JP2000205973A - 熱電対型温度計の校正方法及び校正装置 - Google Patents
熱電対型温度計の校正方法及び校正装置Info
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- JP2000205973A JP2000205973A JP11003348A JP334899A JP2000205973A JP 2000205973 A JP2000205973 A JP 2000205973A JP 11003348 A JP11003348 A JP 11003348A JP 334899 A JP334899 A JP 334899A JP 2000205973 A JP2000205973 A JP 2000205973A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 極低温液体の温度測定用の熱電対を液体酸
素、液体窒素などの実液を用いて高精度で且つ短時間に
校正する。 【解決手段】 真空断熱された容器1内部に極低温液体
を充填して、該極低温液体に熱電対31を挿入し、極低
温液体に該極低温液体と同種のガスをガス吹き出し管1
6より吹き出して、極低温液体を撹拌して液内にガスを
溶け込むことにより液温度を上昇させて、任意の液温度
と該液温度に対応した飽和蒸気圧を創出し、該飽和蒸気
圧に対応した極低温液体温度と熱電対の起電力とから校
正データを得て、熱電対を校正する。
素、液体窒素などの実液を用いて高精度で且つ短時間に
校正する。 【解決手段】 真空断熱された容器1内部に極低温液体
を充填して、該極低温液体に熱電対31を挿入し、極低
温液体に該極低温液体と同種のガスをガス吹き出し管1
6より吹き出して、極低温液体を撹拌して液内にガスを
溶け込むことにより液温度を上昇させて、任意の液温度
と該液温度に対応した飽和蒸気圧を創出し、該飽和蒸気
圧に対応した極低温液体温度と熱電対の起電力とから校
正データを得て、熱電対を校正する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、極低温液体の温度
等を測定する熱電対等の熱電対型温度計(以下、単に
「熱電対」という)を校正する方法及び装置に関する。
等を測定する熱電対等の熱電対型温度計(以下、単に
「熱電対」という)を校正する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、極低温の実液(たとえば、液体酸
素、液体窒素など)を用いて熱電対を校正する方法とし
て、大気開放状態の実液に熱電対を挿入し、温度と起電
力の測定を行い、さらに0℃基準温度装置を用いて0℃
状態の温度を測定してこの二点を直線で結ぶ方法が一般
的に行われている。しかしながら、この従来の校正方法
では流動している極低温液体の温度を正確に測定するこ
とは困難を伴うため、正確な校正ができない問題点があ
る。
素、液体窒素など)を用いて熱電対を校正する方法とし
て、大気開放状態の実液に熱電対を挿入し、温度と起電
力の測定を行い、さらに0℃基準温度装置を用いて0℃
状態の温度を測定してこの二点を直線で結ぶ方法が一般
的に行われている。しかしながら、この従来の校正方法
では流動している極低温液体の温度を正確に測定するこ
とは困難を伴うため、正確な校正ができない問題点があ
る。
【0003】例えば、測定点である極低温液体の大気開
放状態では空気に触れている液上部とその下部では温度
差が生じ、また熱電対の起電力の直線性にも固体差が見
られる。さらに、経年劣化による起電力の変化等も考え
られ、これらが極低温の温度測定に関する精度管理の障
害となっている。
放状態では空気に触れている液上部とその下部では温度
差が生じ、また熱電対の起電力の直線性にも固体差が見
られる。さらに、経年劣化による起電力の変化等も考え
られ、これらが極低温の温度測定に関する精度管理の障
害となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、極
低温の沸点と0℃の二点から校正曲線を求める従来の方
法の上記問題点を解消しようとするものであって、その
目的とするところは、極低温液体の温度測定用の熱電対
を精度良く、かつ随時に極低温の実液を用いて校正でき
る熱電対の校正方法及び校正装置を提供することにあ
る。
低温の沸点と0℃の二点から校正曲線を求める従来の方
法の上記問題点を解消しようとするものであって、その
目的とするところは、極低温液体の温度測定用の熱電対
を精度良く、かつ随時に極低温の実液を用いて校正でき
る熱電対の校正方法及び校正装置を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決する本発
明の熱電対の校正方法は、断熱された容器内部に極低温
液体を充填して、該極低温液体に熱電対を挿入し、前記
容器に充填された極低温液体に該極低温液体と同種のガ
スを注入制御することによって任意の液温度と該液温度
に対応した飽和蒸気圧を創出し、該飽和蒸気圧に対応し
た極低温液体温度と熱電対型温度計の起電力とから校正
データを得ることを特徴とするものである。前記極低温
液体に注入される前記ガスの注入量と前記容器内からの
ガス放出量とを制御して、任意の液温度と該液温度に対
応した飽和蒸気圧を得る手順を繰り返すことにより、0
気圧から任意圧力まで飽和蒸気圧を創出でき、種々の温
度の極低温液体を得て数多くの校正データを得ることが
でき、精度の高い校正曲線が得られる。
明の熱電対の校正方法は、断熱された容器内部に極低温
液体を充填して、該極低温液体に熱電対を挿入し、前記
容器に充填された極低温液体に該極低温液体と同種のガ
スを注入制御することによって任意の液温度と該液温度
に対応した飽和蒸気圧を創出し、該飽和蒸気圧に対応し
た極低温液体温度と熱電対型温度計の起電力とから校正
データを得ることを特徴とするものである。前記極低温
液体に注入される前記ガスの注入量と前記容器内からの
ガス放出量とを制御して、任意の液温度と該液温度に対
応した飽和蒸気圧を得る手順を繰り返すことにより、0
気圧から任意圧力まで飽和蒸気圧を創出でき、種々の温
度の極低温液体を得て数多くの校正データを得ることが
でき、精度の高い校正曲線が得られる。
【0006】上記校正方法を実施する本発明の熱電対の
校正装置は、断熱された容器に、該容器内部に連通する
液注入管、ガス放出管、及び容器内に充填された液体内
にガスを注入するガス注入管、容器内の気層部圧力を計
測する圧力変換器、及び熱電対を挿入固定する熱電対取
付口部を配置し、前記各管にそれぞれその流量を制御す
る弁が設けられ、且つ前記熱電対の出力と前記圧力変換
器の出力とから前記熱電対の校正データを得る演算処理
装置を備えてなり、極低温の実液により熱電対を校正す
るようにしたことを特徴とするものである。前記ガス注
入管の端部に容器内に充填された極低温液体内でガスを
吹き出すリング状などのガス吹き出し管を設けることに
より、より効果的に極低温液体を撹拌し、液内の温度と
圧力を短時間に上昇させることができて望ましい。
校正装置は、断熱された容器に、該容器内部に連通する
液注入管、ガス放出管、及び容器内に充填された液体内
にガスを注入するガス注入管、容器内の気層部圧力を計
測する圧力変換器、及び熱電対を挿入固定する熱電対取
付口部を配置し、前記各管にそれぞれその流量を制御す
る弁が設けられ、且つ前記熱電対の出力と前記圧力変換
器の出力とから前記熱電対の校正データを得る演算処理
装置を備えてなり、極低温の実液により熱電対を校正す
るようにしたことを特徴とするものである。前記ガス注
入管の端部に容器内に充填された極低温液体内でガスを
吹き出すリング状などのガス吹き出し管を設けることに
より、より効果的に極低温液体を撹拌し、液内の温度と
圧力を短時間に上昇させることができて望ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づき詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態によ
る熱電対の校正装置を横から見た断面図である。図中、
1は斜線部分を真空断熱された円筒形の容器で、外部か
らの熱の進入を極力防ぐ構造となっている。該容器の上
部には、低温液体貯槽(例えば、液体酸素や液体窒素の
貯槽)13から校正用液体である極低温液体(以下、実
液という)を注入する液注入口部2、前記実液と同種の
ガス(例えば、校正用液体が液体窒素である場合は窒素
ガス)を供給するためのガス供給口部3、容器内のガス
を外部に放出するためのガス放出口部4、5、圧力計及
び安全弁を取り付けるための圧力計取付口部6、液面計
取付口部8、圧力変換器取付口部9及び熱電対取付口部
10がそれぞれ形成されている。
基づき詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態によ
る熱電対の校正装置を横から見た断面図である。図中、
1は斜線部分を真空断熱された円筒形の容器で、外部か
らの熱の進入を極力防ぐ構造となっている。該容器の上
部には、低温液体貯槽(例えば、液体酸素や液体窒素の
貯槽)13から校正用液体である極低温液体(以下、実
液という)を注入する液注入口部2、前記実液と同種の
ガス(例えば、校正用液体が液体窒素である場合は窒素
ガス)を供給するためのガス供給口部3、容器内のガス
を外部に放出するためのガス放出口部4、5、圧力計及
び安全弁を取り付けるための圧力計取付口部6、液面計
取付口部8、圧力変換器取付口部9及び熱電対取付口部
10がそれぞれ形成されている。
【0008】液注入口部2には、極低温用ニードル弁な
どの液注入弁12を有する液注入管11が連結され、そ
の端部に適宜の管継手を介して低温液体貯槽13からの
断熱配管を着脱自在に接続できるようになっている。ガ
ス供給口部3は、容器内の実液の撹拌と液温上昇及び容
器内圧力を制御するためのガスを供給するためのもので
あり、該ガス供給口部にはガス供給管15が容器内の底
部近くまで延びて取り付けられ、該ガス供給管15の容
器内端部にガス吹き出し管16が設けられている。該ガ
ス吹き出し管16は、リング状の管に多数のガス吹き出
し孔が形成され、実液内にガスを吹き出すようになって
いる。また、ガス供給管15の容器外管路には上流側か
ら順に圧力調整弁17、ニードル弁等からなるガス注入
弁18が設けられ、その上流端には校正用液体と同種の
ガスが貯蔵されているボンベに連通した接続パイプが連
結されている。
どの液注入弁12を有する液注入管11が連結され、そ
の端部に適宜の管継手を介して低温液体貯槽13からの
断熱配管を着脱自在に接続できるようになっている。ガ
ス供給口部3は、容器内の実液の撹拌と液温上昇及び容
器内圧力を制御するためのガスを供給するためのもので
あり、該ガス供給口部にはガス供給管15が容器内の底
部近くまで延びて取り付けられ、該ガス供給管15の容
器内端部にガス吹き出し管16が設けられている。該ガ
ス吹き出し管16は、リング状の管に多数のガス吹き出
し孔が形成され、実液内にガスを吹き出すようになって
いる。また、ガス供給管15の容器外管路には上流側か
ら順に圧力調整弁17、ニードル弁等からなるガス注入
弁18が設けられ、その上流端には校正用液体と同種の
ガスが貯蔵されているボンベに連通した接続パイプが連
結されている。
【0009】ガス放出口部4、5には、容器内のガスを
放出して圧力を低下させるためのガス放出管20、21
が容器内の気層部に連通するように取り付けられ、該ガ
ス放出管の容器外側端部に極低温用ニードル弁等からな
るガス放出弁22、23がそれぞれ取り付けられてい
る。ガス放出弁22は少流量調節用であり、23は多流
量調節用である。圧力計取付口部6には、容器内の気層
部と連通する圧力導管24が取り付けられ、該圧力導管
の端部に容器内の異常な圧力の上昇による損傷を防ぐた
めの安全弁25が取り付けられていると共に、圧力導管
に分岐して容器内の圧力を監視するブルドン管式圧力計
等の圧力計26が取り付けられている。
放出して圧力を低下させるためのガス放出管20、21
が容器内の気層部に連通するように取り付けられ、該ガ
ス放出管の容器外側端部に極低温用ニードル弁等からな
るガス放出弁22、23がそれぞれ取り付けられてい
る。ガス放出弁22は少流量調節用であり、23は多流
量調節用である。圧力計取付口部6には、容器内の気層
部と連通する圧力導管24が取り付けられ、該圧力導管
の端部に容器内の異常な圧力の上昇による損傷を防ぐた
めの安全弁25が取り付けられていると共に、圧力導管
に分岐して容器内の圧力を監視するブルドン管式圧力計
等の圧力計26が取り付けられている。
【0010】液面計取付口部8には、容器1に極低温実
液の注入及び熱電対の校正時に液位の監視を行うための
極低温用差圧式液面計等の液面計27が取り付けられて
いる。なお、28はレベル変換器である。また、圧力変
換器取付口部9には、校正時に熱電対の起電力に対する
圧力を計測するための圧力変換器29が取り付けられて
いる。圧力変換器29としては、例えば歪ゲージ式圧力
変換器等が採用でき、該圧力変換器はコンピュータで構
成されるデータ演算処理装置35又はデータ収録装置に
連結され、計測された容器1内の気層の圧力をデータ演
算処理装置35に収録するようになっている。30は圧
力計である。一方、熱電対取付口部10には、熱電対3
1が容器1内の液層に十分に達するように挿入して取り
付けられる。熱電対取付部には例えばコンプレッション
フィッティングなどの固定金具で、多数の熱電対31を
取り付けることができ、同時に多数の熱電対を校正する
ことができるようになっている。なお、32は温度変換
器であり、前記データ演算処理装置35に連結され、計
測温度に対応して生じた起電力データをデータ演算処理
装置35に収録する。また、33は温度表示盤である。
液の注入及び熱電対の校正時に液位の監視を行うための
極低温用差圧式液面計等の液面計27が取り付けられて
いる。なお、28はレベル変換器である。また、圧力変
換器取付口部9には、校正時に熱電対の起電力に対する
圧力を計測するための圧力変換器29が取り付けられて
いる。圧力変換器29としては、例えば歪ゲージ式圧力
変換器等が採用でき、該圧力変換器はコンピュータで構
成されるデータ演算処理装置35又はデータ収録装置に
連結され、計測された容器1内の気層の圧力をデータ演
算処理装置35に収録するようになっている。30は圧
力計である。一方、熱電対取付口部10には、熱電対3
1が容器1内の液層に十分に達するように挿入して取り
付けられる。熱電対取付部には例えばコンプレッション
フィッティングなどの固定金具で、多数の熱電対31を
取り付けることができ、同時に多数の熱電対を校正する
ことができるようになっている。なお、32は温度変換
器であり、前記データ演算処理装置35に連結され、計
測温度に対応して生じた起電力データをデータ演算処理
装置35に収録する。また、33は温度表示盤である。
【0011】本実施形態の熱電対校正装置は、以上のよ
うに構成され、極低温液体を容器1に注入する際は、圧
力変換器29及び熱電対31をそれぞれ圧力変換器取付
口部9及び熱電対取付口部10に固定し、且つ液注入弁
12を全閉にした状態で、液注入管11の上流端部に低
温液体貯槽13を接続し、ガス注入弁18を全閉、さら
にガス放出弁22、23を全開とした後、液注入弁12
を除々に開き液の注入を行う。このとき、液面計27で
容器1の液位を監視しながら極低温液体の注入を行い、
所定の液位に達したら液注入弁12を閉め、その後低温
液体貯槽13を切り離す。
うに構成され、極低温液体を容器1に注入する際は、圧
力変換器29及び熱電対31をそれぞれ圧力変換器取付
口部9及び熱電対取付口部10に固定し、且つ液注入弁
12を全閉にした状態で、液注入管11の上流端部に低
温液体貯槽13を接続し、ガス注入弁18を全閉、さら
にガス放出弁22、23を全開とした後、液注入弁12
を除々に開き液の注入を行う。このとき、液面計27で
容器1の液位を監視しながら極低温液体の注入を行い、
所定の液位に達したら液注入弁12を閉め、その後低温
液体貯槽13を切り離す。
【0012】熱電対の校正は、以下の手順で、容器1内
の圧力と極低温実液温度を所定値に設定して行う。容器
1に所定の液位まで実液が充填された上記状態におい
て、圧力調整弁17を任意の所望圧力より若干高い圧力
に設定する。さらに、ガス放出弁22、23を閉めた
後、ガス注入弁18を開にする。ガス注入弁18を開に
することによってガス吹き出し管16より実液と同種の
ガス(図の実施形態では、極低温実液として液体窒素L
H2を採用し、同種のガスが窒素ガスGN2である場合
を示している。)が吹き出し、容器1内の極低温実液を
撹拌する。それにより、実液内にガスが溶け込んで液温
が上昇し、且つ容器1内の圧力も共に上昇する。容器1
内の圧力が、所定の圧力とほぼ等しい圧力に達したこと
を圧力計26で確認した後、ガス放出弁22、23を除
々に開き、ガスを放出しながら容器1内の圧力及び液温
度が上昇も下降もしない状態を少流量調節弁22を操作
して創出する。即ち、この状態の圧力が極低温液体の温
度に対応した飽和蒸気圧であり、この状態が保たれる。
の圧力と極低温実液温度を所定値に設定して行う。容器
1に所定の液位まで実液が充填された上記状態におい
て、圧力調整弁17を任意の所望圧力より若干高い圧力
に設定する。さらに、ガス放出弁22、23を閉めた
後、ガス注入弁18を開にする。ガス注入弁18を開に
することによってガス吹き出し管16より実液と同種の
ガス(図の実施形態では、極低温実液として液体窒素L
H2を採用し、同種のガスが窒素ガスGN2である場合
を示している。)が吹き出し、容器1内の極低温実液を
撹拌する。それにより、実液内にガスが溶け込んで液温
が上昇し、且つ容器1内の圧力も共に上昇する。容器1
内の圧力が、所定の圧力とほぼ等しい圧力に達したこと
を圧力計26で確認した後、ガス放出弁22、23を除
々に開き、ガスを放出しながら容器1内の圧力及び液温
度が上昇も下降もしない状態を少流量調節弁22を操作
して創出する。即ち、この状態の圧力が極低温液体の温
度に対応した飽和蒸気圧であり、この状態が保たれる。
【0013】上記飽和蒸気圧は圧力変換器29からデー
タ演算処理装置35に入力され記憶される。同様に、そ
のときの液温度は熱電対取付部10に取付られた熱電対
30のデータと共にデータ演算処理装置35に取り込ま
れ記憶される。熱電対取付部10には、複数個の熱電対
を取り付けることができ、各熱電対のデータがそれぞれ
個別にデータ処理装置に記憶される。従って、この装置
によれば、同時に多数の熱電対の校正が可能である。以
上のような動作を設定圧力を任意に変えて繰り返すこと
により、0気圧(即ち、大気開放状態)から任意圧力ま
で数多くのデータを得ることができる。
タ演算処理装置35に入力され記憶される。同様に、そ
のときの液温度は熱電対取付部10に取付られた熱電対
30のデータと共にデータ演算処理装置35に取り込ま
れ記憶される。熱電対取付部10には、複数個の熱電対
を取り付けることができ、各熱電対のデータがそれぞれ
個別にデータ処理装置に記憶される。従って、この装置
によれば、同時に多数の熱電対の校正が可能である。以
上のような動作を設定圧力を任意に変えて繰り返すこと
により、0気圧(即ち、大気開放状態)から任意圧力ま
で数多くのデータを得ることができる。
【0014】なお、本実施形態では、ガス吹き出し管を
リング状に形成して底壁部近傍に配置しているので、ガ
スが容器全体に効果的に供給され実液の撹拌が促進され
て、液全体を短時間に均一温度にすることができる。し
かも、ガス放出弁を少流量調節用と多流量調節用の2種
類設けてあるので、内圧が安定状態に達するまでは多流
量調節用のガス放出弁23でガスを放出し、ほぼ安定状
態に達したら少流量調節用のガス放出弁22で微調節で
きるので、短時間に安定状態を得ることができる。
リング状に形成して底壁部近傍に配置しているので、ガ
スが容器全体に効果的に供給され実液の撹拌が促進され
て、液全体を短時間に均一温度にすることができる。し
かも、ガス放出弁を少流量調節用と多流量調節用の2種
類設けてあるので、内圧が安定状態に達するまでは多流
量調節用のガス放出弁23でガスを放出し、ほぼ安定状
態に達したら少流量調節用のガス放出弁22で微調節で
きるので、短時間に安定状態を得ることができる。
【0015】以上のようにして得られた圧力情報(即
ち、飽和蒸気圧)から、予めデータ処理装置35に入力
されている飽和蒸気圧−温度変換テーブルに基づき、そ
のときの極低温液体の温度を得る。一方、熱電対から得
られた起電力に対応する温度を、予めデータ演算処理装
置のROMに格納されている起電力表から読み出して求
める。そして、両温度を逐次比較することによって任意
温度における多数の偏差データを求めることができ、よ
り精度の高い校正曲線を得ることができる。
ち、飽和蒸気圧)から、予めデータ処理装置35に入力
されている飽和蒸気圧−温度変換テーブルに基づき、そ
のときの極低温液体の温度を得る。一方、熱電対から得
られた起電力に対応する温度を、予めデータ演算処理装
置のROMに格納されている起電力表から読み出して求
める。そして、両温度を逐次比較することによって任意
温度における多数の偏差データを求めることができ、よ
り精度の高い校正曲線を得ることができる。
【0016】以上、本発明の好適な実施形態について説
明したが、本発明は上記実施形態に限るものでなく、そ
の技術的思想の範囲内で種々の設計変更が可能である。
例えば、ガス吹き出し管はリング状に限るものでなく、
方形状又は櫛歯状マニホルド配管する等適宜選択でき
る。また、ガス放出弁を少流量調節用と多流量調節用の
2種類設けてあるが、必ずしも2種類設ける必要はな
い。また、上記実施形態では、熱電対型温度計として熱
電対について説明したが、本発明は熱電対のみに限ら
ず、熱電対取付部10の取付アダプタを変更することに
よって、他の側温センサー例えば白金測定温抵抗体等の
熱電対類似形態の温度計の校正も可能である。
明したが、本発明は上記実施形態に限るものでなく、そ
の技術的思想の範囲内で種々の設計変更が可能である。
例えば、ガス吹き出し管はリング状に限るものでなく、
方形状又は櫛歯状マニホルド配管する等適宜選択でき
る。また、ガス放出弁を少流量調節用と多流量調節用の
2種類設けてあるが、必ずしも2種類設ける必要はな
い。また、上記実施形態では、熱電対型温度計として熱
電対について説明したが、本発明は熱電対のみに限ら
ず、熱電対取付部10の取付アダプタを変更することに
よって、他の側温センサー例えば白金測定温抵抗体等の
熱電対類似形態の温度計の校正も可能である。
【0017】
【実施例】上記実施形態の熱電対型温度計の校正装置を
使用して、校正用液体として液体窒素を採用して熱電対
の校正を次のようにして行った。低温液体貯槽の飽和圧
力を任意に変化させてデータポイントとして低温液体貯
槽の圧力を13回測定することにより行った。飽和圧力
は、測定圧力(ゲージ圧)+大気圧の絶対圧力であり、
校正温度は該飽和圧力から液体窒素の飽和圧力−温度変
換により算出した。また、みかけ温度は熱電対出力から
JIS C1602より算出したものであり、校正を行
わずに得られる従来の測定温度である。その結果を表1
に示す。また、図2には表1から得られた校正曲線を示
す。以上の実施例ににより、本発明によれば、極低温液
体を任意の圧力、温度のデータが随時に数多く取得で
き、広範囲で精度の高い校正曲線が得られることが確認
された。
使用して、校正用液体として液体窒素を採用して熱電対
の校正を次のようにして行った。低温液体貯槽の飽和圧
力を任意に変化させてデータポイントとして低温液体貯
槽の圧力を13回測定することにより行った。飽和圧力
は、測定圧力(ゲージ圧)+大気圧の絶対圧力であり、
校正温度は該飽和圧力から液体窒素の飽和圧力−温度変
換により算出した。また、みかけ温度は熱電対出力から
JIS C1602より算出したものであり、校正を行
わずに得られる従来の測定温度である。その結果を表1
に示す。また、図2には表1から得られた校正曲線を示
す。以上の実施例ににより、本発明によれば、極低温液
体を任意の圧力、温度のデータが随時に数多く取得で
き、広範囲で精度の高い校正曲線が得られることが確認
された。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】以上のように本発明の熱電対型温度計の
校正方法及び校正装置によれば、容器内の極低温液体に
該液体と同種のガスを吹き込んで極低温液体を撹拌する
ので、極低温液体の温度が均一に保たれて正確に温度を
検出でき、且つ任意の液温度と該温度に対応する飽和蒸
気圧を創出することができるから、0気圧から任意の圧
力まで数多くのデータを短時間に取得することができ、
極低温液体の温度測定用の熱電対を精度良く且つ短時間
に校正することができる。
校正方法及び校正装置によれば、容器内の極低温液体に
該液体と同種のガスを吹き込んで極低温液体を撹拌する
ので、極低温液体の温度が均一に保たれて正確に温度を
検出でき、且つ任意の液温度と該温度に対応する飽和蒸
気圧を創出することができるから、0気圧から任意の圧
力まで数多くのデータを短時間に取得することができ、
極低温液体の温度測定用の熱電対を精度良く且つ短時間
に校正することができる。
【図1】本発明の実施形態に係る熱電対校正装置の模式
図である。
図である。
【図2】実施例における液体窒素の熱電対校正曲線であ
る。
る。
【符号の説明】 1 容器 2 実液注入口部 3 ガス供給口部 4、5 ガス放出
口部 8 液面計取付口部 9 圧力変換器取
付口部 10 熱電対取付口部 11 液注入管 12 液注入弁 13 低温液体貯
槽 15 ガス供給管 16 ガス吹き出
し管 17 圧力調整弁 18 ガス注入弁 20、21 ガス放出管 22、23 ガス
放出弁 25 安全弁 26 圧力計 27 液面計 29 圧力変換器 31 熱電対 35 データ演算
処理装置
口部 8 液面計取付口部 9 圧力変換器取
付口部 10 熱電対取付口部 11 液注入管 12 液注入弁 13 低温液体貯
槽 15 ガス供給管 16 ガス吹き出
し管 17 圧力調整弁 18 ガス注入弁 20、21 ガス放出管 22、23 ガス
放出弁 25 安全弁 26 圧力計 27 液面計 29 圧力変換器 31 熱電対 35 データ演算
処理装置
Claims (4)
- 【請求項1】 断熱された容器内部に極低温液体を充填
して、該極低温液体に熱電対型温度計を挿入し、前記容
器に充填された極低温液体に該極低温液体と同種のガス
を注入制御することによって任意の液温度と該液温度に
対応した飽和蒸気圧を創出し、該飽和蒸気圧に対応した
極低温液体温度と熱電対型温度計の起電力とから校正デ
ータを得ることを特徴とする熱電対型温度計の校正方
法。 - 【請求項2】 前記極低温液体に注入される前記ガスの
注入量と前記容器内からのガス放出量を制御して、任意
の液温度と該液温度に対応した飽和蒸気圧を得る手順を
繰り返すことにより、0気圧から任意圧力までの飽和蒸
気圧を得て数多くの校正データを得るようにした請求項
1記載の熱電対型温度計の校正方法。 - 【請求項3】 断熱された容器に、該容器内部に連通す
る液注入管、ガス放出管、及び容器内に充填された極低
温液体内にガスを注入するガス注入管、容器内の気層部
圧力を計測する圧力変換器、及び熱電対型温度計を挿入
固定する熱電対取付口部を配置し、前記各管にそれぞれ
その流量を制御する弁が設けられ、且つ前記熱電対型温
度計の出力と前記圧力変換器の出力とから前記熱電対型
温度計の校正データを得る演算処理装置を備えてなり、
極低温液体により熱電対型温度計を校正するようにした
ことを特徴とする熱電対型温度計の校正装置。 - 【請求項4】 前記ガス注入管の端部に容器内に充填さ
れた極低温液体内でガスを吹き出すガス吹き出し管が設
けられている請求項3記載の熱電対型温度計の校正装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP334899A JP2990276B1 (ja) | 1999-01-08 | 1999-01-08 | 熱電対型温度計の校正方法及び校正装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP334899A JP2990276B1 (ja) | 1999-01-08 | 1999-01-08 | 熱電対型温度計の校正方法及び校正装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2990276B1 JP2990276B1 (ja) | 1999-12-13 |
JP2000205973A true JP2000205973A (ja) | 2000-07-28 |
Family
ID=11554861
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP334899A Expired - Lifetime JP2990276B1 (ja) | 1999-01-08 | 1999-01-08 | 熱電対型温度計の校正方法及び校正装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2990276B1 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007248277A (ja) * | 2006-03-16 | 2007-09-27 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 温度計の低温度校正装置 |
CN108680284A (zh) * | 2018-07-03 | 2018-10-19 | 富通集团(天津)超导技术应用有限公司 | 低温环境中光纤光栅温度传感器温度标定装置和标定方法 |
CN109238514A (zh) * | 2018-09-03 | 2019-01-18 | 浙江大学 | 一种77~90k温区的低温热电偶标定装置 |
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-
1999
- 1999-01-08 JP JP334899A patent/JP2990276B1/ja not_active Expired - Lifetime
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JP2990276B1 (ja) | 1999-12-13 |
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