく、軸受隙間のシール性評価の原理説明
図。
【図10】実験例2にて、軸側に形成した溝部の寸法を
示す図。
【符号の説明】 1 軸受機構 2 軸(第一部材) 2a 外周面 2b 取付ねじ部 3 回転体(第二部材) 3a 挿通孔 4 回転ディスクホルダ 6 ハードディスク 7 ベアリング(回転支持部) 11 コイル 12 永久磁石 B 打撃粒子 50 軸 51 軸受機構 52 軸受部材(第一部材) 52a 外周面 52b 取付ねじ部 53 ポリゴンミラー 53a 挿通孔 54 コイル 55 永久磁石 100 ハードディスク駆動機構 200 ポリゴンミラー駆動機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 7/08 B41J 3/00 D (72)発明者 加藤 万規男 三重県三重郡川越町亀須新田354−3 Fターム(参考) 2C362 BA10 2H045 AA13 AA23 3J011 AA04 BA02 CA10 DA02 KA02 MA02 PA02 5H607 AA04 BB01 BB14 BB17 BB25 CC01 DD02 DD03 EE10 GG01 GG04 GG12 GG14

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸状の第一部材と、 その第一部材が挿通される挿通孔を有し、該挿通孔にお
    ける前記第一部材の軸線周りの相対回転を許容した状態
    にて、前記挿通孔内面と前記第一部材の外周面との間
    に、気体にて満たされた所定量の軸受隙間を形成する第
    二部材とを備え、 前記第一部材の外周面とこれに対向する前記第二部材の
    内周面との少なくとも一方に、散点状の微小な凹凸を分
    散形成して面荒らしすることにより、その中心線平均粗
    さを0.1μm〜1.0μmの範囲にて調整し、前記第
    一部材と前記第二部材とを相対回転させることにより、
    前記軸受隙間において、前記第一部材の周囲にラジアル
    動圧を発生させるようにしたことを特徴とする軸受機
    構。
  2. 【請求項2】 前記第一部材の外周面とこれに対向する
    前記第二部材の内周面との少なくとも一方の中心線平均
    粗さを、0.15μm〜0.2μmの範囲にて調整した
    請求項1記載の軸受機構。
  3. 【請求項3】 前記第一部材の円柱状の外周面半径をr
    1、前記第二部材の円柱状の内周面半径をr2としたとき
    に、r2−r1が0.2〜20μmの範囲にて調整されて
    いる請求項1又は2に記載の軸受機構。
  4. 【請求項4】 前記第一部材の外周面半径をr1、前記
    第二部材の内周面半径をr2、各面の円筒度をCとした
    ときに、C≦(r2−r1)/2を満足している請求項1
    ないし3のいずれかに記載の軸受機構。
  5. 【請求項5】 前記第一部材の外周面に散点状の微小な
    凹凸を分散形成して面荒らしすることにより、その中心
    線平均粗さRaを0.1μm〜1.0μmの範囲にて調
    整する一方、前記第二部材の内周面の中心線平均粗さR
    aを1.0μm以下に調整した請求項1ないし4のいず
    れかに記載の軸受機構。
  6. 【請求項6】 前記第一部材には、前記第二部材側に形
    成された被支持部に当接する形で設けられ、前記第二部
    材の前記軸受隙間の範囲でのラジアル方向移動を許容し
    つつ、これを回転可能に支持する回転支持部が形成され
    ている請求項1ないし5のいずれかに記載の軸受機構。
  7. 【請求項7】 前記散点状の微小な凹凸は、平均粒子径
    が5〜100μmの範囲にて調整された打撃粒子を、前
    記凹凸の形成面部に対し50m/秒〜300m/秒の速
    度にて投射することにより形成されたものである請求項
    1ないし6のいずれかに記載の軸受機構。
  8. 【請求項8】 前記散点状の微小な凹凸は、前記打撃粒
    子として、前記形成面部を構成する材質よりも硬質の粒
    子を使用することにより形成されたものである請求項7
    記載の軸受機構。
  9. 【請求項9】 前記散点状の微小な凹凸は、前記打撃粒
    子として、球状の粒子を使用することにより形成された
    ものである請求項7又は8に記載の軸受機構。
  10. 【請求項10】 前記散点状の微小な凹凸は、前記形成
    面部に対し前記打撃粒子の投射を複数回繰り返すことに
    より形成されたものである請求項7ないし9のいずれか
    に記載の軸受機構。
  11. 【請求項11】 前記第一部材の外周面とこれに対向す
    る前記第二部材の内周面との少なくとも一方に、前記散
    点状の微小な凹凸とともに、前記ラジアル動圧発生に寄
    与する溝部を形成した請求項1ないし10のいずれかに
    記載の軸受機構。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれかに記載
    の軸受機構と、 その軸受機構の前記第一部材及び前記第二部材のうち一
    方を固定側、他方を回転側として、その回転側となる部
    材(以下、回転部材という)を回転駆動する駆動部と、 前記回転部材に取り付けられてこれと一体的に回転する
    ハードディスクとを備えたことを特徴とするハードディ
    スク駆動機構。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし11のいずれかに記載
    の軸受機構と、 その軸受機構の前記第一部材及び前記第二部材のうち一
    方を固定側、他方を回転側として、その回転側となる部
    材(以下、回転部材という)を回転駆動する駆動部と、 その回転部材に一体化されるとともに、その回転軸線の
    周囲を取り囲む形態で複数の反射面が多面体状に形成さ
    れたポリゴンミラーとを備えたことを特徴とするポリゴ
    ンミラー駆動機構。
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US09/492,832 US6338574B1 (en) 1999-01-27 2000-01-27 Bearing mechanism, hard disk drive mechanism and polygon mirror drive mechanism using the bearing mechanism, and method for manufacturing herringbone groove portions of dynamic-pressure bearing
DE10003461A DE10003461A1 (de) 1999-01-27 2000-01-27 Lagervorrichtung, Festplattenantrieb und Polygonspiegelantrieb mit einer solchen Lagervorrichtung, sowie Verfahren zur Herstellung von mit einer Fischgrätenrillung versehenen Teilen von dynamischen Drucklagern

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006002937A (ja) * 2004-05-20 2006-01-05 Minebea Co Ltd 流体動圧軸受装置およびその製造方法、スピンドルモータ、および記録ディスク駆動装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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