JP2000208026A - 電子放出素子 - Google Patents

電子放出素子

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JP2000208026A
JP2000208026A JP500499A JP500499A JP2000208026A JP 2000208026 A JP2000208026 A JP 2000208026A JP 500499 A JP500499 A JP 500499A JP 500499 A JP500499 A JP 500499A JP 2000208026 A JP2000208026 A JP 2000208026A
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cylinder
substance
carbon nanotubes
carbon
electron
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JP500499A
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Makoto Kitahata
真 北畠
Masahiro Deguchi
正洋 出口
Kunio Ito
邦夫 伊藤
Tooru Kuzumaki
徹 葛巻
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 テ゛ィスフ゜レーなどに応用可能な高効率電子放出素
子を提供すること。 【解決手段】 少なくともカーボンナノチューブ1を含
む物質を内側に配置した円筒3を用意し、円筒3を延伸
して、円筒内側2に配置された物質に含まれるカーボン
ナノチューブを一方向に配向させて電子放出素子を作成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自発光の平面テ゛ィス
フ゜レーとして期待されるフィールドエミッションテ゛ィスフ゜レ
ー、高周波・高パワー・雑音耐性真空マイクロエレクト
ロニクス素子等に応用可能な高効率のエミッタを実現可
能とする電子放出素子に関する。特に、大きな放出電流
が低電圧で制御可能な状態で得られる電子放出素子を実
現するカーボンナノチューブを利用した電子放出素子お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高精細な薄型ディスプレィ用の電
子線源や、高速動作が可能な微小真空デバイスのエミッ
ター部分として、従来の熱陰極電子銃に代わる、熱を必
要としない冷陰極電子源であるミクロンサイズの微小電
子放出素子が注目されている。
【0003】このような電子放出素子のタイプとしては
様々なものがあるが、電界放出型(FE型)、トンネル注
入型(MIM型、MIS型)、表面伝導型(SC型)などが知ら
れている。
【0004】FE型電子放出素子は、微細加工により形成
される電子放出突起部分とゲート電極により構成され
る。ゲート電極に電圧をかけて電子放出部分に電界を印
加し突起先端に集中させることにより、シリコン(Si)
やモリブデン(Mo)で作製されたコーン状の突起部分か
ら電子を放出させるものである。
【0005】またMIM型、MIS型素子は、金属、絶縁体
層、半導体層等の積層構造を形成することにより、金属
側よりアバランシェ等により注入された電子の一部を電
子放出部より外部に取り出すものである。
【0006】またSC型は、基板上に形成された薄膜の面
内方向に電流を流すことにより、予め形成された電子放
出部より電子を取り出すもので、一般的に薄膜の通電領
域中に存在する微細な亀裂部分より電子放出するもので
ある。
【0007】これらの素子構造は、微細加工技術を用い
ることによって小型化、集積化を図ることができるなど
の特徴を有したものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一般的に電子放出素子
の材料として要求される特性は、(1)比較的小さな電
界で電子を放出し易いこと、すなわちその物質の電子親
和力が小さいこと、(2)安定な電子放出特性を維持す
るために、エミッター部表面が化学的に安定なこと、
(3)耐摩耗性や耐熱性に優れていることなどがある。
【0009】そのような観点で従来技術をみた場合、FE
型素子又はSC型素子は放出電流量のエミッター部の微細
な形状依存性が大きく、その作製、制御が非常に困難で
あると共に、用いられている材料の表面安定性の点で課
題があった。またFE型の方式では、個々の素子は点の電
子放出源であり、面状の電子放出流を得ることは困難で
あった。
【0010】またMIM型・MIS型素子等のアバランシェ型
は、一般的に非常に大きな電流量が素子を流れる必要が
あるので素子の発熱が起こり、そのため電子放出特性が
不安定になったり素子寿命が短くなったりするといった
問題点があった。またアバランシェ型ではエミッター部
表面にセシウム層等を設けることによって電子放出部分
の仕事関数量を小さくしているが、セシウム等の仕事関
数が小さい材料は化学的に不安定であるため表面状態が
安定でない、すなわち電子放出特性が安定でないといっ
た問題点もあった。
【0011】以上のようにこれまで用いられてきた材料
および構造は、電子放出素子に要求される特性を十分に
満たすものではなかった。本発明で用いる、カーボンナ
ノチューブは最近発見された炭素系の新しい材料で、黒
鉛構造の基礎構造であるsp2炭素が結合した面状の炭素
結合構造をナノオーダで屈曲させ円筒状にした原子配列
を有し、カーボンナノチューブの端面から電子放出が起
こり易いことが報告されている。しかし、通常カーボン
ナノチューブはその端面の向いている方向を制御して形
成することが難しく、多数のカーボンナノチューブのそ
れぞれの端面の向いている方向を配向させて形成するこ
とは出来なかった。それぞれのカーボンナノチューブの
端面が任意の方向を向いている多数のカーボンナノチュ
ーブの束に電界を印可して、それぞれのカーボンナノチ
ューブの端面から電子放出させると、それぞれのカーボ
ンナノチューブの端面から様々な方向に電子が放出され
任意の方向を有する放出電子の集まりとなり、カーボン
ナノチューブの束からの放出電子流は拡がりを有する。
つまり、図2に示す従来のカーボンナノチューブの電子
放出素子5の表面6の拡大図のようにそれぞれが互いに
任意の方向を向いた多数のナノチューブ4に電界を印可
すると、それぞれのカーボンナノチューブの端面7から
任意の方向にフィールドエミッション電子8が放出さ
れ、カーボンナノチューブ4の束からの放出電子流9は
拡がりを有する。電子流9の拡がりは応用する場合に電
子流の制御に問題を生じ、特にテ゛ィスフ゜レーなどへの応用に
は問題があった。
【0012】本発明は、従来技術における前記課題を解
決するため、少なくともカーボンナノチューブを含む物
質を内側に配置した円筒を用意し、前記円筒を延伸し
て、円筒内側に配置された物質に含まれるカーボンナノ
チューブを一方向に配向させることにより、高効率の電
子放出素子を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る電子放出素子の構成は、少なくともカ
ーボンナノチューブを含む物質を内側に配置した円筒を
用意し、前記円筒を延伸して、円筒内側に配置された物
質に含まれるカーボンナノチューブを一方向に配向させ
ることを特徴とする。
【0014】上記構成において、少なくともカーボンナ
ノチューブを含む物質を内側に配置した円筒が金属によ
り構成されると好ましい。この場合、少なくともカーボ
ンナノチューブを含む物質を内側に配置した円筒を構成
する金属が、例えば銅、銀、金、白金、アルミニウム等
の炭化物を形成しない金属又はこれらの合金により構成
されると更に好ましい。
【0015】上記構成において、円筒の内側に配置され
た物質が1ppm以上のカーボンナノチューブを含むと好
ましい。この場合、円筒の内側に配置された物質がカー
ボンナノチューブを含む炭素系物質で構成されていると
好ましい。さらに、円筒の内側に配置されたカーボンナ
ノチューブを含む炭素系物質が、黒鉛・フラーレン・ナ
ノチューブ・ダイヤモンドから選ばれる物質又はそれら
の混合物で構成されていると好ましい。
【0016】また、円筒の内側に配置された物質がカー
ボンナノチューブを含む炭化物又は炭化物と炭素系物質
の混合物で構成されている場合も好ましい。この場合、
円筒の内側に配置されたカーボンナノチューブを含む炭
化物が、タングステン・モリブデン・クロム・タンタル
・ニオブ・バナジウム・ジルコニウム・チタン・ニッケ
ル・ボロン・窒素・シリコンから選ばれる物質の炭化物
又はそれらの炭化物の混合物で構成されていると更に好
ましい。
【0017】また、円筒の内側に配置された物質がカー
ボンナノチューブを含む例えば銅、銀、金、白金、アル
ミニウム等の炭化物を形成しない金属物質、又は炭化物
又は炭素系物質の又はそれらの混合物で構成されている
と好ましい。
【0018】上記構成において、少なくともカーボンナ
ノチューブを含む物質を内側に配置した円筒を延伸し、
円筒内側に配置された物質に含まれるカーボンナノチュ
ーブを一方向に配向させ、カーボンナノチューブの端面
に垂直なナノチューブ長手方向と上記円筒の端面に垂直
な円筒長手方向とのなす角の平均値が、30度以下であ
ると好ましい。
【0019】本発明に係る形成方法は、少なくともカー
ボンナノチューブを含む物質を内側に配置した円筒を用
意し、上記用意した円筒の内径が1/10以下になるように
延伸して、円筒内側に配置された物質に含まれるカーボ
ンナノチューブを一方向に配向させることを特徴とす
る。この電子放出素子の製造方法により、上記電子放出
素子が実現可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1に本発明に係る電子放出素子
の概念図を示す。
【0021】図1(a)の様に少なくともカーボンナノチ
ューブを含む物質1を内側2に配置した円筒3を用意す
る。通常カーボンナノチューブは黒鉛の柱状物質の外壁
に成長した形で得られるが、上記黒鉛の柱状物質をその
まま、上記円筒3の内側2に充填し配置しても良いし、
柱状物質から (1)エタノール中で柱状物質に超音波照射し、その上澄
み液を回収・乾燥させる、(2)上記(1)で得たカーボンナ
ノチューブを含む物質について、分散剤を加えた水中で
超音波均質化処理、遠心分離を施し、その上澄み液を回
収・乾燥させる、などして、カーボンナノチューブを精
製してそれを充填しても良い。
【0022】カーボンナノチューブは炭素原子からなる
六員環が筒状に配した中空構造をとり、先端はそれぞれ
六個の五員環が入ることにより閉じた構造を持つ。通常
カーボンナノチューブは同軸多層(入れ子)構造をとり、
多くの場合、各々の層は螺旋構造を持っている。カーボ
ンナノチューブは通常端面の直径が約1〜50nm、ナノチ
ューブ長手方向の長さが0.5〜3μm程度の大きさを有
し、円筒3の内側2に非常に多数充填され配置される。
【0023】また、上記精製前・精製後のカーボンナノ
チューブを含む物質1と黒鉛粒、粉末、金属炭化物粉末
等を混合して、上記円筒3の内側2に配置しても良い。
このようにして円筒3の内側2に充填され配置された多
数のカーボンナノチューブ4は、それぞれナノチューブ
4の長手方向に相関が無く、図2に示す電子放出素子5
の表面6の拡大図のようにそれぞれが互いに任意の方向
を向いている。
【0024】本発明においては、このようにカーボンナ
ノチューブを内側に含む円筒3を図1(b)の様に延伸し
て、全体を細く延ばす。延伸の過程で、円筒3の内側2
に配置されたカーボンナノチューブを含む物質1は細く
延ばされて、中に含まれているカーボンナノチューブ4
の長手方向は、延伸されて長く延ばされる円筒の長手方
向に徐々にそろってゆき、円筒3の内側2に配置された
物質1に含まれるカーボンナノチューブ4を一方向に配
向させることができる。
【0025】このようにして図1(a)の円筒3を延伸す
ることにより任意の方向を向いていたカーボンナノチュ
ーブ4の方向が揃ってゆき、上記用意した円筒3の内径
が1/10以下になるように延伸した場合、円筒3の内側2
に配置された物質1に含まれるカーボンナノチューブ4
は一方向に配向され、カーボンナノチューブの端面7に
垂直なナノチューブ長手方向と上記円筒3の端面10に
垂直な円筒3の長手方向とのなす角の平均値が、30度
以下となる。
【0026】この電子放出素子の製造方法により、電界
放射電子の方向が揃い電子流の拡がりが十分に小さい応
用に有利な電子放出素子が実現可能となる。
【0027】上記構成において、少なくともカーボンナ
ノチューブを含む物質1を内側2に配置した円筒3が金
属により構成されると、延伸してカーボンナノチューブ
の方向をそろえて配向させることが容易となり好まし
い。この場合、少なくともカーボンナノチューブを含む
物質を内側に配置した円筒を構成する金属が、例えば
銅、銀、金、白金、アルミニウム等の炭化物を形成しな
い金属又はこれらの合金により構成されると、延伸の過
程で円筒の内側に配置したカーボンナノチューブと円筒
の物質が反応を起こしてカーボンナノチューブが変質又
は分解して消滅することを防げるため更に好ましい。
【0028】上記構成において、円筒3の内側2に配置
された物質が1ppm以上のカーボンナノチューブ4を含
むと、延伸された少なくともカーボンナノチューブを含
む物質1を内側2に配置した円筒3を任意の位置で切断
した場合に、円筒の切断面10にカーボンナノチューブ
4がカーボンナノチューブの端面7を露出させて存在
し、電界印加により上記ナノチューブの端面7から効率
的に電子放出し好ましい。
【0029】この場合、円筒3の内側2に配置された物
質1がカーボンナノチューブを含む炭素系物質で構成さ
れていると、延伸の過程でカーボンナノチューブが他の
物質と反応して、カーボンナノチューブが変質又は分解
して消滅することを防げるため好ましい。
【0030】さらにこの場合、円筒の内側に配置された
カーボンナノチューブを含む炭素系物質が、黒鉛・フラ
ーレン・ナノチューブ・ダイヤモンドから選ばれる物質
又はそれらの混合物で構成されていると、上記反応が殆
ど起こらず更に好ましい。
【0031】また、円筒3の内側2に配置された物質1
がカーボンナノチューブを含む炭化物又は炭化物と炭素
系物質の混合物で構成されている場合も、カーボンナノ
チューブが安定な炭化物と反応せず、延伸の過程でカー
ボンナノチューブが他の物質と反応して、カーボンナノ
チューブが変質又は分解して消滅することを防げるため
好ましい。
【0032】この場合、円筒の内側に配置されたカーボ
ンナノチューブを含む炭化物が、タングステン・モリブ
デン・クロム・タンタル・ニオブ・バナジウム・ジルコ
ニウム・チタン・ニッケル・ボロン・窒素・シリコンか
ら選ばれる物質の炭化物又はそれらの炭化物の混合物で
構成されていると、上記物質の炭化物が非常に安定であ
り、延伸の過程でカーボンナノチューブが他の物質と反
応して、カーボンナノチューブが変質又は分解して消滅
することを防げるため更に好ましい。
【0033】また、円筒の内側に配置された物質がカー
ボンナノチューブを含む例えば銅、銀、金、白金、アル
ミニウム等の炭化物を形成しない金属物質、又は上記炭
化物又は上記炭素系物質又はそれらの混合物で構成され
ていると、延伸の過程でカーボンナノチューブが他の上
記物質と反応して、カーボンナノチューブが変質又は分
解して消滅することを防げるため好ましい。
【0034】
【実施例】(実施例1)図1を用いて、本発明の第一の
実施例を説明する。
【0035】まず、Heガス(40Torr)雰囲気中で炭素棒(9
9.999%)を直流アーク放(25V,300A)させることにより、
陰極側に筒状の堆積物を形成させた。
【0036】カーボンナノチューブは通常、上記筒状の
堆積物内部の柱状に成長した組織の表面に多数生成して
いることからこの組織のみを回収し、一本ずつバラバラ
にほぐした。これをエタノールに浸漬し、超音波を照射
することによって生じる上澄み液を回収した。この溶液
を乾燥させてカーボンナノチューブを40〜60vol%程度含
む炭素物質を得た。
【0037】上記、(a)柱状組織のみを乳鉢で粉体化し
たもの(カーボンナノチューブの含有量5〜10%)、(b)上
澄み液から得たカーボンナノチューブ含有物質とC60粉
末(純度99.95%、粒径0.1μm)、(c)Al粉末(純度99.8%、
粒径0.1μm)とをそれぞれカーボンナノチューブの含有
量が40vol%-50vol%となるように秤量し、乳鉢で混合し
た。これらの試料を直径6mm(肉厚:0.5mm)の銀の円筒に
充填し、両端をゴム栓で封じた。
【0038】カーボンナノチューブを含む物質 (a)カーボンナノチューブを含む炭素系物質主に黒鉛 (b)カーボンナノチューブを含む炭素系物質主にフラー
レン (c)カーボンナノチューブを含むAl金属 を充填した銀の円筒を第一段階で直径1mmに線引き加工
する。この線材七本を束ね、他の銀の円筒に充填しさら
に線引き加工を行い、最終的に直径0.1mmの線材を得
た。この段階でカーボンナノチューブを含む物質の線径
はそれぞれ10μm程度である。
【0039】このようにして形成された、配向したカー
ボンナノチューブ4を含む物質1が内側2に配置された
円筒3を切断し切断面10を露出させると、切断面10
に対してカーボンナノチューブ4の長手方向が垂直に近
くなるように配向していた。上記(a),(b),(c)の異なる
混合物に対して同様に、上記のごとく切断面10に対し
てカーボンナノチューブ4の長手方向が垂直に近くなる
ように配向していた。
【0040】この切断された円筒3を真空容器11内に
図3の様に設置し、円筒3の切断面10に対抗して表面
に蛍光体12を塗布し導電膜13をもうけ電極としたガ
ラス板14を設置した。上記円筒3と電極13の間に電
極が正となる電圧を印加すると、カーボンナノチューブ
端面7が露出している円筒端面10に対して垂直な方向
に傾きを持った電界がかかり、カーボンナノチューブ端
面7から電子放出が観測された。放出電子流9は、ほと
んど広がりを持たず直進して、蛍光体12を微細な輝点
スポット15として発光させた。この場合、上記円筒の
端面10と正の電圧が印可された電極13との間の距離
を1mmとし、円筒端面10と電極13の間に2kVの電圧を
かけることにより、0.1mAのフィールドエミッション電
流が観測された。
【0041】本実施例においては、円筒3の内側2に配
置された物質が40-50 vol%のカーボンナノチューブを含
む場合について述べたが、1ppm以上のカーボンナノチ
ューブ4を含めば、延伸された少なくともカーボンナノ
チューブを含む物質1を内側2に配置した円筒3を任意
の位置で切断した場合に、円筒の切断面10にカーボン
ナノチューブ4がカーボンナノチューブの端面7を露出
させて十分な量存在し、電界印加により上記ナノチュー
ブの端面7から効率的に電子放出する事を確認した。ま
た、円筒の内側に配置されるカーボンナノチューブを含
む物質として、炭素系物質、フラーレン、Alについての
み述べたが、他の黒鉛・フラーレン・ナノチューブ・ダ
イヤモンド等の炭素系材料・タングステン・モリブデン
・クロム・タンタル・ニオブ・バナジウム・ジルコニウ
ム・チタン・ニッケル・ボロン・窒素・シリコン等の物
質の炭化物・銅、銀、金、白金、アルミニウム等の炭化
物を形成しない金属物質、またはこれらの混合物でも良
いことを確認した。
【0042】本実施例においては、円筒材料として銀の
場合を述べたが、銀以外の銅、金、白金、アルミニウム
等の炭化物を形成しない金属物質を用いても良いことを
確認した。
【0043】また、本実施例においては、10μm/5mmま
で延伸した試料について述べたが、カーボンナノチュー
ブの端面に垂直なナノチューブ長手方向と上記円筒の端
面に垂直な円筒長手方向とのなす角の平均値が、30度
以下であれば上記フィールドエミッション電流が拡がり
が無視できる状態で観測される。この場合、上記用意し
た延伸前の円筒を、内径が1/10以下になるように延伸し
て、円筒内側に配置された物質に含まれるカーボンナノ
チューブを一方向に配向させれば、カーボンナノチュー
ブの端面に垂直なナノチューブ長手方向と上記円筒の端
面に垂直な円筒長手方向とのなす角の平均値が、30度
以下となることも確認した。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
円筒内部に配置されたカーボンナノチューブが一方向に
配向されるため、極めて電子放出特性が大きい素子を提
供することができる。
【0045】また、この素子自体が円筒で形成されてい
るので、加工が容易であり、例えば一列に並べたり、2
次元的に精密に配置することができ、ディスプレイ等へ
の応用すれば、従来よりも消費電力が少なくかつ薄型の
ものが作成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子放出素子の構造及び形成方法概念
図 (a)カーボンナノチューブを含む物質を内側に配置した
円筒を示す図 (b)延伸された円筒を示す図
【図2】従来のカーボンナノチューブ電子放出素子(図
1(a)の端面)を示す図
【図3】本発明の電子放出素子の応用例の概念図
【符号の説明】
1 カーボンナノチューブを含む物質 2 円筒の内側 3 円筒 4 カーボンナノチューブ 5 電子放出素子 6 電子放出素子の表面(端面) 7 カーボンナノチューブの端面 8 フィールドエミッション電子 9 電界放出電子流 10 円筒端面 11 真空容器 12 蛍光体 13 導電膜電極 14 ガラス板 15 輝点スポット
フロントページの続き (72)発明者 葛巻 徹 神奈川県川崎市麻生区金程1−11−5− 201 Fターム(参考) 4G046 CB08

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともカーボンナノチューブを含む
    物質を内側に配置した円筒を用意し、前記円筒を延伸し
    て、円筒内側に配置された物質に含まれるカーボンナノ
    チューブを一方向に配向させたことを特徴とする電子放
    出素子。
  2. 【請求項2】 少なくともカーボンナノチューブを含む
    物質を内側に配置した円筒が金属により構成されること
    を特徴とする請求項1に記載の電子放出素子。
  3. 【請求項3】 少なくともカーボンナノチューブを含む
    物質を内側に配置した円筒を構成する金属が、例えば
    銅、銀、金、白金、アルミニウム等の炭化物を形成しな
    い金属又はこれらの合金により構成されることを特徴と
    する、請求項2に記載の電子放出素子。
  4. 【請求項4】 円筒の内側に配置された物質が1ppm以
    上のカーボンナノチューブを含むことを特徴とする請求
    項1に記載の電子放出素子。
  5. 【請求項5】 円筒の内側に配置された物質がカーボン
    ナノチューブを含む炭素系物質で構成されていることを
    特徴とする請求項4に記載の電子放出素子。
  6. 【請求項6】 円筒の内側に配置されたカーボンナノチ
    ューブを含む炭素系物質が、黒鉛・フラーレン・ナノチ
    ューブ・ダイヤモンドから選ばれる物質又はそれらの混
    合物で構成されていることを特徴とする請求項5に記載
    の電子放出素子。
  7. 【請求項7】 円筒の内側に配置された物質がカーボン
    ナノチューブを含む炭化物又は炭化物と炭素系物質の混
    合物で構成されていることを特徴とする請求項4に記載
    の電子放出素子。
  8. 【請求項8】 円筒の内側に配置されたカーボンナノチ
    ューブを含む炭化物が、タングステン・モリブデン・ク
    ロム・タンタル・ニオブ・バナジウム・ジルコニウム・
    チタン・ニッケル・ボロン・窒素・シリコンから選ばれ
    る物質の炭化物又はそれらの炭化物の混合物で構成され
    ていることを特徴とする請求項7に記載の電子放出素
    子。
  9. 【請求項9】 円筒の内側に配置された物質がカーボン
    ナノチューブを含む例えば銅、銀、金、白金、アルミニ
    ウム等の炭化物を形成しない金属物質、又は炭化物又は
    炭素系物質又はそれらの混合物で構成されていることを
    特徴とする請求項4に記載の電子放出素子。
  10. 【請求項10】 少なくともカーボンナノチューブを含
    む物質を内側に配置した円筒を延伸し、円筒内側に配置
    された物質に含まれるカーボンナノチューブを一方向に
    配向させ、カーボンナノチューブの長手方向と上記円筒
    の長手方向とのなす角の平均値が、30度以下であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子。
  11. 【請求項11】 少なくともカーボンナノチューブを含
    む物質を内側に配置した円筒を用意し、上記用意した円
    筒の内径が1/10以下になるように延伸して、円筒内側に
    配置された物質に含まれるカーボンナノチューブを一方
    向に配向させることを特徴とする電子放出素子の製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100343937C (zh) * 2003-11-19 2007-10-17 佳能株式会社 用于对准针状物的方法以及对准单元
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JP2012214303A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Orc Manufacturing Co Ltd 高密度炭素繊維充填バルク

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