JP2000212935A - 遮水層 - Google Patents
遮水層Info
- Publication number
- JP2000212935A JP2000212935A JP11015850A JP1585099A JP2000212935A JP 2000212935 A JP2000212935 A JP 2000212935A JP 11015850 A JP11015850 A JP 11015850A JP 1585099 A JP1585099 A JP 1585099A JP 2000212935 A JP2000212935 A JP 2000212935A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- bentonite
- layer
- water barrier
- impermeable
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Revetment (AREA)
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 遮水層を組成する低透水性材料と固化材料を
混合させて、低透水性材料の膨潤性を発揮させて、遮水
層の遮水性を長期に渡って発揮させる。 【解決手段】 地盤1の掘削部1aの上に、骨材と、水
分が補給されることにもとづき膨潤する低透水性材料
と、固化材料と混合して成る下地層21、遮水層22を
形成し、この遮水層22の低透水性材料として対電解質
ベントナイト6aを用いた。
混合させて、低透水性材料の膨潤性を発揮させて、遮水
層の遮水性を長期に渡って発揮させる。 【解決手段】 地盤1の掘削部1aの上に、骨材と、水
分が補給されることにもとづき膨潤する低透水性材料
と、固化材料と混合して成る下地層21、遮水層22を
形成し、この遮水層22の低透水性材料として対電解質
ベントナイト6aを用いた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土木構造物等に適
用される遮水層に関する。
用される遮水層に関する。
【0002】
【従来の技術】図6ないし図7は、産業廃棄物を処分す
るための堆積場の一例を示す断面図であり、各図におい
て、1aは地盤1を凹状に掘削した掘削部、2は掘削部
1aの表面を覆うようにコンクリートを打設し、遮水を
行う遮水層、3は遮水層2の上に敷設されたゴムあるい
は合成ゴム,樹脂材等より成る単層又は多層の遮水シー
ト、4は遮水シート3の底部5側に堆積されて、シート
3を保護する保護砂である。
るための堆積場の一例を示す断面図であり、各図におい
て、1aは地盤1を凹状に掘削した掘削部、2は掘削部
1aの表面を覆うようにコンクリートを打設し、遮水を
行う遮水層、3は遮水層2の上に敷設されたゴムあるい
は合成ゴム,樹脂材等より成る単層又は多層の遮水シー
ト、4は遮水シート3の底部5側に堆積されて、シート
3を保護する保護砂である。
【0003】コンクリートより成る上記遮水層2は、通
常主材となる砂及び砂利等の骨材と、ベントナイトやカ
オリン等を含む低透水性材料と、これらを固めるセメン
ト等の固化材料とをミキサで攪拌混合して遮水構造材と
し、この遮水構造材を打設して、遮水層2として築造し
ている。
常主材となる砂及び砂利等の骨材と、ベントナイトやカ
オリン等を含む低透水性材料と、これらを固めるセメン
ト等の固化材料とをミキサで攪拌混合して遮水構造材と
し、この遮水構造材を打設して、遮水層2として築造し
ている。
【0004】ベントナイト6は、粘土鉱物の一種であ
り、結晶構造は、図8に示すように結晶板7a,7bの
内側に、陽性のナトリウムイオン8を有し、このナトリ
ウムイオン8の回りには、水分子9が付着したものであ
り、結晶板7a,7bの層の間に上記水分子9より成る
層間水を含んだ構造となっている。この層間の水分子9
より成る層間水のイオン濃度は、ベントナイト6まわり
の水分子9のイオン濃度より高いので、浸透圧差を生
じ、この浸透圧差でまわりの水分子9が層間に補給され
る。この水分子9の補給は、ナトリウムイオン8と結晶
板7a,7bとが結合しているので、この結合力と、上
記浸透圧力とが釣り合うまで行われる。このように、ベ
ントナイト6にはその回りの水分子9が補給されること
になり、このことからベントナイト6は、図9に示すよ
うに水分を吸収して膨張し、膨潤する性質を有する。
り、結晶構造は、図8に示すように結晶板7a,7bの
内側に、陽性のナトリウムイオン8を有し、このナトリ
ウムイオン8の回りには、水分子9が付着したものであ
り、結晶板7a,7bの層の間に上記水分子9より成る
層間水を含んだ構造となっている。この層間の水分子9
より成る層間水のイオン濃度は、ベントナイト6まわり
の水分子9のイオン濃度より高いので、浸透圧差を生
じ、この浸透圧差でまわりの水分子9が層間に補給され
る。この水分子9の補給は、ナトリウムイオン8と結晶
板7a,7bとが結合しているので、この結合力と、上
記浸透圧力とが釣り合うまで行われる。このように、ベ
ントナイト6にはその回りの水分子9が補給されること
になり、このことからベントナイト6は、図9に示すよ
うに水分を吸収して膨張し、膨潤する性質を有する。
【0005】図9において水分子9が回りから補給され
て膨潤して体積が増えることにより、遮水層2中の僅か
な間隙を埋める作用を有して遮水性能を発揮する。この
膨潤は浸透圧膨潤と呼ばれ、層間の層間水のイオン濃度
が高いので、一旦層間に取込まれた水分子9は、簡単に
は結晶板7a,7bの外側に出ていくことができない。
ただし、乾燥すると層間から外側に出ていき、体積が減
り凝集する。
て膨潤して体積が増えることにより、遮水層2中の僅か
な間隙を埋める作用を有して遮水性能を発揮する。この
膨潤は浸透圧膨潤と呼ばれ、層間の層間水のイオン濃度
が高いので、一旦層間に取込まれた水分子9は、簡単に
は結晶板7a,7bの外側に出ていくことができない。
ただし、乾燥すると層間から外側に出ていき、体積が減
り凝集する。
【0006】固化材料として用いられるセメントは、ポ
ゾラン反応によって固化して強度を発現する。ポゾラン
反応の中心的役割をするのがセメントに含まれるカルシ
ウムイオン10である。
ゾラン反応によって固化して強度を発現する。ポゾラン
反応の中心的役割をするのがセメントに含まれるカルシ
ウムイオン10である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】つぎに、固化材料とし
てのセメントと混合させた状態では、図10に示すよう
に、ベントナイト6は、陽イオン交換性が強く、内側に
ある+1価のナトリウムイオン8と固化材料のセメント
に含まれる+2価のカルシウムイオン10とを交換して
しまう。ナトリウムイオン8はベントナイト6の外側に
出て行き、カルシウムイオン10がベントナイト6の内
側に取り込まれてしまう。このカルシウムイオン10
は、ナトリウムイオン8に比べ、結晶板7a,7bと結
合する力が強い。そのため、一度乾燥すると、結晶板7
a,7bの層間に水分子9が補給されなくなって層間の
水分子9の量が少なくなり、膨潤性が落ちてしまうとい
う問題がある。図11に示すように、ベントナイト6が
あまり膨潤しないことになると、隙間11がベントナイ
ト6間に発生してしまって、ベントナイト6の隙間11
から水Wがゆっくりと通ってしまうので遮水性能を十分
発揮できなくなってしまう。また、固化材料であるセメ
ントについては、固化反応の主体であるカルシウムイオ
ン10がベントナイト6に取り込まれるために、カルシ
ウムイオン10が不足することから強度の発現性が低く
なってしまう。
てのセメントと混合させた状態では、図10に示すよう
に、ベントナイト6は、陽イオン交換性が強く、内側に
ある+1価のナトリウムイオン8と固化材料のセメント
に含まれる+2価のカルシウムイオン10とを交換して
しまう。ナトリウムイオン8はベントナイト6の外側に
出て行き、カルシウムイオン10がベントナイト6の内
側に取り込まれてしまう。このカルシウムイオン10
は、ナトリウムイオン8に比べ、結晶板7a,7bと結
合する力が強い。そのため、一度乾燥すると、結晶板7
a,7bの層間に水分子9が補給されなくなって層間の
水分子9の量が少なくなり、膨潤性が落ちてしまうとい
う問題がある。図11に示すように、ベントナイト6が
あまり膨潤しないことになると、隙間11がベントナイ
ト6間に発生してしまって、ベントナイト6の隙間11
から水Wがゆっくりと通ってしまうので遮水性能を十分
発揮できなくなってしまう。また、固化材料であるセメ
ントについては、固化反応の主体であるカルシウムイオ
ン10がベントナイト6に取り込まれるために、カルシ
ウムイオン10が不足することから強度の発現性が低く
なってしまう。
【0008】すなわち、強度を発現するセメントと、遮
水を行うベントナイト6をそのまま混合すると、本来の
両者の長所を互いに打ち消し合うという問題点があっ
た。
水を行うベントナイト6をそのまま混合すると、本来の
両者の長所を互いに打ち消し合うという問題点があっ
た。
【0009】従って、遮水層2が乾燥するときにクラッ
クが生じる問題点があった。すなわち、このような従来
の遮水性の粘性土あるいは骨材に固化材料と低透水性材
料とを混合し、スラリー化した遮水構造材で遮水層2を
構築すると、この遮水構造材が乾燥するときに収縮し、
クラックが発生することがある。このクラックが水みち
となり、この水みちを水が通って漏水するので遮水層2
の遮水性能が発揮できなくなる。また、遮水構造材にソ
イルセメントを用い、遮水層2の上に盛り土等の重量物
を設置すると、このソイルセメントは、強度に優れるが
変形追随性に乏しいので、重量物の偏った荷重によって
応力が生じて、たわみ性曲げひび割れ等のクラックが発
生してしまう。
クが生じる問題点があった。すなわち、このような従来
の遮水性の粘性土あるいは骨材に固化材料と低透水性材
料とを混合し、スラリー化した遮水構造材で遮水層2を
構築すると、この遮水構造材が乾燥するときに収縮し、
クラックが発生することがある。このクラックが水みち
となり、この水みちを水が通って漏水するので遮水層2
の遮水性能が発揮できなくなる。また、遮水構造材にソ
イルセメントを用い、遮水層2の上に盛り土等の重量物
を設置すると、このソイルセメントは、強度に優れるが
変形追随性に乏しいので、重量物の偏った荷重によって
応力が生じて、たわみ性曲げひび割れ等のクラックが発
生してしまう。
【0010】このように従来は、ベントナイト6とセメ
ントを混合すると、ベントナイト6は、内部のナトリウ
ムイオン8とセメントのカルシウムイオン10とをイオ
ン交換して内部に取り込む化学変化を起こし変成するの
で、ベントナイト6が乾燥すると膨潤せずに遮水性能が
落ちていた。また、遮水層2が乾燥収縮するときに、ク
ラックが発生し、このクラックから漏水するので、遮水
層2の遮水性能が発揮できなくなるという問題点があっ
た。
ントを混合すると、ベントナイト6は、内部のナトリウ
ムイオン8とセメントのカルシウムイオン10とをイオ
ン交換して内部に取り込む化学変化を起こし変成するの
で、ベントナイト6が乾燥すると膨潤せずに遮水性能が
落ちていた。また、遮水層2が乾燥収縮するときに、ク
ラックが発生し、このクラックから漏水するので、遮水
層2の遮水性能が発揮できなくなるという問題点があっ
た。
【0011】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたもので、遮水性能を長期に渡って発揮するととも
に、クラックが発生しても長期に渡って遮水性能を発揮
することを目的とする。
れたもので、遮水性能を長期に渡って発揮するととも
に、クラックが発生しても長期に渡って遮水性能を発揮
することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の遮水層は、低透水性材料として対電解質ベントナイト
を用いたものである。
の遮水層は、低透水性材料として対電解質ベントナイト
を用いたものである。
【0013】本発明の請求項2に記載の遮水層は、遮水
層を下地層で支持したものである。
層を下地層で支持したものである。
【0014】本発明の請求項3に記載の遮水層は、下地
層は、その上の遮水層よりも固化材料を多くして、機械
的強度を大きくしたものである。
層は、その上の遮水層よりも固化材料を多くして、機械
的強度を大きくしたものである。
【0015】本発明の請求項4に記載の遮水層は、廃棄
物堆積場内の内面に遮水層を形成したものである。
物堆積場内の内面に遮水層を形成したものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づき説明する。
て図面に基づき説明する。
【0017】実施の形態1.図1ないし図2は、本発明
の実施の形態1に係わる遮水層を堆積場に適用した一例
を示す断面図であり、図6ないし図7と同じものは同一
符号を用いている。この場合、21は凹状の掘削部1a
の上を覆うように打設され、ベントナイト6と固化材料
と骨材とより成る、強度を大きくした下地層、22は下
地層21の上に打設され、カルシウムイオン10を含む
セメント中でも水分を吸収して膨張して膨潤する対電解
質ベントナイト6aを低透水性材料に用い、下地層21
よりも遮水性能が優れており、破損部の修復ができる遮
水層である。
の実施の形態1に係わる遮水層を堆積場に適用した一例
を示す断面図であり、図6ないし図7と同じものは同一
符号を用いている。この場合、21は凹状の掘削部1a
の上を覆うように打設され、ベントナイト6と固化材料
と骨材とより成る、強度を大きくした下地層、22は下
地層21の上に打設され、カルシウムイオン10を含む
セメント中でも水分を吸収して膨張して膨潤する対電解
質ベントナイト6aを低透水性材料に用い、下地層21
よりも遮水性能が優れており、破損部の修復ができる遮
水層である。
【0018】下地層21、遮水層22の築造方法は、ま
ず、下地層21を築造する。地盤1を凹状に掘削したと
きに発生する現地発生土を乾燥させて、砂状にする。こ
の砂と砂利とを混ぜた骨材と、遮水性のある低透水性材
料のパウダー状ベントナイト6と、固化材料のセメント
とをミキサで攪拌混合して遮水構造材とする。この遮水
構造材を掘削部1aの上に打設して、層厚が40〜50
cm程度の下地層21を築造する。このように層厚があ
る下地層21を築造するので、掘削部1aに凹凸があっ
ても、表面を平滑にできる。
ず、下地層21を築造する。地盤1を凹状に掘削したと
きに発生する現地発生土を乾燥させて、砂状にする。こ
の砂と砂利とを混ぜた骨材と、遮水性のある低透水性材
料のパウダー状ベントナイト6と、固化材料のセメント
とをミキサで攪拌混合して遮水構造材とする。この遮水
構造材を掘削部1aの上に打設して、層厚が40〜50
cm程度の下地層21を築造する。このように層厚があ
る下地層21を築造するので、掘削部1aに凹凸があっ
ても、表面を平滑にできる。
【0019】この下地層21は、現地発生土を用いた骨
材、ベントナイト6、セメントを混合し、かつ、下地層
21の固化材料としてのセメントは、遮水層22よりも
その混入量を多くしているので、遮水層22を支持する
のに十分な機械的強度が与えられる。しかも、圧縮強度
が強く、従来と同様の遮水性能を持つ。圧縮強度が強い
ので、基礎地盤1が軟弱であっても、遮水層22にずれ
等が生じることがない。ベントナイト6は、セメントに
より膨潤性が若干落ちているが、下地層21により乾燥
収縮することがないので、膨潤できる。
材、ベントナイト6、セメントを混合し、かつ、下地層
21の固化材料としてのセメントは、遮水層22よりも
その混入量を多くしているので、遮水層22を支持する
のに十分な機械的強度が与えられる。しかも、圧縮強度
が強く、従来と同様の遮水性能を持つ。圧縮強度が強い
ので、基礎地盤1が軟弱であっても、遮水層22にずれ
等が生じることがない。ベントナイト6は、セメントに
より膨潤性が若干落ちているが、下地層21により乾燥
収縮することがないので、膨潤できる。
【0020】つぎに、この下地層21の上に遮水層22
を築造する。砂及び砂利の骨材とセメントの固化材料と
対電解質ベントナイト6aの低透水性材料とをミキサで
攪拌混合して遮水構造材とする。この遮水構造材を下地
層21の上に打設して、層厚が数cm程度の遮水層22
を築造する。
を築造する。砂及び砂利の骨材とセメントの固化材料と
対電解質ベントナイト6aの低透水性材料とをミキサで
攪拌混合して遮水構造材とする。この遮水構造材を下地
層21の上に打設して、層厚が数cm程度の遮水層22
を築造する。
【0021】対電解質ベントナイト6aは、通常のベン
トナイト6とは異なり、内側に活性物質24を含んでお
り、この活性物質24は高極性の中性非プロトン性物質
であり、ナトリウムイオン8を内側に引き付けている。
ナトリウムイオン8が外側に出て行くことがないので、
イオン交換されずに対電解質ベントナイト6aが水分子
9を内側に含み水分吸収して膨張し、膨潤できるので、
対電解質ベントナイト6aは、カルシウムイオン10を
含むセメントが回りにあっても遮水性能を落とすことが
ない。この膨潤性に富む対電解質ベントナイト6aを用
いることにより、下地層21との接合性が良好で、かつ
破損部を修復する自己修復性(膨潤性)に富んだ遮水層
22を作成できる。
トナイト6とは異なり、内側に活性物質24を含んでお
り、この活性物質24は高極性の中性非プロトン性物質
であり、ナトリウムイオン8を内側に引き付けている。
ナトリウムイオン8が外側に出て行くことがないので、
イオン交換されずに対電解質ベントナイト6aが水分子
9を内側に含み水分吸収して膨張し、膨潤できるので、
対電解質ベントナイト6aは、カルシウムイオン10を
含むセメントが回りにあっても遮水性能を落とすことが
ない。この膨潤性に富む対電解質ベントナイト6aを用
いることにより、下地層21との接合性が良好で、かつ
破損部を修復する自己修復性(膨潤性)に富んだ遮水層
22を作成できる。
【0022】この活性物質24は、セメントの固化反応
を落としてしまうので、遮水層22の強度が不足してし
まう。不足した強度は、遮水層22を機械的強度の大き
な下地層21が支えるようにして補うようになってい
る。このベントナイト6aを使用することにより経済的
に優れ、遮水性能にも優れた遮水層22を築造できる。
を落としてしまうので、遮水層22の強度が不足してし
まう。不足した強度は、遮水層22を機械的強度の大き
な下地層21が支えるようにして補うようになってい
る。このベントナイト6aを使用することにより経済的
に優れ、遮水性能にも優れた遮水層22を築造できる。
【0023】図3に示すように、遮水層22の破損部の
修復性を説明すると、下地層21、遮水層22にクラッ
ク25が入り、破損部のクラック25に水が通って遮水
性能を落とすことがある。このクラック25は、地盤1
が圧密不等沈下したり、地震等により地盤1に歪みが発
生したり、下地層21、遮水層22の上に局所的な荷重
をかけた場合に発生する。
修復性を説明すると、下地層21、遮水層22にクラッ
ク25が入り、破損部のクラック25に水が通って遮水
性能を落とすことがある。このクラック25は、地盤1
が圧密不等沈下したり、地震等により地盤1に歪みが発
生したり、下地層21、遮水層22の上に局所的な荷重
をかけた場合に発生する。
【0024】図4に示すように、遮水層22の膨潤性が
優れた対電解質ベントナイト6aが水を含み膨潤して、
クラック25内に入り込み、浸透する。膨潤した対電解
質ベントナイト6aが下地層21、遮水シート3のクラ
ック25を塞ぐので、水がクラック25を通じて漏水す
ることがない。そのため、クラック25が発生しても下
地層21、遮水層22は、クラックが発生する以前と同
等かそれ以上の遮水性能を発揮することができる。海水
や廃棄物に含まれる電解質水溶液が、遮水層22に入り
込んでも、対電解質ベントナイト6aが膨潤できるの
で、遮水性能を発揮することができる。このように遮水
層22は、破損部の修復性に富んだ、遮水性能が優れた
ものである。この対電解質ベントナイトは、セメントの
固化反応を落とすので、遮水層22の強度を向上するに
は不向きであるが、長期的に渡って膨潤性を示し、例え
乾燥しても水を吸収して再膨潤することが可能となるの
で、遮水性能に優れたものとして、遮水層22を維持す
る。
優れた対電解質ベントナイト6aが水を含み膨潤して、
クラック25内に入り込み、浸透する。膨潤した対電解
質ベントナイト6aが下地層21、遮水シート3のクラ
ック25を塞ぐので、水がクラック25を通じて漏水す
ることがない。そのため、クラック25が発生しても下
地層21、遮水層22は、クラックが発生する以前と同
等かそれ以上の遮水性能を発揮することができる。海水
や廃棄物に含まれる電解質水溶液が、遮水層22に入り
込んでも、対電解質ベントナイト6aが膨潤できるの
で、遮水性能を発揮することができる。このように遮水
層22は、破損部の修復性に富んだ、遮水性能が優れた
ものである。この対電解質ベントナイトは、セメントの
固化反応を落とすので、遮水層22の強度を向上するに
は不向きであるが、長期的に渡って膨潤性を示し、例え
乾燥しても水を吸収して再膨潤することが可能となるの
で、遮水性能に優れたものとして、遮水層22を維持す
る。
【0025】下地層21、遮水層22の層厚及び透水係
数について説明する。従来例の如く、透水係数が一定の
均質な材料を用いて、単層の遮水層2を構築すると、必
要な遮水性能は層厚Lが50cm以上であり、透水係数
kが1×10-6cm/sec以上の遮水性能が必要であ
る。この透水係数は、1秒当たりに水が遮水層2を浸透
通過する距離である。
数について説明する。従来例の如く、透水係数が一定の
均質な材料を用いて、単層の遮水層2を構築すると、必
要な遮水性能は層厚Lが50cm以上であり、透水係数
kが1×10-6cm/sec以上の遮水性能が必要であ
る。この透水係数は、1秒当たりに水が遮水層2を浸透
通過する距離である。
【0026】この遮水性能をn層の遮水層で得るために
は、各層の層厚をH1,H2,…,Hn、各層の透水係
数をk1,k2,…,knとすると、以下に示す式
(1)の関係が成り立っていればよい。 (H1/k1)+(H2/k2)+…+(Hn/kn)≧L/k (1) この式(1)の意味は、水がn層の遮水層を通過する時
間が、単層の遮水層を通過する時間(L/k)よりも長
くなっていればよいことを示し、およそ1年7ヶ月以上
の時間となる。
は、各層の層厚をH1,H2,…,Hn、各層の透水係
数をk1,k2,…,knとすると、以下に示す式
(1)の関係が成り立っていればよい。 (H1/k1)+(H2/k2)+…+(Hn/kn)≧L/k (1) この式(1)の意味は、水がn層の遮水層を通過する時
間が、単層の遮水層を通過する時間(L/k)よりも長
くなっていればよいことを示し、およそ1年7ヶ月以上
の時間となる。
【0027】図5に示すように、本実施例の如く、2層
で構築した場合では、遮水性能が優れた遮水層22の層
厚H1及び透水係数k1を決定することにより、全体の
遮水層の遮水性能を決定することができる。下地層21
は、遮水層22に比べて遮水性能がやや劣るが、下地層
21を付加することにより、遮水層22の遮水性能を有
効に発揮させて、高い遮水性能を発揮することができる
とともに、この遮水層22の保持力を増加して遮水層2
2の強度を強化し得る。
で構築した場合では、遮水性能が優れた遮水層22の層
厚H1及び透水係数k1を決定することにより、全体の
遮水層の遮水性能を決定することができる。下地層21
は、遮水層22に比べて遮水性能がやや劣るが、下地層
21を付加することにより、遮水層22の遮水性能を有
効に発揮させて、高い遮水性能を発揮することができる
とともに、この遮水層22の保持力を増加して遮水層2
2の強度を強化し得る。
【0028】例えば、遮水層22の層厚H1を5cmと
すると、透水係数k2が1×10-7cm/sec以上で
あれば必要な遮水性能を得ることができる。この遮水層
22の層厚H1に、下地層21の層厚H2を加えた層厚
Lが50cm以上になっていればよい。
すると、透水係数k2が1×10-7cm/sec以上で
あれば必要な遮水性能を得ることができる。この遮水層
22の層厚H1に、下地層21の層厚H2を加えた層厚
Lが50cm以上になっていればよい。
【0029】なお、本発明は、下地層21で対電解質ベ
ントナイト6aを含む遮水層22を保持するものについ
て説明したが、遮水層22に対し一定の機械的強度を持
たせることのできるものであれば、この下地層21を省
略して、遮水層22を単体で用いてもよい。
ントナイト6aを含む遮水層22を保持するものについ
て説明したが、遮水層22に対し一定の機械的強度を持
たせることのできるものであれば、この下地層21を省
略して、遮水層22を単体で用いてもよい。
【0030】遮水層22に、対電解質ベントナイト6a
を用いたが、セメント量を少なくして、ベントナイト6
を混合して、遮水性能が優れたものを用いて、遮水層2
2を築造してもよい。
を用いたが、セメント量を少なくして、ベントナイト6
を混合して、遮水性能が優れたものを用いて、遮水層2
2を築造してもよい。
【0031】また、下地層21、遮水層22を築造する
ときに、土質材料の砂として、現地発生土を乾燥させた
ものを用いていたが、購入した砂を用いてもよい。ま
た、パウダー状のベントナイト6、対電解質ベントナイ
ト6aだけでなく、粒を大きくした粒子状のベントナイ
ト6、対電解質ベントナイト6aを適用してもよい。ま
た、遮水構造材をミキサで攪拌混合して、下地層21、
遮水層22を築造していたが、掘削部1aの上にベント
ナイト6,6aをまいて、スタビライザで遮水構造材を
攪拌するようにしてもよい。
ときに、土質材料の砂として、現地発生土を乾燥させた
ものを用いていたが、購入した砂を用いてもよい。ま
た、パウダー状のベントナイト6、対電解質ベントナイ
ト6aだけでなく、粒を大きくした粒子状のベントナイ
ト6、対電解質ベントナイト6aを適用してもよい。ま
た、遮水構造材をミキサで攪拌混合して、下地層21、
遮水層22を築造していたが、掘削部1aの上にベント
ナイト6,6aをまいて、スタビライザで遮水構造材を
攪拌するようにしてもよい。
【0032】低透水性材料には、ベントナイト6の他
に、カオリン、アスファルト乳剤を用いてもよい。
に、カオリン、アスファルト乳剤を用いてもよい。
【0033】なお、本発明については、堆積場に遮水層
を構築する場合について説明したが、本発明はこれに限
定されずに、河川の底面及び斜面やゴルフ場の池に本発
明を適用して、漏水防止を行わせてもよく、砂漠の地下
に本発明を適用し、砂漠の地下にダムを構築してもよ
い。
を構築する場合について説明したが、本発明はこれに限
定されずに、河川の底面及び斜面やゴルフ場の池に本発
明を適用して、漏水防止を行わせてもよく、砂漠の地下
に本発明を適用し、砂漠の地下にダムを構築してもよ
い。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、低透水性材料として対電解質ベントナイ
トを用いたので、遮水性能を長期に渡って発揮できると
ともに、クラックが発生しても長期に渡って遮水性能を
発揮できる。
発明によれば、低透水性材料として対電解質ベントナイ
トを用いたので、遮水性能を長期に渡って発揮できると
ともに、クラックが発生しても長期に渡って遮水性能を
発揮できる。
【0035】また、請求項2に記載の発明によれば、遮
水層を下地層で支持したので、遮水性能を長期に渡って
発揮できるとともに、クラックが発生しても長期に渡っ
て遮水性能を発揮できる。
水層を下地層で支持したので、遮水性能を長期に渡って
発揮できるとともに、クラックが発生しても長期に渡っ
て遮水性能を発揮できる。
【0036】また、請求項3に記載の発明によれば、下
地層は、その上の遮水層よりも固化材料を多くして、機
械的強度を大きくしたので、遮水性能を長期に渡って発
揮できるとともに、クラックが発生しても長期に渡って
遮水性能を発揮できる。
地層は、その上の遮水層よりも固化材料を多くして、機
械的強度を大きくしたので、遮水性能を長期に渡って発
揮できるとともに、クラックが発生しても長期に渡って
遮水性能を発揮できる。
【0037】また、請求項4に記載の発明によれば、廃
棄物堆積場内の内面に遮水層を形成したので、遮水性能
を長期に渡って発揮できるとともに、クラックが発生し
ても長期に渡って遮水性能を発揮できる。
棄物堆積場内の内面に遮水層を形成したので、遮水性能
を長期に渡って発揮できるとともに、クラックが発生し
ても長期に渡って遮水性能を発揮できる。
【図1】 本発明の実施の形態1に係わる遮水層の構成
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図2】 実施の形態1に係わる遮水層の構成を示す断
面図である。
面図である。
【図3】 実施の形態1に係わる遮水層の構成を示す断
面図である。
面図である。
【図4】 実施の形態1に係わる遮水層の構成を示す断
面図である。
面図である。
【図5】 実施の形態1に係わる遮水層の構成を示す断
面図である。
面図である。
【図6】 従来の遮水層の構成を示す断面図である。
【図7】 従来の遮水層の構成を示す断面図である。
【図8】 ベントナイトの結晶構造を示す模式図であ
る。
る。
【図9】 ベントナイトの結晶構造を示す模式図であ
る。
る。
【図10】 ベントナイトの結晶構造を示す模式図であ
る。
る。
【図11】 従来の遮水層の構成を示す断面図である。
【符号の説明】 1 地盤、1a 掘削部、3 遮水シート、4 保護
砂、6 ベントナイト、6a 対電解質ベントナイト、
8 ナトリウムイオン、9 水分子、10 カルシウム
イオン、21 下地層、22 遮水層、23 養生層、
25 クラック、27 法面。
砂、6 ベントナイト、6a 対電解質ベントナイト、
8 ナトリウムイオン、9 水分子、10 カルシウム
イオン、21 下地層、22 遮水層、23 養生層、
25 クラック、27 法面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西山 勝栄 東京都新宿区津久戸町2番1号 株式会社 熊谷組東京本社内 (72)発明者 濱田 尚人 東京都新宿区津久戸町2番1号 株式会社 熊谷組東京本社内 (72)発明者 大堀 卓 東京都新宿区津久戸町2番1号 株式会社 熊谷組東京本社内 (72)発明者 清水 孝浩 東京都新宿区津久戸町2番1号 株式会社 熊谷組東京本社内 (72)発明者 水野 克巳 大阪市西区江戸堀1−9−1 株式会社豊 順洋行内 (72)発明者 浜子 正 東京都中央区銀座8−14−14 日特建設株 式会社内 (72)発明者 高橋 春仁 東京都中央区銀座8−14−14 日特建設株 式会社内 (72)発明者 菊地 洋司 東京都中央区銀座8−14−14 日特建設株 式会社内 Fターム(参考) 2D018 DA00 4D004 AA46 BB04 CA15 CA45 CC11 CC16 CC20
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくとも骨材と、水分が補給されるこ
とにもとづき膨潤する低透水性材料と、固化材料と混合
して成る遮水層において、上記低透水性材料として対電
解質ベントナイトを用いたことを特徴とする遮水層。 - 【請求項2】 上記遮水層を下地層で支持したことを特
徴とする請求項1に記載の遮水層。 - 【請求項3】 下地層は、その上の遮水層よりも固化材
料を多くして、機械的強度を大きくしたことを特徴とす
る請求項2に記載の遮水層。 - 【請求項4】 廃棄物堆積場内の内面に遮水層を形成し
たことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記
載の遮水層。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11015850A JP2000212935A (ja) | 1999-01-25 | 1999-01-25 | 遮水層 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11015850A JP2000212935A (ja) | 1999-01-25 | 1999-01-25 | 遮水層 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000212935A true JP2000212935A (ja) | 2000-08-02 |
Family
ID=11900306
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11015850A Withdrawn JP2000212935A (ja) | 1999-01-25 | 1999-01-25 | 遮水層 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000212935A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002059104A (ja) * | 2000-08-23 | 2002-02-26 | Taiyo Kogyo Corp | 廃棄物処分場及びその構築方法、並びにその構築方法に用いる遮水シート |
JP2003149391A (ja) * | 2001-11-09 | 2003-05-21 | Mitsubishi Materials Natural Resources Development Corp | 放射性廃棄物埋設用充填材 |
JP2004016898A (ja) * | 2002-06-14 | 2004-01-22 | Maeda Corp | 土を用いた遮水層の吹付工法及び装置 |
-
1999
- 1999-01-25 JP JP11015850A patent/JP2000212935A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002059104A (ja) * | 2000-08-23 | 2002-02-26 | Taiyo Kogyo Corp | 廃棄物処分場及びその構築方法、並びにその構築方法に用いる遮水シート |
JP4570747B2 (ja) * | 2000-08-23 | 2010-10-27 | 太陽工業株式会社 | 廃棄物処分場及びその構築方法、並びにその構築方法に用いる遮水シート |
JP2003149391A (ja) * | 2001-11-09 | 2003-05-21 | Mitsubishi Materials Natural Resources Development Corp | 放射性廃棄物埋設用充填材 |
JP2004016898A (ja) * | 2002-06-14 | 2004-01-22 | Maeda Corp | 土を用いた遮水層の吹付工法及び装置 |
JP4574937B2 (ja) * | 2002-06-14 | 2010-11-04 | 前田建設工業株式会社 | 土を用いた遮水層の吹付工法及び装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US2277286A (en) | Method and means for impeding the seepage or flow of water | |
CN201865127U (zh) | 地下室底板加强防水型后浇带 | |
US11414828B2 (en) | Use of composite particles for protecting a lifeline structure against seismic wave damage | |
KR101819641B1 (ko) | 토목섬유와 폴리머 시멘트 모르타르를 이용한 다층구조 매트 및 이를 이용한 시공방법 | |
CN107386298A (zh) | 一种具有防水功能的深浅坑复合支护结构及其施工方法 | |
JP4293435B2 (ja) | 管理型護岸の構築法 | |
CN101349075A (zh) | 大型储液罐消能减震与隔震基础的构造方法与结构 | |
JP2000212935A (ja) | 遮水層 | |
JP2000212932A (ja) | 遮水層 | |
JP2000211959A (ja) | 遮水構造材 | |
Inazumi et al. | Performance of H-jointed steel pipe sheet piles with HH joint in vertical hydraulic cutoff walls | |
JP2012241481A (ja) | 中詰材を貯留する有底密閉構造の壁体構造物 | |
JP2000212934A (ja) | 遮水層 | |
JP4822375B2 (ja) | 護岸の遮水構造 | |
CN214573877U (zh) | 一种淤泥与软土地基原位固化地基结构 | |
CN210031693U (zh) | 一种三位一体原生态防渗系统 | |
JP2003071401A (ja) | 管理型廃棄物埋立護岸の遮水処理方法 | |
JP2005207132A (ja) | ケーソン及び埋立用護岸 | |
CN206986904U (zh) | 一种具有防水功能的深浅坑复合支护结构 | |
KR100629980B1 (ko) | 파형강판 지중구조물의 방수시설 | |
JP2005048518A (ja) | 管理型護岸 | |
CN106677216B (zh) | 深水下交通廊道结构及其施工方法 | |
CN212958667U (zh) | 一种防水防漏的隧道构造 | |
JP3571139B2 (ja) | 非連通型ブロック及びこれを用いた雨水浸透施設 | |
KR100533250B1 (ko) | 누수 및 붕괴방지용 토목구조물 및 그의 시공방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060404 |