JP2000205041A - シリンダヘッドの配管装置 - Google Patents

シリンダヘッドの配管装置

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JP2000205041A
JP2000205041A JP656199A JP656199A JP2000205041A JP 2000205041 A JP2000205041 A JP 2000205041A JP 656199 A JP656199 A JP 656199A JP 656199 A JP656199 A JP 656199A JP 2000205041 A JP2000205041 A JP 2000205041A
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智広 倉井
Atsushi Kuriki
淳 栗木
Nagayuki Sato
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主配管とシリンダヘッドとを接続する際、ボ
ルト締めや、枝管と接続開口穴とを位置決めしながらの
シリンダヘッドの取付けが必要となって、配管接続の作
業性が悪かった。 【解決手段】 シリンダヘッドの配管装置45におい
て、主配管25に一端が接続されて他端が開口する収容
管31と、収容管31の内周に基端が所定の深さで挿入
されるとともに収容管31から引き出されることで基端
が収容管31に挿入されたままの状態でシリンダヘッド
23の接続開口穴39に先端が挿嵌される枝管35と、
先端が接続開口穴39に挿嵌された状態の枝管35の外
周に装着され収容管31へ挿入される方向の枝管35の
移動を規制するストッパー43とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関等のシリ
ンダヘッドと、このシリンダヘッドに沿って配設された
主配管とを接続するシリンダヘッドの配管装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】複数の独立したシリンダヘッドを有する
例えば多気筒の往復動式内燃機関においては、各種の主
配管を各シリンダヘッド毎に接続しなければならない場
合がある。図5は多気筒ディーゼルエンジンの正面図、
図6は枝管の接続されたシリンダヘッドの要部拡大図で
ある。ハウジング1の内部には不図示のシリンダが図5
の紙面に垂直方向に複数並設され、シリンダの上端はハ
ウジング1の上部で開口する。ハウジング1の上部には
独立した複数のシリンダヘッド3が取り付けられ、シリ
ンダヘッド3はシリンダの上端を閉鎖して燃焼室を画成
している。
【0003】シリンダヘッド3の外部近傍には、このシ
リンダヘッド3の並設方向に沿って始動空気主管5が配
設されている。始動空気主管5にはそれぞれのシリンダ
ヘッド3に対応して分岐フランジ7が取り付けられてい
る。また、それぞれのシリンダヘッド3には、始動空気
を導入するための接続開口部9が設けられている。始動
空気主管5の分岐フランジ7と、シリンダヘッド3の接
続開口部9とは、枝管11によって接続される。枝管1
1の両端には、フランジ13a、13bが固着される。
枝管11は、一端のフランジ13aを分岐フランジ7に
ボルト固定するとともに、他端のフランジ13bを接続
開口部9にボルト固定することで、始動空気主管5をシ
リンダヘッド3に接続している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
シリンダヘッドの配管構造は、枝管両端のフランジを、
始動空気主管及びシリンダヘッドにボルト固定しなけれ
ばならなかったため、作業性の悪い問題があった。ま
た、鋼製の枝管が始動空気主管又はシリンダヘッドのい
ずれかに取り付けられている状態で、吊持したシリンダ
ヘッドを降下させてハウジングへ取り付けるため、例え
ば接続開口穴と枝管とを位置決めしながらシリンダヘッ
ドを取り付ける必要があり、シリンダヘッド取り付け作
業が迅速に行えない問題があった。更に、鋼製の枝管両
端をボルト固定するため、位置合わせの自由度が低く、
位置ずれを吸収することができなかった。一方、可撓性
を有するフレキシブルチューブを用いて始動空気主管と
シリンダヘッドとを接続する構造も考えられるが、この
場合には、位置合わせの自由度は向上するものの、30
kgf/cm2 以上の高圧空気が供給されると、その瞬
間にチューブが揺れ、他部品と干渉して磨耗等を生じさ
せる問題があった。本発明は上記状況に鑑みてなされた
もので、ボルト締めを行う必要がないとともに、枝管と
接続開口穴とを位置決めしながらシリンダヘッドの取り
付けを行う必要がなく、しかも、ある程度の位置ずれの
吸収も可能になるシリンダヘッドの配管装置を提供し、
配管接続の作業性向上を図ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の構成を、実施形態に対応する図を用いて説明
すると、請求項1記載のシリンダヘッドの配管装置45
は、シリンダヘッド23と、該シリンダヘッド23に沿
って配設された主配管(始動空気主管25)とを接続す
るシリンダヘッドの配管装置45であって、前記主配管
25に一端が接続されて他端が開口する収容管(フラン
ジボス31)と、該収容管31の内周に基端が所定の深
さで挿入されるとともに該収容管31から引き出される
ことで前記基端が該収容管31に挿入されたままの状態
で前記シリンダヘッド23の接続開口穴39に先端が挿
嵌される枝管35と、先端が前記接続開口穴39に挿嵌
された状態の該枝管35の外周に装着され前記収容管3
1へ挿入される方向の該枝管35の移動を規制するスト
ッパー(ばねクリップ43)とを具備したことを特徴と
する。
【0006】このシリンダヘッドの配管装置では、シリ
ンダヘッドが取り付けられた後に、収容管から枝管が引
き出され、枝管先端が接続開口穴に挿嵌される。接続開
口穴に挿嵌された枝管は、外周にストッパーが装着さ
れ、軸方向の移動が規制されて、シリンダヘッドと主配
管とを接続する。従って、ボルト締めを不要にしてシリ
ンダヘッドと主配管との接続が可能になる。
【0007】請求項2記載のシリンダヘッドの配管装置
45は、前記主配管25の内部に連通する開口部29a
を接続面29bに開口させたフランジ座29を有し、前
記収容管31の一端が、該フランジ座接続面29bの所
定範囲で移動可能となって該所定範囲の任意位置で固定
されることを特徴とする。
【0008】このシリンダヘッドの配管装置では、シリ
ンダヘッドが取り付けられた後に、収容管がフランジ座
接続面の所定位置に移動され、枝管と接続開口穴とが位
置合わせされる。従って、枝管と接続開口穴とを位置決
めしながらシリンダヘッドを取り付ける必要がなくな
る。
【0009】請求項3記載のシリンダヘッドの配管装置
45は、枝管35一端の外周と前記収容管31の内周と
の間、及び枝管35他端の外周と前記接続開口穴39の
内周との間に、環状弾性シール体(Oリング37)が介
装されることを特徴とする。
【0010】このシリンダヘッドの配管装置では、枝管
一端と収容管との間、及び枝管他端と接続開口穴との間
が環状弾性シール体によってシールされ、軸方向に移動
可能な枝管の両端と、収容管及び接続開口穴とが高気密
にシールされる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るシリンダヘッ
ドの配管装置の好適な実施の形態を図面を参照して詳細
に説明する。図1は本発明に係るシリンダヘッドの配管
装置を示す要部拡大断面図、図2は本発明に係る配管装
置の備えられた内燃機関の平面図、図3は図2のA矢視
図、図4は図3のB部拡大図である。
【0012】図2に示すように、クランクケース21の
内部には不図示のシリンダライナーが図2の左右方向に
複数並設され、シリンダライナーの上端はクランクケー
ス21の上部で開口している。図2及び図3に示すよう
に、クランクケース21の上部には独立した複数のシリ
ンダヘッド23が取り付けられ、シリンダヘッド23は
シリンダの上端を閉鎖して不図示の燃焼室を画成してい
る。
【0013】図2に示すように、シリンダヘッド23の
外部近傍には、このシリンダヘッド23の並設方向に沿
って、主配管である始動空気主管25が配設されてい
る。図2及び図3に示すように、始動空気主管25は、
基端が屈曲管27を介して不図示の始動空気供給装置に
接続されている。始動空気主管25にはそれぞれのシリ
ンダヘッド23に対応してフランジ座29が取り付けら
れている。図4に示すように、フランジ座29とシリン
ダヘッド23とは、後述の枝管35によって接続され
る。
【0014】図1に示すように、フランジ座29は、始
動空気主管25の内部に連通する開口部29aを接続面
29bに開口させている。このフランジ座29には両端
の開口した収容管(フランジボス)31の一端がガスケ
ット33を介して接続されている。フランジボス31
は、一端が、フランジ座29の接続面29bの所定範囲
内で移動可能となっている。この移動可能な構造として
は、フランジ座29とフランジボス31とを螺着するボ
ルトのボルト穴にクリアランス(ボルトとボルト穴とが
相対可動可能な余裕空間)を設ける等が考えられる。つ
まり、フランジボス31は、接続面29bの所定範囲の
任意位置でフランジ座29にボルト固定されるようにな
っている。
【0015】フランジボス31の他端には枝管35が所
定の深さで挿入されている。枝管35は、例えば全長の
1/3程度がフランジボス31の内周に挿入される。つ
まり、枝管35は、先端側がフランジボス31から引出
し可能となっている。枝管35の基端外周には周溝が形
成され、この周溝には環状弾性シール体であるOリング
37が外嵌されている。このOリング37は、枝管35
の外周とフランジボス31の内周とを、軸線方向に摺動
自在に気密シールしている。
【0016】それぞれのシリンダヘッド23には、フラ
ンジボス31に対応して接続開口穴39が形成されてい
る。接続開口穴39は、クランクケース21内の不図示
の燃焼室へ連通している。この接続開口穴39の内径
は、枝管35の外径と略同一に形成され、枝管35の他
端(先端)を挿入可能としている。接続開口穴39と、
枝管35の先端との距離は、枝管35のフランジボス3
1への差し込み長さより短く設定されている。
【0017】つまり、枝管35は、フランジボス31か
ら引き出されることで、基端がフランジボス31に挿入
されたままの状態でシリンダヘッド23の接続開口穴3
9に挿嵌されるようになっている。また、枝管35の先
端外周には周溝が形成され、この周溝には上述同様のO
リング37が外嵌される。このOリング37は、枝管3
5の外周と接続開口穴39の内周とを、軸線方向に摺動
自在に気密シールする。
【0018】枝管35のOリング37を装着するための
周溝同士の間には、これよりも幅広の周溝41が形成さ
れている。この周溝41は、枝管35がフランジボス3
1から引き出された際、フランジボス31の外部で露出
するようになっている。この周溝41には、ストッパー
(ばねクリップ)43が装着される。ばねクリップ43
は、例えばばね鋼材からなる帯板を環状に曲げて円周方
向の一部を分断して開放したC字形状に形成されてい
る。従って、この分断部を広げて周溝41に嵌着するこ
とで、内径側が周溝41に嵌着するようになっている。
【0019】これにより、先端が接続開口穴39に挿嵌
された状態の枝管35は、周溝41にばねクリップ43
が装着されることで、フランジボス31へ挿入される方
向の移動が規制され、接続開口穴39からの離脱が阻止
されるようになっている。
【0020】フランジ座29、フランジボス31、枝管
35、接続開口穴39、Oリング37を主な部材として
本実施形態に係るシリンダヘッドの配管装置45が構成
されている。
【0021】次に、このように構成される配管装置45
の作用を説明する。配管装置45を用いて始動空気主管
25とシリンダヘッド23とを接続するには、先ず、始
動空気主管25に取り付けられたフランジ座29に、フ
ランジボス31を取付け、このフランジボス31に枝管
35を挿入しておく。
【0022】次いで、クランクケース21にシリンダヘ
ッド23を取り付ける。シリンダヘッド23の固定が完
了したなら、枝管35をフランジボス31から引出し、
シリンダヘッド23の接続開口穴39に挿入する。枝管
35が接続開口穴39に挿入されたなら、枝管35の周
溝41にばねクリップ43を装着し、枝管35の軸線方
向の移動を規制して、接続開口穴39からの離脱を阻止
し、始動空気主管25とシリンダヘッド23との接続を
完了させる。
【0023】この際、クランクケース21とシリンダヘ
ッド23、或いはクランクケース21と始動空気主管2
5との位置ずれ等により、枝管35と接続開口穴39と
の位置が一致しない場合には、フランジ座29とフラン
ジボス31とを螺着するボルトを緩め、フランジ座29
に対してフランジボス31を移動して、枝管35の先端
と接続開口穴39とを一致させ、枝管35を接続開口穴
39に挿入する。その後、ボルトによりフランジ座29
とフランジボス31とを螺着する。
【0024】また、シリンダヘッド23の分解等の場合
には、ばねクリップ43を枝管35から脱着することに
より、接続開口穴39から枝管35をフランジボス31
内に引き込み、枝管35とシリンダヘッド23との接続
が容易に解除されることになる。
【0025】上述の配管装置45では、ボルト締めを不
要にしてシリンダヘッド23と始動空気主管25との接
続が可能になる。また、シリンダヘッド23が取り付け
られた後に、枝管35と接続開口穴39との位置合わせ
が可能になる。従って、枝管35と接続開口穴39とを
位置決めしながらシリンダヘッド23を取り付ける必要
がなくなる。更に、枝管35と、フランジボス31及び
接続開口穴39とがOリング37によってシールされ、
軸方向に移動可能な枝管35が高気密にシールされる。
【0026】このように、上述の配管装置45によれ
ば、ボルト締めを廃止して配管接続の作業性を向上させ
ることができる。また、迅速なシリンダヘッド取り付け
作業を行うことができる。更に、フランジボス31がフ
ランジ座29に対して移動可能なので、位置合わせの自
由度を高めることができる。
【0027】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る請求項1記載のシリンダヘッドの配管装置は、主配管
に収容管が接続され、この収容管に枝管の基端が所定の
深さで挿入されるので、シリンダヘッドが取り付けられ
た後に、枝管を引き出して接続開口穴に挿嵌し、枝管の
外周にストッパーを装着することで、枝管の軸方向の移
動を規制してシリンダヘッドと主配管とを接続すること
ができる。この結果、枝管のボルト締めを行うことなく
シリンダヘッドと主配管とを接続することができ、配管
接続の作業性を向上させることができる。また、ストッ
パーを脱着するのみで枝管が収容管内に収容されるの
で、分解作業性も向上させることができる。
【0028】請求項2記載のシリンダヘッドの配管装置
は、収容管の一端が、フランジ座接続面の所定範囲で移
動可能となって固定されるので、シリンダヘッドを取り
付けた後に、収容管を所定の位置でフランジ座接続面に
固定し、枝管をシリンダヘッドの接続開口穴に一致させ
ることができる。この結果、枝管と接続開口穴とを位置
決めしながらシリンダヘッドを取り付ける必要がなく、
迅速なシリンダヘッド取り付け作業を行うことができ
る。また、収容管の一端が、フランジ座接続面の所定範
囲で移動可能となるので、位置合わせの自由度が高ま
り、短時間での位置合わせを可能にすることができる。
【0029】請求項3記載のシリンダヘッドの配管装置
は、枝管一端と収容管との間、及び枝管他端と接続開口
穴との間に、環状弾性シール体が介装されるので、軸方
向に移動する枝管と、収容管及び接続開口穴とを高気密
にシールして、主配管とシリンダヘッドとの間での流体
漏れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシリンダヘッドの配管装置を示す
要部拡大断面図である。
【図2】本発明に係る配管装置の備えられた内燃機関の
平面図である。
【図3】図2のA矢視図である。
【図4】図3のB部拡大図である。
【図5】従来の多気筒ディーゼルエンジンの正面図であ
る。
【図6】従来の枝管の接続されたシリンダヘッドの要部
拡大図である。
【符号の説明】
23 シリンダヘッド 25 始動空気主管(主配管) 29 フランジ座 29a 開口部 29b 接続面 31 フランジボス(収容管) 35 枝管 37 Oリング(環状弾性シール体) 39 接続開口穴 43 ばねクリップ(ストッパー) 45 シリンダヘッドの配管装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗木 淳 新潟県新潟市岡山1300番地 株式会社新潟 鉄工所原動機事業部新潟内燃機工場内 (72)発明者 佐藤 長幸 新潟県新潟市岡山1300番地 株式会社新潟 鉄工所原動機事業部新潟内燃機工場内 Fターム(参考) 3G024 AA01 BA00 BA18 BA20 FA08 FA14 GA26 GA35 GA40

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッドと、該シリンダヘッドに
    沿って配設された主配管とを接続するシリンダヘッドの
    配管装置であって、 前記主配管に一端が接続されて他端が開口する収容管
    と、 該収容管の内周に基端が所定の深さで挿入されるととも
    に該収容管から引き出されることで前記基端が該収容管
    に挿入されたままの状態で前記シリンダヘッドの接続開
    口穴に先端が挿嵌される枝管と、 先端が前記接続開口穴に挿嵌された状態の該枝管の外周
    に装着され前記収容管へ挿入される方向の該枝管の移動
    を規制するストッパーとを具備したことを特徴とするシ
    リンダヘッドの配管装置。
  2. 【請求項2】 前記主配管の内部に連通する開口部を接
    続面に開口させたフランジ座を有し、 前記収容管の一端が、該フランジ座接続面の所定範囲で
    移動可能となって該所定範囲の任意位置で固定されるこ
    とを特徴とする請求項1記載のシリンダヘッドの配管装
    置。
  3. 【請求項3】 枝管一端の外周と前記収容管の内周との
    間、及び枝管他端の外周と前記接続開口穴の内周との間
    に、環状弾性シール体が介装されることを特徴とする請
    求項1又は請求項2記載のシリンダヘッドの配管装置。
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