JP2000209799A - 永久磁石電動機及びその製造方法 - Google Patents
永久磁石電動機及びその製造方法Info
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- JP2000209799A JP2000209799A JP11001871A JP187199A JP2000209799A JP 2000209799 A JP2000209799 A JP 2000209799A JP 11001871 A JP11001871 A JP 11001871A JP 187199 A JP187199 A JP 187199A JP 2000209799 A JP2000209799 A JP 2000209799A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 永久磁石の歩留まりの向上を実現し、製造に
要する時間の短縮を図ること。 【解決手段】 回転子鉄心29は、アルミダイカスト加
工によって形成された棒導体31及び端絡環32を有す
る。回転子鉄心29における棒導体31より内周側の位
置には、回転子鉄心29を軸方向に貫通する複数個の磁
石配置用スロット33が形成され、このスロット33内
に永久磁石34が埋め込まれる。端絡環32には、磁石
配置用スロット33に連通する磁石挿入用開口部32a
が形成される。磁石配置用スロット33は、両端部分に
他の部分より大形状のガイド部材収納部33aを備えて
おり、この収納部33aに、非磁性ステンレス製の矩形
枠状ガイド部材36が磁石配置用スロット33を包囲し
た形態で配置される。
要する時間の短縮を図ること。 【解決手段】 回転子鉄心29は、アルミダイカスト加
工によって形成された棒導体31及び端絡環32を有す
る。回転子鉄心29における棒導体31より内周側の位
置には、回転子鉄心29を軸方向に貫通する複数個の磁
石配置用スロット33が形成され、このスロット33内
に永久磁石34が埋め込まれる。端絡環32には、磁石
配置用スロット33に連通する磁石挿入用開口部32a
が形成される。磁石配置用スロット33は、両端部分に
他の部分より大形状のガイド部材収納部33aを備えて
おり、この収納部33aに、非磁性ステンレス製の矩形
枠状ガイド部材36が磁石配置用スロット33を包囲し
た形態で配置される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転子鉄心に形成
したスロット内に始動用棒導体を配置して成る自己始動
形の永久磁石電動機及びその永久磁石電動機の製造方法
に関する。
したスロット内に始動用棒導体を配置して成る自己始動
形の永久磁石電動機及びその永久磁石電動機の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】図27には、自己始動型の永久磁石電動
機の構造例がその上半部を断面にした状態で示され、図
28には、その永久磁石電動機の回転子の要部の構造が
示されている。これら図27及び図28において、円筒
状の固定子枠1の内周には、固定子鉄心2にコイル3を
巻装して成る固定子4が固着されている。回転子5は、
固定子枠1の両端開口部に取り付けられた軸受ブラケッ
ト6及び7間に軸受6a及び7aを介して支持された回
転子軸8と、この回転子軸8の外周に嵌合固定された回
転子鉄心9とを備えた構成となっている。
機の構造例がその上半部を断面にした状態で示され、図
28には、その永久磁石電動機の回転子の要部の構造が
示されている。これら図27及び図28において、円筒
状の固定子枠1の内周には、固定子鉄心2にコイル3を
巻装して成る固定子4が固着されている。回転子5は、
固定子枠1の両端開口部に取り付けられた軸受ブラケッ
ト6及び7間に軸受6a及び7aを介して支持された回
転子軸8と、この回転子軸8の外周に嵌合固定された回
転子鉄心9とを備えた構成となっている。
【0003】回転子鉄心9の外周部には、これを軸方向
に貫通する多数個の導体用スロット(図示せず)が同心
円配置状に形成されており、この導体用スロット内にア
ルミニウムを鋳込むための周知のアルミダイカスト加工
を行うことによって、始動時に誘導電流が生起される棒
導体10及び端絡環11が一体に形成されている。ま
た、回転子鉄心9における前記棒導体10より内周側の
位置には、これを軸方向に貫通する複数個の磁石配置用
スロット12が同心円配置状に形成されており、各磁石
配置用スロット12内に電動機の定常運転用の永久磁石
13が埋め込まれている。回転子鉄心9の軸方向の両端
面には、上記永久磁石13の脱落を防止するための押え
板14が設けられるものであり、この押え板14は、回
転子軸8に対し嵌合手段により固定されている。
に貫通する多数個の導体用スロット(図示せず)が同心
円配置状に形成されており、この導体用スロット内にア
ルミニウムを鋳込むための周知のアルミダイカスト加工
を行うことによって、始動時に誘導電流が生起される棒
導体10及び端絡環11が一体に形成されている。ま
た、回転子鉄心9における前記棒導体10より内周側の
位置には、これを軸方向に貫通する複数個の磁石配置用
スロット12が同心円配置状に形成されており、各磁石
配置用スロット12内に電動機の定常運転用の永久磁石
13が埋め込まれている。回転子鉄心9の軸方向の両端
面には、上記永久磁石13の脱落を防止するための押え
板14が設けられるものであり、この押え板14は、回
転子軸8に対し嵌合手段により固定されている。
【0004】ところで、アルミダイカスト加工時におけ
るアルミニウム溶湯温度は700℃以上になるため、そ
の加工前の段階で磁石配置用スロット12内に永久磁石
13を埋め込んでおくと、当該永久磁石13が温度上昇
によって消磁してしまう。このため、永久磁石13の埋
め込み工程は、アルミダイカスト加工により棒導体10
及び端絡環11を形成した後に行うようにしている。こ
の場合、永久磁石13は、でき得る限り回転子鉄心9の
外周側に近い位置に埋設することが電気的特性を向上さ
せるために有益になる。ところが、永久磁石13の埋設
位置を上記のように設定した場合において、アルミダイ
カスト加工の実行時点で回転子鉄心9に磁石配置用スロ
ット12が存在すると、その内部にアルミニウム溶湯が
入り込むことが避けられないため、当該磁石配置用スロ
ット12は、棒導体10及び端絡環11を形成した後に
ワイヤカット放電加工などにより形成することが行われ
ている。
るアルミニウム溶湯温度は700℃以上になるため、そ
の加工前の段階で磁石配置用スロット12内に永久磁石
13を埋め込んでおくと、当該永久磁石13が温度上昇
によって消磁してしまう。このため、永久磁石13の埋
め込み工程は、アルミダイカスト加工により棒導体10
及び端絡環11を形成した後に行うようにしている。こ
の場合、永久磁石13は、でき得る限り回転子鉄心9の
外周側に近い位置に埋設することが電気的特性を向上さ
せるために有益になる。ところが、永久磁石13の埋設
位置を上記のように設定した場合において、アルミダイ
カスト加工の実行時点で回転子鉄心9に磁石配置用スロ
ット12が存在すると、その内部にアルミニウム溶湯が
入り込むことが避けられないため、当該磁石配置用スロ
ット12は、棒導体10及び端絡環11を形成した後に
ワイヤカット放電加工などにより形成することが行われ
ている。
【0005】具体的には、アルミダイカスト加工時にお
いて、端絡環11は、図27及び図28に二点鎖線eで
示す大きさ(磁石配置用スロット12の形成予定位置に
達する大きさ)に形成されるものであり、その端絡環1
1の内周部を切削加工などにより除去した後に、回転子
鉄心9に磁石配置用スロット12を形成することが行わ
れる。尚、端絡環11を上記のような大きさに形成する
のは、コストダウンを目的として、アルミダイカスト加
工用の成形型を一般的なアルミダイカスト回転子用のも
のと兼用するためである。
いて、端絡環11は、図27及び図28に二点鎖線eで
示す大きさ(磁石配置用スロット12の形成予定位置に
達する大きさ)に形成されるものであり、その端絡環1
1の内周部を切削加工などにより除去した後に、回転子
鉄心9に磁石配置用スロット12を形成することが行わ
れる。尚、端絡環11を上記のような大きさに形成する
のは、コストダウンを目的として、アルミダイカスト加
工用の成形型を一般的なアルミダイカスト回転子用のも
のと兼用するためである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような構成で
は、回転子鉄心9の積層電磁鋼板を結束する機能を果た
している端絡環11の内径寸法が大きくなる関係上、そ
の回転子鉄心9の内周側(回転子軸8側)部分の鋼板が
外側に向かって開き気味になることがあり、このような
場合には、回転子5の回転時において上記電磁鋼板に軸
方向に向かう応力が発生することになる。このため、従
来構成の永久磁石電動機では、その電気的特性を向上さ
せようとすると、回転子鉄心9の外形や積層寸法に制限
を受けるという問題点があった。
は、回転子鉄心9の積層電磁鋼板を結束する機能を果た
している端絡環11の内径寸法が大きくなる関係上、そ
の回転子鉄心9の内周側(回転子軸8側)部分の鋼板が
外側に向かって開き気味になることがあり、このような
場合には、回転子5の回転時において上記電磁鋼板に軸
方向に向かう応力が発生することになる。このため、従
来構成の永久磁石電動機では、その電気的特性を向上さ
せようとすると、回転子鉄心9の外形や積層寸法に制限
を受けるという問題点があった。
【0007】また、アルミダイカスト加工後において、
回転子鉄心9を貫通した状態の磁石配置用スロット12
を形成する関係上、その加工に長時間を要するという問
題点もある。しかも、このような加工が行われるときに
は、磁石配置用スロット12内に切り粉が残留する可能
性があり、この場合には永久磁石13を磁石配置用スロ
ット12内に円滑に挿入できなくなるなど、組立作業性
が悪化する可能性も出てくる。
回転子鉄心9を貫通した状態の磁石配置用スロット12
を形成する関係上、その加工に長時間を要するという問
題点もある。しかも、このような加工が行われるときに
は、磁石配置用スロット12内に切り粉が残留する可能
性があり、この場合には永久磁石13を磁石配置用スロ
ット12内に円滑に挿入できなくなるなど、組立作業性
が悪化する可能性も出てくる。
【0008】さらに、永久磁石13を埋設するための工
程では、その永久磁石13を磁石配置用スロット12の
開口部分に誘導する際に、永久磁石13が自身の吸着力
により回転子鉄心9に衝突する事態を防止するために特
殊な治具を必要とし、多くの工数が必要になるという問
題点もある。しかも、このような治具を使用した場合で
も、永久磁石13が回転子鉄心9における磁石配置用ス
ロット12の開口縁部に衝突して欠損する場合があり、
これが永久磁石13の歩留まりの悪化原因になるという
事情もあった。
程では、その永久磁石13を磁石配置用スロット12の
開口部分に誘導する際に、永久磁石13が自身の吸着力
により回転子鉄心9に衝突する事態を防止するために特
殊な治具を必要とし、多くの工数が必要になるという問
題点もある。しかも、このような治具を使用した場合で
も、永久磁石13が回転子鉄心9における磁石配置用ス
ロット12の開口縁部に衝突して欠損する場合があり、
これが永久磁石13の歩留まりの悪化原因になるという
事情もあった。
【0009】上記のような問題点を解決する手段とし
て、従来では、回転子鉄心を構成する電磁鋼板のうち、
その軸方向両端面に位置した1〜2枚程度の電磁鋼板以
外のものに磁石配置用スロットに対応した形状の孔部を
打ち抜き形成した状態、つまり、磁石配置用スロットの
両端を電磁鋼板により閉鎖することにより、その内部に
アルミニウム溶湯が入り込むことを阻止できる状態とし
ておき、アルミダイカスト加工を行った後に、端絡環並
びに回転子鉄心の軸方向両端面に位置した前記1〜2枚
程度の電磁鋼板に、上記両端が閉鎖された状態の磁石配
置用スロットに連通する孔部を切削加工により形成する
ことが考えられている。
て、従来では、回転子鉄心を構成する電磁鋼板のうち、
その軸方向両端面に位置した1〜2枚程度の電磁鋼板以
外のものに磁石配置用スロットに対応した形状の孔部を
打ち抜き形成した状態、つまり、磁石配置用スロットの
両端を電磁鋼板により閉鎖することにより、その内部に
アルミニウム溶湯が入り込むことを阻止できる状態とし
ておき、アルミダイカスト加工を行った後に、端絡環並
びに回転子鉄心の軸方向両端面に位置した前記1〜2枚
程度の電磁鋼板に、上記両端が閉鎖された状態の磁石配
置用スロットに連通する孔部を切削加工により形成する
ことが考えられている。
【0010】このような手段によれば、端絡環の内周部
を切削加工により除去する必要がないから、回転子鉄心
の内周側部分の電磁鋼板が外側に向かって開く事態を防
止できるようになって、回転子鉄心の外形や積層寸法に
対する制限を緩和できるようになる。また、アルミダイ
カスト加工後における切削加工は、端絡環及び回転子鉄
心の軸方向両端面に位置した1〜2枚程度の電磁鋼板に
対して行うだけで良いから、その製造に要する時間を大
幅に短縮できると共に、磁石配置用スロット内に切り粉
が残留する可能性が小さくなって組立作業性の悪化を防
止できる。
を切削加工により除去する必要がないから、回転子鉄心
の内周側部分の電磁鋼板が外側に向かって開く事態を防
止できるようになって、回転子鉄心の外形や積層寸法に
対する制限を緩和できるようになる。また、アルミダイ
カスト加工後における切削加工は、端絡環及び回転子鉄
心の軸方向両端面に位置した1〜2枚程度の電磁鋼板に
対して行うだけで良いから、その製造に要する時間を大
幅に短縮できると共に、磁石配置用スロット内に切り粉
が残留する可能性が小さくなって組立作業性の悪化を防
止できる。
【0011】但し、上記手段では、アルミダイカスト加
工後において、両端が閉鎖された状態の磁石配置用スロ
ットの位置を外部から正確に確認できないため、端絡環
並びに回転子鉄心の軸方向両端面に位置した1〜2枚程
度の電磁鋼板に対し後加工により形成する孔部(磁石配
置用スロットに連通する孔部)を、磁石配置用スロット
の開口形状より大きめに形成せざるを得ない。このた
め、回転子鉄心の軸方向端面における上記磁石配置用ス
ロットの開口縁部の周りが露出した状態となる。このよ
うな状態では、永久磁石を埋設するための工程におい
て、その永久磁石を磁石配置用スロットの開口部分に誘
導する際に、永久磁石が自身の吸着力により回転子鉄心
の軸方向端面における磁石配置用スロットの開口縁部の
周りに衝突する場合があり、結果的に永久磁石の歩留ま
りの悪化を阻止できないという事情があった。
工後において、両端が閉鎖された状態の磁石配置用スロ
ットの位置を外部から正確に確認できないため、端絡環
並びに回転子鉄心の軸方向両端面に位置した1〜2枚程
度の電磁鋼板に対し後加工により形成する孔部(磁石配
置用スロットに連通する孔部)を、磁石配置用スロット
の開口形状より大きめに形成せざるを得ない。このた
め、回転子鉄心の軸方向端面における上記磁石配置用ス
ロットの開口縁部の周りが露出した状態となる。このよ
うな状態では、永久磁石を埋設するための工程におい
て、その永久磁石を磁石配置用スロットの開口部分に誘
導する際に、永久磁石が自身の吸着力により回転子鉄心
の軸方向端面における磁石配置用スロットの開口縁部の
周りに衝突する場合があり、結果的に永久磁石の歩留ま
りの悪化を阻止できないという事情があった。
【0012】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、永久磁石の歩留まりの向上を実現可
能になるなどの効果を奏する永久磁石電動機を提供する
ことにあり、また、製造に要する時間を大幅に短縮でき
ると共に、組立作業性の悪化を防止できるようになる永
久磁石電動機の製造方法を提供することにある。
あり、その目的は、永久磁石の歩留まりの向上を実現可
能になるなどの効果を奏する永久磁石電動機を提供する
ことにあり、また、製造に要する時間を大幅に短縮でき
ると共に、組立作業性の悪化を防止できるようになる永
久磁石電動機の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
積層型の回転子鉄心に形成された磁石配置用スロット内
に定常運転用の永久磁石を埋め込むと共に、当該回転子
鉄心に始動用の棒導体及び端絡環をダイカスト加工によ
り設けて成る永久磁石電動機において、前記端絡環にお
ける前記磁石配置用スロットとの対応位置に形成された
磁石挿入用開口部と、前記磁石配置用スロットの開口縁
部に内周面が当該磁石配置用スロットの内周面と面一な
状態となるように配置され、前記磁石挿入用開口部を通
じて挿入される前記永久磁石を上記磁石配置用スロット
内へガイドする機能を果たす非磁性体製のガイド部材と
を設ける構成としたものである。
積層型の回転子鉄心に形成された磁石配置用スロット内
に定常運転用の永久磁石を埋め込むと共に、当該回転子
鉄心に始動用の棒導体及び端絡環をダイカスト加工によ
り設けて成る永久磁石電動機において、前記端絡環にお
ける前記磁石配置用スロットとの対応位置に形成された
磁石挿入用開口部と、前記磁石配置用スロットの開口縁
部に内周面が当該磁石配置用スロットの内周面と面一な
状態となるように配置され、前記磁石挿入用開口部を通
じて挿入される前記永久磁石を上記磁石配置用スロット
内へガイドする機能を果たす非磁性体製のガイド部材と
を設ける構成としたものである。
【0014】このような構成によれば、永久磁石を磁石
配置用スロット内へ挿入する際には、非磁性体製のガイ
ド部材が永久磁石を当該スロット内へガイド(誘導)す
る機能を果たすようになる。この場合には、永久磁石が
非磁性体製のガイド部材に吸着することがないため、従
来のように永久磁石が自身の吸着力により回転子鉄心に
強く衝突して破損する事態を未然に防止できるようにな
り、結果的に永久磁石の歩留まりが向上することにな
る。
配置用スロット内へ挿入する際には、非磁性体製のガイ
ド部材が永久磁石を当該スロット内へガイド(誘導)す
る機能を果たすようになる。この場合には、永久磁石が
非磁性体製のガイド部材に吸着することがないため、従
来のように永久磁石が自身の吸着力により回転子鉄心に
強く衝突して破損する事態を未然に防止できるようにな
り、結果的に永久磁石の歩留まりが向上することにな
る。
【0015】請求項2記載の永久磁石電動機は、端絡環
に、ガイド部材に対応した領域のみに部分的に位置され
た磁石挿入用開口部を形成する構成としたものである。
この構成によれば、端絡環の内周部を従来のように切削
加工により除去する必要がなくなるため、当該端絡環に
よる積層鋼板の結束力を十分に得ることができるように
なる。この結果、回転子鉄心の外形や積層寸法に対する
制限を緩和できるようになるから、設計上の自由度が広
がると共に、信頼性の向上も図り得るようになる。
に、ガイド部材に対応した領域のみに部分的に位置され
た磁石挿入用開口部を形成する構成としたものである。
この構成によれば、端絡環の内周部を従来のように切削
加工により除去する必要がなくなるため、当該端絡環に
よる積層鋼板の結束力を十分に得ることができるように
なる。この結果、回転子鉄心の外形や積層寸法に対する
制限を緩和できるようになるから、設計上の自由度が広
がると共に、信頼性の向上も図り得るようになる。
【0016】請求項3記載の永久磁石電動機は、前記磁
石配置用スロットの開口縁部に他の部分より大形状のガ
イド部材収納部を形成し、前記ガイド部材を、上記ガイ
ド部材収納部に端絡環とは別の部材として配置した枠状
に形成したものである。このようにガイド部材を端絡環
とは別の部材として設ける構成によれば、そのガイド部
材の材質選択の自由度が高くなる利点がある。
石配置用スロットの開口縁部に他の部分より大形状のガ
イド部材収納部を形成し、前記ガイド部材を、上記ガイ
ド部材収納部に端絡環とは別の部材として配置した枠状
に形成したものである。このようにガイド部材を端絡環
とは別の部材として設ける構成によれば、そのガイド部
材の材質選択の自由度が高くなる利点がある。
【0017】請求項4記載の永久磁石電動機は、前記枠
状のガイド部材の外周面に、前記ガイド部材収納部の側
壁面に当接して当該側壁面との間に隙間部を形成するた
めの突部を一体に形成する構成としたものである。この
構成によれば、ダイカスト加工によって棒導体及び端絡
環を形成する際に、加圧された導体材料溶湯が上記隙間
部内に入り込んだ状態となるため、ガイド部材とガイド
部材収納部(つまり回転子鉄心)との間を強固に固定で
きるようになる。
状のガイド部材の外周面に、前記ガイド部材収納部の側
壁面に当接して当該側壁面との間に隙間部を形成するた
めの突部を一体に形成する構成としたものである。この
構成によれば、ダイカスト加工によって棒導体及び端絡
環を形成する際に、加圧された導体材料溶湯が上記隙間
部内に入り込んだ状態となるため、ガイド部材とガイド
部材収納部(つまり回転子鉄心)との間を強固に固定で
きるようになる。
【0018】請求項5記載の永久磁石電動機は、前記枠
状のガイド部材の内周面に、永久磁石の挿入方向に延び
る溝部を形成する構成としたものである。このような溝
部を設けた構成によれば、磁石配置用スロット内にガイ
ド部材を介して永久磁石を挿入する際には、その永久磁
石とガイド部材の内周面との間の接触面積を小さくでき
るようになって、永久磁石の挿入作業を容易に行い得る
ようになる。
状のガイド部材の内周面に、永久磁石の挿入方向に延び
る溝部を形成する構成としたものである。このような溝
部を設けた構成によれば、磁石配置用スロット内にガイ
ド部材を介して永久磁石を挿入する際には、その永久磁
石とガイド部材の内周面との間の接触面積を小さくでき
るようになって、永久磁石の挿入作業を容易に行い得る
ようになる。
【0019】請求項6記載の永久磁石電動機は、前記枠
状のガイド部材を、回転子鉄心の軸方向端面から突出し
て先端面が端絡環の端面から露出した形態となるように
設ける構成としたものである。この構成によれば、棒導
体及び端絡環を形成するための導体材料のダイカスト加
工後において、ガイド部材の先端面が端絡環の端面に露
出した状態となるから、導体用スロットの位置を外部か
ら容易に確認できるようになって、上記ガイド部材内に
入り込んだ導体材料を除去する工程を容易且つ確実に行
い得るようになる。
状のガイド部材を、回転子鉄心の軸方向端面から突出し
て先端面が端絡環の端面から露出した形態となるように
設ける構成としたものである。この構成によれば、棒導
体及び端絡環を形成するための導体材料のダイカスト加
工後において、ガイド部材の先端面が端絡環の端面に露
出した状態となるから、導体用スロットの位置を外部か
ら容易に確認できるようになって、上記ガイド部材内に
入り込んだ導体材料を除去する工程を容易且つ確実に行
い得るようになる。
【0020】請求項7記載の永久磁石型回転電機の製造
方法は、回転子鉄心を構成する積層鋼板のうち、その軸
方向両端に位置した複数枚並びにこれの内側に位置した
複数枚以外の積層鋼板に、磁石配置用スロットに対応し
た形状の第1の孔部を予め打ち抜き形成しておくと共
に、上記軸方向両端に位置した複数枚の積層鋼板に、ガ
イド部材収納部に対応した形状の第2の孔部を予め予め
打ち抜き形成しておくことにより、前記磁石配置用スロ
ットを前記各孔部が形成されていない積層鋼板により閉
鎖した状態としておき、前記第2の孔部により画定され
る前記ガイド部材収納部内にガイド部材を収納した状態
で導体材料のダイカスト加工を行うことにより棒導体及
び端絡環を形成する工程と、前記端絡環における前記ガ
イド部材と対応した位置に、当該ガイド部材の外形に対
応した形状若しくはこれより大きい形状の磁石挿入用開
口部を形成する工程と、前記ダイカスト加工の実行に応
じて前記ガイド部材内に入り込んだ導体材料を除去する
工程と、磁石配置用スロットを閉鎖した状態の積層鋼板
に、当該磁石配置用スロットの内周形状に合わせた状態
の孔部を形成する工程と、前記磁石配置用スロット内に
前記磁石挿入用開口部及びガイド部材を通じて永久磁石
を挿入する工程とを行う構成としたものである。
方法は、回転子鉄心を構成する積層鋼板のうち、その軸
方向両端に位置した複数枚並びにこれの内側に位置した
複数枚以外の積層鋼板に、磁石配置用スロットに対応し
た形状の第1の孔部を予め打ち抜き形成しておくと共
に、上記軸方向両端に位置した複数枚の積層鋼板に、ガ
イド部材収納部に対応した形状の第2の孔部を予め予め
打ち抜き形成しておくことにより、前記磁石配置用スロ
ットを前記各孔部が形成されていない積層鋼板により閉
鎖した状態としておき、前記第2の孔部により画定され
る前記ガイド部材収納部内にガイド部材を収納した状態
で導体材料のダイカスト加工を行うことにより棒導体及
び端絡環を形成する工程と、前記端絡環における前記ガ
イド部材と対応した位置に、当該ガイド部材の外形に対
応した形状若しくはこれより大きい形状の磁石挿入用開
口部を形成する工程と、前記ダイカスト加工の実行に応
じて前記ガイド部材内に入り込んだ導体材料を除去する
工程と、磁石配置用スロットを閉鎖した状態の積層鋼板
に、当該磁石配置用スロットの内周形状に合わせた状態
の孔部を形成する工程と、前記磁石配置用スロット内に
前記磁石挿入用開口部及びガイド部材を通じて永久磁石
を挿入する工程とを行う構成としたものである。
【0021】この製造方法によれば、棒導体及び端絡環
を形成するためのダイカスト加工後においては、端絡環
に磁石挿入用開口部を形成する工程、ガイド部材内に入
り込んだ導体材料を除去する工程、複数枚の積層鋼板に
対する孔空け工程を行うだけで良いから、その製造に要
する時間を大幅に短縮できるようになる。しかも、この
場合には、磁石配置用スロット内に切り粉が残留する可
能性が小さくなるから、組立作業性の悪化を防止できる
ようになる。
を形成するためのダイカスト加工後においては、端絡環
に磁石挿入用開口部を形成する工程、ガイド部材内に入
り込んだ導体材料を除去する工程、複数枚の積層鋼板に
対する孔空け工程を行うだけで良いから、その製造に要
する時間を大幅に短縮できるようになる。しかも、この
場合には、磁石配置用スロット内に切り粉が残留する可
能性が小さくなるから、組立作業性の悪化を防止できる
ようになる。
【0022】請求項8記載の永久磁石電動機は、磁石配
置用スロットの開口縁部に他の部分より大形状のガイド
部材収納部を形成し、ガイド部材を、上記ガイド部材収
納部に端絡環を形成するときの導体材料を残置すること
により形成する構成としたものである。この構成によれ
ば、別部品のガイド部材が不要になるから、部品点数の
削減を図り得るようになる。
置用スロットの開口縁部に他の部分より大形状のガイド
部材収納部を形成し、ガイド部材を、上記ガイド部材収
納部に端絡環を形成するときの導体材料を残置すること
により形成する構成としたものである。この構成によれ
ば、別部品のガイド部材が不要になるから、部品点数の
削減を図り得るようになる。
【0023】請求項9記載の永久磁石電動機の製造方法
は、回転子鉄心を構成する積層鋼板のうち、その軸方向
両端に位置した複数枚並びにこれの内側に位置した複数
枚以外の積層鋼板に、磁石配置用スロットに対応した形
状の第1の孔部を予め打ち抜き形成しておくと共に、上
記軸方向両端に位置した複数枚の積層鋼板に、ガイド部
材収納部に対応した形状の第2の孔部を予め予め打ち抜
き形成しておくことにより、前記磁石配置用スロットを
前記各孔部が形成されていない積層鋼板により閉鎖した
状態としておき、導体材料のダイカスト加工を行うこと
により棒導体及び端絡環を形成すると共に、前記第2の
孔部内を上記導体材料を充填した状態とする工程と、前
記端絡環における前記第2の孔部と対応した位置に、当
該第2の孔部の外形に対応した形状若しくはこれより大
きい形状の磁石挿入用開口部を形成する工程と、前記ダ
イカスト加工の実行に応じて前記第2の孔部内に充填さ
れた導体材料をガイド部材に相当した部分を残して除去
することにより当該ガイド部材を形成する工程と、磁石
配置用スロットを閉鎖した状態の積層鋼板に、前記当該
磁石配置用スロットの内周形状に合わせた状態の孔部を
形成する工程と、前記磁石配置用スロット内に前記磁石
挿入用開口部及びガイド部材を通じて永久磁石を挿入す
る工程とを行う構成としたものである。
は、回転子鉄心を構成する積層鋼板のうち、その軸方向
両端に位置した複数枚並びにこれの内側に位置した複数
枚以外の積層鋼板に、磁石配置用スロットに対応した形
状の第1の孔部を予め打ち抜き形成しておくと共に、上
記軸方向両端に位置した複数枚の積層鋼板に、ガイド部
材収納部に対応した形状の第2の孔部を予め予め打ち抜
き形成しておくことにより、前記磁石配置用スロットを
前記各孔部が形成されていない積層鋼板により閉鎖した
状態としておき、導体材料のダイカスト加工を行うこと
により棒導体及び端絡環を形成すると共に、前記第2の
孔部内を上記導体材料を充填した状態とする工程と、前
記端絡環における前記第2の孔部と対応した位置に、当
該第2の孔部の外形に対応した形状若しくはこれより大
きい形状の磁石挿入用開口部を形成する工程と、前記ダ
イカスト加工の実行に応じて前記第2の孔部内に充填さ
れた導体材料をガイド部材に相当した部分を残して除去
することにより当該ガイド部材を形成する工程と、磁石
配置用スロットを閉鎖した状態の積層鋼板に、前記当該
磁石配置用スロットの内周形状に合わせた状態の孔部を
形成する工程と、前記磁石配置用スロット内に前記磁石
挿入用開口部及びガイド部材を通じて永久磁石を挿入す
る工程とを行う構成としたものである。
【0024】この製造方法によれば、棒導体及び端絡環
を形成するためのダイカスト加工後においては、端絡環
に磁石挿入用開口部を形成する工程、前記ダイカスト加
工の実行に応じて前記第2の孔部内に充填された導体材
料を除去する工程、複数枚の積層鋼板に対する孔空け工
程を行うだけで良いから、その製造に要する時間を大幅
に短縮できるようになる。
を形成するためのダイカスト加工後においては、端絡環
に磁石挿入用開口部を形成する工程、前記ダイカスト加
工の実行に応じて前記第2の孔部内に充填された導体材
料を除去する工程、複数枚の積層鋼板に対する孔空け工
程を行うだけで良いから、その製造に要する時間を大幅
に短縮できるようになる。
【0025】請求項10記載の永久磁石電動機は、磁石
配置用スロットの開口縁部に他の部分より大形状のガイ
ド部材収納部を形成し、ガイド部材を、上記ガイド部材
収納部に端絡環とは別の部材として配置されると共に一
端側が端絡環の端面から所定量だけ突出した状態の長さ
寸法に設定された枠状としたものである。この構成によ
れば、ガイド部材の先端部が端絡環の端面から突出した
状態となるから、棒導体及び端絡環を形成するためのダ
イカスト加工時において、導体材料溶湯がガイド部材内
に入り込む事態が効果的に防止できることになり、結果
的に製造工程の簡略化を図り得るようになる。
配置用スロットの開口縁部に他の部分より大形状のガイ
ド部材収納部を形成し、ガイド部材を、上記ガイド部材
収納部に端絡環とは別の部材として配置されると共に一
端側が端絡環の端面から所定量だけ突出した状態の長さ
寸法に設定された枠状としたものである。この構成によ
れば、ガイド部材の先端部が端絡環の端面から突出した
状態となるから、棒導体及び端絡環を形成するためのダ
イカスト加工時において、導体材料溶湯がガイド部材内
に入り込む事態が効果的に防止できることになり、結果
的に製造工程の簡略化を図り得るようになる。
【0026】請求項11記載の永久磁石電動機の製造方
法は、回転子鉄心を構成する積層鋼板のうち、その軸方
向両端に位置した複数枚以外の積層鋼板に、磁石配置用
スロットに対応した形状の第1の孔部を予め打ち抜き形
成しておくと共に、上記軸方向両端に位置した複数枚の
積層鋼板に、ガイド部材収納部に対応した形状の第2の
孔部を予め予め打ち抜き形成しておき、前記第2の孔部
により画定される前記ガイド部材収納部内にガイド部材
を収納した状態で導体材料のダイカスト加工を行うこと
により棒導体及び端絡環を形成すると共に、そのガイド
部材の一端側を端絡環の端面から所定量だけ突出させた
状態とする工程と、前記磁石配置用スロット内に前記ガ
イド部材を通じて永久磁石を挿入する工程とを行う構成
としたものである。
法は、回転子鉄心を構成する積層鋼板のうち、その軸方
向両端に位置した複数枚以外の積層鋼板に、磁石配置用
スロットに対応した形状の第1の孔部を予め打ち抜き形
成しておくと共に、上記軸方向両端に位置した複数枚の
積層鋼板に、ガイド部材収納部に対応した形状の第2の
孔部を予め予め打ち抜き形成しておき、前記第2の孔部
により画定される前記ガイド部材収納部内にガイド部材
を収納した状態で導体材料のダイカスト加工を行うこと
により棒導体及び端絡環を形成すると共に、そのガイド
部材の一端側を端絡環の端面から所定量だけ突出させた
状態とする工程と、前記磁石配置用スロット内に前記ガ
イド部材を通じて永久磁石を挿入する工程とを行う構成
としたものである。
【0027】この製造方法によれば、棒導体及び端絡環
を形成するためのダイカスト加工時に導体材料溶湯がガ
イド部材内に入り込む事態が効果的に防止されることに
なるから、そのダイカスト加工後において、端絡環に磁
石挿入用開口部を形成したり、導体材料を除去したりす
る工程が不要になり、結果的に製造に要する時間を大幅
に短縮できるようになる。
を形成するためのダイカスト加工時に導体材料溶湯がガ
イド部材内に入り込む事態が効果的に防止されることに
なるから、そのダイカスト加工後において、端絡環に磁
石挿入用開口部を形成したり、導体材料を除去したりす
る工程が不要になり、結果的に製造に要する時間を大幅
に短縮できるようになる。
【0028】請求項12記載の永久磁石電動機は、端絡
環に形成する磁石挿入用開口部の内周面を磁石配置用ス
ロットの内周面と面一な状態とすることによって当該端
絡環をガイド部材として機能させる構成としたものであ
る。この構成によれば、別部品のガイド部材が不要にな
るから、部品点数の削減を図り得るようになる。
環に形成する磁石挿入用開口部の内周面を磁石配置用ス
ロットの内周面と面一な状態とすることによって当該端
絡環をガイド部材として機能させる構成としたものであ
る。この構成によれば、別部品のガイド部材が不要にな
るから、部品点数の削減を図り得るようになる。
【0029】請求項13記載の永久磁石電動機の製造方
法は、回転子鉄心を構成する積層鋼板の全部に磁石配置
用スロットに対応した形状の孔部を予め打ち抜き形成し
ておき、前記孔部により画定される前記磁石配置用スロ
ットの開口部分を、当該開口部分及び磁石挿入用開口部
に対応した形状の耐熱可溶性材料製のスペーサにより閉
鎖する工程と、導体材料のダイカスト加工を行うことに
より棒導体及び端絡環を形成すると共に、前記スペーサ
を上記端絡環の端面から外部に露出させた状態とする工
程と、前記スペーサを溶解させることにより前記端絡環
に前記磁石配置用スロットと連通した状態の前記磁石挿
入用開口部を形成する工程と、前記磁石配置用スロット
内に前記磁石挿入用開口部を通じて永久磁石を挿入する
工程とを行う構成としたものである。
法は、回転子鉄心を構成する積層鋼板の全部に磁石配置
用スロットに対応した形状の孔部を予め打ち抜き形成し
ておき、前記孔部により画定される前記磁石配置用スロ
ットの開口部分を、当該開口部分及び磁石挿入用開口部
に対応した形状の耐熱可溶性材料製のスペーサにより閉
鎖する工程と、導体材料のダイカスト加工を行うことに
より棒導体及び端絡環を形成すると共に、前記スペーサ
を上記端絡環の端面から外部に露出させた状態とする工
程と、前記スペーサを溶解させることにより前記端絡環
に前記磁石配置用スロットと連通した状態の前記磁石挿
入用開口部を形成する工程と、前記磁石配置用スロット
内に前記磁石挿入用開口部を通じて永久磁石を挿入する
工程とを行う構成としたものである。
【0030】この製造方法によれば、回転子鉄心を構成
する積層鋼板の打ち抜き形成した孔部によって磁石配置
用スロットを予め形成しておいても支障がないから、そ
の磁石配置用スロットについての後加工(端絡環や回転
子鉄心に対する切削加工など)が一切に不要になって、
製造工程を大幅に簡略化できるようになる。
する積層鋼板の打ち抜き形成した孔部によって磁石配置
用スロットを予め形成しておいても支障がないから、そ
の磁石配置用スロットについての後加工(端絡環や回転
子鉄心に対する切削加工など)が一切に不要になって、
製造工程を大幅に簡略化できるようになる。
【0031】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明の第1実施例について図1〜図6を参照しながら説明
する。図1には、自己始動型の永久磁石電動機の回転子
鉄心の上半部の断面構造が示され、図2には、当該永久
磁石電動機の構造例がその上半部を断面にした状態で示
されている。
明の第1実施例について図1〜図6を参照しながら説明
する。図1には、自己始動型の永久磁石電動機の回転子
鉄心の上半部の断面構造が示され、図2には、当該永久
磁石電動機の構造例がその上半部を断面にした状態で示
されている。
【0032】まず、図2において、円筒状の固定子枠2
1の内周には、固定子鉄心22にコイル23を巻装して
成る固定子24が固着されている。回転子25は、固定
子枠21の両端開口部に取り付けられた軸受ブラケット
26及び27間に軸受26a及び27aを介して支持さ
れた回転子軸28と、この回転子軸28の外周に嵌合固
定された回転子鉄心29とを備えた構成となっている。
尚、固定子鉄心22及び回転子鉄心29は、何れも例え
ばけい素鋼板を積層した鉄心である。
1の内周には、固定子鉄心22にコイル23を巻装して
成る固定子24が固着されている。回転子25は、固定
子枠21の両端開口部に取り付けられた軸受ブラケット
26及び27間に軸受26a及び27aを介して支持さ
れた回転子軸28と、この回転子軸28の外周に嵌合固
定された回転子鉄心29とを備えた構成となっている。
尚、固定子鉄心22及び回転子鉄心29は、何れも例え
ばけい素鋼板を積層した鉄心である。
【0033】図1にも示すように、回転子鉄心29の外
周部には、これを軸方向に貫通する多数個の導体用スロ
ット30(後述する図4ないし図6参照)が同心円配置
状に形成されており、この導体用スロット30内にアル
ミニウム(本発明でいう導体材料に相当)を鋳込むため
の周知のアルミダイカスト加工を行うことによって、始
動時に誘導電流が生起される棒導体31及び端絡環32
が一体に形成されている。回転子鉄心29における上記
棒導体31より内周側の位置には、当該回転子鉄心29
を軸方向に貫通する複数個の磁石配置用スロット33が
同心円配置状に形成されており、各磁石配置用スロット
33内に電動機の定常運転用の永久磁石34が埋め込ま
れている。
周部には、これを軸方向に貫通する多数個の導体用スロ
ット30(後述する図4ないし図6参照)が同心円配置
状に形成されており、この導体用スロット30内にアル
ミニウム(本発明でいう導体材料に相当)を鋳込むため
の周知のアルミダイカスト加工を行うことによって、始
動時に誘導電流が生起される棒導体31及び端絡環32
が一体に形成されている。回転子鉄心29における上記
棒導体31より内周側の位置には、当該回転子鉄心29
を軸方向に貫通する複数個の磁石配置用スロット33が
同心円配置状に形成されており、各磁石配置用スロット
33内に電動機の定常運転用の永久磁石34が埋め込ま
れている。
【0034】この場合、端絡環32には、上記磁石配置
用スロット33の両端に連通する磁石挿入用開口部32
aが形成されており、この開口部32aを介して磁石配
置用スロット33内に永久磁石34を挿入する構成とな
っている。この場合、後述する図4ないし図6に示すよ
うに、磁石配置用スロット33は、その横断面形状が矩
形状に形成されており、これに応じて永久磁石34も断
面矩形状に形成されるものである。
用スロット33の両端に連通する磁石挿入用開口部32
aが形成されており、この開口部32aを介して磁石配
置用スロット33内に永久磁石34を挿入する構成とな
っている。この場合、後述する図4ないし図6に示すよ
うに、磁石配置用スロット33は、その横断面形状が矩
形状に形成されており、これに応じて永久磁石34も断
面矩形状に形成されるものである。
【0035】さらに、回転子鉄心29の軸方向の両端面
には、上記永久磁石34の脱落を防止するための環状の
押え板35(図2参照)が設けられるものであり、この
押え板35には、各磁石配置用スロット33の両端に連
通した前記磁石挿入用開口部32a内に入り込んで永久
磁石34の両端部にそれぞれ圧接する押え棒35aが一
体的に設けられている。尚、この押え板35は、回転子
軸28に対し例えば嵌合手段によって固定されるもので
ある。
には、上記永久磁石34の脱落を防止するための環状の
押え板35(図2参照)が設けられるものであり、この
押え板35には、各磁石配置用スロット33の両端に連
通した前記磁石挿入用開口部32a内に入り込んで永久
磁石34の両端部にそれぞれ圧接する押え棒35aが一
体的に設けられている。尚、この押え板35は、回転子
軸28に対し例えば嵌合手段によって固定されるもので
ある。
【0036】図1に示すように、上記磁石配置用スロッ
ト33の両端部分には他の部分より大形状のガイド部材
収納部33aが形成されており、当該収納部33aに
は、磁石配置用スロット33を包囲した形態(磁石配置
用スロット33の内周面を形成する形態)にて、非磁性
ステンレス製の矩形枠状ガイド部材36が配置されてい
る。尚、端絡環32における上記ガイド部材36と対応
した位置に形成される前記磁石挿入用開口部32aは、
その形状が、ガイド部材36の外形に対応した形状若し
くはこれより大きい形状となるように構成されている。
ト33の両端部分には他の部分より大形状のガイド部材
収納部33aが形成されており、当該収納部33aに
は、磁石配置用スロット33を包囲した形態(磁石配置
用スロット33の内周面を形成する形態)にて、非磁性
ステンレス製の矩形枠状ガイド部材36が配置されてい
る。尚、端絡環32における上記ガイド部材36と対応
した位置に形成される前記磁石挿入用開口部32aは、
その形状が、ガイド部材36の外形に対応した形状若し
くはこれより大きい形状となるように構成されている。
【0037】さて、以下においては、上記のような構造
を有した回転子鉄心29の製造方法について図3ないし
図6を参照しながら説明する。尚、図3は回転子25の
製造途中の状態での上半部の断面構造を示し、図4ない
し図6は図3中のA−A線、B−B線、C−C線に沿っ
た断面をそれぞれ示すものである。
を有した回転子鉄心29の製造方法について図3ないし
図6を参照しながら説明する。尚、図3は回転子25の
製造途中の状態での上半部の断面構造を示し、図4ない
し図6は図3中のA−A線、B−B線、C−C線に沿っ
た断面をそれぞれ示すものである。
【0038】即ち、回転子鉄心29を構成する複数枚の
積層鋼板には、前記導体用スロット30のための孔部
(符号なし)が打ち抜き形成されるものであり、これら
積層鋼板のうち、その軸方向両端に位置した数枚程度ず
つの積層鋼板29a並びにこれの内側に位置した1〜2
枚程度ずつの積層鋼板29b以外の積層鋼板29cに、
前記磁石配置用スロット33に対応した矩形状の第1の
孔部33b(図4参照)を打ち抜き形成した状態として
おく。また、上記回転子鉄心29の軸方向両端面に位置
した数枚程度の積層鋼板29aには、前記第1の孔部3
3bと同心状の位置に、当該孔部33bより全周にわた
って大きい状態の矩形状の第2の孔部33c(図6参
照)を形成しておく。この場合、上記積層鋼板29aに
形成された第2の孔部33cによってガイド部材収納部
33a(図1、図2参照)が画定されるものであり、こ
のガイド部材収納部33a内に、その周面に沿った形状
の前記ガイド部材36を収納しておく。
積層鋼板には、前記導体用スロット30のための孔部
(符号なし)が打ち抜き形成されるものであり、これら
積層鋼板のうち、その軸方向両端に位置した数枚程度ず
つの積層鋼板29a並びにこれの内側に位置した1〜2
枚程度ずつの積層鋼板29b以外の積層鋼板29cに、
前記磁石配置用スロット33に対応した矩形状の第1の
孔部33b(図4参照)を打ち抜き形成した状態として
おく。また、上記回転子鉄心29の軸方向両端面に位置
した数枚程度の積層鋼板29aには、前記第1の孔部3
3bと同心状の位置に、当該孔部33bより全周にわた
って大きい状態の矩形状の第2の孔部33c(図6参
照)を形成しておく。この場合、上記積層鋼板29aに
形成された第2の孔部33cによってガイド部材収納部
33a(図1、図2参照)が画定されるものであり、こ
のガイド部材収納部33a内に、その周面に沿った形状
の前記ガイド部材36を収納しておく。
【0039】さらに、この場合において、上記ガイド部
材36の内のり寸法は、前記積層鋼板29cに形成され
た第1の孔部33bの径方向寸法(磁石配置用スロット
33の径方向寸法に相当)と一致した状態とされる。
尚、ガイド部材36の軸方向寸法は第2のガイド部材収
納部33aの深さ寸法と同じ状態に設定されており、以
て当該ガイド部材36の端面が回転子鉄心29の軸方向
端面と面一な形態となるように構成される。
材36の内のり寸法は、前記積層鋼板29cに形成され
た第1の孔部33bの径方向寸法(磁石配置用スロット
33の径方向寸法に相当)と一致した状態とされる。
尚、ガイド部材36の軸方向寸法は第2のガイド部材収
納部33aの深さ寸法と同じ状態に設定されており、以
て当該ガイド部材36の端面が回転子鉄心29の軸方向
端面と面一な形態となるように構成される。
【0040】要するに、磁石配置用スロット33は、そ
の両端部近傍部分において前記第1の孔部33b及び第
2の孔部33cが形成されていない状態の前記積層鋼板
29bにより閉鎖された状態とされる。
の両端部近傍部分において前記第1の孔部33b及び第
2の孔部33cが形成されていない状態の前記積層鋼板
29bにより閉鎖された状態とされる。
【0041】上記のような構造とされた回転子鉄心29
に対して、アルミダイカスト加工を施すことにより前記
棒導体31及び端絡環32を形成するものであり、この
ときには、前記ガイド部材36内にアルミニウム溶湯が
入り込むが、前記第1の孔部33b内にはアルミニウム
溶湯が入り込むことはない。
に対して、アルミダイカスト加工を施すことにより前記
棒導体31及び端絡環32を形成するものであり、この
ときには、前記ガイド部材36内にアルミニウム溶湯が
入り込むが、前記第1の孔部33b内にはアルミニウム
溶湯が入り込むことはない。
【0042】上記アルミダイカスト加工の実行後には、
端絡環32における前記ガイド部材36と対応した位置
に、当該ガイド部材36の外形に対応した形状若しくは
これより大きい形状の前記磁石挿入用開口部32aを切
削加工により形成すると共に、前記ガイド部材36内に
入り込んだアルミニウムを除去し、さらに、磁石配置用
スロット33の閉鎖部材として機能するように設けられ
た前記積層鋼板29bに、当該磁石配置用スロット33
の内周形状に合わせた状態の孔部(符号なし)を形成す
る切削加工を行い、以て磁石配置用スロット33を完成
させる。そして、このような磁石配置用スロット33内
に永久磁石34を挿入して埋設状態にした後に、前記押
さえ板35を取り付けて回転子鉄心28を完成させる。
端絡環32における前記ガイド部材36と対応した位置
に、当該ガイド部材36の外形に対応した形状若しくは
これより大きい形状の前記磁石挿入用開口部32aを切
削加工により形成すると共に、前記ガイド部材36内に
入り込んだアルミニウムを除去し、さらに、磁石配置用
スロット33の閉鎖部材として機能するように設けられ
た前記積層鋼板29bに、当該磁石配置用スロット33
の内周形状に合わせた状態の孔部(符号なし)を形成す
る切削加工を行い、以て磁石配置用スロット33を完成
させる。そして、このような磁石配置用スロット33内
に永久磁石34を挿入して埋設状態にした後に、前記押
さえ板35を取り付けて回転子鉄心28を完成させる。
【0043】上記のような工程を経て製造される回転子
25にあっては、磁石配置用スロット33の開口縁部に
ガイド部材36が設けられているため、永久磁石34を
磁石配置用スロット33内に埋設するための工程では、
その永久磁石34を磁石配置用スロット33内へ挿入す
る際に、ガイド部材36が永久磁石34を当該スロット
33内へガイド(誘導)する機能を果たすようになる。
つまり、上記ガイド部材36は、非磁性ステンレスより
成るものであるから、このガイド部材36に永久磁石3
4が吸着することはない。従って、従来のように、永久
磁石34が自身の吸着力により回転子鉄心29に強く衝
突して破損する事態を未然に防止できるようになり、結
果的に永久磁石34の歩留まりが向上することになる。
しかも、上記ガイド部材36は別部材として設けられる
ものであるから、その材質選択の自由度が高くなる。
25にあっては、磁石配置用スロット33の開口縁部に
ガイド部材36が設けられているため、永久磁石34を
磁石配置用スロット33内に埋設するための工程では、
その永久磁石34を磁石配置用スロット33内へ挿入す
る際に、ガイド部材36が永久磁石34を当該スロット
33内へガイド(誘導)する機能を果たすようになる。
つまり、上記ガイド部材36は、非磁性ステンレスより
成るものであるから、このガイド部材36に永久磁石3
4が吸着することはない。従って、従来のように、永久
磁石34が自身の吸着力により回転子鉄心29に強く衝
突して破損する事態を未然に防止できるようになり、結
果的に永久磁石34の歩留まりが向上することになる。
しかも、上記ガイド部材36は別部材として設けられる
ものであるから、その材質選択の自由度が高くなる。
【0044】また、端絡環32には、ガイド部材36に
対応した領域に磁石挿入用開口部32aを部分的に形成
するだけで済むから、その内周部を従来のように切削加
工により除去する必要がなくなる。このため、当該端絡
環32による積層鋼板29a〜29cの結束力を十分に
得ることができるようになって、回転子鉄心29の外形
や積層寸法に対する制限を緩和できるようになるから、
設計上の自由度が広がると共に、信頼性の向上も図り得
るようになる。さらに、アルミダイカスト加工後におい
ては、端絡環32に磁石挿入用開口部32aを形成する
工程、ガイド部材36内に入り込んだアルミニウムを除
去する工程、1〜2枚程度の積層鋼板29bに対する孔
空け工程を行うだけで良いから、その製造に要する時間
を大幅に短縮できるようになる。しかも、この場合に
は、磁石配置用スロット33内に切り粉が残留する可能
性が小さくなるから、組立作業性の悪化を防止できるよ
うになる。
対応した領域に磁石挿入用開口部32aを部分的に形成
するだけで済むから、その内周部を従来のように切削加
工により除去する必要がなくなる。このため、当該端絡
環32による積層鋼板29a〜29cの結束力を十分に
得ることができるようになって、回転子鉄心29の外形
や積層寸法に対する制限を緩和できるようになるから、
設計上の自由度が広がると共に、信頼性の向上も図り得
るようになる。さらに、アルミダイカスト加工後におい
ては、端絡環32に磁石挿入用開口部32aを形成する
工程、ガイド部材36内に入り込んだアルミニウムを除
去する工程、1〜2枚程度の積層鋼板29bに対する孔
空け工程を行うだけで良いから、その製造に要する時間
を大幅に短縮できるようになる。しかも、この場合に
は、磁石配置用スロット33内に切り粉が残留する可能
性が小さくなるから、組立作業性の悪化を防止できるよ
うになる。
【0045】尚、上記第1実施例では、ガイド部材36
を非磁性ステンレスにて形成する構成としたが、銅など
のような他の非磁性金属によって形成しても良く、ま
た、セラミックなどのような耐熱性がある非磁性材料に
よって形成する構成も可能である。
を非磁性ステンレスにて形成する構成としたが、銅など
のような他の非磁性金属によって形成しても良く、ま
た、セラミックなどのような耐熱性がある非磁性材料に
よって形成する構成も可能である。
【0046】(第2の実施の形態)図7及び図8には上
述した第1実施例に変更を加えた本発明の第2実施例が
示されており、以下これについて異なる部分のみ説明す
る。即ち、図7には回転子25の上半部の断面構造が示
され、図8には図7中のD−D線に沿った断面図が示さ
れている。これら図7及び図8において、磁石配置用ス
ロット33の両端部分に設けられた矩形枠状ガイド部材
37は、非磁性ステンレスや銅などの非磁性金属或いは
セラミックなどの非磁性材料より成るもので、基本的に
は、前記第1実施例におけるガイド部材36と同様の形
状に形成されている。但し、本実施例によるガイド部材
37は、その外周側の4面のそれぞれに全体にわたった
状態で軸方向に延びる突条部37a(本発明でいう突部
に相当)が一体に形成された形状となっており、この突
条部37aは、ガイド部材27がガイド部材収納部33
a内に収納された状態でその側壁面に当接する構成とな
っている。
述した第1実施例に変更を加えた本発明の第2実施例が
示されており、以下これについて異なる部分のみ説明す
る。即ち、図7には回転子25の上半部の断面構造が示
され、図8には図7中のD−D線に沿った断面図が示さ
れている。これら図7及び図8において、磁石配置用ス
ロット33の両端部分に設けられた矩形枠状ガイド部材
37は、非磁性ステンレスや銅などの非磁性金属或いは
セラミックなどの非磁性材料より成るもので、基本的に
は、前記第1実施例におけるガイド部材36と同様の形
状に形成されている。但し、本実施例によるガイド部材
37は、その外周側の4面のそれぞれに全体にわたった
状態で軸方向に延びる突条部37a(本発明でいう突部
に相当)が一体に形成された形状となっており、この突
条部37aは、ガイド部材27がガイド部材収納部33
a内に収納された状態でその側壁面に当接する構成とな
っている。
【0047】このような構成とした本実施例によれば、
ガイド部材37の外周側の面に突条部37aが形成され
ているから、当該ガイド部材37とこれが収納されるガ
イド部材収納部33aの側壁面との間には、図8に示す
ような微小な隙間部38が形成される。この結果、アル
ミダイカスト加工によって棒導体31及び端絡環32を
形成する際に、加圧されたアルミニウム溶湯が上記隙間
部38内に入り込んだ状態となるため、ガイド部材37
と回転子鉄心29との間を強固に固定できるようにな
る。従って、その後においてガイド部材37が不用意に
脱落する事態を未然に防止できることになる。尚、この
第2実施例では、ガイド部材37の外周面にその全体に
わたって軸方向に延びる突条部37aを本発明でいう突
部として形成する構成としたが、これに代えて、ガイド
部材37の外周側の4面のそれぞれに部分的な突起部を
突部として形成する構成としても良いものである。
ガイド部材37の外周側の面に突条部37aが形成され
ているから、当該ガイド部材37とこれが収納されるガ
イド部材収納部33aの側壁面との間には、図8に示す
ような微小な隙間部38が形成される。この結果、アル
ミダイカスト加工によって棒導体31及び端絡環32を
形成する際に、加圧されたアルミニウム溶湯が上記隙間
部38内に入り込んだ状態となるため、ガイド部材37
と回転子鉄心29との間を強固に固定できるようにな
る。従って、その後においてガイド部材37が不用意に
脱落する事態を未然に防止できることになる。尚、この
第2実施例では、ガイド部材37の外周面にその全体に
わたって軸方向に延びる突条部37aを本発明でいう突
部として形成する構成としたが、これに代えて、ガイド
部材37の外周側の4面のそれぞれに部分的な突起部を
突部として形成する構成としても良いものである。
【0048】(第3の実施の形態)図9及び図10には
前記第1実施例に対し前記第2実施例とは異なる変更を
加えた本発明の第3実施例が示されており、以下これに
ついて異なる部分のみ説明する。即ち、図9には回転子
25の上半部の断面構造が示され、図10には図9中の
E−E線に沿った断面図が示されている。これら図9及
び図10において、磁石配置用スロット33の両端部分
に設けられた矩形枠状ガイド部材39は、非磁性ステン
レスや銅などの非磁性金属或いはセラミックなどの非磁
性材料より成るもので、基本的には、前記第1実施例に
おけるガイド部材36と同様の形状に形成されている。
但し、本実施例によるガイド部材39は、その内周側の
4面のそれぞれに永久磁石34の挿入方向に延びる溝部
39aが形成された形状となっている。
前記第1実施例に対し前記第2実施例とは異なる変更を
加えた本発明の第3実施例が示されており、以下これに
ついて異なる部分のみ説明する。即ち、図9には回転子
25の上半部の断面構造が示され、図10には図9中の
E−E線に沿った断面図が示されている。これら図9及
び図10において、磁石配置用スロット33の両端部分
に設けられた矩形枠状ガイド部材39は、非磁性ステン
レスや銅などの非磁性金属或いはセラミックなどの非磁
性材料より成るもので、基本的には、前記第1実施例に
おけるガイド部材36と同様の形状に形成されている。
但し、本実施例によるガイド部材39は、その内周側の
4面のそれぞれに永久磁石34の挿入方向に延びる溝部
39aが形成された形状となっている。
【0049】このような構成とした本実施例によれば、
ガイド部材39の内周面に溝部39aが形成されている
から、磁石配置用スロット33内にガイド部材39を介
して永久磁石34を挿入する際には、その永久磁石34
とガイド部材39の内周面との間の接触面積を小さくで
きるようになって、永久磁石34の挿入作業を容易に行
い得るようになる。
ガイド部材39の内周面に溝部39aが形成されている
から、磁石配置用スロット33内にガイド部材39を介
して永久磁石34を挿入する際には、その永久磁石34
とガイド部材39の内周面との間の接触面積を小さくで
きるようになって、永久磁石34の挿入作業を容易に行
い得るようになる。
【0050】(第4の実施の形態)図11及び図12に
は本発明の第4実施例が示されており、以下これについ
て前記第1実施例と異なる部分のみ説明する。即ち、図
11には回転子25の上半部の断面構造が示され、図1
2には図11中のF−F線に沿った断面図が示されてい
る。これら図11及び図12において、磁石配置用スロ
ット33の両端部分に設けられた矩形枠状ガイド部材4
0は、非磁性ステンレスや銅などの非磁性金属或いはセ
ラミックなどの非磁性材料より成るもので、基本的に
は、前記第1実施例におけるガイド部材36と同様の形
状に形成されている。但し、本実施例によるガイド部材
40は、その外周側の4面のそれぞれに全体にわたった
状態で軸方向に延びる突条部40aが一体に形成され、
且つ内周側の4面のそれぞれに軸方向に延びる溝部40
bが形成された形状となっている。
は本発明の第4実施例が示されており、以下これについ
て前記第1実施例と異なる部分のみ説明する。即ち、図
11には回転子25の上半部の断面構造が示され、図1
2には図11中のF−F線に沿った断面図が示されてい
る。これら図11及び図12において、磁石配置用スロ
ット33の両端部分に設けられた矩形枠状ガイド部材4
0は、非磁性ステンレスや銅などの非磁性金属或いはセ
ラミックなどの非磁性材料より成るもので、基本的に
は、前記第1実施例におけるガイド部材36と同様の形
状に形成されている。但し、本実施例によるガイド部材
40は、その外周側の4面のそれぞれに全体にわたった
状態で軸方向に延びる突条部40aが一体に形成され、
且つ内周側の4面のそれぞれに軸方向に延びる溝部40
bが形成された形状となっている。
【0051】このような構成とした本実施例によれば、
ガイド部材40の外周側の面に突条部40aが形成され
ているから、当該ガイド部材40とこれが収納されるガ
イド部材収納部33aの側壁面との間には、図12に示
すような微小な隙間部41が形成される。この結果、ア
ルミダイカスト加工によって棒導体31及び端絡環32
を形成する際に、加圧されたアルミニウム溶湯が上記隙
間部41内に入り込んだ状態となるため、ガイド部材4
0と回転子鉄心29との間を強固に固定できるようにな
る。従って、その後においてガイド部材40が不用意に
脱落する事態を未然に防止できることになる。また、ガ
イド部材40の内周面に溝部40bが形成されているか
ら、磁石配置用スロット33内に永久磁石34を挿入す
る際には、その永久磁石34とガイド部材40の内周面
との間の接触面積を小さくできるようになって、永久磁
石34の挿入作業を容易に行い得るようになる。
ガイド部材40の外周側の面に突条部40aが形成され
ているから、当該ガイド部材40とこれが収納されるガ
イド部材収納部33aの側壁面との間には、図12に示
すような微小な隙間部41が形成される。この結果、ア
ルミダイカスト加工によって棒導体31及び端絡環32
を形成する際に、加圧されたアルミニウム溶湯が上記隙
間部41内に入り込んだ状態となるため、ガイド部材4
0と回転子鉄心29との間を強固に固定できるようにな
る。従って、その後においてガイド部材40が不用意に
脱落する事態を未然に防止できることになる。また、ガ
イド部材40の内周面に溝部40bが形成されているか
ら、磁石配置用スロット33内に永久磁石34を挿入す
る際には、その永久磁石34とガイド部材40の内周面
との間の接触面積を小さくできるようになって、永久磁
石34の挿入作業を容易に行い得るようになる。
【0052】(第5の実施の形態)図13及び図14に
は本発明の第5実施例が示されており、以下これについ
て前記第1実施例と異なる部分のみ説明する。即ち、図
13には回転子25の上半部の断面構造が示され、図1
4には図13中のG−G線に沿った断面図が示されてい
る。これら図13及び図14において、磁石配置用スロ
ット33の両端部分に設けられた矩形枠状ガイド部材4
2は、非磁性ステンレスや銅などの非磁性金属或いはセ
ラミックなどの非磁性材料より成るもので、基本的に
は、前記第1実施例におけるガイド部材36と同様の形
状に形成されている。但し、本実施例によるガイド部材
42は、その一端側が回転子鉄心29の軸方向の端面か
ら突出した状態の長さ寸法に設定されており、その突出
先端面が端絡環32の端面から露出した形態(面一な形
態)となるように構成されている。この場合、上記ガイ
ド部材42の内部が、本発明でいう磁石挿入用開口部と
して機能するようになる。
は本発明の第5実施例が示されており、以下これについ
て前記第1実施例と異なる部分のみ説明する。即ち、図
13には回転子25の上半部の断面構造が示され、図1
4には図13中のG−G線に沿った断面図が示されてい
る。これら図13及び図14において、磁石配置用スロ
ット33の両端部分に設けられた矩形枠状ガイド部材4
2は、非磁性ステンレスや銅などの非磁性金属或いはセ
ラミックなどの非磁性材料より成るもので、基本的に
は、前記第1実施例におけるガイド部材36と同様の形
状に形成されている。但し、本実施例によるガイド部材
42は、その一端側が回転子鉄心29の軸方向の端面か
ら突出した状態の長さ寸法に設定されており、その突出
先端面が端絡環32の端面から露出した形態(面一な形
態)となるように構成されている。この場合、上記ガイ
ド部材42の内部が、本発明でいう磁石挿入用開口部と
して機能するようになる。
【0053】このような構成とした本実施例によれば、
棒導体31及び端絡環32を形成するためのアルミダイ
カスト加工後において、ガイド部材42の先端面が端絡
環32の端面に露出した状態となるから、導体用スロッ
ト30の位置を外部から容易に確認できるようになっ
て、上記ガイド部材42内に入り込んだアルミニウムを
除去すると共に、磁石配置用スロット33の閉鎖部材と
して機能するように設けられた積層鋼板29bに当該磁
石配置用スロット33の内周形状に合わせた状態の孔部
(符号なし)を形成する工程を容易且つ確実に行い得る
ようになる。
棒導体31及び端絡環32を形成するためのアルミダイ
カスト加工後において、ガイド部材42の先端面が端絡
環32の端面に露出した状態となるから、導体用スロッ
ト30の位置を外部から容易に確認できるようになっ
て、上記ガイド部材42内に入り込んだアルミニウムを
除去すると共に、磁石配置用スロット33の閉鎖部材と
して機能するように設けられた積層鋼板29bに当該磁
石配置用スロット33の内周形状に合わせた状態の孔部
(符号なし)を形成する工程を容易且つ確実に行い得る
ようになる。
【0054】(第6の実施の形態)図15及び図16に
は上述した第5実施例に変更を加えた本発明の第6実施
例が示されており、以下これについて異なる部分のみ説
明する。即ち、図15には回転子25の上半部の断面構
造が示され、図16には図15中のH−H線に沿った断
面図が示されている。これら図15及び図16におい
て、磁石配置用スロット33の両端部分に設けられた矩
形枠状ガイド部材43は、非磁性ステンレスや銅などの
非磁性金属或いはセラミックなどの非磁性材料より成る
もので、基本的には、前記第5実施例におけるガイド部
材42と同様の形状に形成されている。但し、本実施例
によるガイド部材43は、その外周側の4面のそれぞれ
に全体にわたった状態で軸方向に延びる突条部43aが
一体に形成された形状となっている。
は上述した第5実施例に変更を加えた本発明の第6実施
例が示されており、以下これについて異なる部分のみ説
明する。即ち、図15には回転子25の上半部の断面構
造が示され、図16には図15中のH−H線に沿った断
面図が示されている。これら図15及び図16におい
て、磁石配置用スロット33の両端部分に設けられた矩
形枠状ガイド部材43は、非磁性ステンレスや銅などの
非磁性金属或いはセラミックなどの非磁性材料より成る
もので、基本的には、前記第5実施例におけるガイド部
材42と同様の形状に形成されている。但し、本実施例
によるガイド部材43は、その外周側の4面のそれぞれ
に全体にわたった状態で軸方向に延びる突条部43aが
一体に形成された形状となっている。
【0055】このような構成とした本実施例によれば、
ガイド部材43の外周側の面に突条部43aが形成され
ているから、当該ガイド部材43とこれが収納されるガ
イド部材収納部33aの側壁面との間には、図16に示
すような微小な隙間部44が形成される。この結果、ア
ルミダイカスト加工によって棒導体31及び端絡環32
を形成する際に、加圧されたアルミニウム溶湯が上記隙
間部44内に入り込んだ状態となるため、ガイド部材4
3と回転子鉄心29との間を強固に固定できるようにな
る。
ガイド部材43の外周側の面に突条部43aが形成され
ているから、当該ガイド部材43とこれが収納されるガ
イド部材収納部33aの側壁面との間には、図16に示
すような微小な隙間部44が形成される。この結果、ア
ルミダイカスト加工によって棒導体31及び端絡環32
を形成する際に、加圧されたアルミニウム溶湯が上記隙
間部44内に入り込んだ状態となるため、ガイド部材4
3と回転子鉄心29との間を強固に固定できるようにな
る。
【0056】(第7の実施の形態)図17及び図18に
は前記第5実施例に対し前記第6実施例とは異なる変更
を加えた本発明の第7実施例が示されており、以下これ
について異なる部分のみ説明する。即ち、図17には回
転子25の上半部の断面構造が示され、図18には図1
7中のI−I線に沿った断面図が示されている。これら
図17及び図18において、磁石配置用スロット33の
両端部分に設けられた矩形枠状ガイド部材45は、非磁
性ステンレスや銅などの非磁性金属或いはセラミックな
どの非磁性材料より成るもので、基本的には、前記第5
実施例におけるガイド部材42と同様の形状に形成され
ている。但し、本実施例によるガイド部材45は、その
内周側の4面のそれぞれに軸方向に延びる溝部45aが
形成された形状となっている。
は前記第5実施例に対し前記第6実施例とは異なる変更
を加えた本発明の第7実施例が示されており、以下これ
について異なる部分のみ説明する。即ち、図17には回
転子25の上半部の断面構造が示され、図18には図1
7中のI−I線に沿った断面図が示されている。これら
図17及び図18において、磁石配置用スロット33の
両端部分に設けられた矩形枠状ガイド部材45は、非磁
性ステンレスや銅などの非磁性金属或いはセラミックな
どの非磁性材料より成るもので、基本的には、前記第5
実施例におけるガイド部材42と同様の形状に形成され
ている。但し、本実施例によるガイド部材45は、その
内周側の4面のそれぞれに軸方向に延びる溝部45aが
形成された形状となっている。
【0057】このような構成とした本実施例によれば、
ガイド部材45の内周面に溝部45aが形成されている
から、磁石配置用スロット33内に永久磁石34を挿入
する際には、その永久磁石34とガイド部材45の内周
面との間の接触面積を小さくできるようになって、永久
磁石34の挿入作業を容易に行い得るようになる。
ガイド部材45の内周面に溝部45aが形成されている
から、磁石配置用スロット33内に永久磁石34を挿入
する際には、その永久磁石34とガイド部材45の内周
面との間の接触面積を小さくできるようになって、永久
磁石34の挿入作業を容易に行い得るようになる。
【0058】(第8の実施の形態)図19及び図20に
は本発明の第8実施例が示されており、以下これについ
て前記第5実施例と異なる部分のみ説明する。即ち、図
19には回転子25の上半部の断面構造が示され、図2
0には図19中のJ−J線に沿った断面図が示されてい
る。これら図19及び図20において、磁石配置用スロ
ット33の両端部分に設けられた矩形枠状ガイド部材4
6は、非磁性ステンレスや銅などの非磁性金属或いはセ
ラミックなどの非磁性材料より成るもので、基本的に
は、前記第5実施例におけるガイド部材42と同様の形
状に形成されている。但し、本実施例によるガイド部材
46は、その外周側の4面のそれぞれに全体にわたった
状態で軸方向に延びる突条部46aが一体に形成され、
且つ内周側の4面のそれぞれに軸方向に延びる溝部46
bが形成された形状となっている。
は本発明の第8実施例が示されており、以下これについ
て前記第5実施例と異なる部分のみ説明する。即ち、図
19には回転子25の上半部の断面構造が示され、図2
0には図19中のJ−J線に沿った断面図が示されてい
る。これら図19及び図20において、磁石配置用スロ
ット33の両端部分に設けられた矩形枠状ガイド部材4
6は、非磁性ステンレスや銅などの非磁性金属或いはセ
ラミックなどの非磁性材料より成るもので、基本的に
は、前記第5実施例におけるガイド部材42と同様の形
状に形成されている。但し、本実施例によるガイド部材
46は、その外周側の4面のそれぞれに全体にわたった
状態で軸方向に延びる突条部46aが一体に形成され、
且つ内周側の4面のそれぞれに軸方向に延びる溝部46
bが形成された形状となっている。
【0059】このような構成とした本実施例によれば、
ガイド部材46の外周側の面に突条部46aが形成され
ているから、当該ガイド部材46とこれが収納されるガ
イド部材収納部33aの側壁面との間には、図12に示
すような微小な隙間部47が形成される。この結果、ア
ルミダイカスト加工によって棒導体31及び端絡環32
を形成する際に、加圧されたアルミニウム溶湯が上記隙
間部47内に入り込んだ状態となるため、ガイド部材4
6と回転子鉄心29との間を強固に固定できるようにな
る。また、ガイド部材46の内周面に溝部46bが形成
されているから、磁石配置用スロット33内に永久磁石
34を挿入する際には、その永久磁石34とガイド部材
46の内周面との間の接触面積を小さくできるようにな
って、永久磁石34の挿入作業を容易に行い得るように
なる。
ガイド部材46の外周側の面に突条部46aが形成され
ているから、当該ガイド部材46とこれが収納されるガ
イド部材収納部33aの側壁面との間には、図12に示
すような微小な隙間部47が形成される。この結果、ア
ルミダイカスト加工によって棒導体31及び端絡環32
を形成する際に、加圧されたアルミニウム溶湯が上記隙
間部47内に入り込んだ状態となるため、ガイド部材4
6と回転子鉄心29との間を強固に固定できるようにな
る。また、ガイド部材46の内周面に溝部46bが形成
されているから、磁石配置用スロット33内に永久磁石
34を挿入する際には、その永久磁石34とガイド部材
46の内周面との間の接触面積を小さくできるようにな
って、永久磁石34の挿入作業を容易に行い得るように
なる。
【0060】(第9の実施の形態)図21には本発明の
第9実施例が示されており、以下これについて前記第1
実施例と異なる部分のみ説明する。即ち、回転子25の
上半部の断面構造を示す図21のように、本実施例で
は、回転子鉄心29のに形成されたガイド部材収納部3
3a内に、第1実施例のようなガイド部材36を設けず
に、棒導体31及び端絡環32をダイカスト成形すると
きのアルミニウムから成る矩形枠状ガイド部材48を設
けた構成としている。このガイド部材48は、上記アル
ミダイカスト成形の実行後に、端絡環32に磁石挿入用
開口部32aを形成した後に、孔部33c内に入り込ん
だアルミニウムを当該ガイド部材48に相当した部分だ
け除去することにより形成されるものであり、この後に
磁石配置用スロット33の閉鎖部材として機能するよう
に設けられた積層鋼板29bに孔部(符号なし)を形成
するようにしている。
第9実施例が示されており、以下これについて前記第1
実施例と異なる部分のみ説明する。即ち、回転子25の
上半部の断面構造を示す図21のように、本実施例で
は、回転子鉄心29のに形成されたガイド部材収納部3
3a内に、第1実施例のようなガイド部材36を設けず
に、棒導体31及び端絡環32をダイカスト成形すると
きのアルミニウムから成る矩形枠状ガイド部材48を設
けた構成としている。このガイド部材48は、上記アル
ミダイカスト成形の実行後に、端絡環32に磁石挿入用
開口部32aを形成した後に、孔部33c内に入り込ん
だアルミニウムを当該ガイド部材48に相当した部分だ
け除去することにより形成されるものであり、この後に
磁石配置用スロット33の閉鎖部材として機能するよう
に設けられた積層鋼板29bに孔部(符号なし)を形成
するようにしている。
【0061】このように構成した本実施例によれば、ガ
イド部材48は、非磁性金属であるアルミニウムより成
るものであるから、このガイド部材48に永久磁石34
が吸着することはない。従って、永久磁石34を磁石配
置用スロット33内に埋設するための工程で、当該永久
磁石34が自身の吸着力により回転子鉄心29に強く衝
突して破損する事態を未然に防止できるようになるか
ら、永久磁石34の歩留まりが向上することになる。ま
た、本実施例によれば、前記第1実施例のような別部品
のガイド部材36が不要になるから、部品点数の削減を
図り得るようになる。
イド部材48は、非磁性金属であるアルミニウムより成
るものであるから、このガイド部材48に永久磁石34
が吸着することはない。従って、永久磁石34を磁石配
置用スロット33内に埋設するための工程で、当該永久
磁石34が自身の吸着力により回転子鉄心29に強く衝
突して破損する事態を未然に防止できるようになるか
ら、永久磁石34の歩留まりが向上することになる。ま
た、本実施例によれば、前記第1実施例のような別部品
のガイド部材36が不要になるから、部品点数の削減を
図り得るようになる。
【0062】(第10の実施の形態)図22及び図23
には本発明の第10実施例が示されており、以下これに
ついて前記第1実施例と異なる部分のみ説明する。即
ち、図22には回転子25の上半部の断面構造が示さ
れ、図23には図22中のK−K線に沿った断面図が示
されている。これら図22及び図23において、磁石配
置用スロット33の両端部分に設けられた矩形枠状ガイ
ド部材49は、非磁性ステンレスや銅などの非磁性金属
或いはセラミックなどの非磁性材料より成るもので、基
本的には、前記第1実施例におけるガイド部材36と同
様の形状に形成されている。但し、本実施例によるガイ
ド部材49は、その一端側が端絡環32の端面から所定
量だけ突出した状態の長さ寸法に設定されている。この
場合、上記ガイド部材49の内部が、本発明でいう磁石
挿入用開口部として機能するようになる。
には本発明の第10実施例が示されており、以下これに
ついて前記第1実施例と異なる部分のみ説明する。即
ち、図22には回転子25の上半部の断面構造が示さ
れ、図23には図22中のK−K線に沿った断面図が示
されている。これら図22及び図23において、磁石配
置用スロット33の両端部分に設けられた矩形枠状ガイ
ド部材49は、非磁性ステンレスや銅などの非磁性金属
或いはセラミックなどの非磁性材料より成るもので、基
本的には、前記第1実施例におけるガイド部材36と同
様の形状に形成されている。但し、本実施例によるガイ
ド部材49は、その一端側が端絡環32の端面から所定
量だけ突出した状態の長さ寸法に設定されている。この
場合、上記ガイド部材49の内部が、本発明でいう磁石
挿入用開口部として機能するようになる。
【0063】このように構成した本実施例によれば、ガ
イド部材49の先端部が端絡環32の端面から突出した
状態となっているから、棒導体31及び端絡環32を形
成するためのアルミダイカスト加工時において、アルミ
ニウム溶湯がガイド部材49内に入り込む事態が効果的
に防止できることになり、この後には、磁石配置用スロ
ット33の閉鎖部材として機能するように設けられた積
層鋼板29bに、当該磁石配置用スロット33の内周形
状に合わせた状態の孔部(符号なし)を形成するだけで
済むようになる。このため、アルミダイカスト加工後に
おいて、端絡環32に磁石挿入用開口部を形成したり、
アルミニウムを除去したりする工程が不要になるから、
その製造に要する時間を大幅に短縮できるようになる。
イド部材49の先端部が端絡環32の端面から突出した
状態となっているから、棒導体31及び端絡環32を形
成するためのアルミダイカスト加工時において、アルミ
ニウム溶湯がガイド部材49内に入り込む事態が効果的
に防止できることになり、この後には、磁石配置用スロ
ット33の閉鎖部材として機能するように設けられた積
層鋼板29bに、当該磁石配置用スロット33の内周形
状に合わせた状態の孔部(符号なし)を形成するだけで
済むようになる。このため、アルミダイカスト加工後に
おいて、端絡環32に磁石挿入用開口部を形成したり、
アルミニウムを除去したりする工程が不要になるから、
その製造に要する時間を大幅に短縮できるようになる。
【0064】尚、本実施例において、磁石配置用スロッ
ト33を両端部近傍部分において閉鎖するため積層鋼板
29bは、アルミダイカスト成形時においてアルミニウ
ム溶湯がガイド部材49内に入り込む事態が万一発生し
た場合に対処するためのものであるから、その閉鎖機能
を必要に応じて設ければ良い。つまり、上記積層鋼板2
9bにも、磁石配置用スロット33に対応した矩形状の
孔部を予め形成しておく構成とすることもでき、この構
成によれば製造工程をさらに簡略化できるようになる。
ト33を両端部近傍部分において閉鎖するため積層鋼板
29bは、アルミダイカスト成形時においてアルミニウ
ム溶湯がガイド部材49内に入り込む事態が万一発生し
た場合に対処するためのものであるから、その閉鎖機能
を必要に応じて設ければ良い。つまり、上記積層鋼板2
9bにも、磁石配置用スロット33に対応した矩形状の
孔部を予め形成しておく構成とすることもでき、この構
成によれば製造工程をさらに簡略化できるようになる。
【0065】(第11の実施の形態)図24ないし図2
6には本発明の第11実施例が示されており、以下これ
について前記第1実施例と異なる部分のみ説明する。即
ち、図24には回転子25の上半部の断面構造が示さ
れ、図25には図24中のL−L線に沿った断面図が示
され、図26には製造途中の状態での回転子25の上半
部の断面構造が示されている。
6には本発明の第11実施例が示されており、以下これ
について前記第1実施例と異なる部分のみ説明する。即
ち、図24には回転子25の上半部の断面構造が示さ
れ、図25には図24中のL−L線に沿った断面図が示
され、図26には製造途中の状態での回転子25の上半
部の断面構造が示されている。
【0066】まず、図24及び図25において、本実施
例では、回転子鉄心29に形成された磁石配置用スロッ
ト33の両端部分に、第1実施例のようなガイド部材3
6を設けずに、端絡環32に磁石配置用スロット33と
同軸状に形成した磁石挿入用開口部50を当該磁石配置
用スロット33内に永久磁石34を挿入するときのガイ
ドとして機能させる構成としている。
例では、回転子鉄心29に形成された磁石配置用スロッ
ト33の両端部分に、第1実施例のようなガイド部材3
6を設けずに、端絡環32に磁石配置用スロット33と
同軸状に形成した磁石挿入用開口部50を当該磁石配置
用スロット33内に永久磁石34を挿入するときのガイ
ドとして機能させる構成としている。
【0067】上記のような磁石挿入用開口部50を備え
た回転子25は、以下に述べるような手順により製造す
る。つまり、回転子鉄心29は、これを構成する複数枚
の積層鋼板の全部に予め孔部を形成しておくことによ
り、アルミダイカスト加工前の段階で磁石配置用スロッ
ト33を備えた構成とされる。アルミダイカスト加工を
行う前には、図26に示すように、磁石配置用スロット
33の両端開口部分を、当該開口部分及び前記磁石挿入
用開口部50に対応した形状のスペーサ51により閉鎖
しておく。このスペーサ51は、可溶性塩のような耐熱
可溶性材料より成るもので、例えば水に溶解する性質を
有するものである。上記のように磁石配置用スロット3
3の両端開口部分をスペーサ51により閉鎖した状態で
アルミダイカスト加工を実行して棒導体31及び端絡環
32を形成するものであり、このときには、スペーサ5
1を端絡環31の端面から外部に露出させた状態とす
る。そして、この後に、スペーサ51を水により溶解さ
せて除去することにより、磁石配置用スロット33に連
通した状態の磁石挿入用開口部50を形成する。そし
て、永久磁石34を磁石配置用スロット33内へ挿入す
る際には、上記磁石挿入用開口部50を永久磁石34の
ガイドとして機能させる。
た回転子25は、以下に述べるような手順により製造す
る。つまり、回転子鉄心29は、これを構成する複数枚
の積層鋼板の全部に予め孔部を形成しておくことによ
り、アルミダイカスト加工前の段階で磁石配置用スロッ
ト33を備えた構成とされる。アルミダイカスト加工を
行う前には、図26に示すように、磁石配置用スロット
33の両端開口部分を、当該開口部分及び前記磁石挿入
用開口部50に対応した形状のスペーサ51により閉鎖
しておく。このスペーサ51は、可溶性塩のような耐熱
可溶性材料より成るもので、例えば水に溶解する性質を
有するものである。上記のように磁石配置用スロット3
3の両端開口部分をスペーサ51により閉鎖した状態で
アルミダイカスト加工を実行して棒導体31及び端絡環
32を形成するものであり、このときには、スペーサ5
1を端絡環31の端面から外部に露出させた状態とす
る。そして、この後に、スペーサ51を水により溶解さ
せて除去することにより、磁石配置用スロット33に連
通した状態の磁石挿入用開口部50を形成する。そし
て、永久磁石34を磁石配置用スロット33内へ挿入す
る際には、上記磁石挿入用開口部50を永久磁石34の
ガイドとして機能させる。
【0068】このように構成した本実施例においては、
永久磁石34を磁石配置用スロット33内に挿入する際
に、磁石挿入用開口部50がガイドとして機能するもの
であるが、これの周りに位置する端絡環32は、非磁性
金属であるアルミニウムより成るものであるから、上記
磁石挿入用開口部50の周りにに永久磁石34が吸着す
ることはない。つまり、端絡環32が本発明でいうガイ
ド部材として機能するものであり、これにより、永久磁
石34を磁石配置用スロット33内に埋設するための工
程で、当該永久磁石34が自身の吸着力により回転子鉄
心29に強く衝突して破損する事態を未然に防止できる
ようになるから、永久磁石34の歩留まりが向上するこ
とになる。しかも、本実施例の構成によれば、別部品の
ガイド部材が不要になるから、部品点数の削減を図り得
るようになる。また、本実施例による製造方法によれ
ば、第1実施例において必要であった磁石配置用スロッ
ト33についての後加工(端絡環32や回転子鉄心29
に対する切削加工など)が一切に不要になるから、製造
工程を大幅に簡略化できるようになる。
永久磁石34を磁石配置用スロット33内に挿入する際
に、磁石挿入用開口部50がガイドとして機能するもの
であるが、これの周りに位置する端絡環32は、非磁性
金属であるアルミニウムより成るものであるから、上記
磁石挿入用開口部50の周りにに永久磁石34が吸着す
ることはない。つまり、端絡環32が本発明でいうガイ
ド部材として機能するものであり、これにより、永久磁
石34を磁石配置用スロット33内に埋設するための工
程で、当該永久磁石34が自身の吸着力により回転子鉄
心29に強く衝突して破損する事態を未然に防止できる
ようになるから、永久磁石34の歩留まりが向上するこ
とになる。しかも、本実施例の構成によれば、別部品の
ガイド部材が不要になるから、部品点数の削減を図り得
るようになる。また、本実施例による製造方法によれ
ば、第1実施例において必要であった磁石配置用スロッ
ト33についての後加工(端絡環32や回転子鉄心29
に対する切削加工など)が一切に不要になるから、製造
工程を大幅に簡略化できるようになる。
【0069】
【発明の効果】以上の説明によって明らかなように、本
発明による永久磁石電動機によれば、永久磁石を、回転
子鉄心に形成された磁石配置用スロット内に磁石挿入用
開口部を通じて挿入する際に、その永久磁石を上記磁石
配置用スロット内へガイドする機能を果たす非磁性体製
のガイド部材を設ける構成としたので、永久磁石が自身
の吸着力により回転子鉄心に強く衝突して破損する事態
を未然に防止できるようになって、当該永久磁石の歩留
まりを向上させ得るものである。また、上記磁石挿入用
開口部を、端絡環における前記ガイド部材に対応した領
域のみに部分的に形成する構成とした場合には、回転子
鉄心を構成する積層鋼板の結束力を上記端絡環によって
十分に得ることができるようになるから、回転子鉄心の
外形や積層寸法に対する制限を緩和できるものである。
発明による永久磁石電動機によれば、永久磁石を、回転
子鉄心に形成された磁石配置用スロット内に磁石挿入用
開口部を通じて挿入する際に、その永久磁石を上記磁石
配置用スロット内へガイドする機能を果たす非磁性体製
のガイド部材を設ける構成としたので、永久磁石が自身
の吸着力により回転子鉄心に強く衝突して破損する事態
を未然に防止できるようになって、当該永久磁石の歩留
まりを向上させ得るものである。また、上記磁石挿入用
開口部を、端絡環における前記ガイド部材に対応した領
域のみに部分的に形成する構成とした場合には、回転子
鉄心を構成する積層鋼板の結束力を上記端絡環によって
十分に得ることができるようになるから、回転子鉄心の
外形や積層寸法に対する制限を緩和できるものである。
【0070】本発明による永久磁石電動機の製造方法に
よれば、製造に要する時間を大幅に短縮できると共に、
組立作業性の悪化を防止できるという有益な効果を奏す
るようになる。
よれば、製造に要する時間を大幅に短縮できると共に、
組立作業性の悪化を防止できるという有益な効果を奏す
るようになる。
【図1】本発明の第1実施例を示す永久磁石電動機用回
転子鉄心の要部の断面図
転子鉄心の要部の断面図
【図2】永久磁石電動機を一部断面にして示す側面図
【図3】回転子の製造途中の状態での要部の断面図
【図4】図3中のA−A線に沿った断面図
【図5】図3中のB−B線に沿った断面図
【図6】図3中のC−C線に沿った断面図
【図7】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図8】図7中のD−D線に沿った断面図
【図9】本発明の第3実施例を示す図1相当図
【図10】図9中のE−E線に沿った断面図
【図11】本発明の第4実施例を示す図1相当図
【図12】図11中のF−F線に沿った断面図
【図13】本発明の第5実施例を示す図1相当図
【図14】図13中のG−G線に沿った断面図
【図15】本発明の第6実施例を示す図1相当図
【図16】図15中のH−H線に沿った断面図
【図17】本発明の第7実施例を示す図1相当図
【図18】図17中のI−I線に沿った断面図
【図19】本発明の第8実施例を示す図1相当図
【図20】図19中のJ−J線に沿った断面図
【図21】本発明の第9実施例を示す図1相当図
【図22】本発明の第10実施例を示す図1相当図
【図23】図22中のK−K線に沿った断面図
【図24】本発明の第11実施例を示す図1相当図
【図25】図24中のL−L線に沿った断面図
【図26】回転子の製造途中の状態での要部の断面図
【図27】従来の永久磁石電動機を一部断面にして示す
側面図
側面図
【図28】回転子の要部の断面図
24は固定子、25は回転子、29は回転子鉄心、30
は導体用スロット、31は棒導体、32は端絡環、33
は磁石配置用スロット、33aはガイド部材収納部、3
3bは第1の孔部、33cは第2の孔部、34は永久磁
石、36、37はガイド部材、37aは突条部(突
部)、38は隙間部、39はガイド部材、39aは溝
部、40はガイド部材、40aは突条部(突部)、40
bは溝部、41は隙間部、42、43はガイド部材、4
3aは突条部、44は隙間部、45はガイド部材、45
aは溝部、46はガイド部材、46aは突条部(突
部)、46bは溝部、47は隙間部、48、49はガイ
ド部材、50は磁石挿入用開口部、51はスペーサを示
す。
は導体用スロット、31は棒導体、32は端絡環、33
は磁石配置用スロット、33aはガイド部材収納部、3
3bは第1の孔部、33cは第2の孔部、34は永久磁
石、36、37はガイド部材、37aは突条部(突
部)、38は隙間部、39はガイド部材、39aは溝
部、40はガイド部材、40aは突条部(突部)、40
bは溝部、41は隙間部、42、43はガイド部材、4
3aは突条部、44は隙間部、45はガイド部材、45
aは溝部、46はガイド部材、46aは突条部(突
部)、46bは溝部、47は隙間部、48、49はガイ
ド部材、50は磁石挿入用開口部、51はスペーサを示
す。
Claims (13)
- 【請求項1】 積層型の回転子鉄心に形成された磁石配
置用スロット内に定常運転用の永久磁石を埋め込むと共
に、当該回転子鉄心に始動用の棒導体及び端絡環をダイ
カスト加工により設けて成る永久磁石電動機において、 前記端絡環における前記磁石配置用スロットとの対応位
置に形成された磁石挿入用開口部と、 前記磁石配置用スロットの開口縁部に内周面が当該磁石
配置用スロットの内周面と面一な状態となるように配置
され、前記磁石挿入用開口部を通じて挿入される前記永
久磁石を上記磁石配置用スロット内へガイドする機能を
果たす非磁性体製のガイド部材とを設けたことを特徴と
する永久磁石電動機。 - 【請求項2】 端絡環には、ガイド部材に対応した領域
のみに部分的に位置された磁石挿入用開口部が形成され
ていることを特徴とする請求項1記載の永久磁石電動
機。 - 【請求項3】 磁石配置用スロットの開口縁部に他の部
分より大形状のガイド部材収納部が形成され、ガイド部
材は、上記ガイド部材収納部に端絡環とは別の部材とし
て配置された枠状のものであることを特徴とする請求項
1または2記載の永久磁石電動機。 - 【請求項4】 枠状のガイド部材の外周面には、ガイド
部材収納部の側壁面に当接して当該側壁面との間に隙間
部を形成するための突部が一体に形成されていることを
特徴とする請求項3記載の永久磁石電動機。 - 【請求項5】 枠状のガイド部材の内周面には、永久磁
石の挿入方向に延びる溝部が形成されていることを特徴
とする請求項3または4記載の永久磁石電動機。 - 【請求項6】 枠状のガイド部材は、回転子鉄心の軸方
向端面から突出して先端面が端絡環の端面から露出した
形態となるように設けられることを特徴とする請求項3
ないし5の何れかに記載の永久磁石型回転電機。 - 【請求項7】 請求項3ないし6の何れかに記載の永久
磁石型回転電機を製造する方法において、 回転子鉄心を構成する積層鋼板のうち、その軸方向両端
に位置した複数枚並びにこれの内側に位置した複数枚以
外の積層鋼板に、磁石配置用スロットに対応した形状の
第1の孔部を予め打ち抜き形成しておくと共に、上記軸
方向両端に位置した複数枚の積層鋼板に、ガイド部材収
納部に対応した形状の第2の孔部を予め予め打ち抜き形
成しておくことにより、前記磁石配置用スロットを前記
各孔部が形成されていない積層鋼板により閉鎖した状態
としておき、 前記第2の孔部により画定される前記ガイド部材収納部
内にガイド部材を収納した状態で導体材料のダイカスト
加工を行うことにより棒導体及び端絡環を形成する工程
と、 前記端絡環における前記ガイド部材と対応した位置に、
当該ガイド部材の外形に対応した形状若しくはこれより
大きい形状の磁石挿入用開口部を形成する工程と、 前記ダイカスト加工の実行に応じて前記ガイド部材内に
入り込んだ導体材料を除去する工程と、 磁石配置用スロットを閉鎖した状態の積層鋼板に、当該
磁石配置用スロットの内周形状に合わせた状態の孔部を
形成する工程と、 前記磁石配置用スロット内に前記磁石挿入用開口部及び
ガイド部材を通じて永久磁石を挿入する工程とを行うこ
とを特徴とする永久磁石電動機の製造方法。 - 【請求項8】 磁石配置用スロットの開口縁部に他の部
分より大形状のガイド部材収納部が形成され、ガイド部
材は、上記ガイド部材収納部に端絡環を形成するときの
導体材料を残置することにより形成された枠状のもので
あることを特徴とする請求項1または2記載の永久磁石
電動機。 - 【請求項9】 請求項8記載の永久磁石電動機を製造す
る方法において、 回転子鉄心を構成する積層鋼板のうち、その軸方向両端
に位置した複数枚並びにこれの内側に位置した複数枚以
外の積層鋼板に、磁石配置用スロットに対応した形状の
第1の孔部を予め打ち抜き形成しておくと共に、上記軸
方向両端に位置した複数枚の積層鋼板に、ガイド部材収
納部に対応した形状の第2の孔部を予め予め打ち抜き形
成しておくことにより、前記磁石配置用スロットを前記
各孔部が形成されていない積層鋼板により閉鎖した状態
としておき、 導体材料のダイカスト加工を行うことにより棒導体及び
端絡環を形成すると共に、前記第2の孔部内を上記導体
材料を充填した状態とする工程と、 前記端絡環における前記第2の孔部と対応した位置に、
当該第2の孔部の外形に対応した形状若しくはこれより
大きい形状の磁石挿入用開口部を形成する工程と、 前記ダイカスト加工の実行に応じて前記第2の孔部内に
充填された導体材料をガイド部材に相当した部分を残し
て除去することにより当該ガイド部材を形成する工程
と、 磁石配置用スロットを閉鎖した状態の積層鋼板に、当該
磁石配置用スロットの内周形状に合わせた状態の孔部を
形成する工程と、 前記磁石配置用スロット内に前記磁石挿入用開口部及び
ガイド部材を通じて永久磁石を挿入する工程とを行うこ
とを特徴とする永久磁石電動機の製造方法。 - 【請求項10】 磁石配置用スロットの開口縁部に他の
部分より大形状のガイド部材収納部が形成され、ガイド
部材は、上記ガイド部材収納部に端絡環とは別の部材と
して配置されると共に一端側が端絡環の端面から所定量
だけ突出した状態の長さ寸法に設定された枠状のもので
あることを特徴とする請求項1または2記載の永久磁石
電動機。 - 【請求項11】 請求項10記載の永久磁石電動機を製
造する方法において、 回転子鉄心を構成する積層鋼板のうち、その軸方向両端
に位置した複数枚以外の積層鋼板に、磁石配置用スロッ
トに対応した形状の第1の孔部を予め打ち抜き形成して
おくと共に、上記軸方向両端に位置した複数枚の積層鋼
板に、ガイド部材収納部に対応した形状の第2の孔部を
予め予め打ち抜き形成しておき、 前記第2の孔部により画定される前記ガイド部材収納部
内にガイド部材を収納した状態で導体材料のダイカスト
加工を行うことにより棒導体及び端絡環を形成すると共
に、そのガイド部材の一端側を端絡環の端面から所定量
だけ突出させた状態とする工程と、 前記磁石配置用スロット内に前記ガイド部材を通じて永
久磁石を挿入する工程とを行うことを特徴とする永久磁
石電動機の製造方法。 - 【請求項12】 端絡環に形成する磁石挿入用開口部の
内周面を磁石配置用スロットの内周面と面一な状態とす
ることによって当該端絡環をガイド部材として機能させ
ることを特徴とする請求項1または2記載の永久磁石電
動機。 - 【請求項13】 請求項12記載の永久磁石電動機を製
造する方法において、 回転子鉄心を構成する積層鋼板の全部に磁石配置用スロ
ットに対応した形状の孔部を予め打ち抜き形成してお
き、 前記孔部により画定される前記磁石配置用スロットの開
口部分を、当該開口部分及び磁石挿入用開口部に対応し
た形状の耐熱可溶性材料製のスペーサにより閉鎖する工
程と、 導体材料のダイカスト加工を行うことにより棒導体及び
端絡環を形成すると共に、前記スペーサを上記端絡環の
端面から外部に露出させた状態とする工程と、 前記スペーサを溶解させることにより前記端絡環に前記
磁石配置用スロットと連通した状態の前記磁石挿入用開
口部を形成する工程と、 前記磁石配置用スロット内に前記磁石挿入用開口部を通
じて永久磁石を挿入する工程とを行うことを特徴とする
永久磁石電動機の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11001871A JP2000209799A (ja) | 1999-01-07 | 1999-01-07 | 永久磁石電動機及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11001871A JP2000209799A (ja) | 1999-01-07 | 1999-01-07 | 永久磁石電動機及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000209799A true JP2000209799A (ja) | 2000-07-28 |
Family
ID=11513628
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11001871A Pending JP2000209799A (ja) | 1999-01-07 | 1999-01-07 | 永久磁石電動機及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000209799A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2006085440A1 (ja) * | 2005-02-09 | 2006-08-17 | Daikin Industries, Ltd. | コア及び回転子並びにモータ及び圧縮機 |
JP2007014053A (ja) * | 2005-06-28 | 2007-01-18 | Haruo Bando | モータの回転子及び回転子の製造方法 |
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KR101434326B1 (ko) | 2012-12-18 | 2014-08-29 | 전자부품연구원 | 유도 전동기의 회전자 모듈 및 이를 포함하는 유도 전동기와, 이를 제조하는 방법 |
CN108494133A (zh) * | 2018-06-07 | 2018-09-04 | 苏州贝得科技有限公司 | 一种新型电机转子结构 |
CN115274375A (zh) * | 2022-07-25 | 2022-11-01 | 东莞市博钺电子有限公司 | 保险丝灌封材料及其制备方法和应用 |
-
1999
- 1999-01-07 JP JP11001871A patent/JP2000209799A/ja active Pending
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