JP2007061137A - 筋力トレーニングシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】二関節アーム装置の先端に被験者の上肢又は下肢の先端を固定し、二関節アーム装置の出力に拮(きっ)抗するような筋力を被験者に発生させることによって、被験者に負担をかけることなく、被験者の筋力を容易に、かつ、高い精度で測定することができるとともに、被験者の筋力をトレーニングすることができるようにする。
【解決手段】人間の上肢又は下肢を模した構造を備える二関節アーム装置10を有し、該二関節アーム装置10の先端部に被験者60の上肢又は下肢の先端部を固定し、前記二関節アーム装置10が力を発生した場合、被験者60が前記二関節アーム装置10の力に抗して上肢又は下肢の先端部の位置を移動させないようにすることによって、被験者60の上肢又は下肢の筋力を測定するとともにトレーニングする。
【選択図】図1

Description

本発明は、筋力トレーニングシステムに関するものである。
従来、二関節アーム装置のような二関節リンク機構を利用した筋力の測定システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。該測定システムにおいては、被験者の拮(きっ)抗一関節筋群及び拮抗二関節筋群の筋出力を圧力センサによって測定している。
また、二関節リンク機構を駆動させるためのアクチュエータとして、人間を含む動物において腕を曲げるために機能する二関節筋のモデルを提案し、該モデルを使用して二関節リンク機構の動作制御に関する研究も行われている(例えば、非特許文献1参照。)。この研究では、二関節同時駆動源を備えた二関節リンク機構においてアーム先端部の力と剛性を制御するためには、駆動源として、収縮方向に力を発揮する収縮要素と弾性要素とを有するアクチュエータのモデルを使用することが好適であるとされている。
特開2000−210272号公報 藤川智彦、他3名、「拮抗筋群による協調制御機能」、日本機械学会論文集(C編)、63巻607号(1997−3)、p.769−776、論文No.96−1040
しかしながら、前記従来の測定システムにおいては、被験者が出力の方向を強く意識して測定する必要があり、また、出力検出用センサとして圧力センサを使用しているので、ストロークがないため違和感が強く、被験者の負担が大きくなるという問題点があった。
さらに、前記測定システムでは、拮抗一関節筋群及び拮抗二関節筋群の筋力を測定することはできても、拮抗一関節筋群及び拮抗二関節筋群の筋力トレーニングを行うことはできなかった。
本発明は、前記従来のシステムの問題点を解決して、二関節アーム装置の先端に被験者の上肢又は下肢の先端を固定し、二関節アーム装置の出力に拮抗するような筋力を被験者に発生させることによって、被験者に負担をかけることなく、被験者の筋力を容易に、かつ、高い精度で測定することができるとともに、被験者の筋力をトレーニングすることができる筋力トレーニングシステムを提供することを目的とする。
そのために、本発明の筋力トレーニングシステムにおいては、人間の上肢又は下肢を模した構造を備える二関節アーム装置を有し、該二関節アーム装置の先端部に被験者の上肢又は下肢の先端部を固定し、前記二関節アーム装置が力を発生した場合、被験者が前記二関節アーム装置の力に抗して上肢又は下肢の先端部の位置を移動させないようにすることによって、被験者の上肢又は下肢の筋力を測定するとともにトレーニングする。
本発明の他の筋力トレーニングシステムにおいては、ベース、該ベースに根本端部が回転可能に取り付けられた第2リンク、及び、該第2リンクの先端部に根本端部が回転可能に取り付けられた第1リンクを備える二関節アーム装置であって、前記第1リンク及び第2リンクを各々独立して回転させるための駆動力を発生する第1アクチュエータ及び第2アクチュエータ並びに第3アクチュエータ及び第4アクチュエータと、前記第1リンク及び第2リンクをベースに対して同時に回転させるための駆動力を発生する第5アクチュエータ及び第6アクチュエータとを更に備える二関節アーム装置と、所定の駆動シーケンスに従って前記第1〜第6アクチュエータを動作させ、前記第1リンクの先端部において六方向の力を発生させる制御装置とを有する。
本発明の更に他の筋力トレーニングシステムにおいては、さらに、前記第1リンクの先端部に被験者の上肢又は下肢の先端部を固定し、前記第1リンクの先端部において発生される六方向の力と前記被験者の力とを拮抗させて、前記被験者の上肢又は下肢の先端部において発生される六方向の力を測定することによって、前記被験者の上肢又は下肢の拮抗一関節筋群及び拮抗二関節筋群の筋力を測定する。
本発明の更に他の筋力トレーニングシステムにおいては、さらに、前記被験者の筋力を測定した結果に基づいて筋力が低下した前記被験者の上肢又は下肢の筋を特定し、前記第1リンクの先端部において発生される六方向の力を制御することによって、特定された前記被験者の上肢又は下肢の拮抗一関節筋群及び拮抗二関節筋群の筋力をトレーニングする。
本発明の更に他の筋力トレーニングシステムにおいては、さらに、前記制御装置に接続された表示装置を更に有し、前記第1リンクの先端部の動作軌跡と目標軌跡とを前記表示装置に表示させ、前記動作軌跡が目標軌跡と一致するように前記被験者に力を発生させることによって、前記被験者の上肢又は下肢の拮抗一関節筋群及び拮抗二関節筋群の筋力の測定及びトレーニングを行う。
本発明によれば、二関節アーム装置の先端に被験者の上肢又は下肢の先端を固定し、二関節アーム装置の出力に拮抗するような筋力を被験者に発生させるようになっている。これにより、被験者に負担をかけることなく、被験者の筋力を容易に、かつ、高い精度で測定することができるとともに、被験者の筋力をトレーニングすることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態における二関節アーム装置の構成を示す図、図2は本発明の実施の形態における関節部の側面を示す図、図3は本発明の実施の形態における関節部の側面を示す図である。
図1において、10は本実施の形態における筋力トレーニングシステムに含まれる二関節アーム装置であって、人間の上肢、すなわち、腕の部分を模した構造を有する。なお、前記二関節アーム装置10は、人間の下肢、すなわち、脚の部分を模した構造を有するものであってもよいが、ここでは上肢を模した構造を有するものである場合について説明する。
そして、11は、上肢を模した構造の二関節アーム装置10の下膊(はく)に該当する第1リンクであり、12は、上肢を模した構造の二関節アーム装置10の上膊に該当する第2リンクである。また、13は、肩に該当するベースとしてのフレームであり、根本端部(図における上端部)が図示されない土台等に固定された固定部材33に固着されている。そして、前記フレーム13の先端部(図における下端部)には、肩関節に該当する第2関節部15を介して、第2リンク12の根本端部が回転可能に接続されている。さらに、第2リンク12の先端部には、肘(ひじ)関節に該当する第1関節部14を介して、第1リンク11の根本端部が回転可能に接続されている。
また、16〜21はアクチュエータとしての第1アクチュエータ〜第6アクチュエータであり、22は前記第1リンク11に第1アクチュエータ16及び第2アクチュエータ17を固定する第1ブラケット、23は前記フレーム13に第5アクチュエータ20及び第6アクチュエータ21を固定する第2ブラケットである。そして、24〜31はワイヤであり、ワイヤ24は第2アクチュエータ17と第2リンク固定肘プーリ14aとを連結し、ワイヤ25は第1アクチュエータ16と第2リンク固定肘プーリ14aとを連結し、ワイヤ26は第3アクチュエータ18と第1リンク固定肘プーリ14bとを連結し、ワイヤ27は第3アクチュエータ18とフレーム固定肩プーリ15bとを連結し、ワイヤ28は第4アクチュエータ19とフレーム固定肩プーリ15bとを連結し、ワイヤ29は第4アクチュエータ19とフレーム固定肩プーリ15bとを連結し、ワイヤ30は第5アクチュエータ20と第2リンク固定肩プーリ15aとを連結し、ワイヤ31は第6アクチュエータ21と第2リンク固定肩プーリ15aとをそれぞれ連結している。
この場合、第1アクチュエータ16及び第2アクチュエータ17並びに第3アクチュエータ18及び第4アクチュエータ19は、第1リンク11及び第2リンク12を各々独立して回転させるための駆動力を発生する。また、第5アクチュエータ20及び第6アクチュエータ21は、第1リンク11及び第2リンク12をフレーム13に対して同時に回転させるための駆動力を発生する。
図2に示されるように、第2関節部15は、プーリとしての第2リンク固定肩プーリ15a及びフレーム固定肩プーリ15bを有する。そして、第2リンク固定肩プーリ15aは、第2リンク12に回転しないように固定され、フレーム固定肩プーリ15bはフレーム13に回転しないように固定されている。また、第2リンク12とフレーム13とはブッシュ15cによって連結されており、相互に回転可能となっている。そして、15dはエンコーダであり、第2リンク12に対するフレーム13の回転角度を測定する。また、ワイヤ31及びワイヤ30は、第2リンク固定肩プーリ15aに巻き付けられ、終端が第2リンク固定肩プーリ15aに固定されている。同様に、ワイヤ29及びワイヤ27は、フレーム固定肩プーリ15bに巻き付けられ、終端がフレーム固定肩プーリ15bに固定されている。
また、図3に示されるように、第1関節部14は、プーリとしての第2リンク固定肘プーリ14a及び第1リンク固定肘プーリ14bを有する。そして、第2リンク固定肘プーリ14aは第2リンク12に回転しないように固定され、第1リンク固定肘プーリ14bは第1リンク11に回転しないように固定されている。また、第1リンク11と第2リンク12とはブッシュ14cによって連結されており、相互に回転可能となっている。そして、14dはエンコーダであり、第2リンク12に対する第1リンク11の回転角度を測定する。また、ワイヤ24及びワイヤ25は第2リンク固定肘プーリ14aに巻き付けられ、終端が第2リンク固定肘プーリ14aに固定されている。同様に、ワイヤ28及びワイヤ26は第1リンク固定肘プーリ14bに巻き付けられ、終端が第1リンク固定肘プーリ14bに固定されている。
次に、前記第1アクチュエータ16〜第6アクチュエータ21の構成について説明する。
図4は本発明の実施の形態におけるアクチュエータの構成を示す図、図5は本発明の実施の形態における二関節アーム装置の動作を制御する制御装置を示す回路ブロック図である。
本実施の形態において、前記第1アクチュエータ16〜第6アクチュエータ21は、実質的に同一の構成を備え、図4に示されるように、モータ40、ウォーム41、はすば歯車42、ラック43、第1ポテンショメータ44、第2ポテンショメータ45、ばね46、第1ブラケット47、第2ブラケット48及びワイヤ49を有する。該ワイヤ49は、図1に示すワイヤ24〜31のアクチュエータ側の端部に該当し、第1ブラケット47に固定されている。なお、ワイヤ24〜31の反対側の端部は、第2リンク固定肘プーリ14a、第1リンク固定肘プーリ14b、第2リンク固定肩プーリ15a及びフレーム固定肩プーリ15bに固定されている。また、第1アクチュエータ16及び第2アクチュエータ17においては、モータ40が第1ブラケット22に固定され、第5アクチュエータ20及び第6アクチュエータ21においては、モータ40が第2ブラケット23に固定されている。さらに、第3アクチュエータ18及び第4アクチュエータ19においては、モータ40が第2リンク固定肩プーリ15a及びフレーム固定肩プーリ15bに固定されている。
ここで、前記ばね46は、弾性を有する材質であれば、金属以外の材質から成るものであってもよく、例えば、合成樹脂から成るものであってもよい。そして、前記ばね46は、図4に示される例においては、コイルばねであり、コイルの軸心が第1ブラケット47及びラック43に固定された第2ブラケット48の面に対して垂直に延在するように配設されている。そして、前記ラック43が平行移動することによって、ばね46の位置が変化するようになっている。
そして、前記ラック43は、図示されない固定部材に固定されたガイド部材に沿って、図4における左右方向にスライド可能に取り付けられ、前記はすば歯車42と噛(か)み合っている。なお、前記ラック43における噛み合い歯は、前記はすば歯車42側の面、すなわち、図4における上側面に形成されている。
また、前記はすば歯車42は、図示されない固定部材に固定された回転軸に回転可能に取り付けられている。そして、前記はすば歯車42は、図4における下側の部分において前記ラック43と噛み合うとともに、図4における上側の部分において前記ウォーム41と噛み合っている。この場合、前記はすば歯車42は、ウォームホイールとして機能し、ウォーム41によって、回転軸を中心として回転させられる。
ここで、前記ウォーム41は、前記モータ40の回転軸に取り付けられて、回転させられるようになっている。なお、前記モータ40の回転軸及びウォーム41は、図4において左右方向に延在する軸の回りに回転する。これにより、前記モータ40によってウォーム41が回転させられると、該ウォーム41に噛み合っているはすば歯車42が回転させられ、さらに、該はすば歯車42に噛み合っている前記ラック43が図4における左右方向に移動させられる。
そして、前記モータ40は、図示されない固定部材に固定され、後述されるドライバ53〜58からの駆動電流によって駆動され、回転軸を所定の方向に所定の速度で回転させるようになっている。なお、前記モータ40は、例えば、DCモータであるが、いかなる種類のモータであってもよい。
ここで、二関節アーム装置10の動作を制御する制御装置は、図5に示されるような構成を有する。図5において、50は演算手段としてのCPUであり、該CPU50で実行されるプログラム等を記憶するROM51、及び、前記CPU50がプログラムを実行する際のデータ等を一時記憶するRAM52が接続されている。また、前記CPU50には、第1アクチュエータ16〜第6アクチュエータ21を動作させるための駆動回路としてのドライバ53〜58が接続されている。該ドライバ53〜58は、前記CPU50の指示を受けて第1アクチュエータ16〜第6アクチュエータ21を動作させる。さらに、前記CPU50には、第2リンク12に対する第1リンク11の回転角度を測定するエンコーダ14d、及び、第2リンク12に対するフレーム13の回転角度を測定するエンコーダ15dが接続されている。
そして、前記CPU50は、ネットワーク等によって図示されない上位装置と通信可能に接続されている。ここで、該上位装置は、CPU、MPU等の演算手段、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段、キーボード、マウス等の入力手段、CRT、液晶ディスプレイ等の表示手段、通信手段等を備えるコンピュータであり、前記二関節アーム装置10の動作を統括的に制御する装置である。そして、前記CPU50は、あらかじめ組み込まれたプログラム又は入力手段から入力されたオペレータの指令に従って、前記ドライバ53〜58に制御信号を送信して、前記モータ40を駆動させる。
例えば、前記CPU50が第1アクチュエータ16〜第6アクチュエータ21に収縮させる方向の出力を発生させる収縮指令を送信すると、前記モータ40が駆動され、該モータ40の回転軸及びウォーム41が所定方向に回転する。すると、該ウォーム41に噛み合っているはすば歯車42が回転させられ、さらに、該はすば歯車42に噛み合っている前記ラック43が図4における左方向に移動させられる。そして、前記ばね46が左方向に移動させられ、前記第1ブラケット47が左方向に移動させられる。
このように、前記モータ40、ウォーム41、はすば歯車42及びラック43は、弾性体としてのばね46の一端の位置を制御する手段として機能する。また、第1ブラケット47は、前記ばね46の他端からばね46の弾性力、すなわち、ばね力を第1アクチュエータ16〜第6アクチュエータ21の出力として取り出す手段として機能する。また、ドライバ53〜58は収縮力を発生する旨の指令を受ける手段として機能する。
次に、前記構成の筋力トレーニングシステムの動作について説明する。まず、二関節アーム装置10の動作を説明する。
図6は本発明の実施の形態におけるアクチュエータの駆動シーケンスと力の方向を示す図、図7は本発明の実施の形態における二関節アーム装置の動作を示す図である。なお、図6の縦軸にはアクチュエータの出力を〔%〕単位で表している。
図7において、a〜fは第1リンク11の先端部に発生する力の方向を示したものであり、例えば、図7のa方向に力を発生させる場合には、図6の駆動シーケンスaのように、第1アクチュエータ16〜第6アクチュエータ21の出力を制御することによって実現することができる。このように、図6の駆動シーケンスa〜fは、図7の力の発生方向a〜fに対応している。なお、図6には、各アクチュエータと、後述される上肢における各筋との対応関係も示されている。
また、第1アクチュエータ16の出力をF2、第2アクチュエータ17の出力をE2、第3アクチュエータ18の出力をF3、第4アクチュエータ19の出力をE3、第5アクチュエータ20の出力をF1、第6アクチュエータ21の出力をE1とし、図6に示される駆動シーケンスに従って各アクチュエータを駆動したときのa〜fの発生力を示すと、該発生力が、図7に示されるように、六角形になることが知られている。
さらに、線分ab及び線分deの長さはF3とE3との和に等しく、線分bc及び線分efの長さはF2とE2との和に等しく、線分cd及び線分afの長さはF1とE1との和に等しいことが知られている。
次に、第1アクチュエータ16〜第6アクチュエータ21の出力について説明する。
図4に示されるように、ワイヤ24〜31のアクチュエータ側の端部に該当するワイヤ49は、第1ブラケット47に固定されている。また、ワイヤ24〜31の反対側の端部は、第2リンク固定肘プーリ14a、第1リンク固定肘プーリ14b、第2リンク固定肩プーリ15a及びフレーム固定肩プーリ15bに固定されている。そして、第1アクチュエータ16及び第2アクチュエータ17においては、モータ40が第1ブラケット22に固定され、第5アクチュエータ20及び第6アクチュエータ21においては、モータ40が第2ブラケット23に固定されている。さらに、第3アクチュエータ18及び第4アクチュエータ19においては、モータ40が第2リンク固定肩プーリ15a及びフレーム固定肩プーリ15bに固定されている。
ここで、ワイヤ49が弛(ゆる)みなく張られ、かつ、ワイヤ49の張力が0である状態をアクチュエータ出力0とする。そして、アクチュエータ出力0の状態から、モータ40を駆動し、第2ブラケット48を矢印方向に最大量移動させた位置においてワイヤ49の張力が最大となった状態をアクチュエータ出力100〔%〕とする。
次に、被験者の筋力を測定する方法について説明する。
図8は本発明の実施の形態における被験者の筋力を測定する方法を説明する図である。
図において、60は被験者であり、61は被験者60の上体と上膊とを連結する肩関節であり、62は被験者60の上膊と下膊とを連結する肘関節であり、63は被験者60の下膊と手とを連結する手首関節であって、上肢の先端部である。そして、64〜69は被験者60の上肢における筋であり、64は三角筋前部、65は三角筋後部、66は上腕二頭筋長頭、67は上腕三頭筋長頭、68は上腕筋、69は上腕三頭筋外側頭である。ここで、肩関節61の中心点をO1 、肘関節62の中心点をO2 、手首関節63の中心点をO3 とする。また、二関節アーム装置10においては、第1リンク11の先端部における円形部分の中心点をO4 、第1関節部14の中心点をO5 、第2関節部15の中心点をO6 とする。
そして、被験者60の筋力を測定する場合、二関節アーム装置10と被験者60との位置関係を、図8に示されるようにする。すなわち、中心点O1 、O3 、O4 及びO6 が同一直線上にあるようにする。そして、線分O1 2 と中心点O1 から鉛直方向に引いた直線とがなす角度をθ1 、線分O2 3 と中心点O2 から鉛直方向に引いた直線とがなす角度をθ2 、線分O5 6 と中心点O5 から鉛直方向に引いた直線とがなす角度をθ5 、線分O5 6 と中心点O6 から鉛直方向に引いた直線とがなす角度をθ6 とすると、θ1 =θ2 =θ5 =θ6 =θref となるように設定する。なお、θref は所定角度であり、任意に設定することができる。
次に、被験者60の各筋の筋力を測定する方法について説明する。
図9は本発明の実施の形態におけるアクチュエータの出力値の例を示す図である。
まず、被験者60は二関節アーム装置10と正対した状態となり、被験者60と二関節アーム装置10との位置関係を図8に示されるようにする。そして、この位置関係を初期位置として、エンコーダ14dとエンコーダ15dとのカウント値を記録する。なお、被験者60の手首関節63を第1リンク11の先端部に、任意の手段によって固定しておく。例えば、被験者60の手首関節63と第1リンク11の先端部とを紐(ひも)によって結ぶことにより手首関節63を第1リンク11の先端部に固定してもよいし、被験者60が手で第1リンク11の先端部を把持することによって手首関節63を第1リンク11の先端部に固定してもよい。また、被験者60に対しては、二関節アーム装置10から力を受けても、受けた力に抗して上肢に力を入れ、手首関節63の位置を初期位置、すなわち、図8に示される位置から移動させないようにする旨の指示をあらかじめ与えておく。
そして、二関節アーム装置10は、第1リンク11の先端部において、図7に示されるa方向に力を発生させる。この場合、図6の駆動シーケンスaのように、第1アクチュエータ16〜第6アクチュエータ21の出力を制御することによってa方向に力を発生させる。具体的には、第1アクチュエータ16、第3アクチュエータ18及び第6アクチュエータ21の出力は0のままで固定し、第2アクチュエータ17、第4アクチュエータ19及び第5アクチュエータ20の出力を同時に、かつ、等しくなるように変化させ、すなわち、同期させて、0から徐々に増加させる。これにより、二関節アーム装置10の第1リンク11の先端部がa方向に向けて発生する力は、徐々に増加する。
一方、被験者60は、あらかじめ与えられた指示に従い、a方向と逆の方向、すなわち、d方向に手首関節63を移動するように力を発生し、手首関節63の位置を初期位置から動かないようにするために上肢に力を入れる。そして、第1リンク11の先端部がa方向に向けて発生する力が徐々に増加するので、第1リンク11の先端部に固定された手首関節63の位置を動かないようにするために、被験者60が上肢に入れる力も徐々に増加する。
また、二関節アーム装置10は、第2アクチュエータ17、第4アクチュエータ19及び第5アクチュエータ20の出力を同期させて増加させるとともに、第1リンク11の先端部の初期位置からのずれをエンコーダ14dとエンコーダ15dとのカウント値に基づいて監視する。
そして、被験者60が上肢に力を入れて手首関節63の位置が動かないようにしているので、被験者60が上肢に入れる力と二関節アーム装置10が発生する力とが釣り合って拮抗している間は、手首関節63に固定された第1リンク11の先端部の位置は、初期位置から動くことがない。しかし、二関節アーム装置10が発生する力が増加して、被験者60が上肢に入れる力の限界、すなわち、最大値を超えると、二関節アーム装置10が発生する力が被験者60が上肢に入れる力に打ち勝つので、第1リンク11の先端部がa方向に移動することになる。そのため、第1リンク11の先端部がa方向に移動を開始した時点において二関節アーム装置10が発生する力が、d方向に手首関節63を移動させるために被験者60が上肢に入れる力の最大値、すなわち、被験者60の上肢の筋力の最大値であると考えることができる。
そこで、本実施の形態においては、エンコーダ14dとエンコーダ15dとのカウント値に基づいて、第1リンク11の先端部の位置が初期位置からa方向に移動したと判断すると、第1リンク11の先端部の位置が初期位置からa方向に移動した時点における第2アクチュエータ17の出力E2、第4アクチュエータ19の出力E3及び第5アクチュエータ20の出力F1の値を記録する。このようにして記録された第2アクチュエータ17、第4アクチュエータ19及び第5アクチュエータ20の出力値が、d方向に手首関節63を移動させるために被験者60が発生する上肢の筋力の最大値に対応する出力値である。これにより、d方向に手首関節63を移動させるために被験者60が発生する上肢の筋力の最大値に対応する二関節アーム装置10の各アクチュエータの出力値を記録することができる。
続いて、二関節アーム装置10は、前述の動作を繰り返して行い、第1リンク11の先端部においてb〜f方向に力を発生させ、e〜c方向に手首関節63を移動させるために被験者60が発生する上肢の筋力の最大値に対応する二関節アーム装置10の各アクチュエータの出力値を記録する。なお、二関節アーム装置10が力を発生する方向の順番は、a〜fの順に限ることなく、適宜変更することができる。
ところで、二関節アーム装置10が第1リンク11の先端部においてa方向に発生させる力をアクチュエータ出力Faとすると、該アクチュエータ出力Faは、次の式(1)で算出することができる。これは、図9に示されるように、中心点O4 から鉛直方向に引いた直線と線分O4 6 となす角をθ3 、中心点O4 から鉛直方向に引いた直線と線分O5 6 となす角をθ4 とすると、θ3 =θ4 =θref となるためである。
Fa=E2+F1×sinθref +E3×sinθref ・・・式(1)
ここで、Faの単位は〔%〕である。
そして、同様にして、二関節アーム装置10が第1リンク11の先端部においてb〜f方向に発生させる力をアクチュエータ出力Fb〜Ffを求めることができる。この結果に基づいて、図7に示すような六角形を描くことができる。
次に、記録された二関節アーム装置10の各アクチュエータの出力値に基づいて、被験者60の各筋の筋力を算出する方法について説明する。
この場合、被験者60の上肢における三角筋前部64の筋力をf1、三角筋後部65の筋力をe1、上腕二頭筋長頭66の筋力をf3、上腕三頭筋長頭67の筋力をe3、上腕筋68の筋力をf2、上腕三頭筋外側頭69の筋力をe2とすると、二関節アーム装置10の各アクチュエータの出力値と被験者60の上肢における各筋の筋力との関係は、次の式(2)〜(4)で表される。
F2+E2=f2+e2 ・・・式(2)
F3+E3=f3+e3 ・・・式(3)
F1+E1=f1+e1 ・・・式(4)
そのため、記録された二関節アーム装置10の各アクチュエータの出力値を前記式(2)〜(4)に代入することによって、被験者60の上肢における各筋の筋力の最大値を得ることができる。
このように、二関節アーム装置10は、人間の上肢を模した構造を有し、上肢の拮抗一関節筋群及び拮抗二関節筋群の各筋、すなわち、三角筋前部64、三角筋後部65、上腕二頭筋長頭66、上腕三頭筋長頭67、上腕筋68及び上腕三頭筋外側頭69に対応するアクチュエータを備える。そのため、被験者60の手首関節63を第1リンク11の先端部に固定し、被験者60に二関節アーム装置10から力を受けても、手首関節63の位置を初期位置から移動させないようにさせることによって、被験者60の上肢における拮抗一関節筋群及び拮抗二関節筋群の各筋の出力、すなわち、筋力を測定することができる。すなわち、第1リンク11の先端部において発生される六方向の力と被験者60の力とを拮抗させることによって、被験者60の上肢の先端部において発生される六方向の力を測定することができる。この場合、第1リンク11の先端部において発生する力の方向を六方向に変化させることによって、六方向に手首関節63を移動させるための筋力を各々測定することができる。
そのため、被験者60が出力の方向を意識する必要がないので、被験者60に負担をかけることなく、該被験者60の筋力を容易に、かつ、高い精度で測定することができる。
次に、被験者60の筋力をトレーニングする方法について説明する。
図10は本発明の実施の形態における被験者の筋力の測定結果の一例を示す図である。
ここで、被験者60の上肢における三角筋前部64、三角筋後部65、上腕二頭筋長頭66、上腕三頭筋長頭67、上腕筋68及び上腕三頭筋外側頭69の筋力の測定を完了したものとする。そして、測定の結果、図10に示されるように、一部の筋の筋力が弱いことが判明した場合、その該当する筋力をトレーニングして向上させる必要がある。
図10に示される例においては、手首関節63の周囲に実線で描かれた六角形が被験者60の筋力の測定結果を表しており、上腕二頭筋長頭66の筋力が著しく低下していることを示している。これに対して、点線で描かれた六角形が上腕二頭筋長頭66の筋力が正常な場合を示している。
この場合、二関節アーム装置10を使用して被験者60の筋力をトレーニングすることができる。筋力の測定結果が図10に示されるような例においては、上腕二頭筋長頭66の筋出力が弱いので、前記上腕二頭筋長頭66に他の筋よりも高い負荷をかけて、トレーニングすることが有効である。そして、上腕二頭筋長頭66の筋出力を向上させるためのトレーニングメニューを実行することによって、被験者60は、適切な筋力トレーニングを行うことができる。
二関節アーム装置10を使用して被験者60の筋力をトレーニングする場合には、筋力を測定する場合と同様に、被験者60は、図8に示されるように、二関節アーム装置10と正対した状態となる。そして、被験者60の手首関節63を第1リンク11の先端部に、任意の手段によって固定しておく。また、被験者60に対しては、二関節アーム装置10から力を受けても、受けた力に抗して上肢に力を入れ、手首関節63の位置を初期位置、すなわち、図8に示される位置から移動させないようにする旨の指示をあらかじめ与えておく。
ところで、非特許文献1によれば、人間の上肢においても、図6と同様のパターンによる筋の協調活動が行われている。なお、図6には、二関節アーム装置10の各アクチュエータと、人間の上肢における各筋との対応関係が示されているが、図6の駆動シーケンスa〜fに対応させて、人間の上肢における各筋の筋力を発生させた場合の力の発生方向は、図10に示されるa〜fに対応する。図10に示されるa〜fの方向は被験者60の側から観た方向を示しており、図7に示されるような二関節アーム装置10の側から観たa〜fの方向と対称の関係にある。
そのため、例えば、二関節アーム装置10の第1リンク11の先端部が、図7に示されるb方向に力を発生した場合に、被験者60が上肢に力を入れて手首関節63の位置が動かないようにすると、被験者60は、図10に示されるb方向に手首関節63を移動するように力を発生することになる。すなわち、図10に示されるb方向に手首関節63を移動するような負荷が被験者60の上肢における各筋に与えられることになる。この場合、図6の駆動シーケンスbのように、三角筋前部64、上腕三頭筋外側頭69及び上腕二頭筋長頭66が、負荷を与えられて筋力を発生する。
また、例えば、被験者60が、図10に示されるd方向に手首関節63を移動するような負荷が被験者60の上肢に与えられた場合、図6の駆動シーケンスdのように、三角筋後部65、上腕筋68及び上腕二頭筋長頭66が、負荷を与えられて筋力を発生する。
さらに、例えば、図10に示されるb方向及びd方向に手首関節63を移動するような負荷が、1:1の割合で被験者60の上肢に与えられた場合、一関節筋、すなわち、三角筋前部64、三角筋後部65及び上腕筋68には均等に負荷が与えられ、上腕二頭筋長頭66には、一関節筋の2倍の負荷が与えられ、上腕三頭筋長頭67には負荷が与えられない。したがって、この場合には、上腕二頭筋長頭66には高い負荷が選択的に与えられ、上腕三頭筋長頭67には低い負荷が選択的に与えられたことになる。
なお、被験者60の上肢に与えられる負荷の大きさは、筋力の測定結果に基づいて制御される。この場合、測定された各筋の出力に応じた負荷が各筋に与えられるように、二関節アーム装置10の各アクチュエータの出力を制御することによって、各筋にとって最適な負荷を与え続けることができる。
このように、被験者60の上肢における各筋に対し、選択的に最適な負荷を与えることによって、被験者60に過大な負荷をかけることなく、効果的なトレーニングを実施することができ、被験者60の筋力を効果的に向上させ、かつ、筋力のバランスを向上させることができる。
また、筋力を現状よりさらに向上させたいという被験者60の要求がある場合、現状における被験者60の各筋の筋力の測定結果から目標とする筋力を設定し、トレーニングを実施する。この場合、図6に示される駆動シーケンスa〜fに対応する第1アクチュエータ16〜第6アクチュエータ21の出力を、現状における被験者60の各筋の筋力に対応する値から徐々に増加させながら、トレーニングを繰り返すことによって、被験者60の上肢全体の筋力をバランスよく向上させることができる。
このように、二関節アーム装置10は、人間の上肢を模した構造を有し、上肢の拮抗一関節筋群及び拮抗二関節筋群の各筋、すなわち、三角筋前部64、三角筋後部65、上腕二頭筋長頭66、上腕三頭筋長頭67、上腕筋68及び上腕三頭筋外側頭69に対応するアクチュエータを備える。そのため、被験者60の手首関節63を第1リンク11の先端部に固定し、被験者60に二関節アーム装置10から力を受けても、手首関節63の位置を初期位置から移動させないようにさせることによって、被験者60の上肢における拮抗一関節筋群及び拮抗二関節筋群の各筋に選択的に負荷を与え、効果的なトレーニングを実施することができる。この場合、二関節アーム装置10が第1リンク11の先端部において発生する力の方向を選択することによって、負荷を与えてトレーニングする筋を選択することができる。
また、筋力の測定に使用された二関節アーム装置10を使用することによって、被験者60の筋力をトレーニングすることができ、筋力の測定とトレーニングのために別個の装置を用意する必要がなく、設備コストを低減することができる。
さらに、二関節アーム装置10が人間の上肢を模した構造を有するので、被験者60は違和感を感じることなく、効果的にトレーニングを実施することができる。
次に、筋力の測定及びトレーニングの状態を表示する方法について説明する。
図11は本発明の実施の形態における筋力の測定及びトレーニングの状態を表示する表示画面の例を示す図である。なお、図11(a)は二関節アーム装置の第1リンクの先端部の位置を示す図、図11(b)は二関節アーム装置の第1リンクの先端部の動作軌跡を示す図、図11(c)は筋力の測定結果を示す図である。
図11において、70はCRT、液晶ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等の表示装置としてのディスプレイである。該ディスプレイ70は、二関節アーム装置10の動作を制御する制御装置の上位装置が備える表示手段の一部であってもよいし、該表示手段とは別個に前記制御装置又は上位装置に接続されたものであってもよい。
そして、図11(a)において、71は二関節アーム装置10における第1リンク11の先端部の初期位置を示すアイコンであり、72は前記第1リンク11の先端部における円形部分の中心点O4 の現在位置を示すアイコンである。前記アイコン71及び72の位置は、エンコーダ14d及び15dの回転角度から算出された第1リンク11の先端部における円形部分の中心点O4 の位置を示している。ここで、アイコン72は、第1リンク11の先端部における円形部分の中心点O4 の現在位置を、エンコーダ14d及び15dの回転角度に基づいて、リアルタイムに示すものである。なお、筋力を測定する場合、及び、筋力をトレーニングする場合には、前述のように、被験者60の手首関節63が第1リンク11の先端部に固定されているので、前記アイコン71及び72は、実質的に、被験者60の手首関節63の初期位置及び現在位置を各々示している。
まず、被験者60の各筋の筋力を測定する場合、測定が開始される前は、被験者60の手首関節63及び第1リンク11の先端部が初期位置にあるので、アイコン71とアイコン72とは同位置にある。そして、測定が開始されると、第1リンク11の先端部がa〜fの六方向に向けて力を発生する。一方、被験者60は、あらかじめ与えられた指示に従い、第1リンク11の先端部において発生される力と逆の方向に手首関節63を移動するように力を発生し、手首関節63の位置を初期位置から動かないようにする。
この際、被験者60は、ディスプレイ70を見ながら、アイコン72をアイコン71の位置から動かさないようにすることによって、手首関節63の位置を初期位置から動かないようにすることができる。そのため、被験者60は、テレビゲーム等のゲームを行っているのと同様のゲーム感覚で、筋力を測定することができる。
なお、測定を開始する前に、被験者60に対してあらかじめ与えられる、二関節アーム装置10から力を受けても、上肢に力を入れて、手首関節63の位置を初期位置から移動させないようにする旨の指示は、ディスプレイ70に表示することができる。また、該ディスプレイ70とともに、図示されないラウドスピーカ等の音声出力装置が前記制御装置又は上位装置に接続されている場合には、前記指示を音声出力によって被験者60に対して与えることもできる。
次に、筋力をトレーニングする場合について説明する。
筋力をトレーニングする場合には、図11(b)に示されるように、第1リンク11の先端部における円形部分の中心点O4 の動作軌跡73、トレーニング中の第1の目標軌跡74及びトレーニング中の第2の目標軌跡75がディスプレイ70に表示される。また、被験者60に対してあらかじめ与えられる、二関節アーム装置10から力を受けても、上肢に力を入れて、手首関節63の位置を初期位置から移動させないようにする旨の指示は、筋力を測定する場合と同様に、ディスプレイ70に表示することができる。また、図示されない音声出力装置が前記制御装置又は上位装置に接続されている場合には、前記指示を音声出力によって被験者60に対して与えることもできる。
そして、トレーニングが開始されると、二関節アーム装置10から力を受けるが、被験者60は、上肢に力を入れて、ディスプレイ70を見ながら、手首関節63の位置を示すアイコン72が第1の目標軌跡74又は第2の目標軌跡75をトレースするようにする。すなわち、動作軌跡73が第1の目標軌跡74又は第2の目標軌跡75と一致するようにする。これにより、被験者60の上肢における各筋は、第1リンク11の先端部からあらかじめ設定された方向の負荷を与えられて筋力を発生するので、被験者60は、ゲーム感覚で、筋力をトレーニングすることができる。
また、筋力のトレーニングを開始する前と筋力のトレーニングを終了した後に、被験者60の筋力を測定し、測定結果を、図11(c)に示されるように、ディスプレイ70に表示することによって、トレーニングの成果をその場で確認することができる。図11(c)に示される例においては、点線で描かれた六角形がトレーニングを開始する前における被験者60の筋力の測定結果を表しており、実線で描かれた六角形がトレーニングを終了した後における被験者60の筋力の測定結果を表している。
このように、二関節アーム装置10の第1リンク11の先端部における円形部分の中心点O4 の位置がディスプレイ70に表示されるので、被験者60は、ゲーム感覚で筋力の測定及びトレーニングを行うことができる。また、被験者60の筋力を測定した結果が表示されるので、筋力の測定結果及びトレーニングの成果を視覚的に確認することができ、筋力測定が正確になり、効果的に筋力をトレーニングすることができる。
このように、本実施の形態においては、人間の上肢を模した構造を有し、上肢の拮抗一関節筋群及び拮抗二関節筋群の各筋、すなわち、三角筋前部64、三角筋後部65、上腕二頭筋長頭66、上腕三頭筋長頭67、上腕筋68及び上腕三頭筋外側頭69に対応するアクチュエータを備える二関節アーム装置10を使用して、被験者60の上肢の拮抗一関節筋群及び拮抗二関節筋群の筋力を測定するとともに、該筋力をトレーニングする。そのため、被験者60に負担をかけることなく、被験者60の筋力を容易に、かつ、高い精度で測定することができるとともに、被験者60の筋力を効果的に向上させ、かつ、筋力のバランスを向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、上肢の拮抗一関節筋群及び拮抗二関節筋群の筋力を測定してトレーニングする場合について説明したが、人間の下肢は、上肢と同様に、一関節筋と二関節筋とを備える筋配列構造を有しているので、二関節アーム装置10を使用して、下肢の拮抗一関節筋群及び拮抗二関節筋群の筋力を測定してトレーニングすることもできる。
また、本実施の形態においては、被験者60と二関節アーム装置10との位置関係について、被験者60と二関節アーム装置10とが正対している場合を例にして説明したが、被験者60と二関節アーム装置10の動作方向が同一で、かつ、被験者60の前方又は後方に二関節アーム装置10が設置されるような位置関係を採ることもできる。
さらに、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の実施の形態における二関節アーム装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態における関節部の側面を示す図である。 本発明の実施の形態における関節部の側面を示す図である。 本発明の実施の形態におけるアクチュエータの構成を示す図である。 本発明の実施の形態における二関節アーム装置の動作を制御する制御装置を示す回路ブロック図である。 本発明の実施の形態におけるアクチュエータの駆動シーケンスと力の方向を示す図である。 本発明の実施の形態における二関節アーム装置の動作を示す図である。 本発明の実施の形態における被験者の筋力を測定する方法を説明する図である。 本発明の実施の形態におけるアクチュエータの出力値の例を示す図である。 本発明の実施の形態における被験者の筋力の測定結果の一例を示す図である。 本発明の実施の形態における筋力の測定及びトレーニングの状態を表示する表示画面の例を示す図である。
符号の説明
10 二関節アーム装置
11 第1リンク
12 第2リンク
13 フレーム
16 第1アクチュエータ
17 第2アクチュエータ
18 第3アクチュエータ
19 第4アクチュエータ
20 第5アクチュエータ
21 第6アクチュエータ
60 被験者
64 三角筋前部
65 三角筋後部
66 上腕二頭筋長頭
67 上腕三頭筋長頭
68 上腕筋
69 上腕三頭筋外側頭
70 ディスプレイ
73 動作軌跡
74 第1の目標軌跡
75 第2の目標軌跡

Claims (5)

  1. (a)人間の上肢又は下肢を模した構造を備える二関節アーム装置を有し、
    (b)該二関節アーム装置の先端部に被験者の上肢又は下肢の先端部を固定し、
    (c)前記二関節アーム装置が力を発生した場合、被験者が前記二関節アーム装置の力に抗して上肢又は下肢の先端部の位置を移動させないようにすることによって、被験者の上肢又は下肢の筋力を測定するとともにトレーニングすることを特徴とする筋力トレーニングシステム。
  2. (a)ベース、該ベースに根本端部が回転可能に取り付けられた第2リンク、及び、該第2リンクの先端部に根本端部が回転可能に取り付けられた第1リンクを備える二関節アーム装置であって、
    (b)前記第1リンク及び第2リンクを各々独立して回転させるための駆動力を発生する第1アクチュエータ及び第2アクチュエータ並びに第3アクチュエータ及び第4アクチュエータと、前記第1リンク及び第2リンクをベースに対して同時に回転させるための駆動力を発生する第5アクチュエータ及び第6アクチュエータとを更に備える二関節アーム装置と、
    (c)所定の駆動シーケンスに従って前記第1〜第6アクチュエータを動作させ、前記第1リンクの先端部において六方向の力を発生させる制御装置とを有することを特徴とする筋力トレーニングシステム。
  3. 前記第1リンクの先端部に被験者の上肢又は下肢の先端部を固定し、前記第1リンクの先端部において発生される六方向の力と前記被験者の力とを拮抗させて、前記被験者の上肢又は下肢の先端部において発生される六方向の力を測定することによって、前記被験者の上肢又は下肢の拮抗一関節筋群及び拮抗二関節筋群の筋力を測定する請求項2に記載の筋力トレーニングシステム。
  4. 前記被験者の筋力を測定した結果に基づいて筋力が低下した前記被験者の上肢又は下肢の筋を特定し、前記第1リンクの先端部において発生される六方向の力を制御することによって、特定された前記被験者の上肢又は下肢の拮抗一関節筋群及び拮抗二関節筋群の筋力をトレーニングする請求項3に記載の筋力トレーニングシステム。
  5. 前記制御装置に接続された表示装置を更に有し、前記第1リンクの先端部の動作軌跡と目標軌跡とを前記表示装置に表示させ、前記動作軌跡が目標軌跡と一致するように前記被験者に力を発生させることによって、前記被験者の上肢又は下肢の拮抗一関節筋群及び拮抗二関節筋群の筋力の測定及びトレーニングを行う請求項4に記載の筋力トレーニングシステム。
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