JP2000201630A - 飼料用チ―ズ及びその製造方法並びにそれを用いた配合飼料 - Google Patents

飼料用チ―ズ及びその製造方法並びにそれを用いた配合飼料

Info

Publication number
JP2000201630A
JP2000201630A JP11010123A JP1012399A JP2000201630A JP 2000201630 A JP2000201630 A JP 2000201630A JP 11010123 A JP11010123 A JP 11010123A JP 1012399 A JP1012399 A JP 1012399A JP 2000201630 A JP2000201630 A JP 2000201630A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cheese
feed
granular
adhesion
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11010123A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Arakawa
洋 荒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyodo Shiryo Co Ltd
Original Assignee
Kyodo Shiryo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyodo Shiryo Co Ltd filed Critical Kyodo Shiryo Co Ltd
Priority to JP11010123A priority Critical patent/JP2000201630A/ja
Publication of JP2000201630A publication Critical patent/JP2000201630A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P60/00Technologies relating to agriculture, livestock or agroalimentary industries
    • Y02P60/80Food processing, e.g. use of renewable energies or variable speed drives in handling, conveying or stacking
    • Y02P60/87Re-use of by-products of food processing for fodder production

Landscapes

  • Fodder In General (AREA)
  • Feed For Specific Animals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 チーズの変質を防止できかつチーズの栄養価
を損なわないで、チーズ特有の付着性をなくし粉砕性を
向上させ、チーズを配合飼料の原料として使用できるよ
うに物性を改善し、屑チーズをはじめ、あらゆる品種の
チーズを原料として使用することができる飼料用チーズ
と、それを低コストで製造する方法を提供することによ
って、チーズを配合飼料の原料として使用する途を拓く
ことを課題とする。 【解決手段】 粒状に細切したチーズに、必要に応じ
て、糖類、穀類、油粕、乳製品、ミネラル類、植物繊維
類、でんぷん類、豆類、タンパク質、ヌカ類、パン粉類
などからなる付着抑制材を添加し、粒状のチーズの表面
に付着抑制材を付着させるか又はその表面を付着抑制材
で被覆した後送風により乾燥させ、水分を3〜20重量
%とする飼料用チーズとその製造方法及びそれを他の原
料とともに配合した配合飼料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飼料用チーズ及び
その製造方法並びにその飼料用チーズを用いた配合飼料
に関する。さらに詳しくは、配合飼料の原料として使用
できるように乾燥させたチーズ及びその乾燥チーズを製
造する方法並びにその乾燥チーズを他の原料とともに配
合した配合飼料に関する。したがって、本発明において
「飼料用チーズ」とは、原料の一つとして他の飼料原料
とともに家畜や愛玩動物などの動物に供与するチーズの
ことをいう。
【0002】
【従来の技術】脱脂粉乳、全脂粉乳、カゼイン、ホエイ
パウダーなどの乳製品は、栄養価が高いことから、配合
飼料の原料として広く用いられている。特に、子豚用や
子牛用の配合飼料の原料としては、必要不可欠のものと
されている。
【0003】しかし、乳製品の中でもチーズは、良質の
タンパク質や脂肪を含み、きわめて栄養価の高いもので
あるが、飼料の原料としてはほとんど使用されていな
い。わずかに、パルメザンチーズのような硬くて固形の
ものを削って粉末にして飼料中に加配するか、比較的脂
肪分が少なくて粉末にしやすいチーズミールを粉末にし
てその少量を他の原料に加配して使用している程度であ
る。このように、チーズが飼料原料としてほとんど用い
られていない理由は、一般にチーズには水分や脂肪分が
多いため、変質が早く、変質したチーズを家畜などに供
与した場合に悪影響を生ずるおそれがあること、及び配
合飼料として必須の物性である粉末状、顆粒状又は流動
状になりにくいこと、またチーズには付着性があるため
に、粉砕しにくい上、他の原料と混合しにくく、しかも
配合飼料の製造ラインを流れにくいなどの難点を有する
からである。
【0004】このため現在では、チーズ工場などで多量
に生ずる屑チーズ(食用に向かないチーズ片:後記にお
いて詳しく説明する。)を飼料原料として活用すること
ができず、廃棄物として処理しているという問題があ
る。
【0005】上記の状況に鑑み、本発明者らは、現在廃
棄されている屑チーズの有効活用法として、これを配合
飼料の原料に使用できるように、チーズの物性を改良す
ることを思い立ち、そのためには、チーズの有する付着
性を抑制することで解決できることを見いだし、研究を
重ねた結果、粒状チーズの表面に付着抑制材を付着させ
てあるか又はその表面を付着抑制材で被覆してある粒状
チーズの集合物からなる飼料用チーズとその製造方法に
ついて発明を完成し、先に特許出願した(特願平10−
157317号)。
【0006】本発明者は、チーズの変質を防止できかつ
配合飼料の原料として使用できるようにチーズの物性を
改善する方法について、その後も研究を続け、この課題
は、チーズを或る範囲で乾燥させることによって解決で
きることを見いだした。現在チーズを乾燥する一般的方
法としては、チーズを溶解してスプレイドライヤーで乾
燥させる方法、或いはチーズを細かく削って流動乾燥機
にかけて乾燥させる方法が知られている。しかし、スプ
レイドライヤーによる乾燥法では乾燥コストが高くな
り、流動乾燥機による乾燥法は、水分と脂肪分が少ない
チーズでないと応用することができない。
【0007】このため、チーズ工場などから排出され多
種類のチーズが混合していることが多い屑チーズを飼料
用として乾燥させるには、どのような品種のチーズにも
応用することができ、かつコストの安い乾燥方法を開発
する必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の状況に鑑み、本
発明は、チーズの変質を防止できかつ配合飼料の原料と
して使用できるようにチーズの物性を改善することを第
1の課題とするものである。また屑チーズをはじめ、あ
らゆる品種のチーズに応用することができ、かつコスト
の安い乾燥方法を提供することを第2の課題とするもの
である。さらに、チーズを配合飼料の原料として使用す
る途を拓くことによって、家畜や愛玩動物の栄養補給に
貢献することを第3の課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するた
めに、本発明のうち請求項1に記載の発明は、水分が3
〜20重量%の粒状の乾燥チーズからなる飼料用チーズ
である。
【0010】本発明のうち請求項2に記載の発明は、粒
状のチーズの表面に付着抑制材を付着させてあるか又は
その表面を付着抑制材で被覆してあり、水分を3〜20
重量%に乾燥させてある飼料用チーズである。
【0011】また本発明のうち請求項3に記載の発明
は、請求項2に記載の発明において、付着抑制材とし
て、粉末状ないし顆粒状の糖類、穀類、油粕、乳製品、
ミネラル類、植物繊維類、でんぷん類、豆類、タンパク
質、ヌカ類、パン粉類の1種又は2種以上を使用する飼
料用チーズである。
【0012】また本発明のうち請求項4に記載の発明
は、粒状に細切したチーズを送風により乾燥させ、水分
を3〜20重量%とすることを特徴とする飼料用チーズ
の製造方法である。
【0013】また本発明のうち請求項5に記載の発明
は、付着抑制材を添加して、粒状に細切したチーズの表
面に付着抑制材を付着させるか又はその表面を付着抑制
材で被覆した後、送風により乾燥させ、水分を3〜20
重量%とすることを特徴とする飼料用チーズの製造方法
である。
【0014】また本発明のうち請求項6に記載の発明
は、請求項5に記載の発明において、付着抑制材とし
て、粉末状ないし顆粒状の糖類、穀類、油粕、乳製品、
ミネラル類、植物繊維類、でんぷん類、豆類、タンパク
質、ヌカ類、パン粉類の1種又は2種以上を使用する飼
料用チーズの製造方法である。
【0015】さらに本発明のうち請求項7に記載の発明
は、水分が3〜20重量%の乾燥チーズを他の原料とと
もに配合してある配合飼料である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の飼料用チーズとそ
の製造方法及びその飼料用チーズを使用した配合飼料に
ついて、詳細に説明する。尚、本発明の全説明におい
て、「%」の表示は、特に断らないかぎり「重量%」を
意味する。
【0017】本発明において、原料として使用するチー
ズは、牛乳などの家畜の乳汁を発酵させて凝固させた乳
製品のことをいう。さらに詳しくは、家畜乳汁に乳酸菌
などのスターター及び/又は凝乳酵素(レンネット)を
作用させて、乳汁のカゼインと脂肪とを凝固させたもの
をいう。本発明においては各種のチーズを使用すること
ができる。具体的には、ナチュラルチーズ又はプロセス
チーズなどの人間が食することができる一般的なチーズ
の他、チーズミール(チーズ上皮ともいい、ナチュラル
チーズからプロセスチーズを作る際に生ずるチーズの切
り屑のうち脂肪を除去したもの)や、チーズの製造過程
で発生する屑チーズ(プロセスチーズの製造工程におい
て機械に残留するチーズ屑、スライスチーズの製造工程
で発生するスライス屑、粉末チーズの製造工程で発生す
るチーズダスト、賞味期限切れのチーズなどの他、人間
の食用に適しない屑チーズを含む。)なども使用でき
る。尚、家畜の乳汁としては、牛乳の他、羊乳、馬乳、
らくだ乳などその品種を問わず使用して差し支えない。
このように本発明では、どのようなチーズでも原料とし
て使用できる。原料チーズの性状としては特に限定はな
いが、水分20〜60%で脂肪分20〜50%程度のも
のを使用して差し支えなく、適宜の種類のものを混ぜ合
わせて使用しても差し支えない。
【0018】本発明では、まずこれらのチーズを粒状に
細切する。チーズを粒状に細切する方法としては、少量
生産の場合は手動カッターなどで適宜に細切して差し支
えないが、工場などで量産化する場合は、サイレントカ
ッター、フードカッター、チーズシュレッダー、各種の
粉砕機、ミートチョッパーなどの機械を適宜使用すれば
よい。すなわち本発明においては、チーズを粒状に細切
するといっても、チーズを細かく破砕した状態にすれば
よく、その大きさや形状は不揃いのままで差し支えな
い。したがって、本発明において「粒状のチーズ」とい
う意味には、略球状や略円柱状のチーズばかりでなく、
破砕によって不揃いの大きさや不定形状となったチーズ
を含む。すなわち本発明における粒状のチーズは、直径
が1〜10mm程度で大きさは0.1〜10gぐらいの
任意の形状に細切したチーズのことである。したがっ
て、工場などから排出される屑チーズの場合は、その大
きさによっては、あらためて破砕したり粒状化する処置
をしなくても、そのまま使用できるものもある。
【0019】このようにして得られた粒状のチーズは、
次いで送風により乾燥させるのであるが、脂肪分や水分
の多い品種の場合には、そのままでは、粒状にしたチー
ズがたがいに付着し合い塊状になってしまうので、乾燥
させる前に、粒状のチーズどうしが付着するのを抑制す
る材料すなわち付着抑制材を各粒状のチーズの表面に付
着させるか又は付着抑制材でその表面を被覆しておく必
要がある。本発明者の試験によれば、原料とするチーズ
が水分42%以下でかつ脂肪分35%以下の場合には、
付着抑制材を使用しなくても乾燥が可能であり、この条
件から外れるチーズを原料とする場合には、付着抑制材
を使用することが好ましい。尚、付着抑制材は、チーズ
どうしの付着を抑制できるかぎり、粒状のチーズの全面
に付着させたり全面を被覆する必要はなく、チーズの表
面の一部に付着させるか又は表面の一部を被覆する程度
でも差し支えない。すなわち、本発明において「付着抑
制材を粒状のチーズの表面に付着させるか又は付着抑制
材で粒状のチーズの表面を被覆する」とは、各粒状のチ
ーズの表面全面もしくは表面の一部に付着抑制材を付着
させるか又は各粒状のチーズの表面全面もしくは表面の
一部を付着抑制材で被覆することを意味する。
【0020】付着抑制材としては、チーズどうしの付着
を防ぐことができ、かつ動物が食して支障のないもので
あれば、どのようなものでも使用して差し支えないが、
好ましいものを例示すると、(1)乳糖、ぶどう糖、砂
糖などの糖類、(2)脱脂粉乳、全脂粉乳、WPCなど
の乳製品、(3)大麦、小麦、ライ麦、燕麦、とうもろ
こし、グレインソルガム、米、粟、そばなどの穀類、
(4)ひまわり粕、なたね粕、綿実粕、大豆粕、ゴマ
粕、エゴマ粕、パーム核粕、ケシ実粕などの油粕、
(5)炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、りん酸カルシ
ウム、二酸化けい素などのミネラル類、(6)芋でんぷ
ん、とうもろこしでんぷん、デキストリンなどのデンプ
ン類、(7)大豆、小豆、らっかせい、そら豆、えんど
う豆などの豆類、(8)大豆たんぱく、カゼインなどの
タンパク質、(9)パルプ粉末などの植物繊維類、(1
0)米ぬか、フスマ、マイロヌカ、ライ麦ヌカ、大麦ヌ
カなどのヌカ類、(11)パン粉類(通常のパン粉の
他、パン類やケーキ類又はこれらの屑もしくは廃棄物を
粉状にしたものを含む。)などを挙げることができる。
付着抑制材としては、これらの中から1種又は2種以上
を選んで適宜使用すればよい。尚、これらの付着抑制材
は、粒状のチーズの表面に付着させるか又はその表面を
被覆する必要があるので、顆粒状ないし粉末状にしたも
のを使用する。
【0021】これらの付着抑制材を粒状のチーズに付着
させる方法としては、量産する場合は、Vミキサー、リ
ボンミキサー、パドルミキサーなどの適宜の混合機を使
用して、付着抑制材と粒状のチーズを混合して付着抑制
材をチーズの全体に十分に行きわたらせ、各チーズの表
面に付着抑制材を付着させるか又はその表面を付着抑制
材で被覆する。両者を十分に混和させることができれ
ば、この混合攪拌によって粒状のチーズが多少崩れたり
変形しても差し支えない。尚、サイレントカッターやフ
ードカッターを用いてチーズを粒状に細切する際には、
そのサイレントカッター、フードカッターに直接付着抑
制材を投入し攪拌を続けて混和させてもよい。この場合
に、板状ないし塊状のチーズと付着抑制材をいっしょに
投入して、チーズを破砕し粒状に細切しながら、粒状の
チーズの表面に付着抑制材を付着させるか又はその表面
を付着抑制材で被覆する方法を採ることもできる。また
少量生産の場合は、付着抑制材を容器の中のチーズに添
加して、手で攪拌しても差し支えない。
【0022】付着抑制材の使用量は、各粒状のチーズの
表面に付着するか又は各粒状のチーズの表面を被覆する
ことができる程度の量であり、したがって粒状のチーズ
どうしが付着して塊にならない程度の量であればよく、
チーズの水分、脂肪分によっても、また使用する付着抑
制材によっても異なる。一般的には、粒状のチーズ10
0容量部(以下「容量部」のことを、たんに「部」と表
す)に対して付着抑制材を0〜500部くらい、好まし
くは、5〜100部くらいを目安にして添加するのがよ
い。
【0023】このようにして、表面に付着抑制材を付着
させたかもしくは表面を付着抑制材で被覆したか又は付
着抑制材を使用しないままの、粒状に細切したチーズを
送風により乾燥させる。送風乾燥の通常の方法として
は、例えば、チーズを乾燥機の乾燥槽に投入し、乾燥槽
の外方の1箇所又は2箇所以上から風を吹き込み乾燥さ
せる。風の温度は、10〜100℃の範囲とし、チーズ
の品温が70℃以下を保つようにしながら、脂肪を溶解
させない状態で乾燥を行なう。
【0024】一般に、チーズの水分含量は、30〜45
%程度であるが、本発明では、チーズを、水分が20%
以下で3%以上、好ましくは15%以下で3%以上の範
囲になるように乾燥させる。チーズの水分が20%を越
えていると、試験例にも示すように、チーズに付着性が
残り、また粉砕性が悪くて配合飼料の原料として使用し
にくく、さらにカビが生えやすくなり異臭を生じること
がある。またチーズの水分を3%未満になるまで乾燥さ
せると、チーズが硬くなって消化に悪くなるので、家畜
の飼料としては不適となる。
【0025】チーズの水分含量の測定方法は、常法にし
たがえばよいが、一例を示すと、測定対象のチーズをラ
ンダムに5gづつ3箇所から秤取し、130℃で2時間
乾燥させ放冷した後その重量を計り、減重量から水分値
を計算して、3箇所の平均値をもって水分含量とする。
【0026】本発明では、このように乾燥させたチーズ
を、飼料原料として、このまま、又はさらに粉砕してか
ら他の原料に混ぜて使用する。配合飼料に使用する場合
は、乾燥させたチーズをさらに粉砕して使用する方が他
の原料と均一に混合しやすくなるので好ましい。乾燥さ
せたチーズを粉砕するには、一般に飼料原料の粉砕に使
用されている粉砕機、例えば、ハンマーミルなどを使用
すればよい。また粉砕する場合の大きさは、3mmメッ
シュ以下にするのが好ましい。
【0027】本発明の飼料用チーズは、主として、配合
飼料の原料の一種として、他の原料とともに配合飼料の
中に混じて使用する。本発明による飼料用チーズの飼料
中への配合量は、特に制限はないが、動物の生産性の向
上への効果を考慮する場合には、配合飼料全体の中に1
〜40%程度加配するのが好ましい。
【0028】本発明の飼料用チーズは、子豚や子牛の餌
付飼料原料として使用できる他、成豚、成牛、養鶏用の
飼料原料として使用できる。また犬や猫などの一般動物
用の飼料原料としても使用できる。
【0029】
【作用】本発明の飼料用チーズとその製造方法は、チー
ズを粒状に細切し、送風により水分が3〜20%になる
ように乾燥させることにしたので、チーズの栄養価を損
なうことなく、安いコストでチーズの保存性を向上さ
せ、しかもチーズ特有の付着性を除去することができ
る。また本発明の飼料用チーズとその製造方法では、チ
ーズの水分を減少させることによって、チーズの粉砕性
を向上させることができるので、チーズを配合飼料の原
料の一つとして他の原料とともに使用できる。さらに本
発明の飼料用チーズとその製造方法は、水分や脂肪分の
多い品種のチーズの場合には、粒状に細切したチーズの
表面に付着抑制材を付着させるか又はその表面を付着抑
制材で被覆した後乾燥させることにしたので、屑チーズ
をはじめどのような品種のチーズであっても、その栄養
価を滅失させることなく、安いコストでチーズ特有の付
着性を除去し、粉砕性を向上させることができる。さら
に本発明に係る配合飼料は、本発明の飼料用チーズを配
合してあるので、これを配合していない飼料に比べて、
動物の嗜好性が向上し、餌養効率も向上する。
【0030】
【実施例1】<飼料用チーズの製造例1>チーズ工場で
排出された屑チーズをフードカッターに入れ、概ね直径
2〜3mmの粒状に細切した。フードカッターの中でこ
の粒状のチーズ100部に対して二酸化けい素粉末2部
を添加してさらに攪拌を続け、二酸化けい素粉末を各粒
状のチーズの表面に付着させた。次いでこの粒状のチー
ズを乾燥機の乾燥槽に入れて、下面の1箇所から50℃
の温風を吹き込んだ。約6時間で水分5%の乾燥した粒
状のチーズ(飼料用チーズ)を得ることができた。
【0031】
【実施例2】<飼料用チーズの製造例2>チーズ工場か
ら排出された屑チーズと賞味期限が切れた板状のプロセ
スチーズとを略等量混ぜ合わせた混合チーズをミートチ
ョッパーにかけて粒径約6mmの粒状チーズを製した。
次いでこの粒状のチーズをVミキサーに移し、粒状のチ
ーズ100部に対して脱脂粉乳20部を添加して攪拌
し、脱脂粉乳を粒状チーズの表面に略まんべんなく付着
させた。次いでこの粒状チーズを乾燥機の乾燥槽に入れ
て、上面、下面の2箇所から各60℃の温風を吹き込ん
だ。約7時間で水分7%の乾燥した粒状のチーズ(飼料
用チーズ)を得ることができた。
【0032】
【実施例3】<飼料用チーズの製造例3>店舗から返品
された賞味期限切れのスライスチーズについて、包装を
除去した後、4mmの刃を付けたチーズシュレッダーで
細切した。この粒状チーズをリボンミキサーに移し、粒
状チーズ100部に対してホエイパウダー10部を添加
して攪拌し、粒状チーズの表面に付着させた。ついでこ
の粒状チーズを乾燥機の乾燥槽に入れて、上面から60
℃の熱風を吹き付けた。約5時間で水分4%の乾燥した
粒状チーズ(飼料用チーズ)を得た。
【0033】
【実施例4】<飼料用チーズの製造例4>水分60%、
脂肪分25%のクリームチーズ100部に実施例3で製
した粒状チーズ(ホエイパウダーをまだ付着させていな
いもの)100部及びパルプ粉末10部をサイレントカ
ッターに投入して混合攪拌し、粒状チーズの表面にパル
プ粉末を付着させた。この粒状チーズを乾燥機の乾燥槽
に入れて、下面から40℃の温風を吹き込んだ。約7時
間かけて水分5%の乾燥した粒状チーズ(飼料用チー
ズ)を得た。
【0034】
【実施例5】<飼料用チーズの製造例5(付着抑制材を
使用しない例)>水分40%、脂肪分29%のゴーダチ
ーズの裁断屑をサイレントカッターに投入し、概ね直径
2〜5mmの粒状に細切した。この粒状チーズを送風乾
燥機に投入し、下面及び側面から45℃の温風を吹き込
んだ。約8時間で水分3%の乾燥した粒状のチーズ(飼
料用チーズ)を得ることができた。
【0035】
【実施例6】<配合飼料の製造例1>実施例2で製した
乾燥粒状チーズ(飼料用チーズ)を奈良式粉砕機にかけ
て約2mmメッシュの大きさに破砕してから、以下の配
合割合で他の原料と混合した後、ペレットマシンでペレ
ットにして子豚用飼料を製造した。 配合割合 小麦粉 20部 ビートパルプ 20部 とうもろこし 20部 大豆粕 15部 飼料用チーズ 20部 その他の原料 5部
【0036】
【実施例7】<配合飼料の製造例2>実施例2で製した
乾燥粒状チーズ(飼料用チーズ)をハンマーミルにかけ
て約3mmメッシュの大きさに破砕して、以下の配合割
合で他の原料と混合した後、ペレットマシンでペレット
にして子豚用飼料を製造した。 配合割合 小麦粉 30部 とうもろこし 30部 ぶどう糖 10部 動物性油脂 10部 血漿タンパク 5部 飼料用チーズ 10部 その他の原料 5部
【0037】
【実施例8】<配合飼料の製造例3>実施例2で製した
乾燥粒状チーズ(飼料用チーズ)を奈良式粉砕機にかけ
て約3mmメッシュの大きさに破砕してから、以下の配
合割合で他の原料とリボンミキサーを用いて混合して、
子牛用飼料を製造した。 配合割合 全脂大豆粉 15部 とうもろこし粉 15部 脱脂粉乳 10部 全脂粉乳 10部 飼料用チーズ 30部 その他の原料 20部
【0038】
【実施例9】<配合飼料の製造例4>実施例2で製した
乾燥粒状チーズ(飼料用チーズ)をハンマー式粉砕機に
かけて約2mmメッシュの大きさに粉砕し、以下の配合
割合で他の原料と混合した後米国ウエンガー社製のエク
ストルダーで直径10mmの大きさに成形した。粒状成
形したものを流動層乾燥で乾燥後、60℃で溶解した牛
脂を外割り5%で噴霧し粒状飼料に吸収させてから、さ
らに飼料用チーズを粉砕したものをこの粒状飼料の表面
に5%の割合でまぶして、犬の嗜好性を向上させ、幼犬
用のペットフードを製造した。 配合割合 とうもろこし 25部 大豆粕 20部 ミートミール 20部 小麦粉 10部 飼料用チーズ 15部 その他の原料 10部
【0039】
【実施例10】<配合飼料の製造例5(付着抑制材を使
用していない飼料用チーズの配合例)>実施例5で製し
た飼料用チーズ(水分3%のもの)を以下の配合割合で
他の原料とともに混合した。この配合したものを1mm
のスクリーンをつけたハンマーミルで粉砕後、シュギ社
製の造粒機を通して顆粒状にして、子豚用人工乳を製造
した。 配合割合 脱脂粉乳 20部 乾燥ホエー 20部 小麦粉 15部 きな粉 10部 飼料用チーズ 20部 その他の原料 15部
【0040】
【試験例1】<乾燥チーズの保存試験>プロセスチーズ
を乾燥させ、温度37℃、湿度90%の状態に保存し、
その水分含量ごとの保存期限を試験し、表1の結果を得
た。尚、水分3%未満になったものは、硬くなって砕く
のがやや困難であった。
【表1】 <水分含量> <異臭又はかび発生までの日数> 3% 150日以上 5 150日以上 10 150日以上 15 150日以上 20 120日 22 45日 25 15日 30 10日
【0041】
【試験例2】<乾燥コストの比較試験>同じプロセスチ
ーズを使用して、水分が5%になるまで、実施例1の送
風乾燥機を用いて乾燥させた場合(本発明法)とスプレ
イドライヤーを用いて乾燥させた場合(比較法)のチー
ズ1kg当たりの乾燥コストをそれぞれ算出し、表2の
結果を得た。
【表2】 <本発明法> <比較法> 乾燥装置 送風乾燥機 スプレイドライヤー (ロータリーアドマイザー式) 乾燥方法 粒状チーズに下方から チーズを95℃で溶解した後 50℃の温風を吹きつけ 200℃の熱風でスプレイ 装置の原価償却 15円 40円 ランニングコスト 4円 20円 コスト合計 19円/kg 60円/kg
【0042】
【試験例3】<チーズの保存試験>実施例1で製した乾
燥チーズ(本発明品:水分5%)と乾燥させていないプ
ロセスチーズ(比較例品:水分55%)について、それ
ぞれ保存試験を行なった。尚、保存条件は、温度35
℃、湿度80%で、一般細菌数(個/g)を2週間ごと
に測定し表3の結果を得た。
【表3】 <本発明品> <比較品> 保存当日 3.3×104 8.0×104 2週間保存 1.2×105 9.2×106 4週間保存 4.1×102 3.5×106 6週間保存 5.8×10 1.1×106
【0043】上記の試験例の結果から、本発明の飼料用
チーズを配合した飼料は、他の発酵乳製品を配合した飼
料と比較して家畜に対する飼養効率が向上することが理
解できる。またチーズを乾燥することによって、乾燥し
ていないチーズと比べて、保存性が格段に向上すること
が理解できる。
【0044】
【試験例4】<乾燥チーズの粉砕試験>水分41%、脂
肪分25%のゴーダチーズの裁断屑をミートチョッパー
を通して粒径約5mmの粒状チーズに製した。ついでこ
の粒状チーズを乾燥機に入れて50℃の温風を吹き込ん
で乾燥した。乾燥機から水分30%、25%、20%、
15%、10%、5%の乾燥チーズを順次抜き取り、そ
の各々を2mmのスクリーンをつけた奈良式粉砕機に投
入し、粉砕が可能かどうかを試験した。その結果を、表
4に示す。
【表4】 表4の結果から、水分20%以下に乾燥させた場合、チ
ーズが機械によって粉砕できるような性状になることが
理解できる。
【0045】
【試験例5】<子豚飼養試験>実施例1で製した飼料用
チーズを配合した配合飼料(本発明品)と飼料用チーズ
を配合していない配合飼料(比較品)とを、同じ条件で
子豚に供与して比較飼養試験を行ない、表5(3)の結
果を得た。
【表5】 (1)配合割合 <本発明品> <比較品> 小麦粉 20部 20部 脱脂粉乳 20部 30部 とうもろこし 20部 20部 大豆粕 15部 15部 飼料用チーズ 10部 ─── その他の原料 15部 15部 (2)製造方法 飼料用チーズは、粉砕機にかけて3mmメッシュに粉砕
して使用した。上記の全原料を混合した後それぞれペレ
ットマシンでペレットにして飼料とした。 (3)飼養試験の結果(それぞれ子豚10頭について、飼育9日間) <本発明区> <比較区> 増体重(kg) 4.18 3.35 飼料摂取量(g/日) 579 478 要求率 1.25 1.27 下痢柔便発生率(%) 0.0 8.3
【0046】
【試験例6】<子豚嗜好性試験>実施例3で製した飼料
用チーズ(水分4%のもの)を2mmのスクリーンをつ
けた奈良式粉砕機にかけて粉末状化した。この粉末状飼
料用チーズを以下の配合の子豚用配合飼料に5%外割り
で添加した配合飼料と添加していない配合飼料とで嗜好
性の比較試験を実施し、表6(3)の結果を得た。
【表6】(1)配合割合 脱脂粉乳 20部 パン粉 20部 小麦粉 15部 乾燥ホエー 10部 とうもろこし粉 10部 きな粉 10部 その他の原料 15部 (2)試験方法 体重7kg前後の子豚を豚房に10頭入れて、豚房の中
に2つのフィーダーを置き、その一方に飼料用チーズ無
配合の飼料、他の一方に本発明の飼料用チーズを外割り
で5%添加した飼料を入れ、4日間、選択摂取させた。 (3)嗜好性試験結果 <飼料用チーズ添加配合飼料> <無添加配合飼料> 摂取量(g/日/頭) 393 226 摂取比率(%) 63.5 36.5 上記の結果から、本発明の飼料用チーズを添加すること
によって、明らかに嗜好性の向上が確認された。
【0047】
【発明の効果】以上詳細に説明したとおり、本発明は、
チーズを粒状に細切し、これを送風により水分が3〜2
0%になるように乾燥させることにしたので、チーズの
栄養価を損なうことなく、チーズ特有の付着性を除去す
ることができる。その上、チーズの保存性と粉砕性を向
上できるので、チーズを飼料原料の一つとして、しかも
安価なコストで、他の原料に混じて使用することができ
るようになる。また本発明によれば、水分や脂肪分の多
い品種のチーズについて、これを乾燥させる前に付着抑
制材を添加し、粒状に細切したチーズの表面に付着抑制
材を付着させるか又はその表面を付着抑制材で被覆した
後乾燥させることにしたので、屑チーズをはじめ、あら
ゆる品種のチーズについて、その栄養価を損なうことな
く、安価なコストで、その付着性を除去することができ
る。したがって本発明によれば、従来廃棄していた屑チ
ーズなどを飼料原料の一つとして有効に活用できるよう
になる。
【0048】本発明によって、チーズを配合飼料の原料
として使用できるようになり、さらに本発明の飼料用チ
ーズを配合した飼料は、他の発酵乳製品を配合した飼料
に比べて嗜好性が向上し、飼養効率も向上するので、本
発明は、家畜の栄養補給の途に大きく貢献するものであ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水分が3〜20重量%の粒状の乾燥チー
    ズからなる飼料用チーズ。
  2. 【請求項2】 粒状のチーズの表面に付着抑制材を付着
    させてあるか又はその表面を付着抑制材で被覆してあ
    り、水分を3〜20重量%に乾燥させてある飼料用チー
    ズ。
  3. 【請求項3】 付着抑制材として、粉末状ないし顆粒状
    の糖類、穀類、油粕、乳製品、ミネラル類、植物繊維
    類、でんぷん類、豆類、タンパク質、ヌカ類、パン粉類
    の1種又は2種以上を使用する請求項2に記載の飼料用
    チーズ。
  4. 【請求項4】 粒状に細切したチーズを送風により乾燥
    させ、水分を3〜20重量%とすることを特徴とする飼
    料用チーズの製造方法。
  5. 【請求項5】 付着抑制材を添加して、粒状に細切した
    チーズの表面に付着抑制材を付着させるか又はその表面
    を付着抑制材で被覆した後、送風により乾燥させ、水分
    を3〜20重量%とすることを特徴とする飼料用チーズ
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 付着抑制材として粉末状ないし顆粒状の
    糖類、穀類、油粕、乳製品、ミネラル類、植物繊維類、
    でんぷん類、豆類、タンパク質、ヌカ類、パン粉類の1
    種又は2種以上を使用する請求項5に記載の飼料用チー
    ズの製造方法。
  7. 【請求項7】 水分が3〜20重量%の乾燥チーズを他
    の原料とともに配合してある配合飼料。
JP11010123A 1999-01-19 1999-01-19 飼料用チ―ズ及びその製造方法並びにそれを用いた配合飼料 Pending JP2000201630A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11010123A JP2000201630A (ja) 1999-01-19 1999-01-19 飼料用チ―ズ及びその製造方法並びにそれを用いた配合飼料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11010123A JP2000201630A (ja) 1999-01-19 1999-01-19 飼料用チ―ズ及びその製造方法並びにそれを用いた配合飼料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000201630A true JP2000201630A (ja) 2000-07-25

Family

ID=11741529

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11010123A Pending JP2000201630A (ja) 1999-01-19 1999-01-19 飼料用チ―ズ及びその製造方法並びにそれを用いた配合飼料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000201630A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Hancock et al. Use of ingredient and diet processing technologies (grinding, mixing, pelleting, and extruding) to produce quality feeds for pigs
JPS60210953A (ja) 飼料およびその製造法
JP2005130747A (ja) 家禽ひなのクランブル飼料及び家禽ひなの飼育方法
CN101011113A (zh) 适用于乳猪的饲料
TW201803455A (zh) 家禽用飼料、家禽的肌胃重量的增加方法以及家禽的飼養方法
CN102599372A (zh) 一种小麦型猪饲料
US6451370B1 (en) Complete animal feed with potato component
EP3579703B1 (en) Pelleting process for making an animal feed pellet
JP6588336B2 (ja) ペットフード
JP3999237B2 (ja) 飼料組成物
US20130323365A1 (en) Animal feeds and processes for producing same
WO2008010696A1 (fr) Aliment combiné pour animaux et volaille de ferme
CN106306446A (zh) 羊tmr颗粒生物饲料及其制备方法
EP4061141B1 (en) Process for making animal feed mash agglomerates, animal feed mash agglomerates and use of gelatinised starch
JP2000201630A (ja) 飼料用チ―ズ及びその製造方法並びにそれを用いた配合飼料
JPH10127233A (ja) ペットフード及びその製造方法
CN104886348A (zh) 牲畜草颗粒混合饲料的加工技术
KR102371578B1 (ko) 사료 바인더용 조성물, 및 이를 포함하는 동물 사료용 조성물
CA2403719A1 (en) Complete animal feed with potato component
RU2787373C1 (ru) Способ производства кормов на основе ферментолизата мелких азово-черноморских рыб
JPS63173545A (ja) 子豚用顆粒状飼料
JPS596845A (ja) 籾殻による粗飼料ペレツトの製造方法
CN112075531A (zh) 微生物水产饲料及其制备方法和应用
JP4387444B2 (ja) 家畜用人工乳の製造方法
JPH11318346A (ja) 飼料用チーズとその製造方法