JP2000205014A - 筒内噴射式エンジンの制御装置 - Google Patents

筒内噴射式エンジンの制御装置

Info

Publication number
JP2000205014A
JP2000205014A JP11006937A JP693799A JP2000205014A JP 2000205014 A JP2000205014 A JP 2000205014A JP 11006937 A JP11006937 A JP 11006937A JP 693799 A JP693799 A JP 693799A JP 2000205014 A JP2000205014 A JP 2000205014A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
pressure
fuel injection
acceleration
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11006937A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomomi Watanabe
友巳 渡辺
Hiroshi Hayashibara
寛 林原
Tomoaki Saito
智明 齊藤
Keiji Araki
啓二 荒木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP11006937A priority Critical patent/JP2000205014A/ja
Publication of JP2000205014A publication Critical patent/JP2000205014A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気還流装置を備えた筒内噴射式エンジンに
おいて、排気還流が行われているような状態からの加速
時に、加速初期のスモークの発生を抑制するとともに、
エンジンに対する外部負荷が増大することを抑制して、
加速性を確保する。 【解決手段】 燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁
と、燃圧を調節する燃料圧送量可変の燃料圧送ポンプ
と、EGR装置と、EGR弁を制御するEGR弁制御手
段41と、加速検出手段51と、燃圧制御手段34とを
備える。この燃圧制御手段34は、加速検出手段51に
よる検出に基づき、加速初期に上記燃料噴射圧力を一時
的に高め、加速途中から上記燃料噴射圧力を下げるよう
に燃料圧送ポンプを制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼室内に燃料を
噴射する燃料噴射弁を備えたディーゼルエンジン等の筒
内噴射式エンジンの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開平8−338318号
公報に示されるように、ディーゼルエンジンの排気ガス
を吸気通路内に還流させるEGR通路(排気還流通路)
と、このEGR通路に設けられて上記排気還流量を調節
するEGR弁(排気還流弁)とを有するディーゼルエン
ジン用排気還流装置において、低回転部分負荷領域等の
所定運転領域で排気還流を行うとともに、その運転領域
で、NOxを低減しつつスモークの発生を抑制すべく、
空気過剰率(空燃比)の目標値を定め、これと検出値と
の偏差に応じて上記EGR弁をフィードバック制御する
ことにより、空気過剰率が目標値となるようにEGR量
及び新気量をコントロールするものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、燃焼室内に
燃料を噴射する燃料噴射弁を備えたディーゼルエンジン
等の筒内噴射式エンジンで、とくに上記排気還流装置を
具備するものでは、加速初期にスモークが増大しやすい
という問題がある。
【0004】すなわち、上記ディーゼルエンジン等にお
いては、排気還流により空燃比が小さくなる程NOxが
低減されるが、空燃比がある程度以上小さくなるとスモ
ークが急激に増大してくるので、スモークの増大を招か
ない範囲でNOxをできるだけ低減すべく、比較的多量
のEGRが供給されるようにるように空燃比(空気過剰
率)が設定され、定常運転時には上記フィードバック制
御によりEGR量が適正に調整される。
【0005】しかし、このようにEGRが行われている
状態から加速されたとき、燃焼室に臨む燃料噴射弁から
の燃料噴射量は加速に応じて速やかに増加するのに対
し、吸入空気量の変化やEGR量の変化にはある程度の
応答遅れがあるため、加速初期に一時的に空燃比がリッ
チ側にずれてスモークが発生し易くなる。
【0006】なお、スモーク発生の対策としては、燃料
噴射弁から噴射される燃料の微粒化や空気とのミキシン
グの促進により燃焼性を向上することが考えられ、例え
ば燃料噴射弁からの燃料噴射圧力を高くすれば、燃料の
微粒化等が促進されてスモーク低減に有利となる。しか
し、燃料噴射圧力を高めるべく、燃料供給系統に設けら
れているエンジン駆動の燃料圧送ポンプの燃料圧送量を
多くすると、エンジンに加わる負荷が大きくなってエン
ジンの駆動損失が増大するため、加速性能の面からは不
利となる。
【0007】本発明は、このような事情に鑑み、排気還
流装置を具備した筒内噴射式エンジンの加速時に、エン
ジンの駆動損失の増大を極力抑制して加速性能を確保し
つつ、スモークの発生を抑制し、エミッションを向上す
ることができるターボ過給機付エンジンの制御装置を提
供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、この燃料噴射
弁からの燃料噴射圧力を変更可能とする燃圧調節手段
と、排気通路から排気ガスを取り出し排気還流弁を介し
て吸気系へ還流させる排気還流装置と、空燃比が予め設
定された目標空燃比となるように排気還流弁を制御する
排気還流弁制御手段とを備えた筒内噴射式エンジンにお
いて、エンジンの加速状態を検出する加速検出手段と、
この加速検出手段による検出に基づき、加速初期に上記
燃料噴射圧力を一時的に高め、加速途中から上記燃料噴
射圧力を下げるように上記燃圧調節手段を制御する燃圧
制御手段とを備えたものである。
【0009】この装置によると、空燃比が目標空燃比と
なるように排気還流量及び吸入空気量が調整されている
状態からの加速時において、燃料噴射量は増加するが吸
入空気量の増加の応答遅れが生じている加速初期は、燃
料噴射圧力が高められることにより、噴射燃料の拡散及
び微粒化が促進され、空気利用率が高められるため、燃
焼性が向上され、スモークの発生が抑制される。一方、
加速期間の途中からは吸入空気量の増加によりスモーク
の発生が抑えられ、このような状態になれば燃料噴射圧
力が下げられることにより、外部負荷低減による加速性
向上等に有利となる。
【0010】例えば、上記燃圧調節手段が、エンジンで
駆動されて燃料を圧送し、かつ、その燃料圧送量が可変
となった燃料圧送ポンプからなるもの(請求項2)であ
れば、加速途中から燃料噴射圧力を下げるべくエンジン
による燃料圧送ポンプの駆動量が低減されることによ
り、エンジンに対する負荷が低減される。
【0011】上記のような筒内噴射式エンジンの制御装
置において、エンジンの運転状態に応じて目標燃料噴射
圧力を設定する設定手段を有するとともに、上記燃圧制
御手段は、上記設定手段で運転状態に応じて設定される
目標燃料噴射圧力よりも高い燃料噴射圧力とし、上記加
速途中から上記目標燃料噴射圧力とするように燃圧調節
手段を制御すること(請求項3)が好ましい。
【0012】この場合、上記設定手段は、例えば、エン
ジン負荷が高くなるほど目標燃料噴射圧力を高く設定す
る(請求項4)。
【0013】このようにすると、燃料噴射量が多い高負
荷時は燃料噴射圧力が高められて燃料の拡散、微粒化が
促進されることにより燃焼性が高められる。そして、こ
のように運転状態に応じて目標燃料噴射圧力が変えられ
ることに加え、加速初期はさらに燃料噴射圧力が高めら
れることによりスモークの抑制が有効に行われる。
【0014】また、上記設定手段がエンジンの高回転高
負荷側ほど目標燃料噴射圧力を高く設定するようになっ
ている場合に、上記燃圧制御手段は、低回転領域におい
て加速状態となったときの加速初期に、上記設定手段で
運転状態に応じて設定される目標燃料噴射圧力よりも高
い燃料噴射圧力とするように燃圧調節手段を制御し(請
求項5)、例えば高回転高負荷時の目標燃料噴射圧力と
同程度まで高めるようになっていればよい(請求項
6)。
【0015】このようにすると、低回転領域において加
速状態となったとき、つまり低回転高負荷状態に移行し
たときの加速初期は、その低回転高負荷時の目標燃料噴
射圧力よりもさらに高い高回転高負荷時の目標燃料噴射
圧力と同程度まで燃料噴射圧力が高められることによ
り、スモークの抑制が有効に行われる。
【0016】また、上記のような筒内噴射式エンジンの
制御装置において、エンジンがディーゼルエンジンであ
る場合に、圧縮行程後半に燃料を噴射させるとともに、
加速初期に燃料噴射時期を進角させるように燃料噴射弁
からの燃料噴射を制御する噴射制御手段を備えているこ
とが好ましい(請求項7)。
【0017】このようにすると、燃圧が高められること
に加えて燃料噴射時期が進角されることにより、着火ま
での間の噴射燃料の拡散、微粒化が促進されて燃焼性が
さらに高められる。
【0018】また、加速初期に、噴射制御手段により燃
料噴射弁からの燃料噴射を同一サイクルで複数回に分割
して行うようにすること(請求項8)も効果的である。
エンジンがディーゼルエンジンである場合、噴射制御手
段は、加速初期に、圧縮行程後半の期間内に燃料噴射を
分割して行わせるように燃料噴射弁を制御すること(請
求項9)が好ましい。
【0019】このようにすると、噴射燃料の拡散及び空
気との混合が行われ易くなって空気利用率がさらに高め
られ、スモークの抑制により一層有利となる。
【0020】また、燃焼室内の吸気流動を制御する吸気
流動制御手段を備え、加速初期に燃圧制御手段により燃
圧を高めるとともに吸気流動制御手段により燃焼室内の
吸気流動を強めるようにすること(請求項10)が好ま
しい。
【0021】このようにすると、吸入空気量が充分に増
加していない加速初期でも吸気流動の強化により噴射燃
料と空気とのミキシングが促進されるとともに燃焼速度
が速められ、これと燃料噴射圧力が高められることとの
相乗作用でスモーク抑制効果が高められる。
【0022】この場合、燃圧制御手段は加速初期の燃料
噴射圧力をエンジン回転数に応じて変化させるように制
御し、吸気流動制御手段は加速初期の燃料噴射圧力が低
い回転数領域で吸気流動を強めるようになっていること
(請求項11)が効果的である。このように燃料噴射圧
力をエンジン回転数に応じて変化させる場合、加速初期
の燃料噴射圧力を高回転側ほど高くすればよい(請求項
12)。
【0023】このようにすると、騒音低減の要求も満足
されつつ、スモークの低減が図られる。つまり、燃料噴
射圧力が高くなるほど急激燃焼により燃焼音は増大し易
くなるので、騒音が問題となる低回転領域での加速初期
には高回転領域での加速初期と比べると燃料噴射圧力が
低くされるが、定常運転時よりは燃料噴射圧力が高くさ
れることと吸気流動が強化されることとの相乗作用でス
モークが抑制される。一方、吸気流速の高い高回転領域
での加速初期には、吸気流動が強くなりすぎることが避
けられつつ、燃料噴射圧力が高められることでスモーク
が抑制される。
【0024】また、エンジン低回転領域における加速初
期には燃圧制御手段により燃圧を高める制御と吸気流動
制御手段により吸気流動を強める制御との両方を行い、
エンジン高回転領域における加速初期には上記両制御の
うちで燃圧制御手段により燃圧を高める制御のみを行う
ようにしてもよい(請求項13)。
【0025】また、エンジンがディーゼルエンジンであ
る場合に、燃料噴射弁は多噴口を有するものであること
(請求項14)が好ましい。
【0026】このようにすると、吸気流動制御手段によ
り吸気流動が強められたときのミキシング促進などの作
用が良好に得られる。
【0027】請求項15に係る発明は、燃焼室内に燃料
を噴射する燃料噴射弁と、排気通路から排気ガスを取り
出し排気還流弁を介して吸気系へ還流させる排気還流装
置と、空燃比が予め設定された目標空燃比となるように
排気還流弁を制御する排気還流弁制御手段と、エンジン
で駆動されて燃料を圧送し、かつ、その燃料圧送量が可
変となった燃料圧送ポンプからなる燃圧調節手段と、燃
料噴射圧力を高回転高負荷側ほど高くするように上記燃
圧調節手段を制御する燃圧制御手段とを備えたディーゼ
ルエンジンにおいて、エンジンの加速状態を検出する加
速検出手段と、エンジン回転数を検出する回転数検出手
段と、燃焼室内の吸気流動を制御する吸気流動制御手段
を備え、この吸気流動制御手段は上記各検出手段による
検出に基づき、低回転領域での加速初期に吸気流動を強
めるようになっているものである。
【0028】この装置によると、低速領域において、空
燃比が目標空燃比となるように排気還流量及び吸入空気
量が調整されている状態から加速が行われたときの加速
初期には、燃料噴射量は増加するが吸入空気量の増加の
応答遅れが生じており、かつ、運転状態に応じて制御さ
れる燃料噴射圧力は高速領域と比べて低いが、このよう
な状況下でも吸気流動の強化により噴射燃料と空気との
ミキシングが促進されるとともに燃焼速度が速められ、
これによってスモークを抑制する作用が得られる。
【0029】この発明の装置において、さらに燃料噴射
弁からの燃料噴射を制御する噴射制御手段を備え、低回
転領域での加速初期には吸気流動制御手段により吸気流
動を強める制御を行うとともに上記噴射制御手段により
燃料噴射弁からの燃料噴射を同一サイクルで複数回に分
割する制御を行い、一方、高回転領域での加速初期には
上記燃圧制御手段により燃料噴射圧力を高めるように制
御すること(請求項16)も好ましい。
【0030】このようにすると、低速領域での加速時に
おける加速初期には、吸気流動が強化されることに加え
て分割噴射が行われることにより、空気とのミキシング
等が良好に行われて、スモークの発生が充分に抑制され
る。一方、高速領域での加速時における加速初期には、
吸気流動が強くなり過ぎる等の不都合を避けるため吸気
流動の強化及び分割噴射は停止されが、燃料噴射圧力が
高められることによりスモークの発生が抑制される。
【0031】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る制御装置を
備えたターボ過給機付エンジンの実施形態を示してい
る。図示のエンジンはディーゼルエンジンであり、その
エンジン本体1には吸気通路2及び排気通路3が接続さ
れている。また、このエンジンにはターボ過給機5が装
備され、このターボ過給機5は、吸気通路2に設けられ
たコンプレッサ6と、コンプレッサ6を排気エネルギー
により駆動するために排気通路3に設けられたタービン
7とを備えるとともに、後述のような可変翼8を具備し
ている。さらにこのエンジンには、排気通路3と吸気通
路2とを連通するEGR通路(排気還流通路)11と、
このEGR通路11に介設されたEGR弁(排気還流
弁)12とを有するEGR装置(排気還流装置)が設け
られている。
【0032】エンジン各部の構造を具体的に説明する
と、エンジン本体1の各シリンダ14には燃焼室内に燃
料を噴射する多噴口の燃料噴射弁15が配設されてい
る。各燃料噴射弁15は、制御信号に応じて燃料噴射時
間及び噴射時期の制御が可能な構造となっている。これ
らの燃料噴射弁15の燃料入口側は分配通路16を介し
てコモンレール(共通管)17に接続され、また各燃料
噴射弁15の燃料出口側はリターン通路19に接続され
ている。上記コモンレール17は燃料通路18を介して
燃料圧送ポンプ(燃圧調節手段)20に接続されてお
り、燃料圧送ポンプ20から送給された燃料がコモンレ
ール17で蓄圧された上で各燃料噴射弁15に送られる
ようになっている。
【0033】上記燃料圧送ポンプ20は、エンジンで駆
動されて燃料を圧送し、かつ、その燃料圧送量が可変と
なっており、制御信号に応じて圧送量を調節し得るよう
になっている。そして、この圧送量の調節によりコモン
レール内圧力、つまり燃料噴射弁15からの噴射圧力が
調節される。
【0034】上記吸気通路2には、その上流側から順に
エアフローセンサ21と、ターボ過給機5のコンプレッ
サ6と、インタークーラ22と、サージタンク23とが
配設されるとともに、サージタンク23に吸気圧力セン
サ24が設けられている。
【0035】さらに、サージタンク23と各気筒との間
において独立吸気通路200の下流側には、燃焼室内に
吸気流動を生成する手段、例えばスワールを生成するス
ワール生成手段が設けられている。このスワール生成手
段は、図3のように、各シリンダ14の燃焼室に対して
それぞれ一対の吸気ポート201,202が並列に形成
されるとともに、その一方の吸気ポート201にスワー
ル弁203が設けられることにより構成され、上記スワ
ール弁203により一方の吸気ポート201の吸気流動
が遮断または制限されたとき、他方の吸気ポート202
から燃焼室内に流入する吸気流により燃焼室内にスワー
ルSが生成されるようになっている。上記スワール弁2
03はロッドを介してアクチュエータ204に連結され
ている。
【0036】また、上記排気通路3には、ターボ過給機
5のタービン7と、触媒コンバータ25とが配設されて
いる。当実施形態では、上記ターボ過給機5が、図2に
示すようにタービン7の周囲にノズルを形成する多数の
可変翼8を備えたVGT(バリアブルジオメトリーター
ボ)からなり、タービン効率の調節が可能となってい
る。
【0037】すなわち、このターボ過給機5(以下、V
GT5と呼ぶ)は、可変翼8の角度調節により、図2
(a)に示す全閉(流通面積最小)から図2(b)に示
す全開(流通面積最大)までにわたり可変翼8の開度つ
まりノズル開口面積(タービンへの排気流通面積)が可
変となり、これによってタービン効率が制御されるよう
に構成されている。
【0038】図1中に示すように上記可変翼8は負圧応
動式のアクチュエータ9により駆動され、このアクチュ
エータ9は電磁弁26を介してバキュームポンプ27に
接続されている。そして、上記電磁弁26がデューティ
制御されることでアクチュエータ9に対する負圧と大気
圧との導入割合が調整され、これにより可変翼8の開度
が制御されるようになっている。
【0039】また、上記EGR通路11は、その一端部
が排気通路3におけるタービン7の上流側、例えば排気
マニフォールドの集合部に接続されるとともに、他端部
が上記吸気通路2における吸気絞り弁23の下流側、例
えばサージタンク23もしくはその上流に接続されてい
る。このEGR通路11に介設されたEGR弁12は、
デューティ制御可能な電磁弁28を介してバキュームポ
ンプ27に接続され、上記電磁弁28がデューティ制御
されることでEGR弁12の負圧室に対する負圧と大気
圧との導入割合が調整され、これによりEGR弁12の
開度が制御されるようになっている。
【0040】上記燃料噴射弁15、燃料圧送ポンプ2
0、アクチュエータ204及び上記電磁弁26,28に
はコントロールユニット(ECU)30から制御信号が
出力される。このECU30には、上記エアフローセン
サ21及び吸気圧力センサ24からの信号が入力され、
さらに、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ3
1、エンジンのクランク角を検出するクランク角センサ
32、上記コモンレール17内の燃料圧力を検出する燃
圧センサ33等からの信号も入力されるようになってい
る。
【0041】そして、上記ECU30から燃料噴射弁1
5に出力される制御信号により燃料噴射弁15からの燃
料噴射量及び噴射時期が制御され、燃料圧送ポンプ20
に出力される制御信号によりコモンレール17内の燃料
圧力が制御され、アクチュエータ204に出力される制
御信号によりスワール弁203が制御され、また電磁弁
26,28に出力される制御信号(デューティ信号)に
よりVGT5の可変翼8及びEGR弁12がそれぞれ制
御されるようになっている。
【0042】上記ECU30は、図4に示すように、コ
モンレール17内の燃料圧力(燃圧)を制御することに
よって燃料噴射弁15の燃料噴射圧力を制御する燃圧制
御手段34と、燃料噴射弁15の燃料噴射量を制御する
燃料噴射量制御手段35と、上記燃料噴射量に加え燃料
噴射時期等を設定して燃料噴射弁15からの燃料噴射を
制御する噴射制御手段36と、EGR弁12を制御する
EGR制御手段(排気還流弁制御手段)41と、VGT
開度(VGT5の可変翼の開度)を制御するVGT制御
手段42と、スワール弁203を制御するスワール制御
手段43とを有している。
【0043】燃圧制御手段34は、実燃圧CRPが運転
状態に応じて設定された目標燃圧CRPsolとなるよ
うに燃料圧送ポンプ20を制御する。すなわち、アクセ
ル開度センサ31によって検出されたアクセル開度Ac
celと、エンジン回転数検出手段50によってクラン
ク角信号の周期の計測等により検出されたエンジン回転
数Neとに基づき、予め設定されたマップ37からエン
ジンの目標トルクTrqsolが求められ、この目標ト
ルクTrqsolとエンジン回転数Neとに基づき、予
め設定されたマップ39から目標燃圧CRPsolが設
定される。
【0044】上記マップ39は運転状態に応じて目標燃
料噴射圧力を設定する設定手段に相当するもので、エン
ジン負荷が高くなるほど目標燃圧CRPsolが高くな
り、かつ、エンジン回転数が高くなるほど目標燃圧CR
Psolが高くなるように設定されている(図7参
照)。従って、高回転高負荷領域で目標燃圧CRPso
lが最も高くされる。
【0045】そして上記燃圧制御手段34は、上記目標
燃圧CRPsolと燃圧センサ33で検出された実燃圧
CRPとの偏差に応じて燃料圧送ポンプ20を制御する
ことにより、実燃圧CRPが目標燃圧CRPsolとな
るように制御している。
【0046】さらに燃圧制御手段34は、加速検出手段
51による検出に基づき、加速時には、加速初期に一時
的に燃圧を運転状態に応じて設定された目標燃圧よりも
高くし、例えば低回転領域で加速状態となったときの加
速初期の燃圧を高回転高負荷時の目標燃圧と同程度にま
で高める。そして、加速途中から燃圧を下げ、例えばそ
の時の運転状態に応じた目標燃圧までさげるように制御
する。なお、上記加速検出手段51は、アクセル開度セ
ンサ31により検出されるアクセル開度Accelの変
化率を調べる等により加速を判定するようになってい
る。
【0047】上記燃料噴射量制御手段35は、上記マッ
プ37から読み出された目標トルクTrqsolと、エ
ンジン回転数Neと、上記エアフローセンサ21によっ
て検出された実新気量FAirとに基づき、予め設定さ
れた三次元マップ38から目標燃料噴射量Fsolを読
み出し、この目標燃料噴射量Fsolと、燃圧センサ3
3によって検出された燃圧CRPとに基づき、実際の燃
料噴射量が目標燃料噴射量Fsolとなるように燃料噴
射弁15の励磁時間を演算する。
【0048】上記噴射制御手段36は、運転状態に応じ
て設定した燃料噴射時期に、上記燃料噴射量制御手段3
5により求められた励磁時間だけ燃料噴射を行わせるよ
うに燃料噴射弁15を駆動する。上記燃料噴射時期は、
圧縮行程後半の期間内で、目標トルクTrqsolおよ
びエンジン回転数Neに基づき、予め設定されたマップ
から求められる。また、後に詳述すように加速初期には
圧縮行程後半の期間内で分割噴射が行われ、その最初の
噴射時期が基本的な燃料噴射時期よりも進角される。
【0049】また、EGR制御手段41は、少なくとも
低回転部分負荷の運転領域で、空燃比が目標空燃比A/
FsolとなるようにEGR弁12をフィードバック制
御する。
【0050】すなわち、フィードバック制御時には、上
記目標トルクTrqsolとエンジン回転数Neとに基
づいて予め設定されたマップ44から目標空燃比A/F
solが読み出され、この目標空燃比A/Fsolと上
記目標燃料噴射量Fsolとに基づき、目標新気量演算
部45によりエンジン本体1の燃焼室に吸入される新気
の目標新気量FAsolが演算され、この目標新気量F
Asolの演算値とエアフローセンサ33で検出された
実新気量FAirとがEGR弁制御手段41に入力され
る。
【0051】そして、EGR弁制御手段41により、目
標新気量FAsolと実新気量FAirとの偏差に応じ
た制御信号(デューティ信号)がEGR弁駆動用の電磁
弁28に出力されることにより、上記偏差をなくすよう
にEGR弁12の開度がフィードバック制御される。こ
のような制御を以下にエアーフローフィードバック制御
と呼ぶ。
【0052】VGT制御手段42は、少なくとも低回転
部分負荷領域で、実過給圧(吸気圧力センサ24により
検出される吸気圧)Bstが目標過給圧Bstsolと
なるように、VGT5の可変翼8をフィードバック制御
する。すなわち、このフィードバック制御時には、上記
目標トルクTrqsolとエンジン回転数Neとに基づ
いて予め設定されたマップ46から目標過給圧Bsts
olが読み出され、この目標過給圧Bstsolと吸気
圧力センサ24で検出された実過給圧BstとがVGT
制御手段42に入力される。そして、VGT制御手段4
2により、上記実過給圧Bstと目標過給圧Bstso
lとの偏差に応じた制御信号(デューティ信号)がVG
T駆動用の電磁弁26に出力されることにより、上記偏
差をなくすようにVGT開度がフィードバック制御され
る。このような制御を以下に過給圧フィードバック制御
と呼ぶ。
【0053】上記エアフローフィードバック制御及び過
給圧フィードバック制御は、全運転領域で行うようにし
てもよいが、アクセル全開付近の高負荷領域ではEGR
弁12を全閉に保ってEGRを停止するとともに、VG
T5の可変翼8を高負荷領域において低回転側で閉じ、
高回転側で開くというように運転状態に応じてオープン
制御してもよい。また、空気過剰率の多いアイドル運転
領域では、EGR量を多くしてNOx低減を図るべく、
VGT5の可変翼8を全閉とするとともに、EGR弁1
2を全開としておけばよい。また、加速時には、EGR
弁12を閉じるようにすることが望ましい。
【0054】当実施形態の装置による制御の一例を、図
5及び図6のフローチャートによって説明する。
【0055】図5は加速検出に応じた燃圧制御、燃料噴
射制御及びスワール弁制御のルーチンを示している。こ
のルーチンがスタートすると、まずステップS1でエン
ジン回転数検出手段50により検出されるエンジン回転
数、燃料噴射量制御手段35で求められる燃料噴射量、
アクセル開度センサ31により検出されるアクセル開
度、燃圧センサ33により検出される燃圧、エアフロー
センサ21により検出される新気量等の信号が入力され
る。
【0056】続いてステップS2で加速初期か否かが判
定される。この場合、例えばアクセルペダルが踏み込ま
れたときのアクセル開度の変化率が所定の加速判定値以
上となった時点を加速開始とし、この加速開始から所定
時間以内の期間を加速初期とする。なお、加速時に上記
EGR弁12を閉作動するように制御する場合、EGR
弁12は多量のEGRを可能とすべく比較的大きなもの
であって、EGR弁閉作動のための制御信号が出力され
てから実際にEGR弁12が閉じ終わるまでに応答遅れ
があることから、加速開始からEGR弁12が閉じ終わ
るまでの期間を加速初期としてもよい。あるいは、加速
開始から吸入空気量の変化率が所定値以下になる時点ま
でを加速初期としてもよい。
【0057】上記加速初期である場合、ステップS3で
スワールを強めるようにスワール弁203が閉じられ
る。さらに、ステップS4〜S7で、図7に示すような
マップからエンジン回転数及び燃料噴射量に応じた目標
燃圧が算出されて、この目標燃圧が最大燃圧であればこ
の燃圧が保持され、最大燃圧でなければ最大燃圧にセッ
トされる。すなわち、図7のマップに示すように目標燃
圧CRPsolは低回転低負荷で最小(例えば20MP
a程度)とされ、エンジン回転数及び負荷が高くなるに
つれて増大し、高回転高負荷で最大(例えば150MP
a程度)となるが、加速初期には運転状態に拘わらず最
大燃圧とされる。
【0058】さらに加速初期は、ステップS8〜S10
で、圧縮行程後期の期間中に複数回、例えば2回に分け
て燃料噴射を行う分割噴射が設定され、ステップS1で
入力された燃料噴射量と予め設定された分割比とから複
数回の噴射の各燃料噴射量が演算されるとともに、各噴
射タイミングが設定され、分割噴射が実行される。例え
ば図8に示すように、圧縮行程後期の期間中に2回の燃
料噴射が行われるように第1及び第2の噴射パルスP
1,P2が出力される。この場合、1回目の燃料噴射
(P1)の時期は一括噴射の噴射時期より進角され、1
回目の燃料噴射量は2回目の燃料噴射量以上となるよう
に設定されている。
【0059】ステップS5で加速初期でないと判定され
た場合、つまり加速時以外(定常運転時等)である場合
や加速途中以降である場合には、ステップS11でスワ
ール弁開度がエンジン回転数及びアクセル開度等に基づ
いてマップから算出され、その開度にスワール弁203
が制御される。さらに、ステップS12で目標燃圧がエ
ンジン回転数及び燃料噴射量に基づいて図7のマップか
ら算出されるとともに、ステップS13〜S15で、一
括噴射が設定されて、その噴射タイミングが運転状態に
応じてマップから算出され、一括噴射が実行される。
【0060】図6は燃圧制御のルーチンを示している。
このルーチンがスタートすると、前述の図5のルーチン
による処理に基づいてステップS21で最終的な目標燃
圧が設定される。つまり、加速初期であればステップS
5〜S7の処理に基づいて最大燃圧が最終的な目標燃圧
とされ、それ以外であればステップS12でマップから
求められた目標燃圧が最終的な目標燃圧とされる。
【0061】続いてステップS22で燃圧センサ33に
より検出される実燃圧が読み込まれ、ステップS23で
実燃圧と最終的な目標燃圧との偏差が算出される。そし
てこの偏差に基づき、ステップS24でPID制御によ
り燃圧制御量が演算され、ステップS25で上記燃圧制
御量が燃料圧送ポンプ20に対して出力される。なお、
加速初期に上記最大燃圧とされる場合は、オープン制御
で燃料圧送ポンプ20を最大燃圧が得られる動作状態に
制御するようにしてもよい。
【0062】以上のような当実施形態の装置によると、
加速時にはアクセル開度、吸入空気量、燃圧及びスワー
ル比が図9に示すように変化する。
【0063】すなわち、アクセルペダルが踏み込まれる
加速操作によりアクセル開度が所定の加速判定基準値以
上の変化率で増大したときに加速と判定される。そし
て、加速開始後に、アクセル開度が大きい開度に保たれ
るとともに吸入空気量が増加している期間が加速期間に
相当するが、この加速期間のうち、加速開始時点t0か
ら所定時間経過時点t2までが加速初期とされる。
【0064】この加速初期に、燃圧が定常運転時の燃圧
よりも高められるとともに、スワール弁203が閉じら
れることによりスワール比が大きくされ、これによりス
モークの発生が抑制される。
【0065】すなわち、加速が行われると、目標トルク
が高くなることに応じて燃料噴射量が増加するととも
に、目標過給圧及び目標新気量が増加するが、過給圧の
上昇には遅れがあるため、加速初期には、吸入空気量
(新気量)があまり増加していない状態で燃料噴射量が
増やされ、これにより噴射燃料の微粒化が悪くなってス
モークが発生し易い状況となる。特に、EGRが行われ
ている状態から加速が行われた場合には、EGRによっ
て空気過剰率が比較的少ない状態にある(加速時にEG
R弁が閉じられるとしてもその閉作動の遅れが生じてい
る加速初期はこのような状態にある)ため、燃料噴射量
が増やされて微粒化が悪くなった場合により一層スモー
クが発生し易くなる。
【0066】このような状況にある加速初期に、燃圧
(燃料噴射弁からの燃料噴射圧力)が高められることに
より、噴射燃料の拡散及び微粒化が促進され、空気利用
率が高められるため、燃焼性が向上され、スモークの発
生が抑制される。この場合、当実施形態では低回転領域
でも燃圧が高回転高負荷時の目標燃圧である最大燃圧に
まで高められることにより、上記作用が充分に発揮され
る。
【0067】燃圧を高めることに加えて燃料噴射時期を
進角させるようにすれば、着火までの間の噴射燃料の拡
散、微粒化が促進されることにより燃焼性がさらに高め
られる。特に当実施形態のように分割噴射としてその第
1回目の燃料噴射時期を一括噴射時と比べて進角させる
ようにすると、噴射燃料の拡散等により空気利用率を高
めるのに、より一層有利となる。
【0068】さらに、加速初期に燃焼室内のスワールが
強められることにより、吸入空気量が充分に増加してい
ない状態でもスワールにより噴射燃料と空気とのミキシ
ングが促進されるとともに燃焼速度が速められ、これに
よってもスモークの発生を抑制する作用が高められる。
【0069】当実施形態のように上記燃料噴射弁15が
多噴口となっていれば、燃圧を高めることによる微粒化
促進、スワールを強化することによるミキシング促進等
の作用が、より効果的に発揮される。
【0070】一方、加速途中からは、過給圧の上昇に伴
い吸入空気量が増加し、さらにEGRが停止もしくは減
少することによっても吸入空気量が増加し、この吸入空
気量の増加により噴射燃料の拡散、微粒化が促進されて
燃焼性が高められる状態となる。このような状態となる
加速途中の時点t1以後は、加速初期に高められていた
燃圧がその時の運転状態に応じてマップから求められる
目標燃圧まで引き下げられ、これにより、エンジンに作
用する燃料圧送ポンプ20の駆動負荷が低減される。つ
まり、加速期間の途中以降は新気が増加するとともに燃
料圧送ポンプ20の負荷が低減されることにより、加速
性能が高められる。
【0071】さらに、加速途中からはスワール弁203
が運転状態に応じてマップから求められる開度まで開か
れることにより、吸入空気量の増加につれてスワールが
強くなり過ぎることが避けられるとともに、スワール弁
203での吸気流通抵抗が低減されて吸入空気量の増加
が促進される。
【0072】なお、本発明の装置における制御手段等の
構成は上記実施形態に限定されず、種々変更可能であ
り、以下に変更例を説明する。
【0073】上記実施形態では、加速初期に分割噴射
を行っているが、分割噴射を行わずに、噴射時期を進角
させるようにしても、進角させない場合と比べて噴射燃
料の拡散、微粒化等に有利となる。
【0074】上記実施形態では加速初期に燃圧を最大
燃圧(高回転高負荷時の燃圧)に制御しているが、加速
初期の燃圧をエンジン回転数に応じて変化させ、高回転
側ほど高くするようにしてもよい。
【0075】上記実施形態では加速初期には無条件で
スワール(吸気流動)を強化するとともに燃圧を高める
ようにしているが、高回転領域ではスワールが強くなり
すぎることを避けるとともに吸気抵抗を低減するためス
ワール弁203を開き、低回転領域での加速初期にのみ
スワール弁203を閉じてスワールを強化するようにし
てもよい。
【0076】このようにする場合に、低回転領域におけ
る加速初期には燃圧を高める制御とスワールを強める制
御の両方を行い、高回転領域では燃圧を高める制御のみ
を行うようにすればよい。
【0077】燃圧の制御及びスワールの制御を行う場
合の別の実施形態として、燃圧を高回転高負荷側ほど高
くするように制御するとともに、低回転領域での加速初
期にスワール(吸気流動)を強化するようにしてもよ
い。このようにすると、低回転領域での加速初期にはス
ワールにより燃焼性が高められることでスモークの発生
が抑制され、高回転側では燃圧が高くなることにより加
速初期のスモークの発生が抑制される。
【0078】また、このように制御する場合に、低回転
領域での加速初期にはスワールを強めるとともに分割噴
射を行うようにする一方、高回転領域での加速初期は燃
圧を高める制御のみを行うようにしてもよい。このよう
にするとスモークが発生し易い低回転領域での加速初期
にスワールと分割噴射の相乗作用で燃焼性が高められて
効果的にスワールの発生が抑制される。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、燃焼室
内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、燃圧調節手段と、排
気還流装置及び排気還流弁制御手段を備えたエンジンに
おいて、エンジンの加速初期に上記燃料噴射圧力を一時
的に高め、加速途中から上記燃料噴射圧力を下げるよう
に上記燃圧調節手段を制御しているため、排気還流が行
われている状態から加速が行われたときの加速初期に、
燃料噴射量は増加するが吸入空気量は応答遅れにより充
分に増加していない状態でも、噴射燃料の拡散及び微粒
化を促進して燃焼性を向上し、スモークの発生を抑制す
ることができる。
【0080】また、吸入空気量の増加によりスモークの
発生が抑えられる状態となる加速途中からは、燃料噴射
圧力を下げることによりエンジンに対する外部負荷を低
減して加速性を向上することができる。
【0081】この発明において、エンジンがディーゼル
エンジンである場合に、加速初期に、燃料噴射圧力を高
めることに加え、燃料噴射時期を進角させ、あるいは圧
縮行程後半の期間内に分割噴射を行うようにすれば、噴
射燃料の拡散、微粒化をさらに促進して、より効果的に
スモークの発生を抑制することができる。
【0082】また、加速初期に、燃料噴射圧力を高める
ことに加え、吸気流動制御手段により燃焼室内の吸気流
動を強めるようにすれば、噴射燃料と空気とのミキシン
グの促進等により燃焼性を高め、より効果的にスモーク
の発生を抑制することができる。
【0083】また、燃圧制御手段により燃料噴射圧力を
高回転高負荷側ほど高くするように制御するとともに、
低回転領域での加速初期に吸気流動制御手段により吸気
流動を強めるようにしておけば、低回転領域での加速初
期には吸気流動の強化によりスモークの発生を抑制し、
高回転高負荷領域では燃料噴射圧力を高くすることでス
モークの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る制御装置を備えたターボ過給機付
エンジンの実施形態を示す概略図である。
【図2】過給機の一例としてのVGTにおける可変翼配
設部分の構造の模式図である。
【図3】スワール生成手段の構成を示す要部の概略平面
図である。
【図4】エンジンのコントロールユニットの具体的構成
を示すブロック図である。
【図5】制御動作の一例を示すものであって、加速初期
等における燃圧制御、燃料噴射制御及びスワール弁制御
のルーチンを示すフローチャートである。
【図6】目標燃圧と実燃圧とに基づく燃圧のフィードバ
ック制御のルーチンを示すフローチャートである。
【図7】燃圧のマップを示す説明図である。
【図8】分割噴射時の燃料噴射制御信号を示す説明図で
ある。
【図9】加速時のアクセル開度、吸入空気量、燃圧及び
スワール比の時間的変化を示すタイムチャートである
【符号の説明】
1 エンジン本体 2 吸気通路 3 排気通路 5 ターボ過給機 11 EGR通路 12 EGR弁 15 燃料噴射弁 20 燃料圧送ポンプ 30 コントロールユニット 33 燃圧センサ 34 燃圧制御手段 36 燃料噴射制御手段 41 EGR制御手段 42 VGT制御手段 43 スワール制御手段 51 加速検出手段 203 スワール弁
フロントページの続き (72)発明者 齊藤 智明 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 荒木 啓二 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3G084 AA00 AA01 BA07 BA13 BA14 BA15 BA20 CA03 CA04 CA09 DA10 DA15 FA00 FA07 FA10 FA11 FA33 3G301 HA02 HA04 HA11 HA13 HA17 JA03 JA21 JA24 KA09 KA12 KA24 KA25 LB04 LB06 LB07 MA18 MA26 MA28 NE11 PA01Z PA07Z PB08Z PE01Z PE03Z PF03Z

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁
    と、この燃料噴射弁からの燃料噴射圧力を変更可能とす
    る燃圧調節手段と、排気通路から排気ガスを取り出し排
    気還流弁を介して吸気系へ還流させる排気還流装置と、
    空燃比が予め設定された目標空燃比となるように排気還
    流弁を制御する排気還流弁制御手段とを備えた筒内噴射
    式エンジンにおいて、エンジンの加速状態を検出する加
    速検出手段と、この加速検出手段による検出に基づき、
    加速初期に上記燃料噴射圧力を一時的に高め、加速途中
    から上記燃料噴射圧力を下げるように上記燃圧調節手段
    を制御する燃圧制御手段とを備えたことを特徴とする筒
    内噴射式エンジンの制御装置。
  2. 【請求項2】 上記燃圧調節手段は、エンジンで駆動さ
    れて燃料を圧送し、かつ、その燃料圧送量が可変となっ
    た燃料圧送ポンプからなること特徴とする請求項1記載
    の筒内噴射式エンジンの制御装置。
  3. 【請求項3】 エンジンの運転状態に応じて目標燃料噴
    射圧力を設定する設定手段を有するとともに、上記燃圧
    制御手段は、上記設定手段で運転状態に応じて設定され
    る目標燃料噴射圧力よりも高い燃料噴射圧力とし、上記
    加速途中から上記目標燃料噴射圧力とするように燃圧調
    節手段を制御することを特徴とする請求項1または2記
    載の筒内噴射式エンジンの制御装置。
  4. 【請求項4】 上記設定手段はエンジン負荷が高くなる
    ほど目標燃料噴射圧力を高く設定することを特徴とする
    請求項3記載の筒内噴射式エンジンの制御装置。
  5. 【請求項5】 上記設定手段は、エンジンの高回転高負
    荷側ほど目標燃料噴射圧力を高く設定するようになって
    おり、上記燃圧制御手段は、低回転領域において加速状
    態となったときの加速初期に、上記設定手段で運転状態
    に応じて設定される目標燃料噴射圧力よりも高い燃料噴
    射圧力とするように燃圧調節手段を制御することを特徴
    とする請求項4記載の筒内噴射式エンジンの制御装置。
  6. 【請求項6】 上記燃圧制御手段は、低回転領域におい
    て加速状態となったときの加速初期の燃料噴射圧力を、
    高回転高負荷時の目標燃料噴射圧力と同程度まで高める
    ことを特徴とする請求項5記載の筒内噴射式エンジンの
    制御装置。
  7. 【請求項7】 エンジンはディーゼルエンジンであり、
    圧縮行程後半に燃料を噴射させるとともに、加速初期に
    燃料噴射時期を進角させるように燃料噴射弁からの燃料
    噴射を制御する噴射制御手段を備えたことを特徴とする
    請求項1乃至6のいずれかに記載の筒内噴射式エンジン
    の制御装置。
  8. 【請求項8】 加速初期に、燃料噴射弁からの燃料噴射
    を同一サイクルで複数回に分割して行うように制御する
    噴射制御手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至6
    のいずれかに記載の筒内噴射式エンジンの制御装置。
  9. 【請求項9】 エンジンはディーゼルエンジンであり、
    噴射制御手段は、加速初期に、圧縮行程後半の期間内に
    燃料噴射を分割して行わせるように燃料噴射弁を制御す
    ることを特徴とする請求項8記載の筒内噴射式エンジン
    の制御装置。
  10. 【請求項10】 燃焼室内の吸気流動を制御する吸気流
    動制御手段を備え、加速初期に燃圧制御手段により燃圧
    を高めるとともに吸気流動制御手段により燃焼室内の吸
    気流動を強めるようにしたことを特徴とする請求項1乃
    至9のいずれかに記載の筒内噴射式エンジンの制御装
    置。
  11. 【請求項11】 燃圧制御手段は加速初期の燃料噴射圧
    力をエンジン回転数に応じて変化させるように制御し、
    吸気流動制御手段は加速初期の燃料噴射圧力が低い回転
    数領域で吸気流動を強めるようになっていることを特徴
    とする請求項10記載の筒内噴射式エンジンの制御装
    置。
  12. 【請求項12】 燃圧制御手段は加速初期の燃料噴射圧
    力を高回転側ほど高くすることを特徴とする請求項11
    記載の筒内噴射式エンジンの制御装置。
  13. 【請求項13】 エンジン低回転領域における加速初期
    には燃圧制御手段により燃圧を高める制御と吸気流動制
    御手段により吸気流動を強める制御との両方を行い、エ
    ンジン高回転領域における加速初期には上記両制御のう
    ちで燃圧制御手段により燃圧を高める制御のみを行うこ
    とを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の
    筒内噴射式エンジンの制御装置。
  14. 【請求項14】 エンジンはディーゼルエンジンであ
    り、燃料噴射弁は多噴口を有するものであることを特徴
    とする請求項1乃至13のいずれかに記載の筒内噴射式
    エンジンの制御装置。
  15. 【請求項15】 燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁
    と、排気通路から排気ガスを取り出し排気還流弁を介し
    て吸気系へ還流させる排気還流装置と、空燃比が予め設
    定された目標空燃比となるように排気還流弁を制御する
    排気還流弁制御手段と、エンジンで駆動されて燃料を圧
    送し、かつ、その燃料圧送量が可変となった燃料圧送ポ
    ンプからなる燃圧調節手段と、燃料噴射圧力を高回転高
    負荷側ほど高くするように上記燃圧調節手段を制御する
    燃圧制御手段とを備えたディーゼルエンジンにおいて、
    エンジンの加速状態を検出する加速検出手段と、エンジ
    ン回転数を検出する回転数検出手段と、燃焼室内の吸気
    流動を制御する吸気流動制御手段を備え、この吸気流動
    制御手段は上記各検出手段による検出に基づき、低回転
    領域での加速初期に吸気流動を強めるようになっている
    ことを特徴とする筒内噴射式エンジンの制御装置。
  16. 【請求項16】 燃料噴射弁からの燃料噴射を制御する
    噴射制御手段を備え、低回転領域での加速初期には吸気
    流動制御手段により吸気流動を強める制御を行うととも
    に上記噴射制御手段により燃料噴射弁からの燃料噴射を
    同一サイクルで複数回に分割する制御を行い、一方、高
    回転領域での加速初期には上記燃圧制御手段により燃料
    噴射圧力を高めるように制御することを特徴とする請求
    項15記載の筒内噴射式エンジンの制御装置。
JP11006937A 1999-01-13 1999-01-13 筒内噴射式エンジンの制御装置 Pending JP2000205014A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11006937A JP2000205014A (ja) 1999-01-13 1999-01-13 筒内噴射式エンジンの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11006937A JP2000205014A (ja) 1999-01-13 1999-01-13 筒内噴射式エンジンの制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000205014A true JP2000205014A (ja) 2000-07-25

Family

ID=11652178

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11006937A Pending JP2000205014A (ja) 1999-01-13 1999-01-13 筒内噴射式エンジンの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000205014A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002070614A (ja) * 2000-08-23 2002-03-08 Robert Bosch Gmbh 内燃機関への燃料調量を制御する方法および装置
JP2008101485A (ja) * 2006-10-17 2008-05-01 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP2009281145A (ja) * 2008-05-19 2009-12-03 Toyota Motor Corp 内燃機関の吸気制御装置
JP2012087708A (ja) * 2010-10-21 2012-05-10 Hitachi Automotive Systems Ltd 筒内噴射式ガソリン機関の制御装置
WO2020105350A1 (ja) * 2018-11-20 2020-05-28 ヤンマー株式会社 副室式ディーゼル機関

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002070614A (ja) * 2000-08-23 2002-03-08 Robert Bosch Gmbh 内燃機関への燃料調量を制御する方法および装置
JP4669171B2 (ja) * 2000-08-23 2011-04-13 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 内燃機関への燃料調量を制御する方法および装置
JP2008101485A (ja) * 2006-10-17 2008-05-01 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP2009281145A (ja) * 2008-05-19 2009-12-03 Toyota Motor Corp 内燃機関の吸気制御装置
JP2012087708A (ja) * 2010-10-21 2012-05-10 Hitachi Automotive Systems Ltd 筒内噴射式ガソリン機関の制御装置
EP2444641A3 (en) * 2010-10-21 2014-10-29 Hitachi Automotive Systems, Ltd. Control apparatus of a direct injection gasoline engine
US9010302B2 (en) 2010-10-21 2015-04-21 Hitachi Automotive Systems, Ltd. Control apparatus of a direct injection gasoline engine
WO2020105350A1 (ja) * 2018-11-20 2020-05-28 ヤンマー株式会社 副室式ディーゼル機関

Similar Documents

Publication Publication Date Title
GB2453211A (en) Operating a turbocharged i.c. engine having high-pressure EGR
KR100962160B1 (ko) 과급압 제어
JP2002188474A (ja) ターボ過給機付きディーゼルエンジンの制御装置
CN105026722A (zh) 用于内燃机的控制装置
JP2000145507A (ja) 筒内噴射式エンジンの制御装置
JP4250824B2 (ja) ターボ過給機付エンジンの制御装置
JP6001497B2 (ja) 内燃機関の吸気装置
JP3826592B2 (ja) ターボ過給機付エンジンの制御装置
JP2000110574A (ja) ターボ過給機付エンジンの制御装置
JP2000205014A (ja) 筒内噴射式エンジンの制御装置
JP2006299892A (ja) 過給機付き内燃機関
JP2000205055A (ja) タ―ボ過給機付エンジンの制御装置
JP2001193538A (ja) 筒内噴射式ディーゼルエンジンの制御装置
JP4505702B2 (ja) ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置
JP3941382B2 (ja) ディーゼルエンジンの制御装置
JP2002188522A (ja) ターボチャージャ付きエンジンのegr制御装置
JP2002021613A (ja) エンジンの燃焼制御装置
JP2000161110A (ja) ターボ過給機付ディーゼルエンジンの制御装置
JP2000161109A (ja) ディーゼルエンジンの制御装置
JP2001227393A (ja) ディーゼルエンジンの燃料制御装置
JP2000282906A (ja) 希薄燃焼内燃機関
JP2000110628A (ja) 過給機付エンジンの制御装置
JP5769506B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2001221092A (ja) ターボ過給機付ディーゼルエンジンの燃料制御装置
JP5570317B2 (ja) 内燃機関の制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051101

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060307