JP2000198969A - 接着剤付き芳香族ポリイミドフィルム、金属張積層体および回路板 - Google Patents

接着剤付き芳香族ポリイミドフィルム、金属張積層体および回路板

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた引張弾性率、伸びおよび引裂き伝播抵
抗(エルメンドルフ)を併有しかつ接着剤との密着性、
ハンドリング性および打ち抜き性の良好な接着剤付き芳
香族ポリイミドフィルムを提供すること 【解決手段】 ビフェニルテトラカルボン酸成分とフェ
ニレンジアミンとを主成分として製造されたポリイミド
からなり、厚みが5〜150μmであって、引張弾性率
が厚みに応じて特定範囲内にあり、伸びが45〜90%
であり、かつ引裂き伝播抵抗(エルメンドルフ)が厚み
に応じて特定範囲内にある芳香族ポリイミドフィルムの
少なくとも片側に接着剤層を有する、接着剤付き芳香族
ポリイミドフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、優れた引張弾性
率、伸びおよび引裂き伝播抵抗(エルメンドルフ)を併
有しかつ接着剤との密着性、ハンドリング性および打ち
抜き性の良好な、接着剤付き芳香族ポリイミドフィル
ム、該フィルムに金属層を積層した金属張積層体および
該積層体の金属層に回路を形成した回路板に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】芳香
族ポリイミドフィルムは、耐熱性、耐寒性、耐薬品性、
電気絶縁性、機械的強度などにおいて優れた特性を有す
ることから、種々の分野で広く利用されている。なかで
も、ビフェニルテトラカルボン酸成分とフェニレンジア
ミン成分とからなる芳香族ポリイミドフィルムは、特に
高耐熱性で高弾性率であることが知られている。従っ
て、このようなタイプの芳香族ポリイミドフィルムは、
特にその優れた耐熱性、弾性率に着目した場合、テープ
・オートメーテッド・ボンディング(TAB)用キャリ
アテープの製造に用いる支持体として適しているという
ことができる。
【0003】しかし、このポリイミドフィルムが使用さ
れる前記分野では、より高精度でより高生産性の要求か
ら、導電体(通常は銅箔)とポリイミドフィルムとを接
着剤で積層した積層体の走行安定性(例えば、引き裂き
発生の問題)、打ち抜き時のフィルムの座屈が問題とさ
れている。そして、これらは、1つにはポリイミドフィ
ルムの伸びが小さいことに起因することが指摘されてい
る。また、ポリイミドフィルムは、弾性率と伸びとが相
反する性質となって、弾性率の大きいフィルムは伸びが
小さく、伸びの大きいフィルムは弾性率が小さいことが
知られている。
【0004】このため、ポリイミドフィルムについて種
々の改良がなされた。例えば、特開昭61−26402
7号公報にはビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp
−フェニレンジアミンとから得られるポリイミドフィル
ムを低張力下に再熱処理して寸法安定なポリイミドフィ
ルムを製造する方法が記載されている。また、特公平4
−6213号公報には線膨張係数比(送り方向/直行方
向)および送り方向の線膨張係数が特定範囲内にあり寸
法安定性に優れたポリイミドフィルムが記載されてい
る。さらに、特公昭62−60416号公報、特公昭6
3−5421号公報、特公昭63−5422号公報に
は、流延法での製膜時の芳香族ポリアミック酸フィルム
の剥離性を改良する方法が記載されている。また、特公
平3−20130号公報にはビフェニルテトラカルボン
酸類およびピロメリット酸類とフェニレンジアミンおよ
びジアミノジフェニルエーテルとの3−4成分系ポリイ
ミド膜が記載され、特開平4−198229号公報や特
開平4−339835号公報には置換もしくは非置換の
含窒素複素環化合物を添加する製造方法が記載されてい
る。しかし、これらの公知技術では、得られる芳香族ポ
リイミドフィルムは線膨張係数や寸法安定性などの熱特
性や引張弾性率は改善されるものの、伸びや引き裂き伝
播抵抗(エルメンドルフ)が不十分であったり、逆に耐
熱性や引張弾性率が低下する。
【0005】このため、テトラカルボン酸成分としてピ
ロメリット酸二無水物とベンゾフェノンテトラカルボン
酸二無水物あるいはビフェニルテトラカルボン酸二無水
物とを組み合わせ、ジアミン成分として直線性ジアミン
(例えば、フェニレンジアミン)と屈曲性ジアミン(例
えば、ジアミノジフェニルエーテル)とを組み合わせた
ポリイミドからなるフィルムを使用したTAB用テープ
や、有機りん化合物を含有させたポリイミドからなる耐
屈曲性の改良されたポリイミドフィルム、あるいは端裂
抵抗が50〜70kgf/20mmのポリイミドフィル
ムからなる打ち抜き性に優れたフィルムが提案されてい
る。すなわち、第1のTAB用テープは特開平5−26
3049号公報に、第2の耐屈曲性の改良されたポリイ
ミドフィルムは特開平2−28257号公報に、さらに
第3の打ち抜き性に優れたフィルムは特開平6−334
110号公報にそれぞれ記載されている。しかし、これ
ら公知のポリイミドフィルムは、伸びや引き裂き伝播抵
抗(エルメンドルフ)が不十分であったり、引張強度や
引張弾性率が小さく耐屈曲性も不十分であったり、ある
いは接着性が不十分であったりしていずれも満足のいく
ものではない。
【0006】このように、従来の技術では、引張弾性
率、伸びおよび引き裂き伝播抵抗(エルメンドルフ)を
併せて満足する芳香族ポリイミドフィルムを得ることは
できなかった。
【0007】従って、この発明の目的は、優れた引張弾
性率、伸びおよび引裂き伝播抵抗(エルメンドルフ)を
併有しかつ接着剤との密着性、ハンドリング性および打
ち抜き性の良好な、接着剤付き芳香族ポリイミドフィル
ム、該フィルムに金属層を積層した金属張積層体および
該積層体の金属層に回路を形成した回路板を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記目的
を、下記の接着剤付き芳香族ポリイミドフィルム、金属
張積層体および回路板を提供することにより達成したも
のである。
【0009】「ビフェニルテトラカルボン酸成分とフェ
ニレンジアミンとを主成分として製造されたポリイミド
からなり、厚みが5〜150μmであって、引張弾性率
が、厚みが5μm以上50μm未満の場合には750〜
1300kg/mm2 で、厚みが50μm以上100μm
以下の場合には650〜1100kg/mm2 で、厚みが
100μmより大きく150μm以下の場合には550
〜1100kg/mm2であり、伸びが45〜90%であ
り、かつ引裂き伝播抵抗(エルメンドルフ)が、厚みが
5μm以上50μm未満の場合には350〜1500g
/mmで、厚みが50μm以上150μm以下の場合に
は550〜1500g/mmである芳香族ポリイミドフ
ィルムの少なくとも片側に接着剤層を有する、接着剤付
き芳香族ポリイミドフィルム。(以下、この接着剤付き
芳香族ポリイミドフィルムを第1の接着剤付き芳香族ポ
リイミドフィルムという)」
【0010】「芳香族ポリイミドフィルムの加熱収縮率
が0.002〜0.4%であり、比端裂抵抗値が14〜
25kg/20mm/10μmである第1の接着剤付き
芳香族ポリイミドフィルム。」
【0011】「芳香族ポリイミドフィルムが0.1〜5
重量%の無機フィラーを含有する第1の接着剤付き芳香
族ポリイミドフィルム。」
【0012】「接着剤層が、下記(a)、(b)および
(c)成分を含む接着剤組成物からなるものである第1
の接着剤付き芳香族ポリイミドフィルム。」 (a)ビフェニルテトラカルボン酸成分を主成分とする
芳香族テトラカルボン酸成分と、下記〔化2〕の一般式
(1)で示されるジアミノポリシロキサン10〜80モ
ル%および芳香族ジアミン20〜90モル%からなるジ
アミン成分とから得られた可溶性ポリイミドシロキサン
100重量部
【化2】 (b)エポキシ化合物0〜250重量部 (c)エポキシ硬化剤0〜250重量部
【0013】「第1の接着剤付き芳香族ポリイミドフィ
ルムに、接着剤層を介して金属層を積層してなる金属張
積層体。」
【0014】「前記金属張積層体の金属層に回路を形成
してなる回路板。」
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の接着剤付き芳香
族ポリイミドフィルム、金属張積層体および回路板につ
いて詳述する。
【0016】先ず、この発明の接着剤付き芳香族ポリイ
ミドフィルムについて説明する。この発明において、ビ
フェニルテトラカルボン酸成分としては、2,3,
3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、これらのハロ
ゲン化物、それらの二無水物、またはそれらのエステル
化物が使用できるが、なかでも3,3’,4,4’−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物が好適に用いられ
る。この発明においては前記ビフェニルテトラカルボン
酸成分と他の芳香族テトラカルボン酸成分を併用するこ
とができ、斯る併用可能な好ましい芳香族テトラカルボ
ン酸成分としては、ピロメリット酸二無水物を挙げるこ
とができる。ピロメリット酸二無水物を併用する場合
は、テトラカルボン酸成分中50モル%以下であること
が好ましい。
【0017】この発明の効果を損なわない範囲で他の芳
香族テトラカルボン酸成分を使用してもよい。このよう
な芳香族テトラカルボン酸成分としては、3,3’,
4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカル
ボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジ
カルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3
−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、2,3,
6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,
4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水
物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無
水物などを挙げることができる。
【0018】この発明で使用するフェニレンジアミン
は、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミ
ン、そしてp−フェニレンジアミンのいずれであっても
よい。この発明の効果を損なわない範囲で他の芳香族ジ
アミン成分を使用してもよい。このような芳香族ジアミ
ン成分としては、ジアミノジフェニルエーテル、4,
4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミ
ノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルメ
タン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕
プロパン、2,2’−ビス〔4−(アミノフェノキシ)
フェニル〕1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプ
ロパン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕エーテルなどを挙げることができる。
【0019】この発明において、芳香族ポリイミドフィ
ルムは、厚みが5〜150μmであり、好ましくは7〜
125μm、特に好ましくは7〜100μmである。芳
香族ポリイミドフィルムの厚みがこの下限より小さいと
自己支持性が低く、また上限より大きいと製造に多大な
コストがかかる。また、芳香族ポリイミドフィルムの引
張弾性率、伸びおよび引裂き伝播抵抗(エルメンドル
フ)の値が前記の範囲外であると、この発明の目的を達
成することができない。
【0020】また、芳香族ポリイミドフィルムの加熱収
縮率または比端裂抵抗値が前記範囲内であると、種々の
環境下においた場合の寸法安定性、ハンドリングが良好
である。
【0021】この発明の芳香族ポリイミドフィルムは、
例えば以下のようにして製造することができる。好適に
は先ず前記ビフェニルテトラカルボン酸成分とフェニレ
ンジアミン、好適にはパラフェニレンジアミンとをN,
N−ジメチルアセトアミドやN−メチル−2−ピロリド
ンなどのポリイミドの製造に通常使用される有機極性溶
媒中で、好ましくは10〜80℃で1〜30時間重合し
て、ポリマーの対数粘度(測定温度:30℃、濃度:
0.5g/100ml溶媒、溶媒:N−メチル−2−ピ
ロリドン)が0.1〜5、ポリマー濃度が15〜25重
量%であり、回転粘度(30℃)が500〜4500ポ
イズであるポリアミック酸(イミド化率:5%以下)溶
液を得る。
【0022】次いで、例えば上記のようにして得られた
ポリアミック酸溶液に、好適には、1,2−ジメチルイ
ミダゾールを、ポリアミック酸のアミック酸単位に対し
て好ましくは0.005〜2倍当量、より好ましくは
0.005〜0.8倍当量、特に好ましくは0.02〜
0.8倍当量程度の量含有させる。1,2−ジメチルイ
ミダゾールの一部を、イミダゾール、ベンズイミダゾー
ル、N−メチルイミダゾール、N−ベンジル−2−メチ
ルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル
−4−メチルイミダゾール、5−メチルベンズイミダゾ
ール、イソキノリン、3,5−ジメチルピリジン、3,
4−ジメチルピリジン、2,5−ジメチルピリジン、
2,4−ジメチルピリジン、4−n−プロピルピリジン
などで置き換えてもよい。
【0023】前記のポリアミック酸溶液に、リン化合物
を、好ましくはこのポリアミック酸100重量部に対し
て0.01〜5重量部、特に0.01〜3重量部、その
中でも特に0.01〜1重量部の割合で有機リン化合
物、好適には(ポリ)リン酸エステル、リン酸エステル
のアミン塩あるいは無機リン化合物を添加し、さらに好
適には無機フィラー、好ましくはコロイダルシリカ、窒
化珪素、タルク、酸化チタン、燐酸カルシウム(好適に
は平均粒径0.005〜5μm、特に0.005〜2μ
m)を添加してポリイミド前駆体溶液組成物を調製す
る。前記無機フィラーの好ましい添加量は、芳香族ポリ
イミドフィルムが0.1〜5重量%の無機フィラーを含
有するようになる量である。
【0024】このポリイミド前駆体溶液組成物を平滑な
表面を有するガラスあるいは金属製の支持体表面に連続
的に流延して薄膜を形成し、その薄膜を乾燥する際に、
乾燥条件を調整して、温度:100〜200℃、時間:
1〜30分間乾燥することにより、固化フィルム中、前
記溶媒及び生成水分からなる揮発分含有量が30〜50
重量%程度、イミド化率が5〜80%程度である長尺状
固化フィルムを形成し、上記固化フィルムを支持体表面
から剥離する。前記の固化フィルムを、さらに乾燥条件
を調整して、温度:室温(25℃)〜250℃、時間:
0.5〜30分間程度乾燥する乾燥工程を加えてもよ
い。これらの乾燥工程の少なくとも一部で固化フィルム
の幅方向の両端縁を把持して、場合によりさらに力を加
えて、幅方向(TD)および両方向(MD、TD)を少
し延伸してもよい。
【0025】次いで、固化フィルムの表面または両面に
アミノシラン系、エポキシシラン系あるいはチタネート
系の表面処理剤を含有する表面処理液を塗布または粉霧
した後、さらに乾燥することもできる。表面処理剤とし
ては、γ−アミノプロピル−トリエトキシシラン、N−
β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピル−トリエト
キシシラン、N−(アミノカルボニル)−γ−アミノプ
ロピル−トリエトキシシラン、N−〔β−(フェニルア
ミノ)−エチル〕−γ−アミノプロピル−トリエトキシ
シラン、N−フェニル−γ−アミノプロピル−トリエト
キシシラン、γ−フェニルアミノプロピルトリメトキシ
シランなどのアミノシラン系や、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)−エチル−トリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピル−トリメトキシシランなどのエ
ポキシシラン系や、イソプロピル−トリクミルフェニル
−チタネート、ジクミルフェニル−オキシアセテート−
チタネートなどのチタネート系などの耐熱性表面処理剤
が使用できる。表面処理液は前記の表面処理剤を0.5
〜50重量%含む低級アルコール、アミド系溶媒などの
有機極性溶媒溶液として使用できる。表面処理液はグラ
ビアコート法、シルクスクリーン、浸漬法などを使用し
て均一に塗布して薄層を形成することが好ましい。
【0026】この発明における芳香族ポリイミドフィル
ムは、次いで、好適にはキュア炉内において固化フィル
ムを高温に加熱して乾燥およびイミド化を完了させて得
ることができる。すなわち、前記のようにして得られた
固化フィルムを必要であればさらに乾燥して、乾燥フィ
ルムの幅方向の両端縁を把持した状態で、キュア炉内に
おける最高加熱温度:450〜500℃程度、好ましく
は475〜500℃程度の温度が0.5〜30分間とな
る条件で該乾燥フィルムを加熱して乾燥およびイミド化
して、残揮発物量0.4重量%以下程度で、イミド化を
完了することによって長尺状の芳香族ポリイミドフィル
ムを好適に製造することができる。また、前記キュアリ
ング工程の後、芳香族ポリイミドフィルムの片面あるい
は両面をアルカリ処理した(例えば水酸化ナトリウムな
どのアルカリ水溶液浸漬後、酸洗浄・水洗・乾燥)後、
前記の表面処理液を塗布し加熱・乾燥することによって
も、同様にフィルム表面を表面処理することができる。
【0027】前記のようにして得られた芳香族ポリイミ
ドフィルムを、好適には低張力下あるいは無張力下に2
00〜400℃程度の温度で加熱して応力緩和処理し
て、巻き取る。
【0028】前記の芳香族ポリイミドフィルムは、前述
のポリアミック酸に1,2−ジメチルイミダゾールなど
を加えたポリイミド前駆体溶液を使用し、溶液流延法に
よって長尺状のフィルムとすることによって、引張弾性
率、伸びおよび引裂き伝播抵抗(エルメンドルフ)がこ
の発明で規定する値をとるようにすることができる。
【0029】この発明の接着剤付き芳香族ポリイミドフ
ィルムは、前記芳香族ポリイミドフィルムを、そのまま
あるいは表面処理剤で処理していない場合は、好適には
コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射、グロー放
電処理、火炎処理で表面処理を施した後、接着性を改良
した芳香族ポリイミドフィルムの少なくとも片側に熱可
塑性接着剤溶液あるいは熱硬化性接着剤溶液などの接着
剤組成物を塗布・乾燥してあるいはこれら接着剤組成物
からなる接着剤シート(未硬化状態)を積層して接着剤
層を設けることにより得られる。前記接着剤層の厚み
は、この接着剤付き芳香族ポリイミドフィルムの用途な
どに応じて適宜決定すればよく、好ましくは2〜60μ
m、より好ましくは3〜50μmである。
【0030】前記接着剤層としては、熱可塑性でかつ熱
圧着性のポリイミドからなるもの、あるいは下記
(a)、(b)および(c)成分を含むポリイミドシロ
キサン接着剤組成物からなるものが好ましい。 (a)ビフェニルテトラカルボン酸成分を主成分とする
芳香族テトラカルボン酸成分と、前記〔化2〕の一般式
(1)で示されるジアミノポリシロキサン10〜80モ
ル%および芳香族ジアミン20〜90モル%からなるジ
アミン成分とから得られた可溶性ポリイミドシロキサン
100重量部 (b)エポキシ化合物0〜250重量部 (c)エポキシ硬化剤0〜250重量部 このポリイミドシロキサン接着剤組成物について以下に
詳しく説明する。
【0031】前記接着剤組成物において、(a)成分の
ポリイミドシロキサンの製造に用いられるビフェニルテ
トラカルボン酸成分を主成分とする芳香族テトラカルボ
ン酸成分としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテ
トラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテト
ラカルボン酸、またはこれらの酸二無水物やエステル化
物などのビフェニルテトラカルボン酸成分を、60モル
%以上、特に80〜100モル%含有する芳香族テトラ
カルボン酸成分が使用される。これらの中でも特に、
2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物が、前記ポリイミドシロキサンの有機極性溶媒に対
する溶解性、エポキシ化合物との相溶性などに優れてい
るので好適である。
【0032】前記ビフェニルテトラカルボン酸成分と共
に使用することができる芳香族テトラカルボン酸成分と
しては、例えば、3,3’,4,4’−ベンゾフェノン
テトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルエ
ーテルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキ
シフェニル)プロパン、ピロメリット酸、またはそれら
の酸二無水物やエステル化物などを好適に挙げることが
できる。しかし、これらの使用量が多すぎると、前記ポ
リイミドシロキサンが有機極性溶媒に対して難溶性とな
ったり、エポキシ樹脂との相溶性が悪化したりするので
適当ではない。
【0033】また、(a)成分のポリイミドシロキサン
の製造に用いられる一般式(1)で示されるジアミノポ
リシロキサンとしては、式中のRが炭素数2〜6個、特
に3〜5個の『複数のメチレン基』、又はフェニレン基
からなる2価の炭化水素基であり、R1 〜R4 がメチル
基、エチル基、プロピル基などの炭素数1〜5の低級ア
ルキル基またはフェニル基であることが好ましく、更
に、nが3〜60の整数、特に5〜20、更に好ましく
は5〜15程度であることが好ましい。R、R1〜R4
の炭素数が多すぎたり、nの数が大きすぎると、反応性
が低下したり、耐熱性が悪くなったり、得られるポリイ
ミドシロキサンの分子量が低くなったり、有機溶媒に対
する溶解性が低下したり、他の有機化合物との相溶性が
悪くなったりするので前記程度のものが適当である。
【0034】前記一般式(1)で示されるジアミノポリ
シロキサンの具体的種類としては、ω,ω’−ビス(2
−アミノエチル)ポリジメチルシロキサン、ω,ω’−
ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、
ω,ω’−ビス(4−アミノフェニル)ポリジメチルシ
ロキサン、ω,ω’−ビス(4−アミノ−3−メチルフ
ェニル)ポリジメチルシロキサン、ω,ω’−ビス(3
−アミノプロピル)ポリジフェニルシロキサンなどを好
適に挙げることができる。
【0035】また、前記ジアミノポリシロキサンと共に
使用される芳香族ジアミンとしては、一般にはベンゼン
環などの芳香族環を2個以上、特に2〜5個有する芳香
族ジアミン化合物、例えばビフェニル系ジアミン化合
物、ジフェニルエーテル系ジアミン化合物、ベンゾフェ
ノン系ジアミン化合物、ジフェニルスルホン系ジアミン
化合物、ジフェニルメタン系ジアミン化合物、ジフェニ
ルプロパン系ジアミン化合物、ジフェニルチオエーテル
系ジアミン化合物、ビス(フェノキシ)ベンゼン系ジア
ミン化合物、ビス(フェノキシフェニル)スルホン系ジ
アミン化合物、ビス(フェノキシ)ジフェニルスルホン
系ジアミン化合物、ビス(フェノキシフェニル)ヘキサ
フルオロプロパン系ジアミン化合物、ビス(フェノキシ
フェニル)プロパン系ジアミン化合物などを挙げること
ができ、それらを単独、あるいは、混合物として使用す
ることができる。
【0036】前記芳香族ジアミンの具体的種類として
は、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’
−ジアミノジフェニルエーテルなどのジフェニルエーテ
ル系ジアミン化合物、1,3−ビス(3−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼンなどのビス(フェノキシ)ベンゼン系ジア
ミン化合物、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕プロパンなどのビス(フェ
ノキシフェニル)プロパン系ジアミン化合物、ビス〔4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフォン、ビ
ス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフォ
ンなどのビス(フェノキシフェニル)スルフォン系ジア
ミン化合物などの芳香族環を2〜5個有する芳香族ジア
ミン化合物を好適に挙げることができる。
【0037】この発明において、ジアミノポリシロキサ
ンと芳香族ジアミンは、前者が10〜80モル%、好ま
しくは12〜75モル%、更に好ましくは13〜70モ
ル%、後者が90〜20モル%、好ましくは88〜25
モル%、更に好ましくは87〜30モル%の割合で使用
される。どちらかの成分が多すぎたり、少なすぎたりし
てこれらの範囲をはずれるとポリイミドシロキサンの有
機溶媒に対する溶解性が低下したり、他の有機化合物と
の相溶性が悪くなったりするので適当でない。
【0038】この発明において、(a)成分のポリイミ
ドシロキサンは、次の方法などで製造される。 (a1)芳香族テトラカルボン酸成分とジアミノポリシロ
キサンおよび芳香族ジアミンのジアミン成分とを、略等
モル使用して有機極性溶媒中で連続的に温度15〜25
0℃で重合及びイミド化させてポリイミドシロキサンを
得る方法。
【0039】(a2)ジアミン成分を分けて、まず芳香族
テトラカルボン酸成分の過剰量とジアミノポリシロキサ
ンとを有機極性溶媒中で温度15〜250℃で重合およ
びイミド化させて、平均重合度1〜10程度の末端に酸
または酸無水物基を有するイミドシロキサンオリゴマー
を調製し、別に芳香族テトラカルボン酸成分と過剰量の
芳香族ジアミンとを有機極性溶媒中で温度15〜250
℃で重合、およびイミド化させて、平均重合度1〜10
程度の末端にアミノ基を有するイミドオリゴマーを調製
し、次いでこの両者を酸成分とジアミン成分とが略等モ
ルになるように混合して温度15〜60℃で反応させ、
更に温度を130〜250℃に昇温してブロックタイプ
のポリイミドシロキサンを得る方法。
【0040】(a3)芳香族テトラカルボン酸成分とジア
ミノポリシロキサンおよび芳香族ジアミン成分とを略等
モル使用して、有機極性溶媒中でまず温度20〜80℃
で重合させて一度ポリアミック酸を得た後に、イミド化
してポリイミドシロキサンを得る方法。
【0041】この発明でポリイミドシロキサンの製造に
使用される有機極性溶媒としては、例えば、N,N−ジ
メチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホル
ムアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系
溶媒、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、
ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ヘキサメチルス
ルホルアミドなどの硫黄原子を含有する溶媒、クレゾー
ル、フェノール、キシレノールなどのフェノール系溶
媒、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリ
コール、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの酸素原
子を分子内に有する溶媒、ピリジン、テトラメチル尿素
などのその他の溶媒を挙げることができる。更に、必要
に応じて、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族
炭化水素系溶媒、ソルベントナフサ、ベンゾニトリルの
ような他の種類の有機溶媒を併用することも可能であ
る。
【0042】この発明において、ポリイミドシロキサン
は、前記(a1)〜(a3)などのいずれの方法で得られた
ものを使用してもよいが、できるだけ高分子量でイミド
化率が高く、有機極性溶媒に少なくとも3重量%以上、
特に5〜40重量%程度の高濃度で溶解させることがで
きるものが、積層操作や積層性能のよい積層体が得られ
るので好適である。
【0043】前記ポリイミドシロキサンのイミド化率
は、赤外線吸収スペクトル分析法で測定してイミド化率
が90%以上、特に95%以上が好ましく、赤外線吸収
スペクトル分析においてポリマーのアミド−酸結合に係
わる吸収ピークが実質的に見出されず、イミド環結合に
係わる吸収ピークのみが見られるような高いイミド化率
であることが好ましい。
【0044】前記ポリイミドシロキサンは、分子量の目
安としての対数粘度(測定濃度:0.5g/100ミリ
リットル溶液、溶媒:N−メチル−2−ピロリドン、測
定温度:30℃、粘度計:キャノンフェンスケ型粘度
計)が、0.05〜7、特に0.07〜4、更に好まし
くは0.1〜3程度であるのが適当である。
【0045】更に、前記ポリイミドシロキサンは、フィ
ルムに形成した場合に、その弾性率が250kg/mm
2 以下、特に0.5〜200kg/mm2 であって、熱
分解開始温度が250℃以上、特に300℃以上であ
り、二次転位温度が−10℃以上、特に30℃〜250
℃程度、あるいは軟化温度が−10℃以上、特に5℃以
上、更に好ましくは5〜250℃程度であることが好ま
しい。
【0046】この発明において使用される(b)成分の
エポキシ化合物の使用割合は、前記(a)成分のポリイ
ミドシロキサン100重量部に対して、0〜250重量
部、好ましくは5〜200重量部であり、多すぎたり少
なすぎたりすると、未硬化状態の接着剤組成物がべたつ
いて硬化後の柔軟性に欠けたり、未硬化状態の接着剤組
成物の軟化点が高すぎたりして硬化後の積層特性が悪く
なったりするので前記範囲にすることが望ましい。
【0047】この発明において使用される(b)成分の
エポキシ化合物としては、1個以上のエポキシ基を有す
るエポキシ化合物であればよく、具体的種類としては、
例えば、ビスフェノールA型またはビスフェノールF型
エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株式会社製、商品
名:エピコート807、828など)、フェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂、アルキル多価フェノール型エポ
キシ樹脂(日本化薬株式会社製、RE701、RE55
0Sなど)、多官能型エポキシ樹脂(住友化学工業株式
会社製、ELM−100など)、グリシジルエーテル型
エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グ
リシジルアミン型エポキシ樹脂(三菱瓦斯化学株式会社
製、商品名:テトラッドXなど)、エポキシ・ポリオキ
シアルキレン変性ポリシロキサン(東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン株式会社製、商品名:SF−8421,
BY−16−845など)などが挙げられ、これらを単
独でまたは複数併用することもできる。エポキシ化合物
の融点が高すぎると未硬化状態の接着剤組成物の軟化点
が高くなるので、融点が90℃以下、特に0〜80℃程
度であるもの、あるいは、30℃以下の温度で液状であ
るものが好適である。
【0048】また、この発明において使用される(c)
成分のエポキシ硬化剤としては、それ自体公知の硬化
剤、例えばイミダゾール類、第3級アミン類、トリフェ
ニルフォスフィン類などの硬化触媒、ジシアンジアミド
類、ヒドラジン類、芳香族ジアミン類、水酸基を有する
フェノールノボラック型硬化剤(明和化成株式会社製、
フェノールノボラック:H−1、H−5など)などの重
付加型硬化剤、有機過酸化物などを挙げることができ
る。これらの硬化剤は適宜公知の硬化促進剤と共に使用
される。
【0049】(c)成分のエポキシ硬化剤の使用量は、
前記(a)成分のポリイミドシロキサン100重量部に
対して、0〜250重量部、好ましくは0.1〜200
重量部である。
【0050】前記接着剤組成物には、前記の(a)ポリ
イミドシロキサン、(b)エポキシ化合物および(c)
エポキシ硬化剤の他に、無機充填剤、例えば、日本アエ
ロジル株式会社製の酸化ケイ素(商品名;アエロジル2
00、アエロジル300、アエロジルR202、アエロ
ジルR972など)、シオノギ製薬株式会社製の酸化ケ
イ素(商品名;カープレックス80など)、キャボット
社製の酸化ケイ素(商品名;キャボシールTS−720
など)を添加してもよい。また、前記接着剤組成物は、
樹脂成分としてビスマレイミド樹脂などの他の熱硬化性
樹脂などがポリイミドシロキサン100重量部に対して
0〜30重量部含有されていてもよい。
【0051】前記接着剤組成物は、前記の(a)ポリイ
ミドシロキサン、(b)エポキシ化合物、(c)エポキ
シ硬化剤の所定量を適当な有機極性溶媒に均一に分散さ
せ、撹拌・混合して容易に得ることができる。有機極性
溶媒と共に混合すると熱硬化性樹脂の溶液組成物が得ら
れる。有機極性溶媒としては、前記ポリイミドシロキサ
ンを得る際に使用できる有機極性溶媒、例えばジオキサ
ン、テトラヒドロフランなどの酸素原子を分子内に有す
る溶媒やN−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶
媒が好適に使用される。
【0052】前記の溶液組成物の濃度は、3〜50重量
%、好ましくは5〜40重量%が適当であり、溶液粘度
(30℃)は、0.1〜10000ポイズ、特に0.2
〜5000ポイズ、更に好ましくは0.3〜1000ポ
イズ程度であることが好ましい。
【0053】前記接着剤組成物は、未硬化の樹脂成分の
みの組成物の軟化温度(熱板上で軟化が開始する温度)
が、150℃以下、特に140℃以下、さらに好ましく
は0〜130℃程度であることが好ましい。
【0054】前記接着剤組成物は、前記の樹脂成分の全
てが有機極性溶媒に溶解されている溶液組成物を、前記
芳香族ポリイミドフィルム面上に塗布し、その塗布層を
80〜200℃の温度で20秒〜100分間乾燥するこ
とによって、溶媒が1重量%以下にまで、好ましくは溶
媒残存率が0.5重量%以下にまで実質的に除去された
未硬化状態の接着剤組成物の薄膜(厚さ約1〜200μ
mのドライフィルムまたはシート)を形成することがで
きる。
【0055】このようにして製造された未硬化の接着剤
組成物の薄膜は、好適な柔軟性を有しており、紙管など
に巻きつけたり、または打ち抜き法などの穴開け加工を
することもできる。
【0056】前記芳香族ポリイミドフィルム面上に前記
接着剤層が形成されたこの発明の接着剤付き芳香族ポリ
イミドフィルムは、吸水率(測定法;ASTM D57
0)が1.5%以下であることが好ましい。
【0057】次に、この発明の金属張積層体および回路
板について説明する。この発明の金属張積層体は、前記
の接着剤付き芳香族ポリイミドフィルムに接着剤層を介
して銅、アルミニウム、鉄などの適当な金属箔などの金
属層を積層してなるものである。この接着剤付き芳香族
ポリイミドフィルムと金属箔との積層(接合)は、例え
ば、接着剤層を介して、前記芳香族ポリイミドフィルム
と金属箔とを80〜200℃、特に100〜180℃の
温度で加圧(0.2〜8kg/cm2 )下にラミネート
(張り合わせ)して、更にそのラミネートされたものを
140〜250℃、特に150〜230℃の温度で、3
0分〜40時間、特に1〜30時間加熱して、前記接着
剤層を加熱・硬化させることにより、何らの支障なく容
易に連続的に行うことができる。
【0058】また、この発明の回路板は、前記金属張積
層体の金属層に回路を形成してなるものである。前記回
路の形成手段としては、前記芳香族ポリイミドフィルム
に直接あるいは接着剤層を介して金属層を積層して金属
張積層体を製造した後、その金属層表面に例えばエッチ
ィングレジストを回路パターン状(配線パターン状)に
印刷して、配線パターンが形成される部分の金属層表面
を保護するエッチィングレジストの配線パターンを形成
した後、それ自体公知の方法でエッチィング液を使用し
て配線が形成されない部分の金属層をエッチィングによ
り除去し、次いでエッチィングレジストを除去する方法
が挙げられる。
【0059】
【実施例】以下にこの発明の実施例を示す。以下の各例
において、ポリイミドフィルムの物性測定は以下の方法
によって行った。なお、以下の測定値は特記した場合を
除き25℃での測定値である。
【0060】伸び:ASTM D882−83に従って
測定(MD) 引張弾性率:ASTM D882−83に従って測定
(MD) 引裂き伝播抵抗(エルメンドルフ):ASTM D19
22−67に従って測定(MD) 引張強度:ASTM D882−83に従って測定(M
D) 加熱収縮率:JIS C2318に従って測定(200
℃) 絶縁破壊電圧:JIS C2318に従って測定 端裂抵抗値:JIS C2318に従って測定(MD) 端裂抵抗値(あるいは比端裂抵抗値)はJIS C23
18に従って測定した試料(5個)の端裂抵抗値(ある
いは比端裂抵抗値)の平均値を意味する。具体的には、
定速緊張形引張試験機の上部厚さ1.00±0.05m
mのV字形切り込み板試験金具の中心線を上部つかみの
中心線に一致させ、切り込み頂点と下部つかみとの間隔
を約30mmになるように柄を取り付ける。幅約20m
m、長さ約200mmの試験片を金具の穴部に通して二
つに折り合わせて試験機の下部のつかみにはさみ、1分
間につき約200mmの速さで引張り、引き裂けたとき
の力を端裂抵抗という。試験片と縦方向および横方向か
らそれぞれ全幅にわたって5枚とり端裂抵抗の平均値を
求め、端裂抵抗値として示す。比端裂抵抗値はフィルム
厚み当たり(10μm換算)の端裂抵抗値を示す。 線膨張係数(50〜200℃)測定:300℃で30分
加熱して応力緩和したサンプルをTMA装置(引張りモ
ード、2g加重、試料長10mm、20℃/分)で測定
【0061】また、以下の実施例において、分子量の目
安としての対数粘度(η)は、濃度が0.5g/100
ミリリットル溶液となるように、ポリイミドシロキサン
を、N−メチル−2−ピロリドンに均一に溶解して溶液
を調製し、キャノンフェンスケ型粘度計を用いて30℃
で測定した。
【0062】ポリイミドシロキサンフィルムの軟化温度
は、粘弾性試験における粘弾性ピークのTanδ(高温
側)をレオメトリック社製のメカニカルスペクトロメー
ターRDS−2を用いて求めた値である。
【0063】ポリイミドシロキサンの弾性率は、インテ
スコ社製の引張試験機を用いて、引張速度5 mm/分の
条件で測定した結果である。
【0064】剥離強度は、インテスコ社製の引張試験機
を用いて、剥離速度50mm/分で、測定温度25℃で
は90°剥離試験、そして測定温度180℃では180
°剥離試験を行って測定した結果である。
【0065】誘電率、誘電正接は、50Hzの時はJI
S C6481に準じて測定し、12.5GHzの時は
マイクロ波分光配向計(KSシステムズ社製、MOA−
2012A)で測定した。
【0066】絶縁抵抗は、銅箔(35μm)との積層体
の銅箔をエッチィングして櫛型電極(導体巾は0.2m
m、電極間隔0.05mm、電極の重なり部分は10m
mである電極3本を有する)を作製、その上に錫メッキ
(1μm)して、測定した。 測定条件は:(1) 温度25℃、湿度65%、電圧50
V、(2) 温度150℃、電圧50V、(3) 温度130
℃、湿度85%、電圧100Vの条件である。
【0067】電気信頼性は、前記の櫛型電極を使用し
て、温度130℃、湿度85%、圧力2.3気圧、印加
電圧100V、時間10,000分と温度150℃、大
気圧、印加電圧50V、時間14,000分の条件でテ
ストして評価して示した。
【0068】耐屈曲回数(MIT)は、接着剤付き芳香
族ポリイミドフィルムについてASTM D2176に
従って測定(MD)した。
【0069】吸水率は、接着剤付き芳香族ポリイミドフ
ィルムについてASTM D570(23℃で24時間
水中浸漬)に従って測定した。
【0070】〔イミドシロキサンオリゴマーの製造〕 参考例1 温度計、仕込・留出口および撹拌機を備えた容量500
ミリリットルのガラス製フラスコに2,3,3’,4’
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPD
A)0.045モル、ω,ω’−ビス(3−アミノプロ
ピル)ポリジメチルシロキサン(信越シリコン株式会社
製、X−22−161AS、n:9)0.030モル、
およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP)160g
を仕込み、窒素気流中で50℃の温度に高め、この温度
で2時間撹拌して、アミック酸オリゴマーを生成させ、
次いで、その反応液を200℃に昇温して、その温度で
3時間撹拌して末端に無水基を有するイミドシロキサン
オリゴマー(A−1成分、平均重合度:2)を製造し
た。
【0071】参考例2 下記表1に示す量のa−BPDA、2,2−ビス〔4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン(BAP
P)およびNMPをそれぞれ使用したほかは、参考例1
と同様にして末端に無水基を有するイミドオリゴマー
(B−1成分、平均重合度:2)を製造した。
【0072】参考例3 下記表1に示す量のa−BPDA、BAPPおよびNM
Pをそれぞれ使用したほかは、参考例1と同様にして末
端にアミノ基を有するイミドオリゴマー(B−2成分、
平均重合度:5)を製造した。
【0073】
【表1】
【0074】〔ポリイミドシロキサンの製造〕 参考例4 参考例1で製造したイミドシロキサンオリゴマー(A−
1成分)14.14g(0.0055モル)の20重量
%NMP溶液および参考例3で製造したイミドオリゴマ
ー(B−2成分)24.33g(0.0055モル)の
20重量%のNMP溶液を容量500ミリリットルのガ
ラス製フラスコに仕込み、参考例1と同様にして窒素気
流中、昇温して50℃で1時間撹拌してポリアミック酸
ブロックポリマーを生成させ、次いで、昇温して200
℃で3時間撹拌してポリイミドシロキサン(ブロックポ
リマー)を生成させた。このポリイミドシロキサンは、
イミド化率が95%以上であり、対数粘度が0.49で
あった。
【0075】参考例5 前記の参考例1、2で製造された各オリゴマーを下記表
2に示すような量および反応条件で使用したほかは、参
考例4と同様にして、ポリイミドシロキサン(ブロック
ポリマー)を製造した。製造されたポリイミドシロキサ
ンの対数粘度、フィルムに成型した際の弾性率、軟化温
度および誘電特性を下記表2に示す。
【0076】参考例6 温度計、仕込・留出口および撹拌機を備えた容量500
ミリリットルのガラス製フラスコに:a−BPDA
0.054モル、ジアミノポリシロキサン(X−22−
161AS)0.012モル、BAPP0.042モル
およびNMP175gを仕込み、窒素気流中で50℃の
温度に高め、この温度で3時間撹拌して、アミック酸オ
リゴマーを生成させ、次いで、その反応液を200℃に
昇温して、その温度で3時間撹拌してポリイミドシロキ
サン(ランダムポリマー、対数粘度:0.59、シロキ
サン単位の含有率:22.2モル%)を製造した。この
ポリイミドシロキサンの対数粘度、フィルムに成型した
際の弾性率、軟化温度および誘電特性を下記表2に示
す。
【0077】
【表2】
【0078】実施例1 N,N−ジメチルアセトアミド100重量部に、p−フ
ェニレンジアミン5.897重量部および3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物16.
019重量部を加えて、窒素気流下、40℃で3時間撹
拌し、重合反応させてポリマー濃度18重量%、ポリマ
ーの対数粘度(測定温度:30℃、濃度:0.5g/1
00ml溶媒、溶媒:N,N−ジメチルアセトアミド)
が1.3、溶液粘度1800ポイズ(30℃、回転粘度
計)のポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸
溶液に、ポリアミック酸100重量部に対して0.1重
量部の割合でモノステアリルリン酸エステルトリエタノ
ールアミン塩および0.5重量部の割合(固形分基準)
で平均粒径0.08μmのコロイダルシリカを添加して
均一に混合してポリアミック酸溶液組成物を得た。さら
に、このポリアミック酸溶液組成物に、ポリアミック酸
100重量部に対して1,2−ジメチルイミダゾール
2.39kg(ポリアミック酸単位に対して0.1倍当
量)を添加し、40℃で2時間撹拌し、ポリイミド前駆
体溶液組成物を得た。このポリイミド前駆体溶液組成物
を、Tダイのスリットより連続的に押出し、平滑な金属
支持体上に薄膜を形成した。この薄膜を140℃で20
分加熱後、支持体から剥離させ、自己支持性フィルムを
形成した。このフィルムの両端を拘束させた状態で、連
続的に加熱炉を通過させた。この際、加熱炉内の滞留時
間を13分、加熱炉内の最高加熱温度を480℃とし
た。このようにして長尺状で厚み50μmの芳香族ポリ
イミドフィルムを得た。この芳香族ポリイミドフィルム
の物性を下記表3に示す。
【0079】〔接着剤溶液の調製〕参考例4で製造され
たポリイミドシロキサン(A−1、B−2)55g、エ
ポキシ樹脂としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(油
化シェルエポキシ社製、エピコート807)30g、硬
化剤としてフェノールノボラック型硬化剤(明和化成社
製、H−1)15gと2−フェニルイミダゾール 0.
1g(2PZ)、およびTHF200gを仕込み、室温
(25℃)で約2時間撹拌して均一な耐熱性接着剤溶液
組成物(25℃の粘度:7ポイズ)を調製した。この溶
液組成物は、室温に1週間放置しても均一な溶液(粘
度)の状態を保持していた。
【0080】〔熱硬化性樹脂組成物シートによるTAB
用キャリアテープ〕前記耐熱性接着剤溶液組成物を前記
芳香族ポリイミドフィルム上にドクターブレードで12
5μmの厚さで塗布し、次いで、その塗布層を80℃で
10分間、加熱して乾燥し、その上にポリエチレンテレ
フタレートのシート(25μm)を90℃でラミネート
し35mm巾にスリットし、前記芳香族ポリイミドフィ
ルム上に厚さ約20μmの耐熱性接着剤組成物層(未硬
化層の軟化点は80℃)と保護層を有するTAB用キャ
リアテープを形成した。
【0081】〔金属箔との剥離強度〕前記の耐熱性接着
剤組成物層を有する芳香族ポリイミドフィルムに26m
m巾の銅箔(35μm)の処理面を重ね合わせて、13
0℃に加熱したラミネートロール間で圧力を加えながら
通過させることにより圧着し、この圧着した積層板を1
00℃で1時間、120℃で1時間、180℃で5時
間、窒素気流中で加熱処理して、耐熱性接着剤組成物層
を硬化させ、積層板を製造した。得られた積層板につい
て銅箔との剥離強度、絶縁抵抗、電気信頼性を測定し、
その結果を下記表4に示した。また、前記の耐熱性接着
剤組成物層を有する芳香族ポリイミドフィルムの耐屈曲
回数および吸水率の測定結果も併せて下記表4に示し
た。
【0082】実施例2〜3 フィルム厚みを変えたほかは実施例1と同様にして下記
表3に示す物性の芳香族ポリイミドフィルムを製造し
た。そして、各参考例4〜5で製造されたポリイミドシ
ロキサンを使用し、各成分の組成を下記表4に示すよう
にしたほかは、実施例1と同様にして耐熱性接着剤溶液
組成物をそれぞれ調製した。前記芳香族ポリイミドフィ
ルムおよび前記耐熱性接着剤溶液組成物を用いて、実施
例1と同様にして積層板をそれぞれ製造した。得られた
積層板について銅箔との剥離強度、絶縁抵抗、電気信頼
性を測定し、その結果を下記表4に示した。また、耐熱
性接着剤組成物層を有する芳香族ポリイミドフィルムの
耐屈曲回数および吸水率の測定結果も併せて下記表4に
示した。
【0083】実施例4 参考例6で製造されたポリイミドシロキサンを使用し、
各成分の組成を下記表4に示すようにしたほかは、実施
例1と同様にして耐熱性接着剤溶液組成物を調製した。
前記耐熱性接着剤溶液組成物をポリエチレンテレフタレ
ートのシート(25μm)上にドクターブレードで、1
25μmの厚さで塗布し、次いでその塗布層を80℃で
10分間加熱して乾燥し、その上にポリエチレンテレフ
タレート(25μm)を90℃でラミネートし、両側に
保護層を有する未硬化の耐熱性接着剤組成物(20μ
m)の積層シートを形成し26mm巾にスリットし、次
いで片方のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥が
して実施例1で使用したものと同じ芳香族ポリイミドフ
ィルムに120℃でラミネートしてTAB用キャリアテ
ープを形成したほかは、実施例1と同様にして、積層板
を製造した。得られた積層板について銅箔との剥離強
度、絶縁抵抗、電気信頼性を測定し、その結果を下記表
4に示した。また、耐熱性接着剤組成物層を有する芳香
族ポリイミドフィルムの耐屈曲回数および吸水率の測定
結果も併せて下記表4に示した。
【0084】実施例5 フィルム厚みを変えたほかは実施例1と同様にして下記
表3に示す物性の芳香族ポリイミドフィルムを製造し
た。そして、参考例5で製造されたポリイミドシロキサ
ンを使用し、各成分の組成を下記表4に示すようにした
ほかは、実施例1と同様にして耐熱性接着剤溶液組成物
を調製した。前記芳香族ポリイミドフィルムおよび前記
耐熱性接着剤溶液組成物を用いて、実施例1と同様にし
て積層板を製造した。得られた積層板について銅箔との
剥離強度、絶縁抵抗、電気信頼性を測定し、その結果を
下記表4に示した。また、耐熱性接着剤組成物層を有す
る芳香族ポリイミドフィルムの耐屈曲回数および吸水率
の測定結果も併せて下記表4に示した。
【0085】
【表3】
【0086】
【表4】
【0087】
【発明の効果】この発明の接着剤付き芳香族ポリイミド
フィルムは、優れた引張弾性率、伸びおよび引裂き伝播
抵抗(エルメンドルフ)を併有しかつ接着剤との密着
性、ハンドリング性および打ち抜き性の良好なものであ
り、また良好な支持性と、耐引き裂き性および耐屈曲性
を有している。また、この発明の金属張積層体および回
路板は、耐熱性および電気絶縁抵抗に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 79/08 C08L 79/08 A 4J043 C09J 163/00 C09J 163/00 179/08 179/08 Z 183/14 183/14 H05K 1/03 610 H05K 1/03 610N 650 650 (72)発明者 高橋 卓二 山口県宇部市西本町一丁目12番32号 宇部 興産株式会社高分子研究所(宇部)内 (72)発明者 山本 智彦 山口県宇部市大字小串1978番地の10 宇部 興産株式会社宇部ケミカル工場内 Fターム(参考) 4F100 AA01H AA20H AB01D AB01E AK41 AK49A AK49B AK49C AK49J AK52B AK52C AK52J AK53B AK53C AL01B AL01C AL05B AL05C BA02 BA03 BA04 BA05 BA06 BA07 BA10B BA10C BA10D BA10E CA02 CA23 EC01 EC012 EH17 EH172 EH46 EH462 EJ42 EJ422 EJ423 GB43 JK02 JK02A JK03 JK03A JK07 JK07A JK08A JL11 JL11B JL11C YY00A 4J002 CM041 DE136 DH046 DJ006 DJ016 DJ046 FD016 GF00 GP03 GQ05 4J004 AA11 AA13 AA17 AB05 CA06 CA07 CC02 FA05 4J036 AA01 AD08 AF01 AF06 AF08 AJ21 DA01 DC01 DC05 DC31 DC35 DD07 DD08 JA08 4J040 DL121 DL122 EC021 EC022 EC061 EC062 EC071 EC072 EC091 EC092 EC121 EC122 EH031 EH032 EK051 EK052 JA09 KA16 LA06 MA02 MB03 NA20 PA23 4J043 PA02 PA04 PA19 QB15 QB23 QB24 QB26 QB31 RA35 RA39 SA06 SB01 SB02 SB03 TA14 TA22 TA25 TA31 TB01 TB02 UA121 UA122 UA131 UA132 UA141 UA151 UA262 UA662 UA672 UB011 UB022 UB061 UB062 UB121 UB122 UB131 UB141 UB152 UB301 UB351 UB402 VA011 VA012 VA021 VA022 VA031 VA041 VA051 VA062 VA071 VA081 VA091 VA092 VA102 XA16 YA06 ZA31 ZA32 ZA35 ZB01 ZB11 ZB50 ZB58

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビフェニルテトラカルボン酸成分とフェ
    ニレンジアミンとを主成分として製造されたポリイミド
    からなり、厚みが5〜150μmであって、引張弾性率
    が、厚みが5μm以上50μm未満の場合には750〜
    1300kg/mm2 で、厚みが50μm以上100μm
    以下の場合には650〜1100kg/mm2 で、厚みが
    100μmより大きく150μm以下の場合には550
    〜1100kg/mm2 であり、伸びが45〜90%であ
    り、かつ引裂き伝播抵抗(エルメンドルフ)が、厚みが
    5μm以上50μm未満の場合には350〜1500g
    /mmで、厚みが50μm以上150μm以下の場合に
    は550〜1500g/mmである芳香族ポリイミドフ
    ィルムの少なくとも片側に接着剤層を有する、接着剤付
    き芳香族ポリイミドフィルム。
  2. 【請求項2】 芳香族ポリイミドフィルムの加熱収縮率
    が0.002〜0.4%であり、比端裂抵抗値が14〜
    25kg/20mm/10μmである請求項1記載の接
    着剤付き芳香族ポリイミドフィルム。
  3. 【請求項3】 芳香族ポリイミドフィルムが0.1〜5
    重量%の無機フィラーを含有する請求項1記載の接着剤
    付き芳香族ポリイミドフィルム。
  4. 【請求項4】 接着剤層が、下記(a)、(b)および
    (c)成分を含む接着剤組成物からなるものである請求
    項1記載の接着剤付き芳香族ポリイミドフィルム。 (a)ビフェニルテトラカルボン酸成分を主成分とする
    芳香族テトラカルボン酸成分と、下記〔化1〕の一般式
    (1)で示されるジアミノポリシロキサン10〜80モ
    ル%および芳香族ジアミン20〜90モル%からなるジ
    アミン成分とから得られた可溶性ポリイミドシロキサン
    100重量部 【化1】 (b)エポキシ化合物0〜250重量部 (c)エポキシ硬化剤0〜250重量部
  5. 【請求項5】 請求項1記載の接着剤付き芳香族ポリイ
    ミドフィルムに、接着剤層を介して金属層を積層してな
    る金属張積層体。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の金属張積層体の金属層に
    回路を形成してなる回路板。
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