JP2000212313A - 表面親水性成形物の製造方法 - Google Patents

表面親水性成形物の製造方法

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JP2000212313A
JP2000212313A JP11020234A JP2023499A JP2000212313A JP 2000212313 A JP2000212313 A JP 2000212313A JP 11020234 A JP11020234 A JP 11020234A JP 2023499 A JP2023499 A JP 2023499A JP 2000212313 A JP2000212313 A JP 2000212313A
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compound
excipient
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Tetsuo Takada
哲生 高田
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 材料表面の活性化が不要で、材料の劣化が生
じず、ヘパリン誘導体の表面結合量を幅広く制御でき、
材料表面を除き光重合反応を起こさせず、連続生産が可
能で、且つ、一工程で表面親水性成形物を製造する方法
を提供すること。 【解決手段】 1分子中に2以上の重合性不飽和二重結合
を有する疎水性化合物(a)、光重合開始剤を含有する疎
水性光重合性組成物からなる任意形状の賦形物(b)の表
面に、一般式(1) 【化1】 (R1、R2;H、C1〜6のアルキル基、R3;H、メチル
基、Hep;ヘパリン残基、n;1以上の整数)で表わされ
る重合性化合物(c)を含有する親水性液体(d)を接触させ
ながら、活性光線を照射することによって、賦形物(b)
を硬化させると共に、賦形物(b)の表面に親水性化合物
(c)の分子を化学的に結合させる表面親水性成形物の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療分野で使用さ
れる、タンパク吸着が少なく、生体適合性に優れた表面
親水性成形物の製造方法に関するものであり、更に詳し
くは、ヘパリン残基を有する重合性化合物を表面に結合
させた表面親水性成形物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】医療分野で使用される成形物の大きな問
題点は、生体適合性の不足にあり、具体的には、血栓、
溶血、感作性、免疫反応等の発生が挙げられる。それら
の中でも、特に血栓(血液凝固)の発生が長期使用の医
療材料(例えば人工心肺、血液回路等)にとって致命的
な問題である。
【0003】このような問題を解決するために、成形物
の表面に親水化処理や生体適合性処理が通常行われてい
る。例えば、特開平10−53658号公報には、ビ
ニル系化合物と光重合開始剤からなる重合性組成物を賦
形し、得られた未硬化の賦形物を、親水基を有するビニ
ル系化合物と接触させた状態で、これらに活性光線を照
射することによって、未硬化の賦形物を硬化させると共
に、賦形物の表面において、ビニル系化合物と親水基を
有するビニル系化合物の一部を共重合させる表面親水性
成形物の製造方法が、また、特開昭55−15805
5号公報には、不飽和二重結合を有するヘパリン誘導体
の存在下で材料の表面を活性線処理する方法が、それぞ
れ提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
の製造方法で得られる表面親水性成形物における親水基
は、低蛋白吸着性や生体的不活性な性質の付与には寄与
するが、アンチトロンビン(以下、「ATIII」と省
略する。)等のよるトロンビン阻害反応を促進するよう
な作用は有しないので、得られた表面親水性成形物は、
抗血栓性(抗血液凝固)の面では、十分に満足できる性
能を有するものではなかった。
【0005】なお、上述のトロンビンは、分子量約3
7,000、二本鎖からなる糖蛋白質であって、血液凝
固因子を活性化させる性質を有している。また、ATI
IIは、分子量約59,000の一本鎖糖蛋白質であっ
て、トロンビンと複合体を形成し、血液凝固を阻害する
働きを有している。
【0006】一方、上記特開昭55−158055号
公報には、不飽和二重結合を有するヘパリン誘導体を用
いることにより、材料の表面に優れた抗血栓性作用を付
与できることが記載されている。ヘパリンによる抗血栓
作用は、ヘパリンがATIIIと結合することにより、
ATIIIの高次構造が僅かに変化し、トロンビンと結
合しやすくなる点にある。ATIIIのトロンビン阻害
速度は、ヘパリンで1万倍以上も促進される。
【0007】しかしながら、上記の製造方法は、不飽
和二重結合を有するヘパリン誘導体の存在下に材料の表
面を活性線処理する方法であり、材料の表面が活性化さ
れると同時に、不飽和二重結合を有するヘパリン誘導体
も活性化し、活性化した不飽和二重結合を有するヘパリ
ン誘導体が材料の表面と反応するほか、誘導体同士の反
応も始まり、ヘパリン誘導体のグラフト率の制御はとも
かく、ヘパリン誘導体の再利用ができず、生産性が低
く、非常に不経済である、という問題点がある。また、
活性線の種類によって、真空条件が必要な場合(例えば
プラズマ処理)があり、連続生産には不向きであるとい
う問題点もある。更に、通常の汎用ポリマー(ポリスル
ホン、ポリオレフィン等)或いはエンジニアリングポリ
マー(ポリイミド等)は、過酷な処理条件を施しても活
性化し難く、グラフト率の制御が非常に困難であるう
え、過度な条件で処理すると、材料(特にデリケートな
表面をもつ人工肺)の劣化が生じ、性能や物理的な強度
の低下等をもたらしてしまう、という問題点があった。
【0008】以上のように、上記の方法を用いて、材
料の表面にヘパリン誘導体を高密度にグラフトさせるに
は極めて困難であった。
【0009】本発明が解決しようとする課題は、材料の
劣化が生じず(材料表面の活性化が不要)、ヘパリン誘
導体の表面結合量を幅広く制御でき、材料表面を除き光
重合反応を起こさせず、連続生産が可能で、且つ、一工
程で表面親水性成形物を製造する方法を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、1分子中に重合
性不飽和二重結合を2個以上有する疎水性化合物(a)
と光重合開始剤とを含有する疎水性の光重合性組成物を
薄膜状、糸状、ビーズ状、その他の任意形状に賦形した
賦形物(b)の表面に、重合性不飽和二重結合とヘパリ
ン基残を有する重合性化合物(c)を含有する親水性液
体(d)を接触させた状態で、活性光線を照射すること
によって、賦形物(b)を硬化させると共に、賦形物
(b)と親水性液体(d)との接触界面で、疎水性化合
物(a)と重合性不飽和二重結合とヘパリン基残を有す
る親水性化合物(c)とを共重合させて疎水性の賦形物
(b)の表面に化合物(c)の分子を化学的に結合させ
ることにより、表面親水性成形物が容易に1行程で製造
でき、しかも、この製造方法は、化合物(c)の密度等
を容易に制御することができ、疎水性化合物(a)から
なる成形物が本来有する構造、物性等を損なうことがな
いことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、[1](1)1分子中に重合性不飽和二重結合を2
個以上有する疎水性化合物(a)と光重合開始剤とを含
有する疎水性の光重合性組成物を薄膜状、糸状、ビーズ
状、その他の任意形状に賦形した賦形物(b)を形成す
る第1工程と、(2)賦形物(b)の表面に、重合性不
飽和二重結合を有する親水性化合物(c)を含有する親
水性液体(d)を接触させる第2工程と、(3)前記接
触状態下の賦形物(b)に活性光線を照射することによ
って、(イ)賦形物(b)を硬化させると共に、(ロ)
賦形物(b)と親水性液体(d)との接触界面で、疎水
性化合物(a)と親水性化合物(c)とを共重合させて
疎水性の賦形物(b)の表面に親水性化合物(c)の分
子を化学的に結合させるが、(ハ)親水性液体(d)の
中では前記接触界面を除き光重合反応を起こさせない第
3工程とから成る表面親水性成形物の製造方法におい
て、重合性不飽和二重結合を有する親水性化合物(c)
として、一般式(1)
【0012】
【化3】
【0013】(式中、R1及びR2は、各々独立に水素原
子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表わし、 R
3は、水素原子又はメチル基を表わし、Hepはヘパリ
ン残基を表わし、nは1以上の整数を表わす。)で表わ
される重合性化合物を用いることを特徴とする表面親水
性成形物の製造方法を提供する。
【0014】また、本発明は上記課題を解決するため
に、[2](1)1分子中に重合性不飽和二重結合を2
個以上有する疎水性化合物(a)と光重合開始剤とを含
有する疎水性の光重合性組成物を薄膜状、糸状、ビーズ
状、その他の任意形状に賦形した賦形物(b)を形成す
る第1工程と、(2)賦形物(b)に活性光線を照射し
て賦形物(b)を予備硬化させるが、少なくとも賦形物
(b)の表面に重合性不飽和二重結合が残留した状態に
維持する第2工程と、(3)予備硬化した賦形物(b)
の表面に、重合性不飽和二重結合を有する親水性化合物
(c)を含有する親水性液体(d)を接触させる第3工
程と、(4)前記接触状態下にある予備硬化した賦形物
(b)に活性光線を照射することによって、(イ)賦形
物(b)を完全に硬化させると共に、(ロ)賦形物
(b)と親水性液体(d)との接触界面で、疎水性化合
物(a)と親水性化合物(c)とを共重合させて疎水性
の賦形物(b)の表面に親水性化合物(c)の分子を化
学的に結合させるが、(ハ)親水性液体(d)の中では
前記接触界面を除き光重合反応を起こさせない第4工程
とから成る表面親水性成形物の製造方法において、重合
性不飽和二重結合を有する親水性化合物(c)として、
一般式(1)
【0015】
【化4】
【0016】(式中、R1及びR2は、各々独立に水素原
子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表わし、 R
3は、水素原子又はメチル基を表わし、Hepはヘパリ
ン残基を表わし、nは1以上の整数を表わす。)で表わ
される重合性化合物を用いることを特徴とする表面親水
性成形物の製造方法を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法で使用する1分
子中に重合性不飽和二重結合を2個以上有する疎水性化
合物(a)は、有機、無機を問わず、紫外線、可視光、
赤外線の如き活性光線の照射により重合し、ポリマーと
なるものであれば良く、ラジカル重合、アニオン重合、
カチオン重合等、任意のものであって良い。そのような
化合物としては、例えば、分子内にビニル基、ビニリデ
ン基、アクリロイル基、メタクリロイル基[以下、アク
リロイル基とメタクリロイル基を併せて(メタ)アクリ
ロイル基と称する。(メタ)アクリル、(メタ)アクリ
レート等についても同様である]等を有する化合物が挙
げられるが、中でも活性光線照射により重合速度が速い
ことから、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好
ましい。
【0018】本発明の製造方法で使用する疎水性化合物
(a)としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペン
チルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−アクリロ
イルオキシグリセリンモノメタクリレート、2,2’−
ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエチレンオ
キシフェニル)プロパン2,2’−ビス(4−(メタ)
アクリロイルオキシポリプロピレンオキシフェニル)プ
ロパン、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、
ビス[(メタ)アクリロイルオキシエチル]ヒドロキシ
エチルイソシアネート、フェニルグリシジルエーテルア
クリレートトリレンジイソシアネート、アジピン酸ジビ
ニルの如き1分子中に2個の(メタ)アクリル基を有す
る化合物(以下、2官能化合物という。)、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルエタントリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)
アクリロイルオキシエチル]イソシアネート、ペンタエ
リスリトールトリ(メタ)アクリレートの如き1分子中
に3個の(メタ)アクリル基を有する化合物(以下、3
官能化合物という。)、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレ
ートヘキサメチレンジイソシアネートの如き1分子中に
4個の(メタ)アクリル基を有する化合物(以下、4官
能化合物という。)、ジペンタエリスリトールモノヒド
ロキシペンタ(メタ)アクリレートの如き1分子中に5
個の(メタ)アクリル基を有する化合物(以下、5官能
化合物という。)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレートの如き1分子中に6個の(メタ)アク
リル基を有する化合物(以下、6官能化合物という。)
などが挙げられる。
【0019】また、本発明で使用する疎水性化合物
(a)としては、ビスフェノールA−ジエポキシ−(メ
タ)アクリル酸付加物の如きエポキシ樹脂の(メタ)ア
クリル酸エステル、ポリエーテル樹脂の(メタ)アクリ
ル酸エステル、ポリブタジエン樹脂の(メタ)アクリル
酸エステル、分子末端に(メタ)アクリル基を有するポ
リウレタン樹脂などが挙げられる。
【0020】これらの疎水性化合物(a)は、単独で用
いることも、2種以上の化合物を混合して用いることも
できる。
【0021】疎水性化合物(a)を含有する疎水性の光
重合性組成物には、必要に応じて、1分子中に重合性不
飽和二重結合を1個有する化合物を併用することも可能
である。そのような化合物としては、例えば、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アク
リレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル
(メタ)アクリレート、フェニルセロソルブ(メタ)ア
クリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレ
ート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、など
が挙げられる。
【0022】上記の化合物(a)及び1分子中に重合性
不飽和二重結合を1個有する疎水性化合物の選択によ
り、表面親水性成形物の支持体成形物(即ち、賦形物
(b)の硬化物)の架橋密度を任意に制御することがで
きる。例えば、耐熱性、耐溶剤性、耐膨潤性、硬度、強
度に優れた成形物を得るためには、1分子中に重合性不
飽和二重結合(以下、官能基という。)を2個以上有す
る疎水性化合物(a)の中でも、官能基数の多い(以
下、多官能という。)ものを選択し、それから成形され
るポリマーの架橋密度を高める方法を採用すればよい。
逆に、熱可塑性、柔軟性、伸び等に優れた成形物を得る
ためには、多官能の化合物を用いずに、架橋構造を有し
ないポリマーとする方法。或いは、多官能の化合物と、
1分子中に重合性不飽和二重結合を1個有する化合物を
併用して比較的架橋密度の低いポリマーとする方法を採
用すればよい。これらの方法は目的とする成形物の要求
特性により任意に選定することができる。
【0023】本発明の製造方法において、疎水性化合物
(a)を用いることにより、水に非膨潤の支持体成形物
が得られる。なお、本明細書で言う「水に非膨潤性」と
は、20℃の水に浸漬した場合、乾燥重量に対する重量
増加率が5重量%以下であることを言う。水に非膨潤性
であることにより、成形物は耐水性を有し、湿潤状態で
も寸法変化や強度が低下することはない。
【0024】本発明の製造方法において、疎水性の光重
合性組成物を賦形した賦形物(b)は、親水性化合物
(c)を含有する親水性液体(d)に接触してから光重
合硬化までの間、賦形された状態を実質的に保持できる
ものであることが必要である。そのために、疎水性の光
重合性組成物の主要な構成要素である疎水性化合物
(a)が親水性液体(d)に溶解しないもの、あるい
は、疎水性の光重合性組成物が高粘度のものが好まし
い。
【0025】疎水性の光重合性組成物には、その他の成
分を溶解又は非溶解の状態で含有させることもできる。
その他の成分としては、例えば、光重合開始剤、光重合
性組成物の増粘剤として機能するポリマー、最終成形物
の物性改良剤として機能するポリマー、充填剤などの無
機物、アラミド繊維などの強化材、着色剤、防黴剤など
の薬剤、多孔質体を成形するための貧溶剤等が挙げられ
る。
【0026】疎水性の光重合性組成物中の光重合開始剤
は、本発明で使用する活性光線に対して活性であり、疎
水性化合物(a)並びに親水性化合物(c)を重合させ
ることが可能なものであれば、特に制限がなく、例え
ば、ラジカル重合開始剤、アニオン重合開始剤、カチオ
ン重合開始剤であって良い。そのような光重合開始剤と
しては、例えば、p−tert−ブチルトリクロロアセトフ
ェノン、2,2′−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒ
ドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ
ンの如きアセトフェノン類;ベンゾフェノン、4,4′
−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオ
キサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチ
オキサントン、2−イソプロピルチオキサントンの如き
ケトン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベ
ンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチル
エーテルの如きベンゾインエーテル類;ベンジルジメチ
ルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
の如きベンジルケタール類、などが挙げられる。
【0027】光重合開始剤は、疎水性の光重合性組成物
に溶解あるいは分散した状態で用いることができるが、
疎水性の光重合性組成物に溶解するものであることが好
ましい。疎水性の光重合性組成物中の光重合開始剤濃度
は、0.01〜20重量%の範囲が好ましく、0.5〜
10重量%の範囲が特に好ましい。
【0028】光重合開始剤の他に、熱重合開始剤も使用
することが可能である。熱重合開始剤としては、例え
ば、ジブチルパーオキサイドメチルエチルケトンパーオ
キサイド、t−ヘキシルヒドロパーオキサイド、などが
挙げられる。
【0029】本発明の製造方法で使用する重合性不飽和
二重結合を有する親水性化合物(c)は、ヘパリン残基
を有する重合性化合物で、一般式(1)
【0030】
【化5】
【0031】(式中、R1及びR2は、各々独立に水素原
子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表わし、 R
3は、水素原子又はメチル基を表わし、Hepはヘパリ
ン残基を表わし、nは1以上の整数を表わす。)で表わ
されるヘパリン残基を有するビニル系化合物である。
【0032】一般式(1)で表わされる化合物の具体例
としては、例えば、モノ[(メタ)アクリロイル]ヘパ
リン、ジ[(メタ)アクリロイル]ヘパリン、テトラ
[(メタ)アクリロイル]ヘパリン、ノナ[(メタ)ア
クリロイル]ヘパリン、テトラデカ[(メタ)アクリロ
イル]ヘパリン、トリエイコサ[(メタ)アクリロイ
ル]ヘパリン等を挙げることができる。
【0033】これらの化合物は単独で用いることも、2
種以上の化合物を混合して用いることもできる。また、
これらの化合物は、糖残基、アミノ酸残基、アミノ基、
カルボキシル基、スルホン基、燐酸基、ポリエチレング
リコール鎖の如き、ヘパリン残基以外の親水性基を有す
る(メタ)アクリレートと混合して用いることも可能で
ある。
【0034】本発明の製造方法において使用する親水性
液体(d)は、親水性化合物(c)を主たる構成要素と
する。親水性化合物(c)は単独又は2種類以上の混合
物であってよい。親水性液体(d)は、親水性化合物
(c)の他に、溶剤、重合禁止剤、連鎖移動剤などを含
有してもよいが、本発明で使用する活性光線に活性な光
重合開始剤を含有しないことが好ましい。そのような光
重合開始剤を含有すると、親水性化合物(c)が単独重
合するという不都合が生じる。しかしながら、光重合開
始剤を含有する場合であっても、重合禁止剤や連鎖移動
剤を同時に含有させることにより、上記の不都合を減じ
ることは可能である。
【0035】親水性液体(d)に用いられる液体は、
水、水溶性溶剤、界面活性剤もしくはそれらの混合物で
あることが好ましく、表面親水性に優れる成形物を得る
ためには、水又は水を主成分とする溶剤であることが更
に好ましく、界面活性剤と水との混合物であることが、
最も好ましい。
【0036】水溶性溶剤は、水と任意の割合で混和しう
る溶剤を言い、そのような水溶性溶剤としては、例え
ば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレン
グリコール、グリセリンの如きアルコール系溶剤、酢酸
の如き酸、アセトンの如きケトン系溶剤、ホルムアミド
の如きアミド系溶剤、などが挙げられる。
【0037】親水性液体(d)に、必要に応じて添加す
ることができる界面活性剤は、親水性化合物(c)を含
む溶剤に溶解するものであればよく、そのような界面活
性剤としては、例えば、n−ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウムの如きアニオン性界面活性剤;n−ドデシ
ルトリメチルアンモニウムクロライドの如きカチオン性
界面活性剤;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレ
ート(商品名「ツィーン20」)、ポリオキシエチレン
ラウリルエーテルの如き非イオン性界面活性剤、などが
挙げられる。
【0038】親水性液体(d)中の親水性化合物(c)
の濃度は、成形物表面に要求される親水性(生体適合
性)、界面での反応性、親水基結合量の制御並びに後洗
浄等の面から、0.5〜80重量%の範囲が好ましく、
3〜30重量%の範囲が特に好ましい
【0039】一般的に、親水性液体(d)中の親水性化
合物(c)の濃度が高くなるほど、支持体成形物の表面
に固定される親水性層が厚くなるが、その厚みについて
は特に限定する必要がない。例えば、親水性層の強度に
対して要求されない場合は、該親水性層がゲル状のもの
であっても良い。しかしながら、親水性層に一定の強度
を要求される場合には、親水性層が厚くなりすぎると
(例えば、乾燥状態で厚さ10μm以上)、湿潤時に表
面強度が低下し、親水性層の変形や剥離が生じ易くな
る。親水性液体(d)中の親水性化合物(c)の濃度を
上記の範囲とすることにより、充分な親水性(生体適合
性)を示し、且つ表面親水性層が過度に厚くない親水性
成形物を得ることができる。
【0040】1分子中に重合性不飽和二重結合を2個以
上有する疎水性化合物(a)と光重合開始剤とを含有す
る疎水性の光重合性組成物の未硬化の賦形物と親水性液
体(d)との接触方法は任意であり、例えば、賦形物の
親水性液体(d)中への浸漬、賦形物表面への親水性液
体(d)の流延又はスプレー、噴霧、賦形物と親水性液
体(d)の泡との接触、光重合性組成物と親水性液体
(d)の共押し出しなどの方法が挙げられ、中でも賦形
物の親水性液体(d)中への浸漬が好ましい。また、光
重合性組成物の賦形物と接触させる親水性液体(d)
は、気相(蒸気)であってもよい。
【0041】光重合性組成物を賦形して得られた未硬化
の賦形物を、親水性液体(d)と接触させた状態で光照
射すると、賦形物の内部又は表面で発生したラジカル、
アニオン、カチオンなどの活性種によって、疎水性化合
物(a)が重合すると共に、発生したこれらの活性種あ
るいは疎水性化合物(a)の重合連鎖におけるこれらの
活性種によって、賦形物の表面で親水性液体(d)中に
含まれる親水性化合物(c)の重合も誘発され、1つの
活性種から開始した重合反応は実質的に瞬時に終了す
る。即ち、重合反応は、賦形物内部において、疎水性化
合物(a)同士、賦形物と親水性液体(d)との接触面
において、疎水性化合物(a)と親水性化合物(c)の
間、及び該接触面近傍の親水性液体(d)層中において
親水性化合物(c)同士で起こり、疎水性化合物(a)
と親水性化合物(c)とのブロック共重合体が形成され
る。従って、賦形物が硬化することにより形成された支
持体成形物の内部には、親水性化合物(c)あるいはそ
の重合体は存在せず、親水性化合物(c)あるいはその
重合体は、支持体成形物の表面のみに結合される。支持
体成形物の表面に結合される親水基の量〔即ち、親水性
化合物(c)からなる重合体の量〕は、親水性化合物
(c)の濃度、反応温度、光重合性組成物中の光重合開
始剤濃度、光強度等によって調節することができる。支
持体成形物の表面に固定された親水性化合物(c)は、
重合体とならず、親水性化合物(c)自体であることも
あり得る。
【0042】なお、本発明の製造方法では、親水性化合
物(c)は、使用された量の一部分が光重合性組成物の
賦形物の硬化物である支持体成形物の表面に結合し、残
余の親水性化合物(c)は、未硬化のまま親水性液体
(d)相中に残留することになる。
【0043】本発明の親水性成形物の形状は、光照射に
よって成形可能な物であれば特に限定されないが、例え
ば、糸状、中空糸状、管状、円筒状、粒子状、カプセル
状、フィルム状、板状、塗膜状、その他任意の形状であ
って良い。成形しやすさの面から、親水性成形物は、フ
ィルム状又は塗膜状であることが好ましい。また、親水
性成形物が更に別の支持体などと一体化された形態であ
っても良い。更に、親水性成形物は、均質物、多孔質
体、パターニング物、その他の構造を有するものであっ
ても良い。
【0044】多孔質体を作製する場合には、例えば、光
重合性組成物として、1分子中に重合性不飽和二重結合
を2個以上有する疎水性化合物(a)と相溶するが、該
疎水性化合物(a)からなる重合硬化物を溶解または膨
潤させない成分(貧溶剤又は相分離剤とも言う。以下、
「貧溶剤」という。)を含有するものを使用し、賦形し
た後、後述する予備重合などにより重合硬化させた後、
貧溶剤を除去すればよい。疎水性化合物(a)が重合す
ると同時に貧溶剤との相溶性が無くなるため、相分離を
起こし多孔状に凝固する。洗浄して貧溶剤を除去するこ
とにより互いに連通した多孔質体を得ることができる。
【0045】ここで使用できる貧溶剤としては、例え
ば、アジピン酸ジイソブチル、カプリル酸メチル、カプ
リン酸メチル、ラウリン酸メチルの如き脂肪酸のアルキ
ルエステル;ジイソブチルケトンの如きケトン類;ポリ
エチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリ
コールモノラウリルエーテルの如き非イオン性界面活性
剤類、などが挙げられる。
【0046】1分子中に重合性不飽和二重結合を2個以
上有する疎水性化合物(a)と光重合開始剤とを含有す
る疎水性の光重合性組成物を賦形する方法には、特に制
限はない。例えば、コーターやスプレーなどによる塗
布、ノズルからの押し出し、鋳型への注型、また薄く均
一に塗布する必要がある場合や形状の複雑な物体、多孔
質体(例えば、多孔質膜)、不織布や織物などの表面
(細孔や繊維表面を含む)に塗布する場合には、該疎水
性の光重合性組成物を溶剤に溶解して、塗布、噴霧又は
浸漬した後、必要に応じて余分な液を除いて、該溶剤を
揮発させる方法を用いても良い。この場合の溶剤は、該
疎水性の光重合性組成物を溶解できるものであれば、如
何なるものであって良いが、塗布後の成形物を乾燥させ
る必要性から、揮発性の比較的高い溶剤がより好まし
い。そのような溶剤としては、例えば、メタノール、エ
タノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のア
ルコール類;アセトン、メチルエチルケトン如きのケト
ン類;ジエチルエーテルの如きエーテル類:酢酸エチル
の如きエステル類;ヘキサン、トルエンの如き炭化水
素;ジクロロメタン、ジクロロエタンの如き塩素系溶
剤、などが挙げられる。
【0047】また、上記光重合性組成物を賦形した後、
該賦形物に光照射して賦形物を予備的に不完全硬化させ
ておいても良い。光重合性組成物の粘度が低い場合は、
光重合性組成物からなる賦形物を、親水性化合物(c)
あるいはそれらの溶液と接触させた時に、形状を維持し
にくい場合がある。このような場合は、賦形物を予め活
性光線で予備硬化(不完全硬化)させてから、親水性化
合物(c)あるいはそれらの溶液と接触させた後、光照
射を行なう方法が、賦形物の平滑性が向上するので、好
ましい。予備硬化が過剰であると、成形物の表面に導入
される親水基の量が減るため、光重合性組成物の重合性
官能基が残留している程度に止める必要があるが、その
最適条件は簡単な実験により求めることができる。予備
硬化は窒素雰囲気中で短時間で行なうこともできるが、
酸素存在下では光重合性組成物が完全重合しない性質を
利用して、重合阻害を受けやすい空気中で短時間不完全
硬化させる方法が好ましい。
【0048】本発明の製造方法で使用する活性光線とし
ては、紫外線、可視光、赤外光を挙げられる。これらの
活性光線の中でも、重合硬化速度の点から紫外線、可視
光が好ましく、紫外線が特に好ましい。紫外線の主たる
波長が300nm以上であるが好ましく、350nm以上で
あることが特に好ましい。活性光線の他に、電子線、エ
ックス線、γ線等のエネルギー線の使用も可能である
が、支持体成形物に結合しない親水性化合物(c)重合
体の発生量を減じるためには活性光線が最も好ましい。
照射する活性光線の強度は、1〜5000mW/cm2
範囲が好ましく、10〜2000mW/cm2 の範囲が特
に好ましい。また、重合硬化速度を速め、重合を完全に
行う目的で、光照射を不活性ガス雰囲気下で行なうこと
が好ましく、親水性化合物(c)を水、水溶性溶剤、界
面活性剤もしくはそれらの混合物に溶解したものを用い
る場合は、これらに溶解している酸素を除去しておくこ
とが好ましい。疎水性化合物(a)もまた溶存酸素を除
去しておくことが好ましい。
【0049】光重合時の温度は特に制約されないが、7
0℃程度までの範囲では、温度は高い方が成形物の親水
性が増加するので好ましい。作業条件をも考慮すると、
室温〜50℃程度の範囲が好ましい。勿論、光照射によ
る硬化は、回分式で行っても良く、連続式で行っても良
い。光照射による硬化を回分式で行なう場合、賦形した
後、そのまま光照射して予備硬化させ、次いで得られた
予備硬化物を親水性化合物(c)と接触させて再び光照
射し、本硬化させても良い。
【0050】支持体成形物が多孔質体である場合のよう
に、重合硬化後の成形物中の未反応物、重合開始剤等の
除去が必要な場合には、洗浄、乾燥、吸引、置換等の方
法を採用することができる。これらの残存物の除去後
に、更に紫外線を照射(アフターキュア)することも可
能である。また、光照射による硬化後や、残存物の除去
後に熱処理することも可能である。熱処理により未反応
モノマー、残存溶剤の完全除去などを計ることができ
る。
【0051】本発明において、支持体成形物の表面に親
水性層が形成されていることは、表面の水との接触角の
低下、あるいはヘパリン活性、により判定することがで
きる。本発明の製造方法により得られる表面親水性成形
物は、表面に該親水性層が形成されていない場合と比較
して、水との接触角が5度以上低下することが好まし
い。表面親水性成形物が、疎水性物質の吸着防止、生体
適合性を要求される用途に使用される場合などには、水
との接触角の低下の度合いは大きいほど好ましく、10
度以上低下することが好ましく、20度以上低下するこ
とがさらに好ましい。またこの場合、本発明の表面親水
性成形物の水との接触角の値は小さいほど好ましく、4
5度以下であることが好ましく、30度以下であること
がさらに好ましく、10度以下であることが最も好まし
い。
【0052】本発明の製造方法で製造される表面親水性
成形物において、親水性重合体は実質的に支持体成形物
の表面のみに存在し、内部には、例えば、共重合、ブレ
ンドなどの状態で存在しないことが好ましい。支持体成
形物が多孔質体の場合には、支持体成形物の内部とは支
持体成形物を構成する樹脂内部のことを言い、細孔の表
面は支持体成形物表面と見なす。支持体成形物が表面親
水性層とは異なるポリマーで構成されていることで、特
に湿潤状態において、支持体の物性低下が生じない。
【0053】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例の範囲に
限定されるものではない。なお、以下の実施例におい
て、「部」及び「%」は、特に断りがない限り、夫々
「重量部」及び「重量%」を表わす。
【0054】[測定項目の定義]以下の例中の測定は、
次の方法に従って行った。 (1)水接触角の測定 表面親水性成形物の水接触角は、協和科学株式会社製の
液滴法CA−D型接触角計を用いて測定した。
【0055】(2)成形物表面の元素分析 親水化した成形物表面の元素成分は、X線励起による光
電子分光法(ESCA)により測定した元素組成であ
り、全て原子の数の組成比である。測定は島津製作所製
のX線光電子分析装置ESCA850型を用い、成形物
表面と光電子検出器の角度(θ)が15゜の条件で行っ
た。
【0056】(3)ヘパリン活性測定 ヘパリン活性測定は、第一化学薬品(株)製の血漿中ヘパ
リン測定用「テストチームヘパリンS」を用いて、その
測定方法に従って行った。
【0057】(4)血液適合性試験 材料の表面をリン酸緩衝液(以下、「PBS」と省略す
る。)で一晩処理した後、ヒト新鮮血(ヒト全血)また
はヒト血小板多血漿(以下、「ヒトPRP」と省略す
る。)を該材料の表面に乗せ、180分インキューベー
トする。次いで、PBSで3回リンスして、2.5重量
%のグルタルアルデヒドで粘着した細胞成分を2時間固
定させ、固定後蒸留水でリンスして、凍結乾燥させて、
電子顕微鏡(SEM)により表面を観察した。
【0058】[実施例1] (疎水性の光重合性組成物の調製)疎水性化合物(a)
として、1分子中に平均3個のアクリル基を有するウレ
タンアクリレート[大日本インキ化学工業(株)製の「ユ
ニディックV−4263」]70部、ヘキサンジオール
ジアクリレート[第1工業製薬(株)製の「ニューフロン
ティアHDDA」]30部、及び光重合開始剤として
[チバガイギー社製の「イルガキュアー184」]2部
を均一に混合して、疎水性の光重合性組成物(A−1)
を得た。
【0059】(親水性液体(d)の調製)ヘパリン残基
及び重合性不飽和二重結合を有する親水性化合物(c)
として、メタクリル化ヘパリン(特開昭55−1580
5号公報の実施例2に記載の化合物)5部及び蒸留水9
5部を均一に混合して、親水性液体(d−1)を得た。
【0060】(表面親水性成形物の作製)先ず、疎水性
の光重合性組成物(A−1)をガラス板に厚さ250μ
mのコーターで塗布し、親水性液体(d−1)中に投入
して、 直ちに100mW/cm2(1000W/m2)の
紫外線を40秒間照射した後、 該ガラス板を取り出し
た。このようにして得た硬化物をエタノール中に5分間
浸漬し、次いで、流水で10分間洗浄した後、一晩自然
乾燥させて、塗膜状の表面親水性成形物を得た。
【0061】このようにして得た表面親水性成形物の表
面について、水接触角、表面元素分析、ヘパリン活性並
びに血液適合性試験を行った結果を表1に示した。な
お、得られた表面親水性成形物の表面親水性層の厚みは
走査型電子顕微鏡でも観察されないほど薄かった。ま
た、本実施例1で得た表面親水性成形物の支持体成形物
は37℃の水によって膨潤しなかった。
【0062】また、親水性液体(d−1)に、100m
W/cm2(1000W/m2)の紫外線を40秒間照射し
ても、水溶液中に硬化物又はゲル化物が析出することは
なかった。また、この水溶液をゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)を用いて測定したところ、
水溶液中の親水性化合物はほぼ同濃度で存在しており、
重合物の生成量は無視しうる量であった。
【0063】[実施例2] (親水性液体(d)の調製)ヘパリン残基及び重合性不
飽和二重結合を有する親水性化合物(c)として、メタ
クリル化ヘパリン(特開昭55−15805号公報の実
施例2に記載の化合物)10部及び蒸留水90部を均一
に混合して、親水性液体(d−2)を得た。
【0064】(表面親水性成形物の作製)実施例1にお
いて、親水性液体(d−1)に代えて、親水性液体(d
−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして塗膜状の
表面親水性成形物を製造し、その表面について水接触
角、表面元素分析、ヘパリン活性並びに血液適合性試験
を行ない、その結果を表1に示した。なお、得られた表
面親水性成形物の表面親水性層の厚みは走査型電子顕微
鏡でも観察されないほど薄かった。また、本実施例2で
得た表面親水性成形物の支持体成形物は37℃の水によ
って膨潤しなかった。
【0065】なお、親水性液体(d−2)に、100m
W/cm2(1000W/m2)の紫外線を40秒間照射し
ても、水溶液中に硬化物又はゲル化物が析出することは
なかった。また、この水溶液をGPC測定したところ、
水溶液中の親水性化合物はほぼ同濃度で存在しており、
重合物の生成量は無視しうる量であった。
【0066】[実施例3] (親水性液体(d)の調製)ヘパリン残基及び重合性不
飽和二重結合を有する親水性化合物(c)として、メタ
クリル化ヘパリン(特開昭55−15805号公報の実
施例2に記載の化合物)20部及び蒸留水80部を均一
に混合して、親水性液体(d−3)を得た。
【0067】(表面親水性成形物の作製)実施例1で使
用した光重合性組成物(A−1)をガラス板に厚さ25
0μmのコーターで塗布し、空気中で100mW/cm2
(1000W/m2)の紫外線を2秒間予備照射して、
親水性液体(d−3)に投入し、 更に100mW/cm2
(1000W/m2) の紫外線を40秒間照射した後、
該ガラス板を取り出した。このようにして得た硬化物
を、エタノール中に10分間浸漬し、次いで、流水で1
0分間洗浄した後、一晩自然乾燥させて、塗膜状の表面
親水性成形物を得た(実施例3−1)。さらに、親水性
液体(d−3)として、上記のようにして表面親水性成
形物を作製し、ガラス板を取り出した後のものを再度使
用した以外は、実施例3−1と同じ方法によって、計5
枚の表面親水性成形物を作製し、それぞれ実施例3−1
で作製した表面親水性成形物と同様の処理を行った。
【0068】このようにして得た1枚目(実施例3−
1)から5枚目(実施例3−5)で得た表面親水性成形
物の表面について水接触角、表面元素分析、ヘパリン活
性並びに血液適合性試験を行ない、その結果を表1に示
した。なお、得られた表面親水性成形物の表面親水性層
の厚みはいずれも走査型電子顕微鏡でも観察されないほ
ど薄かった。また、本実施例3で得た表面親水性成形物
の支持体成形物は、37℃の水によって5枚とも膨潤し
なかった。
【0069】なお、親水性液体(d−3)に、100m
W/cm2(1000W/m2)の紫外線を40秒間照射し
ても、水溶液中に硬化物又はゲル化物が析出することは
なかった。また、この水溶液をGPC測定したところ、
水溶液中の親水性化合物はほぼ同濃度で存在しており、
重合物の生成量は無視しうる量であった。
【0070】[実施例4] (親水性液体(d)の調製)ヘパリン残基及び重合性不
飽和二重結合を有する親水性化合物(c)として、メタ
クリル化ヘパリン(特開昭55−15805号公報の実
施例2に記載の化合物)20部、蒸留水79.5部及び
界面活性剤〔ポリエチレングリコール(n=10)モノ
ラウレート〕0.5部を均一に混合して、親水性液体
(d−4)を得た。
【0071】(表面親水性成形物の作製)実施例1にお
いて、親水性液体(d−1)に代えて、親水性液体(d
−4)を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗膜状
の表面親水性成形物を製造し、その表面について水接触
角、表面元素分析、ヘパリン活性並びに血液適合性試験
を行ない、その結果を表1に示した。なお、得られた表
面親水性成形物の表面親水性層の厚みは走査型電子顕微
鏡でも観察されないほど薄かった。また、本実施例4で
得た表面親水性成形物の支持体成形物は、37℃の水に
よって膨潤しなかった。
【0072】なお、親水性液体(d−4)に、100m
W/cm2 の紫外線を40秒間照射しても、水溶液中に硬
化物又はゲル化物が析出することはなかった。また、こ
の水溶液をGPC測定したところ、水溶液中の親水性化
合物はほぼ同濃度で存在しており、重合物の生成量は無
視しうる量であった。
【0073】[実施例5] (疎水性の光重合性組成物の調製)疎水性化合物(a)
として、1分子内に平均して3個のアクリル基を有する
ウレタンアクリレート[大日本インキ化学工業(株)製の
「ユニディックV−4263」]4部、ジシクロペンタ
ニルジアクリレート[日本化薬(株)製の「カヤラッドR
−684」]1部、光重合開始剤として[チバガイギー
社製の「イルガキュアー184」]0.2部、及びエタ
ノール95部を均一に混合して、疎水性の光重合性組成
物(A−5)を得た。
【0074】(表面親水性成形物の作製)直系60mmの
円形状に切った不織布(日本バイリーン(株)製の「MF
−90」)を、疎水性の光重合性組成物(A−5)中に
浸漬し、20秒超音波照射した後、該不織布を取り出
し、室温でエタノールを揮発させて、疎水性の光重合性
組成物(A−5)からなる未硬化のコーティング層を有
する不織布を得た。次に、この未硬化のコーティング層
を有する不織布を、実施例4で用いた親水性液体(d−
4)に浸漬した後、直ちに100mW/cm2(1000
W/m2)の紫外線を40秒間照射した。
【0075】このようにして得た硬化物を30%のエタ
ノール水溶液中に10分間浸漬し、次いで、流水で10
分間洗浄した後、一晩自然乾燥させて、不織布状の表面
親水性成形物を得た。
【0076】該表面親水性成形物の表面について、表面
元素分析、ヘパリン活性並びに血液適合性試験を行った
結果を表1に示した。なお、得られた表面親水性成形物
の表面親水性層の厚みは走査型電子顕微鏡でも観察され
ないほど薄かった。また、本表面親水性成形物の支持体
成形物は37℃の水によって膨潤しなかった。
【0077】なお、不織布の繊維間に空気が存在し、水
接触角を正確に測定できないため、この測定は行わなか
った。
【0078】[比較例1]実施例1で使用した光重合性
組成物(A−1)をガラス板に厚さ250μmのコータ
ーで塗布し、水に投入して、直ちに100mW/cm
2(1000W/m2)の紫外線を40秒照射した後、該
ガラス板を取り出した。このようにして得た硬化物をエ
タノール中に10分浸漬し、次いで、流水で10分間洗
浄した後、一晩自然乾燥させて、塗膜状の成形物を得
た。
【0079】該塗膜状成形物の表面について、水接触
角、表面元素分析、ヘパリン活性並びに血液適合性試験
を行ない、その結果を表2に示した。なお、この膜状成
形物は37℃の水によって膨潤しなかった。
【0080】[比較例2]人工肺の原料であるポリ−4
−メチルペンテン−1[三井石油化学工業(株)製の「T
PX」]のシート(30mm×100mm)を、プラズマ照
射用真空管[日本高周波(株)製]内に入れ、真空度が
0.03torr(4Pa)になるまで真空引きを行なった
後、次に、真空度が0.8torr(106.4Pa)以下に
保つように酸素を流しながら、放電出力250Wでプラ
ズマ放電を20分行った。プラズマ放電処理を行なった
後、該シートを取り出し、直ちに実施例4で用いた親水
性液体(d−4)に10分間浸漬した。このようにして
得た処理シートを流水で10分間洗浄した後、一晩自然
乾燥させて、シート状の成形物を得た。
【0081】該シート状成形物の表面について水接触
角、表面元素分析、ヘパリン活性並びに血液適合性試験
を行ない、その結果を表2に示した。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】1)ヘパリン試薬試薬(Sodium Salt, Gra
de 1-A, SIGMA H-3393)のESCAによる元素分析の結
果は[S]=6.4%、[N]=3.4%である。 2)第一化学薬品(株)製の「テストチームヘパリンS」
による測定結果である。 3)各々の電子顕微鏡(SEM)写真より直接数えた数
である。(単位:個/10000μm2
【0085】表1に示した結果から、各実施例の表面親
水性成形物の表面には、ヘパリン残基由来の元素が検出
されており、ヘパリン活性を示していることが理解でき
る。また、表2に示した比較例2の結果から、特開昭5
5−158055号公報に開示されたプラズマグラフト
重合法では、ヘパリン残基を有するメタクリレートが賦
形物の表面に結合できないことが判る。また、赤血球の
変形破損により、ヘモグロビンが遊離してしまうことを
溶血と言うが、表2に示された比較例の評価結果にある
血小板の粘着、凝集変形は、血栓、血液凝固を引き起こ
す最大の原因である。
【0086】
【発明の効果】本発明の製造方法によって得られる表面
親水性成形物は、成形物内部に親水基(ヘパリン残基)
が存在しないので、成形物の膨潤が起こらず、成形物本
来の構造、物性等を損なうことがなく、しかも、親水基
(ヘパリン残基)の離脱が起こらないという利点があ
る。また、本発明の表面親水性成形物の製造方法によれ
ば、成形物の表面にのみ親水基(ヘパリン残基)が共有
結合し、且つ成形物の表面に結合する親水基(ヘパリン
残基)の密度等を容易に制御でき、親水性や生体(血
液)適合性の高い成形物を容易に製造できる。更に、本
発明の表面親水性成形物の製造方法によれば、成形性が
高く、任意の形状の成形物を作ることができる。更にま
た、本発明の表面親水性成形物の製造方法によれば、親
水化の目的のみならず、表面に機能性置換基を有する成
形物を容易に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C081 BA06 BB01 CA081 CA082 CA211 CB042 CC01 CC05 CC06 CC07 CD062 DA02 DA03 DA04 DA05 DA11 DC02 DC03 DC04 DC06 DC14 EA06 4F006 AA22 AB24 BA10 CA09 DA04 EA03 4F073 AA01 AA08 BA18 BA20 BA22 BA27 BA28 BB01 BB02 BB03 BB04 CA45 CA53 FA12 4J011 QA03 QA13 QA15 QA18 QA19 QA22 QA23 QA25 QA27 QA38 QB04 QB15 QB20 QB24 SA07 SA22 SA25 SA32 SA34 SA54 SA61 SA64 VA04 VA05 XA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)1分子中に重合性不飽和二重結合
    を2個以上有する疎水性化合物(a)と光重合開始剤と
    を含有する疎水性の光重合性組成物を薄膜状、糸状、ビ
    ーズ状、その他の任意形状に賦形した賦形物(b)を形
    成する第1工程と、(2)賦形物(b)の表面に、重合
    性不飽和二重結合を有する親水性化合物(c)を含有す
    る親水性液体(d)を接触させる第2工程と、(3)前
    記接触状態下の賦形物(b)に活性光線を照射すること
    によって、 (イ)賦形物(b)を硬化させると共に、 (ロ)賦形物(b)と親水性液体(d)との接触界面
    で、疎水性化合物(a)と親水性化合物(c)とを共重
    合させて疎水性の賦形物(b)の表面に親水性化合物
    (c)の分子を化学的に結合させるが、 (ハ)親水性液体(d)の中では前記接触界面を除き光
    重合反応を起こさせない第3工程とから成る表面親水性
    成形物の製造方法において、 重合性不飽和二重結合を有する親水性化合物(c)とし
    て、一般式(1) 【化1】 (式中、R1及びR2は、各々独立に水素原子又は炭素原
    子数1〜6のアルキル基を表わし、 R3は、水素原子又
    はメチル基を表わし、Hepはヘパリン残基を表わし、
    nは1以上の整数を表わす。)で表わされる重合性化合
    物を用いることを特徴とする表面親水性成形物の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 賦形物(b)と親水性液体(d)とを接
    触させる方法が、賦形物(b)を親水性液体(d)中に
    浸漬させる方法である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 光重合性組成物が、1分子中に重合性不
    飽和二重結合を2個以上有する疎水性化合物(a)と相
    溶するが、1分子中に重合性不飽和二重結合を2個以上
    有する疎水性化合物(a)から成る重合硬化物を溶解又
    は膨潤させない成分を含有する請求項1又は2記載の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 親水性液体(d)が界面活性剤を含有す
    る請求項1、2又は3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 (1)1分子中に重合性不飽和二重結合
    を2個以上有する疎水性化合物(a)と光重合開始剤と
    を含有する疎水性の光重合性組成物を薄膜状、糸状、ビ
    ーズ状、その他の任意形状に賦形した賦形物(b)を形
    成する第1工程と、(2)賦形物(b)に活性光線を照
    射して賦形物(b)を予備硬化させるが、少なくとも賦
    形物(b)の表面に重合性不飽和二重結合が残留した状
    態に維持する第2工程と、(3)予備硬化した賦形物
    (b)の表面に、重合性不飽和二重結合を有する親水性
    化合物(c)を含有する親水性液体(d)を接触させる
    第3工程と、(4)前記接触状態下にある予備硬化した
    賦形物(b)に活性光線を照射することによって、 (イ)賦形物(b)を完全に硬化させると共に、 (ロ)賦形物(b)と親水性液体(d)との接触界面
    で、疎水性化合物(a)と親水性化合物(c)とを共重
    合させて疎水性の賦形物(b)の表面に親水性化合物
    (c)の分子を化学的に結合させるが、 (ハ)親水性液体(d)の中では前記接触界面を除き光
    重合反応を起こさせない第4工程とから成る表面親水性
    成形物の製造方法において、 重合性不飽和二重結合を有する親水性化合物(c)とし
    て、一般式(1) 【化2】 (式中、R1及びR2は、各々独立に水素原子又は炭素原
    子数1〜6のアルキル基を表わし、R3 は、水素原子又
    はメチル基を表わし、Hepはヘパリン残基を表わし、
    nは1以上の整数を表わす。)で表わされる重合性化合
    物を用いることを特徴とする表面親水性成形物の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 賦形物(b)と親水性液体(d)とを接
    触させる方法が、賦形物(b)を親水性液体(d)中に
    浸漬させる方法である請求項5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 光重合性組成物が、1分子中に重合性不
    飽和二重結合を2個以上有する疎水性化合物(a)と相
    溶するが、1分子中に重合性不飽和二重結合を2個以上
    有する疎水性化合物(a)から成る重合硬化物を溶解又
    は膨潤させない成分を含有する請求項5又は6記載の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 親水性液体(d)が界面活性剤を含有す
    る請求項5、6又は7記載の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1216831A1 (en) 2000-12-13 2002-06-26 Fuji Photo Film Co., Ltd. Lithographic printing plate precursor
JP2007017910A (ja) * 2005-07-11 2007-01-25 Fujifilm Holdings Corp グラフトパターン材料、導電性パターン材料及びこれらの形成方法
EP2251874A1 (en) 2001-06-27 2010-11-17 Fujifilm Corporation Conductive film
CN112225834A (zh) * 2020-07-29 2021-01-15 北京米道斯医疗器械股份有限公司 烯官能化的肝素化合物及其应用

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