JP2000210272A - 筋力評価方法およびシステム - Google Patents
筋力評価方法およびシステムInfo
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Abstract
そのリンク機構の系先端での最大出力とその方向を測定
することによって出力分布図を作成し、最後に、この出
力分布図の特性ないし性質を利用して機能別実効筋力値
を算出する。 【効果】 拮抗二関節筋を含む2関節リンク機構の機能
別実効筋力値を求めることができ、人体モデルに応用し
た製品設計、リハビリテーションやスポーツの筋力評
価、トレーニング指導評価等に、信頼性の高い情報が提
供できる。
Description
システムに関し、特にたとえば人間の上肢や下肢のよう
に拮抗1関節筋群だけでなく拮抗2関節筋群を含む2関
節リンク機構の系先端における機能別実効筋力を評価す
る方法およびシステムに関する。
日本臨床バイオメカニクス学会誌,Vol.15の「二
関節筋機能の機械モデルによる研究」と題する論文等に
おいて、発明者等は、人間を含む動物特有の拮抗二関節
筋ペアの存在が2関節リンクの剛性制御に貢献し、動物
特有の滑らかで迅速かつファジーながら正確な動作、さ
らにいかなる外部擾乱にも卓越した姿勢制御を可能とす
ることを、制御理論的数学的に、かつ機械モデルによっ
て実験的に証明した。
会論文集別刷63巻607号C編第135−142ペー
ジの論文「拮抗筋群による協調制御機能」において、発
明者等は、人間の上肢の水平面内の運動においても、矢
状面内運動と同様に、肩関節拮抗一関節筋群,肘関節拮
抗一関節筋群および両関節に跨る拮抗二関節筋群が、拮
抗筋相互だけでなく、拮抗筋群間においても協調した活
動様式を示すことを明らかにした。
作の評価技術に関して検討してみると、二関節筋出力の
関与を無視できないことが判った。
ビリテーションやスポーツの指導評価、人間特性評価技
術に関する指導的理論、さらには先端的な仮想人間シミ
ュレーションモデルに至るまで、二関節筋出力を考慮し
て構成されたものはなく、従来の筋力評価技術や人間特
性評価技術には、二関節筋出力の影響を評価しようとす
る姿勢すらない。
拮抗二関節筋群を有する2関節リンク機構が種々の分野
に応用可能なことを提案している。そして、斯かる応用
をなすためには、2関節リンク機構における系先端での
出力に関与する各拮抗関節筋群の筋力値を特定する必要
がある。しかしながら、このような筋力評価の手法は未
だ提案されていない。
関節リンク機構における機能別実行筋力を評価する、新
規な方法およびシステムを提供することである。この発
明の他の目的は、簡単に2関節リンク機構における機能
別実行筋力を評価することができる、筋力評価方法およ
びシステムを提供することである。
価方法およびシステムは、第1関節と第2関節との間に
第1杆があり、第2関節から第2杆が延び、第2杆の先
端が系先端となり、第1関節,第2関節および系先端を
含む2次元平面内の運動に対して実効を及ぼす第1関節
周りの1対の第1拮抗一関節筋ペア,第2関節周りの1
対の第2拮抗一関節筋ペア,および第1関節および第2
関節に跨る1対の拮抗二関節筋ペアを有する2関節リン
ク機構において、互いに機能の異なる3対6筋のそれぞ
れについて機能別実効筋力を評価するための方法および
システムである。
所定の複数の点の方向に等尺的に最大努力で出力させて
6角形の出力分布図を作成し、(b) 6角形の形成に関わ
る6筋のうち1筋の出力を推定し、そして(c) 6角形の
形成に関わる残りの5筋の出力を計算する。
杆および第2杆ならびに第1関節および第2関節と一定
の関係を有する6角形の出力分布図が得られる。3対6
筋の1つの出力を推定し、この一定の関係を利用するこ
とによって、残りの5筋の出力を計算する。
って、測定線図を作成する。測定線図を作成するために
は、第1杆および第2杆の長さならびに第1関節および
第2関節の角度を計測し、適宜縮尺する。そして、この
測定線図を用いて出力分布図を作成するのであるが、具
体的には、系先端における最大出力およびその方向を測
定し、そしてこの測定結果および第1杆および第2杆な
らびに第1関節および第2関節の角度に基づいて出力分
布図を作成する。
に、筋電図バイオフィードバック法が利用できる。つま
り、筋電図バイオフィードバック法によって系先端にお
ける伸展方向の第1点およびその方向を記録し、同じく
筋電図バイオフィードバック法によって系先端における
屈曲方向の第2点およびその方向を記録し、第1点およ
び第2点を結ぶ第1の線に直交する第2の線上での最大
努力を測定し、そして第2の線上の第3点および第4点
を記録する。
1点および第2点を通りかつ第1杆に平行な第1辺およ
び第2辺を求め、第1点および第2点を通りかつ第2杆
に平行な第3辺および第4辺を求め、第1辺と第3辺と
の間の第5辺を求め、そして第2辺と第4辺との間の第
6辺を求める。なお、先に求めた分布図は、必要に応じ
て、たとえば平行移動法等の適宜の手法に従って補正さ
れ、基準6角形が作成される。
合、拮抗二関節筋ペアの1つの筋の出力を推定する。具
体的には、その二関節筋の除脂肪断面積を特定すること
によって、推定することができる。そして、その推定し
た出力に基づいて出願分布形成に関わる6筋の関係を利
用して残りの筋の出力を計算する。
節リンク機構を構成するたとえば3対6筋のそれぞれの
実効筋力が評価できる。したがって、それを人体モデル
に応用して製品設計、さらには仮想人間のシミュレーシ
ョンモデル、そしてリハビリテーションやスポーツの筋
力評価等に非常に有効な情報が得られる。
は、添付図面に関連して行われる以下の実施例の詳細な
説明から一層明らかとなろう。
に、この発明に必要な範囲で、この発明の背景となる2
関節リンク機構について説明する。たとえば人間の上肢
ならびに下肢の2関節リンク機構の系先端、すなわち上
肢では手根関節部、下肢では足関節部において発揮され
る出力の制御および出力方向の制御のためには、第1関
節、すなわち上肢では肩関節、下肢では股関節周りの拮
抗一関節筋群、および第2関節、すなわち上肢では肘関
節、下肢では膝関節周りの拮抗一関節筋群、さらに両関
節に跨る拮抗二関節筋群の協調した活動が必要である。
なお、「一関節筋」とは、たとえば人間の上肢でいえ
ば、肩関節における三角筋前部や後部、あるいは肘関節
における上腕筋や上腕三頭筋外側頭、下肢でいえば、股
関節における腸骨筋や大殿筋、あるいは膝関節における
大腿二頭筋短頭や膝窩筋等のように、1つの関節にのみ
作用する筋のことを指す。また、「二関節筋」とは、上
肢でいえば肩関節と肘関節とに跨って作用する上腕二頭
筋や上腕三頭筋長頭、下肢でいえば股関節と膝関節とに
跨って作用する大腿直筋やハムストリングスのように、
2つの関節に跨って作用する筋のことである。ただし、
ハムストリングスは、半健様筋,半膜様筋および大腿二
頭筋長頭の総称である。
端が3次元自由空間で自由な位置決めを行うに際して、
上肢ならびに下肢の第2関節は、ともにその自由度は
「1」と限定されている。したがって、系先端の出力お
よび出力方向の制御の仕組みを明らかにしようとする場
合、まず、第1関節,第2関節および系先端を含む2次
元平面内で、系先端が360度の全方位にわたって出力
するために関与する筋群の活動様式を調べることが必要
になる。
関節の運動に関わる筋群の構成およびその配列は複雑で
ある。しかしながら、第1関節,第2関節および系先端
を含む2次元平面内の運動に対して実効がある筋は、そ
の平面に含まれる筋および筋束である。また、近傍の筋
束のその平面内への分力、さらには近傍の複数筋がその
平面内に及ぼす分力の合力も有効に働き得る。
機能的に、系先端において発揮される出力への関与の仕
方が異なる。したがって、第1関節,第2関節および系
先端を含む2次元平面内の運動に対して実効を及ぼし得
る筋群を、第1関節周りの1対の拮抗一関節筋ペア,第
2関節周りの1対の拮抗一関節筋ペア,および両関節に
跨る1対の拮抗二関節筋ペアの、合計3対6筋として整
理し代表させることが可能である(図1参照)。図1
(A)は人間の上肢を、図1(B)は下肢をそれぞれ示
す。
を「機能別実効筋力」と定義する。これは上肢ならびに
下肢に対して共通する定義である。そして、この発明
は、数1に示すこのような2関節リンク機構の機能別実
行筋力を評価する方法およびシステムに向けられるもの
である。
に算出するかについて、以下説明する。人間を対象と
し、図4に示すような実験姿勢で、等尺的に最大努力で
系先端に360度の全方位にわたって出力させてその分
布図を作ると、上肢ならびに下肢ともに、図2に示すよ
うにほぼ6角形を示した。なお、「等尺的」とは、系先
端を変位することなく出力することをいい、「最大努
力」とは可能な最大値を出力することをいう。
群を装備した筋・骨格系機械モデルを構築し、その系先
端に発揮できる最大出力の分布図を理論的数学的に求め
ると、図2に示すようにほぼ6角形を示した。このこと
は、発明者等が3対6筋のアクチュエータを装備したア
ームロボットを作製し、そのアームロボットを用いてロ
ボット工学的に確認できた。図3がアームロボットによ
る最大出力分布を示す。
−C−D−E−F−Aについては、形状とリンクモデル
の姿勢条件との関係、形状形成に杆よした6筋の出力と
の関係において、次に示すような性質を持っていること
が確かめられた。 (1)図3の辺A−BおよびD−Eは、上腕あるいは大腿
(図3に線分S−Kで示す)に平行である。
るいは下腿(図3に線分K−Wで示す)に平行である。 (3) 図3の辺B−CおよびE−Fは第1関節(肩関節あ
るいは股関節)と系先端Wとを結ぶ線(図3の線分S−
Wである)に平行である。 (4) 図3の線分A−Bおよび線分D−Eはf3+e3に
等しい。
f2+e2に等しい。 (6) 図3の線分A−Fおよび線分D−Cはf1+e1に
等しい。 (7) f3は単独にて点Wより線分S−Kに平行に点S方
向に出力できる。 (8) e3は単独にて点Wより線分S−Kに平行に点K方
向に出力できる。 (9) f2は単独にて点Wより線分S−Wに平行に点S方
向に出力できる。
平行に点W方向に出力できる。 (11)f1は単独にて点Wより線分K−Wに沿って点Kと
反対方向に出力できる。 (12)e1は単独にて点Wより線分K−Wに沿って点K方
向に出力できる。 (13)6角形は上記6筋の出力を協調活動形式で合成した
値によって形成されたものである。
の最大出力値、あるいはその近似値が判れば、最大出力
分布図の性質から、各実効筋力値の算出が可能となる。
たとえば、上肢上腕部前面は上腕二頭筋で占められ、下
肢大腿部後面はハムストリングスで占められている。し
たがって、それぞれの周囲径から除脂肪横断面積を求
め、出力推定値を算出することが可能である。ともに、
f3(推定値)である。
には、図4に示す測定装置10を用いる。この測定装置
10では、上肢ならびに下肢について、ともに系先端の
関節中心軸に、等尺的に最大努力で発揮する出力および
その出力方向を測定できるように工夫している。図4に
示す測定装置10は、被験者が下肢を伸ばした状態で座
れる座部12を含む。座部12はその下の台14によっ
て床上にしっかりと固定される。座部12の一端から所
定角度で背もたれ16が斜め後方に伸び、被験者はその
背中が背もたれ16に当った状態でベルト18によって
固定される。つまり、被験者は、測定中その上体が動か
ないように、背もたれ16に固定される。ただし、背も
たれ16には、角度調整機構が設けられ、それによって
被験者の体格の違いに対処し、さらには測定姿勢の変更
を可能にすることも考えられる。
には、センサ取り付け台20が配置される。このセンサ
取り付け台20は、被験者の上肢を載せられるようにな
っていて、図5に示すような、センサ部22が設けられ
ている。なお、座部12の前方部にも同様に、センサ部
22が設けられる。このセンサ取り付け台20にもまた
変位機構が設けられ、それによって被験者の体格の違い
に対処し、さらには測定姿勢の変更を可能にするように
してもよい。したがって、センサ取り付け台20は、上
下に移動可能に構成される。また、センサ部22も同様
の目的で、可動構造を採用する。センサ取り付け台20
が上下に可動である場合、センサ部22は前後に可動と
すればよい。さらには、座部12に設けられるセンサ部
22についても同様である。この場合、座部12を上下
可動に構成することも考えられる。
であれば手根関節部、下肢であれば足関節部を受け入れ
る受容部24を有し、この受容部24の両側面には外方
に延びるシャフト26が取り付けられている。シャフト
26の周囲には圧力センサ28が配置され、その圧力セ
ンサ28は固定具30に固定され,固定具30を介して
センサ取り付け台20および座部12に固定されてい
る。したがって、被験者が上肢または下肢先端に等尺的
に最大努力を発揮できる。そして、被験者の系先端での
出力が圧力センサ28によって検出される。
電気信号(アナログ信号またはディジタル信号)とし
て、コンピュータに入力される。コンピュータ(図示せ
ず)は、圧力センサ28からのデータを取り込んで、後
述のフロー図に従って、先に述べた、機能別実効筋力値
を算出する。なお、この測定装置10に付随して、筋電
図計が用いられる場合には、筋電位等のデータもまたコ
ンピュータに入力され、処理される。
上述のように、測定中被験者の姿勢が変化せぬよう上体
を固定する。そして、上肢ならびに下肢について、第1
関節角度(図3:θ1)および第2関節角度(図3:θ
2)を被験者の姿勢や体格あるいは測定目的に応じて適
宜設定する。機能別実効筋力値を算出する手順は、図6
に示すように、ステップS1で2関節リンク機構の測定
線図(図7(A))を作成し、ステップS2で系先端で
の最大出力とその方向を測定し、ステップS3で出力分
布図(図7(E))を作成し、最後に、ステップS4で
図12に示すように機能別実効筋力値を算出する。
1の線図作成について詳細に説明する。図8の最初のス
テップS11では、図3に示す線分S−Kを計測する。
線分S−Kは、上肢では上腕長、下肢では大腿長に相当
する。ついで、ステップS12では、線分K−Wを計測
する。(線分K−Wは、上肢では前腕長、下肢では下腿
長に相当する。そして、ステップS13およびS14に
おいて、上肢では肩関節角度、下肢では股関節角度(θ
1)、および上肢では肘関節外角角度、下肢では膝関節
外角角度(θ2)を計測する。最後に、このようなそれ
ぞれの計測結果に基づき、適当に縮尺して、図7(A)
のような上肢あるいは下肢の二関節リンク機構測定線図
を作成する。
計測するようにしてもよいが、図4に示す測定装置10
にこれらの要素を自動的に計測できる手段、たとえば光
学的装置を別途設け、その光学的装置の出力をコンピュ
ータによって処理することによって計測するようにして
もよい。ついで、図9に示すフロー図に従って、測定装
置10およびコンピュータ(図示せず)によって、系先
端における最大出力とその方向を測定する。まず、ステ
ップS21において、伸展方向の点A(図7(B))に
ついて、最大出力および方向を記録する。具体的には、
このステップS21では、筋電図バイオフィードバック
法により、上肢では上腕二頭筋筋腹中央部からの筋放電
が消え、上腕三頭筋長頭からの放電が最大になる方向、
下肢では内側ハムストリングスからの放電が消え、大腿
直筋からの放電が最大になる方向の出力とその方向を記
録する。
示す屈曲方向の点Dの最大出力および方向を記録する。
具体的には、同じく筋電図バイオフィードバック法によ
り、上肢では上腕二頭筋筋腹中央部からの放電が最大と
なり、上腕三頭筋長頭からの放電が消える方向、下肢で
は内側ハムストリングスからの放電が最大となり、大腿
直筋からの放電が消える方向の出力とその方向を記録す
る。
(C)に示すように、図7(B)の線分A−Dに直交す
る方向に最大努力出力を測定する。このとき、第2関節
の屈曲内側方向の出力値をC′、外側方向の出力値を
E′とする。最後に、ステップS24において、図7
(D)に示す各点A,C′,D,E′を記入する。そし
て、図10のフロー図に従って、コンピュータによっ
て、図7(E)に示す出力分布図を描く。ただし、上
肢、下肢ともに手順は同様であるので、上肢の場合につ
いて述べ、下肢の場合は括弧内に示す。
点AおよびDを通り、かつ上腕(大腿)すなわち線分S
−Kに平行な2つの線を引く。これらの線分をそれぞれ
仮にA−BおよびD−Eとする。ステップS32では、
それぞれが先に求めた点AおよびDを通り、かつ前腕
(下腿)すなわち線分K−Wに平行な2つの線を引く。
これらの線分をそれぞれ仮にA−FおよびD−Cとす
る。
を通り、かつ第1関節と系先端とを結ぶ線S−Wに平行
な線を引き、その線と線分A−Bとの交点を点Bとし、
その線が線分D−Cと交わる点を点Cとする。同様にし
て、ステップS34では、点E′を通り、かつ第1関節
と系先端を結ぶ線S−Wに平行な線を引き、その線が線
分A−Fと交わる点を点F、線分D−Eと交わる点を点
Eとする。
A−B−C−D−E−F−Aで表される上肢(下肢)出
力分布図が描画できる。よく知られているように、人間
の筋出力は、最大努力で出力しても100パーセントは
出せない。よくトレーニングされた人間でも生理学的限
界の約80パーセント前後であるといわれている。ま
た、毎回全く同一活動レベルで出力させることもまた極
めて難しい。
布図においても、出力に関与した筋群の活動レベルは大
なり小なり異なっていたことが当然予想される。そこ
で、図11および図12に示す算出手順を適用する前段
階として、出力分布図の先に挙げた(1) - (6) を満たす
ように、たとえば平均化処理等の適宜の方法で補正する
必要がある。
すなわち、図7(F)- 図7(H)に示すように、出力
分布図の各実測点を通る6角形の互いに向かい合う辺の
長さが等しくなるように平均値をとり、平均化基準6角
形とする。なお、このような補正のためには、他の適当
な方法が利用されてもよい。図11に示すフロー図の最
初のステップS41では、まず、数1におけるf3を推
定する。このf3は、上肢では上腕二頭筋によって、ま
た下肢ではハムストリングスによって得られる出力であ
る。したがって、このステップS41では、上腕二頭筋
またはハムストリングスの除脂肪横断面積を周囲径から
求め、一般的係数値を乗じて、各筋の出力推定値f3を
算出する。この出力値f3は、図12上で、単独で、点
Wから線分S- Kに平行に点S方向に出力できるので、
まず、点Wからf3を記入する。
を引き、それが線分B- Cと交わる点でf2およびe2
を算出する(ステップS42)。同時に、f3の先端か
ら線分S- Wに平行線を引き、それが線分C- Dと交わ
る点でf1およびe1を算出する(ステップS42)。
そして、各出力f1,e1,f2およびe2を点Wから
の出力値として記入する。
分S−K,S−WおよびK- Wに平行線を引き、それら
の平行線が線分A- BまたはD- Eと交わる点からe3
が算出できる。一例として、f1の頂点から線分S- W
に平行線を引き、それが線分A- Bと交わる点からe3
が求められる。このe3 は、f3とともに線分A- Bに
含まれるので、ここで、f3が計算できる。
ステップS41で推定したf3とを比較することによっ
て、各出力値が最適近似されているかどうか判断する。
このステップS44で”NO”が判断されると、次のス
テップS45において、たとえば2つのf3の差に基づ
いてf3を修正する。そして、ステップS42に戻り、
ステップS42からS44を繰り返し実行する。
最適近似して再現できる(fi,ei)i=1,2,3
の値を求め、この値を機能別実効筋力値として確定す
る。なお、ステップS43以降の算出手順については、
出力分布図形の性質を利用して幾通りか考えられる。図
11および図12に示したものは妥当な一例である。い
ずれの方法を採っても、f3推定値を修正し、算出手順
を繰り返しながら出力分布実測図を最適近似して再現で
きる(fi,ei)i=1,2,3を求める手続きは必
要である。
を仮の基準として算出手続きを進めているが、再現した
出力分布図が実測図に充分近似しておれば、機能別実効
筋力値として有効である。このようにして拮抗二関節筋
を含む2関節リンク機構の機能別実効筋力値を求めるこ
とができると、それを人体モデルに応用して製品設計等
に成果が期待できる。さらには、仮想人間のシミュレー
ションモデルに二関節筋出力も含めた機能別実効筋力を
導入することによって、初めて、より人間に近いモデル
を構築することができる。また、リハビリテーションや
スポーツの筋力評価、トレーニング指導評価等に、従来
に比べて信頼性の高い情報や資料が提供できる。
を示す図解図であり、図1(A)は人間の上肢を、図1
(B)は人間の下肢をそれぞれ示す。
力の理論的数学的分布図である。
大出力の分布図である。
解図であり、図4(A)が正面図を、図4(B)が平面
図を、図4(C)が右側面図をそれぞれ示す。
す図解図である。
図である。
る手順を示す図解図であり、図7(A)は2関節リンク
機構の測定線図の作成を示し、図7(B)は伸展方向の
点ならびに屈曲方向の点の記録を示し、図7(C)は線
分A- Dに直交する2点の記録を示し、図7(D)は他
の点の記録を示し、図7(E)は出力分布図を示し、図
7(F)−図7(H)は平行移動法に従った補正方法を
示す。
ロー図である。
フロー図である。
図を作成する動作を示すフロー図である。
図である。
す図解図である。
Claims (11)
- 【請求項1】第1関節と第2関節との間に第1杆があ
り、前記第2関節から第2杆が延び、前記第2杆の先端
が系先端となり、前記第1関節,前記第2関節および前
記系先端を含む2次元平面内の運動に対して実効を及ぼ
す前記第1関節周りの1対の第1拮抗一関節筋ペア,前
記第2関節周りの1対の第2拮抗一関節筋ペア,および
前記第1関節および前記第2関節に跨る1対の拮抗二関
節筋ペアを有する2関節リンク機構において、互いに機
能の異なる3対6筋のそれぞれについて機能別実効筋力
を評価するための方法であって、 (a) 前記系先端に所定の複数の点の方向に等尺的に最大
努力で出力させて6角形の出力分布図を作成し、 (b) 前記6角形の形成に関わる前記6筋のうち1筋の出
力を推定し、そして (c) 前記6角形の形成に関わる残りの5筋の出力を計算
する、筋力評価方法。 - 【請求項2】前記ステップ(a) は、(d) 前記系先端にお
ける最大出力およびその方向を測定し、そして(e) 前記
ステップ(d) の測定結果および前記第1杆および前記第
2杆ならびに前記第1関節および前記第2関節の角度に
基づいて出力分布図を作成する、請求項1記載の筋力評
価方法。 - 【請求項3】前記ステップ(a) は、さらに、(f) 前記ス
テップ(d) で求めた出力分布図を補正して基準6角形を
作成する、請求項2記載の筋力評価方法。 - 【請求項4】前記ステップ(f) では平均化法によって補
正する、請求項3記載の筋力評価方法。 - 【請求項5】前記ステップ(d) は、(d1)筋電図バイオフ
ィードバック法によって前記系先端における伸展方向の
第1点およびその方向を記録し、(d2)筋電図バイオフィ
ードバック法によって前記系先端における屈曲方向の第
2点およびその方向を記録し、(d3)前記第1点および前
記第2点を結ぶ第1の線に直交する第2の線上での最大
努力を測定し、そして(d4)前記第2の線上の第3点およ
び第4点を記録する、請求項2ないし4のいずれかに記
載の筋力評価方法。 - 【請求項6】前記ステップ(e) は、(e1)前記第1点およ
び前記第2点を通りかつ前記第1杆に平行な第1辺およ
び第2辺を求め、(e2)前記第1点および前記第2点を通
りかつ前記第2杆に平行な第3辺および第4辺を求め、
(e3)前記第1辺と前記第3辺との間の第5辺を求め、そ
して(e4)前記第2辺と前記第4辺との間の第6辺を求め
る、請求項5記載の筋力評価方法。 - 【請求項7】前記ステップ(b) は前記拮抗二関節筋ペア
の1つの筋の出力を推定する、請求項1ないし6のいず
れかに記載の筋力評価方法。 - 【請求項8】前記ステップ(c) は前記ステップ(b) で推
定した出力に基づいて前記拮抗二関節筋ペアの他の1つ
の筋の出力を計算する、請求項7記載の筋力評価方法。 - 【請求項9】さらに、(g) 前記ステップ(b) および(c)
を実行して得られた機能別実効筋力値が妥当かどうか検
証する、請求項7または8記載の筋力評価方法。 - 【請求項10】さらに、前記ステップ(g) で妥当でない
とき、(h) 前記ステップ(b) で推定した出力を修正して
前記ステップ(c) を実行する、請求項9記載の筋力評価
方法。 - 【請求項11】第1関節と第2関節との間に第1杆があ
り、前記第2関節から第2杆が延び、前記第2杆の先端
が系先端となり、前記第1関節,前記第2関節および前
記系先端を含む2次元平面内の運動に対して実効を及ぼ
す前記第1関節周りの1対の第1拮抗一関節筋ペア,前
記第2関節周りの1対の第2拮抗一関節筋ペア,および
前記第1関節および前記第2関節に跨る1対の拮抗二関
節筋ペアを有する2関節リンク機構において、互いに機
能の異なる3対6筋のそれぞれについて機能別実効筋力
を評価するためのシステムであって、 前記系先端に所定の複数の点の方向に等尺的に最大努力
で出力させて6角形の出力分布図を作成する分布図作成
手段、 前記6角形の形成に関わる前記6筋のうち1筋の出力を
推定する推定手段、および前記6角形の形成に関わる残
りの5筋の出力を計算する計算手段を備える、筋力評価
システム。
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