JP2000210582A - 超臨界流体を用いた媒体攪拌ミル - Google Patents
超臨界流体を用いた媒体攪拌ミルInfo
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- JP2000210582A JP2000210582A JP11012285A JP1228599A JP2000210582A JP 2000210582 A JP2000210582 A JP 2000210582A JP 11012285 A JP11012285 A JP 11012285A JP 1228599 A JP1228599 A JP 1228599A JP 2000210582 A JP2000210582 A JP 2000210582A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 媒体を用いて固体粒子を粉砕し、微細化する
際の動力を少なくし、処理時間を短縮できるようにし、
かつ熱変性を起こしやすい固体粒子も粉砕できるように
する。 【解決手段】 超臨界槽(1)内に粉砕媒体(2)・・
・を所定量充填する。この槽内に、粉砕しようとする固
体粒子と超臨界流体を仕込む。上記槽内の媒体が槽内全
体にわたって運動するように、上記槽を振動発生装置(1
1)により振動させる。所定時間粉砕を行った後、槽内の
超臨界流体を槽外に放出し、槽内が大気圧になったら、
槽から粉砕された微粒子を取り出す。
際の動力を少なくし、処理時間を短縮できるようにし、
かつ熱変性を起こしやすい固体粒子も粉砕できるように
する。 【解決手段】 超臨界槽(1)内に粉砕媒体(2)・・
・を所定量充填する。この槽内に、粉砕しようとする固
体粒子と超臨界流体を仕込む。上記槽内の媒体が槽内全
体にわたって運動するように、上記槽を振動発生装置(1
1)により振動させる。所定時間粉砕を行った後、槽内の
超臨界流体を槽外に放出し、槽内が大気圧になったら、
槽から粉砕された微粒子を取り出す。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、媒体を用いて固体
粒子等の被処理物を微粒子、超微粒子に粉砕し、さらに
は溶媒中への分散もできるようにした超臨界流体を用い
た媒体攪拌ミルに関するものである。
粒子等の被処理物を微粒子、超微粒子に粉砕し、さらに
は溶媒中への分散もできるようにした超臨界流体を用い
た媒体攪拌ミルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】粉砕媒体(以下媒体という)を用いて固
体粒子を粉砕し、微細化した乾燥粉体を得る手法として
は、大別して各種の乾式粉砕機を用いる方法と湿式粉砕
機を用いて作成した微粒子あるいは超微粒子を含むスラ
リ−を乾燥してスラリ−中の微粒子あるいは超微粒子を
得る方法が用いられているが、それぞれ問題点があっ
た。例えば乾式粉砕機は、粉砕を行うために極めて大き
な動力と長い粉砕時間を必要とする点で問題があり、特
に大気圧下で行われる乾式粉砕では、媒体の表面が、固
体粒子や生成した微粒子によりコ−ティングされ、この
コ−ティング層のクッショニング効果により粉砕が進行
しなくなり、ある一定の粒子径(限界粒子径)以上に粉
砕が進行しなくなる現象が起こる。また、粒子相互の凝
集による2次粒子の生成も起こり、微粒子あるいは超微
粒子を得ることは極めて困難である。その上、粉砕に伴
い粉砕機内に発熱を生じ、熱に敏感で熱変性を起こしや
すい固体粒子の粉砕には用いることができないという問
題もある。
体粒子を粉砕し、微細化した乾燥粉体を得る手法として
は、大別して各種の乾式粉砕機を用いる方法と湿式粉砕
機を用いて作成した微粒子あるいは超微粒子を含むスラ
リ−を乾燥してスラリ−中の微粒子あるいは超微粒子を
得る方法が用いられているが、それぞれ問題点があっ
た。例えば乾式粉砕機は、粉砕を行うために極めて大き
な動力と長い粉砕時間を必要とする点で問題があり、特
に大気圧下で行われる乾式粉砕では、媒体の表面が、固
体粒子や生成した微粒子によりコ−ティングされ、この
コ−ティング層のクッショニング効果により粉砕が進行
しなくなり、ある一定の粒子径(限界粒子径)以上に粉
砕が進行しなくなる現象が起こる。また、粒子相互の凝
集による2次粒子の生成も起こり、微粒子あるいは超微
粒子を得ることは極めて困難である。その上、粉砕に伴
い粉砕機内に発熱を生じ、熱に敏感で熱変性を起こしや
すい固体粒子の粉砕には用いることができないという問
題もある。
【0003】湿式粉砕により得られたスラリ−を乾燥し
て微粒子を作る方法では、粉砕機内での固体粒子や粉砕
により生成した微粒子あるいは超微粒子の凝集は、乾式
粉砕機を用いた場合に比べて起こりにくいものの、スラ
リ−を乾燥する工程での微粒子あるいは超微粒子の凝
集、2次粒子の生成は避けられず、微粒子あるいは超微
粒子を得ることは難しい。また乾燥工程において熱によ
る乾燥を行った場合には、加熱に要するエネルギ−が必
要であり、熱変性を起こしやすい固体粒子には使用でき
ない。一方、真空減圧による乾燥を行った場合には、乾
燥した粉体を得るまでに膨大な時間を要するなどの問題
がある。
て微粒子を作る方法では、粉砕機内での固体粒子や粉砕
により生成した微粒子あるいは超微粒子の凝集は、乾式
粉砕機を用いた場合に比べて起こりにくいものの、スラ
リ−を乾燥する工程での微粒子あるいは超微粒子の凝
集、2次粒子の生成は避けられず、微粒子あるいは超微
粒子を得ることは難しい。また乾燥工程において熱によ
る乾燥を行った場合には、加熱に要するエネルギ−が必
要であり、熱変性を起こしやすい固体粒子には使用でき
ない。一方、真空減圧による乾燥を行った場合には、乾
燥した粉体を得るまでに膨大な時間を要するなどの問題
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決課題は、
媒体を用いて固体粒子等を微細化する際に、必要とされ
る動力、時間を少なくし、コ−ティング現象や2次粒子
の生起を生じないようにして微粒子化や超微粒子化がで
き、熱変性を起こしやすい固体粒子にも使用できるよう
にした媒体攪拌ミルを提供することである。また、上記
のように微細化した固体粒子等を分散溶媒中に迅速に分
散できるようにした媒体攪拌ミルを提供することであ
る。
媒体を用いて固体粒子等を微細化する際に、必要とされ
る動力、時間を少なくし、コ−ティング現象や2次粒子
の生起を生じないようにして微粒子化や超微粒子化がで
き、熱変性を起こしやすい固体粒子にも使用できるよう
にした媒体攪拌ミルを提供することである。また、上記
のように微細化した固体粒子等を分散溶媒中に迅速に分
散できるようにした媒体攪拌ミルを提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】従来の粉砕機が大きな動
力を必要としたり、長い時間を要する原因は、例えば大
気圧下の粉砕では固体粒子が凝集した2次粒子等を含ん
だ状態で粉砕処理が開始されることに大きな原因があ
る。そこで、本発明によれば、超臨界流体を用い、該超
臨界流体による優れた濡れ性、拡散性を利用した媒体攪
拌ミルが提供される。すなわち、本発明によれば、粉砕
媒体(媒体)を収納し被処理物を仕込む材料仕込口と超
臨界流体を流入、流出させる流通口を有する超臨界槽を
設け、被処理物を超臨界流体に濡らした状態で上記媒体
に運動を与えて上記被処理物を微粒子化するよう上記超
臨界槽を駆動させる駆動手段を設けた超臨界流体を用い
た媒体攪拌ミルが提供され、上記課題が解決される。
力を必要としたり、長い時間を要する原因は、例えば大
気圧下の粉砕では固体粒子が凝集した2次粒子等を含ん
だ状態で粉砕処理が開始されることに大きな原因があ
る。そこで、本発明によれば、超臨界流体を用い、該超
臨界流体による優れた濡れ性、拡散性を利用した媒体攪
拌ミルが提供される。すなわち、本発明によれば、粉砕
媒体(媒体)を収納し被処理物を仕込む材料仕込口と超
臨界流体を流入、流出させる流通口を有する超臨界槽を
設け、被処理物を超臨界流体に濡らした状態で上記媒体
に運動を与えて上記被処理物を微粒子化するよう上記超
臨界槽を駆動させる駆動手段を設けた超臨界流体を用い
た媒体攪拌ミルが提供され、上記課題が解決される。
【0006】また、本発明によれば、、上記のように超
臨界流体を用いて固体粒子等を微粒子化した後、水、有
機溶媒等の分散溶媒を上記超臨界槽に供給し、該超臨界
槽を駆動手段で駆動することにより微粒子を溶媒中に分
散できるようにした超臨界流体を用いた媒体攪拌ミルが
提供され、上記課題が解決される。
臨界流体を用いて固体粒子等を微粒子化した後、水、有
機溶媒等の分散溶媒を上記超臨界槽に供給し、該超臨界
槽を駆動手段で駆動することにより微粒子を溶媒中に分
散できるようにした超臨界流体を用いた媒体攪拌ミルが
提供され、上記課題が解決される。
【0007】なお、本発明において超臨界流体とは超臨
界状態の物質を意味し、また超臨界状態とは臨界温度、
臨界圧力を超えたいわゆる超臨界状態の他、そのような
臨界温度、臨界圧力をわずかに下回るような状ではある
が相転移の状態変化が極めて短時間に起こるため上記超
臨界状態とほぼ同様の取り扱いができるような亜臨界状
態を含み、超臨界流体には亜臨界状態の亜臨界流体も含
むものとする。
界状態の物質を意味し、また超臨界状態とは臨界温度、
臨界圧力を超えたいわゆる超臨界状態の他、そのような
臨界温度、臨界圧力をわずかに下回るような状ではある
が相転移の状態変化が極めて短時間に起こるため上記超
臨界状態とほぼ同様の取り扱いができるような亜臨界状
態を含み、超臨界流体には亜臨界状態の亜臨界流体も含
むものとする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、超臨界槽の形状や駆動
手段の構造により種々の形態で実施することができる。
図1は、被処理物として固体粒子を微細化する装置の一
実施例を示し、下記するように固体粒子の粉砕や、微細
化された微粒子の乾燥、分散溶媒への該微粒子の分散等
の処理を行うことができる。
手段の構造により種々の形態で実施することができる。
図1は、被処理物として固体粒子を微細化する装置の一
実施例を示し、下記するように固体粒子の粉砕や、微細
化された微粒子の乾燥、分散溶媒への該微粒子の分散等
の処理を行うことができる。
【0009】図において、超臨界槽(1)は、内部に収
納する各種のビ−ズ、ボ−ルその他の媒体(粉砕媒体)
(2)・・・や得られた微粒子の取出口を開口可能に閉
塞するフランジ付蓋体(3)を有し、固体粒子等の粉砕
しようとする被処理物を仕込む材料仕込口(4)と、超
臨界流体を流入、流出させる流通口(5)が形成され、
上記仕込口(4)にはバルブ(6)を介して被処理物供
給源(図示略)に連通する材料仕込ライン(7)が接続
され、上記流通口(5)にはバルブ(8)を介し超臨界
流体の供給源及び放出口(図示略)に連通する超臨界流
体ライン(9)がそれぞれ接続されている。また、該超
臨界槽(1)には、該槽内を超臨界場に維持し槽内を所
定温度に調温するよう調温ジャケット(10)が設けられて
いる。
納する各種のビ−ズ、ボ−ルその他の媒体(粉砕媒体)
(2)・・・や得られた微粒子の取出口を開口可能に閉
塞するフランジ付蓋体(3)を有し、固体粒子等の粉砕
しようとする被処理物を仕込む材料仕込口(4)と、超
臨界流体を流入、流出させる流通口(5)が形成され、
上記仕込口(4)にはバルブ(6)を介して被処理物供
給源(図示略)に連通する材料仕込ライン(7)が接続
され、上記流通口(5)にはバルブ(8)を介し超臨界
流体の供給源及び放出口(図示略)に連通する超臨界流
体ライン(9)がそれぞれ接続されている。また、該超
臨界槽(1)には、該槽内を超臨界場に維持し槽内を所
定温度に調温するよう調温ジャケット(10)が設けられて
いる。
【0010】上記超臨界槽(1)は、該槽内に収納した
媒体(2)・・・等に運動を与えるよう該超臨界槽を駆
動するための駆動手段が設けられている。図1において
は、駆動手段として、超臨界槽を振動させる振動発生装
置(11)を用いている。振動発生装置(11)としては、電磁
式振動やその他の適宜の装置を用いることができるが、
図においては、超臨界槽(1)を上下方向へ案内するよ
う適宜の案内手段(図示略)で運動方向を規制してお
き、モ−タ−(図示略)で回転する板(12)と超臨界槽
(1)の支持体(13)にリンク(14)の両端を枢着(15),(1
5)し、該リンク(14)を介して振動するようにしてある。
媒体(2)・・・等に運動を与えるよう該超臨界槽を駆
動するための駆動手段が設けられている。図1において
は、駆動手段として、超臨界槽を振動させる振動発生装
置(11)を用いている。振動発生装置(11)としては、電磁
式振動やその他の適宜の装置を用いることができるが、
図においては、超臨界槽(1)を上下方向へ案内するよ
う適宜の案内手段(図示略)で運動方向を規制してお
き、モ−タ−(図示略)で回転する板(12)と超臨界槽
(1)の支持体(13)にリンク(14)の両端を枢着(15),(1
5)し、該リンク(14)を介して振動するようにしてある。
【0011】上記超臨界槽(1)には、該超臨界槽内の
超臨界流体を槽外に循環して調温するよう調温手段が設
けられている。図においては、バルブ(16)、循環ポンプ
(17)を介して調温ライン(18)を形成し、槽から取り出し
た超臨界流体が冷媒が流通する冷却コイル(19)を有する
冷却装置(20)内を挿通し、該冷却装置(20)からバルブ(2
1)を介して上記超臨界槽(1)へ戻るようにしてあり、
これにより粉砕処理等により生じた発熱を超臨界流体に
よっても除去するようにしている。なお、上記各バルブ
等と超臨界槽(1)の間のラインは、それぞれ上記駆動
手段による超臨界槽の駆動に追従するよう可撓性を有し
ている。
超臨界流体を槽外に循環して調温するよう調温手段が設
けられている。図においては、バルブ(16)、循環ポンプ
(17)を介して調温ライン(18)を形成し、槽から取り出し
た超臨界流体が冷媒が流通する冷却コイル(19)を有する
冷却装置(20)内を挿通し、該冷却装置(20)からバルブ(2
1)を介して上記超臨界槽(1)へ戻るようにしてあり、
これにより粉砕処理等により生じた発熱を超臨界流体に
よっても除去するようにしている。なお、上記各バルブ
等と超臨界槽(1)の間のラインは、それぞれ上記駆動
手段による超臨界槽の駆動に追従するよう可撓性を有し
ている。
【0012】また、上記冷却装置(20)には、超臨界流体
中に含まれた水、有機溶媒等の液化成分を凝集して除去
できるようトラップ(22)を付設してあり、該トラップ(2
2)にはバルブ(23)を介して排水ライン(24)が接続されて
いる。
中に含まれた水、有機溶媒等の液化成分を凝集して除去
できるようトラップ(22)を付設してあり、該トラップ(2
2)にはバルブ(23)を介して排水ライン(24)が接続されて
いる。
【0013】而して、図1に示す装置を用いれば、下記
するように固体粒子の粉砕、微粒子の乾燥及び分散溶媒
中への微粒子の分散等の処理を行うことができる。
するように固体粒子の粉砕、微粒子の乾燥及び分散溶媒
中への微粒子の分散等の処理を行うことができる。
【0014】固体粒子、例えば顔料、セラミックス材料
粉、磁性粒子その他の粉砕を行うには、最初に上記超臨
界槽(1)内に媒体(2)・・・を仕込むが、この媒体
(2)としては、例えば粒径約2〜10mmのビ−ズ、ボ
−ル等を用いることができ、充填量は約30〜70%
(容量%)とすればよい。そして、調温ジャケット(10)
により所定の温度に保持された超臨界槽(1)内に仕込
口(4)から粉砕しようとする固体粒子を仕込み、流通
口(5)から超臨界流体を仕込む。なお、超臨界流体
は、二酸化炭素、メタン、エチレン、代替フロン等を臨
界温度、臨界圧力を超えて加熱加圧し、超臨界場にする
ことにより得られ、このような操作をした超臨界流体を
上記流通口(5)から流入させているが、上記二酸化炭
素等を超臨界槽(1)内に流入させてから該槽内を超臨
界場にして超臨界流体としてもよい。
粉、磁性粒子その他の粉砕を行うには、最初に上記超臨
界槽(1)内に媒体(2)・・・を仕込むが、この媒体
(2)としては、例えば粒径約2〜10mmのビ−ズ、ボ
−ル等を用いることができ、充填量は約30〜70%
(容量%)とすればよい。そして、調温ジャケット(10)
により所定の温度に保持された超臨界槽(1)内に仕込
口(4)から粉砕しようとする固体粒子を仕込み、流通
口(5)から超臨界流体を仕込む。なお、超臨界流体
は、二酸化炭素、メタン、エチレン、代替フロン等を臨
界温度、臨界圧力を超えて加熱加圧し、超臨界場にする
ことにより得られ、このような操作をした超臨界流体を
上記流通口(5)から流入させているが、上記二酸化炭
素等を超臨界槽(1)内に流入させてから該槽内を超臨
界場にして超臨界流体としてもよい。
【0015】その後、上記バルブ(6),(8)を閉じ、
超臨界槽(1)を駆動手段、図においては振動発生装置
(11)により上下に振動させ、媒体(2)・・・と固体粒
子等を槽内で全体的に運動させて粉砕を行う。この際、
上記振動発生装置(11)により与えられる振動は、媒体が
槽内全体にわたって運動するような適宜なものとし、図
示する実施例の他、横方向、斜方向等の振動を加えても
よい。
超臨界槽(1)を駆動手段、図においては振動発生装置
(11)により上下に振動させ、媒体(2)・・・と固体粒
子等を槽内で全体的に運動させて粉砕を行う。この際、
上記振動発生装置(11)により与えられる振動は、媒体が
槽内全体にわたって運動するような適宜なものとし、図
示する実施例の他、横方向、斜方向等の振動を加えても
よい。
【0016】上記超臨界槽(1)が振動することによ
り、槽内では固体粒子や粉砕により生成した微粒子、超
微粒子(以下単に微粒子という)が固体粒子に対する濡
れ性、拡散性に優れた上記超臨界流体に濡らされるた
め、微粒子相互の凝集による2次粒子等の生成が起こら
ず、1次粒子の状態で効率よく粉砕が行われる。
り、槽内では固体粒子や粉砕により生成した微粒子、超
微粒子(以下単に微粒子という)が固体粒子に対する濡
れ性、拡散性に優れた上記超臨界流体に濡らされるた
め、微粒子相互の凝集による2次粒子等の生成が起こら
ず、1次粒子の状態で効率よく粉砕が行われる。
【0017】上記粉砕処理を行うと、槽内では粉砕によ
り発熱を生じるが、このような熱は、上記調温ジャケッ
ト(10)で除去させると共に上記バルブ(16),(21)を開
き、循環ポンプ(17)を用いて超臨界槽(1)内の超臨界
流体を冷却装置(20)に循環させることにより除去され
る。なお、この冷却温度は、上記超臨界流体が臨界温度
以下には冷却されないような適宜の温度とする。
り発熱を生じるが、このような熱は、上記調温ジャケッ
ト(10)で除去させると共に上記バルブ(16),(21)を開
き、循環ポンプ(17)を用いて超臨界槽(1)内の超臨界
流体を冷却装置(20)に循環させることにより除去され
る。なお、この冷却温度は、上記超臨界流体が臨界温度
以下には冷却されないような適宜の温度とする。
【0018】所定時間粉砕を行った後、上記振動発生装
置(11)の駆動を停止し、上記バルブ(8)を開け、超臨
界流体を流通口(5)を通して槽外に放出する。これに
より、超臨界流体は微粒子から分離し、槽内には微粒子
と媒体だけが残る。そして、槽内が大気圧となった後、
上記蓋体(3)を外し、微粒子と媒体を取り出し、槽外
で媒体と微粒子を分離し、上記固体粒子が粉砕された微
粒子を得ることができる。
置(11)の駆動を停止し、上記バルブ(8)を開け、超臨
界流体を流通口(5)を通して槽外に放出する。これに
より、超臨界流体は微粒子から分離し、槽内には微粒子
と媒体だけが残る。そして、槽内が大気圧となった後、
上記蓋体(3)を外し、微粒子と媒体を取り出し、槽外
で媒体と微粒子を分離し、上記固体粒子が粉砕された微
粒子を得ることができる。
【0019】上記槽内に仕込まれた固体粒子に水、有機
溶媒等の液化成分が含まれているときには、上記粉砕処
理中に乾燥を行うことができる。すなわち、上述のよう
に超臨界流体を槽外の冷却装置(20)に循環させて冷却を
行う際、該超臨界流体を凝集液化成分トラップ(22)に通
し、該トラップ(22)で超臨界流体中の水、有機溶媒等を
凝集させ、これにより上記固体粒子に含まれる水、有機
溶媒等を除去しながら粉砕を行うことができ、最終的に
乾燥状態となっている微粒子が得られる。
溶媒等の液化成分が含まれているときには、上記粉砕処
理中に乾燥を行うことができる。すなわち、上述のよう
に超臨界流体を槽外の冷却装置(20)に循環させて冷却を
行う際、該超臨界流体を凝集液化成分トラップ(22)に通
し、該トラップ(22)で超臨界流体中の水、有機溶媒等を
凝集させ、これにより上記固体粒子に含まれる水、有機
溶媒等を除去しながら粉砕を行うことができ、最終的に
乾燥状態となっている微粒子が得られる。
【0020】さらに、上記微粒子を水、有機溶媒等の分
散溶媒中に分散するには、上述のように固体粒子の粉砕
後、若しくは微粒子の乾燥を行いながらの粉砕後、上記
超臨界槽内に上記超臨界流体、粉砕された微粒子及び媒
体を収納した状態で、上記バルブ(6)を開き、仕込口
(4)から上記微粒子を分散しようとする水、有機溶媒
等の分散溶媒を槽内に仕込み、該バルブ(6)を閉じ、
上記振動発生装置(11)を駆動すればよい。該振動発生装
置(11)の駆動により上記超臨界槽(1)が振動すると、
上記媒体(2)・・・等は槽内で全体的に運動し、上述
したように固体に対する優れた濡れ性、拡散性を有する
超臨界流体に上記微粒子が万遍なく濡らされるため、微
粒子相互の凝集による2次粒子等が解砕され、1次粒子
の状態で迅速に均一な分散液が作成される。
散溶媒中に分散するには、上述のように固体粒子の粉砕
後、若しくは微粒子の乾燥を行いながらの粉砕後、上記
超臨界槽内に上記超臨界流体、粉砕された微粒子及び媒
体を収納した状態で、上記バルブ(6)を開き、仕込口
(4)から上記微粒子を分散しようとする水、有機溶媒
等の分散溶媒を槽内に仕込み、該バルブ(6)を閉じ、
上記振動発生装置(11)を駆動すればよい。該振動発生装
置(11)の駆動により上記超臨界槽(1)が振動すると、
上記媒体(2)・・・等は槽内で全体的に運動し、上述
したように固体に対する優れた濡れ性、拡散性を有する
超臨界流体に上記微粒子が万遍なく濡らされるため、微
粒子相互の凝集による2次粒子等が解砕され、1次粒子
の状態で迅速に均一な分散液が作成される。
【0021】所定時間分散を行った後、上記振動発生装
置(11)の駆動を停止し、上記バルブ(8)を開け、槽内
の超臨界流体を流通口(5)から放出して分散液から分
離する。槽内が大気圧になったら、上記蓋体(3)を外
し、分散液と媒体を槽内から取り出し、槽外で媒体を分
離することにより所望の分散液を得ることができる。な
お、分散液の取り出しは、超臨界流体を流通口から放出
させずに、特開平10−192670号公報に記載され
ているように、分散液と超臨界流体の混合物を細孔やス
リットから音速ないしそれ以上の流速で噴出させて破
砕、分散するようにした爆砕槽(図示略)に放出するよ
うにしてもよい。
置(11)の駆動を停止し、上記バルブ(8)を開け、槽内
の超臨界流体を流通口(5)から放出して分散液から分
離する。槽内が大気圧になったら、上記蓋体(3)を外
し、分散液と媒体を槽内から取り出し、槽外で媒体を分
離することにより所望の分散液を得ることができる。な
お、分散液の取り出しは、超臨界流体を流通口から放出
させずに、特開平10−192670号公報に記載され
ているように、分散液と超臨界流体の混合物を細孔やス
リットから音速ないしそれ以上の流速で噴出させて破
砕、分散するようにした爆砕槽(図示略)に放出するよ
うにしてもよい。
【0022】なお、上記実施例においては、超臨界槽に
被処理物として固体粒子を仕込んで粉砕、分散等した
が、液体粒子を分散する液−液系の分散処理もほぼ同様
に行うことができる。
被処理物として固体粒子を仕込んで粉砕、分散等した
が、液体粒子を分散する液−液系の分散処理もほぼ同様
に行うことができる。
【0023】媒体が槽内全体にわたって運動するよう超
臨界槽を駆動する駆動手段として、図1に示す実施例で
は、振動発生装置によって超臨界槽を振動させていた
が、モ−タ−等の回転装置により転動させることもでき
る。この転動は、筒状の超臨界槽の長手方向に延びる中
心軸に対し直交し、若しくは交叉する方向に延びる軸を
回転軸として槽を横転方向に回転する場合と、中心軸を
回転軸として自転させる場合がある。
臨界槽を駆動する駆動手段として、図1に示す実施例で
は、振動発生装置によって超臨界槽を振動させていた
が、モ−タ−等の回転装置により転動させることもでき
る。この転動は、筒状の超臨界槽の長手方向に延びる中
心軸に対し直交し、若しくは交叉する方向に延びる軸を
回転軸として槽を横転方向に回転する場合と、中心軸を
回転軸として自転させる場合がある。
【0024】図2,図3に示す実施例は、超臨界槽を横
転方向に転動させる場合の実施例であって、図1に示す
実施例と共通する部分には同一の符号を付してあるが、
被処理物の仕込口(4)と超臨界流体の流通口(5)
は、超臨界槽(1)が静止した所定位置でそれぞれ材料
仕込ライン(7)と超臨界流体ライン(9)に分離可能
に接続され、転動する際はこれらのラインから分離する
ようにしてある。なお、図2に示す超臨界槽(1)は、
略円筒状に形成され、図3においては略円筒状の中央部
を絞った形状に形成され、中央部を回転軸(25)に連結し
た支持枠(26)で固定し、該回転軸(25)を軸受(27)に支持
してモ−タ−(28)で回転することにより転動する。
転方向に転動させる場合の実施例であって、図1に示す
実施例と共通する部分には同一の符号を付してあるが、
被処理物の仕込口(4)と超臨界流体の流通口(5)
は、超臨界槽(1)が静止した所定位置でそれぞれ材料
仕込ライン(7)と超臨界流体ライン(9)に分離可能
に接続され、転動する際はこれらのラインから分離する
ようにしてある。なお、図2に示す超臨界槽(1)は、
略円筒状に形成され、図3においては略円筒状の中央部
を絞った形状に形成され、中央部を回転軸(25)に連結し
た支持枠(26)で固定し、該回転軸(25)を軸受(27)に支持
してモ−タ−(28)で回転することにより転動する。
【0025】上記超臨界槽(1)は、内部が上記回転軸
を中心として2つの槽部分(1a),(1b)に区画され、該槽
部分(1a),(1b)間には槽内に収納された被処理物、超臨
界流体及び媒体が旋回混合して一方の槽部分から他方の
槽部分に移動するように混合部材(29)が設けられてい
る。該混合部材(29)は、図4に示すようにスタティック
ミキサ−のミキシングエレメントとほぼ同様の機能を有
するよう板状体(30)を捻った形状に形成され、その捻り
角(θ)は、2つの槽部分(1a),(1b)間を移動する被処
理物、媒体、超臨界流体等が該混合部材(29)を通過する
ごとに変位して流動し充分に混合されるようにする適宜
の角度に形成してある。なお、この捻り角(θ)によっ
ては、該混合部材(29)を通過する媒体等の流動に規則性
を生じて充分に混り合わないこともあるが、そのような
場合は、図4に示すように約60°の角度に捻ると不規
則な流動となって充分に混合されることが分った。
を中心として2つの槽部分(1a),(1b)に区画され、該槽
部分(1a),(1b)間には槽内に収納された被処理物、超臨
界流体及び媒体が旋回混合して一方の槽部分から他方の
槽部分に移動するように混合部材(29)が設けられてい
る。該混合部材(29)は、図4に示すようにスタティック
ミキサ−のミキシングエレメントとほぼ同様の機能を有
するよう板状体(30)を捻った形状に形成され、その捻り
角(θ)は、2つの槽部分(1a),(1b)間を移動する被処
理物、媒体、超臨界流体等が該混合部材(29)を通過する
ごとに変位して流動し充分に混合されるようにする適宜
の角度に形成してある。なお、この捻り角(θ)によっ
ては、該混合部材(29)を通過する媒体等の流動に規則性
を生じて充分に混り合わないこともあるが、そのような
場合は、図4に示すように約60°の角度に捻ると不規
則な流動となって充分に混合されることが分った。
【0026】なお、図2,図3に示す調温ジャケット(1
0)への調温媒体の流通は、上記回転軸(25)部分に適宜の
流路を形成して行えばよく、また図示を省略したが、該
回転軸(25)及び支持枠(26)部分を通して超臨界流体の流
路を形成して図1に示す実施例とほぼ同様の冷却装置等
の調温手段や液化成分を凝集除去するトラップ等を形成
することもできる。
0)への調温媒体の流通は、上記回転軸(25)部分に適宜の
流路を形成して行えばよく、また図示を省略したが、該
回転軸(25)及び支持枠(26)部分を通して超臨界流体の流
路を形成して図1に示す実施例とほぼ同様の冷却装置等
の調温手段や液化成分を凝集除去するトラップ等を形成
することもできる。
【0027】而して、上記実施例とほぼ同様に、上記超
臨界槽(1)内に、媒体(2)・・・を所要量充填し、
粉砕すべき固体粒子及び超臨界流体を仕込み、モ−タ−
(28)を駆動すると、図5(a),(b),(c)に示すように超臨
界槽(1)は転動し、この駆動に伴って上記混合部材(2
9)を境として上記媒体(2)等は2つの槽部分(1a),(1
b)を移動しながら、固体粒子の粉砕を行う。この際、上
記混合部材(29)により上記媒体および固体粒子が混合さ
れるため、固体粒子は均一かつ一様に粉砕され、しかも
超臨界流体の作用により、2次粒子等の生成が起こらな
いで1次粒子の状態で効率よく粉砕され、以下上記実施
例とほぼ同様の操作、手順により微粒子を得ることがで
きる。
臨界槽(1)内に、媒体(2)・・・を所要量充填し、
粉砕すべき固体粒子及び超臨界流体を仕込み、モ−タ−
(28)を駆動すると、図5(a),(b),(c)に示すように超臨
界槽(1)は転動し、この駆動に伴って上記混合部材(2
9)を境として上記媒体(2)等は2つの槽部分(1a),(1
b)を移動しながら、固体粒子の粉砕を行う。この際、上
記混合部材(29)により上記媒体および固体粒子が混合さ
れるため、固体粒子は均一かつ一様に粉砕され、しかも
超臨界流体の作用により、2次粒子等の生成が起こらな
いで1次粒子の状態で効率よく粉砕され、以下上記実施
例とほぼ同様の操作、手順により微粒子を得ることがで
きる。
【0028】また、水、有機溶媒等の分散溶媒に分散す
るには、上記実施例とほぼ同様に分散溶媒を上記仕込口
(4)から槽内に仕込んで該槽を転動させれば、上記微
粒子を溶媒中に分散させた分散液が得られる。なお、こ
の場合、固体粒子と分散溶媒をスラリ−として上記仕込
口から供給してもよい。
るには、上記実施例とほぼ同様に分散溶媒を上記仕込口
(4)から槽内に仕込んで該槽を転動させれば、上記微
粒子を溶媒中に分散させた分散液が得られる。なお、こ
の場合、固体粒子と分散溶媒をスラリ−として上記仕込
口から供給してもよい。
【0029】駆動手段によって、超臨界槽をその中心軸
を中心として自転させるようにした実施例が図6に記載
されている。図において、超臨界槽(1)は、図6
(A)に示すように軸方向の長さが短い略円筒状や図6
(B)に示すように軸方向の長さが長い略円筒状に形成
され、一方の端面側の中心部に回転軸(25)を設け、モ−
タ−(28)により回転する。上記超臨界槽(1)の他方の
端面側には、被処理物の仕込口(4)、超臨界流体の流
通口(5)、媒体や微粒子を取り出す取出口の蓋体
(3)等が設けられている。これらの仕込口(4)及び
流通口(5)は、上記図2,図3に示す実施例と同様に
超臨界槽(1)が静止した所定位置でそれぞれ材料仕込
ライン(7)及び超臨界流体ライン(9)が分離可能に
接続され、転動する際には分離するようにしてある。な
お、上記超臨界槽は調温ジャケット(10)により上記実施
例とほぼ同様に調温され、また超臨界流体の調温手段、
冷却装置、凝集液化成分トラップ等も上記回転軸(25)部
分を経由して適宜に設けることができる。
を中心として自転させるようにした実施例が図6に記載
されている。図において、超臨界槽(1)は、図6
(A)に示すように軸方向の長さが短い略円筒状や図6
(B)に示すように軸方向の長さが長い略円筒状に形成
され、一方の端面側の中心部に回転軸(25)を設け、モ−
タ−(28)により回転する。上記超臨界槽(1)の他方の
端面側には、被処理物の仕込口(4)、超臨界流体の流
通口(5)、媒体や微粒子を取り出す取出口の蓋体
(3)等が設けられている。これらの仕込口(4)及び
流通口(5)は、上記図2,図3に示す実施例と同様に
超臨界槽(1)が静止した所定位置でそれぞれ材料仕込
ライン(7)及び超臨界流体ライン(9)が分離可能に
接続され、転動する際には分離するようにしてある。な
お、上記超臨界槽は調温ジャケット(10)により上記実施
例とほぼ同様に調温され、また超臨界流体の調温手段、
冷却装置、凝集液化成分トラップ等も上記回転軸(25)部
分を経由して適宜に設けることができる。
【0030】図6(A),(B)に示す装置は、図2,
図3に示す装置のように槽内を2つの部分に区画した
り、スタティックミキサ−の機能を有する混合部材を具
備していないが、媒体(2)を槽内に収納し、固体粒子
等の被処理物及び超臨界流体を槽内に仕込んで転動させ
ることにより、上記図2等とほぼ同様に超臨界流体を用
いて固体粒子の粉砕や水、有機溶媒等の分散溶媒への微
粒子の分散を行うことができる。
図3に示す装置のように槽内を2つの部分に区画した
り、スタティックミキサ−の機能を有する混合部材を具
備していないが、媒体(2)を槽内に収納し、固体粒子
等の被処理物及び超臨界流体を槽内に仕込んで転動させ
ることにより、上記図2等とほぼ同様に超臨界流体を用
いて固体粒子の粉砕や水、有機溶媒等の分散溶媒への微
粒子の分散を行うことができる。
【0031】
【発明の効果】本発明は上記のように構成され、超臨界
槽内に媒体を収納し、この槽内に粉砕しようとする固体
粒子等の被処理物と超臨界流体を仕込み、上記被処理物
を超臨界流体に濡らした状態で上記媒体に運動を与えて
上記被処理物を微粒子化するよう上記超臨界槽を駆動手
段で駆動するようにしたから、固体粒子は極めて固体に
対する濡れ性、拡散性に優れた超臨界流体に濡らされる
ため、固体粒子中に存在する固体粒子が相互に凝集した
2次粒子が迅速に解砕され、1次粒子の状態で粉砕が開
始され、従来の大気圧下の粉砕のように固体粒子が凝集
した2次粒子等を含んだ状態で粉砕を開始する方法に比
べて2次粒子等の解砕に必要な動力や粉砕に要する時間
が不必要になり、迅速かつ低動力で粉砕を行うことがで
きる。
槽内に媒体を収納し、この槽内に粉砕しようとする固体
粒子等の被処理物と超臨界流体を仕込み、上記被処理物
を超臨界流体に濡らした状態で上記媒体に運動を与えて
上記被処理物を微粒子化するよう上記超臨界槽を駆動手
段で駆動するようにしたから、固体粒子は極めて固体に
対する濡れ性、拡散性に優れた超臨界流体に濡らされる
ため、固体粒子中に存在する固体粒子が相互に凝集した
2次粒子が迅速に解砕され、1次粒子の状態で粉砕が開
始され、従来の大気圧下の粉砕のように固体粒子が凝集
した2次粒子等を含んだ状態で粉砕を開始する方法に比
べて2次粒子等の解砕に必要な動力や粉砕に要する時間
が不必要になり、迅速かつ低動力で粉砕を行うことがで
きる。
【0032】また、本発明の装置では、超臨界流体中で
粉砕を行うため、粉砕により生成する微粒子あるいは超
微粒子は、粉砕が起こると同時に濡れ性、拡散性に優れ
た超臨界流体に濡らされる。そのため微粒子の凝集や2
次粒子の生成は起こらず、従来の大気圧下の粉砕に比較
して粉砕速度が極めて大きく、要する動力も小さく、得
られる微粒子の限界粒子径も格段に小さいものとなる。
粉砕を行うため、粉砕により生成する微粒子あるいは超
微粒子は、粉砕が起こると同時に濡れ性、拡散性に優れ
た超臨界流体に濡らされる。そのため微粒子の凝集や2
次粒子の生成は起こらず、従来の大気圧下の粉砕に比較
して粉砕速度が極めて大きく、要する動力も小さく、得
られる微粒子の限界粒子径も格段に小さいものとなる。
【0033】さらに、本発明では上記のように、超臨界
流体中で粉砕を行うため、粉砕に伴い発生する発熱は、
極めて迅速に超臨界流体に移動する。また超臨界流体
は、冷却機等の冷媒に用いられるほど熱運搬性(高温部
で膨張し気化熱を奪い、低温部で凝集し気化熱を放出す
る能力)に優れた流体であるため、槽内は比較的低温に
保たれ、固体粒子や生成した微粒子の温度上昇が抑制さ
れる。そのため熱変性を起こしやすい固体粒子の粉砕に
も用いることができる。
流体中で粉砕を行うため、粉砕に伴い発生する発熱は、
極めて迅速に超臨界流体に移動する。また超臨界流体
は、冷却機等の冷媒に用いられるほど熱運搬性(高温部
で膨張し気化熱を奪い、低温部で凝集し気化熱を放出す
る能力)に優れた流体であるため、槽内は比較的低温に
保たれ、固体粒子や生成した微粒子の温度上昇が抑制さ
れる。そのため熱変性を起こしやすい固体粒子の粉砕に
も用いることができる。
【0034】また、本発明では、超臨界流体中で粉砕を
行うため、粉砕が完了した後、超臨界槽内を大気圧にす
ること(超臨界流体を超臨界槽から抜くこと)で超臨界
流体と粉砕によって得られた微粒子を迅速に分離するこ
とができる。また、この場合、微粒子を加熱する操作が
必要ないため、加熱に要するエネルギ−が必要なく、熱
変性を起こしやすい微粒子に対しても問題なく使用でき
る。
行うため、粉砕が完了した後、超臨界槽内を大気圧にす
ること(超臨界流体を超臨界槽から抜くこと)で超臨界
流体と粉砕によって得られた微粒子を迅速に分離するこ
とができる。また、この場合、微粒子を加熱する操作が
必要ないため、加熱に要するエネルギ−が必要なく、熱
変性を起こしやすい微粒子に対しても問題なく使用でき
る。
【図1】超臨界槽を振動させるようにした本発明の一実
施例を示す説明図。
施例を示す説明図。
【図2】超臨界槽を転動させるようにした本発明の一実
施例を示す説明図。
施例を示す説明図。
【図3】中央部が絞られた超臨界槽を転動させるように
した本発明の一実施例を示す説明図。
した本発明の一実施例を示す説明図。
【図4】図2,図3に示す実施例に用いる混合部材の一
実施例を示す斜視図。
実施例を示す斜視図。
【図5】図2に示す実施例の超臨界槽の転動状態を示す
説明図。
説明図。
【図6】超臨界槽を転動させるようにした他の実施例を
示す説明図。
示す説明図。
1 超臨界槽 2 粉砕媒体 3 蓋体 4 材料仕込口 5 流通口 10 調温ジャケット 11 振動発生装置 17 循環ポンプ 20 冷却装置 22 トラップ 25 回転軸 28 モ−タ− 29 混合部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D063 FF02 FF08 FF23 FF35 GA02 GA05 GA10 GC21 GC31 GC40 GD22 4D067 EE11 EE31 EE41 EE47 GB01
Claims (6)
- 【請求項1】 媒体を収納し被処理物を仕込む材料仕込
口と超臨界流体を流入、流出させる流通口を有する超臨
界槽を設け、被処理物を超臨界流体に濡らした状態で上
記媒体に運動を与えて上記被処理物を微粒子化するよう
上記超臨界槽を駆動させる駆動手段を設けた超臨界流体
を用いた媒体攪拌ミル。 - 【請求項2】 上記超臨界槽には、該超臨界槽内の超臨
界流体を槽外に循環して調温するよう調温手段が設けら
れている請求項1に記載の超臨界流体を用いた媒体攪拌
ミル。 - 【請求項3】 上記超臨界槽には、該超臨界槽内の超臨
界流体を槽外に循環させて超臨界流体中の液化成分を凝
集除去するようトラップが設けられている請求項1又は
2に記載の超臨界流体を用いた媒体攪拌ミル。 - 【請求項4】 上記駆動手段は、超臨界槽内の上記媒体
が槽内全体にわたって上下に運動するよう該超臨界槽を
振動させる振動発生装置を含んでいる請求項1に記載の
超臨界流体を用いた媒体攪拌ミル。 - 【請求項5】 上記駆動手段は、超臨界槽内の上記媒体
が槽内全体にわたって運動するよう該超臨界槽を転動さ
せる回転装置を含んでいる請求項1に記載の超臨界流体
を用いた媒体攪拌ミル。 - 【請求項6】 上記超臨界槽は回転軸を中心として2つ
の槽部分に区画され、該槽部分間には槽内の被処理物、
超臨界流体及び媒体が旋回混合されて一方の槽部分から
他方の槽部分に移動するよう混合部材が設けられている
請求項5に記載の超臨界流体を用いた媒体攪拌ミル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11012285A JP2000210582A (ja) | 1999-01-20 | 1999-01-20 | 超臨界流体を用いた媒体攪拌ミル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11012285A JP2000210582A (ja) | 1999-01-20 | 1999-01-20 | 超臨界流体を用いた媒体攪拌ミル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000210582A true JP2000210582A (ja) | 2000-08-02 |
Family
ID=11801098
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11012285A Pending JP2000210582A (ja) | 1999-01-20 | 1999-01-20 | 超臨界流体を用いた媒体攪拌ミル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000210582A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114918016A (zh) * | 2022-06-09 | 2022-08-19 | 河北地质大学 | 一种离心磁复合力场梯次干法磨矿筛分一体化装置 |
-
1999
- 1999-01-20 JP JP11012285A patent/JP2000210582A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114918016A (zh) * | 2022-06-09 | 2022-08-19 | 河北地质大学 | 一种离心磁复合力场梯次干法磨矿筛分一体化装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050927 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080509 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080610 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081104 |