JP2000201904A - 高速スピン・エコ―磁気共鳴画像のマクスウェル項によるア―ティファクトを減少させる核磁気共鳴システム - Google Patents

高速スピン・エコ―磁気共鳴画像のマクスウェル項によるア―ティファクトを減少させる核磁気共鳴システム

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JP2000201904A JP11011051A JP1105199A JP2000201904A JP 2000201904 A JP2000201904 A JP 2000201904A JP 11011051 A JP11011051 A JP 11011051A JP 1105199 A JP1105199 A JP 1105199A JP 2000201904 A JP2000201904 A JP 2000201904A
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pulse
magnetic resonance
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crusher
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Xiaohong Zhou
クシアオホング・ゾー
Matthew A Bernstein
マシュー・アブラハム・バーンスタイン
Gooshengu Tan Steven
スタィーブン・ゴーシェング・タン
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General Electric Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マクスウェル項により生成される画像アーテ
ィファクトを減少させることのできる核磁気共鳴システ
ムを提供する。 【解決手段】 高速スピン・エコー・パルス・シーケン
スを調節して、線形のイメージング勾配によって生ずる
マクスウェル項により発生される画像アーティファクト
を減少させ、又は除去する。スライス選択勾配、位相エ
ンコーディング勾配及び読み出し勾配の波形は、形状、
寸法又は位置に関して調節されて、空間的に2次のマク
スウェル項によって生ずる位相誤差を除去し、又は減少
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本願は、発明の名称「高速スピン・エコー
磁気共鳴画像のマクスウェル項によるアーティファクト
を減少させる方法」に関する1997年4月10日出願
の米国特許出願番号08/831,684号の部分継続
出願である。
【産業上の利用分野】本発明の分野は、核磁気共鳴イメ
ージング方法及びシステムである。より具体的には、本
発明は、MRIシステムのイメージング勾配によって発
生される「マクスウェル項」により生ずる画像アーティ
ファクトの補正に関する。
【0002】
【従来の技術】人体組織のような物体が均一の磁場(分
極磁場B0 )にさらされるときに、組織内のスピンの個
々の磁気モーメントは、この分極磁場に沿って整列しよ
うとする。これらの磁気モーメントは又、各モーメント
固有のラーモア周波数において磁場の周りを歳差運動す
る。物体、即ち組織が、x−y平面内に存在すると共に
ラーモア周波数に近い磁場(励起磁場B1 )にさらされ
ると、整列した正味の磁気モーメントMz は、x−y平
面に向かって回転する、即ち「傾斜する」ことが可能で
あって、その結果、正味の横(方向)磁気モーメントM
t を発生する。励起したスピンによって信号が放出さ
れ、励起磁場B1 を停止させた後に、この信号を受信す
ると共に処理して画像を形成することができる。
【0003】これらの信号を利用して画像を形成すると
きには磁場勾配(Gx 、Gy 及びG z )が用いられる。
典型的には、イメージングされるべき領域は一連の測定
サイクルによって走査されるが、この一連の測定サイク
ルでは、上述の各勾配が、用いられている特定の局在化
方法に従って変化する。結果として得られるNMR受信
信号の組をディジタル化すると共に処理し、多くの周知
の再構成手法のうちの1つを用いて画像が再構成され
る。
【0004】画像を高速に形成するための1つの方法に
緩和強化高速収集(RARE:Rapid Acquisition Rela
xation Enhanced)シーケンスがあり、この方法につい
ては、Magnetic Resonance in Medicine誌、第3巻、第
823頁〜第833頁(1986年)の J. Hennig等の
論文「RAREイメージング:臨床MRのための高速イ
メージング方法」("RARE Imaging: A Fast Imaging Me
thod for Clinical MR" )に記載されている。RARE
シーケンスは、高速スピン・エコー(FSE)・シーケ
ンスとして知られているその変形も同様であるが、Carr
-Purcell-Meiboom-GillのRFパルス・トレインを利用
して、単一の励起から多数のスピン・エコー信号を形成
する。この単一の励起の間に各々の収集されたエコー信
号は個々に位相エンコーディングされる。従って、各々
のパルス・シーケンス、即ち「ショット」から、複数の
ビューが収集される。元来のRAREシーケンスでは、
ビューの数を128とすることができる。従って、単一
のショットで、画像の再構成に十分なデータを取得する
ことができる。しかしながら、Magnetic ResonanceImag
ing誌、第8巻、第557頁〜第566頁(1990
年)にR. V. Mulkern等によって記載されているよう
に、殆どの臨床的用途では、典型的には、複数のショッ
トを用いて完全なデータ・セットを収集している。
【0005】線形磁場勾配(Gx 、Gy 及びGz )の不
完全性が、再構成される画像にアーティファクトを発生
することは周知である。例えば、勾配パルスによって発
生される渦電流が磁場を歪め、画像アーティファクトを
発生することは周知の問題点である。又、このような渦
電流誤差を補償する方法も、例えば、米国特許第4,6
98,591号、同第4,950,994号及び同第
5,226,418号に開示されているように周知であ
る。
【0006】更に、上述の勾配が、イメージング空間の
全体にわたって完全に一様であるわけではなく、画像の
歪みをもたらすおそれがあることも又、周知である。こ
の非一様性を補償する方法は周知であり、例えば、米国
特許第4,591,789号に記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
【数1】
【0009】
【課題を解決するための手段】マクスウェル項に起因す
るFSEシーケンスの画像アーティファクトは、勾配波
形を変更することにより抑制される。スライス選択方向
では、それが好ましい場合には勾配波形をリフォーカシ
ング(再収束)・パルスに関して対称にし、このような
対称性が好ましくない第1のリフォーカシング・パルス
については、クラッシャ(crusher)勾配パルスのうち
1つのパルスのサイズを調節して、自乗形式のマクスウ
ェル項(即ち、x2 項、y2 項又はz2 項)に起因する
アーティファクトを除去する。第1のリフォーカシング
・パルスより後のクラッシャ勾配ローブは、変更された
クラッシャ勾配ローブに引続きと同じにされる。位相エ
ンコーディング勾配パルスによって生ずる自乗項に起因
するアーティファクトは、位相エンコーディング勾配パ
ルスの振幅を、その各々の印加許容時間内で可能な最小
量にまで減少させることにより、最小化される。読み出
し勾配によって生ずる自乗マクスウェル項に起因するア
ーティファクトは、読み出し勾配のプリ・フェイジング
(予備位相合わせ)ローブの振幅を調節することにより
除去される。
【0010】2次交差マクスウェル項(即ち、xz項及
びyz項)によって生ずるアーティファクトは一般的に
は小さく、米国特許第5,378,985号(1995
年1月)に記載されたような通常のFSE位相補正手法
を用いて除去し得る場合が多い。これらの項が重要にな
る場合、及び既存の位相補正手法を用いて除去すること
ができない場合には、各勾配波形の位置を、パルス・シ
ーケンス内で重なり合わない(又は最小限に重なり合
う)ようにして調節する。
【0011】発明の一般的な記載
【0012】
【数2】
【0013】式(1a)及び式(1c)から、以下の式
が得られる。 (∂Bx /∂x)+(∂By /∂y)+(∂Bz /∂z)=0 (2) (∂Bx /∂y)=(∂By /∂x) (3a) (∂By /∂z)=(∂Bz /∂y) (3b) (∂Bz /∂x)=(∂Bx /∂z) (3c) 以上の4つの方程式(2)及び(3a)〜(3c)は、
全部で9つの偏導関数を含んでおり、そのうちの5つの
みが独立である。次の作業は、これら5つの独立変数を
選択することである。(∂Bz /∂x)≡Gx 、(∂B
z /∂y)≡Gy、(∂Bz /∂z)≡Gz (Gx 、Gy
及びGz は線形勾配である。)であることがわかって
いるので、最初の3つの独立変数としてGx 、Gy 及び
z を直ちに選択することができる。円筒座標における
放射形対称のGz 磁場については、(∂Bx /∂x)及
び(∂By /∂y)は同一であるはずである。しかしな
がら、より一般的な場合を網羅するために、第4の独立
変数として、無次元の対称パラメータαを選択する。
【0014】 α≡−(∂Bx /∂x)/Gz (4a) 又は 1−α≡(∂By /∂y)/Gz (4b) 最後の独立変数は、(式(3a)に基づいて)便宜的に
以下のように選択することができる。
【0015】 g≡(∂Bx /∂y)=(∂By /∂x) (5) この時点で、式(2)及び式(3)に記載されている偏
導関数のすべてを、5つの独立変数Gx 、Gy 、Gz
α及びgを用いて表すことができる。
【0016】
【数3】
【0017】すべての項を用いて、総合的磁場は、以下
の式のようになる。
【0018】
【数4】
【0019】ここで、1次まででは、
【0020】
【数5】
【0021】である。上の式には、2つの重要な意味が
ある。第1に、B0 磁場は、横方向の磁場Bx 及びBy
の故に、最早z軸に沿ってはいないということである。
第2に、そのB0 磁場の大きさは、単純にB=B0 +G
x x+Gy y+Gz zによって表されるのではなく、 B(x,y,z)=(Bx 2+By 2+Bz 21/2 (9) によって表されることである。(B0 +Gx x+Gy
+Gz zは単に、総合的磁場のうちのz成分を表してい
るに過ぎない。)式(9)に対して、x、y及びzにつ
いてそれぞれテイラー級数展開を3回順次実行すると、
磁場が通常のゼロ次及び1次の空間的依存性を有してい
るばかりでなく、より高次の空間的成分を有しているこ
とがわかる。2次までのテイラー展開の結果は、式(1
0)によって表される。
【0022】 B=B0 +Gx x+Gy y+Gz z +(1/2B0 )[α2z 2+g2 ]x2 +(1/2B0 )[(1−α)2z 2+g2 ]y2 +(1/2B0 )[Gx 2+Gy 2]z2 +(gGz /B0 )xy +(1/B0 )[gGx −(1−α)Gyz ]yz +(1/B0 )[gGy −αGxz ]xz (10) (テイラー展開は、式(10)の結果を得るのに十分に
高次まで実行する必要がある。例えば、項(Gx x+G
y y+Gz z)2 は、より高次の展開から得られる同等
で且つ逆符号の項によって打ち消される。)殆どのMR
Iシステムで用いられている勾配システムについては、
g=0であり、α≒1/2である(円筒対称性によ
り)。これらの条件下で、式(10)は以下のように単
純化される。
【0023】 B=B0 +Gx x+Gy y+Gz z +(1/8B0 )Gz 22 +(1/8B0 )Gz 22 +(1/2B0 )[Gx 2+Gy 2]z2 −(1/2B0 )Gyz yz −(1/2B0 )Gxz xz (11) 問題のMRシステムが円筒対称性を有していないなら
ば、即ち、gが非ゼロならば、式(10)において代替
的に適当なg及びαの値を用いればよい。
【0024】式(10)及び式(11)は、線形磁場勾
配が印加されるときには常に、マクスウェル方程式を満
たすようなより高次の勾配磁場が発生されることを示し
ている。これらのより高次の勾配磁場を「マクスウェル
項」又は「マクスウェル磁場」と呼ぶ。マクスウェル項
を含めると、2次元NMR信号の方程式は以下のように
なる。
【0025】
【数6】
【0026】 BM =(1/8B0 )Gz 22 +(1/8B0 )Gz 22 +(1/2B0 )[Gx 2+Gy 2]z2 −(1/2B0 )Gyz yz −(1/2B0 )Gxz xz (12c) ここで、BM は磁場のより高次のマクスウェル項であ
り、φM は関連する位相誤差であって、これを「マクス
ウェル位相」と呼ぶ。先ず最初に式(12c)のz 2
空間的依存性を有している項を検討しよう。この項は、
大きなFOV(ビュー領域:例えば、48cm)を有す
るサジタル(矢状断層)FSE脊髄画像において特に重
要である。(具体的な例を挙げるために、ここでは患者
の長軸に沿って整列したz方向を有している超伝導マグ
ネットを用いて得られる大きなビュー領域のサジタル画
像を考える。ここに記載する考察及び方法は、大きなビ
ュー領域のコロナル(冠状断層)走査にも、又、コロナ
ル平面又はサジタル平面に実質的に位置している斜方走
査にも応用することができる。ここに記載する方法は
又、より小さなビュー領域ではあるが、勾配の等価中心
(isocenter)から大きなオフセットを有している走査
にも応用することができる。更に、この分析は、z軸が
患者の前部/後部に対応しているような垂直磁場型マグ
ネットにも容易に一般化することができる。)従って、
式(12c)のzは、±24cmもの大きさになる可能
性がある。サジタル画像では、スライス選択方向は物理
的なxに沿っており、勾配Gx はz2 の空間的依存性を
有するマクスウェル項に寄与する。読み出し方向が、上
位/下位(S/I:superior/inferior)方向、(即
ち、物理的なz軸)に沿っているならば、位相エンコー
ディング勾配Gy も又、z2 のマクスウェル項に寄与す
る。しかしながら、位相方向と周波数方向とが交換され
ると、位相エンコーディング勾配ではなく読み出し勾配
がz2 のマクスウェル項に寄与する。
【0027】図4に示すような任意の台形勾配ローブを
考える。このローブの面積は、
【0028】
【数7】
【0029】である。自乗形式の位相誤差を算出するの
に用いられる自乗形式の積分は、以下のようになる。
【0030】
【数8】
【0031】次いで、図5のFSEスライス選択波形を
考える。2つの影付きのローブ6及び8はそれぞれ、9
0°の際のスライス選択勾配の右半分、及び第1の18
0°の際のクラッシャ勾配の左側である。これらの勾配
ローブ6及び8は、スライス厚さ、励起バンド幅及びF
ID減衰等のイメージング上の考慮点によって決定され
ている。式(13)及び式(14)を用いると、2つの
影付きの勾配ローブ6及び8の総面積及びマクスウェル
項を直ちに算出することができる。これを行う目的は、
第1の180°リフォーカシング・パルスの際の右側の
クラッシャ勾配ローブ10を設計することにあり、ロー
ブ10がRFリフォーカシング・パルスの位相反転効果
を利用することにより勾配ローブ6及び8の面積とマク
スウェル項とを同時にゼロにするように、設計すること
にある。
【0032】勾配ローブ6及び8の影付きの全領域が面
積Aを有しており、その全マクスウェル項がMであるも
のとする。勾配ローブ10の面積は、Aと平衡していな
ければならないので、図5と関連して式(13)から以
下の式が得られる。 A=r1 [(G1 +G2 )/2]+G2 F+r2 (G2 /2) (15) G1 は、イメージング上の考慮点(180°パルスのバ
ンド幅及びスライス厚さ)によって固定されるが、G2
を変化させることができる。スルー・レートに限定され
た(slew-rate limited)傾斜を仮定しているので、 r1 =r(G2 −G1 )/h r2 =rG2 /h (16) となる。ここで、hは最大の勾配の振幅であり、rは0
からhまでの立ち上がり時間である。式(16)を式
(15)に代入すると、面積の関係式を以下のように表
すことができる。
【0033】 A=G2 F+(r/2h)(2G2 2−G1 2) (17) 同様に、右側のクラッシャ・ローブ10がマクスウェル
項Mと平衡するようにするために、図5と関連して式
(14)及び式(16)から以下の式が得られる。 M=G2 2F+(r/3h)(2G2 3−G1 3) (18) 式(17)及び式(18)からFを消去することによ
り、G2 を求めることができる。式(17)にG2 を乗
じて、その結果を式(18)から減じると、G2 につい
ての3次方程式が得られる。
【0034】 G2 3−G2 [(3G1 2/2)+(3Ah/r)] +[G1 3+(3Mh/r)]=0 (19) 式(19)からFが消去されていることに注意された
い。従って、次の手順は、G2 についての3次方程式を
解き、次いで、式(17)の面積の制約が満たされるよ
うにFを選択することになる。
【0035】この3次方程式は、標準的な方法を用いて
解くことができる。3つの解が存在し、うち少なくとも
1つが実数でなければならない。3次方程式を解くため
の第1の工程は、 q=−[(G1 2/2)+(Ah/r)] (20) p=−(1/2)[G1 3+(3Mh/r)] (21) と置くことである。q3 +p2 ≦0であるならば、3つ
の解はすべて実数である。q3 +p2 >0であるなら
ば、1つの実数解と、一対の共役解とが存在する。実数
解のみが物理的に意味を持つ。解z1 、z2 及びz3
q及びpについて表すことができる。
【0036】 s1 =[p+(q3 +p21/21/32 =[p−(q3 +p21/21/31 =s1 +s22 =−[(s1 +s2 )/2]+(i31/2 /2)(s1 −s2 ) z3 =−[(s1 +s2 )/2]−(i31/2 /2)(s1 −s2 ) (22) ここで、i=(−1)1/2 である。G1 が正であるもの
と仮定する。勾配を有効に利用するためには、最初の1
80°パルス以後のすべてのFID信号をディフェイズ
する(位相を分散させる)ためにクラッシャの振幅G2
は正でなければならない。しかしながら、G2 は最大の
勾配の振幅を超えることはできない。つまり、0≦G2
≦hである。エコー間隔が大幅に増大することを回避す
るために、G1 ≦G2 という更なる制約を与える。従っ
て、以下の範囲 G1 ≦G2 ≦h (23) に位置している実数解を捜すことになる。式(23)を
満たす解が多数存在するならば、最大のものを選択す
る。
【0037】検討した臨床関連プロトコルのすべてにつ
いて、式(19)に対して3つの実数解が見つかった。
3次方程式のいくつかの一般的な性質から、これらの解
に関するいくつかの知見が得られる。G2 2の係数は、式
(19)ではゼロであるので、3つの解の和がゼロであ
ることが真でなければならない。又、式(19)の定数
項は正であるので、3つの解の積は負でなければならな
い。従って、3つの実数解が存在しているときには、2
つの解が正であり、1つの解が負であると結論付けられ
る。正の解のうち1つの解は、検討したすべての臨床関
連プロトコルについて、式(23)を満たすことがわか
った。
【0038】図5において、一旦、G2 について許容可
能な解が見つかったら、その解を式(17)と共に用い
て、クラッシャの平坦頂(flat-top)持続時間Fを求め
る。次いで、式(16)から傾斜持続時間を決定する。
従って、マクスウェル補償を行った右側のクラッシャは
完全に決定され、Gx →z2 のマクスウェル項は第1の
エコーについて補償される。第1のリフォーカシング・
パルス用の再整形された右側のクラッシャ勾配と、他の
リフォーカシング・パルスを包囲する対称化されている
勾配とを用いることにより、主要スピン・エコーについ
てはマクスウェル位相誤差を除去し得ることが直ちにわ
かる。しかしながら、誘導エコーについては、第1の右
側のクラッシャ勾配によって生ずる自乗位相と、後続の
クラッシャ勾配によって生成される自乗位相との間の差
の故に、マクスウェル位相誤差が依然として存在してい
る可能性がある。主要エコーにも、誘導エコーにも、マ
クスウェル位相誤差が確実に存在しなくなるようにする
ために、「波形対称化(waveform symmetrization )」
手法を用い、第2のリフォーカシング・パルスの左側の
クラッシャから始めて、すべてのクラッシャ勾配を、新
たに再整形された第1のリフォーカシング・パルスの右
側のクラッシャと均等なものにする。この微妙であるが
重要な変更は、高画質のFSE画像を得るのに極めて重
要である。言うまでもなく、主要エコーと誘導エコーと
の間の位相コヒーレンスを達成するために他の多くの方
法を用いることができる。例えば、第1のリフォーカシ
ング・パルスの右側のクラッシャではなく、左側のクラ
ッシャを再整形し、他のすべてのクラッシャを不変に維
持した状態で、マクスウェル位相を打ち消すことができ
る。
【0039】クラッシャ・ローブ10の変更を要求しな
い代替的な設計手法では、マクスウェル項の相対的な大
きさに応じて、90°RFパルスと第1のリフォーカシ
ング・パルスとの間に、又は第1のリフォーカシングR
Fパルスと第2のリフォーカシングRFパルスとの間
に、独立した勾配波形を加える。このような勾配波形
は、正味の面積がゼロでなければならないが、その振幅
を自乗したものの積分は、前述のようにマクスウェルの
自乗項を打ち消さなければならない。双極的な(1,−
1)勾配波形を用いてもよいし、又は代替的には、図7
の参照番号15に示すような速度補償された(velocity
-compensated)(1,−2,1)勾配波形を用いてもよ
い。
【0040】FSEシーケンスの位相エンコーディング
勾配に由来するマクスウェル項も又、大きなFOVの画
像のゴースト出現に寄与する可能性がある。例えば、物
理的なy軸方向の位相エンコーディング勾配は、サジタ
ル画像にz2 マクスウェル項を導入して、z値が大きい
位置にアーティファクトをもたらすおそれがある。位相
エンコーディングの振幅は、エコー間で変化していなけ
ればならないので、そのマクスウェル項を厳密にゼロに
することは難しい。その代わりに、勾配の目標の振幅を
標準よりも小さくする(de-rate)ことにより、マクス
ウェル項を許容可能な水準にまで低下させることにす
る。式(13)及び式(14)によれば、面積AL が一
定に保たれているときに、台形ローブのマクスウェル項
は、勾配の振幅に近似的に比例している。従って、FS
Eパルス・シーケンス内の各々の位相エンコーディング
・ローブの持続時間を可能な限り、但し最小エコー間隔
を増大させずに、長く延長することにより、その振幅を
減少させることができる。この最大の許容可能な持続時
間は通常、クラッシャの持続時間によって決定される。
位相エンコーディング勾配パルス幅を増大させても、一
方で勾配の面積を一定に保っておけば、スライス選択勾
配と位相エンコーディング勾配との積に起因する2次交
差マクスウェル項を必ずしも増大させずに済む。例え
ば、スライス選択勾配が、位相エンコーディング勾配が
印加されている持続時間にわたって一定であると仮定す
ると、2次交差マクスウェル項は、位相エンコーディン
グ・パルスを延長する前と後とで厳密に等しくなる。
【0041】スライス選択勾配及び位相エンコーディン
グ勾配と同様に、FSE読み出し勾配も又、位相誤差及
び関連する画像アーティファクトを導入するようなマク
スウェル磁場を発生する可能性がある。位相誤差は主と
して、第1のエコーにおけるプリ・フェイジング読み出
し勾配及び読み出し勾配として用いられる同一でない波
形によって生ずる。第1のエコーの中心以降では、読み
出し勾配の波形は各々のリフォーカシングRFパルスに
関して対称である。従って、位相誤差は、RFリフォー
カシング・パルスに関連する位相反転効果によって打ち
消される。
【0042】読み出し勾配によって誘起される自乗形式
のマクスウェル効果を除去するために、プリ・フェイジ
ング読み出し勾配を修正して、式(24)の勾配の面積
に関する要件と、式(25)のマクスウェル位相の相殺
に関する要件とが同時に満たされるようにする。
【0043】
【数9】
【0044】上の各式で、grp(t)及びgro(t′)
はそれぞれ、図6に示すように、プリ・フェイジング勾
配の波形及び第1の読み出し勾配の最初の半分の波形で
ある。左辺の各積分は、プリ・フェイジング勾配の全体
を網羅(カバー)しており、右辺の各積分は、第1の読
み出し勾配ローブの開始から中心までの時間範囲を網羅
している。図6に示す実例に示されているタイミング・
パラメータについて、式(24)及び式(25)を以下
のように表すことができる。
【0045】 Grp(t1 +ta )=Gro[t2 +(tb /2)] (26) Grp 2 [t1 +(2ta /3)]=Gro 2 [t2 +(tb /3)] (27) 上の各式を満たすプリ・フェイジング勾配波形を画定す
るためには、3つのパラメータ、即ち、t1 、ta 及び
rpを決定しなければならない。傾斜時間ta 及びtb
がスルー・レートに限定されていると仮定するならば、
以下の式によって、ta 及びtb を、最大勾配h、立ち
上がり時間r及び対応する勾配の振幅に関係付けること
ができる。即ち、 ta =rGrp/h (28a) tb =rGro/h (28b) 式(28a)及び式(28b)を式(26)及び式(2
7)に代入すると、以下の式が得られる。
【0046】 Grp[t1 +(rGrp/h)]=Gro[t2 +(rGro/2h)] (29) Grp 2 [t1 +(2rGrp/3h)]=Gro 2 [t2 +(rGro/3h)] (30) 上の2つの式を組み合わせてt1 を除去すると、以下の
式が得られる。
【0047】 Grp 3 −[(6hGro2 +3rGro 2 )/2r]Grp +Gro 2 [(3ht2 /r)+Gro]=0 (31) ここで、 u=−(6hGro2 +3rGro 2 )/2r v=Gro 2 [(3ht2 /r)+Gro] と定義すると、式(31)は以下のように変形される。
【0048】 Grp 3 +uGrp+v=0 (32) この3次方程式の3つの解は、 Grp,1=[−v/2+{(v/2)2 +(u/3)31/21/3 +[−v/2−{(v/2)2 +(u/3)31/21/3 (33a) Grp,2=ω[−v/2+{(v/2)2 +(u/3)31/21/3 +ω2 [−v/2−{(v/2)2 +(u/3)31/21/3 (33b) Grp,3=ω2 [−v/2+{(v/2)2 +(u/3)31/21/3 +ω[−v/2−{(v/2)2 +(u/3)31/21/3 (33c) ここで、ω=(1/2)(−1+i31/2 )である。こ
れら3つの解のうち、クラッシャ勾配について前で議論
したように少なくとも1つの解が実数である。従って、
有用な解を必ず得ることができる。多数の実数解が存在
する場合には、例えば、勾配の振幅の限度内でエコー時
間を最小にし得るようにして最大の解を選択することが
できる。一旦、Grpが決定されれば、式(29)から平
坦頂勾配の持続時間を算出することができ、式(28
a)を用いて傾斜時間を決定することができる。Grp
1 及びta によって決定された新たなプリ・フェイジ
ング勾配を用いれば、読み出し勾配から生ずるマクスウ
ェル項によって導入される位相誤差が各々のエコーの中
心の所で除去される。
【0049】前述の手法を用いて、自乗マクスウェル項
の影響を完全に除去し、又は実質的に減少させることが
できる。2次交差マクスウェル項、即ち、式(12c)
のxz項及びyz項は依然として残存している可能性が
ある。交差項は、2つの重なり合った物理的勾配と関連
しており、その2つの勾配のうちの1つ(即ち、位相エ
ンコーディング勾配)は、シーケンスの全体にわたって
その振幅が変化している可能性があるので、自乗マクス
ウェル項について開発されたものと同じマクスウェルの
ゼロ化手法を用いて交差項を除去することが常に実際的
であるとは言えない。幸いなことに、2次交差マクスウ
ェル項は、1次項に簡素化することがしばしばであるの
で、これらの位相誤差は、米国特許第5,378,98
5号(1995年1月)に記載されたもののような従来
の位相補正法によって除去され得る。このような実例
は、xzマクスウェル項が、所与のスライスにおいてx
が一定であるために、1次のz項に簡素化するサジタル
画像に見出されることがある。2次交差項が1次項に簡
素化され得ないような場合、例えば、サジタル画像にお
けるyz項の場合には、パルス・シーケンス内で読み出
し勾配と位相エンコーディング勾配とが重なり合わない
ようにすれば交差項をゼロにすることができる。
【0050】以上の議論では、脊髄検査でのその臨床的
重要性から、殆どの部分でサジタル画像を重点的に扱っ
たが、同じ原理をアキシャル(軸方向断層)及びコロナ
ル等の他の画像平面に応用することもできる。更に、マ
クスウェル項の影響を減少させる及び除去する前述の各
手法は、超伝導マグネット式のMRIシステムに限定さ
れない。永久マグネット又は抵抗型マグネット等を備え
た非超伝導形式のMRシステムによって発生されるマク
スウェル項も又、いくつかの簡単な変更を加えるだけ
で、同じ原理を用いて効果的に減少させ又は除去するこ
とができる。例えば、MRIシステムの物理的なz軸
は、超伝導マグネットの場合は患者の上位/下位方向に
対応しているが、いくつかの抵抗型マグネットでは患者
の前部/後部方向に対応している。従って、コロナル画
像はxy平面に位置し、スライス選択勾配(z勾配)
は、超伝導マグネットにおけるスライス選択勾配(y
軸)によって発生されるz2 マクスウェル項の4分の1
の大きさのx2 +y2 マクスウェル項を導入する。この
場合でも、x2 +y 2 マクスウェル項による影響を、本
文に記載すると共に図4及び図7にそれぞれ示したよう
に、第1のクラッシャ勾配の右側を修正することによ
り、又は面積がゼロの勾配波形を追加することにより、
除去することができる。
【0051】
【実施例】先ず、図1について説明する。同図には、本
発明を組み込んだ好適なMRIシステムの主要な構成要
素が示されている。システムの動作は、キーボード及び
制御パネル102と、ディスプレイ104とを含んでい
るオペレータ・コンソール100から制御される。コン
ソール100はリンク116を介して、独立した計算機
システム107と交信しており、計算機システム107
は、オペレータがスクリーン104上での画像の形成及
び表示を制御することを可能にしている。計算機システ
ム107は、バックプレーンを介して互いに交信してい
る多数のモジュールを含んでいる。これらのモジュール
は、画像プロセッサ・モジュール106と、CPUモジ
ュール108と、画像データ配列を記憶するフレーム・
バッファとして当業界で知られているメモリ・モジュー
ル113とを含んでいる。計算機システム107は、画
像データ及びプログラムを記憶するためのディスク記憶
装置111及びテープ・ドライブ112に結合されてい
ると共に、高速シリアル・リンク115を介して別個の
システム制御部122と交信している。システム制御部
122は、バックプレーン118によってまとめて接続
された一組のモジュールを含んでいる。これらのモジュ
ールは、CPUモジュール119と、パルス発生器モジ
ュール121とを含んでおり、パルス発生器モジュール
121は、シリアル・リンク125を介してオペレータ
・コンソール100に接続している。リンク125を介
して、システム制御部122は実行されるべき走査シー
ケンスを指示する命令(コマンド)をオペレータから受
け取る。パルス発生器モジュール121は、システムの
構成要素を動作させて、所望の走査シーケンスを実行す
る。モジュール121は、発生されるべきRFパルスの
タイミング、振幅及び形状、並びにデータ収集ウィンド
ウのタイミング及び長さを指示するデータを発生する。
パルス発生器モジュール121は、一組の勾配増幅器1
27に接続しており、走査中に発生される勾配パルスの
タイミング及び形状を指示する。パルス発生器モジュー
ル121は又、患者に接続された多数の異なるセンサか
らの信号、例えば電極からの心電図(ECG)信号又は
ベローズからの呼吸信号を受信する生理学データ収集制
御装置129から患者のデータを受信する。最後に、パ
ルス発生器モジュール121は、走査室インタフェイス
回路133に接続しており、走査室インタフェイス回路
133は、患者及びマグネット・システムの状態に関連
した様々なセンサからの信号を受信する。走査室インタ
フェイス回路133を介して、患者位置決めシステム1
34も又、走査に望ましい位置に患者を移動させるため
の命令を受信する。
【0052】パルス発生器モジュール121によって発
生される勾配波形は、Gx 増幅器と、Gy 増幅器と、G
z 増幅器とで構成されている勾配増幅器システム127
に印加される。各々の勾配増幅器は、全体的に参照番号
139で示すアセンブリ内の対応する勾配コイルを励起
して、収集される信号を空間エンコーディングするのに
用いられる磁場勾配を発生する。勾配コイル・アセンブ
リ139は、分極マグネット140と全身型RFコイル
152とを含んでいるマグネット・アセンブリ141の
一部を形成している。システム制御部122内の送受信
器モジュール150がパルスを発生し、これらのパルス
は、RF増幅器151によって増幅されて、送信/受信
(T/R)スイッチ154によってRFコイル152に
結合される。患者内の励起核によって放出される結果と
して生ずる信号は、同じRFコイル152によって検知
され、送信/受信スイッチ154を介して前置増幅器1
53に結合され得る。増幅されたNMR信号は、送受信
器150の受信器部において復調され、濾波されると共
にディジタル化される。送信/受信スイッチ154は、
パルス発生器モジュール121からの信号によって制御
されて、送信モード中にはRF増幅器151をコイル1
52に電気的に接続し、受信モード中には前置増幅器1
53をコイル152に電気的に接続する。送信/受信ス
イッチ154は又、送信モード又は受信モードのいずれ
の場合にも、分離型RFコイル(例えば、頭部コイル又
は表面コイル)を用いることを可能にしている。
【0053】RFコイル152によって捕えられたNM
R信号は、送受信器モジュール150によってディジタ
ル化されて、システム制御部122内のメモリ・モジュ
ール160へ転送される。走査が完了してデータ配列全
体がメモリ・モジュール160に収集されたときに、ア
レイ・プロセッサ161が動作して、このデータを画像
データ・セットの配列へフーリエ変換する。この画像デ
ータ・セットは、シリアル・リンク115を介して計算
機システム107へ伝送されて、ここでディスク・メモ
リ111に記憶される。オペレータ・コンソール100
から受信された命令に応答して、この画像データ・セッ
トをテープ・ドライブ112に保管してもよいし、又は
画像プロセッサ106によって更に処理してオペレータ
・コンソール100へ伝送すると共にディスプレイ10
4に表示してもよい。
【0054】図1及び図2について詳細に説明する。送
受信器150は、電力増幅器151を介してコイル15
2Aの所でRF励起磁場B1 を発生すると共に、コイル
152B内に誘導された結果としての信号を受信する。
上述のように、コイル152A及びコイル152Bは、
図2に示すような分離型であってもよいし、又は図1に
示すような単一のコイルであってもよい。RF励起磁場
の基本周波数、即ち搬送周波数は、周波数合成器200
の制御下で発生されている。周波数合成器200は、C
PUモジュール119及びパルス発生器モジュール12
1から一組のディジタル信号を受信する。これらのディ
ジタル信号は、出力201の所で発生されているRF搬
送波信号の周波数及び位相を示している。命令を受けた
RF搬送波は、変調器及びアップ・コンバータ202に
印加され、ここで、その振幅は、やはりパルス発生器モ
ジュール121から受信された信号R(t)に応答して
変調される。信号R(t)は、発生されるべきRF励起
パルスの包絡線を画定しており、記憶された一連のディ
ジタル値を順次読み出すことによりモジュール121内
で発生されている。これらの記憶されたディジタル値は
又、オペレータ・コンソール100から変更可能であ
り、いかなる所望のRFパルス包絡線でも発生すること
ができる。
【0055】出力205において発生されたRF励起パ
ルスの振幅は、バックプレーン118からのディジタル
命令を受信している励起信号減衰回路206によって減
衰される。減衰されたRF励起パルスは、RFコイル1
52Aを駆動する電力増幅器151に印加される。送受
信器122のこの部分に関するより詳細な記載について
は、米国特許第4,952,877号がここに参照され
るべきものである。
【0056】図1及び図2について説明を続ける。被検
体によって発生された信号は、受信器コイル152Bに
よって捕えられ、前置増幅器153を介してもう1つの
受信信号増幅器の入力へ印加される。この受信信号増幅
器のゲインは、減衰器207によって調節されている。
受信信号増幅器207は、バックプレーン118から受
信されたディジタル減衰信号によって決定されている量
だけ信号を更に増幅する。
【0057】受信された信号は、ラーモア周波数又はそ
れに近い周波数であり、この高周波信号は、ダウン・コ
ンバータ208によって次の2段階の処理で下降変換
(ダウン・コンバート)される。即ち、先ず、NMR信
号を線201の搬送波信号と混成し、次いで、結果であ
る差信号を線204の2.5MHzの基準信号と混成す
る。下降変換されたNMR信号は、アナログからディジ
タルへの(A/D)変換器209の入力へ印加され、A
/D変換器209は、アナログ信号をサンプリングして
ディジタル化すると共に、これをディジタル検出器及び
信号プロセッサ210へ印加し、ディジタル検出器及び
信号プロセッサ210は、受信された信号に対応する1
6ビットの同相(in-phase(I))値及び16ビットの
直角位相(quadrature(Q))値を発生する。受信され
た信号のディジタル化されたI値及びQ値の結果である
ストリームは、バックプレーン118を介してメモリ・
モジュール160へ出力され、ここで画像を再構成する
のに用いられる。
【0058】2.5MHzの基準信号、250kHzの
サンプリング信号、並びに5MHz、10MHz及び6
0MHzの基準信号は、基準周波数発生器203によっ
て、共通の20MHzマスタ・クロック信号から発生さ
れている。受信器に関するより詳細な記載については、
米国特許第4,992,736号がここに参照されるべ
きものである。
【0059】図3について具体的に説明する。同図に
は、従来の高速スピン・エコーNMRパルス・シーケン
ス(実線)が示されている。明確にするために、図3に
は3つのエコー信号301〜303のみが示されている
が、これよりも多いエコー信号が発生され収集され得る
ことが理解されよう。これらのNMRエコー信号は、G
z スライス選択勾配パルス306の存在下で発生される
90°RF励起パルス305によって発生されて、患者
を通過するスライス内に横磁化を与える。この横磁化
は、各々の選択的180°RFリフォーカシング・パル
ス307によってリフォーカシングされて、スピン・エ
コー信号301〜303を発生し、これらのエコー信号
301〜303はGx 読み出し勾配パルス308の存在
下で収集される。各々のスピン・エコー信号301〜3
03は、それぞれのGy 位相エンコーディング・パルス
309〜311によって個別に位相エンコーディングさ
れる。各々の位相エンコーディング・パルスの振幅は異
なっており、その振幅は、例えば256個の値にわたっ
て段階的に変化させられて、完全な1回の走査中に25
6の独立したビューを収集する。これにより、y方向に
256個の独立したピクセルを有している画像を再構成
することが可能になる。各々のスピン・エコー信号は、
各々の信号について、例えば256個のサンプルをディ
ジタル化することにより収集される。その結果、1つの
画像についての走査が完了したときには、図3のパルス
・シーケンスにおいて16のショット(エコー・トレイ
ンの長さが16であると仮定している)が実行済みであ
り、256×256の要素を有する複素数の配列が収集
されている。この好ましい実施例では、米国特許第4,
484,138号に記載されたようなクラッシャ勾配パ
ルス316も用いられている。これらのクラッシャ勾配
316は、等しい面積を有しており、各々のリフォーカ
シングRFパルス307の直前及び直後にスライス選択
勾配によって発生されている。加えて、米国特許第4,
665,365号に記載されたようなリワインダ勾配パ
ルス312及び314が、それぞれのエコー信号301
〜303が収集された後に位相エンコーディング方向に
印加されている。
【0060】収集された画像データ配列に対して2次元
フーリエ変換を実行し、次いで、結果として得られた各
々の複素要素の大きさを算出することにより、画像が再
構成される。このようにして、256×256ピクセル
の画像が形成され、各々のピクセルの輝度は、変換後の
配列内の対応する要素の大きさによって決定されてい
る。
【0061】本発明の一側面は、前述すると共に図5に
示すように、第1のRFリフォーカシング・パルス30
7について右側のクラッシャ勾配パルス316を変更
し、後続のRFリフォーカシング・パルス307につい
て両クラッシャ勾配パルス316を変更することにより
実現される。結果として得られる調節されたクラッシャ
勾配パルスを図3の参照番号317に示す。この勾配パ
ルスの振幅は減少しており、且つその幅は増大してい
る。しかしながら、読み出し勾配308の発生とは重な
り合っていない。調節されたパルス・シーケンスは、パ
ルス発生器121内に記憶され、走査中に印加されて、
勾配増幅器127及び送受信器150を制御する。
【0062】Gy 位相エンコーディング勾配パルス30
9〜313も又、調節されるが、この調節は、超伝導マ
グネット内で実行される大きなビュー領域を有するサジ
タル走査又はコロナル走査において、オペレータが周波
数方向S/Iを選択した場合に特に重要である。この場
合には、位相エンコーディング・パルス309〜313
の形状は、最小のエコー間隔を増大させずに最小の振幅
を有するように調節される。これを達成するためには、
対応するクラッシャ勾配パルス316と同じ時間にわた
って位相エンコーディング・パルスが印加されるように
その幅を増大させればよい。参照番号318、319及
び320に示す結果として得られる位相エンコーディン
グ勾配波形は、パルス発生器121内に記憶され、走査
中に印加される。同様の調節がリワインダ・パルス31
2〜314に対しても行われ、これを対応するパルス3
21、322及び323によって図示している。
【0063】読み出し勾配上のプリ・フェイジング勾配
ローブ320も又、上述のようにして調節されて、自乗
マクスウェル項によって生ずるアーティファクトを減少
させる。この調節は、読み出し勾配軸が物理的なx軸又
はy軸に沿って位置している場合に特に重要である。な
ぜならば、z2 項の係数は、z軸勾配によって発生され
るx2 +y2 項の係数よりも4倍大きいからである。調
節された結果として得られるプリ・フェイジング読み出
し勾配パルス322は、パルス発生器121内に記憶さ
れ、走査中に印加される。
【0064】2次交差マクスウェル項を除去するため
に、読み出し勾配及び位相エンコーディング勾配を、非
アキシャル走査についても、これらの勾配がシーケンス
全体を通じて重なり合わないようにして調節してもよ
い。その結果エコー間隔に許容不可能な増大が生じた
ら、2つの勾配波形の重なり領域を、最小のエコー間隔
の制約の範囲内で最小限に維持するとよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いたMRIシステムのブロック図で
ある。
【図2】図1のMRIシステムの一部を形成している送
受信器の電気ブロック図である。
【図3】従来のFSEパルス・シーケンス(実線)、及
び図1のMRIシステムによって用いられる本発明の好
ましい一実施例による改良されたFSEパルス・シーケ
ンス(破線)を示す図である。
【図4】台形の勾配パルスのグラフ図である。
【図5】図3のFSEシーケンスに用いられる本発明の
好ましい実施例によるスライス選択方向の改良された勾
配パルスのグラフ図である。
【図6】図3のFSEシーケンスに用いられる本発明の
好ましい実施例による読み出し方向の改良された勾配パ
ルスのグラフ図である。
【図7】面積がゼロの速度補償された追加のパルス、即
ち(1,−2,1)パルスを加えることによりマクスウ
ェル項を除去するスライス選択勾配の代替的な調節方法
のグラフ図である。
【符号の説明】
6 90°パルスの際のスライス選択勾配の右半分のロ
ーブ 8 第1の180°パルスの際のクラッシャ勾配の左側
のローブ 10 第1の180°パルスの際のクラッシャ勾配の右
側のローブ 100 オペレータ・コンソール 102 キーボード及び制御パネル 104 ディスプレイ 106 画像プロセッサ 107 計算機システム 108、119 CPUモジュール 111 ディスク記憶装置 112 テープ・ドライブ 113、160 メモリ・モジュール 115 高速シリアル・リンク 116 リンク 118 バックプレーン 121 パルス発生器モジュール 122 システム制御部 125 シリアル・リンク 127 勾配増幅器 129 生理学データ収集制御装置 133 走査室インタフェイス回路 134 患者位置決めシステム 139 勾配コイル・アセンブリ 140 分極マグネット 141 マグネット・アセンブリ 150 送受信器 151 RF増幅器 152 全身型RFコイル 152A、152B 分離型コイル 153 前置増幅器 154 送信/受信(T/R)スイッチ 161 アレイ・プロセッサ 200 周波数合成器 201、204、205、212 出力線 202 変調器及びアップ・コンバータ 203 基準周波数発生器 206 励起信号減衰回路 207 受信信号減衰器 208 ダウン・コンバータ 209 A/D変換器 210 ディジタル検出器及び信号プロセッサ 301、302、303 エコー信号 305 90°RF励起パルス 306 Gz スライス選択勾配パルス 307 180° RFリフォーカシング・パルス 308 Gx 読み出し勾配パルス 309、310、311 Gy 位相エンコーディング・
パルス 312、314 リワインダ勾配パルス 316 クラッシャ勾配パルス 317 調節されたクラッシャ勾配パルス 318、319、320 調節された位相エンコーディ
ング勾配波形 320 プリ・フェイジング読み出し勾配パルス 321、322、323 調節されたリワインダ勾配パ
ルス 322 調節されたプリ・フェイジング読み出し勾配パ
ルス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マシュー・アブラハム・バーンスタイン アメリカ合衆国、ミネソタ州、ロチェスタ ー、ウッドランド・ドライブ・エスダブリ ュ、1321番 (72)発明者 スタィーブン・ゴーシェング・タン アメリカ合衆国、ウィスコンシン州、ワウ ケシャ、パークローン・ドライブ・ナンバ ー107、2320番 Fターム(参考) 4C096 AA04 AB11 AD09 BA05 BA41 BB02 CB08

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分極磁場を形成する手段(141)と、 前記分極磁場にさらされるスピンに横磁化を生成するR
    F磁場を発生する励起手段(152、202、206、
    151)と、 前記横磁化により生成される核磁気共鳴信号を検知する
    と共に該核磁気共鳴信号のディジタル化されたサンプル
    を生成する受信器手段(152、207、208、20
    9)と、 前記核磁気共鳴信号を位相エンコーディングする第1の
    磁場勾配を発生する第1の勾配手段(127、139)
    と、 前記核磁気共鳴信号を周波数エンコーディングする第2
    の磁場勾配を発生する第2の勾配手段(127、13
    9)と、 核磁気共鳴信号が収集される領域を選択する第3の磁場
    勾配を発生する第3の勾配手段(127、139)と、 前記励起手段、第1の勾配手段、第2の勾配手段、第3
    の勾配手段及び受信器手段に結合されており、画像の構
    成を可能にする核磁気共鳴信号のディジタル化されたサ
    ンプルを収集するためにパルス・シーケンスが実行され
    る走査を行うように動作することが可能なパルス制御手
    段(121)とを組み合わせて備えており、 該パルス制御手段は、前記走査中に高速スピン・エコー
    ・パルス・シーケンスを実行するように動作しており、
    該高速スピン・エコー・パルス・シーケンスにおいて、
    一連のRFリフォーカシング・パルス(307)が、前
    記励起手段により生成されて、対応する一連の核磁気共
    鳴スピン・エコー信号(301、302、303)を生
    成しており、1対のクラッシャ勾配パルス(316)
    が、各々のRFリフォーカシング・パルス(307)を
    包囲するように前記第3の勾配手段により生成されてい
    ると共に、補償勾配(6、8、10)が、前記一連のR
    Fリフォーカシング・パルス(307)内の第1のRF
    リフォーカシング・パルス(307)に隣接する間隔の
    間に前記第3の勾配手段により生成されて、マクスウェ
    ル項により生成される画像アーティファクトを減少させ
    ており、前記補償勾配(6、8、10)は、前記第1の
    RFリフォーカシング・パルス(307)に関連したク
    ラッシャ勾配パルス(316)の形状を変更することに
    より生成されていると共に、前記第1のRFリフォーカ
    シング・パルス(307)より後のRFリフォーカシン
    グ・パルス(307)に関連した前記クラッシャ勾配パ
    ルス(317)は、前記第1のRFリフォーカシング・
    パルス(307)に関連した前記変更されたクラッシャ
    勾配パルス(317)と同じ形状に整形されている核磁
    気共鳴システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002200057A (ja) * 2000-12-20 2002-07-16 Siemens Ag マルチエコー撮像法
CN106821500A (zh) * 2017-03-21 2017-06-13 大连锐谱科技有限责任公司 一种用于微创手术导航系统及方法

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