JP2000212321A - 多孔質フィルムの製造方法 - Google Patents

多孔質フィルムの製造方法

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JP2000212321A
JP2000212321A JP1705299A JP1705299A JP2000212321A JP 2000212321 A JP2000212321 A JP 2000212321A JP 1705299 A JP1705299 A JP 1705299A JP 1705299 A JP1705299 A JP 1705299A JP 2000212321 A JP2000212321 A JP 2000212321A
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porous film
crystalline resin
sheet
solvent
treatment
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Mutsuko Yamaguchi
睦子 山口
Toshisuke Nomi
俊祐 能見
Tomoaki Ichikawa
智昭 市川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】微細な3次元網目状構造を有し、かつ高強度を
有する多孔質フィルムの製造方法を提供すること。 【解決手段】結晶性樹脂及び溶媒を含有する樹脂組成物
を混練りしシート状に成形し、延伸及び脱溶媒処理をし
た後、前記結晶性樹脂の融点−20℃以上、融点以下の
温度において、ヒートセット処理後の結晶粒サイズ/ヒ
ートセット処理前の結晶粒サイズが1.05以上又はヒ
ートセット処理後の針突刺し強度/ヒートセット処理前
の針突刺し強度が1.05以上となるに十分な時間でヒ
ートセット処理を行う工程を有することを特徴とする多
孔質フィルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質フィルムの
製造方法に関する。さらに詳しくは、電池の正極負極間
に配置されてこれらを隔離させる電池用セパレーター等
として好適に用いられる多孔質フィルムの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話やノート型パソコンの普及など
に代表される近年の電子機器のコードレス化に伴い、こ
れに用いる電池の高容量化が進んでいる。また、環境問
題に対応すべく、電気自動車の開発が進められる中、軽
量かつ高起電力、高エネルギーが得られ、しかも自己放
電の少ないリチウムイオン電池が、電気自動車用電池と
して脚光を浴びている。
【0003】リチウムイオン電池などの非水系電解液電
池では、電極間の短絡を防止するための電池用セパレー
タとして、イオン透過のための多数の微多孔が形成され
た多孔質フィルムが使用されている。前記多孔質フィル
ムとしては、樹脂製のものが使用されるのが一般的であ
り、例えば、ポリエチレン多孔質フィルムやポリプロピ
レン多孔質フィルムがあり、これらは単独で使用された
り、2層以上積層して使用されたりする。
【0004】これらのセパレータには、電極材料の突起
部やエッジ部分でのセパレータの裂けによる短絡を防止
するため、突刺し強度の向上が望まれ、種々の検討が行
なわれている。
【0005】多孔質フィルムの強度向上の試みは、主に
多孔質フィルムを構成する樹脂組成や延伸工程に関する
ものがほとんどである。
【0006】前記、樹脂組成に関しては、例えば特開平
9−87413号公報では、重量平均分子量が5×10
5 〜2.5×106 、かつ重量平均分子量/数平均分子
量が10未満のポリオレフィンを特定量の溶媒に溶解す
ることによって高濃度ポリオレフィン溶液を形成し、こ
れをフィルム化するこにより高強度フィルムを形成して
いる。また、特開平6−345893号公報では、粘度
平均分子量が80万以上のポリエチレンと粘度平均分子
量が60万以下のポリオレフィンの可塑剤に対する浸透
量の差を利用して、高強度化を図っている。しかし、こ
れらの手法では、樹脂組成を細かく規定しているため
に、使用できる材料に限りがある。
【0007】一方、延伸工程における工夫としては、例
えば、特開平7−188440号公報では、重量平均分
子量が7×105 以上の成分を1重量%以上含有し、重
量平均分子量/数平均分子量が10〜300であるポリ
オレフィン組成物を特定の延伸条件で膜厚方向に配向度
を変化させることによって高強度化を行っている。しか
しながら、かかる方法では、延伸時に温度分布が生じる
ように加熱または加熱しながら延伸するという複雑な工
程が必要である。
【0008】また、特開平9−157423号公報で
は、粘度平均分子量が30万以上の高分子量ポリエチレ
ンを用い、溶融時と抽出後の延伸による縦横総変形比を
規定することによって、面強度600g以上の高強度フ
ィルムを得ている。しかしながら、かかる方法では、延
伸前に溶媒成分を抽出しているため、比較的大きな孔を
形成しやすい。正極と負極の接触を防ぐためには、孔は
できる限り微細であることが好ましい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、微細
な3次元網目状構造を有し、かつ高強度を有する多孔質
フィルムの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、(1)
結晶性樹脂及び溶媒を含有する樹脂組成物を混練りし
シート状に成形し、延伸及び脱溶媒処理をした後、前記
結晶性樹脂の融点−20℃以上、融点以下の温度におい
て、ヒートセット処理後の結晶粒サイズ/ヒートセット
処理前の結晶粒サイズが1.05以上となるに十分な時
間でヒートセット処理を行う工程を有することを特徴と
する多孔質フィルムの製造方法、並びに(2) 結晶性
樹脂及び溶媒を含有する樹脂組成物を混練りしシート状
に成形し、延伸及び脱溶媒処理をした後、前記結晶性樹
脂の融点−20℃以上、融点以下の温度において、ヒー
トセット処理後の針突刺し強度/ヒートセット処理前の
針突刺し強度が1.05以上となるに十分な時間でヒー
トセット処理を行う工程を有することを特徴とする多孔
質フィルムの製造方法、に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明では、結晶性樹脂及び溶媒
を含有する樹脂組成物を混練りしシート状に成形し、延
伸及び脱溶媒処理をした後、所定の条件下でヒートセッ
ト処理を行うことにより、微細な3次元網目状構造を有
し、かつ高強度を有する多孔質フィルムが得られる。
【0012】本発明に用いることのできる結晶性樹脂と
しては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチ
ル−1−ペンテン、1−ヘキセン等のオレフィンの単独
重合体、共重合体、およびこれらのブレンド物等のポリ
オレフィンが好ましい。これらのなかでは、重量平均分
子量が5×105 以上の超高分子量ポリオレフィンを、
好ましくは5重量%以上用いるのが望ましい。得られる
多孔質フィルムの高強度化の観点から、超高分子量ポリ
エチレンが特に好ましい。
【0013】本発明に用いることのできる溶媒として
は、結晶性樹脂の溶解性に優れたものであれば、通常用
いられる公知のものを限定されることなく用いることが
できる。例えば、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカ
ン、デカリン、流動パラフィン等の脂肪族又は環式の炭
化水素、沸点がこれらに対応する鉱油留分等が挙げら
れ、これらの中では、流動パラフィンなどの不揮発性溶
媒が好ましい。
【0014】結晶性樹脂及び溶媒の混合割合は、結晶性
樹脂の種類、溶解性、混練温度等により異なるため、一
概には決定できないが、得られるスラリー状の樹脂組成
物を混練りしてシート状に成形できる程度であれば特に
限定されない。例えば、結晶性樹脂が樹脂組成物の5〜
30重量%であることが好ましく、8〜20重量%であ
ることがより好ましい。また、溶媒は樹脂組成物の70
〜95重量%であることが好ましく、80〜92重量%
であることがより好ましい。結晶性樹脂の混合割合が5
重量%以上であると、樹脂組成物をシート化する際のダ
イス出口でのネックインを防止して、成形を容易にする
ことができ、また結晶性樹脂の混合割合が30重量%以
下であると、樹脂組成物を均一に混練りして、均質な多
孔構造を形成させることができる。
【0015】なお、前記樹脂組成物には、必要に応じ
て、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料、造核剤、顔料、
帯電防止剤等の添加剤を、本発明の目的を損なわない範
囲で添加することができる。
【0016】得られる樹脂組成物を混練りし、シート状
に成形する工程は、通常用いられる公知の方法により行
うことができる。例えば、樹脂組成物をバンバリーミキ
サー、ニーダー等を用いてバッチ式で混練りし、次い
で、冷却された金属板に挟み込み急冷して急冷結晶化に
よりシート状成形物にしてもよく、Tダイ等を取り付け
た押出機などを用いてシート状成形物を得てもよい。あ
るいは、二軸押出機や連続式混練機で混練りを行い混練
機の先端につけたダイスでシート化してもよい。
【0017】樹脂組成物の混練りは、適当な温度条件下
であればよく、特に限定されないが、好ましくは溶媒が
結晶性樹脂を溶解し始める温度(溶解開始温度)〜+6
0℃の範囲で、より好ましくは溶解開始温度+30℃〜
+50℃の範囲で行うのが、続くシート化工程でシート
化に適した構造を得る観点から好ましい。
【0018】シート状に成形するに際しては、押出機な
どから出てくるシート状成形物をさらに急冷しても良
い。この時、過冷却度(ΔT)が20℃以上になる条件
で急冷することがより好ましい。急冷操作を行うことに
より、皮膜強度をより高めることができる。具体的に
は、溶融状態から短時間、好ましくは1分以内に得られ
たシート状成形物を室温以下、好ましくは0℃以下の冷
却体に接触させる。このように急冷すると、冷却固化の
最も遅くなるフィルム断面の中央部に至るまで、混練時
の樹脂の絡み合いを保持し、かつ多孔質フィルム形成用
樹脂を理想的に結晶化させることができる。
【0019】このようにして、結晶性樹脂を含有する樹
脂組成物のシート状成形物を得ることができる。ここで
得られるシート状成形物の厚みとしては、特に限定され
ないが、2〜20mmのものが好ましく、5〜10mm
のものがより好ましい。
【0020】次に、前記シート状成形物の延伸及び脱溶
媒処理を行う。延伸処理の方式は特に限定されるもので
はなく、通常のテンター法、ロール法、インフレーショ
ン法またはこれらの方法の組み合わせであってもよく、
また、一軸延伸、二軸延伸等いずれの方式をも適用する
ことができる。延伸倍率は、延伸前の面積に対し、通常
2〜300倍、好ましくは10〜250倍の範囲である
ことが望ましい。また、二軸延伸の場合は、縦横同時延
伸又は逐次延伸のいずれでもよい。さらに、本発明で
は、延伸処理に先立ち、シート状成形物の圧延処理を行
ってもよい。
【0021】延伸処理時の温度は、結晶性樹脂の融点+
5℃以下の温度が好ましい。なお、本発明において融点
とは、示差走査熱量測定におけるオンセット温度をい
う。その他の延伸処理条件は、通常用いられる公知の条
件を採用することができる。
【0022】脱溶媒処理は、シート状成形物から溶媒を
除去して多孔質構造を形成させる工程であり、例えば、
シート状成形物を溶剤で洗浄して残留する溶媒を除去す
ることにより行うことができる。溶剤としては、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、デカン等の炭化水素、塩化メ
チレン、四塩化炭素等の塩素化炭化水素、三フッ化エタ
ン等のフッ化炭化水素、ジエチルエーテル、ジオキサン
等のエーテル類、アルコール類等の易揮発性溶剤が挙げ
られ、これらは単独で又は二種以上を混合して用いるこ
とができる。かかる溶剤を用いた洗浄方法は、特に限定
されず、例えば、シート状成形物を溶剤中に浸漬して溶
媒を抽出する方法、溶剤をシート状成形物にシャワーす
る方法等が挙げられる。
【0023】なお、本発明において、脱溶媒処理は、延
伸前後に適宜行えばよい。例えば、前記シート状成形物
を脱溶媒処理してから延伸処理に供してもよく、またシ
ート状成形物をそのまま延伸処理してから脱溶媒処理を
行ってもよい。あるいは、延伸処理前に脱溶媒処理を行
い、延伸処理後に再度脱溶媒処理を行って残存溶媒を除
去する態様であってもよい。
【0024】次に、前記の工程により得られた多孔質構
造を有する成形物のヒートセット処理を行う。
【0025】ヒートセット処理の際の温度は、結晶性樹
脂の融点−20℃以上、融点以下の温度である。ヒート
セット処理の際の温度は、結晶粒を効果的に成長させる
点から、結晶性樹脂の融点−20℃以上が好ましく、溶
融してしまうと混練で形成された構造が失われる点か
ら、結晶性樹脂の融点以下が好ましい。
【0026】また、本発明において、ヒートセット処理
は、ヒートセット処理後の結晶粒サイズ/ヒートセット
処理前の結晶粒サイズ(以下、結晶粒向上比という)が
1.05以上、好ましくは1.10以上となるに十分な
時間で、またはヒートセット処理後の針突刺し強度/ヒ
ートセット処理前の針突刺し強度(以下、針強度向上比
という)が1.05以上、好ましくは1.08以上とな
るに十分な時間で行なう。具体的な処理時間は、処理温
度等の条件により異なるため、一概には決定することが
できないが、通常、1分以上、好ましくは5分以上、さ
らに好ましくは30分以上、特に好ましくは1時間以上
であり、酸化劣化の可能性および生産効率の点から、2
時間以下が好ましい。
【0027】また、本発明においては、予め、結晶性樹
脂の融点−20℃以下の温度で予熱を行った後に、ヒー
トセット処理を行ってもよい。
【0028】このようにして得られる多孔質フィルム
は、平均孔径が0.1μm以下、好ましくは0.01〜
0.03μmであり、最大孔径が0.1μm以下の3次
元網目状構造を有するものであることが望ましい。孔径
はBJH法により測定することができる。
【0029】また、多孔質フィルムの結晶粒サイズは、
好ましくは150〜250Åである。
【0030】多孔質フィルムの空孔率は、好ましくは3
5〜65%、より好ましくは40〜60%である。
【0031】多孔質フィルムの針突刺し強度は、好まし
くは520gf/25μm以上、より好ましくは550
gf/25μm以上である。
【0032】また、多孔質フィルムの通気度は、好まし
くは100〜800秒/100cc、より好ましくは1
00〜500秒/100ccである。
【0033】多孔質フィルムの厚さは、好ましくは1〜
60μm、より好ましくは5〜40μmである。
【0034】以上に説明したように、本発明では、所定
の条件下でヒートセット処理を行なうことにより、結晶
性樹脂の結晶粒を十分に成長させることができる。その
ため、本発明により得られた多孔質フィルムは、微細な
3次元網目状構造を有し、高強度を有するものとなる。
従って、本発明により得られる多孔質フィルムは、電池
セパレータとしての用途だけでなく、各種フィルター、
電解コンデンサー用隔膜等にも好適に使用することがで
きる。
【0035】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げてさらに詳
細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限
定されるものではない。
【0036】なお、各種特性については下記要領にて測
定を行う。
【0037】(1)重量平均分子量 ゲル浸透クロマトグラフィー(ウォーターズ社製、GP
C−150C)により、溶媒としてo−ジクロロベンゼ
ンを用い、135℃で測定する。なおカラムはShod
ex−80M(昭和電工製)を用い、データ処理にはT
RC社製のデータ処理システムを用いる。また、分子量
はポリスチレンを基準として算出する。
【0038】(2)融点 (株)セイコー電子工業製の示差走査熱量測定装置「D
SC−200」を用いて昇温速度10℃/minで測定
し、オンセット温度を融点とする。
【0039】(3)膜厚 1/10000mmシックネスゲージおよび多孔質フィ
ルムの断面の1万倍走査電子顕微鏡写真から測定する。
【0040】(4)空孔率 厚み(t)、重量(w)、樹脂密度(d)、面積(S)
より以下の式(I)より算出する。
【0041】 空孔率(%)=(1−w/(S×d×t))×100 ・・・(I)
【0042】(5)結晶化度および結晶粒サイズ 広角X線回折法により測定する。結晶化度は、得られた
回折ピークを結晶部、非晶部に分離し、下記の式(II)
より求める。
【0043】 結晶化度(重量%)=(結晶質部分による散乱強度/全散乱強度)×100 ・・・(II) 結晶粒サイズは、PE(110)面に着目し、下記に示
すScherrerの式(III) を用いて、得られたピー
クの半値幅から算出する。
【0044】 D=(Kλ)/(βcosθ)・・・(III) D:結晶粒サイズ(Å) K:Scherrer定数(本測定では0.90) λ:使用X線管球の波長(本測定では1.54Å) β:回折ピークの半値幅(Radian) θ:回折角(Degree)
【0045】(6)通気度 JIS P8117に準拠した方法に従って測定する。
【0046】(7)針突刺し強度 カトーテック(株)製の圧縮試験機「KES−G5」を
使用して針突刺し試験を行ない、測定により得られた荷
重変位曲線より最大荷重を読み取って針刺し強度値とす
る。針は曲率半径0.5mm、針侵入速度は2cm/s
ecの速度で行う。
【0047】(8)平均孔径および最大孔径 窒素吸脱着方式の比表面積・細孔分布測定(島津製作所
製、ASAP210)を用い、BJH法で孔径の分布を
書き測定する。
【0048】実施例1 超高分子量ポリエチレン(重量平均分子量:2×1
6 、融点:140℃)15重量部と、溶媒である流動
パラフィン85重量部をスラリー状に均一混合し、得ら
れた樹脂組成物を小型ニーダーを用い、160℃で約5
0分溶融混練した。その後、得られた混練物を0℃に冷
却された金属板に挟み込み、シート状に急冷した。急冷
結晶化させたシート状成形物を約115℃でシート厚が
0.8mmになるまでプレスし、再び冷却プレスで室温
まで冷却した。得られたシートを115℃で同時に縦横
3.5×3.5倍に二軸延伸し、さらにヘプタンを用い
て脱溶媒処理を行った。次いで、120℃で1時間ヒー
トセット処理を行い、多孔質フィルムを得た。
【0049】実施例2 ヒートセット処理を134℃で1時間行った以外は実施
例1と同様にして、多孔質フィルムを得た。
【0050】比較例1 ヒートセット処理を行わなかった以外は、実施例1と同
様にして多孔質フィルムを得た。
【0051】実施例及び比較例において得られた多孔質
フィルムの膜厚、空孔率、結晶化度、結晶粒サイズ、結
晶粒向上比、通気度、針突刺し強度、針強度向上比、平
均孔径及び最大孔径を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】以上の結果より、実施例1、2の多孔質フ
ィルムは、ヒートセット処理の際に、樹脂の結晶を十分
に成長させているため、微細な3次元網目状構造を有
し、かつ高強度を有するフィルムであることがわかる。
これに対し、ヒートセット処理を行わなかった比較例1
の多孔質フィルムは、空孔率は高いものの、強度に欠け
ることがわかる。
【0054】
【発明の効果】本発明により、微細な3次元網目状構造
を有し、かつ高強度を有する多孔質フィルムの製造方法
を提供することが可能となった。
フロントページの続き (72)発明者 市川 智昭 大阪府茨木市下穂積1−1−2 日東電工 株式会社内 Fターム(参考) 4F074 AA17 AB01 CB03 CB16 CC02X CC04Z CC22X CC32Z DA02 DA03 DA08 DA10 DA24 DA43 DA49

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性樹脂及び溶媒を含有する樹脂組成
    物を混練りしシート状に成形し、延伸及び脱溶媒処理を
    した後、前記結晶性樹脂の融点−20℃以上、融点以下
    の温度において、ヒートセット処理後の結晶粒サイズ/
    ヒートセット処理前の結晶粒サイズが1.05以上とな
    るに十分な時間でヒートセット処理を行う工程を有する
    ことを特徴とする多孔質フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 結晶性樹脂及び溶媒を含有する樹脂組成
    物を混練りしシート状に成形し、延伸及び脱溶媒処理を
    した後、前記結晶性樹脂の融点−20℃以上、融点以下
    の温度において、ヒートセット処理後の針突刺し強度/
    ヒートセット処理前の針突刺し強度が1.05以上とな
    るに十分な時間でヒートセット処理を行う工程を有する
    ことを特徴とする多孔質フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 結晶性樹脂がポリオレフィンである請求
    項1又は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 結晶性樹脂が、重量平均分子量が5×1
    5 以上の超高分子量ポリオレフィンを5重量%以上含
    有する請求項1又は2記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 得られる多孔質フィルムの平均孔径が
    0.1μm以下、結晶粒サイズが150〜250Å、空
    孔率が35〜65%、針突刺し強度が520gf/25
    μm以上である請求項1〜4いずれか記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011118660A1 (ja) * 2010-03-23 2011-09-29 帝人株式会社 ポリオレフィン微多孔膜、非水系二次電池用セパレータ、非水系二次電池及びポリオレフィン微多孔膜の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011118660A1 (ja) * 2010-03-23 2011-09-29 帝人株式会社 ポリオレフィン微多孔膜、非水系二次電池用セパレータ、非水系二次電池及びポリオレフィン微多孔膜の製造方法
US9680142B2 (en) 2010-03-23 2017-06-13 Teijin Limited Polyolefin microporous membrane, separator for non-aqueous secondary battery, non-aqueous secondary battery and method of producing polyolefin microporous membrane

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