JP2000212143A - 光学活性アミドカルボン酸の製造方法および精製方法 - Google Patents

光学活性アミドカルボン酸の製造方法および精製方法

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JP2000212143A
JP2000212143A JP11018285A JP1828599A JP2000212143A JP 2000212143 A JP2000212143 A JP 2000212143A JP 11018285 A JP11018285 A JP 11018285A JP 1828599 A JP1828599 A JP 1828599A JP 2000212143 A JP2000212143 A JP 2000212143A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、光学活性アミドカルボン酸を原料
よりも光学純度の高い結晶で簡便に製造する方法を提供
することを目的とする。 【解決手段】 一般式(II)で表される光学活性2−
置換コハク酸−4−エステルに一般式NHR23で表さ
れるアミン類を反応させてアミド化した後、酸析するこ
とにより一般式(I)で表される光学活性アミドカルボ
ン酸を製造する。但し、式中、*は不斉炭素、R1はメ
チル基等、R2およびR3は水素原子およびメチル基等、
4はメチル基等を示す。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬農薬中間体等
として有用な光学活性置アミドカルボン酸を光学純度よ
く製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より光学活性アミドカルボン酸類の
製造方法として、以下の2つの方法が知られている。 (1)下式で示す不斉還元によって(S)−アミドカル
ボン酸を製造する方法(Chem. Pharm. B
ull., 40(1), 224−6(199
2))。
【0003】
【化4】 (2)下式で示す酵素を用いてメチルコハク酸ジメチル
の4−エステル部分を位置選択的にかつ立体選択的に
(R)体のみをモノアミド化して、(R)−アミドカル
ボン酸メチルエステルを製造する方法(Tetrahe
dron, 51(5), 1495−502(199
5))。
【0004】
【化5】 しかしながら、上記(1)の方法では、高価な不斉触媒
を用いなければならず、また特殊な不斉還元用の設備が
必要である。
【0005】また、上記(2)の方法は、光学活性アミ
ドカルボン酸エステルが得られ、直接に光学活性アミド
カルボン酸を得る方法ではない。さらに、その際得られ
た光学活性アミドカルボン酸エステルの光学純度をそれ
以上向上させる方法がないという問題もある。
【0006】一方、光学活性アミドカルボン酸の光学純
度および化学純度を上げるための精製方法としては、熱
時下にて再結晶を行うことが一般的である。しかし、本
発明が目的とするところの下記一般式(I)で表される
主炭素鎖の炭素数が4のアミドカルボン酸の場合には、
40℃を超える熱をかけることによってアミド基とカル
ボキシル基の位置が反対の一般式(III)で表される
位置異性体が生成してくるという問題がある。
【0007】
【化6】
【0008】
【化7】
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の問題点に鑑みてなされたものであり、光学活性ア
ミドカルボン酸を原料よりも光学純度の高い結晶で簡便
に製造する方法を提供することを目的とする。
【0010】また本発明は、位置異性体の生成を伴うこ
となく、光学活性アミドカルボン酸の光学純度および化
学純度をさらに向上させることのできる精製方法を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(I
I)で表される光学活性2−置換コハク酸−4−エステ
ルに一般式NHR23(但し、R2、R3は独立に水素原
子もしくは炭素数1〜2のアルキル基を示すか、あるい
はR2とR3がいっしょになってそれらが結合する窒素原
子と共に、場合によってはさらに酸素原子または窒素原
子を含む炭素数3〜4の5員または6員の複素単環を形
成してもよい。)で表されるアミン類を反応させてアミ
ド化した後、酸析することを特徴とする一般式(I)で
表される光学活性アミドカルボン酸の製造方法に関す
る。
【0012】
【化8】 但し、式(I)中、*は不斉炭素を示し、R1は炭素数
1〜10で、それぞれフェニル基またはフッ素原子で置
換されていてもよい直鎖または分岐状のアルキル基、ア
ルコキシ基またはアルキルチオ基を示し、R2およびR3
は前記と同義である。
【0013】
【化9】 但し、式(II)中、*は不斉炭素を示し、R1は前記
と同義であり、R4は炭素数1〜10で、それぞれフェ
ニル基またはフッ素原子で置換されていてもよい直鎖ま
たは分岐状のアルキル基、アルコキシ基またはアルキル
チオ基を示す。
【0014】この方法によれば、高価な不斉触媒を用い
たり、特殊な不斉還元用の設備も必要とせず、光学活性
アミドカルボン酸を直接的にしかも原料より高い光学純
度で得ることができる。
【0015】また本発明は、前記一般式(I)で表され
る光学活性アミドカルボン酸を含む溶液から40℃以下
の温度で再沈殿させることを特徴とする精製方法に関す
る。この方法では、光学活性アミドカルボン酸の光学純
度および化学純度をさらに向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】<光学活性アミドカルボン酸の製
造方法>本発明の光学活性アミドカルボン酸の製造方法
は、1)アミド化反応(光学活性アミドカルボン酸のア
ンモニウム塩またはアミン塩の形成)、2)酸析の二段
階の工程を経ることによって行われる。
【0017】まず、第1段階のアミド化反応の工程は、
次の反応式で示すように、光学活性2−置換コハク酸−
4−エステルにNHR23を反応させて光学活性アミド
カルボン酸のアンモニウム塩またはアミン塩を形成する
反応である。
【0018】
【化10】 ここで原料となる一般式(II)で表される光学活性2
−置換コハク酸−4−エステルは、例えば特開平8−2
85号公報や特開平8−310994号公報に記載され
ているような、ラセミ体2−置換コハク酸−4−ジエス
テルにエステル結合を不斉加水分解する能力を有する微
生物の培養物、菌体または菌体処理物を作用させる方
法、ラセミ体2−置換コハク酸−4−ジエステルをキラ
ルなアミンとの塩を形成させジアステレオマーとして再
結晶させる優先晶析法、ラセミ体2−置換コハク酸−4
−ジエステルを光学分割カラムを用いて光学分割する方
法等により得ることができる。
【0019】ここで、R1としては、メチル、エチル、
n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル等の直鎖状ま
たは分岐状のアルキル基;これらアルキル基中の1個以
上の水素原子がフッ素原子で置換されたフッ素置換アル
キル基;ベンジル等のフェニル置換アルキル基;メトキ
シ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−
ブトキシ等の直鎖状または分岐状のアルコキシ基;これ
らアルコキシ基中の1個以上の水素原子がフッ素原子ま
たはフェニルで置換されたアルコキシ基;メチルチオ、
エチルチオ、n−プロピルチオ、i−プロピルチオ、n
−ブチルチオ等の直鎖状または分岐状のアルキルチオ
基;これらアルキルチオ基中の1個以上の水素原子がフ
ッ素原子またはフェニルで置換されたアルキルチオ基を
挙げることができる。
【0020】この中でも、炭素数1〜8のものが好まし
く、特にメチル、エチル、n−ブチル、ベンジルが好ま
しい。
【0021】また、R4としても、上記R1と同じ基を挙
げることができ、その中でも、炭素数1〜8のものが好
ましく、特にメチル、エチル、n−ブチル、ベンジルが
好ましい。
【0022】また、一般式NHR23で表されるアミン
類としては、例えば、アンモニア、メチルアミンおよび
エチルアミン等の1級アミン、ジメチルアミン、ジエチ
ルアミン等の2級アミン、モルホリン、ピペラジン等の
環状アミン等を挙げることができる。この中でもアンモ
ニアおよび1級アミンが好ましい。
【0023】このアミド化反応に使用するアミン類の量
は、1当量はアミドカルボン酸のアンモニウム塩または
アミン塩の形成に使われるため、光学活性2−置換コハ
ク酸−4−エステル1モルに対して、2〜10倍モルが
好ましいが、反応速度や反応率および釜効率等の面から
2〜4倍モルが実用的である。また、ガス状のアミン類
はガスで直接反応系内に吹き込んでも、溶媒に吸収させ
たものを使用してもどちらでもよい。
【0024】このアミド化反応は一般に溶媒中で行い、
その際に用いる溶媒としては、例えば、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチ
ルアルコール、エチレングリコール等のアルコール系溶
媒、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、
1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン等のエーテ
ル系溶媒、ベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素、n−ヘキサン、n−ヘプタン
等の脂肪族炭化水素、水、ジメチルスルホキシド等を挙
げることができる。この中でも水、およびアルコール系
溶媒が好ましく、特に水およびメチルアルコールが好ま
しい。また、上述した溶媒を2種混合して用いてもよ
く、その場合、水またはアルコール系溶媒(好ましくは
メチルアルコール)を50%以上、特に70%以上含む
ことが好ましい。
【0025】このアミド化反応において、溶媒の使用量
は、光学活性2−置換コハク酸−4−エステル1gに対
して、0.1〜50mlが好ましいが、反応速度や反応
率および釜効率等の面から0.5〜3mlが実用的であ
る。
【0026】このアミド化反応の反応温度は、例えば−
20〜100℃の範囲であればよいが、好ましくは−1
0〜50℃である。また、反応圧力は、例えば絶対圧で
50kPa〜5MPaであり、好ましくは50kPa〜
1MPaで、さらに好ましくは80kPa〜120kP
aである。さらにこのときの反応時間は、通常0.1〜
100時間で、好ましくは1〜80時間である。ここで
の反応時間はアミン投入後の経過時間である。
【0027】このアミド化反応の反応率は、原料の光学
活性2−置換コハク酸−4−エステルと生成物の光学活
性アミドカルボン酸が共にUV吸収を有するため、高速
液体クロマトグラフィー等を利用して知ることができ
る。
【0028】このアミド化反応は、生産性や酸析時の析
出率の面から、ガスクロマトグラフィーや高速液体クロ
マトグラフィーの面積百分率から得られるの反応率が、
例えば90%以上となるように温度、時間等の条件を設
定することが好ましい。
【0029】次の第2段階目の酸析の工程は、第1段階
のアミド化反応で得られた光学活性アミドカルボン酸ア
ンモニウム塩またはアミン塩に酸を添加して遊離の光学
活性アミドカルボン酸を得る工程である。この際、光学
活性アミドカルボン酸のアンモニウム塩またはアミン塩
を単離してから酸析することも可能であるが、一般に
は、上記のアミド化反応後の反応液に、酸またはその水
溶液を添加すればよい。
【0030】ここで使用する酸としては、例えば、硫
酸、塩酸、リン酸等が挙げられるが、水溶液として用い
る場合に濃度調整が容易な、かつ安価で汎用的な硫酸ま
たは塩酸を使用することが好ましい。酸の使用量は通
常、使用したアミン類に対して0.5〜2当量が好まし
く、一般にカルボン酸のpKaが約3であることを考慮
に入れるとpHを約2に調整するだけの量で十分であ
る。酸の使用量が0.5当量未満であると光学活性アミ
ドカルボン酸のアンモニウム塩またはアミン塩が中和さ
れずに残ったり、2当量を超えるとアミド基が酸性加水
分解されて収率が低下することがある。このような酸処
理は通常−50〜120℃で行われるが、好ましくは−
10〜40℃である。
【0031】酸処理によって析出した結晶は、光学活性
アミドカルボン酸が主であるが、アミド化に使用したア
ンモニアまたはアミンの酸塩および水分が少量含まれる
ことがある。この製造方法を、得られる目的の光学活性
アミドカルボン酸の光学純度を原料よりも向上させるこ
とができる。
【0032】<光学活性アミドカルボン酸の精製方法>
本発明の光学活性アミドカルボン酸の精製方法の好まし
い具体的方法としては、精製を行う光学活性アミドカル
ボン酸の可溶溶媒の溶液中に40℃以下の温度で貧溶媒
を投入して沈殿を析出させる方法(方法1)、あるいは
精製を行う光学活性アミドカルボン酸の水溶液中に、4
0℃以下の温度で、水に対して光学活性アミドカルボン
酸よりも溶解度の高い無機塩を投入して沈殿を析出させ
る方法(方法2)を挙げることができる。
【0033】方法1および方法2のいずれの場合におい
ても、再沈殿は40℃以下であって溶液が凝固しない温
度以上で行えばよいが、位置異性体の生成を極力低減す
るためには35℃以下が好ましく、また一般には−20
℃以上が好ましい。また、再沈殿を行う際の圧力は絶対
圧で50kPa〜5MPaであり、好ましくは50kP
a〜1MPaで、さらに好ましくは80kPa〜120
kPaである。さらに再沈殿の時間は、特に制限はない
が通常0.1〜24時間で、好ましくは0.1〜5時間
である。ここでの再沈殿の時間は、方法1の場合は貧溶
媒を投入後以降の経過時間で、方法2の場合は無機塩を
投入後以降の経過時間である。
【0034】方法1で用いられる可溶溶媒としては、メ
チルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアル
コール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、i−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒、水、
N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド
等が好ましい。また、これらの混合溶媒を使用してもよ
い。 可溶溶媒の使用量は、光学活性アミドカルボン酸
1gに対して、0.1〜50mlが好ましいが、収率お
よび釜効率等の面から0.5〜10mlが実用的で、光
学活性アミドカルボン酸を溶解するのに必要十分量あれ
ばよい。
【0035】方法1で用いられる貧溶媒としては、メチ
ルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコ
ール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、i−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒、n−
ペンタン、n−ヘキサン、1−ヘキセン、n−ヘプタ
ン、n−オクタン、イソオクタン、n−デカン等の脂肪
族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキセン等の脂環
式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素、ジエチルエーテル、i−プロピルエーテル、
n−ブチルエーテル、アニソールなどのエーテル系溶
媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステ
ル系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケ
トン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒等の
使用が好ましい。また、これらの混合溶媒を使用しても
よい。
【0036】貧溶媒の使用量は、光学活性アミドカルボ
ン酸1gに対して、0.1〜500mlが好ましいが、
収率および釜効率等の面から0.5〜200mlが実用
的で、光学活性アミドカルボン酸が析出するのに必要十
分量あればよい。
【0037】ここで光学活性アミドカルボン酸を溶解さ
せる可溶溶媒、および沈殿させる貧溶媒は、精製する光
学活性アミドカルボン酸の種類によって異なり、上記に
列挙した可溶溶媒および貧溶媒の中から、それぞれの光
学活性アミドカルボン酸に適した可溶溶媒と貧溶媒を選
択すればよい。
【0038】可溶溶媒と貧溶媒の組み合わせ(可溶溶媒
/貧溶媒)の例としては、例えば、メチルアルコール/
n−ヘキサン、メチルアルコール+酢酸エチル/n−ヘ
キサン、メチルアルコール/i−プロピルアルコール、
メチルアルコール/n−ブチルアルコール、メチルアル
コール/トルエン、i−プロピルアルコール/n−ヘキ
サン等を挙げることができる。
【0039】一方、方法2における水の使用量は、光学
活性アミドカルボン酸1gに対して、0.1〜50ml
が好ましいが、収率および釜効率等の面から0.5〜1
0mlが実用的で、光学活性アミドカルボン酸を溶解す
るのに必要十分量あればよい。
【0040】方法2で再沈殿に用いられる無機塩として
は、水に対する溶解度が光学活性アミドカルボン酸より
も高い硫酸塩、塩酸塩、リン酸塩等が好ましいが、この
中でも、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の硫酸塩、塩
化ナトリウム、塩化カリウム等の塩酸塩が実用的で好ま
しい。
【0041】無機塩の使用量は、光学活性アミドカルボ
ン酸が析出するのに必要十分量あればよいが、光学活性
アミドカルボン酸1gに対して、0.1〜100gが好
ましく、さらに0.5〜50gが実用的で好ましい。ま
た、水溶液に対する無機塩の飽和溶解度より若干少ない
程度が、析出した光学活性アミドカルボン酸中に無機塩
分の混入が少なくなり、収率の面からも好ましい。
【0042】本発明の精製方法を用いると、精製前の光
学活性アミドカルボン酸より光学純度をさらに向上させ
ると共に、化学純度も向上させることができる。
【0043】本発明の精製方法は、どのような方法によ
って得られた光学活性アミドカルボン酸に対しても適用
可能である。例えば前述の<光学活性アミドカルボン酸
の製造方法>によって得られた光学活性アミドカルボン
酸の精製に適用することにより、光学純度が高くしかも
化学純度も高い光学活性アミドカルボン酸を容易に得る
ことができる。
【0044】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこの実施例によって限定されるものでは
ない。なお、実施例中の化合物の構造決定は核磁気共鳴
(NMR)で、反応率、化学純度および光学純度は高速
液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析を行った。
【0045】[HPLC測定条件](反応率および化学
純度測定用) HPLCカラム:TSK−GEL ODS−120A
(東ソー(株)製) 検出:UV220nm 移動層:水:メチルアルコール=8:2 カラム温度:室温 流速:0.7ml/分 [HPLC測定条件](光学純度測定用) HPLCカラム:CHIRALPAK AS(ダイセル
化学工業(株)製) 検出:UV220nm 移動層:n−ヘキサン:i−プロピルアルコール=1:
1 カラム温度:室温 流速:0.5ml/分 [実施例1] 光学活性4−アミノ−2−メチル−4−
オキソ酪酸の製造 この実施例では、次の反応経路により標記化合物を合成
した。
【0046】
【化11】 即ち、攪拌機、フィードポンプ、温度計を備えたグラス
ライニングされた反応釜に、大気圧下、25wt%−ア
ンモニア水を37.3kg(原料に対して3倍モル仕込
み)、攪拌下、内温を8〜10℃に保つように2.25
時間掛けて原料の光学活性メチルコハク酸−4−メチル
エステル(化学純度92.3%、光学純度95%ee)
を25kg投入し、続いて徐々に室温に戻してから70
時間静置しアミド化反応を行った。この時反応率は、H
PLC分析により97%以上となった。
【0047】次に、この反応液を再び冷却し、内温2〜
10℃に保ちながら50wt%の硫酸水溶液を4.75
時間かけて加えてpHを約2に調整して標記化合物を析
出させた後、これを濾別して目的物を得た。得られた標
記化合物の反応結果、分析結果は以下の通りである。
【0048】標記化合物取得量:21.9kg(光学純
度99.33%ee、化学純度76.4wt%(位置異
性体0.15%)、水分12.6wt%、無機塩分1
1.0wt%) 標記化合物の1H−NMR(DMSO
−d6)δppm:1.08(3H,d,J=7.02
Hz), 2.12(1H,dd,J=15.12,
6.75Hz), 2.44(1H,dd,J=15.
12, 7.02Hz),2.70(1H,td,J=
7.02, 7.02, 6.75Hz), 6.74
(1H,br−s), 7.29(1H,br−s) [実施例2〜6] 光学活性4−アミノ−2−メチル−
4−オキソ酪酸の精製(方法1) 大気圧下、光学活性4−アミノ−2−メチル−4−オキ
ソ酪酸(光学純度99.33%ee、化学純度79.8
wt%(位置異性体0.15%)、水分8.5wt%、
無機塩分11.7wt%)10gを、表1に示す可溶溶
媒(実施例5と6は混合溶媒)中に室温で溶解し、溶け
残りを濾過した後その濾液を冷却し、10℃で表1に示
す貧溶媒を滴下した後、生成した沈殿を濾別して精製さ
れた光学活性4−アミノ−2−メチル−4−オキソ酪酸
を得た。いずれも化学純度97%以上で、かつ、光学純
度の高い標記化合物の結晶を得た。その結果を表1に示
す。
【0049】
【表1】 [実施例7] 光学活性4−アミノ−2−メチル−4−
オキソ酪酸の精製(方法2) 大気圧下、実施例1で得られた光学活性4−アミノ−2
−メチル−4−オキソ酪酸1000g(光学純度99.
33%ee、化学純度76.4wt%(位置異性体0.
15%)、水分12.6wt%、無機塩分11.0wt
%)10gを水2.93kgに30〜32℃で溶解し、
濾過後、この濾液に、攪拌下30℃で10分掛けて工業
用硫酸アンモニウム1420gを投入し、1時間保持
後、さらに20℃で1時間保持した後、沈殿物を濾別し
て光学純度の高い標記化合物の結晶を得た。
【0050】標記化合物取得量:694g(光学純度9
9.95%ee、化学純度80.4wt%(位置異性体
0.14%)、水分14.0wt%、無機塩分5.6w
t%)。収率:73.0%。)
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、光学活性アミドカルボ
ン酸を原料よりも光学純度の高い結晶で簡便に製造する
ことができる。
【0052】また本発明によれば、位置異性体の生成を
伴うことなく、光学活性アミドカルボン酸の光学純度お
よび化学純度をさらに向上させることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 295/18 C07D 295/18 Z A // C07M 7:00 (72)発明者 古林 祥正 神奈川県横浜市鶴見区大黒町10番1号 三 菱レイヨン株式会社化学品開発研究所内 (72)発明者 浦垣 俊孝 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AB84 AC53 AC81 AD15 AD30 BB11 BB14 BB15 BB16 BB17 BB22 BB25 BB31 BC10 BC11 BC35 BC51 BV34

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(II)で表される光学活性2−
    置換コハク酸−4−エステルに一般式NHR23(但
    し、R2、R3は独立に水素原子もしくは炭素数1〜2の
    アルキル基を示すか、あるいはR2とR3がいっしょにな
    ってそれらが結合する窒素原子と共に、場合によっては
    さらに酸素原子または窒素原子を含む炭素数3〜4の5
    員または6員の複素単環を形成してもよい。)で表され
    るアミン類を反応させてアミド化した後、酸析すること
    を特徴とする一般式(I)で表される光学活性アミドカ
    ルボン酸の製造方法。 【化1】 (但し、式中、*は不斉炭素を示し、R1は炭素数1〜
    10で、それぞれフェニル基またはフッ素原子で置換さ
    れていてもよい直鎖または分岐状のアルキル基、アルコ
    キシ基またはアルキルチオ基を示し、R2およびR3は前
    記と同義である。) 【化2】 (但し、式中、*は不斉炭素を示し、R1は前記と同義
    であり、R4は炭素数1〜10で、それぞれフェニル基
    またはフッ素原子で置換されていてもよい直鎖または分
    岐状のアルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基
    を示す。)
  2. 【請求項2】 下記一般式(I)で表される光学活性ア
    ミドカルボン酸を含む溶液から40℃以下の温度で再沈
    殿させることを特徴とする一般式(I)で表される光学
    活性アミドカルボン酸の精製方法。 【化3】 (但し、式中、*は不斉炭素を示し、R1は炭素数1〜
    10で、それぞれフェニル基またはフッ素原子で置換さ
    れていてもよい直鎖または分岐状のアルキル基、アルコ
    キシ基またはアルキルチオ基を示し、R2、R3は独立に
    水素原子もしくは炭素数1〜2のアルキル基を示すか、
    あるいはR2とR3がいっしょになってそれらが結合する
    窒素原子と共に、場合によってはさらに酸素原子または
    窒素原子を含む炭素数3〜4の5員または6員の複素単
    環を形成してもよい。)
  3. 【請求項3】 前記一般式(I)で表される光学活性ア
    ミドカルボン酸を含む可溶溶媒の均一溶液中に貧溶媒を
    投入することを特徴とする請求項2記載の精製方法。
  4. 【請求項4】 前記一般式(I)で表される光学活性ア
    ミドカルボン酸を含む均一な水溶液中に無機塩を投入す
    ることを特徴とする請求項2記載の精製方法。
  5. 【請求項5】 請求項1の方法により前記一般式(I)
    で表される光学活性アミドカルボン酸を製造した後、請
    求項2〜4のいずれかの精製方法により精製することを
    特徴とする前記一般式(I)で表される光学活性アミド
    カルボン酸の製造方法。
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