JP2000206426A - 空間光変調素子 - Google Patents

空間光変調素子

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JP2000206426A
JP2000206426A JP11009170A JP917099A JP2000206426A JP 2000206426 A JP2000206426 A JP 2000206426A JP 11009170 A JP11009170 A JP 11009170A JP 917099 A JP917099 A JP 917099A JP 2000206426 A JP2000206426 A JP 2000206426A
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yoke
unit
elastic
post
total reflection
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JP11009170A
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Shunji Uejima
俊司 上島
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エバネッセント光を利用した光スイッチング素
子などの空間光変調素子で、低駆動電圧でかつ高速なス
イッチング可能な空間光変調素子を提供する。 【解決手段】光スイッチング部33を駆動するための駆
動部34の第1のポスト8に固定されたヨーク3が上下
に変位した際に、ヨーク3に新たに接する第2のポスト
6を設けヨーク3撓んだ状態で蓄積される弾性力を大き
くする事で、ヨーク3が撓まない状態の弾性係数と撓ん
だ状態の弾性係数を変化させ、低駆動電圧で駆動を始
め、静電力が十分大きくなった時点で新たな弾性係数が
加わる事で、ヨーク3に大きな弾性力を蓄積し、高速ス
イッチングが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信、光演算、
光プリンター、画像表示等に用いる空間光変調素子のス
イッチングに用いる弾性構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】空間光変調素子として近年半導体プロセ
スにより製造されるマイクロマシンでの開発が盛んに行
なわれ始めている。その空間光変調素子に用いる動力源
であるアクチェータは、ピエゾアクチェータ、静電力ア
クチェータ、電磁力アクチェータによるものが多く、そ
の動力エネルギーに電力を用い、電力を印可しないオフ
の状態から、電力を与えアクチェータを駆動し空間光変
調素子を動作させるオンの状態に移行させるものであ
る。ここで、オフの状態からオンの状態に移行する場合
には、エネルギー源である電力を印可する事により、そ
れぞれの動力源であるアクチェータの変形、静電力、電
磁力などでの駆動力を得ていた。そのため、スイッチン
グのスピードを向上させる手段としては、印可電力を高
電圧で、高スループットでアクチェータ部に供給する方
法が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、空間光変調素
子に電力を供給した、オンの状態から電力を遮断したオ
フの状態に切り替えた際のスイッチングスピードは、そ
れぞれのアクチェータのもつ弾性機構によりオフの状態
に変形する力に依存しており、その変形に要する時間
は、それぞれのアクチェータに用いられた弾性材料の弾
性係数により、大きく支配されている。このオンの状態
からオフの状態に移行させるスイッチング時間を短縮す
る手段としては、用いるアクチェータの弾性係数を大き
くする事により、対応が可能であるが、弾性係数が大き
いアクチェータを用いた場合にはオフの状態からオンの
状態に変形させるための駆動力に相応の力が必要とな
る。このように弾性力と駆動力を組み合わせてスイッチ
ング部を駆動する空間光変調素子においては、できるだ
け低い駆動電圧で安定した動作を行なわせる事が重要な
課題であり、本出願人が開発中の光を全反射して伝達可
能な導光部の全反射面に対しスイッチング部の抽出面を
接触させてエバネッセント光を抽出し、光スイッチング
部の1波長程度あるいはそれ以下の微小な動きによって
光スイッチングを行なう空間光変調素子においても、同
様な課題がある。このエバネッセント光を利用した光ス
イッチング素子は、スイッチング部を支持する弾性材の
薄膜と、全反射面に対峙した位置にある抽出面の位置を
静電力で変位させるための電極とを備えた駆動部によっ
て構成されている。駆動部により導光部の全反射面にス
イッチング部の抽出面が略接触した状態になると光を抽
出して出射する事ができ、また、全反射面から抽出面を
離すと光は抽出されないので光は出射されない。このよ
うに、エバネッセント波を利用した光スイッチング素子
は、全反射面に対し抽出面の位置を微小距離移動する事
により入射光を変調することができるので、高速動作が
可能な空間光変調素子の一つとして実現化に向けて開発
が進められている。
【0004】スイッチング部が光をオンオフするために
移動する距離をd、駆動電圧をVdとすると、その過程
で作用する弾性力Fgと静電力Fsは次のように表すこ
とができる。
【0005】 Fg= K × x ・ ・ ・ (1) Fs= C × Vd/(d−x) ・ ・ ・ (2) ここでxはスイッチング部の移動距離であり、Kは支持
部材の弾性係数、Cは電極の面積および誘電率などを加
味した定数である。スイッチング部の移動位置は、弾性
力Fgと静電力Fsがつりあった安定位置となるので、
駆動電圧Vdを下げるためには弾性力Fgを下げ、また
移動距離dを短くする事が望ましい。しかしながら弾性
係数Kを下げると弾性力での移動速度が低下して応答速
度が遅くなる。また、移動距離xを短くするとオンオフ
のコントラストが得られにくくなる。したがって、駆動
電圧Vdを下げる事が難しい。さらに、弾性力Fgと静
電力Fsがつりあった安定位置でオンオフを行なうと、
スイッチング部の姿勢が安定しない可能性があり、光の
変調能力が劣化する。例えば、エバネッセント波を利用
したスイッチング素子では全反射面と抽出面との間に微
妙な隙間が生じ、抽出できる光の量が減少する事が考え
られる。
【0006】そこで、本発明においては、移動距離dあ
るいは駆動電圧Vdを一定に保った条件で弾性係数Kを
変化させる事により、最小限の駆動電圧を加えた条件
で、充分に大きい光のコントラストが得られると共に高
速にスイッチングできる空間光変調素子を提供する事を
目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らが上述したよ
うな平面的な電極間に生ずる静電力と可動電極である弾
性材要素を備えた光スイッチング素子の動作を研究した
ところ、静電力で光スイッチング素子を移動させる場合
においては、上述の(2)式で示された静電力Fsの式
に駆動電圧Vdおよび電極の面積、スイッチング部の移
動距離dを固定値として与えた場合、スイッチング部の
移動距離xの2乗に比例した静電力が得られる事が解
る。一方、弾性力Fgは上述の(1)式で示される通
り、スイッチング部の移動距離xに比例している事か
ら、移動距離xが大きくなるにしたがって、静電力Fs
は大きく弾性力Fgを上回る状態となる。そこで、本発
明では、静電力Fsが弾性力Fgを充分に大きく上回っ
た時点で、新たな弾性力Fgaを発生させる弾性構造を
設け、スイッチング部に非線形な弾性力を持たせた構造
とした事を特徴とした物である。
【0008】具体的な構造を本発明者が出願中の空間光
変調素子の例をもって説明する。空間光変調素子は、入
射した光を全反射する全反射面を備えた導光部と、全反
射面から露出したエバネッセント光を抽出するための抽
出面を備えた光スイッチング素子と、光スイッチング素
子を支持するヨーク(ベース電極)と、光スイッチング
素子に設けられたベース電極と、移動可能なベース電極
に対峙した位置に備えられ、固定されたアドレス電極
と、アドレス電極とベース電極に駆動電圧を印可するた
めの駆動回路、固定されたベースにヨークを固定するた
めの第1のポストと、ヨークの弾性力を変化させるため
の第2のポストから構成されている。
【0009】次に動作について説明する。空間光変調素
子では駆動回路から電荷がアドレス電極に供給されない
状態では、ヨークに支持されたスイッチング部は電極間
に生ずる静電力Fsがゼロとなり、スイッチング部は移
動せずヨークに支持された状態で停止しているため、光
スイッチング部は導光部に接触しない状態であり(第1
の状態)、入射した光は導光部の全反射面で全反射しエ
バネッセント光は抽出されない。ここで駆動回路からア
ドレス電極及びヨーク(ベース電極)の電極間に電圧を
印加する事によりアドレス電極と光駆動部に設けられた
ヨーク(ベース電極)間に電位差が生じ、(2)式に添
った静電力Fsが発生する。この静電力Fsによりヨー
クに支持されたヨーク(ベース電極)はアドレス電極側
に引き寄せられ、光スイッチング部の移動距離xの2乗
に比例した静電力が弾性材で作られたヨーク(ベース電
極)に蓄積される。この時ヨークに蓄積された弾性力F
gが駆動回路によって与えられた静電力Fsより充分小
さくなった時点で、ヨークは第2のポストに接触した状
態(第2の状態)となる。第2の状態では、ヨークは第
1のポストと第2のポストの2個所により支持される事
から弾性力はFgに加え新たに第2のポストとヨーク間
に発生する第2の弾性力(Fga)が加算される。しか
し駆動部の静電力Fsは弾性力Fgと第2の弾性力Fgaを加
算した弾性力の和より大きい事から、更にヨーク(ベー
ス電極)はアドレス電極側に引き寄せられ、スイッチン
グ部の移動距離xは大きくなり、弾性力の和は更に増大
した状態(第3の状態)になる。
【0010】このように、ヨークを支えるポストを複数
設け、弾性体であるヨークが、撓んだ状態と、撓まない
状態でヨークが接するポストの数が変わる事により、平
面状に設けられたヨークの弾性係数を変化させる事が実
現でき、この空間光変調素子では、第2の状態から第3
の状態と、第1の状態から第2の状態では弾性体のもつ
弾性係数が変化する事になる。
【0011】ここで、第3の空間光変調素子の動作状態
について説明すると、スイッチング部は導光部に衝突す
る事により位置が固定される。導光部に入射した光は全
反射に照射され、全反射面で露出したエバネッセント光
が光スイッチング部に設けられた抽出面で抽出され、光
スイッチング部内の全反射面で反射し導光部にほぼ垂直
な角度で入射し、導光部から出射され光スイッチングが
行われる。この状態がオンの状態で、画像表示装置に使
用した際には画素が点灯した状態になる。次に、光スイ
ッチングがオン状態(第3の状態)からオフの状態(第
1の状態)に切り変わる状態について説明する。第3の
状態ではアドレス電極とヨーク(ベース電極)間に駆動
回路より電圧が印加され電荷が貯えられている。この印
加電圧を解除する事により、電極間に働いた静電力Fs
はゼロになり、スイッチング部には静電力Fsの方向と
逆方向に貯えられた、第1のポストヨーク間に発生する
弾性力と第2のポストヨーク間に発生する弾性力Fga
が作用しており、ヨーク(ベース電極)には導光部と離
れる方向に弾性力が働き、第3の状態から第2の状態で
ある、ヨークが第2のポストから離れる瞬間までは、F
gに加えFgaの力で第2の状態に復元する。第2の状
態から第1の状態にはヨークと第1のポストに固定され
た第1のヨーク間に働くFgにより第1の状態にスイッ
チング部は移動する。この時、スイッチング部に働く弾
性力Fgaは、スイッチング部を第3の状態からすばや
く第2の状態に移動させるための加速装置の役割を担
う。更に、スイッチング部が第3の状態から第2の状態
に移動した瞬間には弾性力Fgaはスイッチング部に加速
度としてスイッチング部にエネルギーを与え第2の状態
から第1の状態により速く移動させる事に寄与してい
る。
【0012】このように、ヨーク(ベース電極)を支持
するポストを第1のポストと、第1のポストと高さを変
えて第2のポストをヨークの移動空間中に配置する事に
より、弾性体であるヨークの弾性係数が変化した状態を
作り出す事が可能となる。このような構造を用いる事に
より、電極間に印可する電圧を高くしたり、電極面積を
広くしなくても、高速なスイッチング可能な空間光変調
素子を実現できるものである。
【0013】また、第1のポストに支持されたヨーク
(ベース電極)の、可動方向(アドレス電極)に突起形
状を設け、ヨークが変位し一定の変位量を越えた時点で
周囲の構造物に、突起形状が接する構造にする事によ
り、前記突起形状が周囲の構造物に接した時点で、ヨー
クに新たな支点が加わった事となり、ヨークの弾性係数
は大きくなる方向に変化する。よって、上述の第2のポ
ストを配置した場合と同様の効果をもった空間光変調素
子を実現できる。
【0014】更に、板ばねの弾性係数は有効ばね長さの
3乗に反比例する事から、ヨークを固定する第1のポス
トによって与えられるばねの有効長に比べ、第2のポス
トによって与えられるばねの有効長を短くする事で、第
1のポストとヨーク間(ベース電極)間で生ずる弾性係
数に比べ、第2のポストとヨーク間で生ずる弾性係数
が、著しく大きくなる事から、第2のポストによってヨ
ークに生ずる撓み量が少ない構造であっても、大きな弾
性力を貯える事が可能となる。一方、第2のポストにヨ
ークが接しない状態では、第1のポストとヨーク間のみ
に発生する弾性力のみが有効となる事から、アドレス電
極とヨーク間に生ずる微弱な静電力で有効にスイッチン
グ部を移動させる事が可能となり、高速な光スイッチン
グを実現できる。
【0015】また、ヨークを支える第2のポストの表面
に導体材料である金属やポリシリコン、ダイヤモンドな
どの層を設けると共に、駆動回路と第2ポストに設けた
導体材料を接続し、第3の状態から第2の状態に移行する
際、駆動回路においてヨーク(ベース電極)の電荷を放
出するスイッチ回路を設け制御する事により、ベース電
極とアドレス電極間に働いた静電力Fsは急峻にゼロに
近づける事が可能となり、より高速なスイッチングを実
現できる。また、この導体材料を設ける事でヨークに蓄
積された電荷の放出が可能となり、多数回のスイッチン
グにより蓄積されるヨークへのチャージ現象を防ぐ事に
寄与し、結果として、ヨークの第2のポスト及び空間光
変調素子構成部材への貼りつき防止に有効である。
【0016】また、光スイッチング部を樹脂、ゴム、ゾ
ル、ゲルなどの弾性材を用いて形成する事により、空間
光変調素子がオンの状態である、導光部に光スイッチン
グ部が駆動部の力により押し付けられた状態では、弾性
材で形成されたスイッチング部が、変形する事により弾
性エネルギーが蓄積され、駆動部での導光部に近づける
方向の駆動力が解除された時点で、スイッチング部の弾
性材に貯えられたエネルギーが導光部からスイッチング
部が離れる方向に運動エネルギーとなって作用し、空間
光変調素子の高速スイッチングに寄与する。
【0017】以上の空間光スイッチング素子の製造方法
に当たっては、フォトリソグラフィ工程及び、本発明人
が出願中の「マイクロマシン及びマイクロマシンの製造
方法及び空間光変調装置及び空間光変調装置の製造方
法」(特願平10−291218)と同様な手法により
製造が可能である。
【0018】上述のような弾性構造を有した空間光変調
素子を用いる事により、高速な光スイッチングが可能と
なり、この空間光変調素子で画像表示装置を構成する事
により、パルス幅変調での階調表現や、カラーホイール
などの数種類の色光線を時間空間的に重ね合わせて、画
像を表現する場合においても色フリッカーのない目に優
しい画像表示装置を提供する事が可能となる。更に、高
速な光スイッチングが可能となる事で、空間光変調素子
に入射する光源を時間的に有効に活用できる事となり、
結果として明るい画像を得る事が可能となるために低パ
ワーな光源で明るい画像を表示すると言った省エネルギ
ーにも貢献できるものである。
【0019】
【発明の実施の形態】〔 実施の形態1〕図1をもって
本発明における空間光変調素子にヨークを支えるための
第2のポストを設けた構成について説明する。以下図1
の構成について説明する。31は光信号を変調するため
の空間光変調素子をアレイ状に備えた画像表示装置、3
0a、30b、30cは制御部、駆動部、スイッチング
部、導光部から構成された空間光変調素子で、30aは
空間光変調素子がオフの状態、30bは空間光変調素子
がオフからオンまたは、オンからオフの状態に移行する
中間状態、30cは空間光変調素子がオンの状態、32
は変調する光線を入射あるいは出射する導光部、33は
駆動部の動きにより導光部32とマイクロプリズムの距
離を変化させ光スイッチ動作を行なうためのスイッチン
グ部、34は制御部の信号によりスイッチング部33を
移動させるための物理的エネルギーを発生させる駆動
部、35は駆動部34に供給する電気エネルギーを制御
する制御部である。次に更に各部位の構成を詳細に説明
する。導光部32は空間光変調素子30a、30b、3
0cで変調するための光線が入射した入射光20、及
び、スイッチングされ出射する光線である出射光22及
び、入射光20がスイッチングされずに全反射面で反射
した反射光21が通過するため、光透過率の高い石英ガ
ラスで形成され、本空間光変調素子で利用するエバネッ
セント光が露出する全反射面23を備えている。スイッ
チング部33は、導光部32の全反射面23から露出し
たエバッネセント光を抽出するための抽出面24を備え
たマイクロプリズム26と、抽出したエバネッセント光
を反射し、光スイッチングするための反射面25と、マ
イクロプリズム26に駆動部の物理的変位エネルギーを
伝達するための支持部27から構成されている。駆動部
34は、制御部35の電気信号を静電力によりスイッチ
ング部33を導光部32に移動させるための第2のアド
レス電極2と、スイッチング部33を導光部32から離
れる方向に静電力を発生させるための第1のアドレス電
極9と第1のアドレス電極9とヨーク3が短絡する事を
防止する為の絶縁膜10と、第1のアドレス電極9およ
び第2のアドレス電極2の間に位置し静電力により可動
するヨーク3とヨーク3を支持するための第1のポスト
8とヨーク3に接する事により、ヨーク3の弾性係数を
変化させるための第2のポスト6a,6bから構成されて
いる。制御部35は駆動部34に電気信号を供給するた
めの制御回路と、駆動部34を支持固定するためのベー
ス5から構成されている。
【0020】次に動作について説明する。空間光変調素
子30aでは導光部32に入射された入射光20は全反
射面23で露出したエバネッセント光が抽出されず全反
射面23で全反射し反射光21となり入射光20は外部
に出射されない。この時、制御部35では駆動部34に
対し第1のアドレス電極9にプラスの電荷を印可してい
ると同時に可動可能なヨーク3には第1のポスト8を通
じてマイナスの電荷を印可し、ヨーク3と第1のアドレ
ス電極9の間には、静電力が働きヨーク3はアドレス電
極9側に引き寄せられた状態になっている。この時ヨー
クには静電力によりアドレス電極9側に引き寄せられる
力が発生していると同時に、ポスト8に片端を固定され
たヨーク3には第1の梁長さ202、第1の撓み量20
3及び、第2のポスト6に固定されないヨーク3の間に
は第2の梁長さ200、第2撓み量201により発生す
る弾性力が生じている。この状態では電極間に生ずる静
電力は距離の2乗に比例して大きくなる事から十分に大
きな静電力発生している状態であり第1のポスト8に固
定されたヨーク3及び、第2のポスト6aに固定されな
いヨーク3の間に生ずる弾性力の和を発生しつつ、これ
らの駆動部34に支持部27を通じて接合されたスイッ
チ部33を導光部32から引き離した状態で安定的に維
持し導光部32の入射光20の光をスイッチングしない
状態を維持している。
【0021】次に空間光変調素子がオフの状態からオン
の状態に移行する過程を、空間光変調素子30aから空
間光変調素子30bを経て空間光変調素子30cをもっ
て説明する。空間光変調素子30aの状態では上述した
通り静電力により弾性力を抑制している。ここで制御部
35から第1のアドレス電極9への電圧の印可を切る事
により、ヨーク3と第1のアドレス電極9間に生じてい
た静電力が解除される。同時に第2のアドレス電極2に
電圧を印可するが、ヨーク3と第2のアドレス電極2の
距離が離れておりヨーク3と第2のアドレス電極2に生
ずる静電力は極めて小さな力しか生じない。しかし、ヨ
ーク3に蓄積された弾性力エネルギーによりスイッチ部
33は導光部32の方向に移動を開始する。この時点で
は、第1のポスト8及び、第2のポスト6aの弾性エネ
ルギーの和としてスイッチング部33を導光部32側に
押し上げる方向に作用するため、強力な力が発生しスイ
ッチング部33に作用する。次にヨーク3は第2のポス
ト6aには固定されていない事から、ヨーク3が第2の
アドレス電極2側に移動し、第2のポスト6aとの接触
が解除される瞬間に、ヨーク3の持つ弾性力は第1のポ
スト8によってのみ与えられる事となるため極めて小さ
な値しか持たない。しかし、初期の弾性エネルギーがス
イッチング部に運動エネルギーとして貯えられているた
め、スイッチング部33は導光部32側に移動を継続す
る。以降、光スイッチング素子30bを参照して説明す
る。ヨーク3が第1のポスト8に固定された高さと水平
になった時点まで移動した瞬間にヨーク3の弾性力は無
くなるが、蓄積された運動エネルギーに加え、第2のア
ドレス電極2とヨーク3間に働く静電力によりスイッチ
ング部33は導光部32側に移動する。この時ヨーク3
の持つ弾性係数はヨーク3の板厚、板幅、ポアソン比、
有効長さによって与えられ、特に有効ばね長さの3乗に
反比例する事から、ヨーク3では有効長さである第1の
梁長さ202が十分に長いため、弾性係数は極めて小さ
な値となる。よって第2のアドレス電極2とヨーク3の
間隔が遠い状態でもスイッチング部33を移動させる静
電力を駆動部34が発生させる事ができる訳である。徐
々に第2のアドレス電極2とヨーク3の間隔が近づく事
で静電力は距離の2乗に比例して大きくなり、スイッチ
ング部33に与えられる運動エネルギーも大きな値とな
り更に加速して導光部32側に移動する。次に光変調素
子30cの図で説明を続ける。第2のアドレス電極2と
ヨーク3間に生ずる静電力によって引き寄せられ、固定
されていないヨーク3の片端は第2のポスト6bに接
し、ヨーク3と第2のポスト6b間に新たな弾性力が生
ずる、この時点で生ずる弾性力は、第1のポスト8に固
定されたヨーク3の第1の梁長さ202と第1のポスト
と固定されたヨーク3での第1の撓み量203cから生
ずる力と、第2のポスト6bと第2のポスト6bに支持
されたヨーク3に生ずる第2の梁長さと第3の撓み量か
ら発生する弾性力の和となる。ここで発生する2つの弾
性力はヨーク3の厚さ及びポアソン比は共通である事か
ら、弾性力は梁長さの3乗に反比例し撓み量に比例する
ので、梁長さの短い第3の梁長さ204によって発生す
る弾性力がより大きな値となる。しかし、第2のポスト
6bとヨーク3が接するタイミングは、十分に第2のア
ドレス電極2とヨーク3が接近した状態であり、第2の
アドレス電極2とヨーク3の間には十分大きな静電力が
発生しているために、ヨーク3は更に第2のアドレス電
極2に接近する事となる。従って、駆動部34上に設け
られた光スイッチング部33はヨーク3の動きに連動し
て導光部32に接近し、光スイッチング部33のマイク
ロプリズム上に設けられた抽出面24が導光部32の全
反射面とが限りなく接近または接触する事により、導光
部32内の入射光20の全反射面23で漏れ出たエバネ
ッセント光を抽出面24で抽出し、入射光20は全反射
面23で反射する事無く直進しマイクロプリズム26を
経て、反射面25で反射され、進行方向を変更し出射光
22となって導光部32に戻される。この出射光22は
導光部32から出射され、空間光変調素子30cのオン
信号として出力される。このように複数個の空間光変調
素子を制御する事により画像表示装置31は画像表示を
実現できる。
【0022】次に、本発明のヨークの弾性係数を変化さ
せる第2のポストを配置した空間光変調素子と、第2の
ポストを配置しない空間光変調素子でのスイッチング開
始から、光スイッチング部33に設けられた抽出面24
の変位量の変化を図2及び図1を参照して説明する。図
2は、X軸にスイッチ切換え開始からの経過時間、Y軸に
抽出面の変位量を示したものである。401は第2のポ
ストを配置しない空間光変調素子のステップ応答、40
0は第2のポストを配置した空間光変調素子のステップ
応答のトレンドを示す。y軸とx軸の交点はスイッチン
グを開始した瞬間であり、以降、本発明の空間光変調素
子のステップ応答の動作区間を第1の変位区間300、
第2の変位区間301、第3の変位区間302、第4の
変位区間303に分けて、変位の状況について詳細に説
明する。本発明の空間光変調素子のステップ応答400
では、スイッチングが開始された時点で第1の変位区間
300に示すとおり、図1に示す第1アドレス電極9と
第1のポストに固定されたヨーク3間に印可された電圧
が解除されると同時に第1のアドレス電極9と対峙した
方向に設けられた第2のアドレス電極2に電圧が印可さ
れ、電圧が解除された第1のアドレス電極9とヨーク3
の間には静電力が無くなり第1のポスト8とヨーク3に
よって貯えられた弾性力と、第2のポスト6aとヨーク
3によって貯えられた弾性力の和で徐々に抽出面24は
変位を開始する。この時ヨーク3に貯えられた弾性力は
前述した通り第2の梁長さ200が第1の梁長さ202
に比べ極端に短い事から第2のポスト6aによって与え
られる弾性力により図2に示す第1の変位区間300の
急峻な変位が与えられる。第2の変位区間301では図
1に示すヨーク3が第2のポスト6aに支持される事に
よって発生していた弾性力はヨーク3が第1のアドレス
電極9から遠のく方向に移動する事によって、ヨーク3
とポスト6a間に貯えられた弾性力は運動エネルギーに
変換されゼロになる。従って、抽出面24が変位するた
めのエネルギーは第1のポスト8とヨーク3の間に生ず
る弾性力及び第2のアドレス電極2とヨーク3間に生ず
る静電力の和となるが、弾性力はわずかであり、静電力
も電極間が遠い事からわずかな静電力しか得られず結果
的に抽出面の変位速度は減速する事となる。次に図2に
示す第3の変位区間302では図1の空間光変調素子3
0bに示す通り第2のアドレス電極とヨーク3間の距離
が近づくにつれ静電力は距離の2乗に比例して強くな
り、第1のポスト8とヨーク3間に生ずる弾性力に比
べ、極めて大きな値となり抽出面24の変位速度も加速
され導光部32側に移動する。図2に示す第4の変位区
間303では、図1の空間光変調素子30cで示すヨー
ク3が第2のアドレス電極2に近づく事により、ヨーク
3の先端が第2のポスト6bに接する事となる。この状
態では、第2のアドレス電極2とヨーク3間に生じてい
る静電力は十分に大きな値となっており、第2のポスト
6bとヨーク3が接する事により第3の梁長さ204及
び第3の撓み量205により生ずる弾性力が新たにヨー
ク3に静電力の反対方向に発生し、一次変位量の変化が
鈍化するものの、第2のアドレス電極2とヨーク3間に
発生する静電力により抽出面24の変位速度は加速され
導光部32の全反射面23が接触した時点で変位は停止
する。図1に示す空間光変調素子30cのオン状態から
空間光変調素子30aのオフ状態に移行する際も同様に
ヨーク3に貯えられた弾性力により高速にスイッチング
が行われる。
【0023】以上説明した通り、駆動部はスイッチング
時の弾性力の和と静電力の関係から変位量を発生しスイ
ッチング部33と導光部32の間で光のスイッチングが
行われる。第2のポストを弾性材の弾性係数を発生させ
る位置に配置しない場合には、図2に示す従来の空間光
変調素子のステップ応答401に示すトレンドをたど
り、スイッチング開始時に発生する静電力の低さと弾性
力の微弱さから初期の変位量は非常に穏やかであり、結
果スイッチングに要する時間は、本発明の第2のポスト
を弾性材の接触する位置に配置した物に比べ、スイッチ
ング完了時間の差304分長くなる。
【0024】空間光変調素子のように高速のスイチング
される事が要求され、且つ、諸条件から制御電圧を高く
できない、電極面積を広くできない等の条件下でも、ヨ
ークを支持するための第2のポストを配置し、ヨークの
移動方向に配置された第2のポスト側に撓んだ状態での
みヨークに第2のポストが接する事により弾性係数を変
化させる構造とする事で、ヨークに蓄積された弾性力を
大きくでき、空間光変調素子のスイッチング時間の大幅
短縮を実現できる。
【0025】〔 実施の形態2〕図3をもって本発明の
光スイッチング部を駆動させるための駆動部の移動可能
な弾性材の移動方向に突起形状を持ち、弾性材の撓まな
い状態では突起形状は周囲の構造物に接触せず、撓んだ
状態では突起形状が周囲の構造物に接する事により弾性
板の弾性係数が変化する空間光変調素子の構成について
説明する。31は光信号を変調するための空間光変調素
子をアレイ状に備えた画像表示装置、30d及び30e
は制御部、駆動部、スイッチング部、導光部から構成さ
れた空間光変調素子で、30dは空間光変調素子がオフ
の状態、30eは空間光変調素子がオンの状態、32は
変調する光線を入射あるいは出射する導光部、33は駆
動部の動きにより導光部との距離を変化させ光スイッチ
動作を行なうためのスイッチング部、34は制御部の信
号によりスイッチング部33を移動させるための物理的
エネルギーを発生させる駆動部、35は駆動部34に供
給する電気エネルギーを制御する制御部である。次に各
部位の構成を詳細に説明する。導光部32は空間光変調
素子30d、30eで変調するための光線が入射した入
射光20、及び、スイッチングされ出射する光線である
出射光22及び、入射光20がスイッチングされずに全
反射面で反射した反射光21が通過するため、光透過率
の高い石英ガラスで形成され、本空間光変調素子で利用
するエバネッセント光が露出する全反射面23を備えて
いる。スイッチング部33は、導光部32の全反射面2
3から露出したエバッネセント光を抽出するための抽出
面24を備えたマイクロプリズム26と、抽出したエバ
ネッセント光を反射し、光スイッチングするための反射
面25と、マイクロプリズム26に駆動部の物理的変位
エネルギーを伝達するための支持部27から構成されて
いる。駆動部34は、上電極17、弾性板16、下電極
15のサンドイッチ構造をしたヨーク3を第1のポスト
8で固定している。ヨーク3の弾性板16は強誘電体の
モノモルフピエゾアクチェータで構成されており、上電
極17及び下電極15に電荷を印可する事により弾性板
17に歪みが生じ導光部32側に変位するピエゾアクチ
ェータである。駆動部34は制御部35の電気信号によ
りヨーク3を変形させスイッチング部33を導光部32
に接近あるいは接触、または引き離す事が可能である。
制御部35は駆動部34に電気信号を供給するための制
御回路である電源13及び電源13の電荷を電極に印可
または遮断するためのスイッチ12a、12b、14a、
14bと、駆動部34を支持固定するためのベースから
構成されている。
【0026】次に動作について説明する。空間光変調素
子30dでは導光部32に入射された入射光20は全反
射面23で露出したエバネッセント光が抽出されず全反
射面23で全反射し反射光21となり入射光20は外部
に出射されない。この時、制御部35ではスイッチ14
aは開であり上電極17及び下電極15間には電位差が
生じない事から、弾性板16内には歪みが発生せず、駆
動部34と支持部27によって接合されたスイッチ部3
3を導光部32から引き離した状態で維持し導光部32
の入射光20の光をスイッチングしないオフの状態を維
持している。
【0027】次に空間光変調素子がオフの状態からオン
の状態に移行する過程を、空間光変調素子30eをもっ
て説明する。制御部35のスイッチ14bが閉となり駆
動部34の上電極17にプラスの電荷が印可される。一
方下電極15には常時マイナスの電荷が供給されてお
り、上電極17と下電極15の間に電位差が生じ弾性板
16に歪みが発生し導光部32側に変形する。駆動部3
2と支持部27によって接合されたスイッチング部33
はヨーク3の変形に伴って導光部32側に移動する。こ
の状態ではヨーク3の先端に設けられた突起形状14は
周囲の構造物11に接していないが、更に電荷が上電極
17及び下電極15に蓄積される事により、ヨーク3は
供給される電荷に比例した変位量をもち、一定の変位量
を越えるとヨーク3に設けられた突起形状物は周囲の構
造物11に接する。突起形状物14は周囲の構造物11
に接した事でヨーク3は第1のポスト8と周辺の構造物
10に接したヨーク3先端の突起形状物14によって支
持される事となり、ヨーク3には第4の梁長さ206お
よび第4の撓み量207によって与えられる新たなヨー
ク3の弾性係数が加わり、ヨーク3の持つ弾性係数が大
きくなる事となる。更に上電極17および下電極15に
電荷が加わるとヨーク3は貯えられた電荷量に比例した
量導光部32側に変位し、支持部27に固定された光ス
イッチング部33は導光部32に接触し導光部32の全
反射面23とスイッチング部24の抽出面は限りなく接
近または接触する。この時、光スイッチング部33のマ
イクロプリズム26支持部27は弾性材料であるUV硬
化樹脂で形成されており、ヨーク3の変位に対応したエ
ネルギーが弾性力として光スイッチング部33に蓄積さ
れる。従って、ヨーク3に蓄積される弾性エネルギーは
光スイッチング部32の変形により蓄積された力及び、
ヨーク3が第1のポスト8に固定され、ヨーク3変形し
た事によって与えられる弾性エネルギーおよびヨーク3
の突起形状物14が周辺の構造物11に接触しヨーク3
が変形した事によって与えられる弾性力の和がヨーク3
に蓄積される。この時の空間光変調素子30eの導光部
32内の入射光20の全反射面23で漏れ出たエバネッ
セント光は抽出面24で抽出され、入射光20は全反射
面23で反射する事無く直進しマイクロプリズム26を
経て、反射面25で反射され、進行方向を変更し出射光
22となって導光部32に戻される。この出射光22は
導光部32から導光部外へ出射され、空間光変調素子3
0eのオン信号として出力される。このような複数個の
空間光変調素子を制御する事により画像表示装置31は
画像表示を実現できる。
【0028】次に、空間光変調素子がオンの状態からオ
フの状態に切り変わる過程を空間光変調素子30eから
空間光変調素子30dへの切り変わりで説明する。空間
光変調素子30eのオンの状態で制御部35のスイッチ
14bが開状態になる事により駆動部34の上電極17
は電源13と遮断される。次に制御部35のスイッチ1
2bが閉となる事により、上電極17に貯えられた電荷
は突起形状物14、周囲の構造物11を経て制御部35
に放電される。従って、上電極17と下電極15間に生
じていた電位差は瞬時に無くなり、同時に弾性板16に
生じていた歪み現象も解除され、ヨーク3にはスイッチ
ング部33が変形した事により蓄積した弾性エネルギ
ー、第1のポスト8に固定され変形したヨーク3間に生
ずる弾性エネルギー及び、ヨーク3の先端部に設けられ
た突起形状物14が周囲の構造物11に接しヨーク3が
変形する事により発生する弾性エネルギーの和がヨーク
3に作用し、ヨーク3は瞬時に制御部35側に引き戻さ
れる。このようにヨーク3の上電極17に蓄積された電
荷を駆動部34の構造物11及び制御部35のスイッチ
12bを介して放電する事により瞬時にヨーク3の持つ
変位エネルギーがキャンセルされ高速のスイッチングに
寄与する。また、ヨーク3の持つ弾性エネルギーは光ス
イッチング部33が変形する事により蓄積された力が、
オフに切り変わる初期の駆動力として働く事から高速な
スイッチングに有効である。また、ヨーク3の先端部に
設けられた突起形状物14が周囲の構造物11に接しヨ
ーク3が撓んだ事により発生したヨーク3の弾性力は有
効ばね長さである第4の梁長さ206の長さが第1のポ
スト8に固定されたヨーク3の有功ばね長さに比べ短い
事から、弾性係数は有効ばね長さの3乗に反比例するた
め、突起形状物14に支持されたヨーク3に発生した大
きな初期弾性力をヨーク3に作用させる事が可能とな
り、ヨーク3を制御部35側に移動させることが可能と
なり、高速なスイッチングに寄与する。
【0029】空間光変調素子のように高速のスイッチン
グされる事が要求され、且つ、諸条件から制御電圧を高
くできない、弾性板を厚くできない等の条件下でも、ヨ
ークの先端に突起形状物を形成しヨーク変形後に、突起
形状物が周囲の構造物に接触する事により、ヨーク3に
新たな弾性係数が発生させヨーク3に貯える弾性力を大
きくする事により、高速なスイッチングが実現できる。
【0030】また、光スイッチング部を弾性材であるU
V硬化樹脂で形成する事により、空間光変調素子30e
のオン状態で駆動部の変位エネルギーでスイッチング部
を変形させる事によりエネルギーを蓄積させ、オフに切
り変わった際に貯えた弾性力により初期エネルギーを発
する事ができ高速なスイッチングに寄与する。
【0031】また、ヨークに蓄積した電荷を放出する回
路を設ける事により、ヨーク内の上電極と下電極の電位
を瞬時に同レベルにする事を実現できヨークの持つ変形
歪みを弾性力として切り替える事となり、高速なスイッ
チングが可能となる。
【0032】以上のように複数の方策を空間光変調素子
に設ける事により、より高速なスイッチングを実現でき
る事となる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明の空間光変調
素子は、導光部の全反射面から露出したエバネッセント
光を光スイッチング部の抽出面で光を抽出し光スイッチ
ングを行う空間光変調素子において、光スイッチング部
を駆動させるための駆動部を形成する構造物に弾性材を
用い、この弾性材が上下に変位する事により撓んだ状態
で他の構造物に接触し新たな撓みを発生させる事によ
り、弾性材の弾性係数が撓み量によって変化し、わずか
な駆動電圧で駆動できると共に、スイッチング開始時に
複数の弾性力により、弾性材に変位エネルギーを与え高
速なスイッチングを実現できるものである。
【0034】更に、上下に撓んだ状態で生ずる弾性材の
有功ばね長さを撓まない状態で得られる有効ばね長さに
比べ短くする事により、撓んだ状態で得られる弾性係数
は極めて大きな値となり、蓄積される弾性力も大きくな
るためスイッチング時の初期弾性力が大きくなり、更に
高速なスイッチングを実現できる。
【0035】また、弾性板に貯えた電荷を、積極的に放
電する回路を設け制御する事により、弾性板のもつ弾性
エネルギーを有効に運動エネルギーに変換し高速スイッ
チングを実現できるものである。
【0036】更に、光スイッチング部を弾性材で形成
し、オンの状態で光スイッチング部が導光部に接触し変
形する事により弾性エネルギーを蓄積し、スイッチ切換
え時の初期駆動エネルギーを増大させる事を実現し、高
速なスイッチングに有効である。
【0037】以上の手段を複合させて用いる事により、
低駆動電圧で更に高速なスイッチングができる空間光変
調素子を実現でき、今後様々な分野で適用するために非
常に有効な物である。
【図面の簡単な説明】
【図1】静電駆動方式画像表示装置の空間光変調素子に
おいて、上下に駆動する際にヨークを支持するポストが
接触または離れる事により、弾性係数が変化する構造を
示す断面図である。
【図2】弾性係数が変化する駆動部を用いた空間光変調
素子と、弾性係数が変化しない駆動部を用いた空間光変
調素子とのスイッチング時の光抽出面の変位量と経過時
間を示したグラフである。
【図3】ピエゾ駆動方式画像表示装置のピエゾヨーク上
に形成した突起形状が周囲の構造物に接する事により、
弾性係数が変化する駆動部の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
2・・第2のアドレス電極 3・・ヨーク 5・・ベース 6a、6b、6c・・第2のポスト 7・・制御部 8・・第1のポスト 9・・第1のアドレス電極 10・・絶縁膜 11・・構造物 13・・電源 12a、12b、14a、14b・・スイッチ 14・・突起形状物 15・・下電極 16・・弾性板 17・・上電極 18・・ベース 20・・入射光 21・・反射光 22・・出射光 23・・全反射面 24・・抽出面 25・・反射面 26・・マイクロプリズム 27・・支持部 30a、30b、30c、30d、30e・・空間光変調
素子 31・・画像表示装置 32・・導光部 33・・スイッチング部 34・・駆動部 35・・制御部 200・・第2の梁長さ 201・・第2撓み量 202・・第1の梁長さ 203a、203b、203c・・第1の撓み量 204・・第3の梁長さ 205・・第3の撓み量 206・・第4の梁長さ 207・・第4の撓み量 300・・第1の変位区間 301・・第2の変位区間 302・・第3の変位区間 303・・第4の変位区間 304・・スイッチング完了時間差 400・・本発明の空間光変調素子のステップ応答 401・・従来の空間光変調素子のステップ応答

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光を全反射して伝達可能な全反射面を
    備えた導光部と、前記全反射面から漏出したエバネッセ
    ント光を抽出面で抽出して光スイッチングを行う光スイ
    ッチング部と、この光スイッチング部を駆動する駆動部
    とを備え、前記駆動部には可動可能な弾性板を常時支持
    する第1のポストと、前記弾性板が上下に移動した際に
    接する第2のポストとを有し、前記弾性板が前記第2の
    ポストに接して変形する事を特徴とする空間光変調素
    子。
  2. 【請求項2】 光を全反射して伝達可能な全反射面を
    備えた導光部と、前記全反射面から漏出したエバネッセ
    ント光を抽出面で抽出して光スイッチングを行う光スイ
    ッチング部と、この光スイッチング部を駆動する駆動部
    とを備え、前記駆動部の移動可能な弾性材の移動方向に
    突起形状を持ち、前記弾性材が撓まない状態では前記突
    起形状は周囲の構造物に接触せず、前記弾性材が上下に
    移動した際に前記突起形状が周囲の構造物に接して新た
    な支持構造となることを特徴とする空間光変調素子。
  3. 【請求項3】 光を全反射して伝達可能な全反射面を
    備えた導光部と、前記全反射面から漏出したエバネッセ
    ント光を抽出面で抽出して光スイッチングを行う光スイ
    ッチング部と、この光スイッチング部を駆動する駆動部
    とを備え、前記光スイッチング部が弾性材料を用いて形
    成したことを特徴とする空間光変調素子。
  4. 【請求項4】 光を全反射して伝達可能な全反射面を
    備えた導光部と、前記全反射面から漏出したエバネッセ
    ント光を抽出面で抽出して光スイッチングを行う光スイ
    ッチング部と、この光スイッチング部を駆動し可動可能
    な弾性板を備えた駆動部と、この駆動部の駆動を制御す
    る制御部とを持ち、前記弾性板が蓄積した電荷を放出す
    るための構造物を前記駆動部に配置し、前記制御部の制
    御により前記弾性板の電荷を放出できる制御回路を有し
    たことを特徴とする空間光変調素子。
  5. 【請求項5】 請求項1の空間光変調素子において、
    前記駆動部に設けられた前記第1のポストに支持された
    弾性材の有効ばね長さが、前記弾性材が撓んだ状態で接
    触する前記第2のポストによって新たに発生する前記弾
    性材の有効ばね長さに比べて長い事を特徴とする空間光
    変調素子。
  6. 【請求項6】 請求項2の空間光変調素子において、
    前記駆動部に設けられた前記第1のポストに固定された
    前記弾性材の有効ばね長さが、前記弾性材が撓んだ状態
    で前記突起形状物が周囲の構造物に接する事により新た
    に発生する前記弾性材の有効ばね長さに比べて長い事を
    特徴とする空間光変調素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007034054A (ja) * 2005-07-28 2007-02-08 Fujifilm Corp 微小電気機械素子の駆動方法及び微小電気機械素子アレイ

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