JP2000199067A - 気化方法と該気化器並びに該気化方法を利用した気化装置 - Google Patents

気化方法と該気化器並びに該気化方法を利用した気化装置

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JP2000199067A
JP2000199067A JP11000799A JP79999A JP2000199067A JP 2000199067 A JP2000199067 A JP 2000199067A JP 11000799 A JP11000799 A JP 11000799A JP 79999 A JP79999 A JP 79999A JP 2000199067 A JP2000199067 A JP 2000199067A
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liquid material
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Hirofumi Ono
弘文 小野
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Lintec Corp
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RINTEKKU KK
Lintec Corp
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C16/00Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes
    • C23C16/44Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes characterised by the method of coating
    • C23C16/448Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes characterised by the method of coating characterised by the method used for generating reactive gas streams, e.g. by evaporation or sublimation of precursor materials
    • C23C16/4486Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes characterised by the method of coating characterised by the method used for generating reactive gas streams, e.g. by evaporation or sublimation of precursor materials by producing an aerosol and subsequent evaporation of the droplets or particles

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 (1)供給気化ガスに脈動が重畳する
事なく定常状態での被供給部への供給が可能となるよう
にする事(2)難気化溶質を気化しやすい溶媒に分散させ
た液を液体原料とした場合でも溶質も溶媒と共に気化さ
せて気化器内に溶質が残渣として残留しないようにする
事(3)従って残渣による気化器の目詰の発生を防止して
気化性能の低下による変動がないようにする事や気化器
の寿命を大幅に長くする事(4)原料液体の供給量の正確
な制御を可能にする事(5)原料液体の流量の任意な変更
を可能にする事である。 【解決手段】 液体原料供給側(1)から気化空間(2)に
供給された液体原料(3)に超音波をかけて霧化し、霧化
した液体原料を気化させ、被供給部(5)に気化原料(3b)
を供給する」事を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体原料(固体粉
末を溶媒に分散させた分散液も含む)を気化して半導体
製造装置に供給する液体原料の気化方法と該気化器並び
に外気方法を利用した気化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコン集積回路は、素子の微細化と高
集積化並びに大口径化が急速に進んで来ている。特に、
メモリ(DRAM)の高集積化は、3年で4倍という急速な
進歩を遂げ、その大口径化も現状の8インチサイズから
12インチサイズに切り替わろうとしている。そのよう
な高密度DRAMにおけるキャパシタ用絶縁膜は、従来の膜
に代わってTa2O5が実用化されつつあり、更には、BaSrT
iO3(BST)等の高誘電率材料の実用化が必須の課題とな
っている。
【0003】また、不揮発性メモリでは、SrBi2Ta2O
9(SBT)、Pb(Zr,Ti)O3 (PZT)などを用いた強誘電体メ
モリ(FeRAM)の実用化が進められている。これらの材料
を使用した集積回路の実現は真近と予想されるが、それ
らの製造技術に関して未だ解決すべき課題が残ってい
る。
【0004】その中でも最も重要且つ本質的な課題の1
つは、これらの膜を生成させるための成膜材料を実用化
レベルで如何に熱分解などを起こさせる事なく気化さ
せ、これを如何に成膜装置に大量に供給するかという点
である。即ち、前記成膜材料は常温常圧では液体或いは
固体粉末状態でガス状態ではないからである。一般的に
液体成膜材料は沸点が高く、蒸気圧は極めて低く、従っ
てその気化は極めて困難である。一方、固体粉末材料の
場合は昇華性のものが多く、そのままでは気化し難いの
で、有機溶媒に分散させこれを気化させる方式が一般的
である。また、強誘電体薄膜の原料化合物は、一般に熱
に弱く熱分解しやすい。従って、気化に当たっては低温
度での気化が望まれる。
【0005】その一例を示すと、BSTの1成分であるBa
にはBa(DPM)2という化合物が多く使用されるが、これは
白色固体粉末である。これをテトロヒドロフラン(THF)
という溶剤に分散させた液を使用する。この分散液を如
何に効率よく気化し、被供給部である成膜装置の反応室
へ過不足なく必要量だけ供給するかが大きな課題とな
る。ここで、過去の供給方法を概観すると共にその欠点
に付いて説明する。
【0006】バブリング法……原料液を容器に入れ、加
熱しながらガスを原料液に吹き込み、バブリングする事
によって液体を気化若しくは霧化し、成膜装置の反応室
へ導入する方法である。しかしながらこの方法では、液
体の沸点が高い場合には不向きで、前述の次世代メモリ
用の原料には適用する事が出来ない。
【0007】直接気化法………液体マスフローメータと
気化器とを結合し、液体の流量を制御すると同時に気化
する方式で、現在、CVD装置によるシリコン酸化膜、BPS
G等のパッシベーション膜(保護膜)の作成に広く使用
されている。液体原料としては、TEOS,TMOP,TEB等が使
用されている。この方法は、バブリング法と比べると飛
躍的に気化性能が向上したので広く普及するに至った。
しかしながら次世代メモリ用の成膜に用いられる強誘電
体薄膜用材料に対しては気化性能が不十分で、実用には
供し得なかった。
【0008】ポンプ圧送法……定量を圧送できる高圧ポ
ンプで成膜用液体材料を圧送し、多数の金属製ディスク
を積層した気化器に導入する。気化器の積層金属製ディ
スクの中心には積層体を貫通する通孔が形成されてお
り、通孔に導入された成膜用液体材料は前記ディスク間
の微細間隙を通って通孔から積層体の外周に向かって流
れ、外周面から徐々に滲出する。前記積層体の外周は加
熱されており、前記滲出液体は加熱されて気化し、キャ
リヤガスに乗って反応室に送られる。
【0009】この方法の問題点は次の通りである。(1)
ポンプを使用しているので脈動が生じ、この脈動が気化
されて反応室に送られる原料ガスに重畳する。(2)ポン
プの寿命が短く且つトラブルが多い。(3)気化器で分散
液を気化させる場合、気化しやすい溶媒のみが先に気化
して気化しにくい肝心の溶質が金属ディスク積層体のデ
ィスク間に残渣として残留し、100%の気化効率が得
られない。(4)更には、前記残渣による積層体の詰りが
生じ、気化器の寿命が短い。(5)ポンプによる原料液体
の圧送であるから、原料液体の供給量の正確な制御が出
来ない。(6)同様に原料液体の流量も任意に変更できな
い。
【0010】焼結フィルタ方式……液体流量制御器と、
加熱された円筒内に焼結フィルタを内蔵した気化器と、
両者を繋ぐ接続管とで構成されたものである。ポンプ圧
送法と比較して、(5)(6)の問題点を解決出来ているが、
(a)やはり気化器の心臓部である焼結フィルタに目詰り
が発生し、寿命が短いという問題と、(b)液体流量制御
器と気化器とを繋ぐ接続管内にデッドボリュウムとなっ
て残る液体原料による応答遅れ、換言すると液体流量制
御器により流量をゼロにした後もデッドボリュウムとな
って残る液体原料はこれがなくなるまでダラダラと気化
器に供給され続け、気化器で気化されたガスの供給が続
く事による応答遅れの問題が大きく、そのためにロスタ
イムが生じ、半導体製造装置の主流である枚葉式装置に
は適用し得なかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決課題は、
(1)供給される気化ガスに脈動等が重畳しておらず、略
定常状態での反応室への供給が可能となるようにする
事、(2)気化し難い液体原料の場合は勿論、気化し難い
溶質を気化しやすい溶媒に分散した液を液体原料とした
場合でも、溶質も溶媒と共に気化させて気化器内に溶質
が残渣として残留しないようにする事、(3)従って、残
渣による気化器の目詰りの発生がないようにし、気化性
能の低下による気化ガスの供給量に変動がないようにす
る事や気化器の寿命を大幅に長くする事、(4)原料液体
の供給量を正確に制御出来るようにする事、(5)原料液
体の流量を任意に変更出来るようにする事、(6)気化原
料を大量に供給出来るようにする事、(7)熱分解を防ぐ
ため低温で気化出来るようにする事などである。
【0012】
【課題を解決するための手段】「請求項1」は、本発明
の気化方法の基本に関し「液体原料供給側(1)から気化
空間(2)に供給された液体原料(3)に超音波をかけて霧化
し、霧化した液体原料を気化させ、被供給部(5)に気化
原料(3b)を供給する」事を特徴とする。そして、前記液
体原料(3)としては、「気化しやすい溶媒に気化し難
い固体粉末原料を分散させた分散液」、或いは「気化
し難い化合物である」事を特徴とする。の場合には、
例えばBa(DPM)2をTHF(テトラヒドロフラン)に分散させ
た液のようなものがあり、の場合にはBa(DPM)2・2テ
トラエンのようなアダクト化合物がある。
【0013】液体原料(3)が前述のようなものであれ
ば、従来の方法では液体原料(3)を非常に気化させ難い
ために大量の気化原料(3b)の供給が不可能であったか、
或いは気化しやすい溶媒だけが先に気化し、気化しにく
い溶質だけが残渣となって残留して必要な量の溶質のガ
ス化による供給が不可能であったが、本発明のように超
音波をかける事により液体原料(3)はいずれの場合
でも霧状になって飛散し、その表面積を飛躍的に増大さ
せる。そして、液体原料(3)が溶媒に溶質を分散させた
ものであれば、その霧状液滴には、微細溶質粒子が含ま
れた状態で飛散する事になるので、溶媒の気化と同時に
微細溶質粒子も周囲雰囲気ガスに接して瞬時に気化する
事になる。
【0014】その結果、気化しにくい溶質も残留する事
なく溶媒と共に円滑に気化していき、被供給部(5)に気
化原料(3b)が供給された時に成膜成分に過不足を生じる
ような事がない。これと同様に気化しにくい液体原料
(3)の場合もこれを霧化させる事でその表面積を飛躍的
に増大させる事が出来、以って円滑な気化を図る事が出
来る。なお、気化原料(3b)の被供給部(5)への供給は、
気化原料(3b)単独でもよいし、HeやN2のようなキャリア
ガスに乗せて搬送してもよい。
【0015】「請求項4」は、「液体原料供給側(1)が
正圧に保たれ、気化空間(2)が負圧に保たれるようにな
っている」事を特徴とする。このようにする事で、液体
原料供給側(1)では液体原料(3)が加圧されて沸点が上昇
する事になるので、液体原料(3)を加熱しても沸騰して
液体原料(3)内部に気泡が発生して液体原料(3)の供給量
を変動させるというような事がない。一方、気化空間
(2)が負圧に保たれておれば、液体原料(3)の沸点が低下
するため沸騰しやすく、霧化と相俟ってより迅速な気化
が実現される。
【0016】「請求項5」は「気化空間(2)が加熱され
ている」事を特徴とするもので、このようにする事で霧
化された液体原料)はより円滑に気化する事になる。
【0017】「請求項6」は「気化空間(2)内で霧化し
た液体原料(3)が螺旋を描いて被供給部(5)方向に流れて
行くようにした」事を特徴とするもので、これにより霧
化した液体原料(3)の気化空間(2)内での滞留時間を長く
する事が出来ると同時に、霧状の原料微粒子は遠心力で
気化器本体(14a)の内壁(11)に衝突し、気化器本体(14a)
が加熱されている場合には、内壁(11)の表面の熱によっ
て気化を更に促進させる事が出来る。
【0018】「請求項7」は前記方法を実施するための
気化器(14)に関し「液体原料供給空間(1a)と、供給され
た液体原料(3)が気化し、被供給部(5)に連通していて気
化原料(3b)を被供給部(5)に供給する気化空間(2)と、前
記液体原料(3)が液体原料供給空間(1a)から気化空間(2)
に移動する連通孔(6)が形成されている弁座(7)と、弁座
(7)に当接・離間して液体原料(3)の供給と遮断を行う弁
機構部(8)と、連通孔(6)内にその先端(9a1)が近接或い
は挿入して連通孔(6)を通過している液体原料(3)に接触
し、接触した液体原料(3)を霧化する超音波発生器(9)と
で構成されている」事を特徴とする。
【0019】これによれば、弁座(7)に形成された連通
孔(6)を通って液体原料供給空間(1a)から気化空間(2)に
供給された液体原料(3)は、超音波発生器(9)に接触して
瞬時に霧化し気化空間(2)内に散る。液体原料(3)が前述
のような溶媒に溶質を分散させたものである場合、散っ
た霧状の液体原料(3)内には、均一に溶質が分散した状
態であり、周囲雰囲気ガスに接して溶媒と共に溶質も瞬
時にして気化する。液体原料(3)が気化しにくい材料の
場合でも同様で、霧化する事で液体材料の表面積は著し
く増加し瞬時にして気化する事になる。
【0020】また、連通孔(6)が形成されている弁座(7)
に対して弁機構部(8)が当接・離間して液体原料(3)の供
給と遮断を行うようになっているので、弁座(7)に対す
る弁機構部(8)の離間距離を制御する事で気化空間(2)に
供給される液体原料(3)の制御が可能となるし、弁座(7)
に弁機構部(8)を密接させて連通孔(6)を閉塞する事で液
体原料(3)の遮断を図る事が出来る。これにより、デッ
ドボリュウムとなる液体原料(3)の量が最小限に押さえ
られ、閉塞後もダラダラと気化ガスの供給が続くという
ような事態を避ける事が出来、応答性が非常によくな
る。また、デッドボリュームが大きければ、溶媒のみが
蒸発し、溶質が残渣として残留するため、これが連通孔
(6)を閉塞して目詰まりのトラブル発生の原因となる
が、本発明ではデッドボリュームが非常に少なくなるの
で、そのようなトラブルを避ける事が出来る。
【0021】「請求項8」は、「液体原料供給空間(1a)
が正圧に保たれ、気化空間(2)が負圧に保たれるように
なっている」事を特徴とするもので、前述のように液体
原料供給空間(1a)では液体原料(3)の発泡や沸騰が抑制
され、気化空間(2)では霧化した液体原料(3)の気化がよ
り容易になる。
【0022】「請求項9」は超音波発生器(9)の他の実
施例に関し「超音波発生器(9)のホーン(9a)の先端(9a1)
が連通孔(6)の入口(10)に達している」事を特徴とす
る。このようにする事で連通孔(6)の入口(10)から連通
孔(6)内に侵入してきた液体原料(3)は直ちに超音波発生
器(9)のホーン(9a)の先端(9a1)に接触して霧化される事
になる。従って、弁機構部(8)で連通孔(6)を閉塞して液
体原料(3)の供給を停止した時、連通孔(6)内に流入した
液体原料(3)はその入口(10)で直ちに霧化されて気化空
間(2)内に放散され、連通孔(6)内には残らない。換言す
れば、閉塞後のデッドボリュームとして連通孔(6)内に
残る液体原料(3)の量は極めて少なくなり、弁機構部(8)
による閉塞とほぼ同時に液体原料(3)の霧化並びに気化
が終息する事になり、高い応答性能を実現する事が出来
る。
【0023】「請求項10」は「気化空間(2)を構成す
る内壁(11)が加熱されている」事を特徴とするもので、
これにより気化空間(2)内の温度が上昇して気化空間(2)
に放散された霧状の液体原料(3)の気化が促進される。
特に、前述のように気化空間(2)を負圧に保つ事で、両
者が相乗的に働きより一層の気化促進効果が実現され
る。
【0024】「請求項11」は「気化空間(2)を構成す
る内壁(11)が擂り鉢状に形成されており、気化空間(2)
の底部に連通孔(6)が形成されており、超音波発生器(9)
の先端(9a1)が連通孔(6)の上方から連通孔(6)に臨んで
いる」事を特徴とする。
【0025】これによれば、霧化して気化空間(2)に放
散した液体原料(3)の一部は内壁(11)及びホーン(9a)の
表面(9a1)に付着して液滴(3c)を形成する。この液滴(3
c)が或る程度成長すると重力の関係から内壁(11)及び前
記表面(9a1)上を流下する。前記内壁(11)が擂り鉢状に
形成されているので、前記液滴(3c)は気化空間(2)の底
部に形成されている連通孔(6)の孔縁に集まり、連通孔
(6)を通って上ってきた液体原料(3)と合体する。この部
分には超音波発生器(9)のホーン(9a)の先端(9a1)が上方
から連通孔(6)に臨むように配設されているので、集ま
った液滴(3c)は合体した液体原料(3)と共に超音波発生
器(9)のホーン(9a)により霧化され、気化空間(2)に放散
される。同様にホーン(9a)の表面(9a1)を流下した液滴
(3c)は、ホーン(9a)の先端(9a1)に集まり、超音波振動
しているホーン(9a)の先端(9a1)により再度霧化され
る。
【0026】「請求項12」は「擂り鉢状の気化空間
(2)の底部側側面にて底部側側面の接線方向にキャリヤ
ガス導入孔(17)が穿設されており、気化空間(2)の上部
側側面にて被供給部(5)に連通する排出孔(18)が上部側
側面に接線方向に穿設されている」事を特徴とする。
【0027】このようにする事で、流入したキャリヤガ
ス(19)は擂り鉢状の気化空間(2)内を旋回してから排出
されるようになり、気化空間(2)内での滞留時間がそれ
だけ長くなる。その結果、霧化した液体原料(3)の気化
がより完全に行われる事になる。
【0028】「請求項13」は本発明に係る液体原料
(3)の気化システムに関し「内部が正圧に保たれた液体
原料容器(12)と、液体原料容器(12)からの液体原料(3)
の供給を受け、液体原料(3)を所定質量流量だけ流出さ
せる液体原料用質量流量計(13)と、前記液体原料用質量
流量計(13)から出た所定の質量の液体原料(3)を気化さ
せて被供給部(5)に供給する気化器(14)と、気化器(14)
に接続され、気化原料(3b)を被供給部(5)に搬送するキ
ャリアガス(19)を所定の質量流量だけ気化器(14)に供給
する気体用質量流量制御器(15)と、気化器(14)内に配設
されてその一部を構成し、気化器(14)内に導入された液
体原料(3)を霧化する超音波発生器(9)のホーン(9a)と、
気化器(14)を加熱し、気化器(14)内で霧化された液体原
料(3)を気化させる加熱装置(16)とで構成されており、
気化器(14)の内部構造が、液体原料用質量流量計(13)と
接続している液体原料供給空間(1a)と、供給された液体
原料(3)が気化し、被供給部(5)に連通している気化空間
(2)と、前記液体原料(3)が液体原料供給空間(1a)から気
化空間(2)に移動する連通孔(6)が形成されている弁座
(7)と、弁座(7)に当接・離間して液体原料(3)の供給と
遮断を行う弁機構部(8)と、連通孔(6)内にその先端(9a
1)が近接或いは挿入して連通孔(6)を通過している液体
原料(3)に接触し、接触した液体原料(3)を霧化する超音
波発生器(9)のホーン(9a)とで構成されている」事を特
徴とする。
【0029】
【発明の実施の態様】以下、本発明を図示実施例に従っ
て説明する。図1は本発明システムの全体像であり、内
部が正圧に保たれた液体原料容器(12)と、液体原料容器
(12)からの液体原料(3)の供給を受け、液体原料(3)を所
定質量流量だけ流出させる液体原料用質量流量計(13)
と、液体原料用質量流量計(13)からの信号(S)を受けて
前記液体原料用質量流量計(13)から出た所定の質量流量
の液体原料(3)を気化させて被供給部(5)に供給する気化
器(14)と、気化器(14)に接続され、気化原料(3b)を被供
給部(5)に搬送するキャリアガス(19)を所定の質量流量
だけ気化器(14)に供給する気体用質量流量制御器(15)
と、気化器(14)内に配設されてその一部を構成し、気化
器(14)内に導入された液体原料(3)を霧化する超音波発
生器(9)のホーン(9a)と、前記ホーン(9a)を超音波振動
させる超音波発生器(9)と、気化器(14)を加熱し、気化
器(14)内で霧化された液体原料(3)を気化させる加熱装
置(16)とで構成されている。
【0030】液体原料容器(12)内には液体原料(3)が気
密的に封入されており、例えばHeのような不活性ガス
が供給されて液体原料容器(12)内をレギュレータ(20)に
て所定圧に加圧し、液体原料(3)を配管(21)にて接続さ
れた液体原料用質量流量計(13)に圧送するようになって
いる。
【0031】圧送される液体原料(3)、常温常圧では蒸
気圧が非常に低いために非常に気化しにくい液体、例え
ば、Ba(DPM)2・2テトラエンが挙げられ、或いは或る程
度気化しやすい溶媒(通常は有機溶媒)に、常温常圧で
は蒸気圧の非常に低い固定粉末原料、例えば、Ba(DPM)2
やSr(DPM)2を分散させた分散液等が対象となる。
【0032】前記液体原料用質量流量計(13)の構造は公
知のものであり、その構造の詳細は省略するが、その機
能を概説すれば次のようなものである。液体原料用質量
流量計(13)の内部には、通過する液体原料(3)の質量流
量の全量(或いは、その一部)を測定するためのセンサ
管(22)が配設されており、センサ管(22)にて測定された
質量流量は信号(S)として気化器(14)に送られ、後述す
るように弁機構部(8)が制御され、液体原料(3)は所定の
質量流量に制御される。前記質量流量は任意の値に設定
される。
【0033】一方、気体用質量流量制御器(15)は、成膜
プロセスや液体原料(3)に合わせて選ばれたキャリアガ
スを設定された質量流量にて気化器(14)に配管(23a)を
通じて供給するものであり、この構造も公知のものであ
るので簡単に説明するに留める。気体用質量流量計(15)
の内部には、前記同様小流量のキャリアガスが流れ、こ
の質量流量を厳密に計測するセンサ管(24)と、該センサ
管(24)に流れるキャリアガスの質量流量に比例してM倍
の大流量のキャリアガスが流れるバイパス回路(25)並び
にバイパス回路(25)とセンサ管(24)とを通り合流してそ
の質量流量が(M+1)となったキャリアガスの流量制
御を行う制御弁部(34)とが設けられており、常に設定さ
れた質量流量のキャリアガスが気化器(14)に供給される
ことになる。なお、制御弁部(34)の弁開度の制御は、セ
ンサ管(24)にて計測された質量流量に基づく信号(R)に
て行われる。また、前記キャリアガスの気体用質量流量
制御器(15)への供給圧は、レギュレタ(27)にて一定に保
たれている。
【0034】次に、気化器(14)の内部構造に付いて説明
する。気化器本体(14a)は、本体部材(14a1)とその底部
に固着されている底部部材(14a2)とで構成されており、
本体部材(14a1)の中心には上面に開口する擂り鉢状の気
化空間(2)が形成されている。そしてその底部側側面に
は図5の平断面図において、底部側側面の接線方向にキ
ャリヤガス導入孔(17)が穿設されており、気化空間(2)
の上部側側面には被供給部(5)に連通する排出孔(18)が
上部側側面に接線方向に穿設されている。前記キャリヤ
ガス導入孔(17)と排出孔(18)の設置場所は、前述のよう
に「接線方向」であれば好ましく、特に限定される者で
ない。同様に、気化空間(2)の形状も「擂り鉢状」と表
現しているが、逆三角錐状である必要はなく、途中に段
があってもよいし、ストレート部分があってもよく、内
壁(11)に付着した液滴(3c)の流下が容易になるように全
体的な形状として底部に行くほど次第にその内径が縮小
していくという意味に過ぎない。
【0035】そして本体部材(14a1)の底面には液体原料
供給空間(1a)が凹設されており、この液体原料供給空間
(1a)と前記気化空間(2)の底部とが連通孔(6)にて接続さ
れている。前記連通孔(6)は液体原料供給空間(1a)側か
ら本体部材(14a1)に嵌め込まれている弁座(7)に穿設さ
れている。
【0036】一方、本体部材(14a1)の底面には液体原料
供給空間(1a)を閉塞するように底部部材(14a2)が固着さ
れており、本体部材(14a1)の底面と底部部材(14a2)の固
着面との間にダイアフラム(24)が張設されており、液体
原料供給空間(1a)を底部部材(14a2)側に対して完全に独
立させている。そして、この液体原料供給空間(1a)には
前記液体用質量流量計(13)から引き出された配管(21a)
が接続されている。
【0037】弁座(7)の形状はボタン状のもので、その
中央に連通孔(6)が穿設されており、その下面、即ち、
入り口(10)側の外周面が段状に形成されてその外径が先
端(9a1)に行くほど次第に小さくなるようになってお
り、後述のプランジャ(27)の作用にて前記ダイアフラム
(24)との接触が入り口(10)の全周にわたって正確に密着
するようになっている。前記プランジャ(27)とダイアフ
ラム(24)とで弁機構部(8)が構成される事になる。
【0038】本体部材(14a1)の天井部には超音波発生器
(9)のフランジ(25)が気化空間(2)の天井部分を閉塞する
ように取り付けられており、ホーン(9a)が気化空間(2)
の中心に突出するように配設されている。(9b)は超音波
発生器(9)の本体、(9c)が振動子、(9d)が発振回路で、
これらで超音波発生装置が構成される。ホーン(9a)は、
先端(9a1)に行く程次第に細くなっており、その先端(9a
1)が前記連通孔(6)に臨むようになっている。
【0039】先端(9a1)の位置は本発明において非常に
重要なポイントの1つで、第1例では図3のように連通
孔(6)の出口(10a)に略一致して配設されており、連通孔
(6)を通って溢れ出てくる液体原料(3)に接触してこれを
効果的に霧化するようになっている。ただし、連通孔
(6)が後述するように閉じられて、液体原料(3)の流れが
止まり、液体原料(3)が接触部分の霧化が終了して先端
(9a1)が液体原料(3)に接触しないようになると液体原料
(3)の霧化は終了し、連通孔(6)の入り口(10)から出口(1
0a)の近傍迄の範囲に残った極く少量の液体原料(3)が連
通孔(6)の閉塞後も液体原料(3)の気化が継続して発生す
る原因となるデッドボリュームとなる。しかしながら、
その量は従前に比べてきわめて僅かであるため、実用上
の障害となることはない。
【0040】しかしながら、デッドボリュームは少ない
方が理論的に好ましいことは疑いがなく、その意味か
ら、図4のように連通孔(6)を上広がりの朝顔状に形成
し、前記先端(9a1)が連通孔(6)の入り口(10)にほぼ達す
るように差し込むようにすることが事がより好ましい。
【0041】次に、底部本体(14a2)側について説明す
る。底部本体(14a2)には前記液体原料供給空間(1a)に対
向して弁収納空間(26)が形成されており、弁収納空間(2
6)と液体原料供給空間(1a)とは前記にダイアフラム(24)
を介して隔絶されている。前記弁収納空間(26)はプラン
ジャ(27)に合わせて形成されており、プランジャ(27)の
脚部(27a)が弁収納空間(26)の細径孔(26a)にて昇降自在
に保持されている。
【0042】前記脚部(27a)は、球体(28)を介してバル
ブアクチュエータ(29)に当接している。従って、バルブ
アクチュエータ(29)の動作(即ち、伸長する事)により
球体(28)を介してプランジャ(27)が昇降するとプランジ
ャ(27)の頭部が当接しているにダイアフラム(24)が弁座
(7)の入り口(10)に接触して入り口(10)を閉塞したり、
或いは入り口(10)に近接離間してダイアフラム(24)と入
り口(10)との間の間隙を調節し、連通孔(6)への液体原
料(3)の流入量を制御している。前記間隙調節による流
入量の制御は、液体用質量流量計(13)からの信号(S)に
よって制御され、常に一定の質量流量の液体原料(3)が
流入する事になる。なお、前記バルブアクチュエータ(1
2)は、取付部材にて底部本体(14a2)に取り付けられてい
る。
【0043】また、前記本体部材(14a1)にはヒータ(31)
が埋設されており、本体部材(14a1)全体を所定温度に加
熱するようになっている。(32)は前記ヒータ(31)の温度
調節回路であり、(34)は超音波発生器(9)の発振回路で
ある。加熱装置(16)は、前記ヒータ(31)及び温度調節回
路(32)で構成される。
【0044】(5)は、例えばCVD装置のような被供給
部で、その反応室は気化器(14)から導出された配管(33)
が接続されており、気化器(33)から出た気化原料(3b)が
供給されるようになっている。この被供給部(5)が減圧
CVD装置の場合、真空ポンプ(5a)に接続されて減圧状
態に保たれるようになっている。また、被供給部(5)
が、常圧CVD装置の場合、反応室内部は常圧或いは正
圧に保たれるが、あくまでも液体原料供給空間(1a)より
低い圧力に保たれ、液体原料供給空間(1a)と反応室内部
との間で圧力差が生じるように設定される。
【0045】次に、本発明の作用について説明する。レ
ギュレータ(20)を開くと液体原料容器(12)が加圧されて
内部の液体原料(3)が液体用質量流量計(13)に供給され
る。液体用質量流量計(13)では、前述のように一定質量
流量の液体原料(3)が配管(21a)を通って気化器(14)に供
給される。一方、レギュレータ(27)を開くとキャリアガ
スが気体用質量流量計(15)に流入し、前述同様設定され
た質量流量のキャリアガスが配管(23a)を通って気化器
(14)に流れ込む。この時当然液体用質量流量計(13)の制
御弁部(34)は開いている。
【0046】気化器(14)に入った液体原料(3)は、気化
器本体(14a1)に穿設された液体原料導入孔(1a1)を通っ
て液体原料供給空間(1a)に入る。この時バルブアクチュ
エータ(29)は収縮しており、その作用でプランジャ(27)
はダイアフラム(24)によってバルブアクチュエータ(29)
側に押し下げられており、ダイアフラム(24)と弁座(7)
との間に隙間が生じ、液体原料(3)が連通孔(6)を通って
気化空間(2)側に流出していく。前記液体原料(3)の流出
量は前記ダイアフラム(24)と弁座(7)との間に隙間によ
って決定されるため、バルブアクチュエータ(29)を制御
することで前記間隙を自在に制御することが出来る。
【0047】弁座(7)に形成された連通孔(6)を通って液
体原料供給空間(1a)から気化空間(2)に供給された液体
原料(3)は、連通孔(6)に臨むように配置された超音波発
生器(9)の先端(9a1)に接触して瞬時に霧化し気化空間
(2)内に散る。この時、液体原料(3)が蒸発しやすい溶媒
に蒸発しにくい溶質(例えば、固体粉末)を分散させた
ものである場合でも、溶質だけを残留させると言うよう
な事なく、溶質も含めて均一に溶質が分散した状態で液
体原料(3)が霧状となって気化空間(2)内に散る。
【0048】気化器(14)は、温度調節装置(32)によって
所定の温度に保持されているので、この熱と霧状になっ
たために体積当たりの表面積が急激に広くなって非常に
気化しやすい状態になり、周囲雰囲気ガス、即ち搬送さ
れてきたキャリアガスと接触して溶媒と共に気化しにく
い溶質も瞬時にして気化する。
【0049】ここで、液体原料供給空間(1a)と気化空間
(2)との圧力状態について述べる。液体原料供給空間(1
a)が液体原料容器(12)の内圧によって液体原料(3)が圧
送されているため、常圧より高い正圧状態にある。一
方、被供給部(5)の反応室では、前述のように常圧、或
いは負圧、場合によっては正圧に保持される。従って、
被供給部(5)の反応室に接続されている気化空間(2)も常
圧、或いは負圧、又は正圧に保持される。ここで、本発
明のポイントの1つとなる点は、気化空間(2)の圧力状
態に拘わらず、液体原料供給空間(1a)の圧力は気化空間
(2)の圧力より高く保たれるということである。このよ
うにする事で、液体原料供給側(1)では沸点が上昇する
事になるので、液体原料(3)を加熱しても沸騰して液体
原料(3)内部に気泡が発生して液体原料(3)の供給量を変
動(減少)させるというような事がない。一方、気化空
間(2)は、液体原料供給空間(1a)の圧力より低く保たれ
ているので、液体原料(3)の沸点が低下するため沸騰し
やすく、霧化と相俟ってより迅速な気化が実現される。
【0050】前述のように霧化した液体原料(3)の大半
は気化することになるが、極く一部は気化空間(2)の内
壁(11)に付着し、次第に成長して大きな液滴(3c)とな
る。この液滴(3c)が或る程度成長すると重力の関係から
内壁(11)上を流下する。前記内壁(11)が擂り鉢状に形成
されているので、前記液滴(3c)は気化空間(2)の底部に
形成されている連通孔(6)の孔縁に集まり、連通孔(6)を
通って上ってきた液体原料(3)と合体する。この部分に
は超音波発生器(9)の先端(9a1)が上方から連通孔(6)に
臨むように配設されているので、集まった液滴(3c)は合
体した液体原料(3)と共に超音波発生器(9)により霧化さ
れ、気化空間(2)に放散される。従って、気化される絶
対量は殆ど変わらない事になる。
【0051】気化原料(3b)は、気化空間(2)に流入して
きたキャリアガスに乗り、被供給部(5)に供給されるの
であるが、気化空間(2)のキャリアガスは、擂り鉢状の
気化空間(2)の底部側側面にて底部側側面の接線方向に
キャリヤガス導入孔(17)が穿設されており、気化空間
(2)の上部側側面にて被供給部(5)に連通する排出孔(18)
が上部側側面に接線方向に穿設されているので、流入し
たキャリヤガス(19)は擂り鉢状の気化空間(2)内を旋回
してから排出されるようになり、気化空間(2)内での滞
留時間がそれだけ長くなり、霧化した液体原料(3)の気
化がより完全に行われる事になる。被供給部(5)に流入
した気化原料(3b)を含むキャリアガスは、所定の成膜プ
ロセスで消費され、しかる後排出される。
【0052】成膜プロセスが終了すると、気体原料(3b)
の供給を速やかに停止させる必要がある。本発明では、
プロセス終了と同時に気体用質量流量制御器(15)の制御
弁部(34)を閉じてキャリアガスの供給を停止し、同時に
バルブアクチュエータ(29)を作動させてプランジャ(27)
を押し上げ、ダイアフラム(24)にて弁座(7)の入り口(1
0)を閉じる。これにより気化器(14)へのキャリアガス及
び液体原料(3)の供給は停止する。
【0053】問題は、連通孔(6)内の液体原料(3)である
が、図3のようにホーン(9a)の先端(9a1)が連通孔(6)の
出口(10a)に臨んでおれば、デッドボリュームとなるべ
き液体原料(3)の量は極く僅かな連通孔(6)部分だけとな
るし、図4のように連通孔(6)の入り口(10)近傍まで差
し込まれておれば、更にデッドボリュームの量は少なく
なる。従って、プロセス終了後も気化ガスの供給が続く
というような事態を避ける事が出来、応答性が非常によ
くなる。
【0054】なお、図6に示すように、バルブアクチュ
エータ(29)の端部にソレノイドを内蔵し、バルブアクチ
ュエータ(29)を図中上下に移動させる機能を持つシャッ
トオフ弁(35)を設置し、シャットオフ弁(35)で連通孔
(6)の開閉を行い、間隙調整による流入量の制御はバル
ブアクチュエータ(29)にて行うようにしてもよい。
【0055】
【発明の効果】本発明は、気化空間において液体原料に
超音波をかけて霧化するので、体積当たりの表面積が飛
躍的に増加し、たとえ液体原料が、気化しやすい溶媒に
気化しにくい固体粉末原料を分散させた分散液であった
としても溶質を残す事なく溶媒の気化と同時に溶質も瞬
時に気化させる事が出来る。
【0056】また、液体原料供給側を正圧に保ち、気化
空間を負圧に保つようにする事で、液体原料を加熱した
としても液体原料供給側での沸騰による気泡発生を抑制
し、気化空間側では液体原料の沸点を低下させて沸騰し
やすくし、前記霧化と相俟ってより迅速な気化を実現す
る事が出来る。
【0057】また、気化空間内で霧化した液体原料が螺
旋を描いて被供給部方向に流れて行くようにしする事
で、霧化液体原料の気化空間内での滞留時間を長くし、
これにより完全に気化させる事が出来る。
【0058】また、超音波発生器の先端を連通孔の入口
に達するように配置する事で連通孔の入口から連通孔内
に侵入してきた液体原料は直ちに超音波発生器の先端に
接触して霧化され、デッドボリュームとして連通孔内に
残る液体原料の量は極めて少なくなり、弁機構部による
閉塞とほぼ同時に液体原料の霧化並びに気化が終息す
る。
【0059】気化空間の内壁を擂り鉢状にする事で、内
壁に付着して液滴を形成した液体原料は流下して気化空
間の底部に形成されている連通孔の孔縁に集まり、連通
孔を通って上ってきた液体原料と合体して超音波発生器
の先端に接触し、再度霧化されて気化空間に放散され
る。その結果、付着液滴も順次霧化されて気化されるた
め、気化しにくい固体粉末を分散した液を液体原料とし
て使用した場合でもこの固体粉末が残渣となって残るよ
うなことがない。また、擂り鉢状の気化空間の底部側側
面にて底部側側面の接線方向にキャリヤガス導入孔を穿
設し、気化空間の上部側側面にて被供給部に連通する排
出孔を上部側側面に接線方向に穿設する事で、流入した
キャリヤガスは擂り鉢状の気化空間内を旋回してから排
出されるようになり、気化空間内での滞留時間がそれだ
け長くなり、その結果、霧化した液体原料の気化がより
完全に行われる事になる。
【0060】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置のフロー図
【図2】本発明に使用される気化器の正断面図
【図3】図2の弁座を中心とした気化器の主要部分の拡
大断面図
【図4】図2の弁座を中心とした気化器の主要部分の他
の拡大断面図
【図5】図3の平断面図
【図6】図3の他の平断面図
【図7】本発明で使用される気化器にシャットオフバル
ブを直列に接続した時の断面図
【符号の説明】
(1) 液体原料供給側 (1a) 液体原料供給空間 (2) 気化空間 (3) 液体原料 (3a) 霧化した液体原料 (3b) 気化原料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/8247 29/788 29/792 Fターム(参考) 4D074 AA01 DD09 DD17 DD22 DD34 DD49 4K030 EA01 5F001 AA17 AG21 5F045 AC15 AC17 BB10 EE02 EE14 EE17 5F083 AD11 FR01 GA27 JA06 JA14 PR21

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連通孔を通って液体原料供給側から気化
    空間に供給された液体原料に超音波をかけて霧化し、前
    記霧化した液体原料を気化空間にて気化させ、被供給部
    に前記気化原料を供給する事を特徴とする気化方法。
  2. 【請求項2】 液体原料が、気化しやすい溶媒に気化し
    にくい固体粉末原料を分散させた分散液である事を特徴
    とする請求項1に記載の気化方法。
  3. 【請求項3】 液体原料が、気化しにくい材料である事
    を特徴とする請求項1に記載の気化方法。
  4. 【請求項4】 液体原料供給側が正圧に保たれ、気化空
    間が負圧に保たれるようになっている事を特徴とする請
    求項1〜3に記載の気化方法。
  5. 【請求項5】 気化空間が加熱されている事を特徴とす
    る請求項1〜4に記載の気化方法。
  6. 【請求項6】 気化空間内で霧化した液体原料が螺旋を
    描いて被供給部方向に流れて行くようにした事を特徴と
    する請求項1〜5に記載の気化方法。
  7. 【請求項7】 液体原料供給空間と、供給された液体原
    料が気化し、被供給部に連通していて気化原料を被供給
    部に供給する気化空間と、前記液体原料が液体原料供給
    空間から気化空間に移動する連通孔が形成されている弁
    座と、弁座に当接・離間する弁機構部と、連通孔内にそ
    の先端が近接或いは挿入して連通孔を通過している液体
    原料に接触し、接触した液体原料を霧化する超音波発生
    器とで構成されている事を特徴とする気化器。
  8. 【請求項8】 液体原料供給空間と気化空間との間で差
    圧が存在し、液体原料供給空間の圧力が気化空間の圧力
    より高く保たれている事を特徴とする請求項7に記載の
    気化器。
  9. 【請求項9】 超音波発生器のホーンの先端が連通孔の
    入口に臨んでいる事を特徴とする請求項7又は8に記載
    の気化器。
  10. 【請求項10】 気化空間を構成する内壁が加熱されて
    いる事を特徴とする請求項7〜9に記載の気化器。
  11. 【請求項11】 気化空間を構成する内壁が、底部方向
    に行くほど次第にその内径を減ずるように形成されてお
    り、気化空間の底部に液体原料供給空間に連通する連通
    孔が形成されており、超音波発生器のホーンの先端が連
    通孔の上方から連通孔に臨んでいる事を特徴とする請求
    項7〜10に記載の気化器。
  12. 【請求項12】 気化空間の底部側側面にて底部側側面
    の接線方向にキャリヤガス導入孔が穿設されており、気
    化空間の上部側側面にて被供給部に連通する排出孔が上
    部側側面に接線方向に穿設されている事を特徴とする請
    求項7〜11に記載の気化器。
  13. 【請求項13】 内部が正圧に保たれた液体原料容器
    と、液体原料容器からの液体原料の供給を受け、通過し
    ている液体原料の質量流量を計測する液体原料用質量流
    量計と、液体原料用質量流量計からの計測値に基づいて
    液体原料用質量流量計から供給された液体原料を気化さ
    せて被供給装置に供給する気化器と、気化器内に配設さ
    れてその一部を構成し、気化器内に導入された液体原料
    を霧化する超音波発生器のホーンと、気化器を加熱し、
    気化器内で霧化された液体原料を気化させる加熱装置と
    で構成されており、 気化器の内部構造が、液体原料用質量流量計と接続して
    いる液体原料供給空間と、被供給部に連通しており且つ
    液体原料供給空間から供給された前記液体原料を気化さ
    せて被供給部に送り込む気化空間と、前記液体原料が液
    体原料供給空間から気化空間に移動する連通孔が形成さ
    れている弁座と、弁座に当接・離間する弁機構部と、連
    通孔内にそのホーン先端が近接或いは挿入して連通孔を
    通過している液体原料に接触し、接触した液体原料を霧
    化する超音波発生器とで構成されている事を特徴とする
    気化装置。
  14. 【請求項14】 内部が正圧に保たれた液体原料容器
    と、液体原料容器からの液体原料の供給を受け、通過し
    ている液体原料の質量流量を計測する液体原料用質量流
    量計と、液体原料用質量流量計からの計測値に基づいて
    液体原料用質量流量計から供給された液体原料を気化さ
    せて被供給装置に供給する気化器と、気化器に接続さ
    れ、気化器内で生成した気化原料を被供給装置に搬送す
    るキャリアガスを所定の質量流量だけ気化器に供給する
    気体用質量流量制御器と、気化器内に配設されてその一
    部を構成し、気化器内に導入された液体原料を霧化する
    超音波発生器のホーンと、気化器を加熱し、気化器内で
    霧化された液体原料を気化させる加熱装置とで構成され
    ており、 気化器の内部構造が、液体原料用質量流量計と接続して
    いる液体原料供給空間と、被供給部に連通しており且つ
    液体原料供給空間から供給された前記液体原料を気化さ
    せて被供給部に送り込む気化空間と、前記液体原料が液
    体原料供給空間から気化空間に移動する連通孔が形成さ
    れている弁座と、弁座に当接・離間する弁機構部と、連
    通孔内にその先端が近接或いは挿入して連通孔を通過し
    ている液体原料に接触し、接触した液体原料を霧化する
    超音波発生器のホーンとで構成されている事を特徴とす
    る気化装置。
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