JP2000202647A - 摩擦攪拌接合用回転ツ―ル - Google Patents
摩擦攪拌接合用回転ツ―ルInfo
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Abstract
の幅方向又は長手方向端部同士の上下の突合わせ部を同
時に接合することが可能な摩擦攪拌接合用回転ツールの
提供を課題とする。 【解決手段】 摩擦攪拌接合用回転ツール1Aを、凹
面の底面2bsを備える上部回転体2と、該上部回転体
2の底面2bsから下方へ伸びる上部攪拌ピン部3と、
該上部攪拌ピン部3の下端に同心に凹面、平面又は凸面
の上面4usが結合され底部に凹面の底面4bsを備え
る下部回転体4と、該下部回転体4の底面4bsから同
心に下方へ突出する下部攪拌ピン部5と、から構成する
ことを解決手段とする。
Description
転ツールに関し、特に、上下に所定の間隔をおいて平行
な一対の面板を備え、前記上下の面板同士を長手方向に
延びるリブ材又はコア材等の連結・補強部材を介して一
体に形成した中空材又はハニカムパネル等の各々からな
る一対の被接合部材の、前記上下の各々の面板の幅方向
端部同士又は長さ方向端部同士を突き合わせて、長さ方
向に延びる突合わせ部又は幅方向に延びる突合わせ部を
形成し、上下の面板の突合わせ部を同時に摩擦攪拌接合
する摩擦攪拌接合用回転ツールに関する。
(c)に示されるように、上下に所定の間隔をおいて平
行な一対の面板71、72又は81、82を備え、前記
上下の面板71、72又は81、82同士を長さ方向
(紙面に垂直な方向)に延びるリブ材73又はコア材8
3等の連結・補強部材を介して一体に形成した中空材7
0a、70b又はハニカムパネル80a、80b等の各
々からなる一対の被接合部材の、前記上下の各々の面板
71、72又は81、82の幅方向の端面同士を突き合
わせて長さ方向に延びる突合わせ部75又は85を形成
し、上下の突合わせ部75又は85を摩擦攪拌接合する
際に、前記突合わせ部75又は85の各々の中空材70
a、70b又はハニカムパネル80a、80bの上下の
面板71、72又は81、82の間に長さ方向に延びる
垂直リブ材又は垂直縁材(枠材)等の連結・補強部材が
ない場合には、従来、例えば以下のような手段が採用さ
れている。即ち、特開平10−52772号公報やEP
0797043A2号公報に開示され、前記図35
(a)又は(b)に示されるように、攪拌ピンSPを備
えた回転ツールRTを用いて、中空材70a、70b又
はハニカムパネル80a、80bの上下の面板71、7
2又は81、82の各々の突合わせ部75又は85のそ
れぞれを貫通して、該それぞれの突合わせ部75又は8
5と前記垂直縁材74、74又は縁材(枠材)84、8
4の上下両端部の各々を一体として摩擦攪拌接合する方
法である。なお、図35(c)に示すように、中空材7
0a、70bの上下の面板71、72とリブ材73とで
形成される中空部76内の前記突合わせ部75を中心と
した位置に、中空部76の形状・寸法に対応した裏当部
材77を配置し、上下から板部材面板71、72の各々
の突合わせ部75を回転ツールRTを用いて摩擦攪拌接
合した後に、前記裏当金部材77を撤去する方法もあ
る。
向)の断面図である図36(a)、(a)のオ−オ線矢
視(幅方向)断面図である(b)に示されるように、上
記のような構造をもつ中空材90a、90bからなる一
対の被接合部材の、長さ方向の端部同士を突合わせて幅
方向に延びる突合わせ部95を形成し、該突合わせ部9
5を摩擦攪拌接合により接合する際に、下記のような手
段を採用することが、特開平10−76375号公報に
開示されている。即ち、突合わせ部95における上下の
面板91、92とリブ93で囲まれた中空部96内に、
両中空材90a、90bに跨がる状態で中子94を嵌挿
し、前記上下の突合わせ部95の各々に沿って矢印tr
の方向に摩擦攪拌接合を施し、両中空材90a、90b
の上下の面板91と92の各々同士、面板91と92の
それぞれと中子94、及び、リブ93と中子94とをそ
れぞれ接合する方法である。
7の(a)に示されるように、前記のような構造をもつ
ハニカムパネル100a、100bからなる一対の被接
合部材の、長さ方向の端部間を摩擦攪拌接合により接合
するに際に、両ハニカムパネル100a、100bの長
さ方向端部まで、コア材103が形成されている場合に
は、下記のような手段の採用が提案されている。即ち、
両ハニカムパネル100a、100bの長さ方向の端部
間に、上下のそれぞれの端部が両ハニカムパネル100
a、100bの上部面板101の上面101usと下部
面板102の下面102bsの各々より、やや上下に各
々突出する接合部材104を挟み、該接合部材104の
幅W104 より大きな外径DRTの回転ツ−ルRTを用い
て、接合部材104の上下両端部から摩擦攪拌接合を施
し、前記図35(a)の摩擦攪拌接合後の断面図である
(b)に示されるように、上部面板101、101と接
合部材104の上端部に跨がる上部接合部WBu と、下
部面板102、102と接合部材104の下端部に跨が
る下部接合部WBbとを形成し、接合部材104を介し
て両ハニカムパネル100a、100bの長さ方向端部
間を間接的に接合する方法である。
〜(C)には、以下に述べるような問題点がある。 (1)上記(A)の技術においては、垂直縁材74、7
4又は縁材(枠材)84、84等の連結・補強部材、あ
るいは裏当金部材77を、上記(B)の技術において
は、中子94を、上記(C)の技術においては、接合部
材104を、それぞれの中空材やハニカムパネルの形状
・寸法に対応したものを、予め製作し、それぞれの突合
わせ部75、85、95やハニカムパネル100a、1
00bの長さ方向の端部間に配設し、場合によっては仮
固定しておく必要がある。従って、垂直縁材74、7
4、縁材(枠材)84、84あるいは裏当金部材77、
中子94や接合部材104の製作と配設・仮固定のため
の工程とコストが増えることになる。
の場合においても、上下二方向からの摩擦攪拌接合が必
要であり、摩擦攪拌接合後の上下両面に、回転ツールR
Tの底面の回転移動軌跡あるいはアンダーカットが跡と
して残り、製品の化粧面としての外観性に劣るため、用
途によっては、化粧面となる方の面を研磨して、前記回
転ツールRTの底面の回転移動軌跡あるいはアンダーカ
ットを除去する必要があり、研磨工程が必要となって、
研磨コストだけ製品の製造コストが増加する。
の場合においても、上下二方向からの摩擦攪拌接合が必
要であり、これを一基の摩擦攪拌接合装置で行う場合、
被接合部材の反転作業を含めて、摩擦攪拌接合作業時間
の延長と摩擦攪拌接合装置の設備生産性の低下をもたら
す。
て、前記特開平10−52772号公報には、以下のよ
うな方法が開示されている。即ち、正断面図である図3
8に示すように、押出加工法により製作した上下の面板
81、82、コア材83とからなるハニカムパネル80
a、80bは、上下の面板81、82の各々の突合わせ
部85を中心として、縁材84、84が予め配設され、
固定台SBに配置され、左右及び上下方向から固定治具
STによって固定される。前記縁材84、84の部分
に、上下方向から回転ツールRTに取り付けられた攪拌
ピンSPを挿入する。回転ツールRTはロボットRBに
取り付けられた駆動モータDMによる駆動力で回転しな
がら接合方向(図の紙面に垂直な方向)に移動し、ハニ
カムパネル80a、80bを摩擦攪拌接合する。
合装置により、上下より同時に摩擦攪拌接合することに
よって、摩擦攪拌接合作業能率及び設備の生産性は大幅
に向上するが、設備コストが略倍増し、経済性に問題が
ある。
解消し、上下に所定の間隔をおいて平行な一対の面板を
備え、前記上下の面板同士を長手方向に延びるリブ材又
はコア材等の連結・補強部材を介して一体に形成した中
空材又はハニカムパネル等のそれぞれからなる一対の被
接合部材の、前記上下の各々の面板の幅方向端部同士を
突き合わせて長さ方向に延びる突合わせ部を形成し、該
突合わせ部を摩擦攪拌接合するに際し、従来のように垂
直縁材や枠材を配設することが不要で、また、設備コス
トの略倍増を招くことなく、さらに、下部の面板の裏面
には回転ツールの底面の回転移動軌跡あるいはアンダー
カットが跡として残らないため、下部面板の裏面を何ら
研磨や処理をすることなく製品の化粧面として使用可能
であり、上下の突合わせ部を同時に摩擦攪拌接合するこ
とが可能な摩擦攪拌接合用回転ツールの提供を第1の課
題とする。
題点を解消し、上記のような構造を有する中空材の各々
からなる一対の被接合部材の、前記上下の各々の面板の
長さ方向端部同士を突き合わせて幅方向に延びる突合わ
せ部を形成するか、又は前記上下の各々の面板の幅方向
端部同士を突き合わせて長さ方向に延びる突合わせ部を
形成し、該突合わせ部を摩擦攪拌接合するに際し、該突
合わせ部における上下の面板とリブで囲まれた中空部内
に、両中空材に跨がる状態で中子を嵌挿することなく、
又は、前記上下の各々の面板の長さ方向端部同士又は幅
方向端部同士の間に接合部材を介在させることなく、前
記上下の面板の各々の長さ方向端部同士又は幅方向端部
同士を突き合わせて突合わせ部を形成した場合に、該突
合わせ部にリブ材同士又はコア材同士の突合わせ部が形
成されて、通常の摩擦攪拌接合用回転ツールでは、前記
リブ材やコア材によって物理的に邪魔されて回転ツール
の突合わせ部に沿った移動が不可能なため摩擦攪拌接合
が不可能な場合でも、前記邪魔になるリブ材やコア材の
部分を除去する機能を備え、前記摩擦攪拌接合用回転ツ
ールの突合わせ部に沿った移動を可能とし、さらに上記
の中空材又はハニカムパネルの下部の面板の裏面には、
回転ツールの底面の回転移動軌跡あるいはアンダーカッ
トが跡として残らないため、下部面板の裏面を何らの研
磨や処理をすることなく、製品の化粧面として使用可能
であるように、上下の突合わせ部を同時に摩擦攪拌接合
することが可能な摩擦攪拌接合用回転ツールの提供を第
2の課題とする。
時の摩擦攪拌接合において、上部面板の接合部にトンネ
ル状空洞欠陥等の接合部欠陥を発生させることなく、
又、摩擦攪拌接合用回転ツールの寿命を大幅に延ばすこ
とができる摩擦攪拌接合用回転ツールの提供を第3の課
題とする。
問題点を解消し、上記第1〜第3の課題の少なくとも一
つを達成することが可能な摩擦攪拌接合用回転ツールに
おいて、中空材又はハニカムパネル等の上下の面板の各
々の肉厚や、上下の面板の間隔が一定範囲内で変化して
も、それらの変化に対応して寸法の変更・調整・固定が
容易に行え、一種類の回転ツールで、多種類の形状・寸
法の中空材又はハニカムパネル等の上下同時の摩擦攪拌
接合が可能であって、多種類の形状・寸法の摩擦攪拌接
合用回転ツールを準備しておき、その都度取り替える必
要のない摩擦攪拌接合用回転ツールの提供を第4の課題
とする。
題を解決するための手段として、上下に所定の間隔をお
いて平行な一対の面板を備え、前記上下の面板同士を長
さ方向に延びる連結・補強部材を介して一体に形成した
ハニカムパネルと称するものを含む中空材の各々からな
る一対の被接合部材の、前記上下の各々の面板の幅方向
端部同士を突き合わせて長さ方向に延びる突合わせ部を
形成し、上下の突合わせ部を同時に摩擦攪拌接合する摩
擦攪拌接合用回転ツールを、凹面の底面を備えた上部回
転体と、該上部回転体の底面に同心に設けられた上部攪
拌ピン部と、該上部攪拌ピン部の下端に同心に設けら
れ、凹面、平面又は凸面の上面と、凹面の底面とを備え
た下部回転体と、該下部回転体の底面に同心に設けられ
た下部攪拌ピン部と、を備えてなるように構成したもの
である。
の手段として、上下に所定の間隔をおいて平行な一対の
面板を備え、前記上下の面板同士を長さ方向に延びる連
結・補強部材を介して一体に形成したハニカムパネルと
称するものを含む中空材の各々からなる一対の被接合部
材の、前記上下の各々の面板の長さ方向端部同士を突き
合わせて幅方向に延びる突合わせ部を形成するか、又は
前記上下の各々の面板の幅方向端部同士を突き合わせて
長さ方向に延びる突合わせ部を形成し、上下の突合わせ
部を同時に摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合用回転ツール
であって、凹面の底面を備えた上部回転体と、該上部回
転体の底面に同心に設けられた上部攪拌ピン部と、該上
部攪拌ピン部の下端に同心に設けられ、凹面、平面又は
凸面の上面と、凹面の底面とを備えた下部回転体と、該
下部回転体の底面に同心に設けられた下部攪拌ピン部
と、前記下部回転体の高さ方向の当該中空材の中空部全
域にわたり、前記突合わせ部を中心として、少なくとも
前記下部回転体の外周面の直径以上の幅範囲内の、前記
中空材のリブ又はハニカムパネルのコア材を削除又は破
砕するよう、前記下部回転体の外周方向に複数設けられ
た刃物と、を備えてなるように構成した。
に、上記の手段を採用した摩擦攪拌接合用回転ツール
を、第1の手段として、前記上部攪拌ピン部の外径が、
前記下部攪拌ピン部の外径以上に、前記下部回転体の凹
面、平面又は凸面の上面の外径が、前記上部回転体の凹
面又は平面の底面の外径と略等しく、前記下部回転体の
凹面の底面の外径が、前記上部回転体の凹面又は平面の
底面の外径と同等又はそれ以下に、各々形成されてなる
ように構成した。
拌接合用回転ツールを、第2の手段として、前記上部攪
拌ピンの外径Dusp(mm) が下記式1を満足するように構
成した。 2.0×tup+0. 08×Hhp≦D3 ≦5.5×tup+0. 08×Hhp −−−式1 ここで、 tup:上部面板の突合わせ部の板厚(mm) Hhp:中空材又はハニカムパネルの高さ(mm)
めの手段として、上記のいずれかの手段を採用した摩擦
攪拌接合用回転ツールを、前記下部回転体の肩を基準高
さ位置とした場合に、前記上部回転体の肩の相対的高さ
位置と前記下部回転体の上面の相対的高さ位置及び前記
下部攪拌ピン部の下端の相対的高さ位置の少なくとも一
つが変更・固定可能に形成された変更・固定構造を備え
るように構成した。
とを同時に解決するための手段として、前記下部回転体
の底面の下端(以後、下部回転体の肩と称する)を基準
高さ位置とした場合に、少なくとも該下部回転体の上面
の相対的高さ位置の変更・固定構造を備え、前記下部回
転体の肩から該下部回転体の上面までの高さの変化に対
応可能なように、前記下部回転体の上部の外周面に所定
の角度間隔で設けられ、前記下部回転体の上面の位置か
ら下方へ伸びる上部刃物と、前記下部回転体の下部の外
周面に、前記上部刃物の取付け位置と位相差を有するよ
うに所定の角度間隔で設けられ、前記下部回転体の肩の
位置より所定の高さだけ上方の位置からさらに上方へ伸
びる下部刃物とを、前記上部刃物の下部と前記下部刃物
の上部とが常に上下方向に一部重複するように設けるこ
とにより、全体として前記下部回転体の高さ方向の当該
中空材の中空部全域にわたり、前記突合わせ部を中心と
した、少なくとも前記下部回転体の外周面の直径以上の
幅範囲内の、前記中空材のリブ又はハニカムパネルのコ
ア材を削除又は破砕可能なように形成して構成した。
付の図面と実施例を参照して以下に説明する。
面図である図1、斜視図である図2に示すように、平坦
な裏当て定盤64の上面に載置され、上下に所定の間隔
Hubをおいて平行な一対の面板61u、61bを備
え、前記上下の面板同士を長さ方向(図1の紙面に垂直
な方向、図2の矢印lの方向)に延びるリブ材62、6
2等の連結・補強部材を介して一体に形成した中空材6
0A、60Bの各々からなる一対の被接合部材の、前記
上下の各々の面板61u、61bの幅方向端部同士を突
き合わせて長さ方向(図2の矢印lの方向)に延びる突
合わせ部63u、63bを形成し、上下の突合わせ部6
3u、63bを同時に摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合用
回転ツール1Aを、凹面の底面2bsを備えた上部回転
体2と、該上部回転体2の底面2bsに同心に設けられ
た上部攪拌ピン部3と、該上部攪拌ピン3の下端に同心
に設けられ、凹面、平面又は凸面の上面4usと、凹面
の底面4bsとを備えた下部回転体4と、該下部回転体
4の底面4bsに同心に設けられた下部攪拌ピン部5
と、を備えてなるように基本的に構成したものである。
(以後、上部回転体の肩2sと称する)と下部回転体4
の上面4usの上端との間隔は、前記上部面板61uの
厚みtup(mm)より略前記上部回転体の肩2sの上部面板
61uへの押し込み深さの分だけ若干小さく形成されて
いる。また、下部回転体4の高さH4 (mm)、換言すれば
下部回転体4の上面4usの上端から下面4bsの下端
(以後、下部回転体の肩4sと称する)までの高さは、
前記上部面板61uの下面と下部面板61bの上面との
間隔Hub(mm)より前記下部回転体の肩4sの下部面板
61bへの押し込み深さだけ僅かに大きく形成されてい
る。
態の摩擦攪拌接合用回転ツール1Aを図2の矢印rの方
向へ回転せしめながら、上部突合わせ部63uと下部突
合わせ部63bに沿って図2の矢印lの方向に移動する
ことにより、上部突合わせ部63uと下部突合わせ部6
3bとを同時に能率よく摩擦攪拌接合することができ
る。又、摩擦攪拌接合時に回転ツール1Aを上方から上
部面板61uを押圧する力Fは、下部回転体4、下部面
板61bを介して裏当て定盤64で担うので、前記突合
わせ部に垂直縁材や枠材を配設することが不要である。
又、上下に摩擦攪拌接合装置を配設することによる設備
コストの略倍増を招くことなく、さらに下部の面板61
bの裏面61bsには、回転ツールの底面の回転移動軌
跡あるいはアンダーカットが跡として残らないため、何
ら研磨や処理をすることなく、製品の化粧面として使用
可能であるという利点がある。なお、上記の実施の形態
は、上下の面板をコア材からなる連結・補強部材を介し
て一体に形成したハニカムパネルにも同様に適用可能
で、上記と同様の作用・効果を奏する。
転ツールの実施の形態は、正面図である図3(a)、該
図3(a)のα−α線平断面図である図3(b)、正断
面斜視図である図4、図4の摩擦攪拌接合用回転ツール
1Bの前進方向(矢印wの方向)の前方未接合部位置β
ーβ線位置における一対の中空部材の突合わせ状態を示
すβーβ線矢視断面図である図5、図4の摩擦攪拌接合
用回転ツール1Bの前進方向(矢印wの方向)の後方の
既接合部位置γ−γ線位置における一対の中空部材の突
合わせ接合状態を示すγ−γ線矢視断面図である図6に
示すように、上下に所定の間隔Hubをおいて平行な一
対の面板66u、66bを備え、前記上下の面板65
u、65b同士を長さ方向に延びるリブ材67、67か
らなる連結・補強部材を介して一体に形成した中空材6
5Aと65Bの各々からなる一対の被接合部材の、前記
上下の各々の面板66u、66bの長さ方向端部同士を
突き合わせて幅方向(矢印wの方向)に延びる突合わせ
部68u、68bを形成し、上下の突合わせ部68u、
68bを同時に摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合用回転ツ
ール1Bを、凹面の底面2bsを備えた上部回転体2
と、該上部回転体2の底面2bsに同心に設けられた上
部攪拌ピン部3と、該上部攪拌ピン部3の下端に同心に
設けられ、凹面、平面又は凸面の上面4usと、凹面の
底面4bsとを備えた下部回転体4と、該下部回転体4
の底面4bsに同心に設けられた下部攪拌ピン部5と、
前記下部回転体4の高さ方向の略全域にわたり、前記突
合わせ部68u、68bを中心として、少なくとも前記
下部回転体4の外周面の直径D4(mm) 以上の幅範囲内
の、前記中空材65Aと65Bのリブ67を削除又は破
砕する、前記下部回転体4の外周方向に複数設けられた
刃物6と、を備えてなるように基本的に構成されてい
る。
の高さ方向に伸びる刃物保持溝4gから略等角度ピッチ
で複数(例えば、図3では8枚)放射状に外方へ突出し
た刃物基部6bsと、これら刃物基部6bsの先端部か
ら前記下部回転体4の矢印rで示す回転方向の接線と略
平行な方向もしくは接線より前記下部回転体の外周面に
接近する方向に鍵形に屈曲した刃先部6egよりなる。
の上面4usの上端との間隔は、前記上部面板66uの
厚みtup(mm)より略前記上部回転体の肩2sの上部面板
66uへの押し込み深さの分だけ若干小さく形成されて
いる。また、下部回転体4の高さH4(mm) 、換言すれば
下部回転体4の上面4usの上端から下部回転体の肩4
sまでの高さH4(mm) は、前記上部面板61uの下面と
下部面板61bの上面との間隔Hub(mm)より略前記下
部回転体の肩4sの下部面板66bへの押し込み深さだ
け僅かに大きく形成されている。
態の摩擦攪拌接合用回転ツール1Bを図の矢印rの方向
へ回転せしめながら、上部突合わせ部68uと下部突合
わせ部68bに沿って中空材65Aと65Bの幅方向
(図4の矢印wの方向)へに移動することにより、前記
下部回転体4に装着された複数の刃物6によって、前記
下部回転体4の矢印wの方向への移動の妨げとなるリブ
67の前記突合わせ部68rの周囲を切削・破砕しなが
ら前記摩擦攪拌接合用回転ツール1Bを幅方向(矢印w
の方向)へ移動せしめることが可能となる。その結果、
図6に示すように、図5に示した一対の中空材65A、
65Bの各々のリブ67、67がそれらの突合わせ部6
8rから刃物6の刃先部6egの回転半径ずつ前記の刃
物6により切除されて、摩擦攪拌接合用回転ツール1B
の下部回転体4が支障なく前進し、上下の接合部WB
u、WBbが同時に形成される。
の長手方向端部を突き合わせた上部突合わせ部68uと
下部突合わせ部68bとを同時に能率よく摩擦攪拌接合
することができる。又、前記突合わせ部における上下の
面板66u、66bとリブ67で囲まれた中空部内に、
両中空材に跨がる状態で中子を嵌挿することなく、ま
た、上記のような構造を有する中空材やハニカムパネル
の各々からなる一対の被接合部材の、前記上下の各々の
面板の長さ方向端部同士の間に接合部材を介在させる必
要もない。さらに、下部の面板66bの裏面には、回転
ツールの底面の回転移動軌跡あるいはアンダーカットが
跡として残らないため、何らの研磨や処理をすることな
く、製品の化粧面として使用可能であるという利点があ
る。
における摩擦攪拌接合用回転ツール1Bの下部回転体4
に装着される刃物6は、前記のような実施の形態に限ら
れず、例えば、刃物基部の先端部を下部回転体4の外周
面の接線に略平行に鍵形に屈曲せしめて刃先を形成した
複数の帯状刃物を、下部回転体の外周面の上端から下端
までらせん状に装着してもよい。
記図1に示されるように、上部攪拌ピン部3の外径D3
(mm) が、前記下部攪拌ピン部5の外径D5(mm) 以上
に、前記下部回転体4の凹面、平面又は凸面の上面4u
sの外径D4us(mm) が、前記上部回転体2の凹面または
平面の底面の外径D2bs と略等しく、前記下部回転体4
の凹面又は平面の底面4bsの外径D4bs(mm) が、前記
上部回転体2の凹面又は平面の底面2bsの外径D2bs
(mm) と同等又はそれ以下に、各々形成されてなるよう
に基本的に構成される。
態を以下に具体的な実施例を参照して説明する。 「実施例1」「JIS H 4100」に規定されるア
ルミニウム合金押出形材6061−T6材で、コの字形
状の押出形材の上下の面板同士を突き合わせて、摩擦攪
拌接合を行った。図7に示す一対のコの字形押出形材の
高さHhp(mm)を50mm、100mm、150mmの3水準
に、上下面板の板厚tp(mm) を1.5mm、3.0mm、
6.0mmの3水準に設定した。また上下面板の板厚tp
(mm)の各々に応じて、図1に示す摩擦攪拌接合用回転ツ
ール1Aの下部攪拌ピン部5の外径D5 (mm)、下部回転
体4の凹面の底面4bsの直径D4bs (mm)、上部攪拌ピ
ン部3の外径D3(mm) 、上部回転体2の底面2bsの直
径D2bs(mm) のそれぞれを下記表1に示すように選ん
で、摩擦攪拌接合実験を行い、接合部上端の溝状欠陥や
接合部上部のトンネル状空洞欠陥等の接合部欠陥の有無
と、回転ツール1Aの寿命(所定の長さを摩擦攪拌接合
した際の変形・破損の有無)を調査し、各々の判定定結
果を下記表2、表3に示す記号で表示し、前記のコの字
形押出形材の高さHhp(mm)のそれぞれについて、下記
表4〜表6の各々に示した。
の直径D3(mm) が、前記式1を満たす場合は、前記のよ
うな接合部欠陥を生じることなく上部面板を問題なく接
合できるとともに、上部攪拌ピン部の寿命も長い。 (2)摩擦攪拌接合用回転ツール1Aの上部攪拌ピン部
の直径D3(mm) が、下記式1の下限より小さい場合は、
接合部欠陥は生じないが、上部攪拌ピン部の寿命が短く
実用的ではない。 2.0×tup+0. 08×Hhp≦D3 ≦5.5×tup+0. 08×Hhp −−−式1 ここで、 tup:上部面板の突合わせ部の板厚(mm) Hhp:中空材又はハニカムパネルの高さ(mm) (3)摩擦攪拌接合用回転ツール1Aの上部攪拌ピン部
の直径D3(mm) が、上記式1の上限より大きい場合は、
上部攪拌ピン部の寿命が非常に長いが、塑性流動化(可
塑化)固相で直径の大きな攪拌ピンの移動後の空間を満
足に埋める能力が不足して、接合部上部の溝状欠陥やト
ンネル状空洞欠陥等の接合部欠陥が発生する。
形態は、図1に付した記号を用いて説明すると、前記下
部回転体4の底面4bsの下端即ち下部回転体の肩4s
を基準高さ位置SVPとした場合に、前記上部回転体2
の底面2bsの下端即ち上部回転体の肩2sの相対的高
さ位置P2sと前記下部回転体4の上面4usの相対的高
さ位置P4us 及び前記下部攪拌ピン部5の下端の相対的
高さ位置P5bのうちの少なくとも一つを変更・固定自在
に形成される変更・固定構造を備えて、基本的に構成さ
れる。
5、請求項6に係る本発明の実施の形態を、 A.上部回転体の肩2sの相対的な高さ位置P2sの変更
・固定構造 B.下部回転体4の上面4usの相対的な高さ位置P4u
s の変更・固定構造 C.下部攪拌ピン部の下端5bの相対的な高さ位置P5b
の変更・固定構造 D.上部回転体の肩2sの相対的な高さ位置P2sの変更
・固定構造、兼、下部回転体4の上面4usの相対的な
高さ位置P4us の変更・固定構造 E.上部回転体2の肩2sの相対的な高さ位置P2sおよ
び下部回転体4の上面4usの相対的な高さ位置P4us
の変更・固定構造、兼、下部攪拌ピン部の下端5bの相
対的な高さ位置P5bの変更・固定構造 をそれぞれ備える摩擦攪拌接合用回転ツールに分けて、
具体的な実施の形態の構成とその作用について説明す
る。
変更・固定構造を備える摩擦攪拌接合用回転ツールの実
施の形態 図1で付した符号を用いて説明すると、中空形材やハニ
カムパネルの上面板の板厚tup(mm)の変化に対応して、
上部回転体の肩2sと下部回転体の上面4usとの間の
間隔を変化させることが可能な摩擦攪拌接合用回転ツー
ル1の摩擦攪拌接合用回転ツール1 の実施の形態につい
て以下に説明する。
転体の肩の相対的な高さ位置の変更・固定構造が、立断
面図である図8(a)、(a)のA−A線矢視平断面図
である(b)、(a)のB−B線矢視平断面図である
(c)に示すように、前記上部攪拌ピン部3の外径D3
よりも僅かに大きな内径で、前記上部回転体2の底面2
bsから上方へ所定の高さに穿設され、少なくとも上部
に回転ツールの回転方向とは逆方向が締め込み方向であ
る雌ネジ部2hscを設けた上部攪拌ピン螺挿用孔2h
を備える上部回転体2と、前記下部回転体4の上面4u
sから同心に所定の高さだけ上方へ突出し、上部に前記
上部攪拌ピン螺挿用孔2hの前記雌ネジ部2hscに螺
合する雄ネジ部3scを備えた上部攪拌ピン部3と、螺
合した前記上部攪拌ピン螺挿用孔2hの雌ネジ部2hs
cと前記上部攪拌ピン部3の雄ネジ部3scとの間の緩
み防止手段として、前記上部攪拌ピン螺挿用孔2hの螺
挿された前記上部攪拌ピン部3の上端面より上方に配設
されたコイルスプリング2spを備えて、基本的に構成
されている。
擦攪拌接合用回転ツール1においては、前記上部回転体
2に対して前記下部回転体4を相対的に正・逆回転させ
ることにより、前記下部回転体の肩4sの高さ位置を基
準高さ位置SVPとした場合の、前記上部回転体の肩2
sの相対的高さ位置P2sを上下方向に変更することがで
きる。又、前記コイルスプリング2spが前記上部攪拌
ピン部3を常に下方へ付勢しているため、又、上部攪拌
ピン螺挿用孔2hの上部雌ネジ部2hsと前記上部攪拌
ピン部の上部の雄ネジ部3sのネジが、回転ツール1の
回転方向とは逆方向が締め込み方向であるように刻設し
ておけば、摩擦攪拌接合中の螺合した前記上部攪拌ピン
螺挿用孔2hの雌ネジ部2hscと前記上部攪拌ピン部
3の雄ネジ部3scとの間の緩みが効果的に防止され
る。さらに、上記のネジのピッチをネジの強度や刻設の
精度の観点からみて可能な限り小さくし、又ネジの傾斜
角を可能な限り小さくすることにより、前記上部回転体
の肩2sの相対的高さ位置P2sの上下方向への変更を極
めて精度よく行うことができる。上記の作用の総合的な
結果として、本実施の形態の摩擦攪拌接合用回転ツール
1は、中空形材やハニカムパネルの上面板の板厚tup(m
m)の変化に対応して、上部回転体の肩2sと下部回転体
の上面4usとの間の間隔を非常に精度よく変化させる
ことが可能であり、又、安定した摩擦攪拌接合を行うこ
とが可能である。
転体の肩の相対的な高さ位置の変更・固定構造が、立断
面図である図9(a)、(a)のC−C線矢視平断面図
である(b)に示すように、前記上部攪拌ピン部3の外
径D3 よりも僅かに大きな内径で、前記上部回転体の底
面2bsから同心に上方へ所定の高さに穿設された上部
攪拌ピン挿入用孔2hを備える上部回転体2と、前記下
部回転体4の上面4usから同心に所定の高さだけ上方
へ突出し、前記上部回転体2の前記上部攪拌ピン挿入用
孔2hにその上部が挿入された上部攪拌ピン部3と、前
記上部回転体2の前記上部攪拌ピン挿入用孔2hの側方
の外周面から上部攪拌ピン挿入用孔2hの内面までに貫
通するネジ孔2bhと、該ネジ孔2bhに螺挿され先端
が前記上部攪拌ピン部3の上部の外周面に当接して、該
上部攪拌ピン部3と前記上部回転体2との間の相対的回
転及び相対的上下摺動を防止するボルト2sbと、該ボ
ルト2sbの緩み防止用手段としてのナット又はスプリ
ングワッシャー2snと、を備えて基本的に構成されて
いる。
擦攪拌接合用回転ツール1は、前記ボルト2sbを緩め
てから、前記上部回転体2に対して前記下部回転体4を
相対的に上下方向にシフトさせることにより、前記上部
攪拌ピン挿入用孔2hとこの孔に上部を挿入された上部
攪拌ピン部3の上部とを、相対的に上下方向に摺動さ
せ、前記下部回転体の肩4sの高さ位置を基準高さ位置
SVPとした場合の、前記上部回転体の肩2sの相対的
高さ位置P2sを上下方向に変更することができる。又、
前記上部回転体の肩2sの相対的高さ位置P2sの変更後
に、前記ボルト2sbを締め込み、該ボルト2sbの先
端を、前記上部攪拌ピン挿入用孔2hに挿入された上部
攪拌ピン部3の上部の外周面に当接させ、上部攪拌ピン
部3の上部の外周面を前記上部攪拌ピン挿入用孔2hの
内周に押し付けることにより、前記上部回転体の肩2s
の相対的高さ位置を固定できるとともに、上部攪拌ピン
部3と前記上部回転体2の相対的回転を防止できる。
転体の肩の相対的な高さ位置の変更・固定構造が、立断
面図である図10(a)、(a)のD−D線矢視平断面
図である(b)、(a)のE−E線矢視平断面図である
(c)に示すように、前記上部攪拌ピン部3の外径D3
(mm) より僅かに大きな内径で、前記上部回転体の底面
2bsから同心に上方へ所定の高さに穿設された下部孔
2hbと、該下部孔2hbの上端から同心に上方に穿設
された前記下部孔2hbの直径以下の円に内接する断面
多角形の上部孔2huとからなる上部攪拌ピン部挿入用
孔2hを、備える上部回転体2と、前記下部回転体4の
上面4usから同心に所定の高さだけ上方へ突出し、前
記上部回転体2の前記上部攪拌ピン挿入用孔2hに挿入
され上部に前記断面多角形の上部孔2huに挿入される
多角柱部3sqを備えた上部攪拌ピン部3と、前記上部
回転体2の前記上部攪拌ピン挿入用孔2hの側方の外周
面から上部攪拌ピン挿入用孔2hの内面までに貫通する
ネジ孔2bhと、該ネジ孔2bhに螺挿され先端が前記
上部攪拌ピン部3の外周面に当接して、該上部攪拌ピン
部3と前記上部回転体2との間の相対的上下摺動を防止
するボルト2sbと、を備えて基本的に構成されてい
る。
擦攪拌接合用回転ツール1においては、前記ボルト2s
bを緩めてから、前記上部回転体2に対して前記下部回
転体4を相対的に上下方向にシフトさせることにより、
前記上部攪拌ピン挿入用孔2hとこの孔に上部を挿入さ
れた上部攪拌ピン部3の上部とを、相対的に上下方向に
摺動させ、前記下部回転体の肩4sの高さ位置を基準高
さ位置SVPとした場合の、前記上部回転体の肩2sの
相対的高さ位置P2sを上下方向に変更することができ
る。また、前記上部回転体の肩2sの相対的高さ位置P
2sの変更後に、前記ボルト2sbを締め込み、該ボルト
2sbの先端を前記上部攪拌ピン挿入用孔2hに挿入さ
れた上部攪拌ピン部3の上部の外周面に当接させ、上部
攪拌ピン部3の上部の外周面を前記上部攪拌ピン挿入用
孔2hの内周に押し付けることにより、前記上部回転体
の肩2sの相対的高さ位置P2sを固定できるとともに、
上部攪拌ピン部3と前記上部回転体2の相対的回転を防
止できる。さらに、前記上部攪拌ピン挿入用孔2hの上
部の前記断面多角形の上部孔2huに上部攪拌ピン部3
の上部の多角柱部3sqが嵌合しているため、上部攪拌
ピン部3と前記上部回転体2の相対的回転を完全に防止
できる。
転体の肩の相対的な高さ位置の変更・固定構造が、立断
面図である図11(a)、(a)のF−F線矢視平断面
図である(b)、及び(a)のG−G線矢視平断面図で
ある(c)に示されるように、前記上部回転体2の外径
よりも小さな外径で、少なくとも下部に回転ツールの回
転方向とは逆方向が締め込み方向である雄ネジ部6sを
備え、前記上部攪拌ピン部3が下端面に同心に連結され
た中心円柱体6と、該中心円柱体6の雄ネジ部6sに螺
合するネジ孔7sを有する円筒部7と、該円筒部7の下
端に一体をなすように形成され、前記上部攪拌ピン部3
が相対的上下摺動自在に貫通する中心貫通孔8hを備
え、その下面が前記上部回転体の底面2bsとされる環
状体部8と、螺合した前記中心円柱体6の雄ネジ部6s
cと前記円筒部7のネジ孔7shとの間の緩み防止手段
としてのナット6snと、からなる上部回転体2を備え
て、基本的に構成される。
擦攪拌接合用回転ツール1においては、前記ナット6s
nを緩めて前記中心円柱体6の雄ネジ部6scの上部へ
退避させた後に、前記円筒部7を中心円柱体6に対して
相対的に正・逆回転させて、上部回転体の肩2sの相対
的高さ位置P2sを上下方向に変更することができる。そ
の後、前記ナット6snを下方へ移動するように締め込
んで、該ナット6snにより、前記円筒部7の上端面を
下方に押圧し、螺合した前記中心円柱体6の雄ネジ部6
scと前記円筒部7のネジ孔7shとの間の緩みを防止
することができる。又、前記中心円柱体6の下部の雄ネ
ジ部6scのネジと、これに螺合する前記円筒部7のネ
ジ孔7shのネジが、回転ツール1の回転方向とは逆方
向が締め込み方向であるように刻設しておけば、螺合し
た前記中心円柱体6の雄ネジ部6sと前記円筒部7のネ
ジ孔7sとの間の緩みをさらに効果的に防止することが
できる。さらに、上記のネジのピッチをネジの強度や刻
設の精度の観点からみて可能な限り小さくし、ネジの傾
斜角を可能な限り小さくすることにより、前記上部回転
体の肩2sの相対的高さ位置P2sの上下方向への変更を
極めて精度よく行うことができる。上記の作用の総合的
な結果として、本実施の形態の摩擦攪拌接合用回転ツー
ル1は、中空形材やハニカムパネルの上面板の板厚tp
(mm) の変化に対応して、上部回転体の肩2sと下部回
転体の上面4usとの間の間隔を非常に精度よく変化さ
せることが可能であるとともに、安定した摩擦攪拌接合
を行うことが可能である。
転体の肩の相対的な高さ位置の変更・固定構造が、立断
面図である図12(a)、(a)のH−H線矢視平断面
図である(b)、及び(a)のI−I線矢視平断面図で
ある(c)に示されるように、前記上部回転体2の外径
よりも小さな直径の円に内接する多角形断面を備え、前
記上部攪拌ピン部が下端面に同心に連結された中心多角
柱体9と、該中心多角柱体9の挿入される中心多角形孔
10hを有する外筒部10と、該外筒部10の下端に一
体をなすように形成され、前記上部攪拌ピン部3が相対
的上下摺動自在に貫通する中心貫通孔8hを備え、その
下面が前記上部回転体の底面とされる環状体部8と、前
記外筒部10の外周面から前記中心多角形孔10hの内
面まで貫通するネジ孔10bhと、該ネジ孔10bhに
螺挿され先端が前記中心多角柱体9の外周面に当接して
該中心多角柱体9と前記外筒部10との間の相対的上下
摺動を防止するボルト10sbと、を備えて基本的に構
成される。
擦攪拌接合用回転ツール1においては、前記ボルト10
sbを緩めて、前記中心多角柱体9と前記外筒部10及
び環状体8を上下方向へ相対的に摺動させることによ
り、上部回転体の肩2sの相対的高さ位置P2sを上下方
向に変更することができる。その後、前記ボルト10s
bを締め込んで、該ボルト10sbの先端を前記中心多
角柱体9の外周面に当接させ、該外周面を前記外筒部1
0の中心多角形孔10hの内周面の一部に押し付けるこ
とにより、前記上部回転体の肩2sの相対的高さ位置を
固定できる。さらに、前記外筒部10の中心多角形孔1
0hに前記中心多角柱体9が嵌合しているため、前記外
筒部10及び環状体8と前記多角柱体9との間の相対的
回転を強固に防止できる。
転体の肩の相対的な高さ位置の変更・固定構造が、立断
面図である図13(a)、(a)のJ−J線矢視平断面
図である(b)、及び(a)のK−K線矢視平断面図で
ある(c)に示されるように、前記上部回転体2の外径
よりも小さな直径を有し、その外周面に1乃至複数のス
プライン11spを備えるとともに、前記上部攪拌ピン
部3が下端面に同心に連結された中心円柱体11と、該
中心円柱体11の挿入される中心円形孔12hを有し、
該中心円形孔12hの内周面に前記スプライン11sp
の各々と係合する1乃至複数のスプライン溝12hgを
備えた円筒部12と、該円筒部12の下端に一体をなす
ように形成され、前記上部攪拌ピン部3が相対的上下摺
動自在に貫通する中心貫通孔8hを備え、その下面が前
記上部回転体の底面2bsとされる環状体部8と、前記
円筒部12の外周面から前記中心円形孔12hの内面ま
で貫通するネジ孔12bhと、該ネジ孔12bhに螺挿
され先端が前記中心円柱体11の外周面に当接して該中
心円柱体11と前記円筒部12との間の上下摺動を防止
するボルト12sbと、を備えて基本的に構成される。
擦攪拌接合用回転ツール1においては、前記ボルト12
sbを緩めて、前記中心円柱体11と前記円筒部12び
環状体8を上下方向へ相対的に摺動させることにより、
上部回転体の肩2sの相対的高さ位置P2sを上下方向に
変更することができる。その後、前記ボルト12sbを
締め込んで、該ボルト12sbの先端を前記中心多角柱
体9の外周面に当接させ、該外周面を前記外筒部10の
中心円形孔12hの内周面の一部に押し付けることによ
り、前記上部回転体の肩2sの相対的高さ位置P2sを固
定できる。さらに、前記円筒部12の中心円形孔12h
の内周面の1乃至複数のスプライン溝12hgに前記中
心円柱体11の外周面の1乃至複数のスプライン11s
pの各々が係合しているため、前記円筒部12及び環状
体部8と前記中心円柱体11との間の相対的回転を完全
に防止できる。
上部回転体の肩の相対的な高さ位置の変更・固定構造
が、立断面図である図14(a)、(a)のL−L線矢
視平断面図である(b)、(a)のM−M線矢視平断面
図である(c)、及び(a)のN−N線矢視平断面図で
ある(d)と、立断面図である図15(a)、(a)の
O−O線矢視平断面図である(b)、(a)のP−P線
矢視平断面図である(c)、及び(a)のQ−Q線矢視
平断面図である(d)と、にそれぞれ示されるように、
前記上部回転体2の外径よりも小さな外径を有する断面
円形状か又は小さな外径の円に内接する多角形断面形状
を備え、前記上部攪拌ピン部3が下端面に同心に連結さ
れた中心回転軸体13と、該中心回転軸体13の下部外
周面に沿って上下方向摺動自在に、かつ、該中心回転軸
体13との間の相対回転不可能に外嵌された外筒部14
と、該外筒部14の下端に一体をなすように形成され、
前記上部攪拌ピン部3が相対的上下摺動自在に貫通する
中心貫通孔8hを備え、その下面が前記上部回転体の底
面2bsを形成する環状体部8と、前記中心軸体13に
外嵌された前記外筒部14の上端面より上方の中心回転
軸体13の外周面に外嵌固定、又は、上下位置調節自在
に外嵌固定され、前記外筒部14の外径と略等しい外径
を有するストッパ15と、前記外筒部14の上端面と前
記ストッパ15の下端面との間の前記中心回転軸体13
の周囲に配設され、前記外筒部13を常時下方に付勢す
る付勢手段としてのコイルスプリング16と、を備えて
基本的に構成される。
的には、前記図14に示されるように、前記中心回転軸
体13の下部外周面に1乃至複数のスプライン13sp
が設けられ、前記外筒部14の内周面に前記スプライン
13spに係合するスプライン溝14spgを設けると
ともに、前記中心回転軸体13の上部13uの外周面に
雄ネジ部13scが刻設され、前記ストッパ15に該雄
ネジ部13scに螺合する雌ネジ15scが刻設されて
いる。
的には、前記図15に示されるように、前記中心回転軸
体13が多角柱体であり、前記外筒部14は該多角柱体
に外接する多角形中心孔断面13hを備えており、前記
ストッパ15は前記多角柱体に外接する多角形断面中心
孔15hを備えており、該ストッパ15の外周面から中
心孔内面に貫通するネジ孔15bnが設けられるととも
に、該ネジ孔15bnに螺挿され前記多角柱体の外周面
に先端が当接して該多角柱体に前記ストッパ15を固定
するボルト15sbと、該ボルト15sbの緩み止めナ
ット15snを備えている。
の摩擦攪拌接合用回転ツール1においては、前記中心軸
体13と外筒部14がスプライン13spとスプライン
溝14spgとの係合により相対的上下摺動自在に、か
つ、相対的回転不可能に保持されている。また、上部面
板UPを上部回転体2の底面2bsと下部回転体4の上
面4usで挟んだとき、前記コイルスプリング16によ
り、前記外筒部14とその下端に一体をなすよう形成さ
れた環状体部8とが常に下方へ付勢されているので、前
記上面板UPの板厚tup(mm)に応じて、上部回転体の肩
2sの相対的高さ位置が自動的に調節される。また、前
記中心回転軸体13の上部13uの外周面に雄ネジ部1
3scに螺合したストッパ15を中心回転軸体13に対
して、相対的に正逆回転させることにより、その位置を
上下方向に移動させることができ、上部面板PUの板厚
tup(mm)やその他摩擦攪拌接合時の設定条件に応じて、
前記付勢手段としてのコイルスプリング16の付勢力を
自由に変えることができ、安定した摩擦攪拌接合が可能
になる。
の摩擦攪拌接合用回転ツール1においては、前記中心軸
体13が多角柱体であり、前記外筒部14は該多角柱体
に外接する多角形断面中心孔14hを備えているので、
両者は相対的上下摺動自在に、かつ、相対的回転不可能
に嵌合している。また、上部面板UPを上部回転体2の
底面2bsと下部回転体4の上面4usで挟んだとき、
前記コイルスプリング16により、前記外筒部14とそ
の下端に一体をなすように形成された環状体部8とが、
常に下方へ付勢されているので、前記上面板UPの板厚
tup(mm)に応じて、上部回転体の肩2sの相対的高さ位
置P2sが自動的に調節される。また、前記ストッパ15
を中心軸体13に固定しているボルト15sbを緩めて
ストッパ15を上下方向に移動し、目的の位置でボルト
15sbを再度締め込んでストッパ15を固定すること
によって、上部面板PUの板厚tup(mm)やその他摩擦攪
拌接合時の設定条件に応じて、前記付勢手段としてのコ
イルスプリング16の付勢力を自由に変えることがで
き、安定した摩擦攪拌接合が可能になる。
上部回転体の肩の相対的な高さ位置の変更・固定構造
が、立断面図である図16(a)、(a)のR−R線矢
視平断面図である(b)、(a)のS−S線矢視平断面
図である(c)と、立断面図である図17(a)、
(a)のT−T線矢視平断面図である(b)、(a)の
U−U線矢視平断面図である(c)と、立断面図である
図18(a)、(a)のV−V線矢視平断面図である
(b)と、の各々のグル−プに示されるように、上部回
転体2の底面2bsの外径D2bs と略同じ外径の上部回
転軸17と、該上部回転軸17の下端面17bsと前記
下部回転体4の上面4usとの間を同心に連結する上部
攪拌ピン部3と、該上部攪拌ピン部3の上部3uの外周
に上下方向摺動自在に、かつ、相対的回転不可能に外嵌
され、その下面が前記上部回転体2の底面2bsとされ
るとともに、前記上部攪拌ピン部3が相対的上下摺動自
在に貫通する中心貫通孔18hを備えた環状体18と、
前記上部回転軸体17の下端面17bsと前記環状体部
18の上端面との間の前記上部攪拌ピン部3の周囲に配
設され、前記環状体18を常時下方に付勢する付勢手段
としてのコイルスプリング16と、を備えて基本的に構
成される。
的には、前記図16に示されるように、前記環状体18
の上端面の外周部面に複数のガイドバー19が上方へ伸
びるように設けられ、前記上部回転軸体17の下部外周
面には、前記複数のガイドバー19の各々と係合するガ
イド溝17gが設けられている。
体的には、前記図17に示されるように、前記上部攪拌
ピン部3uの上部外周面に1乃至複数のスプライン18
spが設けられるとともに、前記環状体18の中心孔1
8hの上部の内周面に前記スプライン18spの各々が
係合する1乃至複数のスプライン溝18spgが設けら
れている。
体的には、前記図18に示されるように、前記上部攪拌
ピン部3uの上部が多角形柱とされ、前記環状体18の
中心孔18hが上記多角形柱の断面よりも僅かに大きな
寸法の相似多角形断面をもつように形成されている。な
お、上記の断面多角形は、摩擦攪拌接合時の回転する上
部攪拌ピン部3に対する上部面板UPからの抵抗が過大
にならないように、また、塑性流動化(可塑化)した固
相金属の上部攪拌ピン部での流動を円滑に保つために、
六角形以上、好ましくは八角形以上で十二角形程度まで
の多角形であればよい。
施の形態の摩擦攪拌接合用回転ツール1においては、前
記第9の実施の形態の場合は、前記環状体18の上端面
の外周部に設けられた複数のガイドバー19の各々と、
前記上部回転軸17の下部外周面に設けられた複数のガ
イド溝の各々との係合により、前記第10の実施の形態
の場合は、上部攪拌ピン部3の上部3uの外周面の1乃
至複数のスプライン3uspの各々と、前記環状体18
の中心孔18hの上部内周面の1乃至複数のスプライン
溝18spgの各々との係合により、前記第11の実施
の形態の場合は、多角形柱に形成された上部攪拌ピン部
3の上部3uと、多角形孔に形成された前記環状体18
の中心孔18hとの嵌合により、それぞれの上部攪拌ピ
ン部3とそれぞれの環状体部18との間は、相対的上下
摺動自在に、かつ、相対的回転不可能になっている。
又、上記のうちの何れの場合にも、上部面板UPを上部
回転体2の底面2bsと下部回転体4の上面4usで挟
んだとき、前記コイルスプリング16により、前記環状
体18が常に下方へ付勢されているので、前記上部面板
UPの板厚tup(mm)に応じて上部回転体の肩2sの相対
的高さ位置P2sが自動的に調節される。
合用回転ツールの実施の形態のうち、上部回転体の肩の
相対的な高さ位置の変更・固定構造を備える摩擦攪拌接
合用回転ツールの実施の形態について説明したが、上記
の実施の形態以外にも種々の変形例が考えられる。例え
ば、前記図8〜図10の各々を参照して、A−1項〜A
−3項において説明した第1〜第3の実施の形態におけ
る各々の上部攪拌ピン部3を、上部回転体2の底面2s
bから同心に下方へ所定の高さだけ突出するように固定
し、下部回転体4側に、その上面から所定の深さに前記
上部攪拌ピン部挿入用孔を穿設するようにし、各々の上
部攪拌ピン部3の形状、各々の上部攪拌ピン挿入用孔の
形状、各々の上部攪拌ピン挿入用孔に挿入された各々の
上部攪拌ピン部3の上下方向の位置の変更・固定のため
の構造と、上部攪拌ピン部3と下部回転体4との相対的
回転防止のための構造を、前記第1〜第3の実施の形態
の各々と同じように形成してもよい。
効果として、該実施の形態の摩擦攪拌接合用回転ツール
1は、中空形材やハニカムパネルの上面板の板厚tp(m
m) の変化に対応して、上部回転体の肩2sと下部回転
体の上面4usとの間の間隔を精度よく変化させること
が可能であるとともに、安定した摩擦攪拌接合を行うこ
とが可能である。その結果、それぞれの上面板の板厚に
対応した摩擦攪拌接合用回転ツールを多種類用意し、そ
の都度取り替える必要がなくなる。
の変更・固定構造を備える摩擦攪拌接合用回転ツールの
実施の形態 図1で付した符号を用いて説明すると、中空形材やハニ
カムパネルの上部面板の下面と下部面板の上面との間の
間隔Hub(mm)の変化に対応して、下部回転体の上面4
usと下部回転体の肩4sとの間の間隔を変化させるこ
とが可能な摩擦攪拌接合用回転ツール1の実施の形態に
ついて以下に説明する。
転体の上面の相対的な高さ位置の変更・固定構造が、立
断面図である図19(a)、(a)のイ−イ線矢視平断
面図である(b)に示すように、前記上部攪拌ピン部3
の下端に同心に固定され、前記上部回転体2の底面2b
sの外径に略等しい外径の上面4usを有し、少なくと
も下部に雄ネジ部4uscが刻設された上部円柱体4u
と、所定の直径の底面4bsに同心に前記下部攪拌ピン
部5を固定し、少なくとも上部に雄ネジ部4bscが刻
設された下部円柱体4bと、前記上部円柱体4uの下端
面と前記下部円柱体4bの上端面との間隔を所定の範囲
内で調節可能なように、前記上部円柱体4uと前記下部
円柱体4lの各々の外周部に刻設された前記雄ネジ部4
usc、4bscの各々に上部と下部の各々の雌ネジ部
19scが螺合し、前記上部円柱体4uと前記下部円柱
体4bとを連結する連結用円筒部19と、螺合した前記
連結用円筒部19の雌ネジ部19scと前記上部円柱体
4u及び前記下部円柱体4bのそれぞれの雄ネジ部4u
scと4bscとの間の緩み防止手段として、前記上部
円柱体4uの下端面と前記下部円柱体4bの上端面の両
面の間の、前記連結用円筒部19の内部に配設され、常
に前記両面を上下方向に離隔させる方向に付勢するコイ
ルスプリング20と、を備えて基本的に構成される。
4b、連結用円筒部19のそれぞれのネジ部は、摩擦攪
拌接合用回転ツールの回転方向とは反対方向が締め込み
方向となるように刻設した方が、摩擦攪拌接合中のネジ
螺合部の緩み防止のために望ましい。
擦攪拌接合用回転ツール1においては、上記の上部円柱
体4u及び/又は下部円柱体4bと連結用円筒部19と
を、相対的に正・逆回転させることによって、前記上部
円柱体4uの下端面と前記下部円柱体4bの上端面との
間隔を所定の範囲内で調節し、下部回転体4の上端面4
usの相対的高さ位置P4us を変化させることが可能で
ある。また、上記のコイルスプリング20により前記上
部円柱体4uの下端面と前記下部円柱体4bの上端面の
両面の間が常に上下方向に離隔するように付勢されてい
るので、螺合した前記連結用円筒部19の雌ネジ部19
scと前記上部円柱体4u及び前記下部円柱体4bの各
々の雄ネジ部4uscと4bscとの間のネジ山の間の
「がた」(空隙)が無くなって上記のネジ部同士の間の
緩みを防止でき、その結果下部回転体4の上面4usの
相対的高さ位置P2sが所定の位置に確実に固定される。
転体の上面の相対的な高さ位置の変更・固定構造が、立
断面図である図20(a)、(a)のロ−ロ線矢視平断
面図である(b)、及び(a)のハ−ハ線矢視平断面図
である(c)に示すように、前記上部攪拌ピン部3の下
端に同心に固定され、前記上部回転体2の底面2bsの
直径に略等しい上面4usを有する上部円柱体4uと、
所定の外径の底面4bsに同心に前記下部攪拌ピン部5
を固定した下部円柱体4bと、前記上部円柱体4uの下
端面と前記下部円柱体4bの上端面との間隔を所定の範
囲内で調節可能なように、前記上部円柱体4uの小径の
下部4ubの外周面に刻設された雄ネジ部4uscと、
前記下部円柱体4bの上端面外周部に一体をなすように
結合され上方へ伸びる連結用円筒部21と、該連結用円
筒部21の内周面に刻設され、前記雄ネジ部4uscに
螺合するネジ孔21shと、螺合した前記上部円柱体4
uの小径の下部4ubの外周面に刻設された雄ネジ部4
uscと、前記連結用円筒部21の内面のネジ孔21s
hとの間の緩み防止手段としての、上部円柱体4uの小
径の下部4ubの雄ネジ部4uscの前記円筒部21の
上端面より上に螺嵌され、前記円筒部21の上端面を常
時下方に押し付けるよう、前記雄ネジ部4uscと螺合
するネジ孔22shを備えたストッパ22と、を備えて
基本的に構成される。
擦攪拌接合用回転ツール1においては、上記のストッパ
22を緩めて上部円柱体4の小径の下部4ubの上方へ
退避させておき、上部円柱体4uと下部円柱体4b及び
連結用円筒部21とを相対的に回転させることにより、
下部回転体の肩4sを基準の高さ位置SVPとした場合
の下部回転体の上面4usの相対的高さ位置P4us を変
化させることができる。その後前記ストッパ22を締め
込んで、その下端を前記連結用円筒部21の上端面に強
く押し付けるによって、前記下部回転体4の上面4us
の相対的高さ位置P4us を固定することができる。
転体の上面の相対的な高さ位置の変更・固定構造が、立
断面図である図21(a)、(a)のニ−ニ線矢視平断
面図である(b)、及び(a)のホ−ホ線矢視平断面図
である(c)に示すように、前記上部攪拌ピン部3の下
端に同心に固定され、前記上部回転体の底面2bsの外
径に略等しい外径の上面4usを有し、下部に中心ネジ
孔23uhを備えた上部カップ状体23uと、所定の外
径の底面4bsに同心に前記下部攪拌ピン部5を形成し
上部に中心ネジ孔23bhを備えた下部カップ状体23
bと、前記上部カップ状体23uの下端面と前記下部カ
ップ状体23bの上端面との間隔を一定の範囲内で調節
可能なように、前記上部カップ状体23uの中心ネジ孔
23uhに上部を、前記下部カップ状体23bの中心ネ
ジ孔23bhに下部を各々螺挿される、少なくとも上部
と下部に雄ネジ部24scを備えた連結用ボルト24
と、前記上下のカップ状体23u、23bの中心ネジ孔
23uh、23bhの各々と前記連結用ボルト24の雄
ネジ部24scとの間の緩み防止手段としての、雌ネジ
25usc、25bscを各々備え、前記連結用ボルト
24の上下の雄ネジ部24sc、24scの各々に螺合
する上下の緩み止めナット25u、25bと、を備えて
基本的に構成される。
擦攪拌接合用回転ツール1においては、上記の上下の緩
み止めナット25u及び/又は25bを緩めて、各々、
上方、下方に退避させておき、前記連結用ボルト24と
上部カップ状体23u及び/又は下部カップ状体23b
との間を相対回転させて、これらの位置を上下方向に変
化させることができる。その後、上記の上下の緩み止め
ナット25u及び/又は25bを締め込んで、前記上部
カップ状体23u及び/又は下部カップ状体23bの位
置を固定できるとともに、前記連結用ボルト24と前記
上部カップ状体23u及び/又は下部カップ状体23b
との相対回転も防止することができる。
の形態の摩擦攪拌接合用回転ツールのそれぞれのネジ部
は、摩擦攪拌接合用回転ツールの回転方向とは反対方向
が締め込み方向となるように刻設した方が、摩擦攪拌接
合中のネジ螺合部の緩み防止のために望ましい。
のネジ部におけるネジのピッチをネジの強度等の観点か
ら可能なかぎり小さくし、またネジの傾斜角も可能な限
り小さくすることにより、極めて精度よく下部回転体4
の上面の相対的高さ位置P4usを変化させることができ
る。
の変更・固定構造は、正断面図である図22(a)及び
(a)のヘ−ヘ線矢視平断面図である(b)、正断面図
である図23(a)及び(a)のト−ト線矢視平断面図
である(b)、正断面図である図24(a)及び(a)
のチ−チ線矢視平断面図である(b)、の各々のグルー
プに示すように、上部攪拌ピン部3の下端に同心に固定
された前記上部回転体2の底面2bsの外径に略等しい
外径の上面を有する上部円柱体26又は上部カップ状体
27と、所定の外径の底面4bsに同心に前記下部攪拌
ピン部5を固定した下部円柱体28と、前記上部円柱体
26又は上部カップ状体27と前記下部円柱体28と
を、同心に、相互の上下方向間隔を一定範囲内で自動調
節可能なように、かつ、相対回転不可能なように連結す
る後記の連結手段と、前記上部円柱体26又は上部カッ
プ状体27の下端面と前記下部円柱体28の上端面との
両面の間に配設され、該両面の間隔が常に大きくなる方
向に付勢する付勢手段としてのコイルスプリング29
と、を備えて基本的に構成される。
前記連結手段が、上記下部円柱体28の上端面外周部か
ら上方へ延びる複数のガイドバー30と、上記上部円柱
体26の下部外周面に、前記複数のガイドバー30の各
々と係合するように複数刻設されたガイド溝26gとか
ら構成される。
前記連結手段が、上記下部円柱体28の上端面から同心
に上方へ延びる多角柱体31と、上記上部カップ状体2
7の下部に設けられ、前記多角柱体に外嵌される多角形
断面孔27sqhとから構成される。
前記連結手段が、上記下部円柱体28の上端面から同心
に上方へ延び、外径が上記下部円柱体28及び上部カッ
プ状体27よりも小さく、その外周面に1乃至複数のス
プライン32spを備えた円柱体32と、前記上部カッ
プ状体27の下部に設けられ、前記1乃至複数のスプラ
イン32spの各々に係合するスプライン溝27spg
を備えた円形孔27shとから構成される。
態においては、ガイドバー30とガイド溝26gとの係
合により、第5の実施の形態においては、多角柱体31
と断面多角形孔27shとの嵌合により、第6の実施の
形態においては、外周面に1乃至複数のスプライン27
spを備えた円柱体32と、前記上部カップ状体27の
下部に設けられ、前記1乃至複数のスプライン32sp
の各々に係合するスプライン溝27spgを備えた円形
孔27shとの嵌合により、上部円柱体26又は上部カ
ップ状体27と下部円柱体28とが、相対回転不可能
に、かつ、相互の上下方向間隔の変化が可能になってお
り、また、前記付勢手段としてのコイルスプリング29
により、相互の上下方向間隔が常に大きくなるように付
勢されている。その結果、中空材やハニカムパネルの上
部面板の下面と下部面板の上面との間の変化に応じて、
前記下部回転体4の上面4usの相対的高さ位置が自動
的に変化し、下部回転体の肩4sから上面4usまでの
高さが自動的に調整される。
効果として、これらの実施の形態の摩擦攪拌接合用回転
ツール1は、中空形材やハニカムパネルの上部面板の下
面と下部面板の上面との間の間隔Hub(mm)の変化に対
応して、下部回転体の上端面4usと下部回転体の肩4
sとの間の高さを精度よく変化させることが可能である
とともに、安定した摩擦攪拌接合を行うことが可能であ
る。その結果、それぞれの前記間隔Hub(mm)に対応し
た摩擦攪拌接合用回転ツールを多種類用意し、その都度
取り替える必要がなくなる。
の変更・固定構造を有する摩擦攪拌接合用回転ツールの
実施の形態 図1で付した符号を用いて説明すると、中空形材やハニ
カムパネルの下部面板の板厚tbp(mm)の変化に対応し
て、下部攪拌ピン部5の下端5bの相対的高さ位置P5
を変化させることが可能な摩擦攪拌接合用回転ツール1
の実施の形態について以下に説明する。
位置の変更・固定構造は、立断面図である図25
(a)、(a)のリ−リ線矢視断面図である(b)、及
び(a)のヌ−ヌ線断面図である(c)に示すように、
前記下部攪拌ピン部5の上部外径D5(mm) より僅かに大
きな内径を備え、前記下部回転体4の底面4bsから上
方へ所定の高さに穿設され、少なくとも上部に回転ツー
ルの回転方向とは逆方向が締め込み方向である雌ネジ部
4hscを設けた下部攪拌ピン螺挿用孔4hを備えてな
る下部回転体4と、上部に前記下部攪拌ピン螺挿用孔4
hの前記雌ネジ部4hscに螺合する雄ネジ部5scを
備えた下部攪拌ピン部5と、螺合した前記下部攪拌ピン
部螺挿用孔4hの雌ネジ部4hscと前記下部攪拌ピン
5の雄ネジ部5scとの間の緩み防止手段としての、下
部攪拌ピン部5の上端面より上方の前記下部攪拌ピン部
螺挿用孔4hの上部に配設されて前記下部攪拌ピン部5
を常に下方へ付勢するコイルスプリング4cpと、を備
えて基本的に構成される。
擦攪拌接合用回転ツール1においては、前記上部回転体
4に対して前記下部攪拌ピン部5を相対的に回転させる
ことにより、前記下部回転体の肩4sの高さ位置を基準
高さ位置SVPとした場合の前記下部攪拌ピン部5の下
端5bの相対的高さ位置P5bを上下方向に変更すること
ができる。又、前記コイルスプリング4spが前記下部
攪拌ピン部5を常に下方へ付勢しているため、又、下部
攪拌ピン螺挿用孔4hの上部雌ネジ部4hscと前記下
部攪拌ピン部5の上部の雄ネジ部5scのネジを回転ツ
ール1の回転方向とは逆方向が締め込み方向であるよう
に刻設しておけば、摩擦攪拌接合中の螺合した前記上部
攪拌ピン螺挿用孔4hの雌ネジ部4hscと前記下部攪
拌ピン部5の雄ネジ部5scとの間の緩みが効果的に防
止される。さらに、上記のネジのピッチをネジの強度や
刻設の精度の観点からみて可能な限り小さくし、又ネジ
の傾斜角を可能な限り小さくすることにより、前記下部
攪拌ピン部5の下端の相対的高さ位置P5の上下方向へ
の変更を極めて精度よく行うことができる。上記の作用
の総合的な結果として、本実施の形態の摩擦攪拌接合用
回転ツール1は、中空形材やハニカムパネルの上面板の
板厚tp(mm) の変化に対応して、上部回転体の肩2sと
下部回転体の上面4usとの間の間隔を非常に精度よく
変化させることが可能であるとともに、安定した摩擦攪
拌接合を行うことが可能である。
位置の変更・固定構造は、立断面図である図26
(a)、(a)のル−ル線矢視断面図である(b)に示
すように、前記下部攪拌ピン部5の外径D5(mm) より僅
かに大きな内径で、前記下部回転体の底面4bsから同
心に上方へ所定の高さに穿設された下部攪拌ピン挿入用
孔4hを備える下部回転体4と、前記下部回転体4の下
面から同心に所定の高さだけ下方へ突出し、その上部が
前記下部回転体の前記下部攪拌ピン挿入用孔4hに挿入
された下部攪拌ピン部5と、前記下部回転体4の前記下
部攪拌ピン挿入用孔4hの側方の外周面から下部攪拌ピ
ン挿入用孔4hの内面まで貫通するネジ孔4bhと、該
ネジ孔4bhに螺挿され先端が前記下部攪拌ピン部5の
外周面に当接して、該下部攪拌ピン部5と前記上部回転
体4との間の相対的回転及び相対的上下摺動を防止する
ボルト4sbと、該ボルト4sbの緩み止めナット4s
nと、を備えて基本的に構成される。
擦攪拌接合用回転ツール1においては、前記ボルト4s
bを緩めてから、前記下部回転体4に対して前記下部攪
拌ピン部5を相対的に上下方向にシフトさせることによ
り、前記上部攪拌ピン挿入用孔4hとこの孔に上部を挿
入された下部攪拌ピン部5の上部とを、相対的に上下方
向に摺動させ、前記下部回転体の肩4sの高さ位置を基
準高さ位置SVPとした場合の、前記下部攪拌ピン部5
の下端5bの相対的高さ位置P5bを上下方向に変更する
ことができる。又、前記下部攪拌ピン部5の下端の相対
的高さ位置P5bの変更後に、前記ボルト4sbを締め込
み、該ボルト4sbの先端を、前記下部攪拌ピン挿入用
孔4hに挿入された下部攪拌ピン部5の上部の外周面に
当接させ、下部攪拌ピン部5の上部の外周面を前記下部
攪拌ピン挿入用孔4hの内周に押し付けることにより、
前記下部攪拌ピン部5の相対的高さ位置P5bを固定でき
るとともに、下部攪拌ピン部5と前記下部回転体4との
相対的回転を防止できる。
位置の変更・固定構造は、立断面図である図27
(a)、(a)のヲ−ヲ線矢視断面図である(b)、及
び(a)のワ−ワ線矢視断面図である(c)に示すよう
に、前記下部攪拌ピン部5の外径D5(mm) より僅かに大
きな内径で前記下部回転体の底面4bsから同心に上方
へ所定の高さに穿設された下部孔4hbと、該下部孔4
hbの上端から同心に上方に穿設された前記下部孔4h
bの直径以下の円に内接する多角形断面の上部孔4hu
とからなる下部攪拌ピン部挿入用孔4hと、を備える下
部回転体4と、前記下部回転体の底面4bsから同心に
所定の高さだけ下方へ突出し、前記下部回転体4の前記
下部攪拌ピン挿入用孔4hにその上部を挿入され、上部
に前記多角形断面の上部孔4huに挿入される多角柱部
5sqを備えた下部攪拌ピン部5と、前記下部回転体4
の前記下部攪拌ピン挿入用孔4hの側方の外周面から下
部攪拌ピン挿入用孔4hの内面までに貫通するネジ孔4
bhと、該ネジ孔4bhに螺挿され先端が前記下部攪拌
ピン部5の外周面に当接して、該下部攪拌ピン部5と前
記下部回転体4との間の相対的上下摺動を防止するボル
ト4sbと、該ボルトの緩み止めナット4snを備えて
基本的に構成される。
擦攪拌接合用回転ツール1は、前記ボルト4sbを緩め
てから、前記下部回転体4に対して前記下部攪拌ピン部
5を相対的に上下方向にシフトさせることにより、前記
上部攪拌ピン挿入用孔4hとこの孔に上部を挿入された
上部攪拌ピン部5の上部とを、相対的に上下方向に摺動
させ、前記下部回転体の肩4sの高さ位置を基準高さ位
置SVPとした場合の前記下部攪拌ピン部5の下端5b
の相対的高さ位置P5bを上下方向に変更することができ
る。また、前記下部攪拌ピン部5の下端5bの相対的高
さ位置P5bの変更後に、前記ボルト4sbを締め込み、
該ボルト4sbの先端を前記上部攪拌ピン挿入用孔4h
に挿入された下部攪拌ピン部5の上部の外周面に当接さ
せ、下部攪拌ピン部5の上部の外周面を前記上部攪拌ピ
ン挿入用孔4hの内周に押し付けることによって、前記
下部攪拌ピン部5の下端の相対的高さ位置P5を固定で
きるとともに、下部攪拌ピン部5と前記下部回転体4と
の相対的回転を防止できる。さらに、前記下部攪拌ピン
挿入用孔4hの上部の前記断面多角形の上部孔4huに
下部攪拌ピン部5の上部の多角柱部5sqが嵌合してい
るため、下部攪拌ピン部5と前記下部回転体4の相対的
回転を完全に防止できる。
作用の総合的な結果として、これら実施の形態の摩擦攪
拌接合用回転ツール1は、中空形材やハニカムパネルの
下部面板の板厚tbp(mm)の変化に対応して、上部回転体
の肩2sと下部回転体の上面4usとの間の間隔を精度
よく変化させることが可能であるとともに、安定した摩
擦攪拌接合を行うことが可能である。
定構造、兼、下部回転体の上面の高さ位置の変更・固定
構造を有する摩擦攪拌接合用回転ツールの実施の形態 図1で付した符号を用いて説明すると、中空形材やハニ
カムパネルの上部面板の厚みtup(mm)と上部面板の下面
と下部面板の上面と間の間隔Hub(mm)の変化に対応し
て、下部回転体の肩4sの高さ位置を基準高さ位置SV
Pとした場合の、上部回転体の肩2sと下部回転体4の
上面4usの各々の相対的高さP2sとP4usの両方を変
化させることが可能な摩擦攪拌接合用回転ツールの実施
の形態について以下に説明する。
の変更・固定構造、兼、下部回転体の上面の相対的高さ
位置の変更・固定構造は、立断面図である図28
(a)、(a)のカ−カ線矢視断面図である(b)、及
び(a)のヨ−ヨ線矢視断面図である(c)に示すよう
に、前記上部攪拌ピン部3から下方に延びる、前記上部
回転体2の底面2bsの外径よりも小さな外径で、少な
くとも上部に雄ネジ部33uscを備えた中心円柱体3
3と、該中心円柱体33の雄ネジ部33uscに螺合す
る雌ネジ部34uscを有する上部円筒部34uと、該
上部円筒部34uの上端に一体をなすように形成され、
前記上部攪拌ピン部3が相対的上下摺動自在に貫通する
中心貫通孔35uhを備え、その上面が前記下部回転体
4の上面4usとされる上部環状体部35uと、螺合し
た前記中心円柱体33の上部の雄ネジ部33uscと前
記上部円筒部34uの雌ネジ部34uscとの間の緩み
防止手段としての、前記上部円筒部34uの下面に上面
が当接するように前記中心円柱体33の雄ネジ部33u
scに螺合された上部緩み止めナット36uと、前記中
心円柱体33の下部の雄ネジ部33bscに螺合する雌
ネジ部34bscを有する下部円筒部34bと、該下部
円筒部34bの下端に一体をなすように形成され、その
下面が前記下部回転体4の底面4bsとされ、該底面4
bsに同心に前記下部攪拌ピン部5が固定される下部円
盤体部35bと、螺合した前記中心円柱体33の下部の
雄ネジ部33bscと前記下部円筒部34bの雌ネジ部
34bscとの間の緩み防止手段としての、前記下部円
筒部34bの上面に下面が当接するように前記中心円柱
体33の雄ネジ部33bscに螺合された下部緩み止め
ナット36bと、を備えて基本的に構成されている。
み止めナット36uと下部緩み止めナット36bとの代
わりに、前記上部円筒部34uの下面と下部円筒部34
bの上面との間にコイルスプリングを配設して、上部円
筒部34uと下部円筒部34bの各々をそれぞれを上方
と下方へ常に付勢しておくようにしてもよい。
擦攪拌接合用回転ツール1においては、前記上部緩み止
めナット36uを緩めて下方へ退避させ、又前記下部緩
み止めナット36bを緩めて上方へ退避させ、前記中心
円柱体33と前記上部円筒部34uおよび下部円筒部3
4bとを相対回転させることにより、下部回転体4の肩
4sの位置を基準高さ位置SVPとした場合の上部回転
体の肩2sの相対的高さ位置P2s及び下部回転4の上面
4usの相対的高さ位置P4usを変更することができ
る。その後、前記上部緩み止めナット36u及び下部緩
み止めナット36bを締め込んで、それぞれの上面と下
面を前記上部円筒部34uの下面と下部円筒体34bの
上面の各々に強く当接させることによって、上記の相対
的高さ位置P2sとP4usを固定することができる。
・固定構造、兼、下部回転体の上面の高さ位置の変更・
固定構造は、立断面図である図29(a)、及び(a)
のタ−タ線矢視断面図である(b)に示すように、前記
上部攪拌ピン部3の下部に設けられた雄ネジ部3scを
螺挿する所定の深さのネジ孔37hを上部に穿設され、
その上面が前記下部回転体4の上面4usとされる上部
円盤部37uと、螺合された前記上部攪拌ピン部3の下
部の雄ネジ部3scと前記上部円盤部37uのネジ孔3
7ushとの間の緩み防止手段としての、前記ネジ孔3
7ushの上部攪拌ピン部3の下端より下方の空間に配
設され前記上部攪拌ピン部3の下端を常に上方へ付勢す
るコイルスプリング3csと、前記上部円盤部37uの
下面に同心に一体をなすように形成され、外周面に雄ネ
ジ部38uscを備えた上部連結用円柱体38uと、下
面が下部回転体4の底面4bsとされ、この底面4bs
に同心に上端が固定され所定の高さだけ下方へ突出する
下部攪拌ピン部5を備えた下部円盤体40と、該下部円
盤体40の上面に同心に一体をなすよう形成され、外周
面に雄ネジ部38bcsを備えた前記上部連結用円柱体
38uと同径の下部連結用円柱体38bと、前記の上部
連結用円柱体38uの雄ネジ部38uscに上部の雌ネ
ジ部39scが、下部連結用円柱体38bの雄ネジ部3
8bscに下部の雌ネジ部39scがそれぞれ嵌合し
て、上下の連結用円柱体38uと38bを連結する連結
用円筒体39と、螺合された前記上部連結用円柱体38
uの雄ネジ部38usc及び前記下部連結用円柱体38
bの雄ネジ部38bscと、連結用円筒体39の雌ネジ
部39scとの間の緩み防止手段としての、前記上部連
結用円柱体38uの下面と下部連結用円柱体38bの上
面との間の前記連結用円筒体39の内部に配設され、前
記上部連結用円柱体38uの下面と下部連結用円柱体3
8bの上面の両面を常に相互に離隔する方向に付勢する
コイルスプリング41と、を備えて基本的に構成され
る。
擦攪拌接合用回転ツール1においては、前記回転体2と
前記上部円盤部37uとを相対的回転させるとともに、
前記連結用円筒体39と上部連結用円柱体38u及び/
又は下部連結用円柱体38bとを相対的回転させること
により、下部回転体4の肩4sの位置を基準高さ位置S
VPとした場合の上部回転体の肩2sの相対的高さ位置
P2sと下部回転体の上面4usの相対的高さ位置P4us
とを変更することができる。なお、本実施の形態におい
ては、前記コイルスプリング3csによる上部攪拌ピン
部3の上方への付勢作用と、前記コイルスプリング41
による上下の連結用円柱体38uと38bの各々の上方
及び下方への付勢作用とが常に期待でき、変更後の上部
回転体の肩2sの相対的高さ位置P2sと下部回転体の上
面4usの相対的高さ位置P4usとがそれぞれ自動的に
固定される。
2項の第2の実施の形態における各雄ネジ部及び雌ネジ
部をそれらの締め込み方向が摩擦攪拌接合用回転ツール
1の回転方向と逆方向になるようにネジを刻設すること
により、摩擦攪拌接合中の螺合した雄ネジ部と雌ネジ部
との緩み防止作用が強化される。又、上記のネジのピッ
チと傾斜角度をできるだけ小さくすることにより、上部
回転体の肩2sの相対的高さ位置P2sと下部回転体の上
面4usの相対的高さ位置P4usの変更が極めて精度よ
く可能となる。
変更・固定構造、兼、下部回転体の上面の高さ位置の変
更・固定構造は、立断面図である図30(a)、及び
(a)のレ−レ線矢視断面図である(b)に示すよう
に、前記上部攪拌ピン部3の下方に延びる、前記上部回
転体2の底面2sの外径よりも小さな外径を備え、外周
部に1乃至複数のスプライン42uspを備えた上部中
心軸体42uと、前記1乃至複数のスプライン42us
pの各々に係合する1乃至複数のスプライン溝43sp
gを備え、前記上部中心軸体42uの外周面に沿って上
下方向摺動自在に、かつ、該上部中心軸体42uとの間
の相対回転不可能に外嵌された上部外筒部43uと、該
上部外筒部43uの上端に一体をなすように形成され、
前記上部攪拌ピン部3が相対的上下摺動自在に貫通する
中心貫通孔44uhを備え、その上面が前記下部回転体
4の上面4usとされる上部環状体部44uと、前記上
部中心軸体42uの下端に同心に連続した連結軸体45
と、前記連結軸体45の下端に同心に連続し、外周部に
1乃至複数のスプライン42bspを備えた下部中心軸
体42bと、前記1乃至複数のスプライン42bspの
各々に係合する1乃至複数のスプライン溝43spgを
備え、前記下部中心軸体42bの外周面に沿って上下方
向摺動自在に、かつ、該下部中心軸体42lとの間の相
対回転不可能に外嵌された下部外筒部43bと、該下部
外筒部43bの下端に一体をなすように形成され、その
下面が前記下部回転体4の底面4bsとされ、該底面4
bsに同心に固定され所定の高さだけ下方へ突出した下
部攪拌ピン部5を備えた下部円盤体部44bと、前記上
部外筒部43uの下面と前記下部外筒部43bの上面と
の両面間に、前記連結軸体45を取り囲むように配設さ
れ、前記両面が常に相互に離隔する方向に付勢するコイ
ルスプリング46と、を備えて基本的に構成される。
の高さ位置の変更・固定構造、兼、下部回転体の上面の
高さ位置の変更・固定構造は、立断面図である図31
(a)、及び(a)のソ−ソ線矢視断面図である(b)
に示すように、前記上部攪拌ピン部3の下方に延びる、
前記上部回転体4の底面4usの外径よりも小さな円に
内接する多角形断面を有する中心軸体47と、前記多角
形断面に相似の多角形断面を有する中心孔48uhを備
え、前記中心軸体47の上部外周面に沿って上下方向摺
動自在に、かつ、該中心軸体47との間の相対回転不可
能に外嵌された上部外筒部48uと、該上部外筒部48
uの上端に一体をなすように形成され、前記上部攪拌ピ
ン部3が相対的上下摺動自在に貫通する中心貫通孔49
uhを備え、その上面が前記下部回転体4の上面4us
とされる上部環状体部49uと、前記中心軸体47の多
角形断面に相似の多角形断面を有する中心孔48bhを
備え、前記中心軸体47の下部外周面に沿って上下方向
摺動自在に、かつ、該中心軸体47との間の相対回転不
可能に外嵌された下部外筒部48bと、該下部外筒部4
8bの下端に一体をなすように形成され、その下面が前
記下部回転体4の底面4bsとされ、該底面4bsに同
心に固定され該底面より下方に所定の高さだけ突出する
下部攪拌ピン部5を備える下部円盤体部49bと、前記
上部外筒部48uの下面と前記下部外筒部48bの上面
との両面の間で前記中心軸体47を取り囲むように配設
され、前記両面の間の間隔が常に大きくなる方向に付勢
する付勢手段としてのコイルスプリング50と、を備え
て基本的に構成される。
の形態における摩擦攪拌接合用回転ツール1において
は、コイルスプリング46、50の付勢力を適切に選択
し、下部回転体の肩4sを前記のように構成された中空
材又はハニカムパネルの下部面板に上面から所定の深さ
だけ押し込み、下部回転体の上面4usと上部回転体の
肩2sとの間に上部面板を挟むとともに、図1に示した
のと同様に摩擦攪拌接合用回転ツール1を矢印Fで示す
ように下方へ押圧し、上部回転体の肩2sを上部面板に
その上面から所定の深さだけ押し込むようにする。その
結果、上部面板の厚みtup(mm)と、上部面板の下面と下
部面板の上面との間の間隔Hub(mm)の変化に対応し
て、下部回転体の肩4sの位置を基準の高さ位置SVP
とした場合の上部回転体の肩2sの相対的高さ位置P2s
と下部回転体の上面4usの相対的高さ位置P4us と
が、コイルスプリング46、50のそれぞれの付勢作用
により自動的に調節される。
定構造及び下部回転体の上面の相対的高さ位置の変更・
固定構造、兼、下部攪拌ピン部の下端の相対的高さ位置
の変更・固定構造を有する摩擦攪拌接合用回転ツールの
実施の形態 E−1.第1の実施の形態 本実施の形態における上部回転体の肩の高さ位置の変更
・固定構造及び下部回転体の上面の高さ位置の変更・固
定構造、兼、下部攪拌ピン部の下端の相対的高さ位置の
変更・固定構造は、立断面図である図32(a)、
(a)のツ−ツ線矢視断面図である(b)、及び(a)
のネ−ネ線矢視断面図である(c)に示すように、前記
上部攪拌ピン部3の下端に一体となるよう形成され、前
記下部回転体4の上端部を構成する上部円盤体部51
と、該上部円盤体部51の下面に同心に一体となるよう
形成され、外径が前記上部円盤体51の外径よりも小さ
く、外周に雄ネジ部52scを刻設された上部中心円柱
体部52と、該上部中心円柱体部52の雄ネジ部52s
cに螺合する雌ネジ部53scを備える下部円筒部53
と、該下部円筒部53の下端に同心に一体となるよう形
成され、その中心に上部雌ネジ部54scを備えた下部
攪拌ピン部貫通孔54hを設けた下部環状体部54と、
前記下部攪拌ピン部貫通孔54hを貫通し、上部の雄ネ
ジ部5scが前記下部攪拌ピン部貫通孔54hの上部雌
ネジ部54scに螺合する下部攪拌ピン部5と、前記下
部環状体部54の上面より上方に突出した下部攪拌ピン
部5の上部の雄ネジ部5scに、下面が下部環状体54
の上面に当接するように螺合された緩み止めナット5s
nと、螺合した上部中心円柱体部52の雄ネジ部52s
cと下部円筒部53の雌ネジ部53scとの緩み止め防
止手段としての、前記上部中心円柱体部52の雄ネジ部
52scに螺嵌され、下面が前記下部円筒部53の上面
に当接しこれを下方に押圧する緩み止めナット55と、
を備えて基本的に構成される。
擦攪拌接合用回転ツール1においては、緩み止めナット
55を緩めて上方へ退避させ、上部中心円柱体52と下
部円筒部53とを相対的回転させることにより、下部回
転体の肩4sの位置を基準高さ位置SVPとしたときの
上部回転体の肩2sの相対的高さ位置P2s及び下部回転
体の上端面4usの相対的高さ位置P4us を変化させる
ことができる。その後、前記緩み止めナット55を締め
込んで、その下面を前記下部円筒部53の上面に当接さ
せこれを下方に押圧することにより、前記相対的高さ位
置P2s及びP4usを固定できる。また、下部攪拌ピン部
5の上部の雄ネジ部5scに螺合された緩み止めナット
5snを緩めて上方へ退避させ、下部攪拌ピン部5を下
部環状体54に対して相対回転させることにより、下部
回転体の肩4sの位置を基準高さ位置SVPとしたとき
の下部攪拌ピン部5の下端5bの相対的高さ位置P5bを
変化させることができる。その後、前記緩み止めナット
5snを締め込んで、下面を下部環状体54の上面に当
接させこれを下方に押圧するようにすれば前記相対的高
さ位置P5bを固定することができる。
部およびこれに螺合する雌ネジ部のネジのピッチとネジ
の傾斜角度を可能な限り小さくすることによって、上記
の上部回転体の肩2sの相対的高さ位置P2s及び下部回
転体の上面4usの相対的高さ位置P4usと下部攪拌ピ
ン部5の下端5bの相対的高さ位置P5bを非常に精度よ
く変化させることができる。
・固定構造及び下部回転体の上面の高さ位置の変更・固
定構造、兼、下部攪拌ピン部の下端の相対的高さ位置の
変更・固定構造は、立断面図である図33(a)、及び
(a)のナ−ナ線矢視断面図である(b)に示すよう
に、前記上部攪拌ピン部3の下端に同心に一体をなすよ
うに形成され、その上面が前記下部回転体の上面4us
とされるとともに、内部に中心孔56hを備えた上部カ
ップ状体56と、該上部カップ状体56の前記中心孔5
6hに、上部を上部カップ状体56との相対的上下摺動
自在に、かつ相対的回転不可能に嵌挿される中心軸体5
7と、該中心軸体57の下端に同心に一体をなすよう形
成され、その下面が前記下部回転体4の底面4bsを形
成するとともに、該底面4bsの中心から上方に穿孔さ
れ、前記下部攪拌ピン部5の上部が嵌挿される下部円形
孔58bhと、該下部円形孔58bhの上端に連続し該
下部円形孔58bhの内径以下の直径の円に内接する多
角形の断面を有する上部多角形孔58uhとを備えた下
部円盤体部58と、前記上部カップ状体56の下端面と
前記下部円盤体部58の上端面との間に介挿され、これ
らの両面同士が上下に離反する方向に常時付勢するコイ
ルスプリング29と、上部に前記下部円盤体部58の上
部多角形孔58uhに嵌挿される上部多角柱部5sqを
備え、中部が前記下部円盤体58の下部円形孔58bh
に嵌挿されるとともに、前記下部回転体4の底面4bs
から所定の高さだけ下方へ突出する下部攪拌ピン部5
と、前記上部多角形孔58uhの下端部側方の前記下部
円盤体部58の外周面から、前記上部多角形孔58uh
の内面まで貫通するネジ孔58bshと、該ネジ孔58
bshに螺挿され、先端が上部多角形孔58uhに嵌挿
された前記下部攪拌ピン部5の上部多角柱部5sqの側
面に当接するボルト58sbと、該ボルト58sbの緩
み止めナット58snと、からなる下部円盤体58と前
記下部攪拌ピン部5との間の相対的上下方向摺動防止手
段と、を備えて基本的に構成される。
いては、上部カップ状体56の中心孔56hは多角形断
面(図では正方形断面)を備え、この中心孔56hに嵌
挿される中心軸体57も上記の多角形に相似の多角形を
備えるように構成したが、前記中心孔56hを内周面に
1乃至複数のスプライン溝を備えた円形孔とし、この中
心孔56hに嵌挿される中心軸体57を、その外周面に
前記スプライン溝のそれぞれに係合する1乃至複数のス
プラインを備えた円柱体として形成しても、同じ作用・
効果が得られる。
擦攪拌接合用回転ツール1においては、コイルスプリン
グ29の付勢作用により、前記のように構成された中空
材やハニカムパネルの上部面板の下面と下部面板の上面
との間隔Hubの変化に対応して、下部回転体の肩4s
の高さ位置を基準の高さ位置SVPとした場合の下部回
転体の上面4usの相対的高さ位置P4us を自動的に変
化させ、かつ固定することができる。また、前記ボルト
58sbを緩めて、前記下部攪拌ピン部5を下部円盤体
58に対して相対的に上下方向にシフトさせることによ
り、前記下部回転体の肩4sの高さ位置を基準の高さ位
置SVPとした場合の下部攪拌ピン部5の下端5bの相
対的高さ位置P5bを変化させることができる。その後、
前記ボルト58sbを締め込んで、その先端で前記下部
攪拌ピン部5の上部多角柱部5sqの側面を押圧するこ
とにより、前記下部攪拌ピン部5の下端5bの相対的高
さ位置P5bを固定できる。
合用回転ツールの実施の形態について、具体的に説明し
たが、本発明は上記の実施の形態に限られるものでな
く、具体的な説明は省略するが、さらに、以下に述べる
ような多数の変形例が考えられる。
相対的高さ位置の変更・固定構造を有する図8〜図18
の各々に示される第1〜第11の実施の形態のなかの何
れか一つの構造、前記B項で説明した下部回転体の上面
の相対的高さ位置の変更・固定構造を有する図19〜図
24の各々にに示される第1〜第6の実施の形態のなか
の何れか一つの構造、前記C項で説明した下部攪拌ピン
部の下端の相対的高さ位置の変更・固定構造を有する図
25〜図27の各々にに示される第1〜第3の実施の形
態のなかの何れか一つの構造、の二つ以上を組み合わせ
た構造を有する摩擦攪拌接合用回転ツール。
相対的高さ位置の変更・固定構造、兼、下部回転体の上
面の相対的高さ位置の変更・固定構造を有する図28〜
図31に示される第1〜第4の実施の形態のなかの何れ
か一つの構造、前記C項で説明した下部攪拌ピン部の下
端の相対的高さ位置の変更・固定構造を有する図25〜
図27の各々に示される第1〜第3の実施の形態のなか
の何れか一つの構造、を組み合わせた構造を有する摩擦
攪拌接合用回転ツール。
相対的高さ位置の変更・固定構造を有する図8〜図18
の各々に示される第1〜第11の実施の形態のなかの何
れか一つの構造、前記E項で説明した上部回転体の肩の
高さ位置の変更・固定構造及び下部回転体の上面の相対
的高さ位置の変更・固定構造、兼、下部攪拌ピン部の下
端の相対的高さ位置の変更・固定構造を有する図32、
図33の各々に示される第1、第2の実施の形態のなか
の何れか一つの構造、を組み合わせた構造を有する摩擦
攪拌接合用回転ツール。
攪拌接合用回転ツールの各々は、前記のようにそれぞれ
の組み合わせに採用された各々の実施の形態の作用・効
果を併せ持つものである。
攪拌接合用回転ツール1Cは、立断面図である図34
(a)、(a)のラ−ラ線矢視断面図である(b)、
(b)のム−ム線矢視立断面図である(c)、及び
(c)のウ−ウ線矢視断面図である(d)に示されるよ
うに、前記下部回転体の肩4sを基準高さ位置SVPと
した場合に、少なくとも該下部回転体の上面4usの相
対的高さ位置P4usの変更・固定構造を備え、前記下部
回転体の肩4sから該下部回転体の上面4usまでの高
さの変化に対応可能なように、前記下部回転体4の上部
の外周面に所定の角度間隔で設けられ、前記下部回転体
の上面4usの位置から下方へ伸びる上部刃物59u
と、前記下部回転体4の下部の外周面に、前記上部刃物
59uの取付け位置と位相差を有するように所定の角度
間隔で設けられ、前記下部回転体の肩4sの位置より所
定の高さだけ上方の位置からさらに上方へ伸びる下部刃
物59bとを、前記上部刃物59uの下部と前記下部刃
物59bの上部とが常に上下方向に一部重複するように
設けることにより、全体として前記下部回転体4の高さ
方向の当該中空材の中空部全域にわたり、前記突合わせ
部を中心とした少なくとも前記下部回転体4の外周面の
直径以上の幅範囲内の前記中空材のリブ材67、67又
はハニカムパネルのコア材を削除又は破砕可能なよう
に、基本的に構成される。
具体的な実施の形態は、以下に示すとおりである。即
ち、前記図23を参照して説明した下部回転体の上面の
相対的高さの変更・固定構造を有する摩擦攪拌接合用回
転ツール1の構造に以下のような構造を付加して、基本
的に構成されている。 (1)上部カップ状体27の外周面に、例えば外周方向
に45度ずつ離隔して上下方向に設けられた刃物保持溝
27gに、先端が鍵型に屈曲し、刃先が摩擦攪拌接合用
回転ツール1の回転方向(矢印rの方向)を向くように
形成された上部刃物59uが植設され、その下端は後記
下部刃物59bの上端面より下の位置まで伸ている。 (2)下部円盤体28の外周面に、例えば上記上部刃物
59uの配設位置より22.5度ずつ離隔して上下方向
に設けられた刃物保持溝28gに、先端が鍵型に屈曲
し、刃先が摩擦攪拌接合用回転ツール1の回転方向(矢
印rの方向)を向くように形成された下部刃物59bが
植設され、その上端は前記上部刃物59uの下端より上
の位置まで伸ている。
擦攪拌接合用回転ツール1Cにおいては、図3〜図5を
参照して説明した前記請求項2に係る本発明の摩擦攪拌
接合用回転ツール1Bの場合と同様に、上下に所定の間
隔Hubをおいて平行な一対の面板66u、66bを備
え、前記上下の面板66u、66b同士を長さ方向に延
びるリブ材67、67からなる連結・補強部材を介して
一体に形成した中空材65Aと65Bの各々からなる一
対の被接合部材の、前記上下の各々の面板66u、66
bの長さ方向端部同士を突き合わせて幅方向(矢印wの
方向)に延びる突合わせ部68u、68bを形成し、上
下の突合わせ部68u、68bを同時に摩擦攪拌接合す
る際に、前記上下の面板の間隔Hubが変化した場合
に、その間隔Hubに対応するようにコイルスプリング
29が伸縮し、下部回転体の肩4sから下部回転体の上
面4usまでの高さが自動的に調節される。その際に、
上部刃物59uと下部刃物59bの下部回転体4の外周
方向における位置が一定の角度ずつずれているので、上
下の刃物同士が衝突することがなく、下部回転体の肩4
sから下部回転体の上面4usまでの高さの自動調節の
支障となることはない。また、上部刃物59uの下部と
下部刃物59bの上部が、常に上下方向に一部重複して
いるので、前記請求項2に係る本発明の実施の形態と同
様に、上部面板の下面から下部面板の上面までの間の略
高さ方向全域にわたり、両側のリブ材67、67をそれ
ぞれ突合わせ部を中心とした刃先部の回転半径と同じ幅
で切除することができ、摩擦攪拌接合用回転ツール1C
の中空材やハニカムパネルの幅方向への移動を円滑に行
うことができる。
たが、本発明は上記の実施の形態に限られるものではな
く、構成の要旨を逸脱しない範囲内で、他の実施の形態
を含むことは言うまでもない。
下のような優れた効果を奏する。 (1)本第1の発明によれば、上下に所定の間隔をおい
て平行な一対の面板を備え、前記上下の面板同士を長手
方向に延びるリブ材又はコア材等の連結・補強部材を介
して一体に形成した中空材又はハニカムパネル等の各々
からなる一対の被接合部材の、前記上下の各々の面板の
幅方向端部同士を突き合わせて長さ方向に延びる突合わ
せ部を形成し、該突合わせ部を摩擦攪拌接合するに際
し、従来のように垂直縁材や枠材を配設することが不要
で、また、設備コストの略倍増を招くことなく、さらに
下部の面板の裏面には回転ツールの底面の回転移動軌跡
あるいはアンダーカットが跡として残らないため、下部
面板の裏面を何ら研磨や処理をすることなく製品の化粧
面として使用可能であり、上下の突合わせ部を同時に摩
擦攪拌接合することが可能である。
な構造を有する中空材の各々からなる一対の被接合部材
の、前記上下の各々の面板の長さ方向端部同士を突き合
わせて幅方向に延びる突合わせ部を形成し、該突合わせ
部摩擦攪拌接合するに際し、該突合わせ部における上下
の面板とリブで囲まれた中空部内に、両中空材に跨がる
状態で中子94を嵌挿することなく、また、上記のよう
な構造を有するハニカムパネルの各々からなる一対の被
接合部材の、各々の面板の長さ方向端部同士を突き合わ
せて幅方向に延びる突合わせ部を形成し、該突合わせ部
摩擦攪拌接合するに際し、前記上下の各々の面板の長さ
方向端部同士の間に接合部材を介在させることなく、さ
らに上記の中空材又はハニカムパネルの下部の面板の裏
面には、回転ツールの底面の回転移動軌跡あるいはアン
ダーカットが跡として残らないため、下部面板の裏面を
何らの研磨や処理を施すことなく、製品の化粧面として
使用可能であり、前記上下の各々の長さ方向端部同士を
突き合わせて、上下の突合わせ部を同時に摩擦攪拌接合
することが可能である。
摩擦攪拌接合において、上部面板の接合部に溝状欠陥や
トンネル状空洞欠陥等の接合部欠陥を発生させることな
く、又、摩擦攪拌接合用回転ツールの寿命を大幅に延ば
すことができる。
は第2の発明の摩擦攪拌接合用回転ツールにおいて、中
空材又はハニカムパネル等の上下の面板の各々の肉厚
や、上下の面板の間隔が一定範囲内で変化しても、それ
らの変化に対応して寸法の変更・調整が容易に行え、一
種類の回転ツールで、多種類の形状・寸法の中空材又は
ハニカムパネル等の上下同時の摩擦攪拌接合が可能であ
り、多種類の形状・寸法の摩擦攪拌接合用回転ツールを
準備しておきその都度取り替えるという必要性もない。
転ツールの実施の形態の立面図である。
転ツールによる中空材長手方向の摩擦攪拌接合状況を示
す断面斜視図である。
転ツールの実施の形態を示し、(a)は立面図、(b)
は(a)のα−α線矢視断面図である。
転ツールによる中空材幅方向の摩擦攪拌接合状況を示す
断面斜視図である。
転ツールによる中空材幅方向の摩擦攪拌接合状況を示す
図4のβ−β線矢視断面図である。
転ツールによる中空材幅方向の摩擦攪拌接合状況を示す
図4のγ−γ線矢視断面図である。
拌接合用回転ツールによるC型中空材の摩擦攪拌接合状
況を示す正面図である。
転ツールの一実施の形態を示し、(a)は立面図、
(b)は(a)のA−A線矢視断面図、(c)は(a)
のB−B線矢視断面図である。
転ツールの一実施の形態を示し、(a)は立面図、
(b)は(a)のC−C線矢視断面図である。
転ツールの一実施の形態を示し、(a)は立面図、
(b)は(a)のD−D線矢視断面図、(c)は(a)
のE−E線矢視断面図である。
転ツールの一実施の形態を示し、(a)は立面図、
(b)は(a)のF−F線矢視断面図、(c)は(a)
のG−G線矢視断面図である。
転ツールの一実施の形態を示し、(a)は立面図、
(b)は(a)のH−H線矢視断面図、(c)は(a)
のI−I線矢視断面図である。
転ツールの一実施の形態を示し、(a)は立面図、
(b)は(a)のJ−J線矢視断面図、(c)は(a)
のK−K線矢視断面図である。
転ツールの一実施の形態を示し、(a)は立面図、
(b)は(a)のL−L線矢視断面図、(c)は(a)
のM−M線矢視断面図、(d)は(a)のN−N線矢視
断面図である。
転ツールの一実施の形態を示し、(a)は立面図、
(b)は(a)の0−0線矢視断面図、(c)は(a)
のP−P線矢視断面図、(d)は(a)のQ−Q線矢視
断面図である。
転ツールの一実施の形態を示し、(a)は立面図、
(b)は(a)のR−R線矢視断面図、(c)は(a)
のS−S線矢視断面図である。
転ツールの一実施の形態を示し、(a)は立面図、
(b)は(a)のT−T線矢視断面図、(b)は(a)
のU−U線矢視断面図である。
転ツールの一実施の形態を示し、(a)は立面図、
(b)は(a)のV−V線矢視断面図である。
転ツールの一実施の形態を示し、(a)は立面図、
(b)は(a)のイ−イ線矢視断面図である。
転ツールの一実施の形態を示し、(a)は立面図、
(b)は(a)のロ−ロ線矢視断面図、(c)は(a)
のハ−ハ線矢視断面図である。
転ツールの一実施の形態を示し、(a)は立面図、
(b)は(a)のニ−ニ線矢視断面図、(c)は(a)
のホ−ホ線矢視断面図である。
転ツールの一実施の形態を示し、(a)は立面図、
(b)は(a)のヘ−ヘ線矢視断面図である。
転ツールの一実施の形態を示し、(a)は立面図、
(b)は(a)のト−ト線矢視断面図である。
転ツールの一実施の形態を示し、(a)は立面図、
(b)は(a)のチ−チ線矢視断面図である。
転ツールの一実施の形態を示し、(a)は立面図、
(b)は(a)のリ−リ線矢視断面図、(c)は(a)
のヌ−ヌ線矢視断面図である。
転ツールの一実施の形態を示し、(a)は立面図、
(b)は(a)のル−ル線矢視断面図である。
転ツールの一実施の形態を示し、(a)は立面図、
(b)は(a)のヲ−ヲ線矢視断面図、(c)は(a)
のワ−ワ線矢視断面図である。
転ツールの一実施の形態を示し、(a)は立面図、
(b)は(a)のカ−カ線矢視断面図、(c)は(a)
のヨ−ヨ線矢視断面図である。
転ツールの一実施の形態を示し、(a)は立面図、
(b)は(a)のタ−タ線矢視断面図である。
転ツールの一実施の形態を示し、(a)は立面図、
(b)は(a)のレ−レ線矢視断面図である。
転ツールの一実施の形態を示し、(a)は立面図、
(b)は(a)のソ−ソ線矢視断面図である。
転ツールの一実施の形態を示し、(a)は立面図、
(b)は(a)のツ−ツ線矢視断面図である。
転ツールの一実施の形態を示し、(a)は立面図、
(b)は(a)のナ−ナ線矢視断面図である。
転ツールの一実施の形態を示し、(a)は立面図、
(b)は(a)のラ−ラ線矢視断面図、(c)は(b)
のム−ム線矢視断面図である。
板の幅方向端部同士の突合わせ部の摩擦攪拌接合方法を
示し、(a)は中空材の、(b)はハニカムパネルの、
(c)は中空材の別の方法を示す正断面図である。
士の突合わせ部の摩擦攪拌接合方法を示し、(a)は正
断面図、(b)は(a)のオ−オ矢視線断面図である。
端部同士の突合わせ部の別の摩擦攪拌接合方法を示し、
(a)は摩擦攪拌接合前の、(b)は摩擦攪拌接合後の
正断面図である。
端部同士の突合わせ部を上下同時に摩擦攪拌接合する方
法を示す正面図である。
位置
Claims (6)
- 【請求項1】 上下に所定の間隔をおいて平行な一対
の面板を備え、前記上下の面板同士を長さ方向に延びる
連結・補強部材を介して一体に形成したハニカムパネル
と称するものを含む中空材の各々からなる一対の被接合
部材の、前記上下の各々の面板の幅方向端部同士を突き
合わせて長さ方向に延びる突合わせ部を形成し、上下の
突合わせ部を同時に摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合用回
転ツールであって、 凹面の底面を備えた上部回転体と、 該上部回転体の底面に同心に設けられた上部攪拌ピン部
と、 該上部攪拌ピン部の下端に同心に設けられ、凹面、平面
又は凸面の上面と、凹面の底面とを備えた下部回転体
と、 該下部回転体の底面に同心に設けられた下部攪拌ピン部
と、を備えてなる摩擦攪拌接合用回転ツール。 - 【請求項2】 上下に所定の間隔をおいて平行な一対
の面板を備え、前記上下の面板同士を長さ方向に延びる
連結・補強部材を介して一体に形成したハニカムパネル
と称するものを含む中空材の各々からなる一対の被接合
部材の、前記上下の各々の面板の長さ方向端部同士を突
き合わせて幅方向に延びる突合わせ部を形成するか、又
は前記上下の各々の面板の幅方向端部同士を突き合わせ
て長さ方向に延びる突合わせ部を形成し、上下の突合わ
せ部を同時に摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合用回転ツー
ルであって、 凹面の底面を備えた上部回転体と、 該上部回転体の底面に同心に設けられた上部攪拌ピン部
と、 該上部攪拌ピン部の下端に同心に設けられ、凹面、平面
又は凸面の上面と、凹面の底面とを備えた下部回転体
と、 該下部回転体の底面に同心に設けられた下部攪拌ピン部
と、 前記下部回転体の高さ方向の当該中空材の中空部全域に
わたり、前記突合わせ部を中心として、少なくとも前記
下部回転体の外周面の直径以上の幅範囲内の、前記中空
材のリブ又はハニカムパネルのコア材を削除又は破砕す
るよう、前記下部回転体の外周方向に複数設けられた刃
物と、を備えてなる摩擦攪拌接合用回転ツール。 - 【請求項3】 前記上部攪拌ピン部の外径が、前記下
部攪拌ピン部の外径以上に、 前記下部回転体の凹面、平面又は凸面の上面の外径が、
前記上部回転体の凹面の底面の外径と略等しく、 前記下部回転体の凹面の底面の外径が、前記上部回転体
の凹面の底面の外径と同等又はそれ以下に、各々形成さ
れてなる請求項1又は請求項2に記載の摩擦攪拌接合用
回転ツール。 - 【請求項4】 前記上部攪拌ピンの外径D3(mm) が、
下記式1を満足する請求項1〜請求項3の何れか1項に
記載の摩擦攪拌接合用回転ツール。 2.0×tup+0. 08×Hhp≦D3 ≦5.5×tup+0. 08×Hhp −−−式1 ここで、 tup:上部面板の突合わせ部の板厚(mm) Hhp:中空材又はハニカムパネルの高さ(mm) - 【請求項5】 前記下部回転体の底面の下端(以後、
下部回転体の肩と称する)を基準高さ位置とした場合
に、前記上部回転体の底面下端(以後、上部回転体の肩
と称する)の相対的高さ位置と前記下部回転体の上面の
相対的高さ位置及び前記下部攪拌ピン部の下端の相対的
高さ位置の少なくとも一つが変更・固定自在に形成され
た変更・固定構造を備えてなる、請求項1〜請求項4の
何れか1項に記載の摩擦攪拌接合用回転ツール。 - 【請求項6】 前記下部回転体の底面の下端(以後、
下部回転体の肩と称する)を基準高さ位置とした場合
に、少なくとも下部回転体の上面の相対的高さ位置の変
更・固定構造を備え、 前記下部回転体の肩から該下部回転体の上面までの高さ
の変化に対応可能なように、 前記下部回転体の上部の外周面に所定の角度間隔で設け
られ、前記下部回転体の上面の位置から下方へ伸びる上
部刃物と、 前記下部回転体の下部の外周面に、前記上部刃物の取付
け位置と位相差を有するように所定の角度間隔で設けら
れ、前記下部回転体の肩の位置より所定の高さだけ上方
の位置から上方へ伸びる下部刃物とを、 前記上部刃物の下部と前記下部刃物の上部とが常に上下
方向に一部重複するように設けることにより、 全体として前記下部回転体の高さ方向の当該中空材の中
空部全域にわたり、前記突合わせ部を中心とした少なく
とも前記下部回転体の外周面の直径以上の幅範囲内の、
前記中空材のリブ又はハニカムパネルのコア材を削除又
は破砕可能なように形成してなる、請求項5に記載の摩
擦攪拌接合用回転ツール。
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