JP2000212697A - 海岸用耐候性鋼材 - Google Patents

海岸用耐候性鋼材

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JP2000212697A
JP2000212697A JP11011016A JP1101699A JP2000212697A JP 2000212697 A JP2000212697 A JP 2000212697A JP 11011016 A JP11011016 A JP 11011016A JP 1101699 A JP1101699 A JP 1101699A JP 2000212697 A JP2000212697 A JP 2000212697A
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steel
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weather
resistant steel
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JP11011016A
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Kazuhiko Shiotani
和彦 塩谷
Kimihiro Nishimura
公宏 西村
Fumimaru Kawabata
文丸 川端
Kenichi Amano
虔一 天野
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 塗装、表面処理などを必要としない海岸耐
候性に優れた耐候性鋼材を提供すること。 【解決手段】 C:0.001 〜0.030 %、Si:0.50%以
下、Mn:3.5 %超10.0%以下、S:0.01%以下、Al:0.
10%以下、B:0.0002〜0.0050%を含み、残部Feおよび
不可避的不純物からなる海岸用耐候性鋼材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐候性鋼材に関
し、とくに、海岸地帯など塩分の多い環境で使用可能な
海岸耐候性に優れた鋼材に関する。本発明でいう海岸耐
候性とは、海岸地帯の大気中で使用した場合の耐候性を
いう。
【0002】
【従来の技術】鋼中にP,Cu,Cr,Ni等の合金元素を添
加し、大気中における耐食性を向上させた耐候性鋼は、
橋梁等の構造物に広く利用されている。耐候性鋼は屋外
において、腐食の原因である酸素、水を通しにくい安定
さびと呼ばれるさびを数年で形成し、その後の腐食を抑
制している。このため耐候性鋼は防錆塗料の塗布が不要
であり、いわゆる裸使用が可能な高耐食性材料である。
【0003】しかしながら、耐候性鋼では、海岸地帯で
使用すると、飛来する海塩粒子の作用により安定さびが
形成されにくく、腐食の抑制が認められないという問題
があった。このような問題に対し、例えば特開平6−13
6557号公報には、硫酸クロム水溶液あるいは硫酸銅水溶
液を塗布し、水分乾燥後さらに有機樹脂被覆を行う鋼材
の表面処理方法が提案されている。さらに、特開平8−
13158 号公報には、アルミニウムイオンを含む水溶液を
塗布し、水分乾燥後さらに有機樹脂被膜を形成する鋼材
の表面処理方法が提案されている。
【0004】しかしながら、特開平6−136557号公報や
特開平8−13158 号公報に記載された技術では、安定さ
びが短時間で育成されるものの、工程が複雑であるうえ
使用する表面処理剤が高価であるなどの問題を残してお
り、表面処理を必要としない耐候性鋼材の開発が要望さ
れていた。また、特開昭63−255341号公報には、耐塩害
性に優れた溶接構造用耐食性鋼板が提案されている。こ
の鋼板は、P:0.04〜0.15wt%、Cu:0.1 〜0.5 wt%、
Cr:3〜10wt%、Al:0.02〜1.0 wt%を含有し、海塩粒
子が関与する腐食環境下でも無塗装使用に耐え得るとさ
れている。しかし、この鋼板はP含有量が高く靱性、溶
接性の劣化が大きいという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年、建設省か
ら耐候性鋼の適用指針(「耐候性鋼材の橋梁への適用に
関する共同研究報告書(XX)」,1993.3,建設省土木研
究所,(社)鋼材倶楽部,(社)日本橋梁建設協会発
行)が公表され、飛来塩分量が0.05mg/dm2/day以上の地
域、すなわち海岸地帯では、従来の耐候性鋼(JIS G 31
14:溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材)は使用できないこ
とになっている。
【0006】したがって、海岸地帯などの塩分の多い環
境下では、普通鋼材にフタル酸樹脂、塩化ゴム、タール
エポキシ樹脂等の塗装を行って対処している。しかしな
がら、河口付近の海岸地帯に建設される橋梁は腐食が著
しく、再塗装の要求が高いが、長大橋が多く、しかも再
塗装作業が困難な場合が多い。このようなことから、依
然として無塗装で使用できる鋼材への要望が高い。
【0007】本発明は、かかる要望に応えるべく、塗
装、表面処理などを必要としない海岸耐候性に優れた耐
候性鋼材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは海岸耐候性
を向上させ得る方策を鋭意検討し、その結果、Mn含有量
を増加することにより海岸耐候性が飛躍的に向上するこ
とを見いだした。本発明は、この知見を基になされたも
のであり、その要旨とするところは、重量%で、C:0.
001 〜0.030 %、Si:0.50%以下、Mn:3.5 %超10.0%
以下、S:0.01%以下、Al:0.10%以下、B:0.0002〜
0.0050%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる
海岸用耐候性鋼材にある。
【0009】本発明では、必要に応じてさらに、重量%
で、P:0.005 〜0.15%、Cu:0.005 〜1.0 %、Ni:0.
005 〜1.0 %、Mo:0.005 〜1.0 %のうちから選ばれる
1種または2種以上を含有してもよく、又、Cr:0.005
〜1.0 %を含有してもよく、又、Nb:0.005 〜0.20%、
Ti:0.005 〜0.20%、V:0.005 〜0.20%のうちから選
ばれる1種または2種以上を含有してもよく、又、Ca:
0.02%以下、REM :0.02%以下のうちから選ばれる1種
または2種を含有してもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】まず、本発明鋼材の必須成分限定
理由について説明する。 C:0.001 〜0.030 %………Cは、鋼の強度を増加させ
る元素であり、所望の強度を得るためには0.001 %以上
の含有を必要とするが、0.030 %を超えて多量に含有す
ると靱性が劣化するため、本発明では0.001 〜0.030 %
に限定した。なお、好ましくは0.005 〜0.030 %であ
る。
【0011】Si:0.50%以下………Siは、脱酸剤として
作用し、さらに鋼の強度を増加させる元素であるが、多
量に含有すると靱性および溶接性を劣化させるため、0.
50%以下に限定した。なお、好ましくは0.15〜0.50%で
ある。 Mn:3.5 %超10.0%以下………Mnは、鋼の強度、靱性の
向上に寄与する元素であり、さらに耐候性をも向上させ
る元素であり、本発明では重要な元素である。所望の耐
候性を確保するためには3.5 %超の含有を必要とする。
しかし、10.0%を超えて多量に含有しても耐候性は飽和
する。このため 3.5%超10.0%以下の範囲に限定した。
なお、Mnが耐候性を向上させる機構の詳細は明確でない
が、地鉄自身の電位を貴化させ、アノード溶解速度を抑
制しているものと考えられる。
【0012】S:0.01%以下………Sは、耐候性を劣化
させ、さらに溶接性、靱性を劣化させるため、0.01%以
下に限定した。 Al:0.10%以下………Alは、脱酸剤として作用するが、
0.10%を超えて含有すると溶接性に悪影響を及ぼすた
め、0.10%を上限とした。 B:0.0002〜0.0050%………Bは、焼入性を向上させ、
さらに耐候性を向上させる元素である。このような効果
は0.0002%以上の含有で認められるが、0.0050%を超え
て含有しても含有量に見合う効果は期待できない。この
ため、Bは0.0002〜0.0050%の範囲に限定した。好まし
くは、0.0003〜0.0030%の範囲である。
【0013】次に、必要に応じて本発明鋼材に付加でき
る成分について説明する。 P:0.005 〜0.15%………Pは、地鉄の腐食初期におけ
るアノード溶解を促進し、防食皮膜としての緻密なさび
層を早期に形成させる能力を有するため、適宜添加する
ことができる。ただし、P含有量が0.005 %未満では、
これらの効果が認められない。また、0.15%を超えると
耐候性向上効果も飽和しさらに溶接性が劣化する。この
ため、Pは0.005 〜0.15%の範囲が好ましい。より好ま
しくは0.010 〜0.060 %である。なお、従来技術の項で
P:0.04〜0.15%では靱性、溶接性の劣化が大きいと述
べたが、Mn含有量を高めた本発明ではこの劣化は小さ
い。
【0014】Cu,Ni,Mo:0.005 〜1.0 %………Cu,N
i,MoもPと同様の効果を有する。すなわち、さび粒子
を緻密化させる。そのため、Cu,Ni,Moは、Pに代えて
又はPと共に、1種または2種以上を適宜添加すること
ができる。ただし、いずれも0.005 %未満ではその効果
が小さい。一方、それぞれ1.0 %を超える含有は経済的
に不利をもたらす。そのため、Cu,Ni,Moは、0.005 〜
1.0 %が好ましい。
【0015】Cr:0.005 〜1.0 %………Crは0.005 〜1.
0 %の範囲に限っては靱性を向上させる効果を有するの
で、適宜この範囲で添加するのが好ましい。 Nb:0.005 〜0.20%、Ti:0.005 〜0.20%、V:0.005
〜0.20%………Nb,V,Tiはいずれも鋼の強度を増加さ
せる元素であり、適宜1種または2種以上を添加でき
る。ただし、いずれも0.005 %以上で効果が認められ、
0.20%を超えると効果が飽和するため、0.005 〜0.20%
の範囲で添加するのがよい。
【0016】Ca:0.02%以下、REM :0.02%以下………
REM,Caは溶接性を向上させるため適宜添加できる。ただ
し、0.02%を超えると鋼材の清浄度を劣化させるため、
0.02%以下の範囲が望ましい。なお、REM,Caの溶接性改
善効果はいずれも0.0005%以上で目立ってくるので、0.
0005%以上含有するのがよい。 その他、本発明鋼材は、残部Feおよび不可避的不純物か
らなるが、不可避的不純物として、N:0.010 %以下、
O:0.010 %以下が許容できる。
【0017】次に、本発明鋼材の製造方法について説明
する。本発明鋼材は、転炉法、電気炉法等通常公知の溶
製方法で溶製され、連続鋳造法あるいは造塊法により鋼
素材とされる。また、溶製工程では真空脱ガス精錬等を
実施してもよい。次いで、これら鋼素材は、加熱炉等で
加熱され、あるいは加熱なしで直接、熱間圧延により所
望の形状に圧延される。なお、本発明の鋼材には、厚鋼
板、薄鋼板、棒鋼、形鋼などが含まれる。
【0018】
【実施例】表1に示す化学成分の鋼を転炉で溶製し、連
続鋳造法でスラブとし、これらのスラブを加熱したのち
熱間圧延により25mm厚×2500mm幅の鋼板とした。これら
の鋼板から、5mm×50mm×100mm の腐食試験片を採取し
た。これらの試験片はショットブラスト後、大気暴露試
験に供した。大気暴露試験は飛来塩分量0.8mg/dm2/day
の海岸地帯を選定し、それぞれの試験片を海側に向け、
地面から30°の角度で設置し1年間暴露した。暴露試験
後、地鉄表面に形成されたさび層を除去し、試験片の重
量減少量を測定し、板厚減少量に換算した。
【0019】また、これらの鋼板の引張特性および衝撃
特性を調査した。また、溶接性として、入熱100kJ/cm溶
接熱影響部1mm相当の再現熱サイクルを付与し、-5℃に
おけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギー V-5を求
めた。これらの結果を表2に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】表2より、発明鋼(1〜11) は、板厚減少量
が20〜70μm であり、これは比較鋼(14;市販耐候性鋼)
の143 μm よりも格段に小さい。また、靱性、溶接性と
も優れている。一方、Mn含有量が本発明範囲を下回る比
較鋼(12)は板厚減少量133 μm で比較鋼(14)と大差な
い。また、Mn含有量が本発明範囲を上回る比較鋼(13)は
板厚減少量が18μm で発明鋼(3) の20μm と略同等であ
り、Mn添加の効果が飽和している。
【0023】
【発明の効果】かくして本発明によれば、海岸耐候性に
優れた耐候性鋼材を提供することができる。これらの鋼
材を橋梁などの構造物へ使用すると、塗装、表面処理等
の省略が可能となり、保守費用の削減という経済的効果
も期待でき、産業上格段の効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川端 文丸 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 天野 虔一 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.001 〜0.030 %、Si:
    0.50%以下、Mn:3.5 %超10.0%以下、S:0.01%以
    下、Al:0.10%以下、B:0.0002〜0.0050%を含み、残
    部Feおよび不可避的不純物からなる海岸用耐候性鋼材。
  2. 【請求項2】 さらに、重量%で、P:0.005 〜0.15
    %、Cu:0.005 〜1.0%、Ni:0.005 〜1.0 %、Mo:0.0
    05 〜1.0 %のうちから選ばれる1種または2種以上を
    含有する請求項1記載の海岸用耐候性鋼材。
  3. 【請求項3】 さらに、重量%で、Cr:0.005 〜1.0 %
    を含有する請求項1又は2に記載の海岸用耐候性鋼材。
  4. 【請求項4】 さらに、重量%で、Nb:0.005 〜0.20
    %、Ti:0.005 〜0.20%、V:0.005 〜0.20%のうちか
    ら選ばれる1種または2種以上を含有する請求項1〜3
    のいずれかに記載の海岸用耐候性鋼材。
  5. 【請求項5】 さらに、重量%で、Ca:0.02%以下、RE
    M :0.02%以下のうちから選ばれる1種または2種を含
    有する請求項1〜4のいずれかに記載の海岸用耐候性鋼
    材。
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