JP2000200947A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP2000200947A JP31172399A JP31172399A JP2000200947A JP 2000200947 A JP2000200947 A JP 2000200947A JP 31172399 A JP31172399 A JP 31172399A JP 31172399 A JP31172399 A JP 31172399A JP 2000200947 A JP2000200947 A JP 2000200947A
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修 今藤
Shinji Nakamura
真嗣 中村
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賢児 折田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体装置における転位密度を減少させ、か
つクラックをなくす。 【解決手段】 珪素が添加された厚さ100μmのn型
Al0.1Ga0.9N基板10の表面上に膜厚1.0μmの
n型クラッド層11、膜厚30ÅのIn0.15Ga 0.85
井戸層と膜厚50ÅのIn0.05Ga0.95Nバリア層とを
交互に10層ずつ繰り返し、多重量子井戸として形成し
た活性層12、膜厚1.0μmのp型クラッド層13お
よび膜厚1.5μmのp型コンタクト層14が順次形成
される。さらにn型Al0.1Ga0.9N基板10の裏面に
n型オーミック電極15が形成され、またp型GaNコ
ンタクト層14の上にp型オーミック電極16が形成さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置、特
に、窒化ガリウム系化合物半導体を用いた発光装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウ
ム(InN)、窒化アルミニウム(AlN)に代表され
るIII−V族窒化ガリウム系化合物半導体は、1.9〜
6.2eVにおよぶ広範なバンドギャップエネルギーを
有し、可視域から紫外域までをカバーする発光・受光デ
バイス用半導体材料として有望である。とりわけ、この
材料により実現される発振波長が400nm付近の青紫
色半導体発光装置は、次世代の超高密度光ディスク用の
光源の極めて有力な候補であり、その研究開発が盛んに
進められている。
【0003】窒化ガリウム系化合物半導体発光装置にお
いて波長400nm付近のレーザ発振を得るために、従
来より活性層としてInxGa1-xN(0.1≦x≦0.
2)を、またクラッド層として光を効果的に閉じ込める
ために活性層よりも屈折率が小さい材料であるAly
1-yN(0≦y≦1)を用いることが知られている。
【0004】また、この窒化ガリウム系化合物半導体発
光装置を、有機金属気相成長法(以下MOCVD法とい
う)を用い、サファイア(Al23)基板、炭化珪素
(SiC)基板または窒化ガリウム基板の上に作製する
技術が従来より知られている。
【0005】以下、図面を参照しながら従来の窒化ガリ
ウム系化合物半導体発光装置を説明する。
【0006】従来の窒化ガリウム系化合物半導体発光装
置は、図4にその断面図を示すように、サファイア基板
1の上にGaNよりなるバッファ層2、n型GaNより
なるn型コンタクト層3、n型Aly1Ga1-y1N(0<
y1≦1)よりなるn型クラッド層4、In0.15Ga
0.85N井戸層とIn0.05Ga0.95Nバリア層とを交互に
多重量子井戸として形成した活性層5、p型Aly2Ga
1-y2N(0<y2≦1)よりなるp型クラッド層6、p
型GaNよりなるp型コンタクト層7が順次形成され、
さらにn型コンタクト層3の上にn型オーミック電極8
が形成され、p型コンタクト層7の上にp型オーミック
電極9が形成された構造を有している。
【0007】バッファ層2はサファイア基板1と、その
上のn型コンタクト層3をはじめとする窒化ガリウム系
化合物半導体よりなる層との格子不整合を緩和し、かつ
窒化ガリウム系化合物半導体よりなる層の結晶性を向上
させるための役割を果たす。また、通常窒化ガリウム系
化合物半導体よりなる層の結晶性をさらに向上させるた
めにn型コンタクト層3の膜厚は2μm以上としてい
る。
【0008】活性層5で発生した光を十分に閉じ込める
ためには、n型クラッド層4およびp型クラッド層6に
ついて、Al組成を大きくするかまたは膜厚を大きくす
る必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の従
来の窒化ガリウム系化合物半導体発光装置に関して、次
のような問題があった。
【0010】まず、AlzGa1-zN(0<z≦1)はA
23やGaNよりも硬度が大きく、しかもこの傾向は
Al組成が大きくなるにつれて著しくなるため、例えば
サファイア基板1の上に、基板よりも厚さの小さい、A
zGa1-zNよりなるn型クラッド層4またはp型クラ
ッド層6を形成した場合、サファイア基板1とn型クラ
ッド層4またはp型クラッド層6との間の格子不整合に
より発生する転位やクラックがn型クラッド層4または
p型クラッド層6に集中して発生し、特にAl組成が大
きくなるにつれて転位やクラックが著しく発生するとい
う問題があった。
【0011】また、n型コンタクト層3の上にn型クラ
ッド層4を形成する場合、AlzGa1-zNはGaNより
も格子定数が小さく、しかもこの傾向はAl組成が大き
くなるにつれて著しくなるため、n型クラッド層4の膜
厚やAl組成を大きくするとn型クラッド層4内に転位
やクラックが発生し、それが窒化ガリウム系化合物半導
体発光装置に及び、窒化ガリウム系化合物半導体発光装
置の特性を悪化させるという問題があった。
【0012】さらに、AlzGa1-zNはGaNよりも熱
膨張係数が大きく、しかもこの傾向はAl組成が大きく
なるにつれて著しくなるため、結晶成長時においてはn
型クラッド層4およびp型クラッド層6の結晶性が良好
であっても、結晶成長温度から室温に戻す降温過程にお
いて、n型クラッド層4およびp型クラッド層6に引っ
張り歪がかかり、それによって窒化ガリウム系化合物半
導体発光装置内に転位やクラックが生じ、特にAl組成
が大きくなるにつれてクラックが著しく発生するという
問題があった。
【0013】一方、上記問題を回避するためにn型クラ
ッド層4およびp型クラッド層6の層厚を薄くすれば、
その厚さは活性層5に光を閉じ込めるには不十分なもの
となっていた。
【0014】そのため、従来の窒化ガリウム系半導体発
光装置には109cm-2の欠陥密度が存在し、かつクラ
ックが生じていた。その結果、活性層における発光効率
が低下し、しきい値電流が60mAと特性の悪いものし
か得られなかった。
【0015】本発明は、上記従来の課題を解決するため
になされたもので、活性層への十分な光閉じ込めを実現
しつつクラックの生じにくい新しい構造を提案し、低し
きい値電流の窒化ガリウム系半導体装置を提供すること
を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置は、
AlxGa1-xN(0<x<1)からなる基板と、前記基
板の上に形成されたAlを含むIII族窒化物半導体よ
りなる第1半導体層と、を備え、前記基板のAl組成比
xと前記第1半導体層のAl組成比との差が0.15よ
り小さい半導体装置により上記目的が達成される。
【0017】前記半導体装置は、前記第1半導体層の上
に形成され、かつ前記第1半導体層よりも禁制帯幅が小
さいIII族窒化物半導体からなる活性層と、前記活性
層の上に形成された、前記第1半導体層と異なる導電型
を有するAlを含むIII族窒化物半導体の第2半導体
層とをさらに備えてもよい。
【0018】前記半導体装置は、前記基板のAl組成比
xと前記第2半導体層のAl組成比との差および前記第
1半導体層のAl組成比と前記第2半導体層のAl組成
比との差がいずれも0.15より小さくてもよい。
【0019】前記半導体装置は、前記基板の厚さが20
μm以上であってもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0021】本発明の実施の形態における窒化ガリウム
系半導体発光装置は、図1にその断面図を示すように、
珪素が添加され、かつキャリア密度が5×1018cm-3
である厚さ100μmのn型Al0.1Ga0.9N基板10
の表面上に膜厚が1.0μmのn型Al0.15Ga0.85
(禁制帯幅約3.68eV)よりなるn型クラッド層1
1(第1半導体層11)、膜厚が30ÅのIn0.15Ga
0.85N井戸層(禁制帯幅約2.76eV)と膜厚が50
ÅのIn0.05Ga0.95Nバリア層(禁制帯幅約3.16
eV)とを交互に10層ずつ繰り返し、多重量子井戸と
して形成した活性層12、膜厚が1.0μmのp型Al
0.15Ga0.85Nよりなるp型クラッド層13(第2半導
体層13)、膜厚が1.5μmのp型GaNよりなるp
型コンタクト層14が順次形成され、さらにn型Al
0.1Ga0.9N基板10の裏面にn型オーミック電極15
が形成され、p型GaNコンタクト層14の上にp型オ
ーミック電極16が形成された構造を有している。
【0022】ここで、p型クラッド層13およびp型コ
ンタクト層14は電流狭窄のため幅2μmのリッジ形状
を有する。また、n型クラッド層11およびp型クラッ
ド層13は光ガイド層の役目も果たす。
【0023】n型クラッド層11には珪素が添加され、
キャリア密度は5×1018cm-3である。また、p型ク
ラッド層13およびp型コンタクト層14にはマグネシ
ウムが添加され、キャリア密度はどちらも1×1018
-3である。
【0024】また、n型オーミック電極15はn型Al
0.1Ga0.9N基板10側より厚さが100Åのチタンお
よび厚さが0.3μmのアルミニウムが順次形成された
構造を有し、p型オーミック電極16はp型コンタクト
層14側より厚さが0.1μmのニッケルおよび厚さが
0.3μmの金が順次形成された構造を有している。
【0025】この窒化ガリウム系半導体発光装置は、リ
ッジの長手方向に垂直な方向に長さ1000μmの共振
器を有し、その共振器端面にはSiO2とTiO2とから
なる高反射率コーティング(不図示)が施されている。
【0026】この構成により、n型Al0.1Ga0.9N基
板10を用いているので、n型Al 0.1Ga0.9N基板1
0とn型クラッド層11およびp型クラッド層13との
間の格子定数の差および熱膨張係数の差を、従来のサフ
ァイアやGaNを基板に用いた場合よりも小さくするこ
とができる。また、n型Al0.1Ga0.9N基板10の硬
度が大きいので、n型Al0.1Ga0.9N基板10に転位
を生じさせることができる。その結果、転位密度が小さ
くかつクラックが従来よりも著しく少ない窒化ガリウム
系半導体発光装置を得ることができる。
【0027】この構成において、基板の組成比と第1半
導体層の組成比との差はクラック発生を防止するという
視点からできるだけ小さいことが好ましい。その差は
0.15より小さければ十分である。例えば、上述した
ように、基板Al0.1Ga0.9N、n型Al0.15Ga0.85
Nよりなるn型クラッド層の場合には、その差は0.0
5である。その差は、0.05以下であることがさらに
好ましい。
【0028】また、この構成により、n型Al0.1Ga
0.9N基板10とn型クラッド層11およびp型クラッ
ド層13とのAl組成の差は0.05であるので、クラ
ックを従来よりも著しく少なくして形成できるn型クラ
ッド層11およびp型クラッド層13の厚さをそれぞれ
1.5μm以上とすることができ、その結果活性層12
に十分に光を閉じ込めることができ、窒化ガリウム系半
導体発光装置の特性を従来よりも向上させることができ
る。
【0029】さらに、AlxGa1-xN基板10およびA
yGa1-yNよりなるn型クラッド層11のAl組成比
がy<xである場合、なお望ましい。この場合、基板1
0およびn型クラッド層11の格子定数をそれぞれ
s、alとすると、as<alの関係を有する。クラッド
層の格子定数が基板の格子定数より大きくなるため、ク
ラッド層には圧縮歪がかかり、引っ張り歪がかかる時と
比較して、クラックが生じにくい。
【0030】本発明の実施の形態における窒化ガリウム
系半導体発光装置は、以下の方法により製造される。
【0031】まずハイドライド気相エピタキシャル(H
VPE)法によりサファイア基板の上に珪素を添加した
Al0.1Ga0.9Nを100μm結晶成長し、サファイア
基板を除去してn型Al0.1Ga0.9N基板10を作製す
る。
【0032】次にn型Al0.1Ga0.9N基板10をMO
CVD炉に導入し、全圧が1気圧のアンモニアおよび水
素の混合ガスの雰囲気中で1000℃まで昇温した後、
トリメチルアルミニウム(以下TMAという)、トリメ
チルガリウム(以下TMGという)およびシラン(以下
SiH4という)を供給し、n型クラッド層11を結晶
成長する。
【0033】続いて、TMG、TMA、SiH4の供給
を停止し、基板温度を800℃まで降温する。TMGお
よびトリメチルインジウム(以下TMIという)を供給
し、膜厚が30ÅのIn0.15Ga0.85N井戸層と膜厚が
50ÅのIn0.05Ga0.95Nバリア層とを交互に10層
ずつ繰り返し、多重量子井戸の活性層12を形成する。
【0034】次に、TMGとTMIの供給を停止し、基
板温度を再び1000℃まで上昇させたのち、TMA、
TMGおよびシクロペンタジエニルマグネシウム(以下
Cp 2Mgという)を供給し、p型クラッド層13を形
成する。
【0035】さらに、TMAの供給のみを停止して、p
型コンタクト層14を形成する。
【0036】以上の結晶成長の後、p型クラッド層13
およびp型コンタクト層14にドライエッチングを施し
て幅2μmのリッジ形状を形成し、n型オーミック電極
15およびp型オーミック電極16を、n型Al0.1
0.9N基板10の裏面およびp型コンタクト層14の
上にそれぞれ形成する。
【0037】その後、n型Al0.1Ga0.9N基板10を
劈開し、リッジの長手方向に垂直な方向に長さ1000
μmの共振器を形成する。最後に、共振器端面にSiO
2とTiO2との多層膜からなる高反射率コーティングを
施す。
【0038】以下、本発明の窒化ガリウム系半導体発光
装置に関する特性について説明する。
【0039】本発明の窒化ガリウム系半導体発光装置の
発振波長は410nmであり、発振しきい値電流は20
mAと、従来よりも大幅に発振しきい値電流を低減させ
ることができた。
【0040】また、窒化ガリウム系半導体発光装置を光
学顕微鏡および透過電子顕微鏡により観察したところ、
転位密度は106cm-2と従来の10-3倍であり、かつ
クラックは見当たらなかった。
【0041】本発明の窒化ガリウム系半導体発光装置に
関する良好な特性を考察するために、以下に示す実験を
行った。
【0042】厚さが100μmのAltGa1-tN基板の
組成tを変化させ、その上にAlsGa1-sN層(0≦s
≦1)を結晶成長させたときの、組成tとクラック無し
で結晶成長可能なAlsGa1-sN層の最大膜厚との関係
を調べた。クラックの発生状況の判断は、光学顕微鏡を
用いた表面観察により行った。その結果を図2に示す。
図2において、曲線a、b、cおよびdはs=0.0
5、s=0.10、s=0.15およびs=0.20の
場合をそれぞれ表す。図2より、組成tと組成sとの差
が小さいほどクラック無しで結晶成長可能なAlsGa
1-sN層の最大膜厚が大きくなることがわかった。特に
t=0すなわちGaN基板の場合、Al0. 15Ga0.85
層がクラック無しで結晶成長可能な最大膜厚は0.5μ
mであったが、Al0.1Ga0.9N基板の場合、Al0.15
Ga0.85N層がクラックなしで結晶成長可能な最大膜厚
は3μmであった。これは、組成tと組成sとの差が小
さいほどAltGa1-tN基板とAlsGa1-sN層との格
子定数の差および熱膨張係数の差が小さくなり、その結
果AlsGa1-sN層にクラックが発生しにくくなるため
と考えられる。
【0043】図2において、基板のAl組成0.05の
上に1μmのAlsGa1-sNをクラックなしで成長でき
る組成sの上限は0.2程度となり、基板のAl組成t
とAlsGa1-sN層のAl組成sとの差は0.15程度
となる。
【0044】それぞれの厚さが100μmのGaN基板
およびAl0.1Ga0.9N基板の上にAl0.15Ga0.85
層を形成した。その結果、GaN基板に関してはAl
0.15Ga0.85N層にクラックが生じ、かつAl0.15Ga
0.85N層の転位密度は109cm-2であった。一方、A
0.1Ga0.9N基板に関してはAl0.15Ga0.85N層に
クラックは生じず、かつAl0.15Ga0.85N層の転位密
度は106cm-2であった。これは基板とAl0.15Ga
0.85N層との格子定数の差および熱膨張係数の差による
だけでなく、Al0.1Ga0.9N基板のほうがGaN基板
より硬度が大きく、その結果Al0.1Ga0.9N基板のほ
うにも転位が生じ、相対的にAl0.15Ga 0.85N層に転
位が生じにくくなるためと考えられる。
【0045】本発明の窒化ガリウム系半導体発光装置が
従来よりも特性が良好なのは、以上の実験結果が示すよ
うにn型Al0.1Ga0.9N基板10の上にn型クラッド
層11およびp型クラッド層13を、それぞれの膜厚が
1.0μmと厚く、転位密度およびクラックの発生を従
来よりも減少させて形成でき、その結果窒化ガリウム系
半導体発光装置内において転位密度およびクラックの発
生を従来よりも減少させることができて窒化ガリウム系
半導体発光装置の発光効率を向上させ、また活性層12
に効果的に光を閉じ込めることができたからであると考
えられる。
【0046】
【実施例】次に、本発明の一実施形態における窒化ガリ
ウム系半導体発光装置の実施例として、n型Al0.1
0.9N基板10の厚さと窒化ガリウム系半導体発光装
置の特性との関係について説明する。
【0047】n型Al0.1Ga0.9N基板10の厚さが小
さくなるほど窒化ガリウム系半導体発光装置における転
位密度は小さくなった。特にn型Al0.1Ga0.9N基板
10の厚さが40μmのとき、窒化ガリウム系半導体発
光装置における転位密度は105cm-2であった。これ
はn型Al0.1Ga0.9N基板10の厚さを小さくするこ
とによりn型Al0.1Ga0.9N基板10のほうに転位が
生じ、その上に形成されるn型クラッド層11等の窒化
ガリウム系半導体層に転位が生じにくくなるためと考え
られる。
【0048】n型Al0.1Ga0.9N基板10の厚さと基
板の割れに起因する窒化ガリウム系半導体発光装置の歩
留まり率との関係は、図3に示すようになった。図3か
ら明らかなように、n型Al0.1Ga0.9N基板10の厚
さが20μm以下になると、歩留まり率が急激に低下す
ることがわかった。したがって、n型Al0.1Ga0.9
基板10の厚さは20μm以上とすることが望ましいこ
とがわかった。
【0049】なお、上記実施の形態において、n型クラ
ッド層11とp型クラッド層13のAl組成は異なって
いてもよい。
【0050】なお、以上の説明では、窒化ガリウム化合
物半導体発光装置を例にして説明したが、本発明は半導
体発光装置には限定されない。本発明は、基板とその基
板の上に形成されるAlを含むIII族窒化物半導体層
よりなる第1半導体層を有する半導体装置に適用され得
る。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
AlxGa1-xN(0<x<1)基板と該基板上に形成さ
れたAlを含むIII族窒化物半導体よりなる第1半導
体層との間のAl組成比の差を0.15より小さくする
ことにより、基板と第1半導体層の格子定数の差、熱膨
張係数の差を小さくすることができる。また、Alx
1-xN基板の硬度が大きいので、AlxGa1-xN基板
にクラックまたは転位を生じさせることができる。
【0052】また、第1半導体層の上に、記第1半導体
層よりも禁制帯幅が小さいIII族窒化物半導体からな
る活性層と、前記第1半導体層と異なる導電型を有する
Alを含むIII族窒化物半導体の第2半導体層とを備
えることにより、活性層への光閉じ込めを実現しつつク
ラックの生じにくい半導体装置を提供することができ
る。
【0053】また、AlxGa1-xN基板と第1半導体層
および第2半導体層とのAl組成の差を0.15より小
さくすることにより、従来よりもクラックの発生を著し
く少なくして形成でき、第1半導体層および第2半導体
層の厚さをそれぞれ0.5μm以上にすることができ
る。さらに、AlxGa1-xN基板と第1半導体層、Al
xGa1-xN基板と第2半導体層、第1半導体層と第2半
導体層、とのAl組成比の差を0.05以下にすること
により、n型クラッド層およびp型クラッド層の厚さを
それぞれ1.5μm以上とすることができる。その結
果、活性層に十分に光を閉じ込めることができ、半導体
装置の特性を従来よりも向上させることができる。
【0054】さらに、基板の厚さを20μm以上とする
ことにより、基板の割れに起因する歩留まり率の低下を
抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における窒化ガリウム系半
導体発光装置の断面図である。
【図2】AltGa1-tN基板上にクラック無しで結晶成
長可能なAlsGa1-sN層の最大膜厚とAl組成tおよ
びsとの関係を示す図である。
【図3】n型Al0.1Ga0.9N基板の厚さと、基板の割
れに起因する歩留まり率との関係を示す図である。
【図4】従来の窒化ガリウム系半導体発光装置の断面図
である。
【符号の説明】
10 n型Al0.1Ga0.9N基板 11 n型クラッド層 12 活性層 13 p型クラッド層 14 p型コンタクト層 15 n型オーミック電極 16 p型オーミック電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 真嗣 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内 (72)発明者 折田 賢児 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 AlxGa1-xN(0<x<1)からなる
    基板と、 前記基板の上に形成されたAlを含むIII族窒化物半
    導体よりなる第1半導体層と、を備え、 前記基板のAl組成比xと前記第1半導体層のAl組成
    比との差が0.15より小さい半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記第1半導体層の上に形成され、かつ
    前記第1半導体層よりも禁制帯幅が小さいIII族窒化
    物半導体からなる活性層と、前記活性層の上に形成され
    た、前記第1半導体層と異なる導電型を有するAlを含
    むIII族窒化物半導体の第2半導体層とをさらに備え
    た請求項1に記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記基板のAl組成比xと前記第2半導
    体層のAl組成比との差および前記第1半導体層のAl
    組成比と前記第2半導体層のAl組成比との差がいずれ
    も0.15より小さい請求項2に記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記基板の厚さが20μm以上である請
    求項1に記載の半導体装置。
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