JP2000205905A - 流体振動形流量計の評価方法 - Google Patents

流体振動形流量計の評価方法

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JP2000205905A
JP2000205905A JP11003300A JP330099A JP2000205905A JP 2000205905 A JP2000205905 A JP 2000205905A JP 11003300 A JP11003300 A JP 11003300A JP 330099 A JP330099 A JP 330099A JP 2000205905 A JP2000205905 A JP 2000205905A
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flow
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fluid vibration
velocity
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Minoru Kumagai
稔 熊谷
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Yazaki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 評価のための時間及びコストの低減を図るこ
とのできる流体振動形流量計の評価方法を提供すること
を第1の課題とし、また評価の信頼性の向上を図ること
のできる流体振動形流量計の評価方法を提供することを
第2の課題としている。 【解決手段】 ノズル流路210の出口側における流速
Vを連続的に測定し、その流速Vの時間経過に伴う変動
である流速変動の大小により、流量の測定性能の良否を
判定することを特徴としており、これにより第1の課題
を解決することができる。また、高さ方向に位置を変え
て流速Vを測定し、高さ方向の流速V及び乱流強度Eの
分布によって流量の測定性能の良否を判定する方法を加
えることによって、第2の課題を解決することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ノズル流路から
噴出する流体の流体振動に基づいて流量を検出する流体
振動形流量計の評価方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の流体振動形流量計としては、高
さ方向の寸法が一定の2次元流路を備えており、この2
次元流路の一部にノズル流路を構成し、このノズル流路
から噴出する流体の流体振動に基づいて流量を検出する
ように構成されている。そして、流体がノズル流路を流
れる間において、高さ方向において流速が一定に分布し
た2次元流となることによって、上述した流体振動が安
定化し、測定精度の向上や、測定範囲の拡大といった測
定性能の向上が図れることが確かめられている。
【0003】すなわち、従来においては、例えばノズル
流路の出口部における高さ方向の流速分布を実験により
確かめることにより、流量の測定性能の良否を判定する
評価方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記評価方法
では、2次元流路の高さ方向に位置を変えて、流速を測
定しなければならないから、評価に時間がかかると共
に、作業コストも多くかかるという問題がある。したが
って、短時間で簡単に評価する方向の開発が望まれてい
た。また、従来の評価方法に他の評価方法を加えること
により、評価の信頼性を向上させることも望まれてい
た。
【0005】この発明は上記事情に鑑みてなされたもの
であり、評価のための時間及びコストの低減を図ること
のできる流体振動形流量計の評価方法を提供することを
第1の課題とし、また評価の信頼性の向上を図ることの
できる流体振動形流量計の評価方法を提供することを第
2の課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、高さ方向の寸法が一定に形
成された2次元流路としてのノズル流路(210)から
同じく2次元流路としての下流側流路(220)に噴出
する流体の流体振動に基づいて流量を検出する流体振動
形流量計の評価方法であって、前記ノズル流路(21
0)の出口側における流速(V)を連続的に測定し、そ
の流速(V)の時間経過に伴う変動である流速変動の大
小により、流量の測定性能の良否を判定することを特徴
としている。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明において、流速変動が小さいほど、流量の測定
性能を良と判定することを特徴としている。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明において、連続して変化する流速(V)の有す
る情報から所定時間内の平均流速(Vmean)に関する情
報と、平均流速(Vmean)に対する流速(V)のバラツ
キに関する情報とを取り出し、この流速(V)のバラツ
キに関する情報を流速変動とすることを特徴としてい
る。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、流速(V)のバラツキに関する情報は、連
続して変化する流速(V)について一定時間Δt経過ご
とにn回検出してn個の流速データ(Vj)を得、この
流速データ(Vj)を算術平均して平均流速(Vmean)
を得、この平均流速(Vmean)から各流速データ(V
j)を引いてn個の偏差流速(ΔVj)を得、この偏差
流速(ΔVj)の2乗平均の平方根によって得られた標
準偏差流速(σv)であることを特徴としている。
【0010】請求項5記載の発明は、請求項3記載の発
明において、流速(V)のバラツキに関する情報は、連
続して変化する流速(V)について一定時間Δt経過ご
とにn回検出してn個の流速データ(Vj)を得、この
流速データ(Vj)を算術平均して平均流速(Vmean)
を得、この平均流速(Vmean)から各流速データ(V
j)を引いてn個の偏差流速(ΔVj)を得、この偏差
流速(ΔVj)の2乗平均の平方根によって標準偏差流
速(σv)を得、この標準偏差流速(σv)を平均流速
(Vmean)で割ることによって得られた乱流強度(E)
であることを特徴としている。
【0011】請求項6記載の発明は、請求項1、2、
3、4又は5記載の発明において、高さ方向に位置を変
えて流速(V)を測定し、高さ方向の流速(V)の分布
によって流量の測定性能の良否を判定する方法も加えた
ことを特徴としている。
【0012】請求項7記載の発明は、請求項6記載の発
明において、高さ方向の流速(V)の分布が一定になる
ほど、流量の測定性能を良と判定することを特徴として
いる。
【0013】請求項8記載の発明は、請求項1、2、
3、4、5、6又は7記載の発明において、高さ方向に
位置を変えて乱流強度(E)を測定し、高さ方向の乱流
強度(E)の分布によって流量の測定精度の良否を判定
する方法も加えたことを特徴としている。
【0014】請求項9記載の発明は、請求項8記載の発
明において、高さ方向の乱流強度(E)の分布が一様に
なるほど、流量の測定性能を良と判定することを特徴と
している。
【0015】そして、上記のように構成された請求項1
記載の発明においては、ノズル流路(210)の出口側
における流速(V)を連続的に測定し、その流速(V)
の時間経過に伴う変動である流速変動の大小を検出する
ことによって、ノズル流路(210)における整流化の
達成度合いを明らかにすることができる。すなわち、流
速変動の大小によって、ノズル流路(210)から噴出
する流体の流体振動の安定、不安定が左右されることに
なるから、結局、流速変動の大小により、流量の測定性
能の良否を判定することができる。
【0016】このような流速変動は2次元流路における
所定の高さ位置で連続して流速(V)を測定することに
よって得ることができ、高さ方向に位置をずらして複数
の位置で流速(V)を測定する必要がないから、流量の
測定性能を評価するための時間及びコストの低減を図る
ことができる。
【0017】請求項2記載の発明においては、流速変動
が小さいというだけで、流量の測定性能を良と判定する
ことができるから、流量の測定性能を容易に評価するこ
とができる。
【0018】請求項3記載の発明においては、連続して
変化する流速(V)の有する情報から所定時間(Δt)
内の平均流速(Vmean)に関する情報と、平均流速(V
mean)に対する流速(V)のバラツキに関する情報とを
取り出し、この流速(V)のバラツキに関する情報を流
速変動としているから、流速変動のみに関する情報をよ
り正確に検出することができる。
【0019】請求項4記載の発明においては、流速
(V)のバラツキに関する情報として標準偏差流速(σ
v)を用い、この標準偏差流速(σv)を流速変動とし
ているから、統計的に処理された信頼できる数値によ
り、流量の測定性能を定量的に評価することができる。
【0020】請求項5記載の発明においては、流速
(V)のバラツキに関する情報として標準偏差流速(σ
v)を平均流速(Vmean)で割った乱流強度(E)を用
い、この乱流強度(E)を流速変動を代表する項として
検討するため、より普遍的な数値により、流量の測定性
能を定量的に評価することができる。すなわち、流量の
測定範囲の異なる流体振動形流量計に対しても、乱流強
度(E)を用いて比較することによって、測定性能の相
対的な良否の判定が可能になる。
【0021】請求項6記載の発明においては、流速変動
による標準偏差流速及び乱流強度による評価に加えて、
高さ方向に位置を変えて流速(V)を測定し、高さ方向
の流速(V)の分布によって流量の測定精度の良否を判
定する評価もするようになっているから、流量の測定性
能の評価に関し、より信頼性の向上を図ることができ
る。
【0022】請求項7に係る発明においては、高さ方向
の流速(V)の分布が一様になるほど、流量の測定精度
を良と判定することにより、ノズル流路(210)内に
おいて流体がより2次元流化するものを選ぶことができ
る。したがって、流量の測定精度をより正確に評価する
ことができる。
【0023】請求項8記載の発明においては、流速変動
による標準偏差流速及び乱流強度による評価に加えて、
高さ方向に位置を変えて乱流強度(E)を測定し、高さ
方向の乱流強度(E)の分布によって流量の測定精度の
良否を判定する評価もするようになっているから、流量
の測定性能の評価に関し、より信頼性の向上を図ること
ができる。
【0024】請求項9に係る発明においては、高さ方向
の乱流強度(E)の分布が一様になるほど流量の測定精
度を良と判定し、ノズル流路(210)内において整流
化した流れを判別できる。よって、計測精度の評価を高
めることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を実
施例に基づき図1〜図7を参照して説明する。この実施
例で示す流体振動形流量計の評価方法は、高さ方向の寸
法が一定に形成された2次元流路としてのノズル流路2
10から同じく2次元流路としての下流側流路220に
噴出する流体の流体振動に基づいて流量を検出する流体
振動形流量計の評価方法であって、ノズル流路210の
出口側における流速Vを連続的に測定し、その流速Vの
時間経過に伴う変動である流速変動の大小により、流量
の測定精度の良否を判定することを特徴としている。そ
して、流速変動が小さいほど、流量の測定精度を良と判
定する評価方法である。
【0026】さらに、連続して変化する流速Vの有する
情報から所定時間内の平均流速Vmeanに関する情報と、
平均流速Vmeanに対する流速Vのバラツキに関する情報
とを取り出し、この流速Vのバラツキに関する情報を流
速変動とすることを特徴としている。そして、この流速
Vのバラツキに関する情報より、流速Vについて一定時
間Δt経過ごとにn回検出してn個の流速データVjを
得、この流速データVjを算術平均して平均流速Vmean
を得、この平均流速Vmeanから各流速データVjを引い
てn個の偏差流速ΔVjを得、この偏差流速ΔVjの2
乗平均の平方根によって標準偏差流速σvを得る。この
標準偏差流速σvを平均流速Vmeanで割ることによって
得られた乱流強度Eを用い、流量の測定精度を良と判定
する評価方法である。
【0027】そしてさらに、高さ方向に位置を変えて流
速Vを測定し、高さ方向の流速Vの分布によって流量の
測定性能の良否を判定する方法も加え、高さ方向の流速
Vの分布が一定になるほど、流量の測定性能を良と判定
する評価方法ともなっている。
【0028】また、高さ方向に位置を変えて乱流強度E
を測定し、高さ方向の乱流強度Eの分布によって流量の
計測精度の良否を判定する方法も加え、高さ方向の乱流
強度Eの分布が一様になるほど流量の計測精度を良と判
定する評価方法である。
【0029】以下、上記各構成についてさらに詳細に説
明する。流体振動形流量計FMは、図6及び図7に示す
ように、カバー5で閉じられるハウジング1内に一対の
ノズル部材2、2を設けることにより、同ハウジング1
内にノズル流路210を構成すると共に、このノズル流
路210の上流側及び下流側にぞれぞれ上流側流路20
0及び下流側流路220を構成する構造になっている。
【0030】下流側流路220には、ノズル流路210
の延長線上(中心線C上)にターゲット3が設けられて
いる。ターゲット3は、円弧状の断面形状を有する柱状
のもので構成されており、その下端部には、四角形状の
設定台部3aが一体的に形成されている。そして、ノズ
ル流路210を通って噴出するLPガス(流体)がター
ゲット3に衝突することによって流体振動が発生し、こ
の流体振動に基づいて流量を検出する原理になってい
る。
【0031】上記ハウジング1は、凹状に形成された箱
型矩形状の溝1aを有しており、この溝1aの表面をカ
バー5で覆うことによって、上流側流路200、ノズル
流路210及び下流側流路220を断面四角形状の2次
元流路に構成している。すなわち、上流側流路200、
ノズル流路210及び下流側流路220は、溝1aの底
面を構成する底壁部110からの高さ(図6の紙面に直
交する方向の寸法(厚さ方向の寸法))が一定で、中心
線Cを介して左右対称の2次元流路となっている。
【0032】また、ハウジング1には、流入口1b及び
流出口1cが設けられている。これらの流入口1b及び
流出口1cも、上述した2次元流路と同一の高さの2次
元流路になっている。
【0033】さらに、ハウジング1には、カバー5を固
定するためのねじ穴1eが形成されていると共に、ノズ
ル部材2を固定するためのねじ穴(図示せず)が形成さ
れている。ねじ穴1eには、カバー5を固定するための
ボルト6がねじ込まれるようになっている。そして、ノ
ズル部材2には、上記ボルト6の通る貫通孔2aが形成
されていると共に、ノズル部材2をハウジング1に固定
するためのボルト7の貫通孔2bが形成されている。
【0034】下流側流路220における底壁部110に
は、中心線Cに対して左右対称の位置に圧力取出孔4が
2つ形成されている。各圧力取出孔4は、圧力センサ
(図示せず)に接続されるようになっている。圧力セン
サは、ノズル流路210から噴出するLPガスの流体振
動を検出するものである。
【0035】さらに、下流側流路220における底壁部
110には、ターゲット3の設定台部3aを保持する凹
部1fが形成されている。設定台部3aは、凹部1fに
嵌合した状態において、その上面が底壁部110の表面
と面一状になるようになっている。
【0036】一方、ハウジング1の流入口1b側の端面
には、継手部81を流入口1bに接続するための連結ハ
ウジング8がボルトBにより取り付けられている。
【0037】連結ハウジング8は、図6に示すように、
流入口1bと高さ及び幅の等しい開口部を有する直方体
状の収納空間8aを備えており、この収納空間8a内に
拡流部材82を収納するようになっている。また、連結
ハウジング8には、収納空間8aの天井面の中心に、継
手部81が一体的に連結されている。継手部81は、そ
の内面が断面円形状の円筒流路81aになっており、こ
の円筒流路81aは、その直径が収納空間8aの高さ寸
法より大きなものとなっている。このため、円筒流路8
1aと収納空間8aとの境には、その対向する位置に同
じ大きさの段差が生じている。
【0038】そして、これらの各段差部には、円筒流路
81aを収納空間8aの高さ寸法まで徐々に縮流する縮
流部材83が設けられている。すなわち、縮流部材83
は3次元流路としての円筒流路81aを、2次元流路と
しての流入口1bまで滑らかに縮流するようになってい
る。さらに、円筒流路81aには、縮流部材83の上流
側にハニカム84が設けられている。このハニカム84
は、複数の細い円管をたばねて固定したものであり、流
体の流れを整える整流手段としての役目を果たすように
なっている。または、複数の細い溝より成る流路であ
る。
【0039】また、継手部81は、その外周面がタケノ
コ状に形成されており、ホース(図示せず)との接続が
確実に行えるようになっている。さらに、継手部81
は、その先端部が円筒流路81aから先端外周側に向け
てテーパ状に拡径する拡径面81bになっており、ホー
スの内面と円筒流路81aとの境に段差が生じるのを防
止するようになっている。
【0040】一方、上記拡流部材82は、収納空間8a
における左右対称の位置に設けられており、縮流部材8
3によって収納空間8aの高さ寸法まで縮流された流路
を、流入口1bの幅まで滑らかに拡流するようになって
いる。さらに、収納空間8aには、中心線C上の位置
に、中心線C対して左右対称に形成された半円柱85が
設けられている。この半円柱85は、半円状の曲面85
aを上流側に向け、直径位置の平面85bを下流側に向
けて設けられている。
【0041】また、底壁部110には、熱線風速計(流
速検出手段)HWを下流側流路220に挿入するための
挿入孔110aが形成されている。この挿入孔110a
は、その中心が中心線C上にあり、かつノズル流路21
0の出口から下流側に1mmの位置に熱線風速計HWの
センサ部HWa(図7参照)が位置するように、底壁部
110に設けられている。そして、熱線風速計HWは、
そのプローブHWbを挿入孔110aに沿って軸方向に
移動させることにより、センサ部HWaをノズル流路2
10の高さZ方向の所定の位置に設定することが可能に
なっている。また、挿入孔110aは、カバー部材5に
設けてもよい。
【0042】次に、上述した流体振動形流量計FMの評
価方法についてさらに詳細に説明する。
【0043】図1(a)は、ノズル流路210の幅W及
び高さZを、それぞれW=2.5mm、Z=7.5mm
に設定した流体振動形流量計FMを用い、熱線風速計H
Wのセンサ部HWaの高さZを3.0mmに設定した状
態でノズル流路210から噴出する流体の流速Vを、サ
ンプリングレートを200μsに設定して連続して測定
したものである。すなわち、200μsの時間間隔Δt
で流速Vを測定して得た複数の流速データVjを測定順
にプロットしたものである。したがって、図1(a)に
おけるx軸が時間Tになり、y軸が流速Vになってい
る。なお、ノズル流路210を通過する流量Qは0.5
365m3/h(立方メータ/時)である。また、流体
としては、LPガスに代えて空気を用いている。
【0044】また、図1(b)は、200μs間隔で測
定した複数個の流速データVjについて、所定の流速V
の範囲に入るものの頻度を集計して得たヒストグラムで
ある。したがって、図1(b)におけるx軸が所定の流
速Vの範囲に入る流速データVjの個数Nになり、y軸
が流速Vになっている。
【0045】さらに、図2(a)、(b)は、半円柱8
5を取り除いた流体振動形流量計FMで、上記図1
(a)で示したものと同じ条件で実験して得た結果であ
る。
【0046】そして、図1(a)、(b)及び図2
(a)、(b)に示すように流速Vを測定して時系列に
表示したり、ヒストグラムを作成したりすることによ
り、流速Vの時間経過に伴う変動である流速変動の大小
を確認することができる。
【0047】一方、図3及び図4に示す実験結果は、熱
線風速計HWのセンサ部HWaの位置を高さZ方向に
0.5mmおきに変位させた際の各位置における平均流
速Vmeanを測定した結果である。ただし、図3は半円柱
85を有するものの測定結果であり、図4は半円柱85
の無いものの測定結果である。この実験においても、2
00μsの間隔で2048個の流速データVjを測定し
ている。そして、平均流速Vmeanは次の数1の式で計算
される。
【0048】
【数1】 ただし、nは全流速データVjの個数である。すなわ
ち、n=2048である。また、個々の流速データVj
は次の数2の式で表すことができる。
【0049】
【数2】Vj=Vmean+ΔVj ΔVj=Vj−Vmean ΔVjは流速変動を示すものであり、流速Vのバラツキ
に関する情報であるといえる。このΔVjを偏差流速と
すると、標準偏差流速σvは次の数3の式によって得ら
れる。
【0050】
【数3】 さらに、標準偏差流速σvを平均流速Vmeanで割ること
によって次の数4の式に示すように乱流強度Eが得られ
る。
【0051】
【数4】E=σv/Vmean 平均流速Vmean、標準偏差流速σv、乱流強度Eは、高
さZを0.5mmおきに変化させた各位置で得られる。
なお、説明が重複するが、図1(a)、図2(a)は、
Z=3.0mmにおける流速データVjを測定順にプロ
ットしたものである。そして、時間の経過に伴って変化
する流速データVjの情報から、所定時間内の平均流速
Vmean、標準偏差流速σv、乱流強度Eの情報を得るこ
とができる。
【0052】図5は、各高さZ位置における乱流強度E
を示しており、黒丸は半円柱85を有するものの解析結
果であり、白丸は半円柱85の無いものの解析結果であ
る。
【0053】以上の実験結果について、半円柱85の有
り、無しの場合について検討してみる。半円柱85が有
るものは、流量の測定精度がよく、かつ流量の測定可能
な範囲が広くなるといった測定性能が向上することが従
来よりわかっている。また、高さZ方向の流速Vの分布
が一定になるほど、上記測定性能が向上することが従来
よりわかっている。そして、これらのことは、図3及び
図4からも証明することができる。
【0054】すなわち、図3に示す半円柱85の有する
もの方は、平均流速Vmeanが高さZに対して一定になっ
ており、測定性能が優れたものと判定することができ
る。また、図4に示す半円柱85の無いもの方は、平均
流速Vmeanが高さZに対して一定にならず放物線の分布
を示し、測定性能が悪いものと判定することができる。
【0055】一方、流速変動について実験を行った図1
及び図2の結果をみると、図1に示す半円柱85の有す
るもの方が図2に示す半円柱85の無いものより、流速
Vの変動が少ないといえる。したがって、定性的な判断
にはなるが、一定位置の流速Vを連続的に測定して時系
列的に表示するだけでも、流速変動の大小を判断するこ
とができ、流速変動の小さいものの方は、測定性能が良
いと判定することができると共に、流速変動の大きいも
のの方は、測定性能が悪いと判定することができる。
【0056】さらに、流速変動を乱流強度Eで表した場
合には、流量の測定性能の良否を定量的に判断すること
ができる。そして、図5において、乱流強度Eの小さい
もの(黒丸)の方は、測定性能が良いと判定することが
できると共に、乱流強度Eの大きいもの(白丸)の方
は、測定性能が悪いと判定することができる。
【0057】そして、定性的あるいは定量的に得た流速
変動で流量の測定性能を評価する方法においては、高さ
方向に位置をずらして複数の位置で流速Vを測定する必
要がないから、流量の測定性能を評価するための時間及
びコストの低減を図ることができる。また、乱流強度E
で評価する場合には、流速変動を定量的な数値で比較す
ることができるので、流量の測定性能をより的確に判定
することができる。
【0058】なお、流速変動を定量的に判断するための
数値は、上述した標準偏差流速σvや、(Vj−Vmea
n)を含む他の式によって得た数値であってもよい。た
だし、乱流強度Eのように、平均流速Vmeanで割ったも
のは、より普遍的な数値となるので、流量の測定性能を
比較する上ではより好ましいものとなる。すなわち、流
量の測定領域の異なる流体振動形流量計に対しても、例
えば乱流強度Eを用いることによって、測定性能に関す
る相対的な良否を比較することができるようになる。
【0059】また、流速変動の大小による評価方法は、
ノズル流路210における整流化の達成度合いによる評
価方法であるともいえることから、図3及び図4で示す
ような高さZ方向の流速Vを検出することによって、噴
流の2次元流化の度合いを調べるような評価方法とは全
く異なる評価方法であるといえる。
【0060】すなわち、図3及び図4で示す評価方法に
加えて、流速変動の大小で評価する方法を用いることに
より、図3及び図4で示す評価方法では良と判断した場
合でも、流速変動の大小で評価した場合には悪と判断す
ることも有り得る。したがって、このような2通りの評
価方法を併用することにより、評価結果に対する信頼性
の向上を図ることができる。
【0061】なお、上記実験では流速Vを200μs間
隔で直接測定することによって複数の流速データVjを
得たが、例えば上記流速Vをアナログやデジタルのデー
タとしてデータレコーダ等に記録しておき、この記録し
たものを上述のように200μs間隔でサンプリングし
て複数個の流速データVjを得るようにしてもよい。こ
のように、データを記録しておいた場合には、サンプリ
ング間隔として200μs以外の時間間隔Δtを選択し
て分析することができる点で有利である。(再実験を行
なう必要がない。) なお、上記実験例においては、空気を用いたものを示し
たが、実際に流量を測定する流体はLPガス等の燃料用
のガスである。ただし、LPガス等の気体を用いた場合
でも、空気を用いた場合と同様の結果が得られる。ま
た、流体振動形流量計FMとしては、燃料用のガス以外
の他の気体や、液体等の流体についても流量の測定が可
能である。
【0062】
【発明の効果】請求項1記載の発明においては、ノズル
流路の出口側における流速を連続的に測定し、その流速
の時間経過に伴う変動である流速変動の大小を検出する
ことによって、ノズル流路における整流化の達成度合い
を明らかにすることができる。すなわち、流速変動の大
小によって、ノズル流路から噴出する流体の流体振動の
安定、不安定が左右されることになるから、結局、流速
変動の大小により、流量の測定性能の良否を判定するこ
とができる。
【0063】このような流速変動は2次元流路における
所定の高さ位置で連続して流速を測定することによって
得ることができ、高さ方向に位置をずらして複数の位置
で流速を測定する必要がないから、流量の測定性能を評
価するための時間及びコストの低減を図ることができ
る。
【0064】請求項2記載の発明においては、流速変動
が小さいというだけで、流量の測定性能を良と判定する
ことができるから、流量の測定性能を容易に評価するこ
とができる。
【0065】請求項3記載の発明においては、連続して
変化する流速の有する情報から所定時間内の平均流速に
関する情報と、平均流速に対する流速のバラツキに関す
る情報とを取り出し、この流速のバラツキに関する情報
を流速変動としているから、流速変動のみに関する情報
をより正確に検出することができる。
【0066】請求項4記載の発明においては、流速のバ
ラツキに関する情報として標準偏差流速を用い、この標
準偏差流速を流速変動としているから、統計的に処理さ
れた信頼できる数値により、流量の測定性能を定量的に
評価することができる。
【0067】請求項5記載の発明においては、流速のバ
ラツキに関する情報として標準偏差流速を平均流速で割
った乱流強度を用い、この乱流強度を流速変動を代表す
る項としているから、より普遍的な数値により、流量の
測定性能を定量的に評価することができる。すなわち、
流量の測定範囲の異なる流体振動形流量計に対しても、
乱流強度を用いて比較することによって、測定性能の相
対的な良否の判定が可能になる。
【0068】請求項6記載の発明においては、流速変動
による評価に加えて、高さ方向に位置を変えて流速を測
定し、高さ方向の流速の分布によって流量の測定精度の
良否を判定する評価もするようになっているから、流量
の測定性能の評価に関し、より信頼性の向上を図ること
ができる。
【0069】請求項7に係る発明においては、高さ方向
の流速の分布が一定になるほど、流量の測定精度を良と
判定することにより、ノズル流路内において流体がより
2次元流化するものを選ぶことができる。したがって、
流量の測定精度をより正確に評価することができる。
【0070】請求項8記載の発明においては、流速変動
による評価に加えて、高さ方向に位置を変えて乱流強度
を測定し、高さ方向の乱流強度の分布によって流量の測
定精度の良否を判定する評価もするようになっているか
ら、流量の測定性能の評価に関し、より信頼性の向上を
図ることができる。
【0071】請求項9に係る発明においては、高さ方向
の乱流強度の分布が一定になるほど、流量の測定精度を
良と判定することにより、ノズル流路内において流体が
より整流化されたものを選択できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例として示した流体振動形流
量計の評価方法を示す図であって、測定性能の優れた流
体振動形流量計について評価を試みた図であり、(a)
は流速を時系列で表示した図、(b)は所定の流速範囲
ごとの頻度を示すヒストグラムである。
【図2】同流体振動形流量計の評価方法を示す図であっ
て、測定性能の劣る流体振動形流量計について評価を試
みた図であり、(a)は流速を時系列で表示した図、
(b)は所定の流速範囲ごとの頻度を示すヒストグラム
である。
【図3】同流体振動形流量計の評価方法を示す図であっ
て、測定性能の優れた流体振動形流量計について評価を
試みた図であり、流路の高さ方向に位置を変えて流速を
測定した結果を示す図である。
【図4】同流体振動形流量計の評価方法を示す図であっ
て、測定性能の劣る流体振動形流量計について評価を試
みた図であり、流路の高さ方向に位置を変えて流速を測
定した結果を示す図である。
【図5】同流体振動形流量計の評価方法を示す図であっ
て、乱流強度について解析した結果を示す図である。
【図6】同流体振動形流量計の評価方法に用いた流体振
動形流量計を示す要部破断正面図である。
【図7】同流体振動形流量計の要部を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
210 ノズル流路 220 下流側流路 E 乱流強度 V 流速 Vj 流速データ Vmean 平均流速 Z 高さ Δt 一定時間(サンプリング間隔) ΔVj 偏差流速 σv 標準偏差流速 FM 流体振動形流量計

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高さ方向の寸法が一定に形成された2次
    元流路としてのノズル流路から同じく2次元流路として
    の下流側流路に噴出する流体の流体振動に基づいて流量
    を検出する流体振動形流量計の評価方法であって、 前記ノズル流路の出口側における流速を連続的に測定
    し、その流速の時間経過に伴う変動である流速変動の大
    小により、流量の測定性能の良否を判定することを特徴
    とする流体振動形流量計の評価方法。
  2. 【請求項2】 流速変動が小さいほど、流量の測定性能
    を良と判定することを特徴とする請求項1記載の流体振
    動形流量計の評価方法。
  3. 【請求項3】 連続して変化する流速の有する情報から
    所定時間内の平均流速に関する情報と、平均流速に対す
    る流速のバラツキに関する情報とを取り出し、この流速
    のバラツキに関する情報を流速変動とすることを特徴と
    する請求項1又は2記載の流体振動形流量計の評価方
    法。
  4. 【請求項4】 流速のバラツキに関する情報は、連続し
    て変化する流速について一定時間Δt経過ごとにn回検
    出してn個の流速データを得、この流速データを算術平
    均して平均流速を得、この平均流速から各流速データを
    引いてn個の偏差流速を得、この偏差流速の2乗平均の
    平方根によって得られた標準偏差流速であることを特徴
    とする請求項3記載の流体振動形流量計の評価方法。
  5. 【請求項5】 流速のバラツキに関する情報は、連続し
    て変化する流速について一定時間Δt経過ごとにn回検
    出してn個の流速データを得、この流速データを算術平
    均して平均流速を得、この平均流速から各流速データを
    引いてn個の偏差流速を得、この偏差流速の2乗平均の
    平方根によって標準偏差流速を得、この標準偏差流速を
    平均流速で割ることによって得られた乱流強度であるこ
    とを特徴とする請求項3記載の流体振動形流量計の評価
    方法。
  6. 【請求項6】 高さ方向に位置を変えて流速を測定し、
    高さ方向の流速の分布によって流量の測定性能の良否を
    判定する方法も加えたことを特徴とする請求項1、2、
    3、4又は5記載の流体振動形流量計の評価方法。
  7. 【請求項7】 高さ方向の流速の分布が一様になるほ
    ど、流量の測定性能を良と判定することを特徴とする請
    求項6記載の流体振動形流量計の評価方法。
  8. 【請求項8】 高さ方向に位置を変えて乱流強度を求
    め、高さ方向の乱流強度の分布によって流量の測定精度
    の良否を判定する方法も加えたことを特徴とする請求項
    1、2、3、4、5、6又は7記載の流体振動形流量計
    の評価方法。
  9. 【請求項9】 高さ方向の乱流強度の分布が一様になる
    ほど、流量の測定精度を良とすることを特徴とする請求
    項8記載の流体振動形流量計の評価方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009002710A (ja) * 2007-06-19 2009-01-08 Furukawa Electric Co Ltd:The 光計測装置及び検体識別分注装置
US9541489B2 (en) 2009-01-06 2017-01-10 Furukawa Electric Co., Ltd. Optical measuring apparatus and specimen discriminating and dispensing apparatus

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