JP2000203981A - 多連型単結晶製造装置 - Google Patents

多連型単結晶製造装置

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JP2000203981A
JP2000203981A JP11006607A JP660799A JP2000203981A JP 2000203981 A JP2000203981 A JP 2000203981A JP 11006607 A JP11006607 A JP 11006607A JP 660799 A JP660799 A JP 660799A JP 2000203981 A JP2000203981 A JP 2000203981A
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crucible
single crystal
heater
crucibles
pressure vessel
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JP11006607A
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English (en)
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Kazuhiro Uehara
一浩 上原
Hiroshi Okada
広 岡田
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 GaAs単結晶等を製造する場合、垂直ブリ
ッジマン法を採用するのが好適とされているが、この方
法は、単結晶の成長速度を3〜5mm/hという非常に
ゆっくりした速度で行う必要があった。そのため、生産
性に劣るという難点があった。 【解決手段】 圧力容器2内に複数のルツボ3を設ける
ことで、一度に複数の単結晶成長ができる構成とした。
この場合、各ルツボ3間において熱的干渉が起こるのを
防止するため、ルツボ3とこれを個別に囲むヒータ4と
の組み合わせを、個々に断熱材性のスペーサ部材10に
よって熱的に区画遮断させた。また、各ルツボ3を一斉
に下降できるように、全体として共通の昇降台7で支持
させる構造にして、製造の容易化を図った。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多連型の単結晶製
造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】III−V族化合物半導体(例えばGa
As)やII−VI族化合物半導体(例えばCdTe)
等の単結晶を製造する方法としては、引き上げ法(CZ
法)、水平ブリッジマン法(HB法)、水平温度勾配下
固化法(HGF法)、垂直ブリッジマン法(VB法)及
び垂直温度勾配下固化法(VGF法)等がある(例え
ば、特公平6−102588号公報等参照)。このう
ち、例えばCZ法では、単結晶を成長させる速度を10
〜20mm/hと迅速にできるが、これによって製造さ
れるφ3インチアンドープGaAs単結晶は、その転位
密度が10万/cm2 にも達するものとなる。なお、こ
のCZ法では、単結晶の成長速度を3〜5mm/hのゆ
っくりしたものに抑えても、転位密度を減少させること
は殆どできないということがあった。
【0003】これに対し、VB法でφ3インチアンドー
プGaAs単結晶を製造した場合、数千/cm2 といっ
た、上記CZ法に比して実に1/10の低転位密度にす
ることができるものとなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにVB法
は、GaAs、GaP、InPなどのIII−V族化合
物半導体として、低転位密度を有した高品質の単結晶を
成長させることができる点で、近年において非常に注目
されはじめている。なぜなら、低転位密度GaAs結晶
等は、デバイスを高集積化させるうえでネックとされて
いる電気的特性のバラツキを減少させるなど、基板結晶
の低転位密度化が及ぼす好影響として、この種、化合物
半導体デバイス分野において極めて有益だからである。
【0005】しかし、このVB法によって、上記のよう
な低転位密度の単結晶を得るには、その成長速度を3〜
5mm/hといった非常にゆっくりした速度に設定する
必要があった。そのため、生産性が低いと言わざるを得
ない。なお、もし仮に、このVB法において上記CZ法
と同じ10〜20mm/hという速い速度で単結晶の成
長を行わせた場合、転位密度は数万/cm2 程度にまで
増加してしまうということになっていた。本発明は上記
事情に鑑みてなされたものであって、低転位密度を有す
る単結晶の製造において高生産性を実現できるようにし
た多連型単結晶製造装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明に係る多連型単結晶製造装置は、圧力容器と、この圧
力容器内に収納される複数のルツボと、各ルツボを個別
に囲んで設けられるヒータとを有したものとなってお
り、ヒータの加熱制御又はルツボの下降移動により、各
ルツボ内へ装填した化合物原料の融点を中心温度とする
上高下低の温度雰囲気帯をルツボに対して下方から上方
へ相対移動させて、各ルツボ内の底部に装填した種結晶
を起点として原料融液を下方から上方へ順次冷却固化さ
せてゆくというものである。
【0007】換言すれば、この多連型単結晶製造装置
は、単結晶製造装置(圧力容器とルツボとヒータとを有
するもの)の複数台を、それらの圧力容器を共用させる
かたちで組み合わせた構成となったものであり、これら
単結晶製造装置での個々の単結晶の成長速度が従来と同
じでも、その全体としては、一度の製造稼働で複数の単
結晶を得ることができることから、この多連型単結晶製
造装置による単結晶の生産数を従来の数倍(要するに単
結晶製造装置としての組み合わせ台数倍に相当)に増や
せるということになり、結果として、単結晶の単位個数
あたりの生産能率を飛躍的に高めたことになる。
【0008】ところで、圧力容器内の各ルツボに対する
温度制御を、それぞれ各別に行うようにすることは可能
ではあるが、全てのルツボに対する温度制御を総合的に
一括して行えるようにすることが、品質の均一性をはじ
め、コスト面及び手間面から望まれるところである。そ
こで、各ルツボの下部に対し、ルツボ内の底部に装填し
た種結晶の下端部を外嵌可能にする吸熱部を上端部に有
し、且つ下方へ延びる下端部に放熱部を有した高熱伝導
性部材を設けると共に、この高熱伝導性部材の吸熱部と
種結晶下端部との外嵌部分まわりを包囲するようにして
断熱材を設けるようにするとよい。
【0009】すなわち、種結晶を起点に単結晶の成長が
はじまる過程で、高熱伝導性部材がその吸熱部によって
種結晶の下端部から熱を奪い、これを下端側の放熱部を
介して放熱させるようにしているため、これによって原
料融液の下部温度(種結晶に接触している部分の温度)
に比して種結晶の下端寄りを低温に保つことができるこ
とに繋がり、この部分間での温度勾配を大きく採れるも
のとなっている。従って、種結晶が原料融液に完全に溶
融されてしまうということがなくなり、単結晶成長開始
段階の種付け工程において、種結晶を確実に残存させる
ことができることになる。
【0010】また、これに加え、高熱伝導性部材の吸熱
部によって種結晶の下端部を外嵌している部分を更に断
熱材で包囲するようにしているため、この種結晶に対し
ては外周方向からの熱吸収が遮断され、外乱としての熱
影響を受けない状態に保持できることにもなっている。
圧力容器内において、隣接するルツボ相互間(この場合
のルツボはヒータを含んだものを言う)を断熱材製のス
ペーサ部材によって区画保持させるようにすると、各ル
ツボにおける温度環境を、一層、外乱のない単独環境に
遮断でき、従って、いちいち個別に温度センサ等を設け
なくても全体として統一的且つ同調的な温度制御ができ
ることになる。
【0011】従って、それだけ制御が容易となり、且つ
品質的に均一な単結晶を得ることができることになる。
この多連型単結晶製造装置を、VB法や液体封止垂直ブ
リッジマン法(LE−VB法)等に従って稼働させるも
のとする場合には、ヒータの囲み領域内で昇降自在に設
けられたルツボ支持台によって個々のルツボを支持さ
せ、このルツボ支持台を共通の昇降台で保持させ、この
昇降台を昇降駆動機構により昇降させる構造とすればよ
いものである。なお、この場合、高熱伝導性部材は、上
記ルツボ支持台に内蔵させるかたちとすればよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1乃至図4は、本発明に係る多
連型単結晶製造装置1の第1実施形態を示している。図
1及び図2に示すように、この多連型単結晶製造装置1
は、圧力容器2と、この圧力容器2内に収納される複数
(図例では6個)のルツボ3と、各ルツボ3を個別に囲
んで設けられる円筒形をしたヒータ4(このヒータ4も
ルツボ3と同じく6個ある)とを有している。
【0013】個々のルツボ3は、それぞれヒータ4の囲
み領域内に設けられるツボ支持台5の上で支持されてお
り、これら各ルツボ支持台5は、全体として一つの昇降
台7に対して保持されており、そしてこの昇降台7は、
昇降駆動軸8を介して圧力容器2の外に設けられた適宜
昇降駆動機構(図示略)により昇降可能になっている。
この昇降駆動機構による昇降台7の下降速度は、3〜5
mm/hとなるように設定されている。
【0014】圧力容器2内におけるルツボ3の平面配置
状況は、隣接するもの同士間を等間隔にした車座状を呈
しており、これら各ルツボ3の配置間には、断熱材製の
スペーサ部材10が介設されるかたちとなっている。従
って、このスペーサ部材10が各ルツボ3(ヒータ4を
含む)の隣接間を熱的に区画保持させる作用を奏してい
ることになる。すなわち、このスペーサ部材10として
の形状は、太い短円柱形であり、且つその周方向に沿っ
た配置で両端面間を貫通する複数(6個)の収納孔10
aが設けられたものとなっており、これら各収納孔10
aでルツボ3及びヒータ4を収納する構造となってい
る。
【0015】このスペーサ部材10は、例えばカーボ
ン、シリカ、アルミナ、ジルコニア等のファイバ成形材
により形成するのが好適である。圧力容器2内におい
て、このスペーサ部材10の外周部には、更に断熱壁1
1が設けられている。図3に示すように、ルツボ3は、
円筒形本体部13と、この本体部13の底部で縮径して
下端が解放したシード部14とを有している。本体部1
3は最初に化合物原料15や液体封止材16を収容させ
る部分であり、またシード部14は種結晶17を装填さ
せる部分であることは言うまでもない。
【0016】このルツボ3を支持するルツボ支持台5
は、ルツボ3を立て姿勢にして保持可能なルツボ受部2
0と、このルツボ受部20の下部に設けられる台座部2
1とを有している。ルツボ受部20の下端部と台座部2
1の上端部とは内部連通構造になっている。また、この
台座部21内には、上端部に吸熱部23を有すると共
に、これより下方へ延びる下端部に放熱部24を有する
高熱伝導性部材25が収納されていると共に、この高熱
伝導性部材25を包み込む状態で断熱材26が充填され
た構造になっている。
【0017】高熱伝導性部材25の吸熱部23には、そ
の上面中央部に凹部27が設けられており、また断熱材
26には、この高熱伝導性部材25の凹部27に対応し
て連通孔28が形成されている。この連通孔28は、ル
ツボ受部20の下端部と台座部21の上端部との内部連
通部分に対して合致している。従って、ルツボ受部20
に対してルツボ3を保持させると、ルツボ3のシード部
14が台座部21内へ差し込まれ、更にシード部14の
下端部が断熱材26の連通孔28を突き抜けて、高熱伝
導性部材25における吸熱部23の凹部27へ嵌合され
る状態となる。
【0018】そして、このときルツボ3のシード部14
内に種結晶17が装填されていれば、この種結晶17の
下端部を高熱伝導性部材25の吸熱部23が外嵌するか
たちとなり、この外嵌部分まわりを更に断熱材26が包
囲する状態が得られることになる。高熱伝導性部材25
は、例えばグラファイト、アルミナ、窒化ホウ素、炭化
珪素、高融点金属等により形成するのが好適である。ま
た、断熱材26は、例えばカーボン、シリカ、アルミ
ナ、ジルコニア等のファイバ成形材により形成するのが
好適である。
【0019】ヒータ4は、上下複数段(図例では4段)
のヒータエレメント30を、リング状スペーサ31を介
して積み上げることによって形成されたもので、個々の
ヒータエレメント30が円環形体に形成されている。ヒ
ータ4の囲み領域内の適宜位置に温度センサ(図示略)
が設けられ、ヒータエレメント30のうち、ヒータ4の
下部寄り(例えば上から3段目又は4段目)に位置付け
られるものが化合物原料15の融点温度になり、これよ
り上側が高温、下側が低温となるように、即ち、融点を
中心温度とする上高下低の温度雰囲気帯が形成されるよ
うに、全体が温度制御されるものとなっている。
【0020】なお、上記の温度センサ(図示略)は、全
てのヒータ4内に設けることも可能であるが、各ヒータ
4内は上記スペーサ部材10によって熱的に遮断された
雰囲気下に保持されており、従って相互干渉は無いもの
と見なすことができるので、いずれか一つのヒータ4に
だけ温度センサを設けて、これによって全てのヒータ4
を同調的に温度制御するようにしてもよい。次に、この
ような構成の多連型短結晶製造装置1を用いて、GaA
s単結晶を製造する状況を説明する。
【0021】各ルツボ3に対し、シード部14に種結晶
17を装填すると共に、本体部13に化合物原料15と
してGaAsを、またその上から液体封止材16として
23 を収納させ、これらルツボ3を図3に示すセッ
ト状態におく。また、昇降駆動部(図示略)において、
昇降台7(即ち、各ルツボ3)を最上位置へ保持させ
る。圧力容器2内を真空引きした後、アルゴン等の不活
性ガスを充填して100気圧に設定し、ヒータ4を、上
記のように所定高さに化合物原料15の融点温度が含ま
れる温度雰囲気帯となるように温度制御する。
【0022】これにより、それぞれのルツボ3内では化
合物原料15が溶融して原料融液(図4中の符号15a
参照)となり、その上面が液体封止材16で密封された
状態となる。そのため、原料融液(15a)が種結晶1
7に接触する部分において種付けが行われ、単結晶(図
4中の符号35参照)の成長が開始される。また、原料
融液(15a)からAs等の高蒸気圧成分が発生するこ
とが液体封止材16によって抑制され、原料組成乃至成
長中の結晶組成が変化することが防止されている。
【0023】そこで、昇降駆動部(図示略)を駆動させ
て昇降台7を3〜5mm/hで下降させる。すると、図
4に示すように、各ルツボ3内では、ヒータ4において
化合物原料15の融点温度に設定された部位(例えば上
から3段目又は4段目のヒータエレメント30)を通過
するのと同行して単結晶35の成長が進行する。このと
き、種結晶17の下端部では、高熱伝導性部材25の吸
熱部23から放熱部24を介して熱が奪われる状態が維
持され、原料融液15aの下部温度(種結晶17に接触
している部分の温度)に比して種結晶17の下端寄りは
低温に保たれるようになる。従って、種結晶17は、そ
の上下端間での温度勾配を大きく採れることになる。
【0024】しかも、高熱伝導性部材25の吸熱部23
が種結晶17を外嵌している部分を、そのまわりから断
熱材26が包囲しているため、この種結晶17に対する
外周方向からの熱吸収が遮断される状態になっている。
また、隣接するルツボ3相互間でスペーサ部材10によ
る熱遮断がされていることも、種結晶17に対する熱的
外乱を防止するうえで、一層、有益となっている。この
ようなことから、仮に、各ルツボ3ごとで生じている単
結晶35の成長レベルに水平面方向で多少の誤差を有し
ていたとしても(成長度合にバラツキがあるときで
も)、最も温度の高いルツボ3において、種結晶17が
原料融液15aに完全に溶融されてしまうということは
生じない。
【0025】そのため、単結晶35成長開始段階の種結
晶を溶かす恐れのあった種付け工程において、種結晶1
7が全てのルツボ3で確実に残存されることになり、結
果、全てのルツボ3で製造された単結晶35は、高品質
で、且つ品質の均一なものとなる。このように、一つの
単結晶を製造するのに要する時間内で、複数(6個)の
単結晶を製造することができるものである。図5は、本
発明に係る多連型単結晶製造装置1の第2実施形態にお
ける主要部を示している。
【0026】この第2実施形態では、ヒータ4の囲み領
域内に、ルツボ3を包囲するインナチャンバ(気密容
器)40が設けられている点で、第1実施形態と顕著な
違いがある。なお、このルツボ3がヒータ4によって囲
まれ、またこれらルツボ3及びヒータ4の組み合わせと
して圧力容器2内に複数設けられている点、各ルツボ3
が共通の昇降台7を介して昇降駆動機構(図示略)によ
り昇降可能になっている点等は、第1実施形態(図1参
照)の場合と同様である。
【0027】インナチャンバ40は、逆コップ形をした
もので、その下端部がルツボ支持台5の台座部21に対
して気密的に固定されている。従って、このインナチャ
ンバ40は、ルツボ支持台5が昇降駆動機構(図示略)
による昇降台7の昇降と共に昇降するときに、これらと
一緒に昇降する。インナチャンバ40の下部寄りには、
ルツボ支持台5の台座部21との周間を詰めるかたちで
リング形体をしたリザーバ41が設けられている。この
リザーバ41は、断面溝型をしており、上部にIII−
V族化合物半導体におけるPやAs、或いはII−VI
族化合物半導体におけるZnやSe等の高蒸気圧成分を
配置できるようになっている。
【0028】このリザーバ41において、その内径は、
台座部21の外径と気密的に嵌合し得る寸法に形成され
ているが、その外径は、インナチャンバ40の内径に比
してやや小さめに形成されている。従って、インナチャ
ンバ40内の雰囲気は、リザーバ41の外周部を通じて
僅かではあるがその下方へも連通したものとなってい
る。そして、このリザーバ41の下部側には、インナチ
ャンバ40内外を連通する細径の連通管42が設けられ
ている。従って、このインナチャンバ40の内外におい
て圧力バランスが採れるようになっており、圧力容器2
内の真空引き時をはじめ、加圧、減圧時においてインナ
チャンバ40が破損しないようになっている。
【0029】この連通管42は、ガス分子の平均自由行
路(分子が任意時間中に次の衝突までに進む距離の平
均)よりも十分に長く形成されており、これによってイ
ンナチャンバ40内で発生する高蒸気圧成分ガスがイン
ナチャンバ40から外部へ漏洩する量は実質的に無視し
得る程度になっている。そして、ヒータ4には、その最
下部において、リザーバ41に対応させるようにして、
上記高蒸気圧成分の蒸発用ヒータエレメント43が設け
られている。このような構成の多連型短結晶製造装置1
では、ヒータ4による加熱でルツボ3内へ装填された化
合物原料15が溶融され、解離圧を発生させたときに、
リザーバ41に配置された高蒸気圧成分が同時に蒸発用
ヒータエレメント43によって加熱され、これと平衡す
る蒸気圧を発生することになる。従って、ルツボ3内に
おいて原料組成乃至成長中の結晶組成を変化させること
がなくなり、安定した単結晶成長が得られることにな
る。すなわち、これによって高品質の単結晶を製造でき
ることになる。
【0030】また、蒸発用ヒータエレメント43の温度
制御により、リザーバ41の周辺温度をインナチャンバ
40内において最も低温域に設定できるため、このリザ
ーバ41に配置された高蒸気圧成分ガスが下方へ流動し
たり、インナチャンバ40内の各所で凝結析出したりす
るのを防止できるという各種利点を得ることができる
(なお、その他詳細は、特開平7−330479号公報
等参照)。ところで、本発明は上記各実施形態に限定さ
れるものではなく、種々変形することができる。
【0031】例えば、製造する単結晶としては、III
−V族化合物半導体では、GaAsの他、GaP,In
Pなどでもよく、またII−VI族化合物半導体ではZ
nSeなどがあり、更に光学材料用酸化物系単結晶、フ
ッ化物系単結晶、フェライトなどの酸化物磁性材料単結
晶、金属単結晶など、その種類は特に限定されるもので
はない。また採用し得る製造方法としても、上記したよ
うに、VB法やLE−VB法に限らず、VGF法等でも
よい。
【0032】なお、第1実施形態や第2実施形態におい
て、それらのルツボ支持台5を昇降台7に対して着脱可
能にし、且つ、ヒータ4の位置調節又は交換を可能にす
る等、互いに互換性を持たせる構造を採用しておけば、
化合物原料15の種類等に応じて、製造方法を簡単に選
択できるようになり、一層、好適である。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る多連型
単結晶製造装置は、圧力容器内に複数のルツボと、各ル
ツボを個別に囲むヒータとを設け、VB法、LE−VB
法又はVGF法等により各ルツボ内で原料融液を下方か
ら上方へ順次冷却固化させてゆくものであるから、単結
晶の成長速度は従来と同じであっても、一度の製造稼働
で複数の単結晶を得ることができ、結果として、単結晶
の単位個数あたりの生産能率を飛躍的に高められるもの
である。すなわち、低転位密度を有する単結晶の製造に
おいて高生産性を実現できるものである。
【0034】各ルツボの下部に高熱伝導性部材を設ける
と共に、このまわりに断熱材を設けると、種結晶が原料
融液に溶融されてしまうのを防止し、且つ種結晶に対す
る外周方向からの熱影響を阻止できるため、結果として
全てのルツボに対する温度制御を総合的に一括して行え
ることになり、得られる単結晶の品質の均一性をはじ
め、コスト面及び手間面等で好適となる。圧力容器内に
おいて、隣接するルツボ相互間を断熱材製のスペーサ部
材で区画保持させることで、各ルツボを各独立して同様
な温度雰囲気に保持できるため、全体を統一的同調的に
温度制御でき、その容易化や品質的な均一化ができる利
点がある。
【0035】ヒータの囲み領域内で昇降自在に設けたル
ツボ支持台により各ルツボを支持させ、このルツボ支持
台を共通の昇降台を介して昇降駆動機構により昇降させ
る構造とすれば、VB法やLE−VB法等での稼働に好
適であり、構造の簡潔化及び制御の容易化が図れる利点
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多連型単結晶製造装置の第1実施
形態を示す側断面図である。
【図2】図1のA−A線拡大矢視図である。
【図3】図2のB−B線拡大断面図である。
【図4】図3からの動作状況(動作中)を説明した図で
ある。
【図5】本発明に係る多連型単結晶製造装置の第2実施
形態についてその主要部を図3と比較しやすく示した側
断面図である。
【符号の説明】
1 多連型単結晶製造装置 2 圧力容器 3 ルツボ 4 ヒータ 5 ルツボ支持台 7 昇降台 10 スペーサ部材 15 化合物原料 15a 原料融液 17 種結晶 23 吸熱部 24 放熱部 25 高熱伝導性部材 40 インナチャンバ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧力容器(2)と、該圧力容器(2)内
    に収納される複数のルツボ(3)と、各ルツボ(3)を
    個別に囲んで設けられるヒータ(4)とを有しており、
    ヒータ(4)の加熱制御又はルツボ(3)の下降移動に
    より、各ルツボ(3)内へ装填した化合物原料(15)
    の融点を中心温度とする上高下低の温度雰囲気帯をルツ
    ボ(3)に対して下方から上方へ相対移動させて、各ル
    ツボ(3)内の底部に装填した種結晶(17)を起点と
    して原料融液(15a)を下方から上方へ順次冷却固化
    させてゆくことを特徴とする多連型単結晶製造装置。
  2. 【請求項2】 前記各ルツボ(3)の下部には、ルツボ
    (3)内の底部に装填した種結晶(17)の下端部を外
    嵌可能な吸熱部(23)を上端部に有し且つ下方へ延び
    る下端部に放熱部(24)を有した高熱伝導性部材(2
    5)が設けられていると共に、該高熱伝導性部材(2
    5)の吸熱部(23)による種結晶(17)下端部の外
    嵌部分まわりを包囲する断熱材(26)が設けられてい
    ることを特徴とする請求項1記載の多連型単結晶製造装
    置。
  3. 【請求項3】 前記圧力容器(2)内において、隣接す
    るルツボ(3)相互間が断熱材製のスペーサ部材(1
    0)によって区画保持されていることを特徴とする請求
    項1又は請求項2記載の多連型単結晶製造装置。
  4. 【請求項4】 各ルツボ(3)が各ヒータ(4)の囲み
    領域内で昇降自在に設けられたルツボ支持台(5)を介
    して共通の昇降台(7)に保持されており、該昇降台
    (7)が昇降駆動機構により昇降可能とされていること
    を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の
    多連型単結晶製造装置。
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