JP2000199651A - 極低温冷凍機 - Google Patents

極低温冷凍機

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JP2000199651A
JP2000199651A JP10372584A JP37258498A JP2000199651A JP 2000199651 A JP2000199651 A JP 2000199651A JP 10372584 A JP10372584 A JP 10372584A JP 37258498 A JP37258498 A JP 37258498A JP 2000199651 A JP2000199651 A JP 2000199651A
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Japan
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cylinder
displacer
low temperature
clearance
room temperature
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JP10372584A
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English (en)
Inventor
Hirotoshi Torii
宏年 鳥居
Okihisa Sadayama
起尚 完山
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダとディスプレーサとのクリアランス
を、室温時には組み立て作業を容易に行い得る程度の大
きさにする一方、極低温時には十分なシール性が得られ
る程度に小さくする。 【解決手段】 シリンダ11の材料としてステンレスを
用いる。ディスプレーサ12の材料としてステンレスよ
りも極低温時における収縮率が小さい材料を用いる。そ
の結果、極低温時におけるディスプレーサ12の外径収
縮の度合いがシリンダ11の内径収縮の度合いよりも小
さく、極低温時におけるシリンダ11とディスプレーサ
12とのクリアランが室温時よりも狭くなる。こうする
ことによって、室温時における両者のクリアランスを組
み立て作業を容易に行い得る程度に設定しても、極低温
時には十分なシール性が得られる程度に小さくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ギフォードマク
マホン型冷凍機等の低温液化ガスの断熱膨張を利用した
極低温冷凍機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】低温液化ガスの断熱膨張を利用した極低
温冷凍機として、圧縮機からのヘリウムガスを2段のシ
リンダ内で断熱膨張させるギフォードマクマホン型冷凍
機がある。この極低温冷凍機においては、圧縮機から供
給された高圧のヘリウムガスを1段目のディスプレーサ
および2段目のディスプレーサ内の蓄冷材との冷熱交換
によって冷却しながら、2段目のシリンダ(第2シリン
ダ)の先端部に設けられた膨張室に導き、断熱膨張を行
うことによって極低温を得る。そして、極低温となった
ヘリウムガスは、上記蓄冷材と熱交換を行いながら排出
口に至り、この排出口から上記圧縮機に戻るのである。
【0003】ここで、上記膨張室は、上記2段目のディ
スプレーサ(第2ディスプレーサ)が嵌入される第2シリ
ンダ先端部の壁面と第2ディスプレーサの先端面とで形
成される室であり、膨張室の膨張と収縮とは第2シリン
ダ内を第2ディスプレーサが摺動することによって得ら
れる。そして、上述の断熱膨張を効率良く行うために
は、第2シリンダと第2ディスプレーサとのクリアラン
スがクリアランスシールによって十分シールされ、上記
膨張室が密閉状態に保たれる必要がある。一方において
は、当該極低温冷凍機の組み立て時には(つまり、室温
状態においては)、作業性良く第2シリンダ内に第2デ
ィスプレーサを嵌入できるように、第2シリンダと第2
ディスプレーサとのクリアランスは大きい方が良い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のギフォードマクマホン型冷凍機には、以下のような
問題がある。すなわち、通常、上記極低温冷凍機におけ
る第1,第2シリンダはステンレスで形成されている。
一方、第1,第2ディスプレーサは、綿布で補強された
フェノール樹脂(フェノール樹脂/綿布=55/45)で形
成されており、上記ステンレスよりも熱収縮率が大き
い。そのために、図6(a)に示すように、室温時におけ
る第2シリンダ1と第2ディスプレーサ2とのクリアラ
ンスcを、組み立て作業性と極低温時におけるシール性
とを考慮して最適に設定しても、極低温時には、第2シ
リンダ1よりも第2ディスプレーサ2の方が熱収縮率が
大きいために、図6(b)に示すように、第2シリンダ1
と第2ディスプレーサ2とのクリアランスが室温時より
も大きくなってしまう。
【0005】したがって、極低温時における第2シリン
ダ1と第2ディスプレーサ2とのシール性が十分ではな
くなるという問題がある。この問題は、第2ディスプレ
ーサ2のみならず第1ディスプレーサでも同様である。
【0006】そこで、この発明の目的は、シリンダとデ
ィスプレーサとのクリアランスが、室温時には組み立て
作業を容易に行い得る程度に大きく、極低温時には十分
なシール性が得られる程度に小さい極低温冷凍機を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、シリンダ内での低温液化ガ
スの断熱膨張を利用する極低温冷凍機であって、上記シ
リンダに嵌入されると共に,上記シリンダにおける極低
温時の熱収縮率よりも小さい熱収縮率を呈する材料で形
成されたディスプレーサを備えたことを特徴としてい
る。
【0008】上記構成によれば、室温から極低温時に変
化した場合におけるディスプレーサの熱収縮量は、この
ディスプレーサが嵌入されているシリンダの熱収縮量よ
りも小さくなる。したがって、室温時における上記シリ
ンダとディスプレーサとのクリアランスをメンテナンス
作業が容易な程度に大きく設定しても、極低温時におけ
る上記クリアランスは十分なシール性が得られる程度に
小さくなる。
【0009】また、請求項2に係る発明は、請求項1に
係る発明の極低温冷凍機において、上記シリンダをステ
ンレスで形成し、上記ディスプレーサを上記ステンレス
よりも極低温時の熱収縮率が小さなインバー等の金属材
料で形成したことを特徴としている。
【0010】上記構成によれば、上記インバー等の金属
材料における極低温時の熱収縮量は上記シリンダに使用
されるステンレスの熱収縮率よりも大幅に小さく、請求
項1に係る発明の効果が効率よく得られる。
【0011】また、請求項3に係る発明は、請求項1に
係る発明の極低温冷凍機において、上記シリンダをステ
ンレスで形成し、上記ディスプレーサを,上記ステンレ
スよりも極低温時の熱収縮率が小さなフェノール樹脂等
の樹脂材料で形成したことを特徴としている。
【0012】上記構成によれば、上記ディスプレーサ
は、シリンダを形成しているステンレスよりも硬度の低
いフェノール樹脂等の樹脂材料で形成される。したがっ
て、上記シリンダとディスプレーサとの間の擦れによる
シリンダ内周面の傷付きが無くなる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態により詳細に説明する。図1は、本実施の形態の極低
温冷凍機におけるディスプレーサがシリンダに嵌入され
た状態を示す図である。本実施の形態においては、上記
シリンダ11の材料として、図6に示す従来の極低温冷
凍機の場合と同様にステンレスを用いる。一方、上記デ
ィスプレーサ12の材料として、上記ステンレスよりも
極低温時における収縮率が小さい材料を用いるのであ
る。
【0014】その結果、図1(a)に示すように、室温時
におけるシリンダ11の内径をCd1とする一方、室温時
におけるディスプレーサ21の外径をDd1とすると、シ
リンダ11とシリンダ12とのクリアランスΔc1は(C
d1−Dd1)となる。これに対して、極低温時におけるシ
リンダ11の内径をCd2とする一方、室温時におけるデ
ィスプレーサ12の外径をDd2とすると、シリンダ11
とシリンダ12とのクリアランスΔc2は(Cd2−Dd2)
となる。
【0015】ここで、上記シリンダ11の熱収縮率をa
とし、ディスプレーサ12の熱収縮率をb(<a)とする
と、 Cd2=Cd1(1−a) Dd2=Dd1(1−b) であるから、 Δc2=(Cd2−Dd2)=Cd1(1−a)−Dd1(1−b) =(Cd1−Dd1)−a(Cd1−Dd1・b/a) =Δc1−a(Cd1−Dd1・b/a) …(1) となる。ここで、(Cd1−Dd1)>0,b/a<1である
から、(Cd1−Dd1・b/a)>0である。さらに、a>0
であるから、式(1)の右辺は Δc1−a(Cd1−Dd1・b/a)<Δc1 となる。すなわち、 Δc2<Δc1 となり、極低温時におけるシリンダ11とディスプレー
サ12とのクリアランスΔc2は、常温時のクリアラン
スΔc1よりも小さくなるのである。
【0016】図2は、室温時における上記シリンダ11
の内径Cd1およびディスプレーサ12の外径Dd1から極
低温時におけるシリンダ11の内径Cd2およびディスプ
レーサ12の外径Dd2への変化の様子を、従来のディス
プレーサ2の外径変化の様子と比較したものである。ス
テンレスで形成されシリンダ11の内径は、室温時のC
d1から極低温時にはCd2に収縮する。一方、上記ディス
プレーサ12の室温時の内径は、シリンダ11の内径C
d1よりも室温時のクリアランスΔc1だけ小さいDd1で
ある。そして、極低温時にはDd2に収縮する。その場
合、ディスプレーサ12の熱収縮率はシリンダ11の熱
収縮率よりも小さい。したがって、図2に示すように、
シリンダ11の内径の低下の度合いよりもディスプレー
サ12の外径の低下の度合いの方が小さい。すなわち、
上記両径の低下曲線の差(つまり、クリアランス)は室温
時よりも極低温時の方が狭くなるのである。
【0017】これに対して、従来のディスプレーサ2の
場合には、室温時のシリンダ11とのクリアランスを本
実施の形態の場合と同じΔc1とすると、ディスプレー
サ2の室温時の内径は、シリンダ11の内径Cd1よりも
室温時のクリアランスΔc1だけ小さいDd1である。そ
して、極低温時にはDd3に収縮する。その場合、ディス
プレーサ2の熱収縮率はシリンダ11の熱収縮率よりも
大きい。したがって、図2に示すように、シリンダ11
の内径の低下の度合いよりも従来のディスプレーサ2の
外径の低下の度合い方が大きい。すなわち、上記両径の
低下曲線の差で表されるクリアランスは、室温時よりも
極低温時の方が広くなるのである。
【0018】すなわち、本実施の形態におけるディスプ
レーサ12によれば、室温時におけるシリンダ11との
クリアランスΔc1を組み立て作業を容易に行い得る程
度に大きく設定しても、極低温時には十分なシール性が
得られる程度に小さいクリアランスΔc2を得ることが
できるのである。
【0019】このような効果は、上記ディスプレーサ1
2の材料としてシリンダ11の材料であるステンレスよ
りも小さな熱収縮率を有する材料を用いることによって
得られる。図3は、ステンレス,インバー,普通鋼,ニッ
ケル及び耐酸合金の極低温時の熱膨張率を示す。また、
図4は、銅合金(Cu-6.75Al-2.13Fe、Cu-2Be、Cu
-30Ni)の極低温時の熱膨張率を示す。また、図5は、
チタン,チタン合金(Ti-5Al-2.5Sn、Ti-6Al-4V
ELI),インコネル(インコネルX750、インコネル706)およ
び9Ni鋼の極低温時の熱膨張率を示す。これらの材質
は、何れもステンレスよりも小さな熱膨張率を有し、本
実施の形態におけるディスプレーサ12として使用でき
る。
【0020】また、従来より上記ディスプレーサ2の材
料として用いられている綿布を補強材とするフェノール
樹脂でも、補強材として用いる綿布の糸番手や織密度や
織組織を替えたり、フェノールの分子構造を替えたり、
綿布の含有率を替えることによって、ステンレスよりも
小さな熱収縮率を呈するようにできる。例えば、図3に
示すように、フェノール樹脂と綿布との比率を従来の5
5/45から40/60に換えると、80Kでの線膨張率
が−5‰から−1.5‰へと低下してステンレス鋼の−
2.8‰よりも低くなる。そこで、このようにステンレ
スよりも小さな熱収縮率を呈するフェノール樹脂(綿布
で補強)を用いてディスプレーサ12を作成すれば、上
記本実施の形態の効果を得ることができる。その場合に
は、シリンダ11を形成するステンレスよりも硬度の低
い樹脂でディスプレーサ12を形成するので、シリンダ
11とディスプレーサ12との間の擦れによるシリンダ
11内周面の傷付きを無くすことができる。
【0021】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1に係
る発明の極低温冷凍機は、シリンダに嵌入されるディス
プレーサを、極低温時において上記シリンダの熱収縮率
よりも小さい熱収縮率を呈する材料で形成したので、室
温から極低温時に変化した場合における上記ディスプレ
ーサの熱収縮量は、上記シリンダの熱収縮量よりも小さ
くなる。したがって、室温時における上記シリンダとデ
ィスプレーサとのクリアランスを組み立て作業が容易な
程度に大きく設定しても、極低温時における上記クリア
ランスを十分なシール性が得られる程度に小さくでき
る。
【0022】また、請求項2に係る発明の極低温冷凍機
は、上記シリンダをステンレスで形成し、上記ディスプ
レーサを上記ステンレスよりも極低温時の熱収縮率が小
さなインバー等の金属材料で形成したので、上記ディス
プレーサの熱収縮量を、上記シリンダの熱収縮量よりも
大幅に小さくできる。したがって、請求項1に係る発明
の効果を効率よく得ることができる。
【0023】また、請求項3に係る発明の極低温冷凍機
は、上記シリンダをステンレスで形成し、上記ディスプ
レーサを上記ステンレスよりも極低温時の熱収縮率が小
さなフェノール樹脂等の樹脂材料で形成したので、上記
ディスプレーサをシリンダよりも硬度の低い樹脂で形成
できる。したがって、シリンダとディスプレーサとの間
の擦れによる上記シリンダ内周面に対する傷付きを無く
すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の極低温冷凍機におけるディスプレ
ーサがシリンダに嵌入された状態の室温時と極低温時と
の比較図である。
【図2】 図1におけるシリンダの内径とディスプレー
サの外径との室温時から極低温時への変化の状態を示す
図である。
【図3】 ステンレス,インバー,普通鋼,ニッケル,耐酸
合金および綿布補強フェノール樹脂の極低温時の線膨張
率を示す図である。
【図4】 銅合金の極低温時の熱膨張率を示す図であ
る。
【図5】 チタン,チタン合金,インコネルおよび9Ni
鋼の極低温時の熱膨張率を示す図である。
【図6】 従来のディスプレーサがシリンダに嵌入され
た状態の室温時と極低温時との比較図である。
【符号の説明】
11…シリンダ、 12…ディスプレーサ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ(11)内での低温液化ガスの断
    熱膨張を利用する極低温冷凍機であって、 上記シリンダ(11)に嵌入されると共に、上記シリンダ
    (11)における極低温時の熱収縮率よりも小さい熱収
    縮率を呈する材料で形成されたディスプレーサ(12)を
    備えたことを特徴とする極低温冷凍機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の極低温冷凍機におい
    て、 上記シリンダ(11)をステンレスで形成し、 上記ディスプレーサ(12)を上記ステンレスよりも極低
    温時の熱収縮率が小さなインバー等の金属材料で形成し
    たことを特徴とする極低温冷凍機。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の極低温冷凍機におい
    て、 上記シリンダ(11)をステンレスで形成し、 上記ディスプレーサ(12)を上記ステンレスよりも極低
    温時の熱収縮率が小さなフェノール樹脂等の樹脂材料で
    形成したことを特徴とする極低温冷凍機。
JP10372584A 1998-12-28 1998-12-28 極低温冷凍機 Pending JP2000199651A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013142479A (ja) * 2012-01-06 2013-07-22 Sumitomo Heavy Ind Ltd 極低温冷凍機、ディスプレーサ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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